JP4103160B2 - 電磁弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスの事故を未然に防ぐガス遮断装置を内蔵したガスマイコンメータの遮断アクチュエータとして用いられたり、ガス器具のガス通路の開閉に使用される電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からガスの事故を未然に防ぐガス遮断装置や、ガス器具に多くの電磁弁が使用されてきた。以下に従来の電磁弁について説明する。
【0003】
従来の電磁弁は、特開H7−71636号公報に開示されている。その電磁弁の断面図を図3に示した。図3(a)は開弁状態、図3(b)は閉弁状態である。
【0004】
図3(a),(b)において、電磁コイル51と、電磁コイル51の内側に配されたガイドパイプ52と、ガイドパイプ52の内側に摺動可動に配された円柱形の可動鉄芯53と、可動鉄芯53のガイドパイプ52から突出した端53aに配された弁体54と、この弁体54をガス流路55中に設けられた弁座56に付勢するスプリング57とで電磁弁が構成されている。
【0005】
可動鉄芯53は摺動部の断面形状が概ねD型になるよう外周を欠落されており、すなわち、外周部に溝53fを形成されている。可動鉄芯53の弁体54を配されていない端53bと対向して固定鉄芯61が配され、固定鉄芯61の他端に永久磁石62の一極が配され、他極に当接し電磁コイル51を取り囲んで継鉄63,64が配されている。
【0006】
ガイドパイプ52と固定鉄芯61の間、ガイドパイプ52と継鉄64の間にはそれぞれガスケット部材65,66が配され、電磁コイル51とガス流路55との間に気密性を与えている。
【0007】
以上のように構成された電磁弁に関して、以下その動作を説明する。
【0008】
図3(a)の開弁状態においては可動鉄芯53は固定鉄芯61に当接し、永久磁石62,固定鉄芯61,可動鉄芯53,継鉄64,63で強い永久磁石による磁気回路を構成し、その電磁力によってスプリング57の付勢力に抗して可動鉄芯53は固定鉄芯61に吸着された状態を保持し、弁体54は弁座56から離れた開弁状態を保持する。
【0009】
遮断動作時には、電磁コイル51に永久磁石62の起磁力と逆方向の起磁力を発生するよう電流が印加され、固定鉄芯61と可動鉄芯53の間の電磁力が減少し、スプリング57の付勢力によって可動鉄芯53が弁座56側に移動し弁体54が弁座56に当接し、図3(b)に示したようにガス通路55が遮断される。
【0010】
閉弁状態においては、固定鉄芯61と可動鉄芯53の間はストロークL’の分離れているため、前記永久磁石62による磁気回路は弱く、固定鉄芯61と可動鉄芯53の間の電磁力も弱いため、スプリング57の付勢力によって弁体54は弁座56に当接した閉弁状態を保持する。
【0011】
復帰動作時には、電磁コイル51に永久磁石62の起磁力と同方向の起磁力を発生するよう電流が印加され、固定鉄芯61と可動鉄芯53の間の電磁力が増大し、スプリング57の付勢力に抗して可動鉄芯53が固定鉄芯61に吸引され、弁体54が弁座56から離脱し、図3(a)の状態に戻りガス通路55が復帰される。もしくは、可動鉄芯53または弁体54にスプリング57の付勢力に抗する方向の外力が印加され、弁体54が弁座56から離脱し、図3(a)の状態に戻りガス通路55が復帰される。
【0012】
遮断・復帰動作時には可動鉄芯53と固定鉄芯61間のガスが膨張・圧縮され、可動鉄芯53の動作を妨げる荷重となるが、この例の電磁弁の場合、可動鉄芯53の外周溝53fを通ってガスがガイドパイプ52の外側と流通するため、過度の膨張・圧縮が発生せず、ガスによって可動鉄芯53の運動が妨げられにくい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の構成では、旋盤などによる加工が可能なその他の円筒形の外周面とは別に、可動鉄芯53の外周溝53fを形成するためにフライスなどの追加工程が必要となり、可動鉄芯53が高価であるという課題があった。
【0014】
また、外周溝53fと、その他の外周面との稜に加工バリが発生しやすく、この加工バリがガイドパイプ52の表面に引っかかってガイドパイプ52の固体潤滑膜を破壊したり、摺動抵抗増大によって動作不安定となったり、この加工バリが欠落し可動鉄芯53と固定鉄芯61の間に吸引され両者の接触の阻害となり、吸引不安定となる可能性があるという課題があった。
