JP4101459B2 - クワッドリファイラ・アンテナ - Google Patents

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    • H01Q11/02Non-resonant antennas, e.g. travelling-wave antenna
    • H01Q11/08Helical antennas

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  • Details Of Aerials (AREA)

Description

【0001】
(背景技術)
本発明は、一般的に、円偏波を放出または受け入れるのに使用されるクワッドリファイラ(quadrifilar)・アンテナに関する。より具体的には、本発明は、上記アンテナの一端で、同じ振幅で90度ずれた位相の信号を結合させるための、改良型のクワッドリファイラ・アンテナとアンテナの供給システムとに関すると共に、この様なアンテナの製造方法に関する。
【0002】
共通の軸を中心に配置される複数の共振素子を備えるヘリカル(螺旋状)アンテナは、軌道周回衛星との地上リンク、または静止衛星との移動/中継用の地上リンクに、特に有益である。この螺旋状素子の配置により、このアンテナは、ドーム形状の空間応答パターンと、衛星からの信号の受信のための偏波面を呈示する。この種類のアンテナについては、1968年6月発行の、499ページ乃至500ページのアンテナ伝播に関するIEEEトランザクションにおけるC.C.Kilgusによる「Multielement,Fractional Turn Helices」に開示されている。この論文は、特に、螺旋形クワッドリファイラ・アンテナは、軸方向平面における主要特性を呈示することができ、円偏波放射に敏感であると教示している。
【0003】
先行技術のヘリカルアンテナの一種は、直角位相に配置されて、インピーダンス整合のために分割チューブ・バランを経由して軸方向に配置された同軸フィーダーに結合された2つの2動線式螺旋形状(bifilar helices)を備える。この先行技術の設計に基づいたアンテナは、特定の応答パターンのために幅広く使用される一方、素子の長さなどの変数における小さい変化にも敏感なため、直角位相およびインピーダンス整合を得るために調整することが非常に困難であり、分割チューブ・バランを構築することが困難であるという欠点を有する。その結果、これらの製造は、非常に熟練を要し、高価な工程である。
【0004】
従って、調整や費用のかかる個々のチューニングを行う必要なく、生産ベースで製造できる所定の入力インピーダンスを有するクワッドリファイラ・アンテナへの需要がある。更に、従来の折畳式、段階式または分割式のシールド・バランの複雑さを避ける簡潔な供給装置を有するクワッドリファイラ・アンテナを供給する需要もある。
【0005】
本発明は、これまでの技術には全くなかった新しい、独自の方法で、これらの問題の全てを解決する。関連特許の幾つかを以下に述べる。
【0006】
1993年6月2日に、McConnell等に発行された米国特許第5635945号
この特許は、それ自体または円筒形の非導電性基板によって支持された一定の半径の円筒を定義するために、2つの別個の螺旋状にツイストされたループを定義するために配置された4つの導電素子を備える螺旋形クワッドリファイラ・アンテナ(quadrifilar helix antenna)に関する。一方のループの電気的な長さが、他方のループの電気的な長さと異なる。この2つの別個の螺旋状にツイストされたループは、アンテナのインピーダンス整合、電気的な位相調整、結合および配電を構成するような方法で互いに接続される。
【0007】
1993年3月2日に、S.Bransonに発行された米国特許第5191352号
この特許は、円筒形のエンベロープを定義するように形成および配置された4つの螺旋状ワイヤ素子を備えるクワッドリファイラ・アンテナに関する。この螺旋状ワイヤは、第1のプリント回路基板上でフィーダまたは半剛性同軸ケーブルに螺旋状ワイヤを接続し、第2のプリント回路基板上で互いに接続する、メッキされた導体の形態で結合素子を有する第1および第2のプリント回路基板によって、対向する端部に取り付けられる。導体トラックは、螺旋状ワイヤの対および関連インピーダンス素子の有効な長さが、他方の螺旋状ワイヤの対の有効な長さより大きなものとし、直角位相は、この2つの対の間で得られる。
