以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図2は、この発明の画像処理装置としてのマルチファンクション型複写装置の外観を示すものである。図において、1はマルチファンクション型複写装置本体で、その上面前部には操作パネル5が設けられている。
複写装置1の図面に対して右側部には、給紙カセット6a、6b、及び大容量フィーダ6c、及び詳しくは後述するが電源スイッチA,Bとが設けられている。また、複写装置1の図面に対して左側部には、画像形成された用紙が排出されるソータ7が設けられている。
複写装置1の前面で、操作パネル5の下方部位には、文書情報などを記憶する記憶媒体としての光ディスクを挿入するためのディスク挿入口8が設けられている。
複写装置1の上面には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿ガラスが設けられていて、この原稿ガラス上には、原稿押えカバーを兼ね、裏向きにセットしたシート状の原稿(文書)を自動的に1枚ずつ送る自動反転原稿送り装置(リターン・オート・ドキュメント・フィーダ;RADF)10が開閉自在に設けられている。
図3は複写装置1の概略構成を示すものである。複写装置1は、スキャナ2、レーザプリンタ3、光ディスク装置4とから構成されている。
上記スキャナ2は、自動反転原稿送り装置(RADF)10と読取りユニットである第1キャリッジ11、第2キャリッジ12、結像レンズ13、CCDセンサ14からなる露光部15とから構成される。
図3において、原稿は原稿ガラス16上に下向きに置かれ、その原稿の載置基準は原稿ガラス16の短手方向の正面左側がセンタ基準になっている。その原稿は自動反転原稿送り装置(RADF)10の搬送ユニット部17の搬送ベルト18によって原稿ガラス16上に押え付けられる。原稿は蛍光灯ランプ19により照射され、その反射光はミラー20、21、22、結像レンズ13を介して、列状に配置された複数の受光素子を有したCCDセンサ14の面上に集光されるように構成されている。
上記ミラー20と蛍光灯ランプ19の光量を検知する光量センサ19a、および蛍光灯ランプ19の温度を一定に保つ図示しない保温ヒータとを具備した第1キャリッジ11とミラー21、22を具備した第2キャリッジ12は2:1の相対速度で移動するようになっている、第1キャリッジ11と第2キャリッジ12はスキャニングモータ(図示せず)によって左から右へ移動し、副走査する。副走査の速度は、読取り倍率によって2相パルスモータの励磁方法を1/2相励磁、マイクロステップ駆動により切換わるように構成されている。特に低速域において駆動系の固有振動を相殺する電流波形がパルスモータに入力されるようにパルスモータドライバ(図示せず)が構成されている。
以上のようにして、原稿ガラス16上に載置された原稿の画像は1ライン毎に順次読み取られる。
自動反転原稿送り装置(RADF)10にて両面原稿を読み取る場合は、原稿供紙台23に原稿が載置されたことを原稿検知スイッチ24が検知すると、RADFモードにセットされる。原稿はピックアップローラ25によって上面より取り出され、互いに反転する供紙ローラ26と分離ローラによって1枚ずつ分離、搬送される。搬送された原稿はアライニングローラ27で姿勢を正された後に搬送ユニット部17に送られる。
さらに、原稿は搬送ベルト18によって原稿ストッパ28に突き当てられるまで、すなわち読取基準位置に搬送される。ここで上述したように読取動作を行った後に搬送ベルト18が逆方向に回転することにより、原稿は自動反転原稿送り装置(RADF)10の反転ゲート30まで逆送される。このとき反転ゲート30は反転ローラ31aに原稿を搬送するような位置に回動しており、原稿は反転ローラ31a、31b、31cによって反転ガイド31d、31e、31fを通り反転してアライニングローラ31gに到達する。
ここで、姿勢を正された後に原稿はアライニングローラ31gにより搬送ユニット部17に送られ搬送ベルト18によって読取基準位置に搬送される。裏面の読取動作が終了すると、原稿は搬送ベルト18によって排紙ローラ38に到達するまで送られ、排紙ローラ38、39により排出され、原稿排紙トレイ40上に積載される。以上述べてきた動作を繰返すことで両面原稿を連続して読み取ることができる。
また、光ディスク装置4は、光ディスク41、光ディスク駆動モータ42、読取りヘッド(図示せず)、光ディスク駆動制御部43、光ディスク41の装着を検知する装着検知器(図示せず)とから構成され、複写装置1の前面に設けられたディスク挿入口8から光ディスク41を挿入、着脱できる位置に取付けられている。