【0015】
以下、図を用いて詳しく説明する。図4は図3の電磁弁の可動鉄芯53の斜視図である。図4において可動鉄芯53は円柱形の材料から、まずフライス加工によって加工痕53gを形成しながら切削され、次に旋盤加工によって53hの方向に切削される。このとき稜53iに加工痕53gの山谷を反映した加工バリ53jが発生する。この加工バリ53jが前述の動作不安定の原因となる。
【0016】
また、前記フライス加工は旋盤加工や研磨加工と比較し表面荒さが粗くなりやすく、この結果溝53fの表面積が大きくなり、その他の部分と比較して腐食されやすく、可動鉄芯53の耐食性を低下させる原因となっていた。
【0017】
本発明はかかる従来の課題に鑑み、可動鉄芯に局部磨耗や、動作不安定、耐食性低下の原因となる外周溝を加工することなく、外周溝のある場合と同様に遮断・復帰動作時に可動鉄芯〜固定鉄芯間のガスを流通させることが可能で、ガスによって可動鉄芯の運動が妨げられにくい電磁弁を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するために、電磁コイルと、この電磁コイルの内側に配されたガイドパイプと、このガイドパイプの内側に摺動可能に配された可動鉄芯と、この可動鉄芯のガイドパイプから突出した端に配された弁体と、この弁体をガス流路中に設けられた弁座に付勢するスプリングとで構成された電磁弁において、ガイドパイプは非磁性金属材料製で、一端側にガスケット部材を介して気密に配した固定鉄芯を設け、当該固定鉄芯と前記可動鉄芯の間の電磁力の関係において前記弁体を移動し開弁状態及び閉弁状態を保持するとともに、閉弁状態において固定鉄芯と可動鉄芯との間に所定の空間を形成し、開弁状態において固定鉄芯と可動鉄芯を当接状態とし、可動鉄芯は軸方向に貫通した穴もしくは溝を有せず、弁体のない側の端と、摺動ストローク内で弁体が最も突出した位置においてガイドパイプの弁体側端より若干内側の位置とに、細径部より太く前記ガイドパイプ内径より若干細い外形を有し軸方向長さの短い帯状の太径部を細径部と同一の金属素材から一体的に形成するとともに、当該可動鉄芯と前記ガイドパイプとの間に形成される間隙に圧力損失の大きい箇所と小さい箇所を設け、弁体が閉弁状態から開弁状態に移動するとき、固定鉄芯と可動鉄芯の間に形成される空間に滞留したガスが圧力損失の大きい軸方向長さの短い太径部と圧力損失の小さい軸方向長さの長い細径部を経由してガス通路に流通するようにしたことを特徴とする。
【0019】
上記発明によれば、遮断(閉弁)や復帰(開弁)の動作を行う際に膨張・圧縮される可動鉄芯〜固定鉄芯間のガスを、2本の軸方向長さの短い太径部の流路抵抗のみで流通可能なため、可動鉄芯に局部磨耗や、動作不安定、耐食性低下の原因となる外周溝を加工することなく、ガスによって可動鉄芯の運動が妨げられにくい電磁弁を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、電磁コイルと、この電磁コイルの内側に配されたガイドパイプと、このガイドパイプの内側に摺動可能に配された可動鉄芯と、この可動鉄芯のガイドパイプから突出した端に配された弁体と、この弁体をガス流路中に設けられた弁座に付勢するスプリングとで構成された電磁弁において、ガイドパイプは非磁性金属材料製で、一端側にガスケット部材を介して気密に配した固定鉄芯を設け、当該固定鉄芯と前記可動鉄芯の間の電磁力の関係において前記弁体を移動し開弁状態及び閉弁状態を保持するとともに、閉弁状態において固定鉄芯と可動鉄芯との間に所定の空間を形成し、開弁状態において固定鉄芯と可動鉄芯を当接状態とし、可動鉄芯は軸方向に貫通した穴もしくは溝を有せず、弁体のない側の端と、摺動ストローク内で弁体が最も突出した位置においてガイドパイプの弁体側端より若干内側の位置とに、細径部より太く前記ガイドパイプ内径より若干細い外形を有し軸方向長さの短い帯状の太径部を細径部と同一の金属素材から一体的に形成するとともに、当該可動鉄芯と前記ガイドパイプとの間に形成される間隙に圧力損失の大きい箇所と小さい箇所を設け、弁体が閉弁状態から開弁状態に移動するとき、固定鉄芯と可動鉄芯の間に形成される空間に滞留したガスが圧力損失の大きい軸方向長さの短い太径部と圧力損失の小さい軸方向長さの長い細径部を経由してガス通路に流通するようにしたことを特徴とする電磁弁である。
