JP4107364B2 - 真空装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体、液晶ディスプレイ製造分野等において用いられる真空装置に関し、特に、配管内径を小さくでき、消費電力を抑制することができる真空装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体、液晶ディスプレイ製造分野のほか、多くの産業分野で、真空装置が用いられている。この真空装置は、一般的に真空容器と、前記真空容器内部を真空あるいは減圧状態に保つ真空ポンプとを備えている。
そして、前記真空装置はクリーンルーム内に配置されると共に、真空容器内に、所定の処理ガスを導入、排出しながら、所定の処理を行うように構成されている。
【0003】
半導体製造装置に用いられている従来の真空装置を図6に基づいて説明する。この真空装置は、複数の反応チャンバ(真空容器)10、11、12と、前記反応チャンバ(真空容器)10、11、12内部を減圧あるいは真空状態になすために、各反応チャンバ(真空容器)10、11、12にそれぞれ1台あるいは複数台配置された高真空ポンプ16a、16b、17a、17b、18a、18bと、前記高真空ポンプの後段に配置された低真空ポンプ19、20、21とを備えている。
【0004】
また、前記高真空ポンプ16a、16b、17a、17b、18a、18bと、低真空ポンプ19、20、21との間には、バルブ22a、22b、23a、23b、24a、24bが設けられている。
更に、前記反応チャンバ(真空容器)10、11、12にウエハ等の被処理物を搬入するためのロードロックチャンバ13、14と、ロードロックチャンバ13に搬入された被処理物を反応チャンバ10、11、12に移送し、また反応チャンバ10、11、12からロードロックチャンバ14に移送するロボット(搬送装置)が収容されているトランスファチャバ15とが設けられている。
【0005】
また、図示しないが、ロードロックチャンバ13、14、トランスファチャバ15にも真空ポンプが接続され、減圧あるいは真空状態になすことができるように構成されている。
更に、反応チャンバ(真空容器)10、11、12には、図示しないが、ガス導入口及びヒータ等の加熱手段が設けられており、加熱下で所定のガスを導入しながら、成膜等の所定の処理がなされるように構成されている。
【0006】
なお、図中のB1 は、前記高真空ポンプ16a、16b、17a、17b、18a、18bと、低真空ポンプ19、20、21との間の配管を示し、B2 は、反応チャンバ(真空容器)10、11、12と前記高真空ポンプ16a、16b、17a、17b、18a、18bとの間の配管を示している。
また、配管B1 、B2 の内部は、成膜ガス等の処理ガスが通過するため、生成堆積物が付着する。これを防止するため、配管B1 、B2 にはヒータ等の加熱手段が設けられ、所定の温度に加熱されている。
【0007】
この真空装置が待機した状態にあっては、トランスファチャバ15、反応チャンバ(真空容器)10、11、12は減圧あるいは真空状態に維持されている。そして、装置外部の大気中から複数のウエハ等の被処理物を入れたカセットがロードロックチャンバ13に搬入され、前記ロードロックチャンバ13が真空引される。
次に、ロードロックチャンバ13とトランスファチャバ15の間のゲート弁(図示せず)が開き、被処理物搬送用ロボットが搬送アームによりカセット内の被処理物を一枚取り出してトランスファチャバ15に移動させる。
【0008】
その後、反応チャンバ(真空容器)10とトランスファチャバ15間のゲートを開け搬送アームにより被処理物を反応チャンバ(真空容器)10内のステージ上に載置する。そして、成膜処理等の所定の処理後、処理された被処理物は、搬送アームにより他の反応チャンバ11、12、あるいはロードロックチャンバ14に搬送される。そして処理が終了した後、最終的にロードロックチャンバ14から外部に搬送される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記高真空ポンプとして、一般的には到達真空度(10-7torr以下)の分子領域で動作する高真空ポンプが用いられている。この高真空ポンプとしては、一般的にターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプが用いられている。このポンプは、小型のものでも排気速度が大きいが、許容背圧が1torr以下と小さい。そのため、前記高真空ポンプの後段に、到達真空度が低く、背圧が大気圧程度で動作する低真空ポンプが設けられている。この低真空ポンプとしては、一般的にルーツポンプ等のドライポンプが用いられている。