また、レーザプリンタ3は、レーザ光学系45と転写紙の両面に画像形成が可能な電子写真方式を組み合せた画像形成部46から構成される。
すなわち、スキャナ2から送られてくる画像データは、後述する画像処理回路で処理されて、半導体レーザ発振器(図示せず)でレーザ光47を出力する。
出力されたレーザ光47は、例えばシリンドリカルレンズ等からなるビーム整形光学系(図示せず)によって整形され、空気軸受を利用したポリゴンモータ48に回転駆動させられるポリゴンミラー49によって偏向される。偏向されたレーザ光47はfθレンズ50を通して、ミラー51およびミラー52によって反射され、保護ガラス53を介して、感光体ドラム54上の露光位置55の地点に、必要な解像度を持つスポット結像をし、走査露光されることによって感光体ドラム54上に潜像を形成する。この偏向されたレーザ光47は、フォトダイオードからなるビームディテクタ(図示せず)でレーザ光を検知することによって、プリンタ画像同期信号(P-HSYNC )が生成される。
上記感光体ドラム54の周囲には、感光体ドラム54面を帯電する帯電チャージャ56、現像器57、転写ローラ58、クリーナ59、除電ランプ60が配設されている。
この感光体ドラム54は、駆動モータ(図示せず)によりV0 の外周速度で回転駆動され、グリッド電極を有する感光体ドラム54面に対向して設けられている帯電チャージャ56によりドラム面が帯電される。この帯電された感光体ドラム54上の露光位置55の地点にレーザ光47をスポット結像され潜像が形成された感光体ドラム54は、現像位置61の位置までV0 の速度で回転し、この位置で、感光体ドラム54上の潜像は現像器57からトナー像が形成される。トナー像が形成された感光体ドラム54は引き続きV0 で回転し、転写位置62の地点で、給紙系によりタイミングをとって供給された転写紙P上に転写ローラ63によって転写される。転写ローラ58に付着した不要なトナーは、転写ローラ清掃器64によってクリーニングされる。
給紙系は、2つの給紙カセット6a、6bと大容量フィーダ6cの三か所から被画像形成媒体として転写紙Pが選択的に給紙できる手段と、上記3か所の給紙手段とは別に、第1面(表面)に画像形成された転写紙Pを反転した後、この転写紙Pの第2面(裏面)に画像形成するべく再給紙する反転給紙部とからなる。
上記の二つの給紙カセット6a、6bと大容量フィーダ6c内の転写紙Pは、選択的に、例えば、ピックアップローラ68(または69、または70)により給紙を開始され、給紙ローラ71(または72、または73)、分離ローラ74(または75、または76)により、転写紙Pが一枚だけ分離されて給送され、レジストローラ78まで達し、所定のタイミングで転写部へ給送される。また、レジストローラ78は、図示しないレジストモータによって回転される。
大容量フィーダ6cのエレベータ79は、用紙の給紙部での位置がほぼ一定の高さになるように用紙枚数に応じて上下する。
また、上記転写ローラ58の下流側には用紙搬送機構80、定着器81、画像形成済転写紙Pを機外に排出するか、上記反転給紙部に導くかを切換える経路切替ガイド82、排紙ローラ83が配設されている。経路切替ガイド82は、定着器84から送られてくる転写紙Pの経路を図示のAA、BBの方向に変更させる。例えば、経路切替ガイド82が図示の状態のとき、転写紙Pは経路AAに進み、排紙ローラ83を経て、ソータ7に排紙される。
図1は、本発明に係る画像処理装置としてマルチファンクション型複写装置1の制御系の構成を示すものである。
すなわち、複写装置1は、CPU100 、各種ROM(プログラム記憶用、データベース用)101 、NVRAM102 、DRAM(ワーク、作業用、データ格納用)103 を有する。CPU100 は、複写装置1全体の制御を行うものであり、ここでは操作パネル5からの指示に従って各機能の制御を行う。また、画像データを大量に操作する場合など、場合に応じてハードディスク(HDD)、MOドライブを具備する場合もある。
スキャナインターフェース(SIF)104 はスキャナ2からの画像データを受け取り、画像処理回路(IPU)105 は記録装置に応じた高画質化処理や拡大縮小処理、画素間引き処理、マーカ検出による指定領域の白抜き処理などの画像編集処理を行い、プリンタインタフェース(PIF)106 はレーザプリンタ3に画像データを転送するものである。
ページメモリ(PM)107 は1画素につき多値のビット数を持つ多値のページメモリ部、QNT/PM(QNT:量子化、PM:ページメモリ)108 は多値データを記録用に2値化して記憶する2値化ページメモリと圧縮伸張回路と各種画像処理ASICとで構成される符号/復号化回路である。
