JP4108070B2 - 流体機械及びその製作方法及び弁板の検査方法 - Google Patents

流体機械及びその製作方法及び弁板の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、油圧ポンプ、油圧モータ、水圧ポンプ、水圧モータ等に適用され、回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、前記シリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえた流体機械、及び該流体機械の製作方法、並びに前記弁板の検査方法に関する。
建設機械等の作業機器の動力源として用いられている油圧ポンプは、回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、回転駆動される斜板により前記シリンダ内を往復動せしめられて該シリンダ内の作動流体を加圧するピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえ、前記ピストンによる作動流体の加圧時に前記シリンダ内と前記弁板の高圧ポートとが連通し前記ピストンによる作動流体の吸入時に前記シリンダ内と前記弁板の低圧ポートとが連通するように構成されている。
かかる油圧ポンプにおいては、回転駆動されるシリンダブロックと該シリンダブロックの端面に流体密に高圧で摺接される弁板との間に摩耗、焼き付きの発生をみることが多々ある。このような、シリンダブロックの端面と弁板との間の摺接部の摩耗、焼き付きを防止する手段の1つとして、特許文献1(特開平9−209918号公報)の技術が提供されている。
かかる技術においては、回転駆動されるシリンダブロックと該シリンダブロックの端面に摺接されエンドプレートに固定される弁板(バルブプレート)とを、エンドプレート側のステンレス製の第1層と、シリンダブロック側の合成樹脂製の第2層とで形成し、前記合成樹脂製の第2層とシリンダブロックとを摺接させることにより、シリンダブロックと弁板(バルブプレート)との間からの作動流体の洩れを防止するとともに、該シリンダブロックと弁板(バルブプレート)との間の摺接部の焼き付きを防止している。
特開2000−146750号公報
前記特許文献1(特開平9−209918号公報)の技術においては、前記のように、回転駆動されるシリンダブロックと該シリンダブロックの端面に流体密に高圧で摺接される弁板との間の摺接部の焼き付きを防止する手段として、弁板(バルブプレート)のエンドプレート側にステンレス製の第1層を形成するとともにシリンダブロック側に合成樹脂製の第2層を形成している。
このため、かかる従来技術にあっては、前記弁板の表面にステンレス製の第1層及び合成樹脂製の第2層の被覆加工を行う必要があり、かかる被覆加工工程の実施のため油圧ポンプの製造工数が増加して製造コストの増大を招く。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、回転駆動されるシリンダブロック及び弁板に格別な加工工数を加えることなく、従って流体機械の製造工数および製造コストの増加を伴うことなく、きわめて簡単な手段で以ってシリンダブロックと弁板との間の摺接部の摩耗、焼き付きの発生を防止可能とした流体機械及びその製作方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、前記シリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえた流体機械において、前記弁板は、前記シリンダブロックの端面と摺接する摺接面が形成されたランド部の外周側端部及びシリンダブロックの回転方向上流側端部に、端縁が前記摺接面から一定の削落し量(y)削り落され、かつ前記摺接面に滑らかに接続される逃げ部を形成してなることを特徴とする。
(削除)
そして、かかる逃げ部は、具体的には次のように形成するのがよい。
(1)前記逃げ部は一定の半径(R)からなる曲面に形成され、前記半径(R)が10mm以上で(R≧10mm)、かつ前記削落し量(y)と前記半径(R)との比(y/R)を、0・001<(y/R)<1の範囲に設定してなる。
(2)前記逃げ部は前記ランド部の外側に傾斜した傾斜面に形成され、該傾斜面の内側を前記摺接面に滑らかに接続してなる。
一般に、回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、前記シリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえた流体機械においては、シリンダブロックの端面と該端面に高い面圧で以って摺接される弁板のランド部の摺接面との間には、該ランド部の摺接面の端縁に近い部位の接触面圧が該摺接面中央部の接触面圧よりも局部的に大きくなり、従ってシリンダブロックの端面と弁板のランド部との摺接部の摩耗、焼き付きは該摺接面の端縁に近い部位に集中して発生する。
