JP4103499B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波を用いてデータ通信を行う通信装置であって、特に家庭においてホームネットワークを構成する通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エアコンや冷蔵庫などの白物家電機器や侵入センサー等のセキュリティ機器と家庭内に設置されたホームコントローラとを無線で接続し、前記ホームコントローラを介して携帯電話と接続し、家の外よりエアコン等の機器をコントロールしたり、家の中のセキュリティ情報を携帯電話を介して外出中の家人に報知したりする家庭内ネットワークシステムが開発されてきている。日本においては上記家庭内ネットワークシステムの業界標準としてエコーネット規格が制定されている。上記エコーネット規格を用いた無線ネットワークシステムにおいて、それぞれネットワークを構成する機器は二つの識別符号を有している。一つは各家庭毎に割り振られ、一つの家庭に所属する機器すべてに共通な識別符号である無線システム識別符号である。そして他の一つは機器毎に異なる符号を割り振られる機器識別符号である。二つの機器の間で通信を行わせるためには無線システム識別符号が一致していることと、通信相手の機器識別符号を指定して送信する必要がある。そして上記無線システム識別符号と機器識別符号は上記ホームコントローラから割り振られる。
【0003】
図2に従来の家庭内ネットワークシステムを構成するホームコントローラに内蔵される親無線機とエアコン等の端末機器に内蔵される子無線機の構成を示す。図3には親無線機と子無線機の間で行われる識別符号の割り当て手順を示す。図2及び図3を参照しながら従来例について説明する。
【0004】
図2において、1は親無線機のアンテナ、2は無線通信手段、3は受信レベル検出手段、4はコンパレータ、5は制御手段、6はスイッチ、7はホームコントローラ本体(図示せず)との通信端子、そして8が親無線機である。9は子無線機のアンテナ、10は無線通信手段、11は受信レベル検出手段、12はコンパレータ、13は制御手段、14はスイッチ、15はエアコン等の端末機器(図示せず)との通信端子、16は子無線機である。親無線機8が子無線機16からの電波を受信する場合、受信レベル検出手段3で検出した受信レベルがコンパレータ4で設定した所定の閾値以上である必要がある。すなわち親無線機8のアンテナ1に入力する電波が所定の強さ以上の電波であるときのみ制御手段5は無線通信手段2からの受信信号を受信処理するように構成されている。子無線機16についても親無線機8と同様に、子無線機16のアンテナ9に入力する電波が所定の強さ以上の電波であるときのみ制御手段13は無線通信手段10からの受信信号を受信処理するように構成されている。
【0005】
さて上記親無線機8と子無線機16との間の識別符号割り当て手順について図3を参照しながら説明する。
【0006】
ステップ1(ST1):親無線機8のスイッチ6をONする。すると親無線機8は登録状態に遷移し、登録状態専用の無線チャンネルで子無線機16からの電波を待ちうける。
【0007】
ステップ2(ST2):子無線機16のスイッチ14をONする。すると子無線機16は登録状態に遷移する。
【0008】
ステップ3(ST3):子無線機16は登録状態に遷移すると、登録状態専用の無線チャンネルで識別符号付与要求信号を無線送信する。この時子無線機16が仮に割り振った子無線機16の仮機器識別符号を上記無線送信する信号に付加して送信する。
【0009】
ステップ4(ST4):親無線機8は上記識別符号付与要求信号を受信すると、親無線機8が管理する子無線機群の機器識別符号テーブルを参照しまだ付与していない機器識別符号と無線システム識別符号を上記仮機器識別符号の機器宛に、識別符号割り当て信号に乗せて送る。
【0010】
ステップ5(ST5):子無線機16は上記識別符号割り当て信号を受信すると、親無線機8より割り当てられた無線システム識別符号及び機器識別符号を記憶し以後自機の識別符号として使用する。そして親無線機8に対して応答信号を送信し、登録処理を完了し通常動作状態に遷移する。
【0011】
