JP4105646B2 - 核磁気共鳴装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の周波数を同時に発生させて、複数の核の共鳴を測定する多重共鳴計測が可能な核磁気共鳴(NMR)装置に関する。
核磁気共鳴(NMR)分光における分解能を高める目的で、均一な高磁場(B)下で、高い共鳴周波数の高周波信号を印加できるNMR装置が開発されている。10テスラ(T)以上の高磁場を発生するために、超電導マグネットが一般的に使われる。現在では、タンパク質の構造解析を主要な目的とした高磁場NMR装置が開発されており、21.6T(920MHz)のNMR装置が作られている。高精度に分析するためには、磁場強度の均一度は高くする必要があり、測定試料の存在する領域におけるばらつきは10−9以下が望まれる。
一方、印加した高周波パルスに対応して発生する自由誘導減衰(FID)信号を受信するプローブには、高い感度が求められる。これはタンパク質のように、試料の量が少ない場合は、FID信号強度がとくに低く、測定に長時間を要してしまうためである。プローブの主要なノイズは、共鳴器を構成するプローブの電気抵抗に起因して発生し、温度と材料の高周波損失抵抗に依存する。このノイズを下げるために、米国特許第5,247,256号に記載されているように、低温下にプローブコイルやプリアンプを設置する他に、最近では、高周波損失抵抗が銅などの通常金属に比較して2桁以上低い高温超電導体が使われている。
高温超電導体をプローブコイルに用いた例は、米国特許第5,585,723号に示されている。超電導体としては薄膜が用いられ、膜面は静磁場の方向と水平に配置する必要がある。これは静磁場と直交する方向に超電導体の膜面があると、超電導体の完全反磁性の特性により静磁場強度の均一度を劣化させるためである。
また、プローブコイルに給電したときに、コイル中心に発生する高周波磁場は静磁場と直交するように、プローブコイルを配置する必要がある。また、測定試料の入ったサンプル管は鉛直方向に挿入されるため、以下の配置が用いられている。
以下の説明では、水平方向に静磁場を発生する超電導マグネットを用いるNMR装置を「水平型NMR装置」と記載し、また、鉛直方向に静磁場を発生する超電導マグネットを用いたNMR装置を「鉛直型NMR装置」と記載する。
図1は、従来の水平型NMR装置を示し、(A)は超電導ソレノイドコイル11の斜視図、(B)はサドルコイル12の斜視図、(C)は超電導ソレノイドコイル11とサドルコイル12の配置を示す斜視図である。
図2は、従来の鉛直型NMR装置を示し、(A)は超電導サドルコイル21の斜視図、(B)はサドルコイル22の斜視図、(C)は超電導サドルコイル21とサドルコイル22の配置を示す斜視図である。
静磁場の方向3が水平方向である水平型NMR装置では、受信プローブコイルとしては、図1(A)に示すようなソレノイドコイル11が用いられ、静磁場の方向3が鉛直方向である鉛直型NMR装置では、受信プローブコイルとしては図2(A)に示すようなサドルコイル21が用いられる。
常伝導金属を用いてプローブコイルを構成した場合は、このプローブコイルで高周波磁場の送信と受信を行う場合が多い。
一方、超電導薄膜を用いてプローブコイルを構成した場合、超電導薄膜が大きな高周波電流に耐えられないことから、このプローブコイルは高周波磁場の受信のみに用いられる場合が多い。この場合、高周波磁場送信用に、プローブコイルの外側にサドルコイルが配置される。受信コイルと送信コイルは互いの電磁気的干渉を避けるために、それぞれに給電したときにコイル中心に発生する高周波磁場は互いに直交するようにプローブコイルを配置する必要がある。
以上のような制約から、水平型NMR装置では、受信プローブコイル11と送信プローブコイル12は、図1(C)に示すような配置が用いられ、鉛直型NMR装置では、受信プローブコイル21と送信プローブコイル22は、図2(C)に示すような配置が用いられる。
米国特許第5,247,256号
米国特許第5,585,723号
NMR計測では、複数の周波数を同時に発生させて、複数の核の共鳴を測定する多重共鳴が行われる。1H、2H、13C、15N等の核種の計測が行われることが多い。それぞれの核種の共鳴周波数は異なり、例えば、静磁場強度14.1テスラにおける1Hの共鳴周波数は約600MHz、2Hの共鳴周波数は約92.1MHz、13Cの共鳴周波数は約150.9MHz、15Nの共鳴周波数は約60.8MHzである。2種類の周波数を1個のコイルによって取り扱うには、2つの同調回路を組み込んでダブルチューニングをする。ただし、ダブルチューニングをすると一般的に性能が20〜30%程度低下する。原理的には3つの同調回路を組み込んでトリプルチューニングをすることも可能であるが、核種の周波数が近接していると互いの周波数を遮断できず、実施が困難である。例えば、2Hと15Nは共鳴周波数が近く、互いの周波数を遮断することが困難である。
送信コイルが1つしかないと、1Hの周波数の送信と15Nの周波数の送信と2Hの送信を同じサドルコイルで送信することが困難であるため、例えば、15Nの周波数を送信し続けながら、2Hで周波数ロックを行い、1Hの受信を行うような計測シーケンスには対応できないという課題があった。
本発明の目的は、超電導受信コイルと送信コイルの感度を大きく劣化させずに多重共鳴計測が可能な核磁気共鳴装置を提供することにある。