また、前記シリンダブロックの端面と弁板のランド部の摺接面との接触面圧は、前記ランド部の外周側端部及びシリンダブロックの回転方向上流側端部において、他の部位よりも大きくなる。
しかるに、かかる発明によれば、弁板の、シリンダブロックの端面と摺接する摺接面が形成されたランド部に、端縁が前記摺接面から一定の削落し量(y)削り落されかつ前記摺接面に滑らかに接続される曲面、あるいはランド部の外側に傾斜し内側を前記摺接面に滑らかに接続される傾斜面を形成したことにより、前記摺接面における接触面圧が最大となる摺接面の端縁に近い部位の局部的な接触面圧の上昇を回避でき、また前記ランド部の外周側端部及びシリンダブロックの回転方向上流側端部に前記逃げ部を形成したことにより、かかる部位における局部的な接触面圧の上昇を回避でき、該接触面圧による摺接部の摩耗、焼き付きの発生を回避できる。
また、前記逃げ部に隙間を通して潤滑油が前記摺接面に侵入し易くなって、該摺接面の潤滑性が向上し、この面からも該摺接部の摩耗、焼き付きの発生を回避できる。
また本発明は、前記流体機械の製作方法として、次の2つの方法を提案する。
(1)弁板材料よりヤング率(縦弾性率)の高い材料からなる研磨工具であって、該研磨工具の平滑面を弁板ランド部の摺接面全面に接触させた該研磨工具を前記弁板の軸心と同心軸で回転さながら、前記弁板のランド部に押し付けてランド部の摺接面を研磨する
このように構成すれば、ヤング率(縦弾性率)の高い材料からなる研磨工具を前記弁板の摺接面に押し付けて該摺接面を研磨することにより、該摺接面の縁部近傍に応力集中が発生して該縁部近傍の摩耗が他の部位よりも大きくなる。これにより、該弁板の縁部近傍
がヤング率(縦弾性率)の高い材料からなる研磨工具によって該縁部近傍の摩耗が形成される結果、逃げ部の加工形成がなされる。また、前記研磨工具の押し付け力を変化させて逃げ部の形状を変えることができ、容易に逃げ部の目的形状が得られる。
これにより、ヤング率(縦弾性率)の高い材料からなる研磨工具を用いて、弁板の摺接面及び逃げ部を同時に加工でき、該逃げ部の加工に格別の工程を必要としない。
(2)シリンダブロックの端面と摺接する摺接面が形成されたランド部を、ランド部の溝を削って加工するエンドミルに、溝切削部に加えて、端縁が前記摺接面から一定の削落し量(y)削り落され、かつ前記摺接面に滑らかに接続される逃げ部を加工するための曲面加工部を一体に形成した一体型エンドミルを用い、前記ランド部の溝と逃げ部とを同時に加工する。
このように構成すれば、1つのエンドミルでランド部の溝の加工と逃げ部の形成とを同時にでき、加工能率が向上する。
また本発明は、前記流体機械における弁板の検査方法として、前記弁板に、前記シリンダブロックの端面と摺接する摺接面と、端縁が前記摺接面から一定の削落し量(y)削り落されかつ前記摺接面に滑らかに接続される逃げ部が形成されたランド部の上面に光を透過する材質からなる透過板を当接し、光源からの光を前記透過板を通して前記逃げ部及び摺接面に当て、少なくとも前記逃げ部の表面からの反射光から光干渉による干渉縞を検出し、前記表面の理想形状における干渉縞のパターンと前記検出された干渉縞とを比較して前記弁板表面の良否を検査することを特徴とする流体機械における弁板の検査方法を提案する。
かかる発明によれば、逃げ部の表面の理想形状における干渉縞のパターンを用意し、実際の逃げ部の干渉縞のパターンと比較することによって、逃げ部の加工不良の有無を迅速かつ簡単に判定できる。
本発明によれば、回転駆動されるシリンダブロック及び弁板に、従来技術のような、弁板の表面にステンレス製の第1層及び合成樹脂製の第2層の被覆加工を行うような格別な加工を施すことなく、弁板のシリンダブロックの端面との摺接面が形成されたランド部の端縁側に、該摺接面の加工と同時に逃げ部を形成するという、格別な加工工数を加えることなく、きわめて簡単な手段で以ってシリンダブロックと弁板との間の摺接部の摩耗、焼き付きを回避可能となる。
これにより、流体機械の製造工数および製造コストの増加を伴うことなく、シリンダブロックと弁板との間の摺接部の摩耗、焼き付きの発生を防止できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図11は本発明が適用される油圧ポンプの運動部分の断面図であり、図において、6は図示しないモータにより回転駆動される駆動軸、5は該駆動軸6に取り付けられた斜板、2は該駆動軸6と連動して回転せしめられるシリンダブロック、4は該シリンダブロック2に円周方向等間隔に複数個穿設されたシリンダ、7は各シリンダ4内に往復動自在に嵌合されたピストンで、該駆動軸6の回転によって斜板5が回転せしめられとともに、シリンダブロック2が回転せしめられる。