【0008】
1977年2月15日に、V.C.Smithに発行された米国特許第4008479号
この特許は、二重周波数円偏波アンテナ(dual−frequency circularly polarized antenna)に関連する。このアンテナは、中心の同軸線から互いに横方向に伸びる4つの導体によって、その頂部で支持された縦方向の円筒形の非導電性部材を備える。2セットのアンテナ導体は、均等に縦方向に離間された螺旋の構成で、非導電性円筒に装着される。この2セットの導体は、一方のセットが、一方の周波数での半分の波長に対応し、他方のセットが、他方の周波数での半分の波長に対応するようなピンによって導通接続される。
【0009】
1971年11月23日に、I.M.Falgenに発行された米国特許第3623113号
この特許は、チューニング可能なヘリカル・モノポールアンテナ(tunable helical monopole antenna)に関する。このチューニング可能なヘリカル・モノポールアンテナは、互いに対称的に実質的に同一の上部および下部の両方を有する巻線を備える。巻線の半分の部分の各端に接続されるのは、円筒形の端子のダイポール(dipole)素子であり、これらの端子素子に接続されるのは、短絡指部(shorting finger)である。短絡指部を同期的に動かすことにより、それぞれの螺旋状巻線は、チューニング用に効果的に短縮されるか延長される。
【0010】
1993年10月19日に、Terret等に発行された米国特許第5255005号
この特許は、二層式共振螺旋形クワッドリファイラ・アンテナ(dual layer resonant quadrifilar antenna)に関する。このアンテナは、直交して位置決めされ、直角位相において励起された第1および第2の2動線式螺旋形状によって形成された4動線式(クワッドリファイラ)螺旋形状を備える。また、第2の4動線式(クワッドリファイラ)螺旋形状は、第1の4動線式(クワッドリファイラ)螺旋形状に、同軸でおよび電磁的に結合される。
【0011】
1979年4月3日に、P.Foldesに発行された米国特許第4148030号
この特許は、中空の円筒に同軸に巻線される複数のチューニングされたヘリカルアンテナを備える組み合わせ式ヘリカルアンテナに関する。それによって該アンテナは共に配置される。このアンテナは、マイクロ波ストリップラインで使用される種類の薄い金属ダイポールを有するプリント回路アセンブリを更に備える。この薄い金属ダイポールは、マイクロストリップ・フィルタの縦形アンテナ素子(end−fire element)と同様の方法で互いに結合される共振素子である。
【0012】
前記の特許に示される基本概念が望ましい一方、クワッドリファイラ・アンテナを製造するために各々によって用いられる装置は、機械的にはるかに複雑であるため、調整および費用のかかる個々のチューニングを行う必要なしに生産ベースで製造でき、操作中、所望の放射線特性を依然として提供する、所定の入力インピーダンスを有するアンテナを低価格で提供する手段として、それらを見なすことができない。
【0013】
(発明の概要)
衛星通信において使用するクワッドリファイラ・アンテナは、それ自体によりまたは円筒状非導電性基板により支持される一定の半径の円筒を規定するために、2つの別個の螺旋状対を規定するよう配置される4つの導電素子を含み、両対とも1端で開路状態になっている。一方の対は、他方の対と電気的な長さがわずかに異なる。この2つの別個の螺旋状対は、アンテナのためのインピーダンス整合、電気的な位相調整、結合および配電を構成するような方法で相互に接続される。従来技術のバランの代わりに、アンテナは、該アンテナを送電線に接続するインピーダンス整合ネットワークにより決定される導電素子の1つの上のタップポイントで給電される。整合ネットワークは、分散されたまたはひとまとめにされた電気素子で構築することができ、かつアンテナの設計に組み込むことができる。
【0014】
したがって、本発明の目的は、タップポイントにつながる導体のインダクタンスが、アンテナへ及びアンテナから無線周波数信号を転送するのに使用する送電線に接続されるコンデンサでチューニングされる簡単な整合ネットワークを提供することである。