【0021】
そして、遮断(閉弁)や復帰(開弁)の動作を行う際に膨張・圧縮される可動鉄芯〜固定鉄芯間のガスを、2本の軸方向長さの短い太径部の流路抵抗のみで流通可能なため、可動鉄芯に局部磨耗や、動作不安定、耐食性低下の原因となる外周溝を加工することなく、ガスによって可動鉄芯の運動が妨げられにくく、この結果、復帰(開弁)動作に要する電力の低い電磁弁を提供することができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1から図2を用いて説明する。
【0023】
(実施例1)
図1(a)に本発明の請求項1,請求項2および請求項4に記載した電磁弁の開弁状態、図1(b)にこの電磁弁の閉弁状態の断面図を示した。
【0024】
図1(a),(b)において、電磁コイル1と、電磁コイル1の内側に配されたガイドパイプ2と、ガイドパイプ2の内側に摺動可能に配された円柱形の可動鉄芯3と、可動鉄芯3のガイドパイプ2から突出した端3aに配された弁体4と、この弁体4をガス流路5中に設けられた弁座6に付勢するスプリング7とで電磁弁が構成されている。
【0025】
可動鉄芯3は弁体4のない側の端3bと、摺動ストロークL内で弁体4が最も突出した位置、すなわち図1(b)に示した閉弁状態においてガイドパイプ2の弁体4側端2aより若干内側の位置3cとに、他の部分3d,3eの直径D3,D4より太く、ガイドパイプ2の内径D5より若干細い外径D1,D2を有し軸方向長さL1,L2の短い帯状の太径部3f,3gを形成されている。
【0026】
また前記直径D3は、前記摺動ストロークL内で可動鉄芯3がガイドパイプ2に対して最大に傾いたときにおいてもガイドパイプ2の弁体4側端2aに接触しないような寸法に設定されている。ガイドパイプ2の内面には固体潤滑膜が形成されている。
【0027】
摺動を円滑にするため可動鉄芯3の直径D1,D2はガイドパイプ2の直径D5より若干小さく形成されている。このため、可動鉄芯3の中心軸はガイドパイプ2の中心軸に対して傾く可能性があり、電磁弁の中心軸が水平に設置されている場合は重力の影響によって、電磁弁の中心軸が垂直に配されている場合においてもスプリング7の偏心荷重によって、通常可動鉄芯3の中心軸はガイドパイプ2の中心軸に対して傾いていることが多い。
【0028】
可動鉄芯3の弁体4を配されていない端3bと対向して固定鉄芯11が配され、固定鉄芯11の他端に永久磁石12の一極が配され、他極に当接し電磁コイル1を取り囲んで継鉄13,14が配されている。ガイドパイプ2と固定鉄芯11の間、ガイドパイプ2と継鉄14の間にはそれぞれガスケット部材15,16が配され、電磁コイル1とガス流路5との間に気密性を与えている。
【0029】
以上のように構成された電磁弁に関して、以下その動作を説明する。
【0030】
図1(a)の開弁状態においては可動鉄芯3は固定鉄芯11に当接し、永久磁石12,固定鉄芯11,可動鉄芯3,継鉄14,13で強い永久磁石による磁気回路を構成し、その電磁力によってスプリング7の付勢力に抗して可動鉄芯3は固定鉄芯11に吸着された状態を保持し、弁体4は弁座6から離れた開弁状態を保持する。このとき、ガイドパイプ2の可動鉄芯3との接触点は図1(a)における点2b,2cである。
【0031】
遮断動作時には、電磁コイル1に永久磁石12の起磁力と逆方向の起磁力を発生するよう電流が印加され、固定鉄芯11と可動鉄芯3の間の電磁力が減少し、スプリング7の付勢力によって可動鉄芯3が弁座6側に移動し弁体4が弁座6に当接し、図1(b)に示したようにガス通路5が遮断される。このとき、可動鉄芯3はガイドパイプ2の点2bから点2dまで、および点2cから点2eまでと接触しながら移動する。
【0032】
閉弁状態においては、固定鉄芯11と可動鉄芯3の間はストロークL分離れているため、前記永久磁石12による磁気回路は弱く、固定鉄芯11と可動鉄芯3の間の電磁力も弱いため、スプリング7の付勢力によって弁体4は弁座6に当接した閉弁状態を保持する。このとき、ガイドパイプ2の可動鉄芯3との接触点は点2dと2eである。
【0033】