前記斜板5の回転は、スラストプレート08及び球面継手8を介してピストン7に伝達され、該斜板5の回転によってピストン7がシリンダ4内を往復動せしめられる。
1は図示しないケースに固定された円板状の弁板で、図1に示されるように、図示しない吸入口に連通される低圧ポート13及び図示しない吐出口に連通される高圧ポート12を備えている。前記斜板5の回転によってピストン7が図11の右動して吸入行程になると、前記シリンダブロック2の回転によって当該ピストン7のシリンダ4と前記弁板1の低圧ポート13とが連通して、作動油がシリンダ4内に吸入される。
そして、前記ピストン7が図11の左動してシリンダ4内の作動油を圧縮する吐出行程になると、前記シリンダブロック2の回転によって当該ピストン7のシリンダ4と前記弁板1の高圧ポート12とが連通して、高圧に圧縮された作動油がシリンダ4内から高圧ポート12を介して前記吐出口に吐出される。
以上に述べた油圧ポンプの基本構成は従来技術と同様である。
本発明は前記弁板1の改良に係るものである。
図1は本発明の第1実施例に係る油圧ポンプの弁板の正面図、図2は弁板の側面図、図3は弁板におけるランド部の拡大断面図である。
図1〜2において、1は弁板で、前記シリンダブロック2の回転により前記シリンダ4に選択的に連通される高圧ポート12及び低圧ポート13が穿孔されている。11は該弁板1の外周側に突設されたランド部であり、該ランド部11の摺接面11a及び前記高圧ポート12及び低圧ポート13の周囲に形成されたシール面14が前記シリンダブロック2の端面2aと摺接することにより、前記高圧ポート12及び低圧ポート13からの流体の漏れをシールしている。15は中心孔である。
本発明の第1実施例においては、前記ランド部11に、端縁11cが前記摺接面11aから一定の削落し量yだけ削り落され、かつ前記端縁11cからの長さLの内周側が前記摺接面11aに滑らかに接続される逃げ部11bを形成している(図3参照)。
前記逃げ部11bは次の2つの形状とするのが好ましい。
(1)前記逃げ部11bは一定の半径Rからなる曲面に形成され、前記半径Rが10mm以上で(R≧10mm)、かつ前記削落し量yと前記半径Rとの比(y/R)を、0・001<(y/R)<1の範囲に設定する。
即ち、図12は3種類の該弁板1用鋼材(材料A、材料B、材料C)について、前記前記逃げ部11bの半径Rと該弁板1の摺接面11aの焼き付き限界との関係についての実験結果を示している。図12に明らかなように、前記半径Rが10mm未満の場合は前記焼き付き限界が小さくなることから、前記半径Rは10mm以上(R≧10mm)が妥当である。
また、前記削落し量yと前記半径Rとの比(y/R)については、y/R≦0・001
の場合は前記削落し量yが小さくなり過ぎて、逃げ部11bの形成による焼き付き防止効果がないので0・001<(y/R)とし、y/R=1の場合は通常のR面取りであることから、y/R<1とする。
(2)図示を省略するが、前記逃げ部11bは前記ランド部11の外側つまり端縁11cに傾斜した傾斜面に形成され(即ち前記半径R=∞)、該傾斜面の内周側を前記摺接面11aに滑らかに接続する。
図4は本発明の第2実施例に係る油圧ポンプを示し、(A)は弁板の正面図、(B)はランド部の拡大断面図である。かかる第2実施例においては、前記逃げ部11bを図4のY部に示すランド部11の外周側端部、及び、図4のZ部に示すランド部11の前記シリンダブロックの回転方向上流側端部に形成している(前記外周側端部あるいはの回転方向上流側端部のいずれか一方でもよい)。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材、要素は同一の符号で示す。
図11に示されるような油圧ポンプにおいては、シリンダブロック2の端面2aと該端面2aに高い面圧で以って摺接される弁板1のランド部11の摺接面11aとの間には、該ランド部11の摺接面11aの端縁11cに近い部位の接触面圧が該摺接面中央部の接触面圧よりも局部的に大きくなり、従ってシリンダブロック2の端面2aと弁板1のランド部11との摺接部の摩耗、焼き付きは前記摺接面11aの端縁11cに近い部位に集中して発生する。
また、前記シリンダブロック2の端面2aと弁板1のランド部11の摺接面11aとの接触面圧は、前記ランド部11の外周側端部及びシリンダブロック2の回転方向上流側端部において、他の部位よりも大きくなる。
しかるに、かかる第1実施例及び第2実施例によれば、弁板1の、シリンダブロック2の端面2aと摺接する摺接面11aが形成されたランド部11に、端縁11cが前記摺接面11aから一定の削落し量yだけ削り落され、かつ内周側が前記摺接面11aに滑らかに接続される半径Rの曲面、あるいはランド部11の外側(端縁11c側)に傾斜し内側を前記摺接面11aに滑らかに接続される傾斜面を形成したことにより、前記摺接面11aにおける接触面圧が最大となる該摺接面11aの端縁に近い部位の局部的な接触面圧の上昇を回避でき、該接触面圧による摺接部の摩耗、焼き付きの発生を回避できる。