ステップ6(ST6):親無線機8は上記応答信号を受信すると、登録処理を完了し通常動作状態に遷移する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記登録動作において、たまたま隣の家の親無線機も登録状態に遷移していた場合、子無線機10から送信される識別符号付与要求信号(ステップ3)が隣の家の親無線機でも検出され隣の親無線機が識別符号割り当て信号を送信し誤って子無線機10が隣の家の識別符号割り当て信号を受信してしまう、という課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、子無線機と、子無線機を識別するための識別符号を子無線機に対して付与する親無線機とで構成され、前記親無線機は前記子無線機に対して前記識別符号を付与するための登録状態と前記子無線機或いは他の子無線機との間でデータ伝送を行う通常状態の二つの状態を有し、前記登録状態の時と前記通常状態の時とで受信可能な受信レベルの閾値を切り替える構成であって、前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に対する識別符号付与の要求信号を送信し、前記親無線機は、前記登録状態において前記子無線機から前記識別符号付与の要求信号を受信すると、前記子無線機に対して未付与の識別符号を割り当て、前記割り当てた識別符号を前記子無線機を指定して無線送信し、前記子無線機から前記無線送信に対する応答信号を受信すると前記登録状態から通常状態に遷移し、前記親無線機は、前記識別符号付与の要求信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値よりも、前記応答信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値を低く設定したことを特徴としたものである。
【0014】
また、本発明は上記課題を解決するため、子無線機と、子無線機を識別するための識別符号を子無線機に対して付与する親無線機とで構成され、前記子無線機は、前記親無線機に対して前記識別符号の付与を要求するための登録状態と、前記親無線機或いは他の子無線機との間でデータ伝送を行う通常状態の二つの状態を有し、前記登録状態の時と前記通常状態の時とで受信可能な受信レベルの閾値を切り替える構成であって、前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に対する識別符号付与の要求信号を送信し、前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に対する識別符号付与の要求信号を送信し、前記親無線機は、前記登録状態において前記子無線機から前記識別符号付与の要求信号を受信すると、前記子無線機に対して未付与の識別符号を割り当て、前記割り当てた識別符号を前記子無線機を指定して無線送信し、前記子無線機から前記無線送信に対する応答信号を受信すると前記登録状態から通常状態に遷移し、前記親無線機は、前記識別符号付与の要求信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値よりも、前記応答信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値を低く設定したことを特徴としたものである。
【0015】
上記発明によれば、隣の家の親無線機が登録状態になっていたとしても、誤って隣の家の親無線機から識別符号を付与されることはなくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
第1の発明にかかる通信装置は、子無線機と、子無線機を識別するための識別符号を子無線機に対して付与する親無線機とで構成され、前記親無線機は前記子無線機に対して前記識別符号を付与するための登録状態と前記子無線機或いは他の子無線機との間でデータ伝送を行う通常状態の二つの状態を有し、前記登録状態の時と前記通常状態の時とで受信可能な受信レベルの閾値を切り替える構成であって、前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に 対する識別符号付与の要求信号を送信し、前記親無線機は、前記登録状態において前記子無線機から前記識別符号付与の要求信号を受信すると、前記子無線機に対して未付与の識別符号を割り当て、前記割り当てた識別符号を前記子無線機を指定して無線送信し、前記子無線機から前記無線送信に対する応答信号を受信すると前記登録状態から通常状態に遷移し、前記親無線機は、前記識別符号付与の要求信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値よりも、前記応答信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値を低く設定したことを特徴としたものである。そして、簡単に登録状態に遷移させることができ、かつ隣の家の親無線機が登録状態になっていたとしても、誤って隣の家の親無線機から識別符号を付与されることはない。
【0017】
