JP4101487B2 - Glass manufacturing method and glass melting apparatus used therefor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスの製造方法およびそれに用いるガラス溶融装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、特に反応性に富む原料を用い、高品質のガラスを得るためのガラスの製造方法およびそれに用いるガラス溶融装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
屈折率[nd]が低く、アッベ数[νd]が大きくて、正の異常分散性を示す光学ガラスは、二次スペクトルの修正に利用される光学設計上重要なガラスの一つである。このような光学ガラスとしては、特開昭60−81042号公報、特開昭62−100452号公報に記載されているフツリン酸ガラスが挙げられる。
フツリン酸ガラスは、メタリン酸化合物M(PO3)xとフッ素化合物MFx(ここで、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、または他の金属元素、xはMの価数を示す。)を原料とし、これらの原料を溶融することにより、製造することができる。
【0003】
このフツリン酸ガラスは有用なガラスであるが、ガラス原料を溶融する際、極めて強い侵蝕性を示す。そのため耐侵蝕性に優れた白金製の容器を用いて溶融しても、白金を侵蝕し、侵蝕された白金が微小粒子となって溶融ガラス中に混入して光の散乱源となり、ガラスの品質を低下させてしまうという問題があった。
【0004】
そこで、このような溶融容器の脆化損傷によるガラスの汚染を低減し、脱泡均質化を目的としたフッ素高含有ガラスの製造方法が提案されている(特公平8−25749号公報)。しかしながら、この製造方法では、脱泡促進効果は得られても、前記容器侵蝕により生じるガラスの汚染を完全には防止することができない。さらに、この方法は、原料組成が制限されるのを避けられないという問題もある。
【0005】
また、リン酸ガラスの原料であるメタリン酸塩M(PO3)xを加熱処理した後に溶融することにより、白金汚染を軽減する方法が報告されている[「プラチナ・メタルズ・レビュー」第36巻、第1号、第14〜25ページ(1992年)]。この方法は、ガラス原料を920〜1050℃で加熱処理してから溶融する方法である。しかしながら、この方法においては、ガラス化温度が1100〜1200℃と高いメタリン酸原料のみの場合は問題ないかも知れないが、700〜1000℃でガラス化してしまうフッ素化合物原料を混合した原料では使用できない。したがって、フツリン酸ガラスのようにガラス化温度が1000℃以下のガラス組成原料には適用できない。あえて適用しようとするとM(PO3)x原料を加熱処理する工程と、加熱処理したM(PO3)x原料と、もう一つの原料であるフッ素化合物MFx原料とを混合する工程が必要になり、製造工程が煩雑になって、製造コストが高くつくのを免れないという問題が生じる。
【0006】
さらに、フツリン酸ガラスの溶融では、溶融時のガラス蒸気や雰囲気中の水分との反応生成物が溶融容器内に凝固したり、ガラス原料と反応して原料投入口を塞いだり、あるいは凝固物が溶融ガラス中に落下し、激しく発泡したり、未溶解物としてガラス中に残留するなど、好ましくない事態を招来する。その結果、ガラスの品質や生産性の低下という問題が引き起こされている。
以上のような理由により、高品質なフツリン酸ガラスの量産レベルでの製造が困難になっているというのが現状である。
【0007】
一方、ホウケイ酸ガラスの溶融でも、ガラス原料が溶融時に多量の水分を放出して原料投入口を詰らせたり、ホウ酸が揮発して溶融容器に凝固してフツリン酸ガラスの溶融と同じような問題が起っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、フツリン酸ガラスやホウケイ酸ガラスの製造のように、溶融過程で高い反応性を示したり、揮発しやすい成分を含むガラス原料を用い、高品質のガラスを製造するためのガラスの製造方法、およびそれに用いるガラス溶融装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、溶融ガラスに酸化性ガスをバブリングさせると共に、そのバブリング位置に、溶融される過程で還元性を示すガラス原料を投入する方法により、そしてこれらの方法を実施し得る特定構造のガラス溶融装置により、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)フツリン酸ガラスからなる光学ガラスを製造する方法であって、加熱された容器内の溶融ガラスに、前記ガラスの原料を投入して溶融する工程を備え、該工程において、溶融ガラスに酸化性ガスをバブリングさせると共に、そのバブリング位置に、溶融される過程で還元性を示すガラス原料を投入し、溶融ガラスの液面に落下させることを特徴とするガラスの製造方法(以下、製造方法Iと称す。)、
【0012】
(2)フツリン酸ガラスからなる光学ガラスを製造するために、前記ガラスの原料を投入し、加熱、溶融して溶融ガラスを得るガラス溶融装置であって、ガラス原料を溶融する容器と、容器中の溶融ガラスに酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給口と、前記酸化性ガス供給口の上方に配置されたガラス原料を投入する原料投入口を、主要構成要素として備え、前記原料投入口が前記容器の中央上方に設けられ、前記酸化性ガス供給口が前記容器の中央部に設けられていることを特徴とするガラス溶融装置(以下、ガラス溶融装置Iと称す。)、
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のガラスの製造方法は、加熱された容器内の溶融ガラスに、該ガラスの原料を投入して溶融する工程を備えたガラスの製造方法であって、2つの態様、すなわち、(1)溶融ガラスに酸化性ガスをバブリングさせると共に、そのバブリング位置に、溶融される過程で還元性を示す原料を投入する方法(製造方法I)、および(2)上記容器内を乾燥雰囲気ガスで満たすと共に、該雰囲気ガスをガラス原料の投入経路に沿って溶融ガラス液面へ流しながら、ガラス原料を投入する方法(製造方法II)がある。
【0015】
上記製造方法Iにおいて、溶融される過程で還元性を示すガラス原料とは、上記容器(特に白金製あるいは白金合金製の容器)を溶融の過程で侵蝕する物質を生成する原料のことであり、リン酸ガラスの原料などがこのような原料に相当する。また酸化性ガスとは、上記ガラス原料より生成される還元性物質を酸化しうるガスのことであり、酸素ガスなどがこれに相当する。
上記製造方法Iは、ガラス原料としてメタリン酸化合物を用い、リン酸ガラスを溶融する場合、特にガラス原料としてメタリン酸化合物とフッ素化合物を用い、フツリン酸ガラスを溶融する場合に、好ましく適用される。
【0016】
一方、製造方法IIは、ガラス原料としてフッ素化合物を用い、フッ化物ガラスを溶融する場合、特にフッ素化合物とメタリン酸化合物を用い、フツリン酸ガラスを溶融する場合、あるいはホウ酸化合物を用い、ホウ酸含有ガラスを溶融する場合に、好ましく適用される。
【0017】
フツリン酸ガラスは、光学ガラスとしてはフッ素元素によりνd値を大きくし、大きな正の異常分散性を示すガラスであり、フッ素化合物MFxおよびメタリン酸化合物M′(PO3)x′を原料とし、これらを溶融して作られる。ここで、M、M′はそれぞれ金属元素を示しており、例えば、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、あるいはその他の金属元素からなる1種または複数種の金属元素であり、x、x′は、それぞれM、M′の価数を示す。
【0018】
フツリン酸ガラスの原料としては、フッ化アルミニウムAlF3、フッ化マグネシウムMgF2、フッ化カルシウムCaF2、フッ化ストロンチウムSrF2、フッ化イットリウムYF3(以上、フッ素化合物)、メタリン酸アルミニウムAl(PO3)3、メタリン酸バリウムBa(PO3)2(以上、メタリン酸化合物)を調合したものを例示することができる。この他にKPO3、NaPO3、H3PO4、P2O5、Nd2(PO3)3などを用いてもよい。リン酸化合物は、リン酸ガラスの原料となる。
【0019】
このガラス原料は、800〜1000℃程度に加熱された容器中の溶融ガラス中に投入されるが、ガラス原料のうち、メタリン酸化合物M(PO3)xは溶融時に分解し、強い還元作用を示す遊離リンを発生する。この遊離リンが白金製の容器を侵蝕し、侵蝕された白金微粒子が溶融ガラスに混入し、光の散乱源となり、ガラスの品質を低下させる原因となる。
【0020】
このような問題を解決するために、本発明においては、前記の製造方法Iおよび製造方法IIを適用することができる。まず、製造方法Iについて説明する。
本発明の製造方法Iにおいては、溶融ガラスに酸化性ガスを供給し、バブリングする。そして、酸化性ガスがバブリングされている位置に、メタリン酸化合物を投入する。投入されたメタリン酸化合物は分解して強い還元作用を示す遊離リンを発生させるが、遊離リンは容器内面に接触する前に酸化性ガスの泡により速やかに酸化され、容器侵蝕が防止される。
【0021】
このようにメタリン酸化合物の分解生成物である遊離リンを酸化することにより、ガラスの溶融は促進され、リン酸ガラスを効率よく得ることもできる。
酸化性ガスは、単に遊離リンを酸化させるだけでなく、メタリン酸化合物が投入される位置に上向きの対流を生じさせる。通常、投入された原料は沈降して容器底部に達するが、バブリングによる対流により、原料の沈降スピードが遅くなる。したがって、容器底部に達する前に原料は分解し、発生した遊離リンも酸化されるので、容器底部の侵蝕を効果的に防止することができる。
【0022】
この製造方法Iにおいては、溶融ガラス液面の中央部に酸化性ガスをバブリングし、そのバブリング位置にメタリン酸化合物を投入することが好ましい。このようにすることにより、原料の分解により生じた遊離リンが容器壁面に達しにくくすることができるとともに、容器中の溶融ガラスが攪拌される。
【0023】
バブリングに使用する酸化性ガスとしては、酸素ガスまたは酸素ガスと不活性ガスの混合ガスのような酸素ガスを含む乾燥ガスが好ましい。また、酸化性ガスは後述する理由より、乾燥状態のものを用いることが望ましく、バブリングガス中の水分の含有量が4.25容量ppm以下、又は露点が−70℃以下となるガスを使用することが好ましい。酸素ガスの量は50〜500cc/分とすることが好ましい。