【0015】
本発明の目的は、螺旋状素子の対により形成されるクワッドリファイラ・アンテナを提供することであり、該ヘリカル素子の対の間の結合は、共有される共通電流路により与えられる。
【0016】
本発明の他の目的は、従来技術の折り畳み式、段階式または分割式シールドバランの使用を必要としない簡単な給電方法を有するクワッドリファイラ・アンテナを設けることである。
【0017】
本発明の他の目的は、所定の形状と寸法で比較的正確に形成できるプリント回路基板により形成されるクワッドリファイラ・アンテナを提供し、それにより、あるとしても、比較的わずかな調整を要するだけで、必要な電気的特徴を備えるアンテナが得られるようにすることである。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、電磁気特性の再現性が高い、正確な寸法で大量生産できるクワッドリファイラ・アンテナを設けることである。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、特に簡単な構成で、設計上、特に、軽量かつ小型のクワッドリファイラ・アンテナを提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、地上および軌道周回衛星の通信リンクにおいてまたは静止衛星を有する移動中継通信リンクにおいて使用する2つの2動線式螺旋形状により構成されるタイプの準半球状の放射パターンを有する低コストアンテナを提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、製造における容易性および精度のため、整列タブ(alignment tab)を使用して形成される複数の螺旋状素子を有する無線周波数アンテナを製造する方法を提供することである。
【0022】
したがって、本発明の目的は、効率的でしかも安価かつ比較的機械的に複雑でないクワッドリファイラ・アンテナを提供することにあり、同アンテナは、凸凹があるが、軽量、かつ運搬および使用が容易である。
【0023】
本発明の上記および他の利点は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を、添付の図面とともに考慮することによって、当業者には、容易に明らかとなるであろう。
【0024】
(好ましい実施形態の説明)
以下、図面について説明するが、同様の参照数字は、全体を通じて同様のかつ相当する部分を参照し、本発明によるクワッドリファイラ・アンテナは、一般的に数字10で示される。図1について述べると、クワッドリファイラ・アンテナ10は、右旋円偏波又は左旋円偏波を発生するように、円筒形非導電性支持管12の外表面上に支持された4つの導電素子14、16、18及び20を持った一般的に縦長の円筒形非導電性支持管12から成る。図示してはいないが、素子14、16、18及び20は、剛性ワイヤを用いて円筒形非導電性支持管12無しに自分を支持していてもよいし、又は円筒形非導電性支持管12の内表面に対して配置してもよい。
【0025】
再度、図1について述べると、素子16及び20と相等しい導体42とによって形成された第2の螺旋状対よりも僅かに長い第1の螺旋状対が、素子14及び18と相等しい導体40とによって形成されている。図1に示したように、第1及び第2の螺旋状対は、一端では接続されておらず、それによって電気的に開放した回路を形成している。この構成で、第1と第2の螺旋状対は、各螺旋の対に導入された電流の間に、電気的な90度の位相差を来すような設計によって選択された2つの異なった共振周波数に変換され、直角位相を維持する、2つの異なった電気的な長さを持っている。共通の部分38は、各螺旋対によって一端で共有されて、素子16及び20ならびに相等しい導体42によって形成された駆動される螺旋対から素子14及び18ならびに相等しい導体40によって形成された他方の螺旋対への結合を与える。
【0026】