第2の発明にかかる通信装置は、子無線機と、子無線機を識別するための識別符号を子無線機に対して付与する親無線機とで構成され、前記子無線機は、前記親無線機に対して前記識別符号の付与を要求するための登録状態と、前記親無線機或いは他の子無線機との間でデータ伝送を行う通常状態の二つの状態を有し、前記登録状態の時と前記通常状態の時とで受信可能な受信レベルの閾値を切り替える構成であって、前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に対する識別符号付与の要求信号を送信し、前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に対する識別符号付与の要求信号を送信し、前記親無線機は、前記登録状態において前記子無線機から前記識別符号付与の要求信号を受信すると、前記子無線機に対して未付与の識別符号を割り当て、前記割り当てた識別符号を前記子無線機を指定して無線送信し、前記子無線機から前記無線送信に対する応答信号を受信すると前記登録状態から通常状態に遷移し、前記親無線機は、前記識別符号付与の要求信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値よりも、前記応答信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値を低く設定したことを特徴としたものである。そして、簡単に登録状態に遷移させることができ、かつ隣の家の親無線機が登録状態になっていたとしても、誤って隣の家の親無線機から識別符号を付与されることはない。
【0018】
第3の発明は、第1または第2の発明による通信装置の機能の全てもしくは一部をコンピュータに実現させるためのプログラムである。そして、プログラムであるのでマイコン等を用いて本発明のメータ検針装置の一部あるいは全てを容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布や更新が簡単にできる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0020】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の通信装置を示すブロック図である。従来例と同一の機能ブロックには同一の番号を付与している。
【0021】
図1において、1は親無線機のアンテナ、2は無線通信手段、3は受信レベル検出手段、104はコンパレータ、105は制御手段、6はスイッチ、7はホームコントローラ本体(図示せず)との通信端子、そして8が親無線機である。9は子無線機のアンテナ、10は無線通信手段、11は受信レベル検出手段、112はコンパレータ、113は制御手段、14はスイッチ、15はエアコン等の端末機器(図示せず)との通信端子、16は子無線機である。
【0022】
親無線機8が子無線機16からの電波を受信する場合、登録状態の場合と通常動作状態の場合で制御手段105の制御によりコンパレータの閾値を切り換える。コンパレータ104の閾値は通常動作状態の場合の閾値に比べ登録状態の場合の閾値を高く設定されている。従って登録状態の時には通常動作状態の時に比べ強い電波しか受信しないこととなる。よって親無線機8と子無線機16との間で登録状態になったとき、たまたま隣の家の親無線機が登録状態になっていたとしても、一般に隣の家の親無線機に到達する子無線機16の電波の強さは登録状態におけるコンパレータの閾値より小さいため隣の家の親無線機が子無線機16の登録時の電波を受信することはない。すなわち、従来例図3において隣の家の親無線機が仮に登録状態へ遷移されていても(ST1)、無線子機16からの識別符号付与要求(ST3)を受け付けることができないので隣の家との登録シーケンスが完了することはない。
【0023】
次に隣の家の親無線機が本発明の機能、すなわち登録状態の時と通常動作状態の時とでコンパレータの閾値を切り換える機能を有していない場合、すなわち従来例図3において隣の家の親無線機が仮に登録状態へ遷移され(ST1)無線子機16からの識別符号付与要求(ST3)を受け付けてしまった場合について説明する。この場合、隣の家の親無線機は子無線機16が送信する識別符号付与要求信号を受信(ST3)し、前記隣の家の親無線機は識別符号割り当て信号を送信する(ST4)。しかしながら子無線機16のコンパレータ112の閾値は高く設定されているため上記親無線機からの識別符号割り当て信号(ST4)を受信できない。そして子無線機16は応答信号の送信(ST5)を行わず、隣の家との登録シーケンスが完了することはない。よって隣の家の親無線機から誤って識別符号を受け取ることはない。
【0024】
次に登録状態に遷移させる別の方法について説明する。通信端子7或いは通信端子15を用いてホームコントローラ本体或いはエアコン等の端末機器から電文を用いて親無線機8或いは子無線機16を登録状態に遷移させることができる。さらに別の方法として子無線機16の電源がONした時、子無線機16は無線システム識別符号及び機器識別符号が未設定かどうかを内部チェックし、既に識別符号が設定されていれば通常動作状態に移行し、識別符号が未設定であれば登録状態に遷移するように構成することができる。