【0024】
ガラス原料であるフッ素化合物におけるフッ素と金属の結合解離エネルギーは、F−Mgでは511.7kJ/mol、F−Alでは587.7kJ/mol、F−Caでは556.17kJ/molと概ね500kJ/mol以上となっている。一方、O−Mgの結合解離エネルギーは336.87kJ/mol、O−Alでは、478.7kJ/molというようにFとの結合解離エネルギーよりも小さいので、バブリングした酸素ガスが、フッ素と金属の結合を断ち切り、フッ素をガラス中から追い出してしまうことはない。したがって、酸素ガスは遊離リンを酸化するが、フッ素を酸化してガラス中のフッ素含有量を減少させにくいので、フツリン酸ガラスを製造する際のバブリングガスとしては好適である。特に、フツリン酸ガラスを光学ガラスとして用いる場合、低屈折率低分散特性が求められるが、フッ素が酸素と置換してしまうとνd値(アッベ数)が減少することになる。しかし、酸化性ガスとして乾燥酸素ガスを選ぶことにより、このνd値の減少を防ぐことができる。
【0025】
酸化性ガスの流量は、原料の投入量や、溶融ガラスの生産量にも依るが、1〜4リットル/分とすることが好ましく、溶融容器内に供給する前の容器外部での温度を20〜60℃、溶融ガラスに供給する際の温度を700〜800℃にすることが好ましい。
【0026】
原料投入位置における溶融ガラスの深さ(この位置における容器底部と溶融ガラス液面の高低差)を深くし、溶融ガラス液面を基準にした原料を投入する高さを低くすることにより、投入原料が容器底部に到達する時間を長くすることができ、それによって侵蝕性のある原料を多量に投入しても、容器壁面の侵蝕を防止することができる。原料投入口が溶融ガラス液面に近づきすぎずに上記効果を得るためには、ガラス原料を投入する位置における溶融ガラスの深さを、溶融ガラスの液面を基準にした原料投入高さの1.5〜3倍にすることが好ましく、1.6〜2.5倍にすることがより好ましい。この溶融ガラス液面の高さは、溶融ガラスへのガラス原料の供給量または容器からの溶融ガラスの排出量、あるいは上記供給量および排出量の両方を制御することにより行うことができる。
【0027】
なお、ガラス原料の供給は、連続して投入することが好ましい。一定量のガラスを生産する場合、ガラス原料を間欠的に投入する方法では、一回に原料投入量が多くなり、一度に多量の遊離リンが発生することになる。連続投入では、投入量を時間に対して平均化することができ、発生した遊離リンを着実に酸化することができ、容器の侵蝕防止、ガラスの溶融促進の観点から有利である。
したがって、溶融ガラスの液面を上記所定の範囲内に保つため、ガラス原料を連続して投入するとともに、溶融ガラスの排出も連続して行うことが好ましい。
【0028】
溶融ガラスは、容器の排出口より清澄槽へと送られ、清澄、攪拌され、均一で光散乱源となる微粒子や泡を含まない高品質なガラスとなる。このガラスは高品質なので光学ガラスとして好適に用いられ、レンズ、プリズム、光ファイバーなどの光学素子やレーザーガラスなどとして使用することができる。
以上の方法はフツリン酸ガラスの溶融を例にしたものであるが、リン酸ガラスの溶融にも適用することができる。
【0029】
次に製造方法IIについて説明する。
フツリン酸ガラスの原料であるフッ素化合物には、AlF3(1260〜1272℃で昇華)のように昇華しやすいものが多い。AlF3は、300〜400℃の水蒸気に触れると一部分解してフッ化水素と酸化アルミニウムを生じる。AlF3の蒸気圧は2.19kPa(1098℃)、0.102MPa(1294℃)である。また、P2O5は気化しやすい性質がある。このため溶融ガラスが触れる雰囲気中にOH基または水蒸気が有ると、AlF3蒸気及びP2O5蒸気とOH基またはH2O蒸気とが反応し、難溶性のAlPO4が生成し、溶融容器内の溶融ガラス液面上方に凝縮する。凝固したAlPO4は、不定期的にガラス内に落下混入することになるが、AlPO4が溶融ガラス中に落ちると激しく発泡しながら反応し、ガラス中に泡を残存させる。また、AlPO4の融点は1500℃以上と極めて高く、溶融ガラス中に落下しても溶融しにくい。したがって、落下したAlPO4は微小物として残り、微粒子散乱の原因になり、ガラスの品質を著しく低下させる。この微小物を溶融するために、ガラスの溶融温度を1100〜1150℃程度よりも高くすると、昇華しやすい原料がガラス中より抜けるおそれがあるので、目的とする組成のガラスを得ることができにくくなる。
【0030】
また、フツリン酸ガラスのように大きなνd値を得るため、酸素の代わりにフッ素を大量に含んだガラスは、水と反応しやすく、溶融工程において溶融ガラスに水分が直接触れたり、溶融雰囲気への水蒸気混入は避けなければならない。溶融状態のフツリン酸ガラスがOH基や水蒸気に触れると、フッ素イオンが酸素イオンと置換し、フッ素はHFガスとしてガラスより抜け出てしまう。そのため、ガラスとしての安定性が損なわれたり、光学ガラスとして使用する場合においては、νd値が減少してしまう。発生したHFガスは有害であり、環境にも悪影響を及ぼす。
【0031】
このような問題を解消して、高品質なフツリン酸ガラスを得るには、溶融ガラスや溶融雰囲気中の水分やOH基を低減する必要がある。したがって、製造方法IIにおいては、加熱されている容器内に蓄積されている溶融状態のフツリン酸ガラスに、フツリン酸ガラスの原料を投入、溶融する工程で、この容器内を乾燥雰囲気ガスで満たすとともに、雰囲気ガスをガラス原料の投入経路に沿って溶融ガラス液面へと流しながら、ガラス原料の投入を行う。
【0032】
この方法により、容器内は乾燥状態の雰囲気ガスで満たされ、雰囲気中の水分を低減することができる。また、雰囲気ガスをガラス原料の投入経路に沿って溶融ガラス液面へと投入するので、ガラス原料が僅かに水分を吸着していても、雰囲気ガスと混じり合うことで、投入される原料が吸着している水分量を減少させることができる。雰囲気ガスは、溶融ガラス液面に達した後、容器の外へと排気され、容器中の雰囲気は乾燥状態に保たれ、溶融ガラスとOH基または水分との反応を抑えることができる。
【0033】
また、雰囲気ガスをガラス原料の投入経路に沿って流しているので、溶融ガラスから発生するガスがガラス原料の供給口に達し、ガラス原料を凝固させてガラス原料供給口を塞いだり、ガラス原料が上昇気流によって舞い上がり、原料供給口を塞ぐのを防ぐことができる。
乾燥雰囲気ガスとしては、乾燥した不活性ガス、乾燥した酸素ガス、または不活性ガスと酸素ガスの乾燥した混合ガスが好ましい。
【0034】
さらに、上述したAlPO4、AlF3、その他のフッ素化合物のガラス成分等からなる気化したガラス蒸気が凝固して、雰囲気ガスを容器から排気する排気口を閉塞するのを防ぐため、排気口の温度を好ましくは600℃以上、より好ましくは700℃以上になるように加熱することが好ましい。
【0035】
ガラス原料を連続して投入する場合、乾燥雰囲気ガスにより容器内を容器外に対して陽圧に保つことにより、原料供給とともに水蒸気が容器内に侵入するのを防ぐことができる。容器内外の圧力差は、10〜30Pa以上とすることが好ましい。
【0036】
溶融ガラスは、容器の排出口より清澄槽へと送られ、清澄、攪拌され、均一で光散乱源となる微粒子や泡を含まない高品質なガラスとなる。このガラスは高品質なので光学ガラスとして好適に用いられ、レンズ、プリズム、光ファイバーなどの光学素子やレーザーガラスなどとして使用することができる。
以上の方法はフツリン酸ガラスの溶融を例にしたものであるが、リン酸ガラスの溶融にも適用することができる。
【0037】
また、上記方法をホウ酸含有のガラス、例えばホウケイ酸ガラスの溶融にも適用することができる。ホウ酸含有ガラスは、溶融時に多量の水分を発生させるとともに、ホウ酸が揮発性を有しているため、溶融容器のガラス液面上方にガラス蒸気が凝固しやすいという問題がある。ホウ酸含有ガラスの製造でも、同様の方法で雰囲気ガスを流し、溶融容器内で所定の流路を形成するとともに、ガラス原料供給方法を上述のようにすることにより、ガラス蒸気凝固による問題を解決し、ガラス原料を円滑に供給できるとともに、高品質なガラスを生産性よく製造することができる。
【0038】
さらに、この製造方法IIにおいては、前述の製造方法Iのように、溶融ガラスに酸化性ガスをバブリングさせるとともに、容器内を乾燥雰囲気ガスで満たし、この雰囲気ガスをガラス原料の投入経路に沿って溶融ガラス液面へと流しながら、溶融ガラスの酸化性ガスがバブリングされている位置に、溶融される過程で還元性を示すガラス原料を投入して、ガラスを溶融することもできる。
【0039】
バブリングガスが湧き出す位置(ガラス原料の投入位置でもある。)では、雰囲気中に上昇気流が生じるが、原料投入経路に沿って雰囲気ガスを流すことにより、ガラス原料が舞い上げられるのを抑えることができる。溶融ガラス液面より湧き出たバブリングガスを、雰囲気ガスが排気口へと送り出す働きをし、酸化性ガスが容器中に淀むおそれがない。この方法は、リン酸ガラス、フッ化物ガラス、フツリン酸ガラス、およびホウケイ酸ガラスのようなホウ酸含有ガラスの製造に好適であるとともに、低粘性のシリケートガラスの製造にも利用できる。
【0040】
この方法で得られた溶融ガラスは、容器の排出口より清澄槽へと送られ、清澄、攪拌され、均一で光散乱源となる微粒子や泡を含まない高品質なガラスとなる。このガラスは高品質なので光学ガラスとして好適に用いられ、レンズ、プリズム、光ファイバーなどの光学素子やレーザーガラスなどとして使用することができる。
【0041】
本発明のガラス溶融装置は、ガラス原料を投入し、加熱、溶融して溶融ガラスを得るガラス溶融装置であって、2つの態様、すなわち(1)ガラス原料を溶融する容器と、容器中の溶融ガラスに酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給口と、この酸化性ガス供給口の上方に配置されたガラス原料を投入する原料投入口を、主要構成要素として備えているもの(ガラス溶融装置I)、および(2)ガラス原料を加熱、溶融するとともに、得られた溶融ガラスを貯める容器と、前記容器に連接して設けられた原料投入口と、容器内を満たす乾燥雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給口と、前記雰囲気ガスを排気する雰囲気ガス排気口を、主要構成要素として備え、かつ雰囲気ガス供給口からガラス原料投入経路に沿って溶融ガラス液面へと向かい、排気口に至る雰囲気ガスの流路が形成されるように、前記容器の内部が区分されているもの(ガラス溶融装置II)がある。