このように、高真空ポンプの許容背圧が0.5torr以下、具体的には、0.4torr程度であるため、前記高真空ポンプと低真空ポンプとの間の配管B1 の内部の気体の流れは分子流、あるいは分子流と粘性流の間の中間流となる。したがって、効率よく、排気を行うためには配管B2 の内径のみならず、配管B1 の内径をある程度大きくする必要があった。具体的に述べると、配管B1 、B2 の内径は、80mm程度が望ましいが、従来の配管は内径が40〜50mm程度で、コンダクタンスが小さくなり、排気速度を低下させている。
【0010】
一方、配管B1 、B2 の内部は成膜ガス等の処理ガスが通過するため、生成堆積物が付着する。これを防止するため、配管B1 、B2 にはヒータ等の加熱手段が設けられ、所定の温度に加熱されている。
そのため、従来の真空装置において、配管の内径を大きくすると、配管を加熱するためのヒータ等の加熱手段の消費電力が大きく、運転コストが嵩むものであった。また、配管の径が大きいとその配管作業は困難であり、しかも大きな設置スペースが必要となる。そのため、必要以上に大きな排気速度のポンプを使用して配管内径を40〜50mmとしている。特に、高真空ポンプと低真空ポンプとの間の配管が長いため、上記した点が問題となっていた。
【0011】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、大きな排気速度のポンプを用いることなく所望の排気速度を得ることができると共に、配管の内径を小さくすることができ、配管を加熱する加熱手段の消費電力を抑制することができる真空装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明にかかる真空装置は、ガス導入口とガス排出口を備える真空容器と、前記真空容器内部を減圧に保つためのターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプと、前記ターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプに第1の配管を介して接続された第1の真空ポンプと、前記第1の真空ポンプに第2の配管を介して接続された第2の真空ポンプを備え、前記真空容器と、前記ターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプと、第1の真空ポンプとがクリーンルーム内に配置され、前記第2の真空ポンプがクリーンルーム外に配置された真空装置であって、前記ターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプと、第1の真空ポンプと、第2の真空ポンプが駆動された状態において、前記ターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプと第1の真空ポンプとの間の第1の配管中の気体の流れが、分子流あるいは分子流と粘性流の間の中間流となり、前記第1の真空ポンプと第2の真空ポンプとの間の第2の配管中の気体の流れが、粘性流となるように構成されていることを特徴としている。
【0015】
本発明にあっては、真空容器に接続されたターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプに第1の真空ポンプを接続し、更に第1の真空ポンプに第2の真空ポンプを接続した構成を備え、第1の真空ポンプと第2の真空ポンプとの間の第2の配管中の気体の流れが、粘性流となるように構成されている。
このように、第1の真空ポンプと第2の真空ポンプとの間の第2の配管中の流れが粘性流であるため、配管の内径が小さい場合であっても、効率的に排気することができる。また、第1の真空ポンプと第2の真空ポンプとの間の第2の配管中の流れが粘性流であるため、第2の真空ポンプとして小型のものを用いることができ、第2の真空ポンプの消費電力を抑えることができる。更に、配管の内径を小さくすることができるため、加熱する加熱手段(ヒータ)の消費電力を抑制することができる。