ファクシミリ制御装置(FAXC)109 は、詳しくは後述するがファクシミリ手順に従って公衆回線との接続インターフェース(IF)をなすいわゆるモデムと送受信用ファクシミリバッファ、ファクシミリ画像データ格納用ファイルメモリ、画像の符号化/復号化、解像度変換等を行うCODEC(CODER−DECODER)及びこれらの制御とCPU100 との相互通信を行うファクシミリ用CPUとからなる。
ネットワーク制御装置(LANC)110 は、イーサネット(登録商標)との接続インターフェースとN社ネットワークプロトコルを制御するためのCPUを含むネットワーク制御回路である。なお、このLANのケーブルの一端はルータ/リピータ等のネットワークを構成する機器に接続される。
また、各種情報を一時記憶する共有RAM111が設けられている。これらの各デバイスは画像バス112 を介して接続され、CPU100 と各デバイス間の制御信号はシステムバス113 により高速に信号のやりとりが行われる。
この画像バス112 は、マルチファンクション型複写装置1が複写機として動作するときのために設けられた独特のもので、複写機としてのリアルタイム動作を保証するために、スキャナ2から入力される画像データをスキャナインターフェース104 で受信し、画像処理回路105 で高画質化処理、拡大縮小処理、各種編集処理を行い、プリンタインターフェース106 でレーザプリンタ3へ出力するという動作を並列的に行う。画像バスに接続されたボートの内、その時の動作に不必要な処理ボードは通過状態となる。例えば、単なる複写動作の際には図1に於けるQNT/PM108 は不必要なため通過となるし、メモリを利用して複数の複写画像を編集する場合にこの2値化ページメモリとしてのQNT/PM108 は必要となる。
図4は、ファクシミリ制御装置109 のハードウェアの構成例を示すものである。例えば、本実施例において説明される構成の装置において、ある動作条件では、ファクシミリ用の送信データは、スキャナ2から入力された後、画像バス112からファクシミリ制御装置109 のインターフェース部120 を介して入出力バッファ123 に蓄積される。蓄積されたデータは、CODEC124で符号化/圧縮され、ファイルメモリ(FILE MEMORY )125 に蓄積される。
NCU(NETWORK CONTROL UNIT)129 により回線を選択した後、ファクシミリ用の送信データは、CODEC126で相手局の能力に合わせた符号化方式/解像度に変換され、送受信バッファ127 を経由してモデム(MODEM )128 から送信される。この際、ファクシミリ用の送信ヘッダもCODEC126で付加される。
ファクシミリ通信制御用のコマンドは、複写装置1のCPU100 からインターフェース部120 のDMA転送によりファクシミリ制御装置109 に送られる。ファクシミリ制御装置109 のファクシミリ用CPU(FAX CPU )121 は、そのコマンド内容を実行し、ステータス、或いはリクエストを逆にCPU100 側にインターフェース部120 のDMA転送で送信する。
このコマンドによりファクシミリ用CPU121 はモデム128 を介して回線上に標準プロトコルに基づいた制御信号(ITU−T/T .30準拠)を送出する。また、CPU100 はステータス或いはリクエストの内容に応じて次の指示を送出する。
逆に受信の場合は、受信データは一旦ファクシミリ制御装置109 の送受信バッファ127 に蓄積され、エラーチェック等を実施した後、CODEC126で指定の符号化方式等に変換し、ファクシミリ制御装置109 のファイルメモリ125 に蓄積される。
蓄積された受信データは、CODEC124で伸張され、入出力バッファ123 に展開された後、インターフェース部120 を介して画像バス112 側からレーザプリンタ3に印字出力される。
図5は、操作パネル5の構成を示すもので、タッチパネルディスプレイ130 、スタートキー131 、ストップキー132 、クリアキー133 、数字を設定するテンキー134 、原稿サイズ・カセットを選択するカセットキー135 、選択された原稿サイズ・カセットを表示するカセット表示部(LED)136 、用紙サイズを選択するサイズキー137 、選択された用紙サイズ表示部(LED)138 、及び設定した部数を表示する部数表示部(LED)139 などが設けられている。