【0042】
まず、ガラス溶融装置Iについて説明する。
ガラス溶融装置Iにおいて、ガラス原料を溶融する容器の外部には、容器内に貯められた溶融ガラスと、容器に投入されたガラス原料を加熱するためのヒーターが取付けられている。この容器の溶融ガラスが貯められる部分の底部には、乾燥した酸素ガスなどの酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給口が、1つまたは複数個設けられている。そして、酸化性ガス供給口の上方には、容器にガラス原料を投入する原料投入口が設けられている。原料投入口の数も1つに限定されるものではない。本装置の動作時には、容器内に溶融ガラスが貯められ、前述した酸化性ガス供給口より酸化性ガスが溶融ガラス中に供給され、バブリングが行われる。
【0043】
そして、原料投入口からガラス原料が投入され、溶融ガラスの酸化性ガスでバブリングされている位置へと落下する。投入されたガラス原料は分解し、強い還元作用を示す中間生成物を発生するが、酸化性ガスによるバブリングによって速やかに酸化され、容器内壁の侵蝕が防止されるとともに、ガラスの溶融が促進される。
【0044】
ガラス原料の投入口は、投入された原料が容器壁面に触れにくい構造とするため、容器中央の上方に設けることが好ましく、原料投入口の位置に合わせ、酸化性ガス供給口も容器中央部に設けることが好ましい。
【0045】
本発明の装置Iは、フッ素化合物とメタリン酸化合物を原料としたフツリン酸ガラスの溶融、製造に好適であり、酸化性ガスは乾燥状態の酸素ガス、または酸素ガスを含む乾燥ガスを用いることが望ましい。酸化性ガスの温度および供給量、その他の条件については、上述したガラスの製造方法Iに関する説明と同様である。また容器は、少なくとも溶融ガラスが触れる部分を白金製又は白金合金製にしておくことが望ましい。
【0046】
この装置Iは、容器へのガラス原料投入量を制御する投入機構、容器からの溶融ガラスの排出量を制御する排出量制御機構を備えるものが望ましい。これらの制御機構により、容器中の溶融ガラスのガラス原料を投入する位置における深さが、溶融ガラスの液面を基準にした原料投入高さの1.5〜3倍、好ましくは1.6〜2.5倍になるように、原料供給量や溶融ガラス排出量を制御することができ、投入されたガラス原料が容器底部に達する前に、原料を溶融することができる。それによって、容器の侵蝕を防止し、容器壁面を構成する物質が溶融ガラスに混入し、ガラスを汚染することを防止できる。
【0047】
また、上記原料投入機構は、原料を連続して投入する方式のものが望ましい。原料を連続して投入することにより、原料の投入量が時間的に均一化され、一度に多量の還元性物質が分解によって生成することを回避できる。なお、連続式の原料投入機構の1例は、次の通りである。原料を乾燥状態に保てるように、乾燥雰囲気で満たした予備室と、予備室から原料投入口へ連接する原料供給通路を備え、予備室と供給通路内にスクリューが設けられ、スクリューを一定の回転数で連続して回転させることにより、予備室に蓄積された原料が供給通路を通って原料投入口へ押し出され、原料が投入口より連続して容器へと投入される。
上記装置Iは、リン酸ガラスの製造にも好適に用いることができる。
【0048】
次に、ガラス溶融装置IIについて説明する。
このガラス溶融装置IIにおいては、前述の製造方法IIで説明したように、容器内は乾燥雰囲気ガスによって満たされるので、雰囲気中の水分を低減することができる。また、雰囲気ガスをガラス原料とともに、原料に投入経路に沿って、溶融ガラス液面へと流すので、ガラス原料が僅かに水分を吸着していても、雰囲気ガスと混じり合うことで、投入される原料が吸着している水分量を減少させることができる。雰囲気ガスは、溶融ガラス液面に達した後、容器の外へと排気され、容器中の雰囲気は乾燥状態に保たれ、溶融ガラスとOH基または水分との反応を抑えることができる。
【0049】
さらに、雰囲気ガスをガラス原料の投入経路に沿って流しているので、溶融ガラスから発生するガスがガラス原料の供給口に達し、ガラス原料を凝固させてガラス原料供給口を塞いだり、ガラス原料が上昇気流によって舞い上がり、原料供給口を塞ぐのを防ぐことができる。
【0050】
この装置IIは、フッ素化合物とメタリン酸化合物を原料とし、これを溶融してフツリン酸ガラスを得る装置として好適であり、その際、乾燥雰囲気ガスとして、乾燥した不活性ガス、乾燥した酸素ガス、または不活性ガスと酸素ガスの乾燥した混合ガスを供給することが好ましい。
【0051】
さらに、上述した難溶性のAlPO4が容器から雰囲気ガスの排気口に凝固し、閉塞するのを防止するため、雰囲気ガス排気口を加熱するための排気口ヒーターを設けることが望ましい。ヒーターによって加熱された排気口には、AlPO4が凝固せず、気体の状態で雰囲気ガスとともに容器外へ排気される。雰囲気ガスを排気する部分は、600℃以上に加熱されていることが好ましい。
【0052】
この装置IIにおいては、前述の装置Iと同様に、原料投入機構は、連続式のものが好ましいが、原料の供給とともに、容器外部より水分が侵入するのを防ぐため、容器内部は外部に対して陽圧になるように乾燥雰囲気ガスの圧力を調整する機構を設けておくことが好ましい。
【0053】
また、原料投入口から原料投入経路を囲むように、溶融ガラス液面付近へと延びる隔壁によって容器内部を区分し、雰囲気ガス排気口は、この隔壁によって原料投入口と隔てられた部分に設けることが望ましい。隔壁をこのように設けることにより、容器内の雰囲気を常時置換できるとともに、雰囲気ガスが上記所定の流路に沿って確実に流れるようにすることができる。また投入された原料が、溶融ガラス内へ確実に投入され、原料が排気口より直接排出されてしまうのを防止することができる。
【0054】
容器は円筒形状のものが好ましく、その側面に容器内に貯められた溶融ガラスを加熱する加熱部が取付けられているものが好ましい。さらに、容器の底面を基準にした溶融ガラスの液面の高さが、容器の内径の好ましくは2.5〜10倍、より好ましくは3〜6倍の範囲内に保たれるように、ガラス原料の投入量、溶融ガラスの排出量の少なくとも一方を制御する制御機構を備えていることが望ましく、ガラス原料の投入量及び溶融ガラスの排出量の両方を制御する制御機構を備えていることがより望ましい。この装置の特徴は、容器中の溶融ガラスの体積に対する溶融ガラスが雰囲気ガスに触れる面積の割合を小さくできる点、および溶融ガラスの体積に対する溶融ガラスが容器と接する面積を大きくできる点が挙げられる。これらの特徴により、溶融ガラスが雰囲気に触れる面積を小さくすることができ、水分との反応及びガラス成分の揮発量を低減することができ、溶融ガラスの加熱を効率よく行うことができる。
【0055】
容器の底面を基準にした溶融ガラスの液面の高さが、容器の底面の直径の2.5倍未満だと、上記効果が十分得られにくく、10倍を超えると雰囲気ガスの安定した供給、排気を行うことが難しくなる。
【0056】
溶融ガラスは、容器の排出口より清澄槽へと送られ、清澄、攪拌され、均一で光散乱源となる微粒子や泡を含まない高品質なガラスとなる。このガラスは高品質なので光学ガラスとして好適に用いられ、レンズ、プリズム、光ファイバーなどの光学素子やレーザーガラスなどとして使用することができる。
上記装置IIは、フツリン酸ガラスの製造のみに限られず、フッ化物ガラスの製造、ホウケイ酸ガラスのようなホウ酸含有ガラスの製造にも好適に用いることができる。
【0057】
さらに、この溶融装置IIにおいては、溶融ガラス中に乾燥した酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給口を設けると共に、原料投入口を酸化性ガス供給口の上方に配置することができる。このように、前記溶融装置Iの構成を備えることにより、該溶融装置Iの特徴も有し、前述の製造方法IIで説明したように、リン酸ガラス、フッ化物ガラス、フツリン酸ガラス、およびホウケイ酸ガラスのようなホウ酸含有ガラスの製造に好適に用いられると共に、低粘性のシリケートガラスの製造にも用いることができる。
なお、本発明のガラス溶融装置I、IIは、必要に応じて溶融装置に連結して、清澄槽や攪拌槽を設けることができる。
【0058】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって、なんら限定されるものではない。
【0059】
実施例1
図1は、本実施例で用いた本発明のガラス溶融装置の垂直断面模式図である。
ガラスを溶融する容器10は、内径0.28m、高さ0.95mの白金製円筒状容器である。
容器10の上部中央には、容器中に原料を投入する原料投入口5が設けられ、原料投入口5に連通するように、原料投入機構1と雰囲気ガス供給口6が設けられている。
【0060】
原料投入機構1は、予め調合された原料が収納されている予備室13、原料を投入口5へと供給する原料供給通路14、原料供給通路14と予備室13に挿通されたスクリュー2、このスクリュー2を回転するモーター3、そして原料の供給量を制御する制御機構(図示せず)を備えている。予備室13に収納されたガラス原料は、モーター3を駆動することによりスクリュー2により供給通路14へと押し出され、原料排出口4を通って、原料投入口5から容器10の内部へと投入される。原料の供給量はモーター3の回転数によって決められているので、上記制御機構がモーター3の回転数を増減させることにより、原料供給量を増減することができる。予備室13にも乾燥雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給口6′が設けられている。前述の雰囲気ガス供給口6とともに雰囲気ガス供給口6′からは容器10へ乾燥状態の雰囲気ガスが供給される。
【0061】
容器10の中央、上部には投入口5より投入されたガラス原料の投入経路を囲むように、円筒状の隔壁9が設けられている。また、容器10の上部、周縁部には、雰囲気ガス供給口6、6′より供給され、原料投入口5、容器10の内部を通過した雰囲気ガスを排気するための排気口7が設けられている。排気口7には、ガラス溶融時に発生するガラス蒸気などが冷えて凝固し、排気口を閉塞しないよう、加熱装置8が設けられている。なお、隔壁9は、容器10に溶融ガラスを貯めた状態で、雰囲気ガスの流れを妨げない長さにしなければならない。
【0062】
容器10の外側面には、ガラスを溶融するための加熱を行うべくヒーター(図示せず)が設けられており、溶融ガラスの加熱は、容器10の側面を介して行われる。