即ち、第1の真空ポンプと第2の真空ポンプとの間の配管の内径を小さくすることができ、効率的に排気することもできる。第2の真空ポンプとして小型のものを用いることができ、第2の真空ポンプの消費電力を抑えることができる。更に、配管の内径を小さくすることができるため、加熱する加熱手段(ヒータ)の消費電力を抑制することができる。
特に、第1の真空ポンプと第2の真空ポンプとの間の第2の配管中の流れが20torr以上の粘性流となすことが、第2の真空ポンプとしてより小型のものを用いることができ、第2の真空ポンプの消費電力を抑えることができる点から、より好ましい。
ここで、分子流とは、10 -3 torr以下の気体の流れをいい、粘性流とは、1torr以上の気体の流れをいい、また中間流とは、1〜10 -3 torrの気体の流れをいう。
【0016】
また、前記第1の真空ポンプが、スクリュ−ポンプであることが望ましく、また第1、2の真空ポンプはスクリュ−ポンプであることが望ましい。
第1の真空ポンプ(スクリュ−ポンプ)の許容背圧が高いため、第1の真空ポンプ以降の配管内の流れを粘性流となすことができる。
その結果、前記したように、第1の真空ポンプ以降の配管の内径が小さい場合であっても、効率的に排気することができる。また、配管の内径を小さくすることができるため、加熱する加熱手段(ヒータ)の消費電力を抑制することができ、設置スペースを小さくすることができる。
【0017】
特に、前記スクリュ−真空ポンプは、雄雌ロ−タを構成する歯車のねじれ角を連続的に変化し、雄雌ロ−タとケ−シングとにより形成される作動室の容積が、吸入ポ−トから吐出ポ−トに進行するにつれて連続的に減少するように構成されていることが望ましい。
このように、雄雌ロ−タを構成する歯車のねじれ角を連続的に変化させたスクリュ−真空ポンプは、高真空度を得ることができると共に、許容背圧が高いため、第1の真空ポンプとして用いるのに適している。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる真空装置の第一の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。なお、従来の真空装置と同一あるいは相当する部材には、同一符号を付することにより、その説明を省略する。
従来の真空装置との比較において、本発明にかかる真空装置は、図1に示すように、反応チャンバ(真空容器)10、11、12に接続される第1の真空ポンプ(高真空ポンプ)1、2、3がスクリュ−ポンプであり、その第1の真空ポンプ(スクリュ−ポンプ)1、2、3の後段に、スクリュ−ポンプからなる第2の真空ポンプ(低真空ポンプ)4、5、6が配置される点に特徴がある。
【0019】
また、反応チャンバ(真空容器)に接続される第1の真空ポンプ1、2、3は、それぞれの反応チャンバ(真空容器)ごとに1つのスクリュ−ポンプが接続され、前記第2の真空ポンプ(低真空ポンプ)4、5、6は、第1の真空ポンプ1、2、3と、バルブ22、23、24を介して接続されている。
【0020】
また、真空容器の容量、圧力状態によって異なるが、一般的に第1の真空ポンプは、排気速度2000リットル/min、到達圧力5×10-4torr、許容背圧20torrの性能を有するスクリュ−ポンプが用いられる。
また、同様に、一般的に第2の真空ポンプは、排気速度数100リットル/min、到達圧力10-2torr程度の性能を有するスクリュ−ポンプが用いられる。
【0021】
また同様に、真空容器の容量、圧力状態によって異なるが、一般的には、反応チャンバ(真空容器)と第1の真空ポンプ1、2、3との間の配管A2 の圧力は、10-2torr程度であり、第1の真空ポンプ1、2、3と第2の真空ポンプ(低真空ポンプ)4、5、6との間の配管A1 の圧力は、20torr程度になるように設定される。
【0022】
ここで、特に重要なことは、第1の真空ポンプ1、2、3と第2の真空ポンプ(低真空ポンプ)4、5、6との間の配管A1 内の気体の流れが粘性流になるように、配管の圧力が設定されることである。
【0023】
次に、ここで用いられる一般的なスクリュー真空ポンプの構造について、図2、3に基づいて説明すると、図に示すように、このスクリュー真空ポンプの雄ロータ40と雌ロータ41は、主ケーシング42に収納され、前記主ケーシング42の一端面を密封する端板43に取りつけられた軸受44、45と副ケーシング46に取りつけられた軸受47、48とにより回転自在に支持されている。
【0024】