【0025】
なお、本実施例ではコンパレータ104或いはコンパレータ112の閾値を切り換えるように構成したが、例えばコンパレータ104或いはコンパレータ112の閾値は切り換えずに受信レベル検出手段3或いは11の利得や無線通信手段2或いは10の受信時の利得を切り換えることにより登録状態と通常動作状態で受信できる電波の強さを切り換えるように構成しても良い。
【0026】
なお、端末機器がエアコンのように設置後動かすことのできない機器の場合は、ホームコントローラ側、すなわち親無線機側をエアコンの近くに持っていき登録手順を実行する。しかし侵入センサーや人感センサー等のセキュリティ機器は電池で駆動され簡単に移動可能なため、親無線機の近くに端末機器すなわち子無線機を持っていき登録手順を実行する。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の通信装置を用いることにより、親無線機と子無線機との間で識別符号の登録手順を実行するときに、たまたま隣の家の親無線機が登録状態になっていたとしても、誤って隣の家の親無線機から子無線機が識別符号を取得することはない。従って信頼性の高い識別符号登録手順を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における通信装置のブロック図
【図2】 従来の通信装置のブロック図
【図3】 従来の親無線機と子無線機の間の登録手順を示す図
【符号の説明】
1 アンテナ
2 無線通信手段
3 受信レベル検出手段
4 コンパレータ
5 制御手段
6 スイッチ
7 通信端子
8 親無線機
9 アンテナ
10 無線通信手段
11 受信レベル検出手段
12 コンパレータ
13 制御手段
14 スイッチ
15 通信端子
16 親無線機
104 コンパレータ
105 制御手段
112 コンパレータ
113 制御手段
Claims (3)
- 子無線機と、子無線機を識別するための識別符号を前記子無線機に対して付与する親無線機とで構成され、
前記親無線機は、前記子無線機に対して前記識別符号を付与するための登録状態と、前記子無線機或いは他の子無線機との間でデータ伝送を行う通常状態の二つの状態を有し、
前記登録状態の時と前記通常状態の時とで受信可能な受信レベルの閾値を切り替える構成であって、
前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に対する識別符号付与の要求信号を送信し、
前記親無線機は、前記登録状態において前記子無線機から前記識別符号付与の要求信号を受信すると、前記子無線機に対して未付与の識別符号を割り当て、前記割り当てた識別符号を前記子無線機を指定して無線送信し、
前記子無線機から前記無線送信に対する応答信号を受信すると前記登録状態から通常状態に遷移し、
前記親無線機は、前記識別符号付与の要求信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値よりも、前記応答信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値を低く設定した通信装置。 - 子無線機と、子無線機を識別するための識別符号を前記子無線機に対して付与する親無線機とで構成され、
前記子無線機は、前記親無線機に対して前記識別符号の付与を要求するための登録状態と、前記親無線機或いは他の子無線機との間でデータ伝送を行う通常状態の二つの状態を有し、
前記登録状態の時と前記通常状態の時とで受信可能な受信レベルの閾値を切り替える構成であって、
前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に対する識別符号付与の要求信号を送信し、
前記子無線機は、前記子無線機への電源の投入時に前記識別符号が未設定の場合には前記登録状態に遷移し、前記親無線機に対する識別符号付与の要求信号を送信し、
前記親無線機は、前記登録状態において前記子無線機から前記識別符号付与の要求信号を受信すると、前記子無線機に対して未付与の識別符号を割り当て、前記割り当てた識別符号を前記子無線機を指定して無線送信し、前記子無線機から前記無線送信に対する応答信号を受信すると前記登録状態から通常状態に遷移し、
前記親無線機は、前記識別符号付与の要求信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値よりも、前記応答信号を受信する場合における受信可能な受信レベルの閾値を低く設定した通信装置。 - 請求項1または2に記載の通信装置の機能の全てもしくは一部をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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