再度、図1に戻って、同軸の送電線36は、コンデンサ46の一端44に接続されたその内部導体28を持ち、コンデンサ46の他端48は、導体26を通じて素子20のタップポイント25に接続して、従来のバランを用いることなく、効果的にアンテナ10をインピーダンス整合している。コンデンサ46の配置及び値と導体26の長さ及びタップポイントは、送電線36が呈する所望の入力インピーダンスから予め定められる。送電線36は、同軸として示されているが、無線周波数信号を運ぶために用いられる任意の種類の送電線であってよい。それゆえ、コンデンサ46及び導体26は、アンテナ周波数で、アンテナ10のリアクタンスとインダクタンスとをチューニングさせるように用いられる。送電線36の外部導体30は、共通の導体部38の中間点に接続される。アンテナ10の形状は、発明の意図を変えない範囲で、円筒形の円型又は四角型又は先細り型(tapered)であってよい。
【0027】
同軸に加えて、アンテナ10に、マイクロストリップ又はストリップラインのような種々の不均衡な送電線で給電する方法が、信号線をコンデンサ端44でコンデンサ46に、また接地又は信号戻り側を共有された共通のセグメント38の中間点に接続することによって達成できることが、技術に精通する者によって理解される。
【0028】
また、送電線は、回路とアンテナとの間の無線周波数の電気信号を転送する共通のかつ実際的な方法であり、そして本明細書では、発明がどのようにして利用できるかの例として用いられていることが、技術に精通する者によって理解される。しかし、ここで記述された発明は、従来の送電線を必要とすることなく、アンテナへの信号の結合を達成することができるように、近くの回路の極く近くに配置されるか、又は直接プリント回路基板に隣接して配置される。
【0029】
図面について、さらに詳細には図2及び図3について述べれば、クワッドリファイラ・アンテナ10のもう1つの好ましい実施形態は、一端は接続されておらず、他端はプリント回路板24を取り付けた4つの導電素子14、16、18及び20を備えるその外表面に支持された4つの導電素子14、16、18及び20を有する一般的に縦長の円筒形の支持管12を含む。図2に示すように、導電素子14、16、18及び20は、各々、基板12の外表面の周りに螺旋状の素子として配置されて、アンテナ10に右旋円偏波を発生させるようにしている。図示してはないが、アンテナ10は、同様に左旋円偏波も発生できることがわかるであろう。
【0030】
好ましい実施形態では、円筒形の基板12は、導電素子14、16、18及び20の幅、長さ及び材料に対応する誘電定数を持った、ガラス、ガラス繊維などのような非導電素子で作られている。そこで、各螺旋対は、好ましくは所望の共振周波数の4分の1の波長の範囲である。より高い誘電性材料を用いれば、物理的なアンテナ構造の大幅な短縮ができる。円筒形構造物12は、管として形成するか又は平坦な構造物を巻いて管の形状にすることが出来、そして以下に完全に説明するように、円形か又は正方形の横断面を持つようにすればよい。しかし、基板又は材料は、主題の発明の教示から逸脱しない範囲で変更することができることを良く理解するべきである。導電素子14、16、18及び20は、各々、銅、銀又は同様の金属で作られれば良く、そして基材12上に金属メッキの技術で既知の何れかの形式の被覆技術によって金属メッキを施される。
【0031】
さて、図3に戻ると、導電素子14、16、18及び20は、各々、主題の発明に独特な一定の特徴を更に認識するために平面にして示してある。図2及び図3に示したように、導電素子14、16、18及び20は、各々、基板12上にメッキされると、互いに平行にかつ実質的に等しい横断間隔をとっている。図3に示すように、導電素子18は、導電素子14、16及び20よりも僅かに長く、そこでは、導電素子18の長さは、所望の入力インピーダンスから予め定められていて、以下にさらに完全に説明するように、調整や費用のかかる個々のチューニングを必要とせずに生産ベースでアンテナ10を製造するという結果を起こす。
【0032】
次に図4及び図5について述べると、プリント回路基板24の第1の側32と第2の側34とが示されており、これらは、アンテナ10に対する配電とインピーダンス整合の両方を行うために用いられる。プリント回路基板24は、基板24の第2の側に図5に示した接地導体30の上のマイクロストリップ部分29を含み、そこでは、マイクロストリップ構造29及び30は、各々、電気的に結合されて、互いに接続されて、接地戻り路36を形成している。
【0033】