前記雄雌ロータ40、41の回転軸49、50には、副ケーシング46内に収納されたタイミングギャ51、52が取付られ、雄雌ロータ40、41が互いに接触しないように両ロータ間の隙間が調整されている。
また、前記雄ロータ40の回転軸49には、カップリングまたは増速用ギャを介してモ−タMが取り付けられ、モ−タMの回転は雄ロータ40に伝達され、タイミングギャ51、52を介して雌ロータ41を回転させるように構成されている。
【0025】
また、前記軸受44、45の潤滑は飛まつ給油により行うため、副ケーシング46内に溜った潤滑油(図示せず)をタイミングギヤ51、52によって跳ねかけるようになされている。そして前記軸受44、55にはシ−ル材53、54が取りつけられ、前記シール材53、54によって潤滑油が作動室内へ侵入するのを防いでいる。
【0026】
前記主ケーシング42の一端側には、吸入口56が設けられて副ケーシング55が取り付けられている。また前記主ケーシング42の端板43には雄雌ロ−タ40、41で圧縮された気体を外部に吐出する吐出口57が設けられている。
尚、主ケーシング42の外側には気体の圧縮により温度が上昇するため、冷却ジャケット58が設けられ、このジャケット内に冷却水を通しケーシング42や圧縮気体を冷却するように成されている。
【0027】
このように構成されたスクリュ−真空ポンプは、モ−タMにより雄ロータ40を回転駆動すると、タイミングギヤ51、52によって雌ロータ41が回転駆動される。そして、雄、雌ロータ10、11の回転に伴い気体が吸入口56から雄ロ−タ40と雌側ロ−タ41とケーシング42とによって形成される作動室に吸い込まれる。
吸い込まれた気体は、雄雌ロータ40、41の回転に伴い、圧縮されながら吐出口57から吐出される。
【0028】
前記したスクリュ−式真空ポンプは、図に示すように、雄ロータ40と雌ロータ41は主ケーシング42と吐出ケーシング43内の軸受44、45、47、48により回転自在に支えられている。
前記雄ロータ40と雌ロータ41はねじ歯車からなり、この歯車は歯すじねじれ角は常に一定の角度であって、切り口法線ピッチ及び軸直角ピッチも一定であって、前記ロータ40、41の回転角の変化に伴って変化しない。
【0029】
即ち、前記雄ロータ40と雌ロータ41は、歯すじねじれ角は常に一定の角度であって、切り口法線ピッチ及び軸直角ピッチも一定のねじ歯車で構成されるため、ロータとケーシングにより形成されるV字形の作動室の容積は一定である。しかし、ロータが回転し、両ロータの噛み合い部は吸入ポート56から吐出ポート57へ向かって移動すると、ケーシング42の吐出ケーシング43によって作動室の容積は減少するため、気体を圧縮排気する。
【0030】
なお、上記スクリュ−ポンプの代わりに、前記雄雌ロ−タを構成する歯車のねじれ角を連続的に変化させることにより、雄雌ロ−タとケ−シングとにより形成される作動室の容積が、吸入ポ−トから吐出ポ−トに進行するにつれて連続的に減少するように構成したスクリュ−ポンプを用いることが、より好ましい。
このスクリュ−ポンプについては、本願出願人によって既に提案されているものであり、特開平9−32766号公報に詳しく述べられている。
【0031】
この提案したスクリュ−真空ポンプによれば、前記雄ロータと雌ロータの歯すじねじれ角がロータの回転角にしたがって変化するため、ロータとケーシングにより形成されるV字形の作動室の容積は、吸入ポ−トから吐出ポ−トに進行するにつれて連続的に減少する。
したがって、前記雄雌ロ−タとケ−シングとにより形成される作動室は、吸入、内部圧縮移送、吐出作用を有し、作動室の容積を一定とした単なる移送作用を有さないため、局部的な圧力上昇による異常な温度上昇を防止することができると共に、効率的な運転を行うことができる。しかも、ねじれ進行方向の切り口法線ピッチを変化させたため、スクリュ−ポンプの小型化が図られる。また消費電力を抑えることができる。
【0032】
その結果、このスクリュ−ポンプを用いた真空装置のより小型化が図られ、クリーンルーム内のスペースの有効利用が図られる。
なお、前記提案されたスクリュ−真空ポンプの性能は、排気速度2800リットル/min、到達圧力5×10-5torrであり、高真空が可能であり、また許容背圧が高いため、第1の真空ポンプとして用いるのに適している。
【0033】
次に図4、図5に基づいて、本発明にかかる真空装置の第2の実施形態について説明する。