復帰動作時には、電磁コイル1に永久磁石12の起磁力と同方向の起磁力を発生するよう電流が印加され、固定鉄芯11と可動鉄芯3の間の電磁力が増大し、スプリング7の付勢力に抗して可動鉄芯3が固定鉄芯11に吸引され、弁体4が弁座6から離脱し、図1(a)の状態に戻りガス通路5が復帰される。このとき、可動鉄芯3はガイドパイプ2の点2dから点2bまで、および点2eから点2cまでと接触しながら移動する。
【0034】
このように、遮断,復帰の起動時にガイドパイプ2の摺動部分は、可動鉄芯3先端2d側が点2bから点2dまで、弁体4側は点2cから点2eまでであり、それぞれ、可動鉄芯3の直径D1の部分の両端3b,3cと接触し、ガイドパイプ2の弁体4側端2aは可動鉄芯3と接触しない。したがって、ガイドパイプ2の摺動接触部は弁体4側と弁体4のない側とも同じ摺動長すなわち摺動ストロークL相当の広い範囲に分散されるため、ガイドパイプ2の固体潤滑膜の磨耗が均一化され、電磁弁全体の作動耐久性を向上することができる。
【0035】
また、ガイドパイプ2は金属板を絞り加工によって底のある筒状に成形した後、前記底部を打ち抜いてパイプ状にする工法が広く採用されており、前記打ち抜き部は組立性のため通常弁体側に配される。このようなガイドパイプにおいては打ち抜き部すなわち弁体側の端に小さなバリが残存していることが多く、このバリが可動鉄芯3と接触することにより欠落し摺動部に入り摺動を阻害することがある。
【0036】
図1(a),(b)の電磁弁においては、可動鉄芯3がガイドパイプ2に対して最大に傾いたときにおいてもガイドパイプ2の弁体4側の端2aに接触しないよう形成されているため、前記バリを欠落させる可能性が低く潤滑な摺動を期待できる。
【0037】
一般に、遮断・復帰動作時(特に復帰動作時)には可動鉄芯と固体鉄芯間のガスが膨張・圧縮され、可動鉄芯の動作を妨げる荷重となる。この膨張・圧縮されたガスは、可動鉄芯とガイドパイプとの間隙からガス通路と流通する。このガスの流通の際の摩擦抵抗による圧力損失、すなわち可動鉄芯と固定鉄芯間のガスの圧力上昇・降下量は、流路、すなわち可動鉄芯とガイドパイプとの間隙の長さと単位あたりの表面積の積、すなわち表面積に比例し、断面積に反比例することが知られている。
【0038】
すなわち、前記可動鉄芯とガイドパイプとの間隙を広くしてやれば、可動鉄芯と固定鉄芯間のガスの膨張・圧縮による動作抵抗を軽減できるのであるが、逆に、前記間隙が広い場合は可動鉄芯とガイドパイプとのがたつきが大きく、機械的な摺動抵抗がばらつき、遮断・復帰動作が不安定となる。
【0039】
図1(a),(b)に示した電磁弁においては、可動鉄芯3とガイドパイプ2との摺動ガイドとなる可動鉄芯3の太径部3f,3gは、ガイドパイプ2の内径D5より摺動可能な程度に若干細い外径D1,D2に形成されている、すなわち太径部3f,3gにおいては可動鉄芯3とガイドパイプ2との間隙は前述の通常の電磁弁とほぼ同様の断面積に形成されているため、遮断・復帰動作時における可動鉄芯3とガイドパイプ2間のガスの流通の単位長さあたりの圧力損失はこの太径部3f,3gにおいては通常の電磁弁とほぼ同様である。
【0040】
しかしながら、可動鉄芯3の細径部3d,3eとガイドパイプ2間の間隙は充分広く、すなわち流路に広い断面積が確保されているため、この細径部3d,3eにおける単位長さあたりの圧力損失は通常の電磁弁と比較して充分小さい。
【0041】
圧力損失の大きい太径部3f,3gの軸方向長さL1,L2は短く形成されているため、遮断・復帰動作時における可動鉄芯3とガイドパイプ2間のガスの流通の圧力損失の総和、すなわち可動鉄芯3の動作を阻害する可動鉄芯3と固定鉄芯11間のガスの圧力上昇・降下量は、低く抑えられ、可動鉄芯3はスムースな動作が可能である。
【0042】
なお、ガイドパイプ2の内面に形成された固体潤滑膜として次のような手段がある。ニッケル,クロムなどの金属メッキ。潤滑性・耐磨耗性を有する樹脂または金属化合物の微粒子を金属メッキ液中に分散させメッキ処理を施し、表面の少なくとも内径側に、前記樹脂または金属化合物を金属マトリクス中に共析させた複合メッキ。潤滑性・耐磨耗性を有する樹脂または金属化合物の微粒子を合成樹脂などをバインダーとして金属表面にコーティングしたものなどである。
【0043】
ガイドパイプ2の生地の材質としては、非磁性ステンレス鋼,黄銅などの非磁性銅合金などが可能である。
【0044】