受信コイルと電磁気的に直交したもう1つ別のコイルを用意できれば、上述したような計測シーケンスにも対応できるが、前述したように、コイルに給電したときにコイル中心に発生する高周波磁場は静磁場と直交するように配置することが必要で、かつ、互いの電磁気的干渉を避けるために、各コイルに給電したときにコイル中心に発生する高周波磁場は互いに直交するようにプローブコイルを配置する必要がある。このような制約を満足するプローブコイル配置はこれまで知られていない。
そこで、上記目的を達成するために、本発明の核磁気共鳴(NMR)装置では、3種類以上の核種を対象とした多重共鳴計測を行うために、以下の構成を用いる。すなわち、超電導受信コイルと、送信コイルと、4つの電流ループから構成され、内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向であるコイル(以下、付加コイル(あるいは、自己シールド型コイル)とを有することを基本構成とする。この付加コイルに給電したときにコイル中心に生成される高周波磁場の向きは、送信コイルに給電したときに送信コイル中心に生成される高周波磁場の向きとほぼ同じになるように配置される。また、送信コイルの電流ループは、付加コイルの内側ループと外側ループの間、望ましくはほぼ中間に配置される。
以下、本発明のNMR装置の構成について、具体的に以下に説明する。
本発明のNMR装置の第1の構成では、ほぼ均一な磁場Bを発生する手段と、磁場B中に置かれた管状容器内の試料に対して、所定の共鳴周波数で高周波信号を送信、及び/又は、自由誘導減衰(FID)信号を受信するためのプローブと、4つの電流ループから構成され内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である付加コイルとを有し、3種類以上の核種を対象とした多重共鳴計測を可能とする。
第1の構成において、送信コイルが、2つの電流ループから構成され電流の向きが2つのループ上で同方向であり、送信コイルの2つの電流ループのそれぞれが、付加コイルの内側ループと外側ループのほぼ中間に配置される。
第1の構成において、付加コイルに給電したときにコイル中心に生成される高周波磁場の向きが、送信コイルに給電したときに送信コイル中心に生成される高周波磁場の向きとほぼ同じであるように、送信コイル、付加コイルが配置される。
本発明のNMR装置の第2の構成では、水平方向又は鉛直方向にほぼ均一な静磁場を発生する超電導マグネットと、静磁場中に置かれた管状容器内の試料に対して、所定の共鳴周波数で高周波信号を送信する送信コイルと、自由誘導減衰(FID)信号を受信する超電導受信コイルと、4つの電流ループから構成され内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である付加コイルとを有し、送信コイルが2つの電流ループから構成され電流の向きが2つ電流のループ上で同方向であり、送信コイルの2つの電流ループのそれぞれが、付加コイルの内側ループと外側ループのほぼ中間に配置され、3種類以上の核種を対象とした多重共鳴計測を可能とする。
この結果、本発明のNMR装置では、超電導受信コイルと送信コイルの感度の大きな劣化を生じることなく、多重共鳴計測が可能となる。
以下、本発明のNMR装置の代表的な構成例について列挙する。
(1)ほぼ均一な磁場を発生する手段と、前記磁場中に置かれた管状容器内の試料に対して、所定の共鳴周波数で高周波信号を送信する送信コイルと、自由誘導減衰信号を受信するための受信コイルと、4つの電流ループから構成され内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である付加コイルとを有し、かつ、前記付加コイルの前記内側ループと前記外側ループとの間に前記送信コイルを配置したことを特徴とするNMR装置。
(2)前記(1)のNMR装置において、前記送信コイルが、2つの電流ループから構成され電流の向きが2つの電流ループ上で同方向であることを特徴とするNMR装置。
(3)前記(2)のNMR装置において、前記送信コイルの2つの電流ループのそれぞれが、前記付加コイルの前記内側ループと前記外側ループのほぼ中間に配置されていることを特徴とするNMR装置。
(4)前記(1)又は(3)のNMR装置において、前記付加コイルに給電したときに付加コイル中心に生成される高周波磁場の向きが、前記送信コイルに給電したときに送信コイル中心に生成される高周波磁場の向きとほぼ同じであるよう構成したことを特徴とするNMR装置。
(5)ほぼ均一な磁場を発生する手段と、前記磁場中に置かれた管状容器内の試料に対して、所定の共鳴周波数で高周波信号を送信、及び/又は、自由誘導減衰信号を受信するためのプローブコイルと、4つの電流ループから構成され内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である付加コイルとを有し、かつ、前記付加コイルの前記内側ループと前記外側ループとの間に前記プローブコイルを配置したことを特徴とするNMR装置。
(6)前記(5)に記載のNMR装置において、前記プローブコイルは、2つの電流ループから構成され電流の向きが2つの電流ループ上で同方向であり、かつ、前記プローブコイルの2つの電流ループのそれぞれが、前記付加コイルの前記内側ループと前記外側ループのほぼ中間に配置されていることを特徴とするNMR装置。
