JP4105269B2 - 膜形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に溶液を回転塗布して塗布膜を形成する膜形成方法に関し、特には、半導体基板(半導体ウエハ)上にフォトレジスト膜やSOG膜を形成するのに好適な膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体ウエハ上にフォトレジスト膜やSOG膜等の膜を形成する方法として、回転塗布法が採用されている。
この回転塗布法は、半導体ウエハを水平に保持して水平に回転させるとともにこの回転の開始前後においてこの半導体ウエハ上に溶液を滴下し、半導体ウエハの回転により生じる遠心力でこの半導体ウエハ上にこの溶液の膜を形成する方法である。回転塗布法により膜を形成すると、その半導体ウエハの周縁部にも膜が形成されるが、周縁部に膜が形成された半導体ウエハを、例えばカセットに収納すると、収納時に半導体ウエハの周縁部に形成された膜とカセットとの接触によってその膜から塵埃が発生し、その塵埃が半導体デバイスに混入すると、その半導体デバイスの動作不良の原因になる。従って、半導体ウエハ上に膜を形成した後、半導体ウエハの周縁部に溶剤を滴下して、半導体ウエハ上に形成された膜の、半導体ウエハの周縁部に形成された部分を除去することが行なわれている。
【0003】
図5〜図7は、半導体ウエハ上にSOG膜を形成する工程を示す断面図である。
先ず、図5に示すように、半導体ウエハを水平に回転させるスピンチャック52に固定された、円板形状の半導体ウエハ51の表面51aに、SOG膜の材料が溶解した溶液53を滴下する。その後、半導体ウエハ51を、例えば3000rpmで回転させる。半導体ウエハ51を回転させると、遠心力により、図6に示すように半導体ウエハ51の表面51aから端面51bにかけて溶液53による塗布膜54が形成される。
【0004】
次に、半導体ウエハ51を回転させたままの状態で、図7に示すように、半導体ウエハ51の周縁よりもやや内側の位置にノズル55で溶剤56を滴下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図8、図9は、図7に示すように溶剤を滴下することによって、半導体ウエハ51の周縁部に形成された膜が除去された状態を示す図である。
図7において、半導体ウエハ51の周縁よりもやや内側の位置に滴下した溶剤56が、半導体ウエハ51の表面51aを覆う塗布膜に対し親和性の高い溶剤、あるいは典型的にはその塗布膜54が可溶の溶剤の場合、その塗布膜54の、半導体ウエハ51の周縁部に形成された部分は除去されるが、図8に示すように、除去されずに半導体ウエハ51の表面51aに残った膜57の周縁部が盛り上がってしまい、このように膜の周縁部が盛り上がった状態で半導体ウエハの熱処理を行うと、膜の盛り上がった部分にクラックが入り、そのクラックが入った部分から塵埃が発生するという問題がある。また、半導体ウエハを機械的にクランプするような場合にも発塵する。
【0006】
また、膜の盛り上がりを防止するため、特開平9−220505号公報に、図7において、滴下する溶剤56として、半導体ウエハ51の表面51aを覆う塗布膜54に対し親和性の低い溶剤、あるいは典型的にはその塗布膜54が不溶の溶剤を用いる方法が開示されている。ところが、親和性の低い溶剤あるいは不溶の溶剤を滴下すると、図9に示すように、半導体ウエハ51の表面51aに残る溶液の膜58については、その膜58の周縁部の盛り上がりは防止されるが、半導体ウエハ51の端面51bに膜59が除去されずに残ってしまい、このように半導体ウエハの端面に膜が残った半導体ウエハをカセットに収納すると、収納時に半導体ウエハの端面に残った膜とカセットとの接触により、やはり塵埃が発生してしまうという問題がある。
【0007】
つまり、溶液53に対し親和性の高いあるいは可溶の溶剤、もしくは親和性の低いあるいは不溶の溶剤のいずれを半導体ウエハ51に滴下しても、半導体ウエハ51の表面51aに残った膜57の周縁部が盛り上がったり、半導体ウエハ51の端面51bに膜59が除去されずに残ってしまい、結局、塵埃が発生するという問題がある。