容器10の底部周縁部には容器内で溶融されたガラスを排出するための排出口12が設けられ、ここから排出した溶融ガラスは、清澄槽へと送られ、清澄される。
容器10の底部中央には酸化性ガスを供給するためのバブリングパイプ11が設けられており、そこから乾燥状態の酸素ガスが溶融ガラスへと供給され、酸素ガスによるバブリングが行われる構造になっている。
【0063】
容器10およびこれに連接する原料投入機構1内は、雰囲気ガス供給口6、6′より供給される雰囲気ガスとバブリングパイプ11より供給される酸化性ガス以外は、外部から水蒸気を含んだ空気が侵入しないよう、陽圧に保たれている。
このようなガラス溶融装置を用いて、フツリン酸ガラスの溶融、製造を行った。容器10には、容器外側面に設けられたヒーターにより、800〜1000℃、好ましくは950〜1000℃に加熱された溶融ガラスが貯められている。バブリングパイプ11から乾燥した酸素ガスを溶融ガラス中に供給し、溶融ガラス中央部を酸素ガスでバブリングする。
【0064】
原料投入機構1の予備室13には乾燥した調合済みのガラス原料を入れ、雰囲気ガス供給口6、6′より乾燥したガス(乾燥酸素ガス、乾燥不活性ガス、又は乾燥酸素ガスと乾燥不活性ガスの混合ガス)を連続供給する。
フツリン酸ガラスの原料としては、AlF3、MgF2、CaF2、SrF2、YF3(以上、フッ素化合物)、Al(PO3)3、Mg(PO3)2、Ca(PO3)2、Sr(PO3)2、Ba(PO3)2(以上、メタリン酸化合物)を調合したものを用いた。
【0065】
雰囲気ガスは、原料投入口5を通り、隔壁9に導かれて溶融ガラス液面へと向かい、隔壁9と溶融ガラス液面の間を通り、容器10の内壁側面と隔壁9の間を通り、排気口7より排気される。このようにして容器10内を乾燥雰囲気ガスで満たした状態で、原料投入機構1のモーター3を一定の回転数で回転し、予備室13のガラス原料を一定の供給量で連続して投入口5へ押し出す。ガラス原料は投入口5から隔壁9で囲まれた部分を通り、酸素ガスがバブリングされている溶融ガラス中央に液面に落下する。この際、原料の投入経路に沿って、雰囲気ガスを流しているので、原料が容器10内の対流やバブリングガスによる上昇気流によって舞い上げられることがない。また、溶融ガラスから発生するガラス蒸気がガラス原料に吸着して原料投入口に付着し、原料投入を妨げるのを防止することができる。
【0066】
投入されたガラス原料のうち、メタリン酸化合物は溶融ガラス中で分解し、還元性が極めて強い遊離リンを生成するが、溶融ガラスにバブリングされている酸素ガスにより速やかに酸化され、溶融される。そのため、ガラスの溶融が効率よく行われるとともに、メタリン酸化合物や遊離リンが白金製の容器10の内壁に達するのを防ぐことができ、容器10の侵蝕を防止することができる。したがって、容器10の白金微粒子が溶融ガラス中に混入することもない。
【0067】
溶融ガラス液面から容器10の内壁側面と隔壁9の間へ向かう雰囲気ガスは、溶融ガラスから発生するガラス蒸気を含んでいるが、この蒸気が微少な水分と反応して難溶性のリン酸アルミニウムとなり、雰囲気ガスとともに排気口7へと向かう。排気口7は加熱されているので、リン酸アルミニウムは排気口7に凝固せず、雰囲気ガスの流れが妨げられることはなく、凝固したリン酸アルミニウムが溶融ガラスに落下、混入することもないので、発泡などの問題も回避できる。
【0068】
原料供給量制御機構による原料投入量の制御、及び溶融ガラス排出量制御機構による溶融ガラス排出量の制御によって、溶融ガラスの深さ(容器底部中央から計った溶融ガラス液面の高さ)が、溶融ガラス液面を基準にした原料投入口5の高さの、好ましくは1.6〜2.5倍になるように保たれている。したがって、原料投入口5より投入された原料は、容器10の底部に到達する前に溶融され、容器内面の白金が侵蝕されるおそれがない。
【0069】
さらに、上記溶融ガラス液面の高さの制御によって、溶融ガラスの深さは、容器10の内径の、好ましくは3〜6倍に保たれ、雰囲気ガスの流路を妨げることなしに、溶融ガラス体積あたりの雰囲気ガスに触れる面積を小さくすることができる。
【0070】
容器10中で得られた溶融ガラスは排出口12より、清澄槽(図示せず)へと送られて清澄され、残留泡や白金微粒子等の不純物を含まない高品質の光学ガラスとなる。
以上のように、雰囲気ガス、バブリングガスを連続して供給しながら、ガラス原料を連続投入して、白金微粒子等の不純物や泡を含まない高品質な光学ガラスを連続して生産性よく作製することができた。
【0071】
実施例2
実施例1で用いた装置と同じ装置を用い、実施例1と同様にしてホウケイ酸ガラスの溶融を行った。
ホウケイ酸塩原料とケイ酸塩原料、及びその他の原料を混合して原料投入機構1に供給し、乾燥雰囲気ガスを流しながら原料投入口5より、溶融ガラスに連続投入してホウケイ酸ガラスを得た。本実施例においても、泡や不純物を含まない高品質の光学ガラスを連続して生産性よく得ることができた。
【0072】
【発明の効果】
本発明のガラスの製造方法およびガラス溶融装置を用いることにより、反応性に富む原料を用い、高品質のガラス、特にリン酸ガラス、フッ化物ガラス、フツリン酸ガラス、ホウ酸含有ガラスなどを生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた本発明のガラス溶融装置の垂直断面模式図である。
【符号の説明】
1 原料投入機構
2 スクリュー
3 モーター
4 原料排出口
5 原料投入口
6 雰囲気ガス供給口
6′ 雰囲気ガス供給口
7 排気口
8 加熱装置
9 隔壁
10 容器
11 バブリングパイプ
12 溶融ガラス排出口
13 予備室
14 原料供給通路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a glass manufacturing method and a glass melting apparatus used therefor. More specifically, the present invention relates to a glass production method for obtaining high-quality glass using a raw material particularly rich in reactivity and a glass melting apparatus used therefor.
[0002]
[Prior art]
An optical glass having a low refractive index [nd], a large Abbe number [νd], and exhibiting positive anomalous dispersion is one of important glasses in optical design used for correcting a secondary spectrum. Examples of such optical glass include fluorophosphate glasses described in JP-A-60-81042 and JP-A-62-100452.
Fluorophosphate glass is composed of metaphosphate compound M (PO3) x and fluorine.ElementaryManufacture by compound MFx (where M is an alkali metal element, alkaline earth metal element, or other metal element, x is the valence of M) and these materials are melted Can do.
[0003]
This fluorophosphate glass is a useful glass, but exhibits extremely strong erosion when the glass raw material is melted. Therefore, even if it is melted using a platinum container with excellent corrosion resistance, the platinum is corroded, and the corroded platinum becomes fine particles that are mixed into the molten glass and become a light scattering source. There was a problem of lowering.
[0004]
In view of this, a method for producing a glass containing a high amount of fluorine has been proposed (Japanese Patent Publication No. 8-25749) for reducing the contamination of the glass due to the embrittlement damage of the melting vessel and homogenizing the defoaming. However, in this manufacturing method, even if the defoaming promoting effect is obtained, it is not possible to completely prevent the glass contamination caused by the container erosion. Furthermore, this method has a problem that the raw material composition is unavoidably limited.
[0005]