可動鉄芯3の材質としては、磁性ステンレス鋼,鋼、およびそれらの表面に固体潤滑皮膜を形成した物などが可能である。固体潤滑皮膜はガイドパイプ2の例と同様である。ただし、本発明はガイドパイプ2側に固体潤滑皮膜を形成するに適した可動鉄芯の形状となっているため、経済性を考えると作動耐久性が許容できるなら、可動鉄芯2に酸化防止処理をかねた固体潤滑皮膜を形成しなくてよい磁性ステンレスなどが最適である。
【0045】
また、この実施例においては永久磁石12を有する自己保持型電磁弁の例で説明したが、ガス器具の多くに使用されている永久磁石のない電磁弁でも実施可能である。
【0046】
また、図1の電磁弁においては固定鉄芯11を有する例で説明したが、ガス比例弁などのように固定鉄芯のない電磁弁でも実施可能である。
【0047】
(実施例2)
請求項3に記載した電磁弁の可動鉄芯23を図2に示した。図2(a)は可動鉄芯23全体の側面図、図2(b)は弁体のない側の端23bの拡大図である。その他の構成は図1の電磁弁と同様であるので、図1と同じ符号を用いて省略す
る。
【0048】
図2において、23aは弁体4側の端、23bは弁体4の無い側、すなわち固定鉄芯11側の端、23d,23eは細径部、23f,23gは太径部である。太径部23fより更に端23b側に、可動鉄芯23がガイドパイプ2に対して最大に傾斜したときにおいてもガイドパイプ2内面と接触しない直径D6と短い軸方向長さL3を有する細径部23hを形成し、太径部23fから細径部23hに至る表面をなだらかな曲線R1と前記可動鉄芯23とガイドパイプ2の最大傾斜の角度より大きな傾斜角A1の円錐面23iで構成されている。
【0049】
可動鉄芯は一般に旋盤加工、もしくは旋盤加工と外径研削加工で成形されるが、旋盤加工において外周部と端との切り込み角度が変わるために行われる切削工具の切替によって発生する微小な加工段差や加工が発生し、また、研削加工においては端部コーナー曲線を加工できないためにあらかじめ切削加工にて前記コーナー曲線を成形し次に研削加工によって外周部を仕上げる際に発生する微小な加工段差や加工バリが発生することが避けられない。
【0050】
図2の可動鉄芯23においては、前記加工バリや加工段差を円錐面23iと細径部23hとの交点23jに設定している。
【0051】
切削加工の加工工程の工具送り曲線を模式的に図2(b)内に示した。まず、外周切削用の工具が曲線23kのごとく外周を切削し円錐面23iと細径部23hとの交点23jで可動鉄芯23から離れる。次に、端面切削用の工具が曲線23lのごとく交点23jから加工を始め、曲線R2を経て端部23bを切削する。このため、加工段差や加工バリは円錐面23i内の交点23jで発生し、ガイドパイプ2に接触しないように加工可能である。
【0052】
このように形成された可動鉄芯23を用いた電磁弁においては、ガイドパイプ2と可動鉄芯23の弁体のない側の摺動接触部23fがなだらかな曲線R1で形成されているために摺動抵抗が低く、また、旋盤加工において発生する外周部23fと切り落とし端部23bとの切削工具の切替による微小な段差が円錐面23i内に設定され、前記段差や加工バリがガイドパイプ2に接触しないため、局部磨耗や動作不安定が発生しにくい。
【0053】
なお、同様の形状を太径部23gに設定してもよく、この場合、端23a側に太径部23gから細径部23dに至るなだらかな曲線R3と可動鉄芯23とガイドパイプ2の最大傾斜の角度より大きな傾斜角の円錐面23mを形成することによって、同様に低い摺動抵抗を実現することが可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明の電磁弁によれば、次の効果が得られる。
【0055】