【0008】
以下に、SOG膜の材料が溶解した溶液53として5種類の溶液A,B,C,D,Eを用意し、また、半導体ウエハ51に形成された塗布膜54の周縁部を除去するための溶剤56として4種類の溶剤a,b,c,dを用意し、溶液A,B,C,D,Eそれぞれを用いて半導体ウエハ51に塗布膜54を形成し、溶剤a,b,c,dを用いて塗布膜54の周縁部を除去したときの実験結果について説明する。
【0009】
尚、溶液A,B,C,D,Eは、それぞれ、東京応化工業(株)製のTYPE7,東京応化工業(株)製のTYPE2,東レダウコーニング(株)製のFOX−15,東京応化工業(株)製のTYPE10,東京応化工業(株)製のTYPE12(いずれも詳細な成分は不明)である。また、溶剤a,b,c,dは、それぞれ、イソプロピルアルコール,シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、MIBKである。
【0010】
表1は、その実験結果をまとめたものであり、図10は、表1に示す3つの評価項目(外観、盛上り、および端面膜残り)の評価方法の説明図である。
【0011】
【表1】
【0012】
表1に示す「外観」は、図10に示す半導体ウエハ51のXの領域に膜残りが生じたか否かを表わすものであり、膜残りがない場合は「良好」、膜残りがある場合は「膜残り有」で示してある。
「盛上り」は、半導体ウエハ51に溶剤56を滴下したときに、半導体ウエハ51の表面51aに残った膜57の、周縁部Yの厚さと中央部Zの厚さとの差Hを表わしている。
【0013】
「端面膜残り」は、半導体ウエハ51の端面51bに膜残りが生じたか否かを表わすものであり、膜残りがない場合は「無」、膜残りがある場合は「有」で示してある。
また、表1に示す「使用不可」とは、半導体ウエハ51に溶液を滴下することにより形成された溶液の膜と、その溶液の膜に滴下された溶剤とが化学反応してしまい、あるいは液タンク内で化学反応がおこり人体に危険なガスを出す等の問題があり、その溶剤がその塗布膜の除去には使用できないことを示している。
【0014】
表1に示すように、溶液A,B,C,D,Eに対し、溶剤a,b,c,dのいずれを使用しても、半導体ウエハ51に形成された塗布膜54の周縁部を良好に除去するとともに、膜の盛上りを防止し、かつ端面膜残りを生じさせないようにすることはできないことがわかる。
上述したような膜の盛上りによる発塵の問題を解決するために、特開平6−168872号公報に、半導体ウエハ上へのSOG溶液の滴下に先立って、半導体ウエハの周縁部をHMDS(ヘキサメチルジシラザン)等を用いて疎水性にする方法が開示されている。この方法では、半導体ウエハの周縁部を疎水化処理した後に、溶液を滴下し半導体ウエハを回転するため、半導体ウエハに滴下され遠心力により半導体ウエハの周縁部に向かって膜状に広がった溶液は、半導体ウエハの周縁部が疎水性であるため、その疎水性の周縁部でははじかれ、半導体ウエハの中央部にのみ膜が形成される。この方法の場合、半導体ウエハの周縁部のみを疎水性にする必要があるが、半導体ウエハの周縁部のみを例えばHMDSを用いて疎水性にしようとしても、半導体ウエハ全体がHMDS雰囲気にさらされることになる。このため、半導体ウエハ上に、例えば化学気相成長法で成膜された膜(以下、CVD膜と呼ぶ)を形成し、そのCVD膜が形成された半導体ウエハの周縁部を疎水性にしてから溶液を滴下して塗布膜を形成しても、CVD膜と塗布膜との密着性が著しく低下し、このように膜の密着性が低い状態のままで半導体デバイスを製造すると、その半導体デバイスの動作不良が生じる場合があるという問題がある。
【0015】