(7)前記(5)又は(6)のNMR装置において、前記付加コイルに給電したときに付加コイル中心に生成される高周波磁場の向きが、前記プローブコイルに給電したときにプローブコイル中心に生成される高周波磁場の向きとほぼ同じであるよう構成したことを特徴とするNMR装置。
(8)水平方向または鉛直方向にほぼ均一な静磁場を発生する超電導マグネットと、前記静磁場中に置かれた管状容器内の試料に対して、所定の共鳴周波数で高周波信号を送信する送信コイルと、自由誘導減衰信号を受信する超電導受信コイルと、4つの電流ループから構成され内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である付加コイルとを有し、かつ、前記超電導送信コイルは、2つの電流ループから構成され電流の向きが2つ電流のループ上で同方向であり、前記送信コイルの2つの電流ループのそれぞれが、前記付加コイルの内側ループと外側ループのほぼ中間に配置されていることを特徴とするNMR装置。
(9)前記(8)のNMR装置において、前記付加コイルに給電したときに付加コイル中心に生成される高周波磁場の向きが、前記送信コイルに給電したときに送信コイル中心に生成される高周波磁場の向きとほぼ同じであるよう構成したことを特徴とするNMR装置。
本発明によれば、超電導受信コイルと送信コイルの感度を大きく劣化させずに、3種類以上の核種を対象とした多重共鳴計測が可能な核磁気共鳴装置を実現できる。
本発明は、核磁気共鳴(NMR)装置に係わり、均一磁場B中に置かれた試料に対して、所定の共鳴周波数で高周波信号を送信、および自由誘導減衰(FID)信号を受信するためのプローブのコイル形状と実装のための構造に関する。
本発明は、図1に示すような、水平方向に静磁場を発生する超電導マグネットを用いるNMR装置(水平型NMR装置)、および、図2に示すような、鉛直方向に静磁場を発生する超電導マグネットを用いたNMR装置(鉛直型NMR装置)に適用される。
本発明では、核磁気共鳴(NMR)分光において、超電導受信コイルと送信コイルの感度を大きく劣化させずに、もう1つ別のコイル(付加コイル)を使用することにより、多重共鳴計測を可能とする。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳述する。
最初に、本発明に至った経緯について説明する。図3の(A)はサドルコイル(第1のサドルコイル)12の斜視図、(B)は第2のサドルコイル31の斜視図、(C)はサドルコイル(第1のサドルコイル)12の感度分布を示す図、(D)は第2のサドルコイル31の感度分布を示す図である。
受信コイルと電磁気的に直交したもう1つ別のコイルとして、図3(B)に示す第2のサドルコイル31を、図3(A)に示すサドルコイル(第1のサドルコイル)12の内側に追加配置した場合、第2のサドルコイル31とサドルコイル(第1のサドルコイル)12が電磁気的にカップリングし、感度が低下することを計算機シミュレーションにより示す。図3(A)及び図3(B)中に示す黒矢印は、電流の流れる方向を示す。
コイルの形状の説明のために、図3(A)中に節37-1〜37−10を示している。例えば、導体61−1は節37−2から節37−3を曲線で結ぶ導体であり、導体61−2は節37−7から節37−8を曲線で結ぶ導体である。節37−1と節37−6はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節37−2と節37−7はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節37−3と節37−8はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節37−4と節37−9はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節37−5と節37−10はxz平面に対して対称な位置に配置されている。
節37−1と37−2と37−3と37−4と37−5を結ぶ導体経路のように、1つのループとして機能する導体経路を本明細書では電流ループと呼ぶ。同様に節37−6と37−7と37−8と37−9と37−10を結ぶ導体経路も電流ループであり、サドルコイル12は2つの電流ループから構成されている。これら2つの電流ループはxz平面に対して対称な位置に配置されており、かつ、電流の向きが2つの電流ループ上で同方向であるため、サドルコイル12に給電したときにコイル中心に生成される高周波磁場の向きはy方向である。
計算モデルでは、静磁場強度14.1テスラにおいて、1H核種に周波数同調(600MHz)させたサドルコイル12の内側に、2H核種に周波数同調(92.1MHz)させた第2のサドルコイル31を配置させた。第2のサドルコイル31も、寸法は異なるが、サドルコイル12と同じく2つの電流ループから構成されている。第2のサドルコイル31に給電したときにコイル中心に生成される高周波磁場の向きはy方向である。
図3(C)は、600MHzにおける、サドルコイル(第1のサドルコイル)12のy軸上の感度分布を示す。図3(D)は、92.1MHzにおける、第2のサドルコイル31のy軸上の感度分布を示す。
図3(C)において、実線はサドルコイル(第1のサドルコイル)12が単体で存在する場合の感度分布を示し、破線は第2のサドルコイル31が内側に存在する場合の感度分布を示す。第2のサドルコイル31が存在することにより、サドルコイル(第1のサドルコイル)12の中心感度が約1/4に劣化することが分かる。