例えば、5部複写する場合、テンキー134 の"5"のキーが押されると、部数表示部139 にこの数が表示され、これをユーザが確認した後、原稿をセットしてスタートキー131 が押されることにより複写動作が開始される。
図6は、上述したタッチパネルディスプレイ130 の構成を示すものである。タッチパネルディスプレイ130 はタッチパネル140 を液晶ディスプレイ141 の上に重ねて構成される。タッチパネル140 は、透明基盤に透明抵抗体を一様に塗布し、X/Y方向にそれぞれ所定の距離間隔をおいて透明電極群を平行に配設してある。このタッチパネル140 はタッチパネル制御部142 によって制御され、X/Y方向の各透明電極にはそれぞれ一定方向に順次電圧が印加される。タッチパネル140 に対する位置の指示操作は専用の導電性ペン或いは指を用いて行われる。タッチパネル制御部142 は、X/Y方向のそれぞれの電極間の抵抗値を監視し、各電極間の抵抗値から演算により、導電性ペン或いは指の指示によって局所的に抵抗値が低減した位置の検出を行う。
また、液晶ディスプレイ141 は、これを表示駆動するためのディスプレイ制御部143 と、表示データを表示画素単位で格納する表示RAM(VRAM)144 がそれぞれ接続されている。
このような構成からなるタッチパネルディスプレイ130 において、タッチパネル制御部142 によって求められた位置データは、CPU100 により読み取られ、この位置データに対応した処理がCPU100 によって実行される。例えば、手書き入力を行う場合はタッチパネル140 上で指示された位置に対応するVRAM144 上のデータを非表示状態から反転して表示状態にし、液晶ディスプレイ141 に表示したキーボードディスプレイや各種設定ボタン群の中からの選択による動作パラメータなどの入力など、幅広い用途にこのタッチパネルディスプレイ130 は使用できる。
図7〜図9は、複写装置1で用いる標準的なG3ファクシミリ通信プロトコルの流れを示している。ここでは全て非エラー訂正モードの例を示しているが、通信プロトコルの流れとしては基本的にエラー訂正モードの場合も同様である。
図7は、送信データを1頁だけ送信する場合の例を示している。ここに示すように、ファクシミリの通信プロトコルはA〜Eの5つのフェーズに分割されており、それぞれA:呼設定、B:初期設定、C:データの送信、D:送信データ確認、E:切断に分かれている。
図8は、後続の頁があり、しかも送信条件が変更されない場合の例である。この場合には、フェーズDにおいてマルチページであることが被呼端末側に知らされ(MPS)、続いてフェーズC以降が繰り返される。
図9は、後続の頁があり、しかも送信条件が変更される場合の例である。この場合には、フェーズDにおいて通信条件の変更が被呼端末側に知らされ(EOM)、続いてフェーズB以降が繰り返される。
このそれぞれの通信手順のフェーズB(初期認識)において、最初に被呼端末(受信端末)からNSF(Not Standerd Facsimile)信号が送信される。この信号では、ITU−T/T.35において国コード、メーカーコードを提示することが規定されている。通常、同じメーカのファクシミリ装置同士の通信においては、この信号でそれぞれの機種を同定し、ITU−T/T.30の規定とは異なる各社独自の手順で通信を行う。
次に、複写装置1でのネットワーク送信の動作を説明する。
この場合、まず操作パネル5上でネットワーク送信のモードを設定する。次に送信先情報(ネットワークアドレス、ユーザIDなど)を設定する。そして送信画像データをセットする。設定された送信先情報はCPU100 の管理下に送信待ち行列にセットされる。また、送信条件に基づいて送信データは編集処理を行った後、符号化/圧縮処理を行い、ネットワークに対応したプロトコルに従って送信先への回線接続を行う。全ページ送信終了すれば回線切断処理を行う。
この動作の間、CPU100 は、操作パネル5からの送信先情報を管理し、スキャナインターフェース104 、QNT/PM108 に画像サイズ、圧縮方式などの各パラメータの設定を行う。そして開始指示が有れば、スキャナ2を駆動し、入力された画像データに対して画像処理回路105 で解像度変換、2値化、圧縮処理を施した後これらをQNT/PM108 へ保持するといった動作を最終ページまで行う。
次に、複写装置1における通常入力原稿のファクシミリ化の動作を説明する。
まず、上述の操作パネル5上でファクシミリ送信のモードを設定する。或いは、ネットワークを介してパーソナルコンピュータ等の端末装置上から送信モードを設定する。操作パネル5上からこのモード設定を行う場合には、タッチパネルディスプレイ130 に表示されたモード選択スイッチを指示することによって行われる。パーソナルコンピュータ等の端末装置上からモード設定を行う場合には、画面上のメニューからファクシミリ送信のモードを選択する。