In addition, metaphosphate M (POThree) A method for reducing platinum contamination by melting x after heat treatment has been reported ["Platinum Metals Review" Vol. 36, No. 1, pages 14-25 (1992)]. This method is a method in which a glass raw material is heated at 920 to 1050 ° C. and then melted. However, in this method, there may be no problem in the case of only a metaphosphoric acid raw material having a high vitrification temperature of 1100 to 1200 ° C., but it cannot be used in a raw material mixed with a fluorine compound raw material that vitrifies at 700 to 1000 ° C. . Therefore, it cannot be applied to a glass composition material having a vitrification temperature of 1000 ° C. or lower, such as fluorophosphate glass. If you dare to apply M (POThree) x Raw material heat treatment and heat treated M (POThree) x raw material and another raw material fluorine compound MFx raw material are required to be mixed, resulting in a complicated manufacturing process and an inevitable increase in manufacturing cost.
[0006]
Furthermore, in the melting of fluorophosphate glass, the reaction product of glass vapor at the time of melting and moisture in the atmosphere solidifies in the melting container, reacts with the glass raw material to block the raw material inlet, It falls into the molten glass and causes an unfavorable situation such as violent foaming or remaining in the glass as an undissolved substance. As a result, problems such as a reduction in glass quality and productivity are caused.
For the above reasons, it is difficult to manufacture high-quality fluorophosphate glass at the mass production level.
[0007]
On the other hand, even when melting borosilicate glass, a large amount of moisture is released when the glass raw material is melted, and the raw material inlet is clogged, or boric acid volatilizes and solidifies in a melting container, which is the same as melting fluorophosphate glass. The problem is happening.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Under such circumstances, the present invention uses a glass raw material that contains a component that is highly reactive in the melting process or contains a component that easily volatilizes, such as the production of fluorophosphate glass or borosilicate glass. It aims at providing the manufacturing method of glass for manufacturing glass, and the glass melting apparatus used for it.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the inventors of the present invention cause the molten glass to bubble an oxidizing gas and introduce a glass raw material exhibiting reducibility into the bubbling position during the melting process. DirectionTo the lawFurther, it has been found that the object can be achieved by a glass melting apparatus having a specific structure capable of carrying out these methods, and the present invention has been completed based on this finding.
[0010]
That is, the present invention
(1)A method for producing an optical glass made of fluorophosphate glass,To the molten glass in the heated container,SaidEquipped with a process for melting glass raw materialsIn the process,Bubbling oxidizing gas into molten glass and introducing glass raw material that shows reducing properties in the melting process to the bubbling positionAnd drop it on the liquid surface of the molten glass.A method for producing glass (hereinafter referred to as production method I),
[0012]
(2)In order to produce an optical glass made of fluorophosphate glass,GlassofA glass melting apparatus for charging a raw material, heating and melting to obtain molten glass, a container for melting a glass raw material, an oxidizing gas supply port for supplying an oxidizing gas to the molten glass in the container, and the oxidation The raw material input port for supplying glass raw material placed above the reactive gas supply port is provided as a main component.The raw material charging port is provided at the upper center of the container, and the oxidizing gas supply port is provided at the central part of the container.A glass melting apparatus (hereinafter referred to as a glass melting apparatus I).,
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The glass production method of the present invention is a glass production method comprising a step of charging a molten glass in a heated container with a raw material of the glass and melting the glass, and has two modes: (1) A method of bubbling an oxidizing gas in the molten glass, and a method of introducing a raw material showing reducibility into the bubbling position during the melting process (production method I); and (2) filling the inside of the container with a dry atmosphere gas There is a method (manufacturing method II) in which the glass raw material is introduced while flowing the atmospheric gas along the glass raw material introduction path to the molten glass liquid surface.