さらに、特開平8−17817号公報には、半導体ウエハにSOG溶液を滴下して塗布膜を形成した後、このSOG塗布膜にフッ酸を滴下して、その塗布膜の周縁部を除去する方法が開示されているが、除去する必要のない別の膜にフッ酸が進入してしまうと半導体デバイスの劣化の原因となることや、また、フッ酸は有毒であり人体への安全性を考えると、フッ酸を用いることは好ましくない。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑み、基板上に回転塗布された塗布膜の周縁部を確実かつ安全に除去することのできる膜形成方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の膜形成方法は、基板上に溶液を回転塗布して塗布膜を形成する回転塗布工程を有する膜形成方法において、
(a)塗布膜に覆われた基板上の周縁よりもやや内側の位置にその塗布膜に対し相対的に親和性の低い第1の溶剤の滴下を開始し、
(b)上記第1の溶剤の滴下の開始と同時のタイミング乃至その第1の溶剤の滴下の開始より遅れたタイミングで、基板上の、第1の溶剤の滴下位置よりも周縁に近い位置に、その塗布膜に対し相対的に親和性の高い第2の溶剤の滴下を開始し、
(c)第1の溶剤の滴下を停止し、
(d)前記第1の溶剤の滴下の停止よりも遅れたタイミングで上記第2の溶剤の滴下を停止する
ことを特徴とする。
【0018】
本発明の膜形成方法においては、基板上に溶液を滴下してその塗布膜を形成した後、その塗布膜の、基板の周縁部に形成された部分を除去するとともに、その基板表面に、周縁部の盛上りが防止された膜が残るようにするため、半導体ウエハ上の塗布膜に対し相対的に親和性の低い第1の溶剤と、相対的に親和性の高い第2の溶剤との双方を用いている。
【0019】
この第2の溶剤の滴下位置は、第1の溶剤の滴下位置よりも、基板の周縁に近い位置である。換言すれば、第1の溶剤の滴下位置は、第2の溶剤の滴下位置よりも、基板の中央に近い位置である。また、この第2の溶剤の滴下のタイミングは、第1の溶剤の滴下の開始と同時ないし遅れたタイミングである。このため、この基板上の塗布膜に対し親和性の高い第2の溶剤が基板の中央に向かって流れることが防止される。従って、第1の溶剤として、基板上の塗布膜に対し親和性の低い溶剤を用いると、第1の溶剤および第2の溶剤の滴下により、基板表面には、周縁部の盛上りが防止された平坦な膜が形成される。また、本発明では、上述したように、親和性の高い第2の溶剤を、第1の溶剤の滴下位置よりも半導体ウエハの周縁に近い位置に滴下しているため、基板上の塗布膜の、基板の周縁部に形成された部分が除去される。つまり、基板上には平坦な膜が形成されるとともに、基板の端面での膜残りも防止される。
【0020】
ここで、上記本発明は、上記回転塗布工程として、半導体基板上にSOG膜を形成する工程に好適に適用することができ、その場合、例えば、上記第1の溶剤としてシクロヘキサノンを用い、上記第2の溶剤としてイソプロピルアルコールを用いることができる。
また、本発明の膜形成方法を適用してSOG膜を形成するにあたっては、半導体基板を、2000rpm以上3000rpm以下で回転させながら、上記(a)から(d)の各工程を実行することが効果的である。
【0021】
半導体基板を、2000rpm以上3000rpm以下で回転させながら、半導体基板上に第1の溶剤および第2の溶剤を滴下すると、滴下した第1の溶剤および第2の溶剤を、半導体基板上に形成されたSOG膜の周縁部分の除去に効率よく用いることができる。
あるいは、本発明の膜形成方法を適用してSOG膜を形成するにあたっては、上記(b)の工程が、上記第1の溶剤の滴下の開始より遅れたタイミングで上記第2の溶剤の滴下を開始する工程であって、上記(a)の工程において上記第1の溶剤の滴下を開始した後、上記半導体ウエハの回転速度を変更し、しかる後に上記(b)の工程を行うことも効果的である。
【0022】
半導体基板に粘性の低い溶液を滴下してその塗布膜を形成した場合、又は、その滴下する溶液に含まれる有機溶剤の気化速度が速い場合は、第1の溶剤の滴下する前に、半導体基板の回転速度を速くし、一方、粘性の高い溶液を滴下してその塗布膜を形成した場合又は気化速度の遅いものは、粘性の低い溶液を滴下した場合とは逆に、半導体ウエハの回転速度を遅くすることにより、SOG膜の周縁部分の除去を効率よく行なうことができる。
【0023】