続いて、ファクシミリ送信モードでの設定画面において送信先情報(電話番号、短縮ダイヤル番号等)、送信サイズ情報、拡大/縮小などの変倍情報、回転の有無、セキュリティの高い内容を含んだ文書(親展)であるか否か等の送信条件を設定する。
メモリ蓄積送信を行う場合には、送信先情報はCPU100 の管理下に送信待ち行列にセットされる。送信データは、スキャナ2で入力後、画像処理回路105 において操作パネル5で指定された拡大/縮小、中間調処理等の画像処理を行った後、ファクシミリ制御装置109 の入出力バッファ123 を使用して2値データとして展開される。続いてCODEC124を用いて符号化/圧縮処理を行い、ファクシミリ制御装置109 のファイルメモリ125 に蓄積/保存される。
ダイレクト送信を行う場合には、送信先情報に基づいてNCU129 が回線接続制御を行う。回線接続が成立した段階でスキャナ2より画像データを入力し、画像処理回路105 で相手局の能力に合わせた解像度に変換する。続いて、ファクシミリ制御装置109 の入出力バッファ123 に転送され、送受信バッファ127 を経由した後、送信される。
全ページの送信データを送信終了後、回線切断処理を行う。
次に、複写装置1におけるQNT/PM108 を使用した複写画像のメモリ編集機能について説明する。
スキャナ2より入力された画像は画像処理回路105 においてユーザが選択した機能に応じた解像度変換、2値化処理を行った後、QNT/PM108 に蓄積される。ユーザが選択した機能に応じた解像度変換とは、例えば2枚の原稿を縮小して1枚に納める2頁入力1頁出力機能を選択した場合の71%縮小などが該当する。
2頁入力1頁出力処理の場合、QNT/PM108 には、画像処理回路105 で約71%縮小が展開された画像が読み込まれる。更に90度回転処理を実施した後、2頁(枚)分を1頁(枚)として印字出力する。
図10は、複写装置1の全体の制御構成を示したものである。この図において、画像入力制御部150 とは、スキャナ2及び画像の解像度を変更し、また高画質化処理を行う画像入力処理ユニットより構成される。
印刷制御部151 は、ファクシミリ受信データや複写データを受けとり、印字出力するために解像度を調節し、更にスムージングなどの高画質化処理を行うための画像処理ユニットより構成される。
これらのスキャナ2/レーザプリンタ3は、それぞれメカ制御用のCPU(図示しない)により直接的に制御されており、CPU100 はこれらにメッセージを送ることで制御を行っている。
複写制御部152 は、画像入力制御部150 より受け取った画像データを多値画像として展開し、枠消し処理など様々な画像編集を行うためのページメモリ107 、複数の2値画像を蓄積し、Nin1(N頁入力1頁出力)処理や排出順序の並び替え処理などを実施するためのQNT/PM108 における符号化/復号化及びその他の画像処理のためのASICから構成される。
操作条件/機能選択認識部153 は、操作パネル5等から構成される。例えば操作パネル5よりファクシミリ送信が指示されると、その情報はファクシミリ通信制御部154 或いは複写制御部152 に伝えられる。
また、ここでは装置全体のメモリ残量や動作状態を常に監視し、また、タイマーの監視等の時間制御を行い、状態に応じて適宜、状態表示部154 に対してメッセージの表示やメニューの切り替えを依頼すると同時に、動作の切り替え制御を行う。
状態表示部154 としては、操作パネル5のタッチパネルディスプレイ130 が担当する。タスクの終了、エラー情報などの状態を通知された場合、CPU100 は、液晶ディスプレイ141 上にその旨を表示する。
ファクシミリ通信制御部155 は、ファクシミリ制御装置109 が該当するのでここでは説明を省略する。
図11は、複写装置1における電源の供給範囲を示している。電源スイッチA、Bともにオンの場合、複写装置1全体に電源が供給されるが、電源スイッチAのみオフとするとスキャナ2、レーザプリンタ3、及び画像処理回路105 の電源がオフとなる。図11において、点線で示す範囲が電源スイッチAの有効範囲で、2点鎖線で示す範囲が電源スイッチBの有効範囲である。
このため、夜間などファクシミリ受信以外の用途が発生しない場合には、複写装置1の電源スイッチA、Bのうち電源スイッチBのみオンとすれば、無駄な電力を消費することなくファクシミリ送受信を遂行することが可能となる、