図3(D)において、実線は第2のサドルコイル31が単体で存在する場合の感度分布を示し、破線はサドルコイル(第1のサドルコイル)12が外側に存在する場合の感度分布を示す。実線と破線はほぼ重なっており、第2のサドルコイル31の感度は、外側におけるサドルコイル(第1のサドルコイル)12の配置の有無によらずほとんど変化しないことが分かる。もう1つ別のコイル(第2のサドルコイル31)を追加配置することで、第1の送信コイル(サドルコイル(第1のサドルコイル)12)の感度が大きく劣化することは、NMR計測において著しく不利となる。
このように、単純にもう一つ別のコイルを追加配置しただけでは、図3(C)に示すように、性能劣化してしまう。このため、送信コイルの性能を劣化させない本発明になる付加コイルが必要であることが分かる。
(実施例1)
多重共鳴を行うために、他のコイル並びに自分自身の感度を大きく劣化させないもう1つ別のコイル(付加コイル)を配置できる構造について、以下、説明する。
図4は、本発明の第1の実施例になるNMR装置(水平型NMR装置)の概略構成を示す図である。
2つに分割された超電導マグネット30−1、30−2により、14.1テスラ(T)の均一磁場Bを水平方向に発生する。静磁場の向きをz方向とする。この静磁場内にプローブコイルを10Kまで冷却できる低温プローブ33を設置して、低温プローブの断熱された内側に試料を入れた内径5mmのガラス管32を挿入する。測定試料の入ったサンプル管は鉛直方向に挿入される。
1H受信プローブコイルとしては、図1(A)に示すソレノイドコイル11を用いる。ソレノイドコイル11に給電したときに、コイル中心に発生する高周波磁場の向きをx方向と定義する。ソレノイドコイル11の共振周波数は静磁場強度14.1テスラにおける1Hの共鳴周波数600MHzに同調されている。ソレノイドコイル11は超電導薄膜を用いて構成し、受信コイル専用として使用する。
図5は、本実施例のNMR装置における、(A)はサドルコイル12の斜視図、(B)は4つの電流ループから構成され、内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向であるコイル(付加コイル)55の斜視図、(C)はサドルコイルの感度分布を示す図、(D)は(B)に示すコイルの感度分布を示す図である。図5(A)及び図5(B)中に示す黒矢印は、電流の流れる方向を示す。
送信コイルとしては、図5(A)に示すサドルコイル12を用いる。サドルコイル12は2つの電流ループから構成され、電流の向きは2つのループ上で同方向である。この2つの電流ループが生成する高周波磁場の向きはコイル中心においてy方向である。ソレノイドコイル11とサドルコイル12は、それぞれに給電したときにコイル中心に発生する高周波磁場の向きは互いに直交しており、かつ、静磁場(z方向)と直交している。それぞれのコイルの中心に発生する高周波磁場の向きは互いに直交するため、両者の間に電磁気的カップリングは無い。
サドルコイル12は静磁場強度14.1テスラにおける1Hの共鳴周波数600MHzと、15Nの共鳴周波数60.8MHzにダブルチューニングしている。サドルコイル12は送信専用に用いても良いし、送信と受信を兼用することもできる。例えば、サドルコイル12を用いて、15Nの受信を行うこともできる。
付加コイルとして、図5(B)に示すコイル55を用いる。コイル55は4つの電流ループから構成され、内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である。コイル55は2Hの共鳴周波数92.1MHzに同調されている。コイル55は2Hの送信と受信を行う。
図5(B)に示すコイル55の形状の説明のために、図5(B)中に節57-1〜57−20を示している。例えば、導体62−1は節57−8から節57−9を曲線で結ぶ導体であり、導体62−2は節57−2から節57−3を曲線で結ぶ導体であり、導体62−3は節57−12から節57−13を曲線で結ぶ導体であり、導体62−4は節57−18から節57−19を曲線で結ぶ導体である。節57−1と節57−11はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−2と節57−12はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−3と節57−13はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−4と節57−14はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−5と節57−15はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−6と節57−16はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−7と節57−17はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−8と節57−18はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−9と節57−19はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−10と節57−20はxz平面に対して対称な位置に配置されている。