また、特に第2実施例によれば、前記ランド部11の外周側端部及びシリンダブロック2の回転方向上流側端部において、前記逃げ部11bをランド部11の外周側端部(図4のY部)及び、該ランド部11のシリンダブロック2の回転方向上流側端部(図4のZ部)に形成しているので、接触面圧が大きくなる部位である前記外周側端部及びシリンダブロック2の回転方向上流側端部における局部的な接触面圧の上昇を回避でき、該接触面圧による摺接部の摩耗、焼き付きの発生を回避できる。
また、前記逃げ部11bをシリンダブロック2の回転方向上流側端部に形成すれば、該逃げ部11bにより形成される隙間を通して潤滑油が前記摺接面11aに侵入し易くなって、該摺接面11aの潤滑性が向上し、この面からも該摺接部の摩耗、焼き付きの発生を回避できる。
また、図5(A)は本発明の第3実施例に係る弁板の加工説明図、(B)は面圧分布図である。
前記のように、シリンダブロック2の端面2aと弁板1のランド部11の摺接面11aとの間の接触面圧21は、該摺接面11aの端縁11cに近い部位の方が該摺接面中央部の接触面圧よりも局部的に大きくなる。
そこで、第3実施例では前記のような現象を利用して、弁板1のランド部11の摺接面11aと逃げ部11bとを同時に加工成型している。
即ち、第3実施例に係る弁板の加工方法においては、図5(A)に示されるように、研磨用の研磨工具20に、セラミックス、砥石等の弁板1の摺接面11aよりもヤング率(縦弾性率)の高い材料を用い、該研磨工具20を前記弁板1の軸心1aと同心軸で回転さながら、前記弁板1のランド部11に押し付け、摺接面11aを研磨する。
このときの前記摺接面11aにおける面圧分布つまり圧縮応力分布は図5(B)のようになり、摺接面11aの端部に応力集中による大きな面圧つまり圧縮応力が発生する。
従って、ヤング率の高い材料からなる研磨工具20をランド部11に押し付けて摺接面11aを研磨すれば、それと同時に大きな圧縮応力が発生する端部側の研削量が大きくなって、該端部側に逃げ部11bが加工形成される。
また、前記研磨工具20の押し付け力を変化させることにより、前記逃げ部11bの形状を変えることができるので、容易に該逃げ部11bの目的形状が得られる。
従ってかかる第3実施例によれば、ヤング率(縦弾性率)の高い材料からなる研磨工具20を用いて、弁板1の摺接面11a及び逃げ部11bを同時に加工でき、該逃げ部11bの加工に格別の工程を必要としない。
また、図6は本発明の第4実施例に係る油圧ポンプの弁板の正面図、図7はエンドミルの概略図、図8はランド部の加工要領説明図(図6のC−C線断面図)である。
かかる第4実施例に係る弁板の加工方法においては、図7に示すように、前記ランド部11の溝11eを削り、該ランド部11を加工形成するエンドミル22に、溝切削部22aに加えて、端縁が前記摺接面11aから一定の削落し量yだけ削り落され、かつ前記摺接面11aに滑らかに接続される逃げ部11bを加工するための曲面加工部22bを追い込み代eとともに一体に形成する。
そして、図8(A)の切削前のランド部11から、図8(B)のように前記エンドミル22の溝切削部22aにより前記ランド部11の溝11eを切削するとともに、曲面加工部22bにより逃げ部11bを加工する。
次いで、図8(C)のように研磨工具により前記追い込み代e分を研磨してランド部11を仕上げる。
かかる第4実施例によれば、1つのエンドミル22でランド部11の溝11eの加工と逃げ部11bの形成とを同時にでき、加工能率が向上する。
また、図9は本発明の第5実施例に係る油圧ポンプの弁板の正面図、図10は該第4実施例における弁板1の検査要領説明図である。
かかる第5実施例に係る弁板の検査方法においては、図10(A)のように、前記摺接面11a及び逃げ部11bが加工形成されたランド部11の上面に、光を透過する材質からなる透過板30を当接し、光源31からの光を前記透過板30を通して前記摺接面11a及び逃げ部11bに当てる。
次いで、前記逃げ部11bの表面からの反射光S2と前記透過板30の背面での反射光S1との関係から、前記透過板30と逃げ部11bの表面との隙間が、光の波長の整数倍で光干渉が起こる。従って、前記光干渉の干渉縞を検出することにより、前記隙間が検知できる。
そして、前記逃げ部11bの理想形状における干渉縞のパターンと前記のようにして検出された干渉縞とを比較して、前記逃げ部11bの良否を検査する。
かかる第5実施例によれば、逃げ部11bの表面の理想形状における干渉縞のパターンを用意し、実際の逃げ部11bの干渉縞のパターンと比較することによって、逃げ部11bの加工不良の有無を迅速かつ簡単に判定できる。