[0015]
In the production method I, the glass raw material exhibiting reducibility in the process of being melted is a raw material that generates a substance that corrodes the container (particularly platinum or platinum alloy container) in the course of melting, The raw material of phosphate glass corresponds to such a raw material. The oxidizing gas is a gas that can oxidize a reducing substance produced from the glass raw material, and oxygen gas or the like corresponds to this.
The production method I is preferably applied when using a metaphosphate compound as a glass raw material and melting a phosphate glass, particularly when using a metaphosphate compound and a fluorine compound as a glass raw material and melting a fluorophosphate glass.
[0016]
On the other hand, the production method II uses a fluorine compound as a glass raw material, melts fluoride glass, particularly uses a fluorine compound and a metaphosphate compound, melts a fluorophosphate glass, or uses a borate compound, boric acid. It is preferably applied when melting the containing glass.
[0017]
Fluorophosphate glass is an optical glass that has a large νd value due to elemental fluorine and exhibits a large positive anomalous dispersion, and is a fluorine compound MFx and a metaphosphate compound M ′ (POThree) Made from x ′ as raw material and melted. Here, M and M ′ each represent a metal element, for example, one or more kinds of metal elements composed of alkali metal elements, alkaline earth metal elements, or other metal elements, and x, x ′ Represents the valences of M and M ′, respectively.
[0018]
As a raw material for fluorophosphate glass, aluminum fluoride AlFThree, Magnesium fluoride MgF2, Calcium fluoride CaF2, Strontium fluoride SrF2, Yttrium fluoride YFThree(Fluorine compound), aluminum metaphosphate Al (POThree)Three, Barium metaphosphate Ba (POThree)2What prepared (above, a metaphosphoric acid compound) can be illustrated. In addition, KPOThree, NaPOThree, HThreePOFour, P2OFive, Nd2(POThree)ThreeEtc. may be used. The phosphoric acid compound is a raw material for phosphate glass.
[0019]
This glass raw material is put into molten glass in a container heated to about 800 to 1000 ° C., and among the glass raw materials, metaphosphate compound M (POThree) x decomposes when melted to generate free phosphorus which exhibits a strong reducing action. This free phosphorus corrodes the platinum container, and the corroded platinum fine particles are mixed into the molten glass, become a light scattering source, and cause the quality of the glass to deteriorate.
[0020]
In order to solve such a problem, the manufacturing method I and the manufacturing method II can be applied in the present invention. First, the manufacturing method I will be described.
In the production method I of the present invention, an oxidizing gas is supplied to the molten glass and bubbled. Then, the metaphosphate compound is introduced into the position where the oxidizing gas is bubbled. The charged metaphosphate compound is decomposed to generate free phosphorus having a strong reducing action, but the free phosphorus is quickly oxidized by the bubbles of the oxidizing gas before coming into contact with the inner surface of the container, thereby preventing the corrosion of the container.
[0021]
Thus, by oxidizing the free phosphorus which is the decomposition product of the metaphosphate compound, the melting of the glass is promoted, and the phosphate glass can be obtained efficiently.
The oxidizing gas not only oxidizes free phosphorus but also causes upward convection at the position where the metaphosphate compound is introduced. Usually, the charged raw material settles and reaches the bottom of the container, but the sedimentation speed of the raw material is slowed by convection by bubbling. Therefore, the raw material is decomposed before reaching the bottom of the container, and the generated free phosphorus is oxidized, so that the corrosion of the bottom of the container can be effectively prevented.
[0022]
In this production method I, it is preferable that an oxidizing gas is bubbled at the center of the molten glass liquid surface and a metaphosphate compound is introduced into the bubbling position. By doing in this way, while making it possible for the free phosphorus produced by decomposition | disassembly of a raw material to reach a container wall surface, the molten glass in a container is stirred.
[0023]
The oxidizing gas used for bubbling is preferably a dry gas containing oxygen gas such as oxygen gas or a mixed gas of oxygen gas and inert gas. Further, it is desirable to use an oxidizing gas in a dry state for the reason described later, and a gas having a water content of 4.25 ppm by volume or less or a dew point of -70 ° C. or less is used. It is preferable. The amount of oxygen gas is preferably 50 to 500 cc / min.
[0024]
The bond dissociation energy of fluorine and metal in the fluorine compound, which is a glass raw material, is 511.7 kJ / mol for F-Mg, 587.7 kJ / mol for F-Al, 556.17 kJ / mol for F-Ca, and approximately 500 kJ / mol. That's it. On the other hand, since the bond dissociation energy of O-Mg is smaller than the bond dissociation energy with F, such as 336.87 kJ / mol and O-Al with 478.7 kJ / mol, the bubbled oxygen gas is composed of fluorine and metal. The bond is not broken and fluorine is not expelled from the glass. Accordingly, oxygen gas oxidizes free phosphorus, but it is difficult to oxidize fluorine and reduce the fluorine content in the glass, so it is suitable as a bubbling gas when producing fluorophosphate glass. In particular, when fluorophosphate glass is used as optical glass, low refractive index and low dispersion characteristics are required. However, if fluorine substitutes for oxygen, the νd value (Abbe number) decreases. However, this decrease in νd value can be prevented by selecting dry oxygen gas as the oxidizing gas.
[0025]
The flow rate of the oxidizing gas depends on the input amount of raw materials and the production amount of molten glass, but is preferably 1 to 4 liters / minute, and the temperature outside the container before being fed into the melting container is 20 It is preferable to set the temperature when supplying to molten glass to 700 to 800 ° C. to 700 to 800 ° C.
[0026]
By making the depth of the molten glass at the raw material charging position (the difference in height between the bottom of the container and the molten glass liquid level at this position) deeper and lowering the height of the raw material charged based on the molten glass liquid level, Can reach the bottom of the container for a long time, so that even if a large amount of erodible raw material is added, the wall of the container can be prevented from eroding. In order to obtain the above-mentioned effect without the raw material inlet close to the molten glass liquid level, the depth of the molten glass at the position where the glass raw material is charged is set to 1 of the raw material input height based on the liquid surface of the molten glass. It is preferably 5 to 3 times, more preferably 1.6 to 2.5 times. The height of the molten glass liquid surface can be controlled by controlling the supply amount of the glass raw material to the molten glass, the discharge amount of the molten glass from the container, or both the supply amount and the discharge amount.
[0027]
In addition, it is preferable to supply glass raw material continuously. In the case of producing a certain amount of glass, the method of intermittently adding glass raw materials increases the raw material input amount at a time and generates a large amount of free phosphorus at a time. In the continuous charging, the charging amount can be averaged with respect to time, and the generated free phosphorus can be oxidized steadily, which is advantageous from the viewpoint of preventing the corrosion of the container and promoting the melting of the glass.
Therefore, in order to keep the liquid level of the molten glass within the predetermined range, it is preferable to continuously supply the glass raw material and continuously discharge the molten glass.
[0028]
The molten glass is sent to the clarification tank through the outlet of the container, clarified and stirred, and becomes a high-quality glass that is uniform and does not contain fine particles and bubbles that become a light scattering source. Since this glass is high quality, it is suitably used as an optical glass, and can be used as an optical element such as a lens, a prism, an optical fiber, or a laser glass.
The above method exemplifies melting of fluorophosphate glass, but can also be applied to melting of phosphate glass.
[0029]
Next, Production Method II will be described.
The fluorine compound that is the raw material of fluorophosphate glass contains AlFThreeMany of them are easy to sublime, such as (sublimation at 1260 to 1272 ° C.). AlFThreeIs partially decomposed when exposed to water vapor at 300 to 400 ° C. to produce hydrogen fluoride and aluminum oxide. AlFThreeThe vapor pressure is 2.19 kPa (1098 ° C.) and 0.102 MPa (1294 ° C.). P2OFiveIs easy to vaporize. For this reason, if there is OH group or water vapor in the atmosphere in contact with the molten glass, AlFThreeSteam and P2OFiveSteam and OH group or H2OPO vapor reacts and is hardly soluble AlPOFourIs generated and condensed above the liquid surface of the molten glass in the melting vessel. Solidified AlPOFourWill fall into the glass irregularly, but AlPOFourWhen it falls into the molten glass, it reacts while foaming vigorously, leaving bubbles in the glass. AlPOFourHas a very high melting point of 1500 ° C. or higher, and is difficult to melt even when dropped in molten glass. Therefore, the dropped AlPOFourRemains as a minute object, causes fine particle scattering, and significantly reduces the quality of the glass. If the melting temperature of the glass is higher than about 1100 to 1150 ° C. in order to melt the minute objects, a material that tends to sublimate may be removed from the glass, so that it is difficult to obtain a glass having a desired composition. Become.