また、この間、ファクシミリ以外の機能は使用されることがないので、複写編集用のメモリであるQNT/PM108 のメモリをファクシミリで使用することが可能となる。
図12は、本発明の複写装置におけるファクシミリ受信データの蓄積動作の概念を示すものである。
通常の状態の場合、すなわち電源オンのときのファクシミリ受信データは、ファクシミリ専用メモリに受信データが蓄積されてプリンタで印刷される。
夜間の状態の場合、すなわち夜間などに不必要なスキャナやプリンタ等の電源がオフのときのファクシミリ受信データは、ファクシミリ以外に用いられるメモリに受信データを蓄積し、電源がオンとなった際にプリンタで印刷すると共に親展の受信データはファクシミリ専用メモリに蓄積する。
次に、このような構成において、ファクシミリ受信処理方法の切り替え動作を図13、図15、図1616、図17、図18のフローチャートを参照して説明する。
この受信処理方式の切り替えは、ファクシミリ以外の1つないしそれ以上の画像形成手段(スキャナ2、レーザプリンタ3など)が使用されないことが明確であり、且つそれらの手段において専ら使用される画像メモリが、使用可能状態にある場合においてのみ実行される。
図14は、操作パネル5のタッチパネルディスプレイ130 のメニュー画面例を示すものである。切替手段としての切り替え方法については、タッチパネルディスプレイ130 のメニュー画面を使用して夜間など複写機能やプリンタ機能を使用しない時間を指定することでファクシミリ以外のメニューを使用しないことを明確化して受信処理の方式を切り替える方法や、夜間のようにスキャナ2/レーザプリンタ3の電源をオフ(電源スイッチAをオフ)することで、物理的にファクシミリ以外の機能が使用不可能であることを明確化して受信処理の方式を切り替える方法などが存在する。
本実施例では、以下、スキャナ2/レーザプリンタ3の電源がオフである場合に、受信処理方式を切り替える制御手段について説明する。なお、上述したように、受信を切り替えるためのトリガとなる要因が異なっている場合でも、以下の処理フローは基本的には同様であると考えて差し支えない。
図13において、スキャナ2/レーザプリンタ3の電源がオンの状態で着信を認識すると(ST2)、図15に示す受信処理方式1の受信処理フローに従って受信処理を行う(ST3)。
受信処理が終了すると、図17に示す受信処理方式1の受信印刷処理フローに従って印刷処理を行う(ST5)。この際、受信データがパスワード等を用いた親展データであった場合(ST4)には、パスワードの入力を行い(ST5)、照合し(ST6)、パスワードの一致を確認した場合にのみ印字出力を行う(ST7)。
スキャナ2/レーザプリンタ3の電源がオフであることが確認された場合、本実施例では着信を認識すると(ST9)、図16に示す受信処理方式2の処理フローに基づいて受信処理を行う(ST11)。
ただし、この際、QNT/PM108 におけるメモリ残量が非常に少ない場合(ST10)にCPU100 は、図15に示す受信処理方式1に切り替え(ST12)、ファクシミリ制御装置(FAXC)109 のファイルメモリ125 領域を使用して受信データの蓄積処理を行う。
スキャナ2/レーザプリンタ3の電源がオンになったことが確認された場合(ST8)、ファクシミリ制御装置(FAXC)109 のファイルメモリ125 領域に受信画像が蓄積されていると(ST13)、上述したように、親展データであるか否かの確認を行い、図17R>7に示す受信処理方式1の受信印刷処理フローチャートに従って印刷処理を行う。
ファクシミリ制御装置109 のファイルメモリ125 に受信蓄積されている全データの印刷処理が終了し、さらにQNT/PM108 においても受信データが蓄積されている場合は、図13に示す全体処理のフローチャートにおけるC部に移行する(ST14)。
ファクシミリ制御装置109 のファイルメモリ125 に蓄積されている受信データの印刷処理が全て終了した場合、またはファイルメモリ125 を使用して、受信画像データを蓄積していない場合、図18に示す受信処理方式2のデータ印刷処理のフローチャートに従って印刷処理を行う(ST15)。
この印刷処理が終了するとCPU100 は、操作パネル5上でスキャナ2/レーザプリンタ3を使用するファクシミリ以外の機能が使用可能である旨を明示する。