ガイドパイプは非磁性金属材料製で、一端側にガスケット部材を介して気密に配した固定鉄芯を設け、当該固定鉄芯と前記可動鉄芯の間の電磁力の関係において前記弁体を移動し開弁状態及び閉弁状態を保持するとともに、閉弁状態において固定鉄芯と可動鉄芯との間に所定の空間を形成し、開弁状態において固定鉄芯と可動鉄芯を当接状態とし、可動鉄芯は軸方向に貫通した穴もしくは溝を有せず、弁体のない側の端と、摺動ストローク内で弁体が最も突出した位置においてガイドパイプの弁体側端より若干内側の位置とに、細径部より太く前記ガイドパイプ内径より若干細い外形を有し軸方向長さの短い帯状の太径部を細径部と同一の金属素材から一体的に形成するとともに、当該可動鉄芯と前記ガイドパイプとの間に形成される間隙に圧力損失の大きい箇所と小さい箇所を設け、弁体が閉弁状態から開弁状態に移動するとき、固定鉄芯と可動鉄芯の間に形成される空間に滞留したガスが圧力損失の大きい軸方向長さの短い太径部と圧力損失の小さい軸方向長さの長い細径部を経由してガス通路に流通するようにしたことによって、遮断(閉弁)や復帰(開弁)の動作を行う際に膨張・圧縮される可動鉄芯〜固定鉄芯間のガスを、2本の軸方向長さの短い太径部の流路抵抗のみで流通可能なため、可動鉄芯に局部磨耗や、動作不安定、耐食性低下の原因となる外周溝を加工することなく、ガスによって可動鉄芯の運動が妨げられにくく、この結果、復帰(開弁)動作に要する電力の低い電磁弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の実施例1における電磁弁の開弁状態の断面図
(b)同電磁弁の閉弁状態の断面図
【図2】 (a)本発明の実施例2における電磁弁の可動鉄芯の側面図
(b)同可動鉄芯の弁体のない側の端部の拡大図およびその切削加工の加工工程の工具送り曲線の模式図
【図3】 (a)従来の電磁弁の開弁状態の断面図
(b)同電磁弁の閉弁状態の断面図
【図4】 同電磁弁可動鉄芯の斜視図
【符号の説明】
1 電磁コイル
2 ガイドパイプ
3,23 可動鉄芯
4 弁体
5 ガス流路
6 弁座
7 スプリング
L 摺動ストローク
8 コイルボビン
3d,23d,3e,23e,23h 可動鉄芯の細径部
3f,23f,3g,23g 可動鉄芯の太径部
23i 円錐面
Claims (1)
- 電磁コイルと、この電磁コイルの内側に配されたガイドパイプと、このガイドパイプの内側に摺動可能に配された可動鉄芯と、この可動鉄芯のガイドパイプから突出した端に配された弁体と、この弁体をガス流路中に設けられた弁座に付勢するスプリングとで構成された電磁弁において、
前記ガイドパイプは非磁性金属材料製で、一端側にガスケット部材を介して気密に配した固定鉄芯を設け、当該固定鉄芯と前記可動鉄芯の間の電磁力の関係において前記弁体を移動し開弁状態及び閉弁状態を保持するとともに、閉弁状態において固定鉄芯と可動鉄芯との間に所定の空間を形成し、開弁状態において固定鉄芯と可動鉄芯を当接状態とし、
前記可動鉄芯は軸方向に貫通した穴もしくは溝を有せず、弁体のない側の端と、摺動ストローク内で弁体が最も突出した位置においてガイドパイプの弁体側端より若干内側の位置とに、細径部より太く前記ガイドパイプ内径より若干細い外形を有し軸方向長さの短い帯状の太径部を細径部と同一の金属素材から一体的に形成するとともに、当該可動鉄芯と前記ガイドパイプとの間に形成される間隙に圧力損失の大きい箇所と小さい箇所を設け、
弁体が閉弁状態から開弁状態に移動するとき、固定鉄芯と可動鉄芯の間に形成される空間に滞留したガスが圧力損失の大きい軸方向長さの短い太径部と圧力損失の小さい軸方向長さの長い細径部を経由してガス通路に流通するようにした電磁弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34893397A JP4103160B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 電磁弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34893397A JP4103160B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 電磁弁 |
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JP5077331B2 (ja) * | 2009-11-16 | 2012-11-21 | 株式会社デンソー | リニアソレノイド |
-
1997
- 1997-12-18 JP JP34893397A patent/JP4103160B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH11182725A (ja) | 1999-07-06 |
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