[0030]
In addition, in order to obtain a large νd value like fluorophosphate glass, a glass containing a large amount of fluorine instead of oxygen is likely to react with water, and in the melting process, moisture directly touches the molten glass or is exposed to a molten atmosphere. Water vapor should be avoided. When the molten fluorophosphate glass comes into contact with OH groups or water vapor, fluorine ions are replaced with oxygen ions, and fluorine escapes from the glass as HF gas. Therefore, the stability as glass is impaired, or when used as optical glass, the νd value decreases. The generated HF gas is harmful and adversely affects the environment.
[0031]
In order to solve such problems and obtain a high-quality fluorophosphate glass, it is necessary to reduce moisture and OH groups in the molten glass and the molten atmosphere. Therefore, in the production method II, in the process of charging and melting the raw material of fluorophosphate glass into the molten fluorophosphate glass accumulated in the heated container, the container is filled with dry atmosphere gas. Then, the glass material is charged while flowing the atmospheric gas along the glass material charging path to the molten glass liquid surface.
[0032]
By this method, the inside of the container is filled with a dry atmosphere gas, and moisture in the atmosphere can be reduced. In addition, since the atmospheric gas is introduced into the molten glass liquid surface along the glass raw material introduction path, even if the glass raw material adsorbs a slight amount of moisture, it is adsorbed by mixing with the atmospheric gas. It is possible to reduce the water content. After the atmospheric gas reaches the molten glass liquid level, it is exhausted to the outside of the container, the atmosphere in the container is kept in a dry state, and the reaction between the molten glass and OH groups or moisture can be suppressed.
[0033]
In addition, since the atmospheric gas flows along the glass raw material charging path, the gas generated from the molten glass reaches the glass raw material supply port, solidifies the glass raw material, and closes the glass raw material supply port. It is possible to prevent the raw material supply port from being blocked up by the rising air current.
The dry atmosphere gas is preferably a dry inert gas, a dry oxygen gas, or a dry mixed gas of an inert gas and an oxygen gas.
[0034]
Furthermore, the AlPO mentioned aboveFour, AlFThreeIn order to prevent vaporized glass vapor composed of glass components of other fluorine compounds from solidifying and blocking the exhaust port for exhausting the atmospheric gas from the container, the temperature of the exhaust port is preferably 600 ° C. or more, more preferably Is preferably heated to 700 ° C. or higher.
[0035]
When the glass raw material is continuously charged, by keeping the inside of the container at a positive pressure with respect to the outside of the container with the dry atmosphere gas, it is possible to prevent water vapor from entering the container together with the supply of the raw material. The pressure difference between the inside and outside of the container is preferably 10-30 Pa or more.
[0036]
The molten glass is sent to the clarification tank through the outlet of the container, clarified and stirred, and becomes a high-quality glass that is uniform and does not contain fine particles and bubbles that become a light scattering source. Since this glass is high quality, it is suitably used as an optical glass, and can be used as an optical element such as a lens, a prism, an optical fiber, or a laser glass.
The above method exemplifies melting of fluorophosphate glass, but can also be applied to melting of phosphate glass.
[0037]
The above method can also be applied to melting boric acid-containing glass, for example, borosilicate glass. The boric acid-containing glass generates a large amount of moisture at the time of melting, and boric acid has volatility. Therefore, there is a problem that glass vapor is easily solidified above the glass liquid surface of the melting container. Even in the production of boric acid-containing glass, the atmospheric gas is flowed in the same way, a predetermined flow path is formed in the melting vessel, and the glass raw material supply method is as described above, thereby solving the problems caused by glass vapor solidification. In addition, the glass raw material can be supplied smoothly, and high-quality glass can be produced with high productivity.
[0038]
Further, in this production method II, as in the production method I described above, the molten glass is bubbled with an oxidizing gas, and the inside of the container is filled with a dry atmosphere gas, and this atmosphere gas is filled along the glass material charging path. While flowing to the molten glass liquid surface, the glass can be melted by introducing a glass raw material exhibiting reducibility in the melting process to the position where the oxidizing gas of the molten glass is bubbled.
[0039]
At the position where the bubbling gas springs out (which is also the glass raw material charging position), an updraft is generated in the atmosphere, but the atmospheric gas flows along the raw material charging path to prevent the glass raw material from rising. Can do. The bubbling gas that has sprung out from the surface of the molten glass serves to send out the atmospheric gas to the exhaust port, and there is no risk that the oxidizing gas will be trapped in the container. This method is suitable for producing boric acid-containing glasses such as phosphate glass, fluoride glass, fluorophosphate glass, and borosilicate glass, and can also be used for producing low-viscosity silicate glass.
[0040]
The molten glass obtained by this method is sent to the clarification tank from the discharge port of the container, clarified and stirred, and becomes a high-quality glass that is uniform and does not contain fine particles and bubbles that become a light scattering source. Since this glass is high quality, it is suitably used as an optical glass, and can be used as an optical element such as a lens, a prism, an optical fiber, or a laser glass.
[0041]
The glass melting apparatus of the present invention is a glass melting apparatus in which glass raw material is charged, heated and melted to obtain molten glass, and is in two modes: (1) a container for melting glass raw material and melting in the container An apparatus comprising an oxidizing gas supply port for supplying an oxidizing gas to glass and a raw material charging port for supplying a glass raw material disposed above the oxidizing gas supply port as main components (glass melting apparatus I ), And (2) a container that heats and melts the glass raw material and stores the obtained molten glass, a raw material charging port that is connected to the container, and an atmosphere that supplies a dry atmosphere gas that fills the container A gas supply port and an atmospheric gas exhaust port for exhausting the atmospheric gas are provided as main components, and from the atmospheric gas supply port to the molten glass liquid surface along the glass raw material charging path, As the flow path of the atmospheric gas reaches the air inlet is formed, which the interior of the container is partitioned is (glass melter II).
[0042]
First, the glass melting apparatus I will be described.
In the glass melting apparatus I, a heater for heating the molten glass stored in the container and the glass raw material charged in the container is attached to the outside of the container for melting the glass raw material. One or a plurality of oxidizing gas supply ports for supplying an oxidizing gas such as a dried oxygen gas are provided at the bottom of the container where the molten glass is stored. Above the oxidizing gas supply port, a raw material input port for supplying the glass raw material to the container is provided. The number of raw material inlets is not limited to one. During operation of this apparatus, molten glass is stored in the container, and oxidizing gas is supplied into the molten glass from the above-described oxidizing gas supply port, and bubbling is performed.
[0043]
And glass raw material is supplied from a raw material inlet, and it falls to the position bubbling with the oxidizing gas of molten glass. The introduced glass material is decomposed to generate an intermediate product that exhibits a strong reducing action, but is quickly oxidized by bubbling with an oxidizing gas, preventing corrosion of the inner wall of the container and promoting melting of the glass. .
[0044]
The glass raw material inlet is preferably provided above the center of the container so that the charged raw material is difficult to touch the container wall surface, and the oxidizing gas supply port is located at the central part of the container according to the position of the raw material inlet. It is preferable to provide it.
[0045]
The apparatus I of the present invention is suitable for melting and producing fluorophosphate glass using a fluorine compound and a metaphosphate compound as raw materials, and the oxidizing gas may be dry oxygen gas or dry gas containing oxygen gas. desirable. About the temperature and supply amount of oxidizing gas, and other conditions, it is the same as the description regarding the manufacturing method I of glass mentioned above. In addition, it is desirable that the container is made of platinum or a platinum alloy at least at the part where the molten glass touches.
[0046]
This apparatus I preferably has a charging mechanism for controlling the glass raw material charging amount into the container and a discharge amount control mechanism for controlling the discharge amount of the molten glass from the container. By these control mechanisms, the depth at the position where the glass raw material of the molten glass in the container is charged is 1.5 to 3 times the raw material charging height based on the liquid level of the molten glass, preferably 1.6 to The raw material supply amount and the molten glass discharge amount can be controlled so as to be 2.5 times, and the raw material can be melted before the introduced glass raw material reaches the bottom of the container. Thereby, the erosion of the container can be prevented, and substances constituting the container wall can be prevented from being mixed into the molten glass and contaminating the glass.