図14は、上述した時間を指定して本発明で示す受信処理を切り替えるために使用するタッチパネルディスプレイ130 に表示される時間指定メニュー例である。例えば、複写装置1において、複写などファクシミリ以外の機能を使用する時間帯が、午前9:00〜午後11:00までに限られている場合など、このメニュー画面で開始時間を「23:00」とし、終了時間を「9:00」とすれば、午後11:00〜翌日の午前9:00までの間のみ、複写編集用画像メモリなど、ファクシミリ以外の機能で、この時間に使用されることのない機能の画像メモリを使用してファクシミリ受信処理を行うことを示している。
図15は、上述した受信処理方式1の受信処理手順を示すフローチャートである。
ファクシミリの受信が開始されると被呼端末であるファクシミリ制御装置109は発呼局に対して受信能力を通知する必要があり、複写装置1のCPU100 は、ファクシミリ制御装置109 に対して受信能力を通知すると同時に、ファクシミリ制御装置109 のファクシミリ画像データ蓄積用の第1の記憶手段としてのファイルメモリ125 に蓄積するための蓄積条件を通知する(ST21)。この場合の受信能力とは解像度、符号化方式、画像サイズ、エラー訂正能力などを意味する。また、蓄積条件とは、解像度、符号化方式、ファイル名、画像サイズを意味する。
次に送信局の提示する通信条件を受け取り、受信が可能であるか否かを判断する。続いて、TSI信号が送出されている場合には、この情報を獲得する(ST22)。この情報は、操作パネル5上に表示すると同時に、受信継続が不可能となり回線が切断される場合に、相手局側にその旨を通知する際に使用する。
画像データを受信すると受信画像のエラーをチェックする(ST23)。エラー訂正モード(ECM)の場合には、受信フレームをHDLC(HI-LEVEL DATALINK CONTROL)のフレームチェックシーケンスによりエラーチェックを行う。非エラー訂正モードの場合には、各受信画像のライン終端を示すビットを監視し、エラーごとに正常な画素数であるか否かを判断する。ECMの場合は1フレームでもエラーを検出すれば再送を要求するが、非ECMの場合には予め設定されたエラーライン数を越えた場合にのみ、送信局側に再送を要求する(ST25)。
受信画像はエラーチェック後、ファクシミリ制御装置(FAXC)109 の送受信バッファ127 に1ブロック分蓄積されるとファイルメモリ125 に転送される。ここで、1ブロックとはファクシミリ制御装置(FAXC)109 におけるメモリ管理上の単位を意味する。通常は、ITU−Tの標準化勧告でエラー訂正を64KB単位で行うため、64KB程度を1ブロックとして扱う。
ファイルメモリ125 の残量が1ブロック分ない場合(ST28)、受信画像は入出力バッファ123 に直接展開される(ST29)。1頁分展開された時点でレーザプリンタ3が使用可能であった場合は印字出力を行う(ST32)が、紙詰まり等でレーザプリンタ3が使用できない場合、回線が切断される(ST33)。回線が切断されると、送信局側から有効なTSI信号を受信していた場合には、相手局に回線が切断された旨を通知する(ST35)。
それ以外の場合は先述の蓄積条件に従って符号化変換等を行い(ST36)、ファイルメモリ125 に蓄積/保存する(ST37)。この場合の符号化変換には、ファクシミリ制御装置109 のCODEC124を使用する。
最終ページまで上記処理を行うと受信処理を終了する(ST38)。
図16は、受信方式2の時の処理方式を示すフローチャートである。
受信が開始されると、被呼端末であるファクシミリ制御装置109 は発呼局に対して受信能力を通知する必要があるため、複写装置1のCPU100 はファクシミリ制御装置109 に対して受信能力を通知すると同時に、第2の記憶手段としてのQNT/PM108 に蓄積するための蓄積条件を通知する(ST41)。この場合の受信能力とは解像度、符号化方式、画像サイズ、エラー訂正能力などを意味する。また、蓄積条件とは、解像度、符号化方式、ファイル名、画像サイズを意味する。
次に送信局の提示する通信条件を受け取り、受信が可能であるか否かを判断する(ST42)。
画像データを受信すると受信画像のエラーをチェックする(ST43)。エラー訂正モード(ECM)の場合には、受信フレームをHDLC(HI-LEVEL DATALINK CONTROL)のフレームチェックシーケンスによりエラーチェックを行う。非エラー訂正モードの場合には、各受信画像のライン終端を示すビットを監視し、エラーごとに正常な画素数であるか否かを判断する。ECMの場合は1フレームでもエラーを検出すれば再送を要求するが、非ECMの場合には、予め設定されたエラーライン数を越えた場合にのみ、送信局側に再送を要求する(ST45)。