図4について述べると、基板24の送信線36は、基板24に中心を持った、一般的に矩形の部分38の中央部に終端し、共通の部分は、螺旋対に結合している。矩形の部分38は、接続線の第1セット40と第2セット42とを持ち、接続線40及び42の各セットは、導電素子14、16、18及び20の各々に電気的に接続されて、図1に記述したのと同一の目的を果たしている。周波数帯域幅のような電気的特性のために、接続線の第1のセット40は、2つの異なった共振周波数に変換される、接続線の第2セット42とは異なった電気的な長さを持ち、それは、設計の選択の事柄である。たとえ好ましい実施形態において接続線が直線として示されていても、接続線は、より長い電気的な長さを得るように曲がっていても良いと考えられる。
【0034】
もう一度図4について述べると、基板24の第1の側32には、矩形の部分38から分離した第1のコンデンサ素子48が形成されて、第1のコンデンサ素子48は、供給ライン26を通って導電素子20に接続すタップポイント25に至る接続線42の1つに接続される。図5について述べると、基板24の第2の側34には、第2のコンデンサ素子44がある。基板24の各側の素子44及び48は、その機能が図1のコンデンサ46と同様な平行なプレートコンデンサを形成している。図4及び図5に示すように、また上に述べたように、基板24によって支持された供給ライン26は、タップポイント25で、導電バンド20に電気的に接続され、他端で、第1のコンデンサ素子48に電気的に接続されている。タップポイント25は、接続線の第2のセット42の1つに接続されている。供給ライン26は、導電素子20の長さと関連して、また第2のコンデンサ素子44と電気的に結合する第1のコンデンサ素子48と共に、アンテナ10とインピーダンス整合するように所定の形状及び位置を持つ。そこでは、第1及び第2のコンデンサ素子48と44は、各々、供給ライン26のインダクタンスとアンテナ10のリアクタンスとを整合させるための所定の寸法を持っている。
【0035】
図示してはいないが、上述のクワッドリファイラ・アンテナは、接地コンデンサ30と第2のコンデンサ素子44との間の回路基板電子装置と面一に基板24の第2の側34を配置することによって、そして接地導体30と第2のコンデンサ素子44とを、はんだづけにより、又は当業において知られているいずれかの電気的付着手段により、プリント回路基板電子装置に電気的に接続することによって、プリント回路基板電子装置に取りつけてもよいことがわかる。本発明のアンテナは、アンテナ10とプリント基板電子装置との間の従来型の送電線の必要性を取り除くものであることが理解されるはずである。
【0036】
第2の好ましい実施形態を、図6乃至図8に示すが、これは、送電線36を加えた他は上述と同一の導電素子及び給電構造とを持ったものである。プリント回路基板24は、ここでは基板24の他方の側に形成された縦長の接地導体30の上のマイクロストリップ・ライン28を含む。ここでは、28及び30のマイクロストリップ構造は、各々、互いに電気的に結合されて、図1における送電線36と同一の目的を果たしているマイクロストリップ送電線36を形成している。図7及び図8に示すように、送電線36のマイクロストリップ構造30は、内方へ先細りになっていて矩形の部分38へ接続され、そしてマイクロストリップ構造28は、基板24の第2の側34の第2のコンデンサ素子44に接続している。そこでは、送電線36は、導電素子14、16、18及び20の各々から離れて、フレキシブルなプリント回路基板24を屈曲するためという機械的な理由だけのために先細りになっており、更にアンテナの放射パターンを妨げない。典型的には、好ましい実施形態では、送電線36は、アンテナ10がBNCコネクタ又は同軸コネクタによって給電されるように、50オームのインピーダンスを持つ。
【0037】
次に図9及び図10を参照して、アンテナを製造する方法を説明する。図9について述べると、4つの導電素子14、16、18及び20を持った基盤12は、一端で、第1の延長タブ部分50を持ち、反対端で、第1の整列スロット52を定めている。製造において、整列スロット52の場所は、基板12が丸められ、延長タブ部分50が整列スロット52内に挿入されて、それによって基盤12を円筒状の又は管状の形状に保持して、基板12をプリント回路板24に取りつけ、一方では同時に、アンテナの電気的な性能を最大にするように、適当な半径を定めるようにしたものとする。
【0038】