[0047]
In addition, it is desirable that the raw material charging mechanism has a system in which raw materials are continuously charged. By continuously charging the raw materials, the input amount of the raw materials can be made uniform over time, and a large amount of reducing substance can be prevented from being generated by decomposition at a time. An example of the continuous raw material charging mechanism is as follows. In order to keep the raw material in a dry state, it has a preliminary chamber filled with a dry atmosphere and a raw material supply passage connected to the raw material input port from the preliminary chamber, and a screw is provided in the preliminary chamber and the supply passage, and the screw is rotated at a constant speed. By continuously rotating by the number, the raw material accumulated in the preliminary chamber is pushed out through the supply passage to the raw material charging port, and the raw material is continuously charged into the container through the charging port.
The said apparatus I can be used suitably also for manufacture of phosphate glass.
[0048]
Next, the glass melting apparatus II will be described.
In the glass melting apparatus II, as described in the manufacturing method II described above, since the inside of the container is filled with the dry atmosphere gas, moisture in the atmosphere can be reduced. In addition, since the atmospheric gas flows along with the glass raw material along the charging path to the molten glass liquid surface, even if the glass raw material slightly adsorbs moisture, it is introduced by mixing with the atmospheric gas. The amount of moisture adsorbed by the raw material can be reduced. After the atmospheric gas reaches the molten glass liquid level, it is exhausted to the outside of the container, the atmosphere in the container is kept in a dry state, and the reaction between the molten glass and OH groups or moisture can be suppressed.
[0049]
In addition, since the atmospheric gas flows along the glass raw material input path, the gas generated from the molten glass reaches the glass raw material supply port, solidifies the glass raw material and closes the glass raw material supply port, It is possible to prevent the raw material supply port from being blocked by rising air.
[0050]
This apparatus II is suitable as an apparatus for obtaining a fluorophosphate glass by using a fluorine compound and a metaphosphate compound as raw materials, and in this case, as a dry atmosphere gas, a dry inert gas, a dry oxygen gas, Alternatively, it is preferable to supply a dry mixed gas of inert gas and oxygen gas.
[0051]
Furthermore, the poorly soluble AlPO mentioned aboveFourIt is desirable to provide an exhaust port heater for heating the atmospheric gas exhaust port in order to prevent solidification from the container to the atmospheric gas exhaust port and clogging. The exhaust port heated by the heater has AlPOFourDoes not solidify and is exhausted out of the container together with the atmospheric gas in a gaseous state. The portion for exhausting the atmospheric gas is preferably heated to 600 ° C. or higher.
[0052]
In this apparatus II, like the apparatus I described above, the raw material charging mechanism is preferably a continuous type. However, in order to prevent moisture from entering from the outside of the container as the raw material is supplied, It is preferable to provide a mechanism for adjusting the pressure of the dry atmosphere gas so as to be positive.
[0053]
In addition, the interior of the container is divided by a partition extending to the vicinity of the molten glass liquid surface so as to surround the raw material input path from the raw material input port, and the atmosphere gas exhaust port is provided in a portion separated from the raw material input port by this partition wall. Is desirable. By providing the partition wall in this way, the atmosphere in the container can be constantly replaced, and the atmospheric gas can be surely flowed along the predetermined flow path. Moreover, it is possible to prevent the charged raw material from being surely charged into the molten glass and discharged directly from the exhaust port.
[0054]
The container preferably has a cylindrical shape, and preferably has a side surface provided with a heating unit for heating the molten glass stored in the container. Furthermore, the glass surface is maintained so that the liquid level of the molten glass with respect to the bottom surface of the container is maintained within a range of preferably 2.5 to 10 times, more preferably 3 to 6 times the inner diameter of the container. It is desirable to have a control mechanism that controls at least one of the input amount of raw material and the discharge amount of molten glass, and it has a control mechanism that controls both the input amount of glass raw material and the discharge amount of molten glass. More desirable. The feature of this apparatus is that the ratio of the area where the molten glass touches the atmospheric gas with respect to the volume of the molten glass in the container can be reduced, and the area where the molten glass contacts the container with respect to the volume of the molten glass can be mentioned. With these characteristics, the area where the molten glass comes into contact with the atmosphere can be reduced, the reaction with moisture and the volatilization amount of the glass component can be reduced, and the molten glass can be efficiently heated.
[0055]
If the liquid surface height of the molten glass with respect to the bottom surface of the container is less than 2.5 times the diameter of the bottom surface of the container, the above effect is difficult to obtain sufficiently, and if it exceeds 10 times, stable supply of atmospheric gas is possible. It becomes difficult to exhaust.
[0056]
The molten glass is sent to the clarification tank through the outlet of the container, clarified and stirred, and becomes a high-quality glass that is uniform and does not contain fine particles and bubbles that become a light scattering source. Since this glass is high quality, it is suitably used as an optical glass, and can be used as an optical element such as a lens, a prism, an optical fiber, or a laser glass.
The apparatus II is not limited to the production of fluorophosphate glass, but can also be suitably used for the production of fluoride glass and boric acid-containing glass such as borosilicate glass.
[0057]
Further, in the melting apparatus II, an oxidizing gas supply port for supplying a dry oxidizing gas into the molten glass can be provided, and a raw material charging port can be disposed above the oxidizing gas supply port. Thus, by providing the structure of the melting apparatus I, the melting apparatus I has the characteristics. As described in the manufacturing method II described above, phosphate glass, fluoride glass, fluorophosphate glass, and borosilicate It can be used suitably for the production of boric acid-containing glass such as acid glass and also for the production of low-viscosity silicate glass.
In addition, the glass melting apparatus I and II of this invention can connect with a melting apparatus as needed, and can provide a clarification tank and a stirring tank.
[0058]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited at all by these examples.
[0059]
Example 1
FIG. 1 is a schematic vertical cross-sectional view of the glass melting apparatus of the present invention used in this example.
The
In the upper center of the
[0060]
The raw
[0061]
A cylindrical partition wall 9 is provided at the center and upper part of the
[0062]
A heater (not shown) is provided on the outer surface of the
A discharge port 12 for discharging the glass melted in the container is provided at the peripheral edge of the bottom of the
A bubbling pipe 11 for supplying an oxidizing gas is provided at the center of the bottom of the
[0063]
In the
Using such a glass melting apparatus, the fluorophosphate glass was melted and manufactured. The
[0064]
In the
As a raw material for fluorophosphate glass, AlFThree, MgF2, CaF2, SrF2, YFThree(Fluorine compound), Al (POThree)Three, Mg (POThree)2, Ca (POThree)2, Sr (POThree)2, Ba (POThree)2What prepared (metaphosphoric acid compound) was used.
[0065]
The atmospheric gas passes through the
[0066]
Among the charged glass raw materials, the metaphosphate compound is decomposed in the molten glass to produce free phosphorus having extremely strong reducibility, but is rapidly oxidized and melted by the oxygen gas bubbled in the molten glass. Therefore, the melting of the glass is efficiently performed, the metaphosphate compound and free phosphorus can be prevented from reaching the inner wall of the
[0067]
The atmospheric gas that travels from the molten glass liquid surface to the space between the inner wall side surface of the
[0068]
The depth of the molten glass (the height of the molten glass liquid level measured from the center of the bottom of the container) is controlled by the control of the raw material input amount by the raw material supply amount control mechanism and the molten glass discharge amount by the molten glass discharge amount control mechanism. The height of the
[0069]
Furthermore, by controlling the height of the molten glass liquid surface, the depth of the molten glass is preferably maintained at 3 to 6 times the inner diameter of the
[0070]
The molten glass obtained in the
As described above, while continuously supplying the atmospheric gas and the bubbling gas, the glass raw material is continuously added to continuously produce high-quality optical glass containing no impurities such as platinum fine particles and bubbles with high productivity. I was able to.
[0071]
Example 2
The same apparatus as that used in Example 1 was used, and borosilicate glass was melted in the same manner as in Example 1.
A borosilicate raw material, a silicate raw material, and other raw materials are mixed and supplied to the raw
[0072]
【The invention's effect】
By using the glass manufacturing method and glass melting apparatus of the present invention, it is possible to produce high-quality glass, particularly phosphate glass, fluoride glass, fluorophosphate glass, boric acid-containing glass, etc., using highly reactive raw materials. Can be manufactured well.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic vertical sectional view of a glass melting apparatus of the present invention used in Examples.
[Explanation of symbols]
1 Raw material input mechanism
2 screw
3 Motor
4 Material outlet
5 Raw material inlet
6 Atmospheric gas supply port
6 'Atmospheric gas supply port
7 Exhaust port
8 Heating device
9 Bulkhead
10 containers
11 Bubbling pipe
12 Molten glass outlet
13 spare room
14 Raw material supply passage
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