また、上記本発明は、上記回転塗布工程として、半導体基板上にフォトレジスト膜を形成する工程にも好適に適用することができ、その場合は、例えば上記第1の溶剤としてシクロヘキサノンを用い、上記第2の溶剤としてメチル−3−メトキシプロピオネートを用いることができる。
また、このフォトレジスト膜の形成にあたっても、半導体基板を、2000rpm以上3000rpm以下で等速回転させながら、上記(a)から(d)の各工程を実行することが好ましく、あるいは、上記(b)の工程が、第1の溶剤の滴下の開始より遅れたタイミングで第2の溶剤の滴下を開始する工程であって、上記(a)の工程において第1の溶剤の滴下を開始した後、半導体基板の回転数を変更し、しかる後に上記(b)の工程を実行することも好ましい方法である。その理由は、前述したSOG膜の場合と同様である。
【0024】
また、上記本発明の膜形成方法では、塗布膜に対し相対的に親和性が低い、相対的に親和性が高いという概念の典型として、その塗布膜にそれぞれ不溶、可溶という概念を採用してもよい。
この不溶、可溶という概念を採用したときの本発明の膜形成方法は、
基板上に溶液を回転塗布して塗布膜を形成する回転塗布工程を有する膜形成方法において、
(a)塗布膜に覆われた基板上の周縁よりもやや内側の位置にその塗布膜が不溶の第1の溶剤の滴下を開始し、
(b)上記第1の溶剤の滴下の開始と同時のタイミング乃至その第1の溶剤の滴下の開始より遅れたタイミングで、基板上の、第1の溶剤の滴下位置よりも周縁に近い位置に、塗布膜が可溶の第2の溶剤の滴下を開始し、
(c)第1の溶剤の滴下を停止し、
(d)第1の溶剤の滴下の停止よりも遅れたタイミングで第2の溶剤の滴下を停止する
ことを特徴とするものである。
【0025】
この場合も、上記回転塗布工程として、半導体基板上にSOG膜を形成する工程に好適に適用することができ、その場合に、上記第1の溶剤としてシクロヘキサノン、上記第2の溶剤としてイソプロピルアルコールを好適に用いることができる。
また、上記半導体基板を、2000rpm以上3000rpm以下で回転させながら、上記(a)から(d)の各工程を実行することも好ましく、あるいは、上記(b)の工程が、第1の溶剤の滴下の開始より遅れたタイミングで第2の溶剤の滴下を開始する工程であって、上記(a)の工程において第1の溶剤の滴下を開始した後、上記半導体基板の回転数を変更し、しかる後に上記(b)の工程を実行することも好ましい方法である。
【0026】
さらに、上記本発明の膜形成方法では、塗布膜中の溶質が溶剤に不溶、あるいは可溶であるという概念を採用することもできる。この概念を採用したときの本発明の膜形成方法は、基板上に溶液を回転塗布して塗布膜を形成する回転塗布工程を有する膜形成方法において、
(a)塗布膜に覆われた基板上の周縁よりもやや内側の位置にその塗布膜中の溶質が不溶な第1の溶剤の滴下を開始し、
(b)上記第1の溶剤の滴下の開始と同時のタイミング乃至その第1の溶剤の滴下の開始より遅れたタイミングで、基板上の、第1の溶剤の滴下位置よりも周縁に近い位置に、その塗布膜中の溶質が可溶な第2の溶剤の滴下を開始し、
(c)第1の溶剤の滴下を停止し、
(d)第1の溶剤の滴下の停止よりも遅れたタイミングで第2の溶剤の滴下を停止する
ことを特徴とする。
【0027】
この場合も、回転塗布工程として、半導体基板上にSOG膜を形成する工程に好適に適用することができ、その場合に、上記第1の溶剤としてシクロヘキサノン、上記第2の溶剤としてイソプロピルアルコールを好適に用いることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
以下に説明する本発明の膜形成方法の一実施形態について、先ず図5、図6を参照しながら説明し、その後図1〜図4を参照しながら説明する。図1〜図4は、図5、図6の説明の後に参照される、本発明の膜形成方法の一実施形態の各工程を示す断面図である。尚、図5、図6については、先に従来の技術の欄で既に説明済であるので、ここでは簡単に説明し、図1〜図4について詳細に説明する。
【0029】