図10について述べれば、回路基板24は、その両側で第2の対の整列スロット54及び56を定めて、図9に示した基板12の底部に示した第2の対の整列タブ58及び60を受けるようになっている。第2の整列スロット54は、第2の整列スロット56よりも僅かに長く、そして第2の整列タブ58は、第2の整合タブ60よりも僅かに長くなっているので、基盤12が基板24の上に配置され、第2の整列タブ58と60が第2の整列スロット54及び56内に挿入されると、導電素子20が、タップ・ポイント25に位置する。この構成で、アンテナは、一緒にはんだ付けすることができる。最後に、図10について述べると、回路板24は、アンテナをプリント回路板電子装置に対して位置させ取り付けるために用いる更に1対の整列凹部62を定める。
【0039】
図11は、本発明に従って作られたアンテナの放射パターンを示し、これは、1575Mhzの概算周波数での仰角面(elevational plane)において得られたものである。パターンによって見られるように、軸比は、頂部で1.8dbであり、最大円偏波利得は、2.1dBicである。
【0040】
図12は、同一のアンテナの頂部の円錐状パターンから80度ずれた所を示す。そこでは、最大の利得は、2.8dbの軸比と3.3dBicの円偏波利得とを持ったものとして130度で示されている。最後に、図13は、1.15:1のVSWRを持ったこのアンテナのインピーダンスと反射減衰量(return loss)とを示す。上記のデータは、本発明のアンテナが従来の設計されたクワッドリファイラ式と同等に機能することを示している。
【0041】
その上、アンテナは2つの共振周波数の周りに50オームで実際的に整合するので、プリント回路技術に関連した供給ラインは、追加の整合のために何らの特別のアセンブリを必要としない。これは、アンテナを従来のクワッドリファイラ・アンテナ設計の欠点から解放にすることになる。
【0042】
本明細書において、電磁特性の高度の再生可能性を持ったアンテナを得るために、あるとしても、比較的少ない調整しか要しないような、所定の形状及び寸法で、比較的正確に形成され、かつ大量生産できるプリント回路基板によって形成された、改良されたクワッドリファイラ・アンテナについて記述し、また説明した。
【0043】
発明の特定の実施形態を記述したが、発明はそれに正確に限定されることを意図していない。それは、発明を技術が許す限り広い範囲で許容することを意図するからである。前述の説明及び図面は、請求の範囲内で他の実施形態及び変更について当業に精通する者に示唆を与えるが、その全ては、本明細書に示した発明の精神に含まれるものとして意図されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による螺旋形のクワッドリファイラ・アンテナの透視画図である。
【図2】 本発明による螺旋形のクワッドリファイラ・アンテナの好ましい一実施形態の透視画図である。
【図3】 図2に示す導電素子の平面図である。
【図4】 本発明のアンテナの第1のプリント回路基板の一方側を示す上面図である。
【図5】 図4に示すプリント回路基板の第2の側の上面図である。
【図6】 本発明による螺旋形のクワッドリファイラ・アンテナの他の好ましい実施形態の透視画図である。
【図7】 図6に示すアンテナの第1のプリント回路基板の一方側を示す上面図である。
【図8】 図6に示すアンテナの第1のプリント回路基板の第2の側の上面図である。
【図9】 図3における上面図であって、アンテナの製造方法を示す図である。
【図10】 図4における上面図であって、アンテナの製造方法を示す図である。
【図11】 本発明の教示に従って構築されるアンテナの放射パターンを示す図である。
【図12】 本発明の教示に従って構築されるアンテナの放射パターンを示す図である。
【図13】 本発明の教示に従って構築されるアンテナのVSWRの値を示す図である。

Claims (8)

  1. 互いに平行な細長い複数の導電素子(14、16、18、20)を有し、該複数の導電素子は、基板(12)に沿って複数の螺旋状対(14、18;16、20)を形成し、該基板は、一つの端部において、第1の延長タブ(50)を有し、反対側の端部において、第1の整列スロット(52)を有し、該基板が巻かれるときに、前記第1の延長タブが、前記第1の整列スロットに挿入されて、一定の半径の円筒が形成され、