この実施形態にあっては、図4に示すように、高真空ポンプ16a、16b、17a、17b、18a、18bと低真空ポンプ19、20、21との間に、新たに中真空ポンプ7、8、9を設けて、分子流、あるいは分子流と粘性流の間の中間流となる領域(配管B1 )を短く構成したものである。なお、図4中、図6に示された部材と同一部材は、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
このように構成することによって、図4に示した中真空ポンプ7、8、9と低真空ポンプ19、20、21との間(配管A1 )を粘性流とすることにより、効率的に排気を確保しつつ、中真空ポンプ7、8、9と低真空ポンプ19、20、21との間の配管A1 の内径を小さくすることができる。
また、粘性流であるため、第2の真空ポンプとして小型のものを用いることができ、第2の真空ポンプの消費電力を抑えることができる。また、第1の真空ポンプも真空中での動作となり消費電力を抑えることができる。更に、配管A1 の内径を小さくすることができるため、加熱する加熱手段(ヒータ)の消費電力を抑制することができる。
【0035】
また、高真空ポンプ16a、16b、17a、17b、18a、18bとしては、従来から用いられている、例えばターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプが用いられる。また、低真空ポンプ19、20、21としては、一般的なルーツポンプ付ドライポンプが用いられる。なお、低真空ポンプ19、20、21として、スクリューポンプを用いても良い。
更に、中真空ポンプ7、8、9は、前記した雄雌ロ−タを構成する歯車のねじれ角を連続的に変化し、雄雌ロ−タとケ−シングとにより形成される作動室の容積が、吸入ポ−トから吐出ポ−トに進行するにつれて連続的に減少するように構成されたスクリューポンプが望ましい。
【0036】
この第2の実施形態にあっては、中間真空ポンプが用いられるため、設置スペースが大きくなり、装置自体も高価になる。
また、図5に示すように、反応チャンバ、トランスファチャンバ、ロードロックチャンバ等のクラスターツール28は、クリーンルームRに配置され、真空ポンプ29はクリーンルームRの下部に配置される。そのため、真空ポンプが占有する部分29の面積が、クラスターツール28の面積よりも大きい場合には、クリーンルームRの上部にいわゆるデットスペースDが形成される。
したがって、クリーンルームRの有効利用、経済性を考慮すれば、第1の実施形態がより好ましい。なお、図1、図4に示された仮想線はクリーンルームRを示している。図5に示された符号30は、フィルターであり、符号31は空調システムであり、図中の矢印は、空気の流れを示している。
【0037】
次に、図1と図6に示された真空装置をウエハの成膜処理に用いた場合による配管の内径を比較する。
(実施例)
図1に示す前記反応チャンバ(真空容器)10の容積は50リットルとして、ガス導入口から毎分1リットルのガスを供給すると共にガスを排出し、その内部を0.4torrの減圧状態になす。また、真空装置内部は図示しないがチャンバは加熱手段により、150℃程度に維持される。
また、この反応チャンバ(真空容器)に接続されているスクリュ−ポンプ1は、上記したねじれ角がロータの回転角にしたがって変化するものであり、その性能は、排気速度2800リットル/min、到達圧力5×10-5torrのものを用いた。また、前記スクリュ−ポンプ1に接続されているスクリュ−ポンプ4は、一般的なスクリュ−ポンプであり、その性能は、排気速度100リットル/min、到達圧力10-2torr程度のものを用いた。
【0038】
このときの、図1に示した配管A2 の長さを、0.5mその内径を、50mmmmとした。また、配管A1 の長さを、5mその内径を、20mmとした。
この状態で、配管A1 、配管A2 の内圧を測定したら、配管A1 のスクリュ−ポンプ1側内圧は8torrで粘性流であり、配管A2 のポンプ側の内圧は0.28torrで中間流であることが認められ、配管A1 の内径が20mmとしても十分に排気することができることが認められた。
【0039】
(比較例)
図6に示す前記反応チャンバ(真空容器)10の容積は、図1と同様に、50リットルであり、ガス導入口から毎分1リットルのガスを供給すると共にガスを排出し、その内部を0.4torrの減圧状態になす。また、真空装置は加熱手段により、150℃程度に維持される。
また、この反応チャンバ(真空容器)10に接続されているねじ溝ポンプ16a、16bの性能は、450リットル/secであり、前記ねじ溝ポンプ16a、16bに接続されているドライポンプ(ルーツポンプ)19の性能は、排気速度4000リットル/minである。