先ず、図5に示すように、SOG膜の材料が溶解した溶液53を滴下する。その後半導体ウエハ51を回転させることにより、図6に示すように塗布膜54(SOG膜)を形成し、以下のような工程を実施する。
SOG膜54を形成した後、図1に示すように、半導体ウエハ51の周縁から4mm内側の位置に、ノズル11で、SOG膜に対し親和性の低い溶剤であるシクロヘキサノン12の滴下を開始する。この滴下開始の時点では、半導体ウエハ51は静止した状態でも回転した状態でもよい。
【0030】
次に、半導体ウエハ51を3000rpmで回転させ、シクロヘキサノン12の滴下を開始してから2秒後に、図2に示すように、半導体ウエハ51の周縁から2mm内側の位置に、ノズル13で、半導体ウエハ51上の塗布膜54であるSOG膜に対しシクロヘキサノン12よりも親和性の高いイソプロピルアルコール14の滴下を開始する。このイソプロピルアルコール14は、SOG膜に可溶の溶剤であり、さらには、SOG膜中の溶質であるシリコン化合物あるいはシリコン高分子が可溶の溶剤である。イソプロピルアルコール14を滴下する時点では、図2に示すように、半導体ウエハ51の表面51aに、平坦な塗布膜15が存在するとともに、半導体ウエハ51の端面51bにも、塗布膜16が広がっている。
【0031】
次に、イソプロピルアルコール14の滴下を開始してから5秒後に、イソプロピルアルコール14を滴下し続けたまま、図3に示すように、シクロヘキサノン12の滴下を停止する。ここで、イソプロピルアルコール14を滴下し続けるのは、半導体ウエハ51の端面51bにわずかに残っている膜17を除去するためである。
【0032】
次に、膜17が除去された後、図4に示すようにイソプロピルアルコール14の滴下を停止する。
このように、半導体ウエハ51に形成された塗布膜(SOG膜)54に、シクロヘキサノン12の滴下を開始し、このシクロヘキサノン12の滴下の開始より遅れたタイミングでこのシクロヘキサノン12の滴下位置よりも半導体ウエハ51の周縁に近い位置に、イソプロピルアルコール14の滴下を開始することによって、図4に示すように半導体ウエハ51の表面51aに、平坦な塗布膜15が残り、半導体ウエハ51の周縁に形成されていた膜は除去される。
【0033】
従って、図4に示すような膜15が形成された半導体ウエハ51を、カセットに収納したり熱処理しても塵埃は発生しにくく、塵埃の混入により半導体デバイスが動作不良を起こすことが防止される。
尚、本実施形態では、半導体ウエハ51に、SOG膜の材料が溶解した溶液53を滴下した後、半導体ウエハ51を回転させることにより、塗布膜54を形成しているが、先に半導体ウエハ51を低速回転し、その後半導体ウエハ51に溶液53を滴下して、半導体ウエハ51上に塗布膜を形成してもよい。
【0034】
また、本実施形態では、半導体ウエハを3000rpmで回転させているが、半導体ウエハの回転数は、半導体ウエハに滴下された溶剤によって、半導体ウエハに形成された塗布膜の、この半導体ウエハの周縁部に形成された部分が除去される程度の遠心力を発生する回転数であればよい。
また、シクロヘキサノン12の滴下を開始した後、塗布膜の粘度等に応じて半導体ウエハの回転数を変更し、その後イソプロピルアルコール14の滴下を開始してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、シクロヘキサノン12の滴下の開始より遅れたタイミングでイソプロピルアルコール14を滴下しているが、シクロヘキサノン12およびイソプロピルアルコール14は同時に滴下を開始してもよい。
また、本実施形態では、半導体ウエハ51に滴下する2種類の溶剤のうち、半導体ウエハ51の周縁から離れた位置(つまり、半導体ウエハ51の中央により近い位置)に滴下される溶剤としてシクロヘキサノン12を使用しているが、半導体ウエハ51に残される塗布膜15の周縁部の盛り上がりが生じない程度に、その塗布膜54に対し親和性の低い溶剤を滴下するのであれば、シクロヘキサノン12以外の溶剤であってもよい。また、半導体ウエハ51の周縁により近い位置に滴下される溶剤としてイソプロピルアルコール14を使用しているが、半導体ウエハ51上の塗布膜54に対し、半導体ウエハ51の中央により近い位置に滴下される溶剤(本実施形態ではシクロヘキサノン12)よりも親和性の高い溶剤であって、半導体ウエハ51の端面51bに膜残りを発生させない程度に溶液53に対し親和性が高い溶剤であれば、イソプロピルアルコール14以外の溶剤、例えば、γ−ブチロラクトン、乳酸等でもよい。