節57−1と57−2と57−3と57−4と57−5を結ぶ導体経路は電流ループである。同様に、節57−6と57−7と57−8と57−9と57−10を結ぶ導体経路は電流ループである。同様に、節57−11と57−12と57−13と57−14と57−15を結ぶ導体経路は電流ループである。同様に、節57−16と57−17と57−18と57−19と57−20を結ぶ導体経路は電流ループである。すなわち、図5(B)に示すコイル55は4つの電流ループから構成される。
これら4つの電流ループのうち、節57−1と57−2と57−3と57−4と57−5を結ぶ電流ループ(導体経路)と節57−11と57−12と57−13と57−14と57−15を結ぶ電流ループ(導体経路)を本明細書では内側ループと呼ぶ。また、節57−6と57−7と57−8と57−9と57−10を結ぶ電流ループ(導体経路)と節57−16と57−17と57−18と57−19と57−20を結ぶ電流ループ(導体経路)を外側ループと呼ぶ。2つの内側ループはxz平面に対して対称な位置に配置されており、かつ、電流の向きが2つの内側ループ上で同方向であるため、2つの内側ループ上の電流がコイル中心(原点)に生成する高周波磁場の向きはy方向である。2つの外側ループはxz平面に対して対称な位置に配置されており、かつ、電流の向きが2つの外側ループ上で同方向であり、かつ、外側ループ上の電流の向きは内側ループ上に流れる電流の向きとは逆方向であるため、2つの外側ループ上の電流がコイル中心に生成する高周波磁場の向きは−y方向である。
外側ループと原点との距離よりも、内側ループと原点との距離の方が近い。このため、図5(B)に示すコイル55に給電したときにコイル中心に生成される高周波磁場の向きはy方向である。このため、ソレノイドコイル11とは電磁気的に直交しており、互いに電磁気的カップリングは無い。図5(B)に示すコイル55とサドルコイル12はともに、給電したときに生成する高周波磁場の向きはコイル中心においてy方向であるが、図5(B)に示すコイルを追加してもサドルコイル12並びに自分自身の感度を大きく劣化させないことを示す。
図5(C)はサドルコイル12のy軸上の感度分布を示す。図5(D)は、図5(B)に示すコイル55のy軸上の感度分布を示す。
図5(C)において、実線はサドルコイル12が単体で存在する場合の感度分布、破線は図5(B)に示すコイル55がサドルコイル12とともに存在する場合の感度分布である。実線と破線はほぼ重なっており、サドルコイル12の感度は、図5(B)に示すコイル55の配置の有無によりほとんど変化しなことが分かる。
図5(D)において、実線は図5(B)に示すコイル55が単体で存在する場合の感度分布、破線はサドルコイル12がともに存在する場合の感度分布である。サドルコイル12が存在する場合のほうが数%程度感度が低下するが、実線と破線はほぼ重なっており、図5(B)に示すコイル55の感度は、サドルコイル12の配置の有無によってもなくても大きく変化しないことが分かる。
図5(B)に示すコイル55を追加しても他のコイル並びに自分自身の感度を大きく劣化させないことから、3種類以上の核種を対象とした多重共鳴を行うことができる。例えば、サドルコイル12を用いて15Nの周波数を送信し続けながら、図5(B)に示すコイル55を用いて2Hで周波数ロックを行い、ソレノイドコイル11を用いて1Hの受信を行う計測シーケンスを実施できる。
図6は、本実施例のNMR装置における、サドルコイル12と図5(B)に示すコイル55を、鉛直方向から見たときの、2つのコイルの鉛直方向に直交する平面(yz面)上にある導体の配置を示す図である。
61−1、61−2は、サドルコイル12を構成する導体、62−1、62−2、62−3、62−4は、図5(B)に示すコイル55を構成する導体である。2つのコイルの電磁気的カップリングを低減するためには、導体61−1が、導体62−1と導体62−2の間に、導体61−2が、導体62−3と導体62−4の間に配置される必要がある。また、2つのコイルの電磁気的カップリングを最も低減させるのは、導体61−1を、導体62−1と導体62−2の中間に、導体61−2を、導体62−3と導体62−4の中間に配置した場合である。
(実施例2)
図7は、本発明の第2の実施例になるNMR装置(鉛直型NMR装置)の概略構成を示す図である。
超電導マグネット30−3により、14.1テスラ(T)の均一磁場Bを鉛直方向に発生する。静磁場の向きをz方向とする。この静磁場内にプローブコイルを10Kまで冷却できる低温プローブ33を設置し、低温プローブの断熱された内側に試料を入れた内径5mmのガラス管32を挿入する。測定試料の入ったサンプル管は鉛直方向に挿入される。1H受信プローブコイルとしては、図2(A)に示すサドルコイル21を用いる。受信プローブコイル21に給電したときに、コイル中心に発生する高周波磁場の向きをx方向と定義する。受信プローブコイルの共振周波数は静磁場強度14.1テスラにおける1Hの共鳴周波数600MHzに同調されている。受信プローブコイル21は超電導薄膜を用いて構成し、受信コイル専用として使用する。