本発明は、前記油圧ポンプに限らず、油圧モータ、水圧ポンプ、水圧モータ等の、回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、前記シリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえた流体機械全般に適用できる。
本発明によれば、回転駆動されるシリンダブロック及び弁板に格別な加工工数を加えることなく、従って製造工数および製造コストの増加を伴うことなく、きわめて簡単な手段で以ってシリンダブロックと弁板との間の摺接部の摩耗、焼き付きの発生を防止可能とした流体機械及びその製作方法を提供できる。
本発明の第1実施例に係る油圧ポンプの弁板の正面図である。 前記第1実施例における弁板の側面図である。 前記第1実施例における弁板におけるランド部の拡大断面図である。 本発明の第2実施例に係る油圧ポンプを示し、(A)は弁板の正面図、(B)はランド部の拡大断面図である。 (A)は本発明の第3実施例に係る弁板の加工説明図、(B)は面圧分布図である。 本発明の第4実施例に係る油圧ポンプの弁板の正面図である。 前記第4実施例におけるエンドミルの概略図である。 前記第4実施例におけるランド部の加工要領説明図である。 本発明の第5実施例に係る油圧ポンプの弁板の正面図である。 前記第4実施例における弁板の検査要領説明図である。 本発明が適用される油圧ポンプの要部断面図である。 前記各実施例における弁板の焼き付き限界線図である。
符号の説明
1 弁板
2 シリンダブロック
4 シリンダ
11 ランド部
11a 摺接面
11b 逃げ部
11c 端縁
11d 溝
12 高圧ポート
13 低圧ポート
14 シール面
20 研磨工具
22 エンドミル
30 透過板

Claims (5)

  1. 回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、前記シリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえた流体機械において、前記弁板は、前記シリンダブロックの端面と摺接する摺接面が形成されたランド部の外周側端部及びシリンダブロックの回転方向上流側端部に、端縁が前記摺接面から一定の削落し量(y)削り落され、かつ前記摺接面に滑らかに接続される逃げ部を形成してなることを特徴とする流体機械。
  2. 前記逃げ部は前記ランド部の外側に傾斜した傾斜面に形成され、該傾斜面の内側を前記摺接面に滑らかに接続してなることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、前記シリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえた流体機械の製作方法において、
    前記弁板材料よりヤング率(縦弾性率)の高い材料からなる研磨工具であって、該研磨工具の平滑面を弁板ランド部の摺接面全面に接触させた該研磨工具を前記弁板の軸心と同心軸で回転さながら、前記弁板のランド部に押し付けてランド部の摺接面を研磨することによりランド部の端部側の研削量が大きくなって、該端部側に逃げ部を加工形成することを特徴とする流体機械の製作方法。
  4. 回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、前記シリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえた流体機械の製作方法において、
    前記シリンダブロックの端面と摺接する摺接面が形成されたランド部を、ランド部の溝を削って加工するエンドミルに、溝切削部に加えて、端縁が前記摺接面から一定の削落し量(y)削り落され、かつ前記摺接面に滑らかに接続される逃げ部を加工するための曲面加工部を一体に形成した一体型エンドミルを用い、前記ランド部の溝と逃げ部とを同時に加工することを特徴とする流体機械の製作方法
  5. 回転駆動されるシリンダブロック内に形成された複数のシリンダと、前記シリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とをそなえた流体機械における前記弁板の検査方法において、
    前記弁板に、前記シリンダブロックの端面と摺接する摺接面と、端縁が前記摺接面から一定の削落し量(y)削り落されかつ前記摺接面に滑らかに接続される逃げ部が形成されたランド部の上面に、光を透過する材質からなる透過板を当接し、光源からの光を前記透過板を通して前記逃げ部及び摺接面に当て、少なくとも前記逃げ部の表面からの反射光から光干渉による干渉縞を検出し、前記表面の理想形状における干渉縞のパターンと前記検出された干渉縞とを比較して前記弁板表面の良否を検査することを特徴とする流体機械における弁板の検査方法。
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