【0036】
次に、本発明のもう1つの実施形態について説明する。尚、図面自体は前述した実施形態で参照した図面をそのまま用いることができ、以下に説明する実施形態においても同じ図面を参照して説明する。
先ず、図5に示すように、フォトレジスト膜の材料が溶解した溶液53を滴下し、半導体ウエハ51を回転させることにより、図6に示すように塗布膜(フォトレジスト膜)54を形成し、この半導体ウエハ51を2500rpmで回転させて、以下の工程を実施する。フォトレジスト材料は、一般的な「ノボラック樹脂」からなる市販品を使用した。
【0037】
塗布膜(フォトレジスト膜)54を形成した後、図1に示すように、半導体ウエハ51の周縁から4mm内側の位置に、ノズル11で半導体ウエハ51の表面51aに滴下した溶液53に含まれる溶媒と溶媒親和をしない(その溶液と比べ接触角又は表面張力が大きく異なる)第1の溶剤であるシクロヘキサノン12の滴下を開始する。
【0038】
次に、シクロヘキサノン12の滴下を開始してから2秒後に、図2に示すように、半導体ウエハ51の周縁から2mm内側の位置に、ノズル13で、半導体ウエハ51の表面51aに滴下した溶液53に含まれる溶媒と溶媒親和をする(その溶液と比べ接触角又は表面張力の小さい)第2の溶剤でありMMPシンナー(メチル−3−メトキシプロピオネート)14の滴下を開始する。MMPシンナー14を滴下する時点では、図2に示すように、半導体ウエハ51の表面51aに、平坦な塗布膜15が存在するとともに、半導体ウエハ51の端面51bにも、溶液の膜16が存在している。
【0039】
次に、MMPシンナー14の滴下を開始してから5秒後に、MMPシンナー14を滴下し続けたまま、図3に示すように、シクロヘキサノン12の滴下を停止する。ここで、MMPシンナー14を滴下し続けるのは、半導体ウエハ51の端面51bにわずかに残っている膜17を除去するためである。
次に、膜17が除去された後、図4に示すようにMMPシンナー14の滴下を停止する。
【0040】
このように、半導体ウエハ51に形成された塗布膜(フォトレジスト膜)54にシクロヘキサノン12の滴下を開始し、このシクロヘキサノン12の滴下の開始より遅れたタイミングでこのシクロヘキサノン12の滴下位置よりも半導体ウエハ51の周縁に近い位置に、MMPシンナー14の滴下を開始することによって、図4に示すように、半導体ウエハ51の表面51aに、平坦な塗布膜15が残り、半導体ウエハ51の周縁部に形成されていた膜は除去される。
【0041】
ショート確認用TEG(TEST ELEMENT GROUP)で、本発明のプロセスと従来プロセスを比較すると以下の表2のような結果を得ることができ、その効果を確認した。
【0042】
【表2】
【0043】
従って、図4に示すような塗布膜15が形成された半導体ウエハ51を、カセットに収納したり熱処理しても塵埃は発生しにくく、塵埃の混入により半導体デバイスが動作不良を起こすことが防止される。なお、ここで説明した実施形態では、フォトレジスト材料が溶解した溶液53に含まれる溶媒と溶媒親和をしない(その溶液と比べ接触角又は表面張力の大きく異なる)溶剤として、シクロヘキサノンを用いているが、シクロヘキサノンの代わりに、例えば、乳酸やOK73シンナー(PGMEAとPGMEの混合液)を用いてもよい。また、フォトレジスト材料が溶解した溶液53に含まれる溶媒と溶媒親和をする(その溶液と比べ接触角又は表面張力の小さい)溶剤として、MMPシンナーを用いているが、溶液53に含まれる溶媒と溶媒親和をする(その溶液と比べ接触角又は表面張力の小さい)溶剤であれば、MMPシンナー以外の溶剤でもよい。
【0044】