図8は、本実施例のNMR装置における、(A)はサドルコイル22の斜視図、(B)は4つの電流ループから構成され、内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向であるコイル(付加コイル)85の斜視図、(C)はサドルコイル22の感度分布を示す図、(D)は(B)に示すコイル85の感度分布を示す図である。図8(A)及び図8(B)中に示す黒矢印は、電流の流れる方向を示す。
送信コイルとしては、図8(A)に示すサドルコイル22を用いる。サドルコイル22は2つの電流ループ(導体経路)81−1、81−2から構成され、電流の向きは2つのループ81−1、81−2上で同方向である。この2つの電流ループが生成する高周波磁場の向きはコイル中心においてy方向である。受信プローブコイル21とサドルコイル22は、それぞれに給電したときにコイル中心に発生する高周波磁場の向きは互いに直交しており、かつ、静磁場(z方向)と直交している。それぞれのコイルの中心に発生する高周波磁場の向きは互いに直交するため、両者の間に電磁気的カップリングは無い。
サドルコイル22は、静磁場強度14.1テスラにおける1Hの共鳴周波数600MHzと、15Nの共鳴周波数60.8MHzにダブルチューニングしている。サドルコイル22は送信専用に用いても良いし、送信と受信を兼用することもできる。例えば、サドルコイル12を用いて、15Nの受信を行うこともできる。
もう1つ別のコイル(付加コイル)として、図8(B)に示すコイル85を用いる。コイル85は、4つの電流ループ82−1、82−2、82−3、82−4から構成され、内側ループ82−2、82−3と外側ループ82−1、82−4に流れる電流の向きは逆方向である。コイル85は2Hの共鳴周波数92.1MHzに同調されている。図8(B)に示すコイル85に給電したときに生成する高周波磁場の向きはコイル中心においてy方向である。このため、受信プローブコイル21とは電磁気的に直交しており、互いに電磁気的カップリングは無い。図8(B)に示すコイル85とサドルコイル22はともに、給電したときに生成する高周波磁場の向きはコイル中心においてy方向であるが、図8(B)に示すコイル85を追加してもサドルコイル22並びに自分自身の感度を大きく劣化させないことを示す。
図8(C)はサドルコイル22のy軸上の感度分布を示す。図8(D)は、図8(B)に示すコイル85のy軸上の感度分布を示す。
図8(C)において、実線はサドルコイル22が単体で存在する場合の感度分布、破線は図8(B)に示すコイル85がサドルコイル22とともに存在する場合の感度分布である。実線と破線はほぼ重なっており、サドルコイル22の感度は、図8(B)に示すコイル85の配置の有無によりほとんど変化しないことが分かる。
図8(D)において、実線は図8(B)に示すコイル85が単体で存在する場合の感度分布、破線はサドルコイル22がともに存在する場合の感度分布である。サドルコイル22が存在する場合のほうが数%程度感度が低下するが、実線と破線はほぼ重なっており、図8(B)に示すコイル85の感度は、サドルコイル22の配置の有無により大きく変化しないことが分かる。
図8(B)に示すコイル85を追加しても他のコイル並びに自分自身の感度を大きく劣化させないことから、3種類以上の核種を対象とした多重共鳴計測を行うことができる。例えば、サドルコイル22を用いて15Nの周波数を送信し続けながら、図8(B)に示すコイル85を用いて2Hで周波数ロックを行い、受信プローブコイル21を用いて1Hの受信を行う計測シーケンスを実施できる。
以上、本発明を特定の形態について説明したが、上記以外の形態についても同様に、超電導受信コイル、送信コイルに加えて、4つの電流ループから構成され、内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向であるコイル(付加コイル)を用いることにより、3種類以上の核種を対象とした多重共鳴計測をできる。例えば、送信コイルと、付加コイルは、図9(A)、図9(B)に示す形状であっても良い。
(実施例3)
図9は、本発明の第3の実施例を示し、(A)は2つの電流ループから構成され、電流の向きが2つのループ上で同方向であるコイル90の斜視図、(B)は4つの電流ループ(導体経路)から構成され、内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向であるコイル93(付加コイル)の斜視図である。図9(A)及び図9(B)中に示す黒矢印は、電流の流れる方向を示す。
図9(A)に示すコイル90は2つの電流ループから構成され、電流の向きは2つのループ上で同方向である。図9(B)に示すコイル93は4つの電流ループから構成され、内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である。
コイル90の形状の説明のために、図9(A)中に節37-21〜37−30を示している。例えば、導体91−1は節37−22から節37−23を曲線で結ぶ導体であり、導体91−2は節37−27から節37−28を曲線で結ぶ導体である。節37−21と節37−26はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節37−22と節37−27はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節37−23と節37−28はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節37−24と節37−29はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節37−25と節37−30はxz平面に対して対称な位置に配置されている。