受信画像はエラーチェック後ファクシミリ制御装置109 の送受信バッファ127に1ブロック分蓄積されるとQNT/PM108 に転送される(ST48)。ここで、1ブロックとはファクシミリ制御装置109 におけるメモリ管理上の単位を意味する。通常は、ITU−Tの標準化勧告でエラー訂正を64KB単位で行うため、64KB程度を1ブロックとして扱う。
最終ページまで上記処理を行うと受信処理を終了する(ST49)。
図17は、受信処理方式1の印刷処理手順を示すフローチャートである。
印刷処理を開始する際、印刷制御部のプリンタが使用可能であるか否かを確認する(ST51)。ここで使用不可能であるときとは、給紙切れ、プリンタ紙詰まり発生しているか、または複写等で使用中であることを示している。
印刷可能状態となると、印刷する受信画像のファイル名とその画像属性とをファクシミリ制御装置(FAXC)109 に通知する(ST52)。ここで、画像属性とは受信画像を蓄積保存した際の符号化方式、解像度、紙サイズなどの情報を意味する。また、ここで示すファイル名とは、受信画像の管理を行うために、便宜上、つけられたファイル名である。
次にファクシミリ制御装置109 に対して画像をファクシミリ制御装置109 の入出力バッファ123 に展開する旨を通知し、画像伸張/展開が終了するまで待機する(ST53)。
展開が終了する(ST54)と、印刷制御部151 に画像データを転送し(ST55)、レーザプリンタ3で印刷処理を行う(ST56)。もし、ここで印刷中に紙詰まり等が発生し(ST57)、正常終了しなかった場合は、紙詰まり状態から復旧するまで画像データは入出力バッファ123 に保存される(ST58)。ここで、復帰作業とは、詰まった紙の除去作業等を意味するが、本発明とは直接関係がないため、ここでは詳細に記述を行わない。印刷終了が正常に終了するまで、入出力バッファ123 上の画像データは保存され、印刷制御部151 に転送される。
印刷が終了する(ST59)と、展開された画像は破棄される(ST60)。
以上の作業を最終ページまで繰り返すと印刷処理を終了する(ST61)。
図18は、受信処理方式2の時の印刷処理手順を示すフローチャートである。
まず、パスワード等を用いて親展データを受信している場合、第2の記憶手段としてQNT/PM108 に蓄積されているそれらの画像データはファクシミリ制御装置109 の第1の記憶手段としてのファイルメモリ125 に移動する(ST73)。もしも、ファイルメモリ125 のメモリに入りきらない場合はQNT/PM108 上に残す。全ての親展データの移動が終了すると操作パネル5のタッチパネルディスプレイ130 に親展データ有りのメッセージを表示する(ST75)。この親展データの印刷処理は図18中のD部以降、図13の全体処理フローチャートのD部に移行する。
親展データでなくQNT/PM108 に蓄積されている画像データの印刷処理を開始する際、毎ページ、印刷制御部151 のレーザプリンタ3が使用可能であるか否かを確認する(ST76)。ここで使用不可能であるときとは、給紙切れ、プリンタ紙詰まりが発生していることを示す。
印刷可能状態であればページごとにQNT/PM108 上に伸張/展開する(ST77)。展開画像は印刷制御部151 のレーザプリンタ3に転送し(ST79)、印字出力を行う(ST80)。印刷が終了すると、そのデータは破棄しメモリを解放する(ST84)。
全蓄積データに対して以上の処理を終えると、操作パネル5の表示手段としてのタッチパネルディスプレイ130 に、複写可能またはプリンタ使用可能である旨を表示する(ST87)。
即ち、上述した方法は、電源がオンの状態になった段階で、レーザプリンタ3が使用可能となると蓄積している画像を全てファクシミリ制御装置109 への転送、または印刷処理によりQNT/PM108 から排出し、排出が終了しメモリが解放された時点で、ファクシミリ以外の機能を全て使用可能とすることを示している。
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、複写用の画像メモリなど、夜間などには使用しないことが明確に判明しているメモリをファクシミリ用に使用することで、メモリ不足による回線切断などの事象の発生を極力回避すると同時に、セキュリティの向上とメモリ使用の効率化を図ることができる。
1…マルチファンクション型複写装置、2…スキャナ、3…レーザプリンタ、5…操作パネル、100 …CPU、105 …画像処理回路、108 …QNT/PM、109 …ファクシミリ制御装置、112 …画像バス、113 …システムバス、123 …入出力バッファ、124,126 …CODEC、125 …ファイルメモリ、127 …送受信バッファ。