尚、前述した、特開平6−168872号公報に開示された技術では、半導体ウエハ上に例えばCVD膜を形成し、そのCVD膜が形成された半導体ウエハの周縁部をHMDS等を用いて疎水性にしてから溶液を滴下してSOG膜を形成しているため、CVD膜とSOG膜との密着性が低下するという問題があるが、本発明の膜形成方法では、HMDS等を用いて疎水性にすることは不要である。このため、本発明の膜形成方法では、CVD膜が形成された半導体ウエハに塗布膜を形成しても、そのCVD膜と塗布膜との密着性の低下が防止される。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の膜形成方法によれば、半導体ウエハ上にフッ酸を滴下することなく、その半導体ウエハ上に膜を形成することができる。さらに、半導体ウエハの周縁部での膜残りを防止することができ、その半導体ウエハ上に、周縁部の盛上りが防止された膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜形成方法の一実施形態の製造工程を示す断面図である。
【図2】本発明の膜形成方法の一実施形態の製造工程を示す断面図である。
【図3】本発明の膜形成方法の一実施形態の製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の膜形成方法の一実施形態の製造工程を示す断面図である。
【図5】半導体ウエハに溶液を滴下した様子を示す図である。
【図6】半導体ウエハに形成された塗布膜を示す図である。
【図7】半導体ウエハに形成された膜に溶剤を滴下する様子を示す図である。
【図8】溶剤滴下後の半導体ウエハに形成された膜を示す図である。
【図9】図8とは異なる、溶剤滴下後の半導体ウエハに形成された膜を示す図である。
【図10】表1に示す3つの評価項目(外観、盛上り、および端面膜残り)の評価方法の説明図である。
【符号の説明】
11,13 ノズル
12,14 溶剤
15,16,17,54 膜
51 半導体ウエハ
51a 表面
51b 端面
52 スピンチャック
53 溶液
Claims (5)
- 基板上に溶液を回転塗布して塗布膜を形成する回転塗布工程を有する膜形成方法において、
(a)塗布膜に覆われた基板上の周縁よりもやや内側の位置に該塗布膜に対し相対的に不溶性の第1の溶剤の滴下を開始し、
(b)前記第1の溶剤の滴下の開始と同時のタイミング乃至該第1の溶剤の滴下の開始より遅れたタイミングで、該基板上の、該第1の溶剤の滴下位置よりも周縁に近い位置に、該塗布膜に対し相対的に可溶性の第2の溶剤の滴下を開始し、
(c)前記第1の溶剤の滴下を停止し、
(d)前記第1の溶剤の滴下の停止よりも遅れたタイミングで前記第2の溶剤の滴下を停止する
ことを特徴とする膜形成方法。 - 前記半導体基板を、2000rpm以上3000rpm以下で回転させながら、前記(a)から(d)の各工程を実行することを特徴とする請求項1記載の膜形成方法。
- 前記(b)の工程が、前記第1の溶剤の滴下の開始より遅れたタイミングで前記第2の溶剤の滴下を開始する工程であって、
前記(a)の工程において前記第1の溶剤の滴下を開始した後、前記半導体基板の回転数を変更し、しかる後に前記(b)の工程を実行することを特徴とする請求項1記載の膜形成方法。 - 前記塗布膜がSOG膜であり、前記第1の溶剤がシクロヘキサノンであり、前記第2の溶剤がイソプロピルアルコール、γ−プチロラクトン、および乳酸のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の膜形成方法。
- 前記塗布膜がフォトレジスト膜であり、前記第1の溶剤がシクロヘキサノン、乳酸、および、PGMEAとPGMEとの混合液のいずれかであり、前記第2の溶剤がメチル−3−メトキシプロピオネートであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の膜形成方法。
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