節37−21と37−22と37−23と37−24と37−25を結ぶ導体経路は1つの電流ループである。同様に節37−26と37−27と37−28と37−29と37−30を結ぶ導体経路も電流ループであり、コイル90は2つの電流ループから構成されている。これら2つの電流ループはxz平面に対して対称な位置に配置されており、かつ、電流の向きが2つの電流ループ上で同方向である。
コイル93の形状の説明のために、図9(B)中に節57-31〜57−50を示している。例えば、導体92−1は節57−38から節57−39を曲線で結ぶ導体であり、導体92−2は節57−32から節57−33を曲線で結ぶ導体であり、導体92−3は節57−42から節57−43を曲線で結ぶ導体であり、導体92−4は節57−48から節57−49を曲線で結ぶ導体である。節57−31と節57−41はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−32と節57−42はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−33と節57−43はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−34と節57−44はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−35と節57−45はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−36と節57−46はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−37と節57−47はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−38と節57−48はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−39と節57−49はxz平面に対して対称な位置に配置されている。同様に、節57−40と節57−50はxz平面に対して対称な位置に配置されている。
節57−31と57−32と57−33と57−34と57−35を結ぶ導体経路は電流ループである。同様に、節57−36と57−37と57−38と57−39と57−40を結ぶ導体経路は電流ループである。同様に、節57−41と57−42と57−43と57−44と57−45を結ぶ導体経路は電流ループである。同様に、節57−46と57−47と57−48と57−49と57−50を結ぶ導体経路は電流ループである。すなわち、コイル93は4つの電流ループから構成される。
これら4つの電流ループのうち、節57−31と57−32と57−33と57−34と57−35を結ぶ電流ループ(導体経路)と節57−41と57−42と57−43と57−44と57−45を結ぶ電流ループ(導体経路)を内側ループと呼ぶ。また、節57−36と57−37と57−38と57−39と57−40を結ぶ電流ループ(導体経路)と節57−46と57−47と57−48と57−49と57−50を結ぶ電流ループ(導体経路)を外側ループと呼ぶ。外側ループ上の電流の向きは内側ループ上に流れる電流の向きとは逆方向である。
図10は、本実施例における、図9(A)に示すコイル90と図9(B)に示すコイル93とを鉛直方向から見たときの、2つのコイルの鉛直方向に直交する平面(yz面)上にある導体の配置を示す図である。
91−1、91−2は図9(A)に示すコイル90を構成する導体、92−1、92−2、92−3、92−4は、図9(B)に示すコイル93を構成する導体である。導体91−1が、導体92−1と導体92−2の間に、導体91−2が、導体92−3と導体92−4の間に配置されている。
また、2つのコイル90、93の電磁気的カップリングを最も低減させるのは、導体91−1を、導体92−1と導体92−2の中間に、導体91−2を、導体92−3と導体92−4の中間に配置した場合である。
また、鉛直方向の静磁場が超電導マグネットによって生成される装置において、超電導受信プローブコイルとしては、サドルコイルではなく、バードケージ型コイルを用いることもできる。
また、マグネットとして、14.1テスラと異なる静磁場強度のマグネットを使用できることや、15N、2H、1H、13C以外の核種を計測対象とすることができることはいうまでもない。また、サドルコイルと付加コイルで取り扱う核種の組み合わせは、任意に設定可能である。例えば、サドルコイルを1Hの共鳴周波数と2Hの共鳴周波数にダブルチューニングし、1Hの送信と2Hの送受信に用い、付加コイルを15Nの送受信に用いることもできる。また、サドルコイルを1Hの共鳴周波数と2Hの共鳴周波数にダブルチューニングし、1Hの送信と2Hの送受信に用い、付加コイルを15Nの共鳴周波数と13Cの共鳴周波数にダブルチューニングし、15Nと13Cの送信に用いることもできる。
なお、図3(C)、図3(D)、図5(C)、図5(D)、図8(C)、図8(D)では、コイルの中心をy=0mmとして、y軸上の正負の位置での感度分布(Sensitivity[A・m−1・W−1/2])を示している。ここで、NMRにおける感度とは、単位体積中の磁化がコイルに誘起する電力であり、この値は相反定理より、1ワットの電力をコイルに与えたときに各位置に発生する磁界強度に等しい。