    前記螺旋状対の各々は、異なる電気的な長さを有しており、第1の端部にて電気的に開放され、第2の端部にてプリント回路基板(24)を介して互いに電気的に接続されており、該プリント回路基板は、一対の第2の整列スロット(54、56)を有し、該一対の第2の整列スロットは、前記基板(12)が有する一対の第2の整列タブ(58、60)を受け入れ、前記一対の第2の整列スロットの一方(54)は、他方の第2の整列スロット(56)よりも僅かに長く、前記一対の第2の整列タブの一方(58)は、他方の第2の整列タブ(60)より僅かに長く、前記基板が前記プリント回路基板上に置かれたときに、前記導電素子とインピーダンス整合するために、前記第2の整列タブが、前記第2の整列スロットに挿入され、
    コンデンサ(46)に電気的に接続された供給ライン(26)を備えており、該供給ライン(26)は第1の端部と第2の端部とを有し、前記コンデンサ(46)は第1のコンデンサ素子(48)と第2のコンデンサ素子(44)とを有し、前記第1の端部は前記導線素子の少なくとも1つに、タップポイント(25)において電気的に接続され、前記第2の端部は第1のコンデンサ素子(48)に電気的に接続され、前記供給ラインは、インピーダンス整合を行うような形状および位置を有しており、前記電気的な接続および供給ラインが、インピーダンス整合、電気的な位相調整、結合および配電を行う、アンテナ。
  2. 前記複数の導電素子が、第1および第2の別個の螺旋状対を形成するように配置された4つの導電素子(14、16、18、20)を含み、前記第1の螺旋状対(16、20)が、前記第2の螺旋状対(14、18)と電気的な長さが異なる、請求項1に記載のアンテナ。
  3. 前記プリント回路基板(24)が、一方の第1の面(32)と他方の第2の面(34)を有し、前記第1の面がマイクロストリップライン(29)を有し、前記第2の面が接地導体(30)を有し、前記マイクロストリップラインと前記接地導体とが電気的に互いに結合して、帰地経路を形成する、請求項2に記載のアンテナ。
  4. 前記プリント回路基板(24)の前記第2の面(34)上の前記接地導体(30)が、前記プリント回路基板(24)の前記第1の面(32)上の矩形の部分(38)の中央部に接続し、前記矩形の部分(38)は、接続線の第1のセット(40)と接続線の第2のセット(42)を有しており、前記接続線の各セットは、前記導電素子のそれぞれと電気的に接続し、前記接続線の前記第1のセットおよび第2のセットは、異なる電気的な長さを有し、それにより2つの異なる共振周波数を発生させる、請求項3に記載のアンテナ。
  5. 前記プリント回路基板(24)の前記第1の面(32)が、前記矩形の部分(38)から分離された第1のコンデンサ素子(48)を有し、該第1のコンデンサ素子(48)は、前記接続線の前記第2のセット(42)に接続されており、前記プリント回路基板(24)の前記第2の面(34)が、第2のコンデンサ素子(44)を有し、前記第1のコンデンサ素子(48)および第2のコンデンサ素子(44)が、平行プレートコンデンサを形成する、請求項4に記載のアンテナ。
  6. 前記導電素子の一つ(20)が、その他の導電素子(14、16、18)とは異なった長さを有する、請求項2に記載のアンテナ。
  7. 延長されたプリント回路送電線を、導電素子から離れるように屈曲させ、アンテナ放射パターンの妨害を防止するために、前記プリント回路基板(24)の前記第2の面上の前記接地導体(30)が、前記矩形の部分(38)へと、延長され、先細になっている、請求項4に記載のアンテナ。
  8. 前記供給ライン(26)が、前記タップポイント(25)において、前記導電素子の少なくとも1つに電気的に接続され、該導電素子の少なくとも1つに接続した端部とは反対の端部において、前記第1のコンデンサ素子(48)に電気的に接続され、前記供給ライン(26)は、前記アンテナとインピーダンス整合するような形状および位置を有し、前記プリント回路基板(24)の前記第1の面(32)上の前記第1のコンデンサ素子(48)が、前記プリント回路基板(24)の前記第2の面(34)上の前記第2のコンデンサ素子(44)と電気的に結合し、前記第1のコンデンサ素子(48)および第2のコンデンサ素子(44)が、前記供給ライン(26)のインダクタンスおよびアンテナリアクタンスを整合させるための所定の寸法を有する、請求項5に記載のアンテナ。
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