【0040】
このときの、図6に示した配管B1 の長さを、5mその内径を、50mmとした。なお、配管B2 は、ねじ溝ポンプ16a、16bが反応チャンバ(真空容器)に近接して設けられるため、配管B2 の長さは、実質的にゼロである。
この状態で、配管B1 のねじ溝ポンプ側の内圧を測定したら、配管B1 の内圧は0.6torrで中間流であることが認められた。
また、十分な排気を行うためには、配管B1 の内径を80mm以上とすることが必要であることが認められた。
【0041】
以上の比較から明らかなように、図1に示したスクリュ−ポンプを用いた真空装置にあっては、配管の内径を図6の場合に比べて小さくすることができることが認められた。
【0042】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように構成されているので、粘性流配管コンダクタンスにより排気速度が低下しないため、大きな排気速度のポンプを必要とせず消費電力を抑制することができる。また、配管の内径を小さくすることができ、配管を加熱するヒータの消費電力を抑制することができ、維持費の削減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に用いられるスクリュ−ポンプの構成を示す概略平面図である。
【図3】図3は、図2に示されたスクリュ−ポンプのA−A断面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図5】図5は、クリーンルームの概略構成図である。
【図6】図6は、従来の真空装置を用いたクラスターツールの概略構成図である。
【符号の説明】
1 スクリュ−ポンプ(第1の真空ポンプ)
2 スクリュ−ポンプ(第1の真空ポンプ)
3 スクリュ−ポンプ(第1の真空ポンプ)
4 スクリュ−ポンプ(第2の真空ポンプ)
5 スクリュ−ポンプ(第2の真空ポンプ)
6 スクリュ−ポンプ(第2の真空ポンプ)
7 スクリュ−ポンプ(第1の真空ポンプ)
8 スクリュ−ポンプ(第1の真空ポンプ)
9 スクリュ−ポンプ(第1の真空ポンプ)
10 反応チャンバ(真空容器)
11 反応チャンバ(真空容器)
12 反応チャンバ(真空容器)
A1 配管
A2 配管
R クリーンルーム
Claims (4)
- ガス導入口とガス排出口を備える真空容器と、前記真空容器内部を減圧に保つためのターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプと、前記ターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプに第1の配管を介して接続された第1の真空ポンプと、前記第1の真空ポンプに第2の配管を介して接続された第2の真空ポンプを備え、前記真空容器と、前記ターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプと、第1の真空ポンプとがクリーンルーム内に配置され、前記第2の真空ポンプがクリーンルーム外に配置された真空装置であって、
前記ターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプと、第1の真空ポンプと、第2の真空ポンプが駆動された状態において、
前記ターボ分子ポンプあるいはねじ溝ポンプと第1の真空ポンプとの間の第1の配管中の気体の流れが、分子流あるいは分子流と粘性流の間の中間流となり、前記第1の真空ポンプと第2の真空ポンプとの間の第2の配管中の気体の流れが、粘性流となるように構成されていることを特徴する真空装置。 - 前記第1の真空ポンプがスクリュ−ポンプであることを特徴とする請求項1に記載された真空装置。
- 前記第1、2の真空ポンプがスクリュ−ポンプであることを特徴とする請求項1に記載された真空装置。
- 前記スクリュ−真空ポンプは、雄雌ロ−タを構成する歯車のねじれ角が連続的に変化し、雄雌ロ−タとケ−シングとにより形成される作動室の容積が、吸入ポ−トから吐出ポ−トに進行するにつれて連続的に減少するように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載された真空装置。
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