以上詳述したように、本発明によれば、超電導受信コイルと送信コイルの感度を大きく劣化させずに、3種類以上の核種を対象とした多重共鳴計測が可能な核磁気共鳴(NMR)装置を実現できる。
従来の水平型NMR装置における、(A)超電導ソレノイドコイルの斜視図、(B)サドルコイルの斜視図、(C)超電導ソレノイドコイルとサドルコイルの配置を示す斜視図。 従来の鉛直型NMR装置における、(A)超電導サドルコイルの斜視図、(B)サドルコイルの斜視図、(C)超電導サドルコイルとサドルコイルの配置を示す斜視図。 本発明の比較例における、(A)サドルコイルの斜視図、(B)第2のサドルコイルの斜視図、(C)サドルコイルの感度分布を示す図、(D)第2のサドルコイルの感度分布を示す図。 本発明の第1の実施例になるNMR装置(水平型NMR装置)の概略構成を示す図。 本発明の第1の実施例における、(A)サドルコイルの斜視図、(B)付加コイルの斜視図、(C)サドルコイルの感度分布を示す図、(D)(B)に示すコイルの感度分布を示す図。 本発明の第1の実施例における、サドルコイルと図5(B)に示すコイルを、鉛直方向から見たときの、2つのコイルの鉛直方向に直交する平面(yz面)上にある導体の配置を示す図。 本発明の第2の実施例になるNMR装置(鉛直型NMR装置)の概略構成を示す図。 本発明の第2の実施例における、(A)サドルコイルの斜視図、(B)付加コイルの斜視図、(C)サドルコイルの感度分布を示す図、(D)(B)に示すコイルの感度分布を示す図。 本発明の第3の実施例における、(A)2つの電流ループから構成され、電流の向きが2つのループ上で同方向であるコイルの斜視図、(B)付加コイルの斜視図。 本発明の第3の実施例における、図9(A)に示すコイルと図9(B)に示すコイルを鉛直方向から見たときの、2つのコイルの鉛直方向に直交する平面(yz面)上にある導体の配置を示す図。
符号の説明
3…均一磁場B、11…超電導ソレノイドコイル、12…サドルコイル、21…超電導サドルコイル、22…サドルコイル、30−1、30−2、30−3…超電導マグネット、31…第2のサドルコイル、32…ガラス管、33…低温プローブ、55、85、93…付加コイル、61−1、61−2…サドルコイル12を構成する導体、62−1、62−2、62−3、62−4…コイル55を構成する導体、81−1、81−2…サドルコイル22を構成する2つの電流ループ、82−1、82−2、82−3、82−4…コイル85を構成する電流ループ、90…2つの電流ループから構成され、電流の向きが2つのループ上で同方向であるコイル、91−1、91−2…コイル90を構成する導体、92−1、92−2、92−3、92−4…コイル93を構成する導体。

Claims (6)

  1. ほぼ均一な磁場を発生する手段と、前記磁場中に置かれた試料に対して、所定の共鳴周波数で高周波信号を送信する送信コイルと、自由誘導減衰信号を受信するための受信コイルと、4つの電流ループから構成され内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である付加コイルとを有し、かつ、前記付加コイルの前記内側ループと前記外側ループとの間に前記送信コイルを配置したことを特徴とする核磁気共鳴装置。
  2. 請求項1に記載の核磁気共鳴装置において、前記送信コイルが、2つの電流ループから構成され電流の向きが2つの電流ループ上で同方向であることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  3. 請求項2に記載の核磁気共鳴装置において、前記送信コイルの2つの電流ループのそれぞれが、前記付加コイルの前記内側ループと前記外側ループのほぼ中間に配置されていることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  4. 請求項1又は3に記載の核磁気共鳴装置において、前記付加コイルに給電したときに付加コイル中心に生成される高周波磁場の向きが、前記送信コイルに給電したときに送信コイル中心に生成される高周波磁場の向きとほぼ同じであるよう構成したことを特徴とする核磁気共鳴装置。
  5. 水平方向または鉛直方向にほぼ均一な静磁場を発生する超電導マグネットと、前記静磁場中に置かれた試料に対して、所定の共鳴周波数で高周波信号を送信する送信コイルと、自由誘導減衰信号を受信する超電導受信コイルと、4つの電流ループから構成され内側ループと外側ループに流れる電流の向きは逆方向である付加コイルとを有し、かつ、前記超電導送信コイルは、2つの電流ループから構成され電流の向きが2つ電流のループ上で同方向であり、前記送信コイルの2つの電流ループのそれぞれが、前記付加コイルの内側ループと外側ループのほぼ中間に配置されていることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  6. 請求項5に記載の核磁気共鳴装置において、前記付加コイルに給電したときに付加コイル中心に生成される高周波磁場の向きが、前記送信コイルに給電したときに送信コイル中心に生成される高周波磁場の向きとほぼ同じであるよう構成したことを特徴とする核磁気共鳴装置。
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