JP4101080B2 - ターボファンジェットエンジン。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボファンジェットエンジンに関し、詳しくはターボファンジェットエンジンの推進空気であるジェット排気の排気口部の構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
航空機用ターボファンジェットエンジンは、エンジン前面の空気取り入れ口から吸引した空気を圧縮機の前に取り付けられたプロペラ状の羽根にて、前方から取り入れた空気を加速させて後方へ圧縮空気を送る。この加速された空気の流れの一部は圧縮機にてさらに圧縮されてから、圧縮空気として燃焼室にてジェット燃料と混合させて燃焼させる。この燃焼によって生成された高温高圧の排気ガスをタービンに通過させる。この時に高温高圧の排気ガスによってタービンを駆動させて一連の圧縮機の駆動力を得てから排気ガスとしてエンジン後方に激しく噴出させて推進力を得ている。 また一方この一連の燃焼行程を通過していない残りの加速された圧縮空気はバイパスを通ってエンジンから噴出させる構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成を備える航空機用ターボファンジェットエンジンでは、低圧タービンまでスムーズに流れていた推進力であるジェット排気は、排気ダクト(排気ノズル)から排出されると周辺大気と混合されるわけだが、この時に周辺大気とジェット排気が混合される時に流速が早いジェット排気と流速の遅い周辺大気とが混ざり合う付近に互いの速度差によって非常に乱れた乱流状態となってジェット排気と周辺大気との境界付近では小さな渦が多数発生する。この時に発生するジェット排気による騒音が環境問題として問題視されている。また一方の問題点として周辺大気とジェット排気が混合される時に境界付近で発生する渦ではジェット排気の流速や空気流量などの損失が発生し、これらの種々の損失が、ターボファンジェットエンジンの推進力の効率を低下させる要因となっている。またエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)やファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側を流れる空気は、各カウリング付近において空気の滞りが生じ空気の境界層が発生して剥離性を低下させている。このカウリング付近における空気の境界層の発生に伴う剥離性の低下は、カウリングを含むエンジン自体への空気抵抗の増大を招いている。よってターボファンジェットエンジンの推進力を向上させ、かつジェット騒音を低減させるための対策として、各カウリングの外側を流れる流動空気に対して、いかに空気の境界層の発生を低減させるとともに排気ダクト(排気ノズル)から排出されるジェット排気との混合に関しては境界付近にて渦の発生を抑えつつ効果的に混合させ混合比促進を図ることができるかが問われている。
【0004】
したがって、本発明の課題は、ターボファンジェットエンジンから排出される推進力であるジェット排気が、周辺大気と混合するときに生じる種々の損失を低減させかつジェット騒音を低減させるべく、排気ダクト(排気ノズル)やターボファンジェットエンジンを収納格納したエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)並びにファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側外壁を流れる流動空気に対して各カウリング付近における空気の境界層の発生を削減させ、ジェット排気と周辺大気との混合比を促進させるべく、各カウリングの外側外壁の後端に旋回流を発生させる旋回羽根を設けるようにした、ターボファンジェットエンジンの排気ダクト(排気ノズル)やエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)並びにファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側外壁を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の第1の発明は、推進空気を生成させるため外気をエンジン内または燃焼室に導入させる圧縮圧の異なった複数の圧縮ターボファン設備と前記圧縮ターボファン設備を駆動させるために高圧の燃焼ガスによって駆動される複数の駆動用タービン設備を備え、燃料供給手段により燃焼室に燃料を供給する設備と燃焼室設備とを備える一連の燃焼設備を備え、この一連の燃焼設備を収納するカウリングを備えたターボファンジェットエンジンにおいて、前記エンジン内または前記燃焼室から推進力として排気される排気ジェットが通過する排気ダクト(排気ノズル)の外側部分において、半径方向外側に突出する旋回羽根を、外側の外壁部に沿って螺旋状に設け、螺旋状とした前記旋回羽根のねじれ角αは前記排気ダクト(排気ノズル)の前端から同排気ダクト(排気ノズル)の後端に向けて徐々に大きくなるように前記旋回羽根の終了地点にて、ねじれ角αを最大とした前記旋回羽根を設け、その前記旋回羽根の側面部を、前記排気ダクト(排気ノズル)の半径方向から旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させ、前記旋回羽根の断面形状が、同旋回羽根の突端部から前記排気ダクト(排気ノズル)の外壁部に近づくにつれて徐々に幅広となるように形成することにより、前記排気ダクト(排気ノズル)の外側の外壁部に沿って流れる低圧コンプレッサーから排出された空気を流速の早い流動空気に誘導するように旋回させながら、前記エンジンの後方へ排出させるように構成することを特徴としている。
【0006】
上記発明によると、ターボファンジェットエンジンの低圧コンプレッサーから排出されたバイパス空気が、排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁部を沿ってを流れる際に、その排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁部近傍の空気は、螺旋状の旋回羽根に沿うように回転方向に曲げられ旋回流として流れる。このとき、排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁部近傍の空気には円周方向の流れ成分が与えられ、次第にその円周方向に旋回するようになる。こうした旋回羽根の作用により、排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁部近傍を流れる空気には、エンジン内の低圧圧縮低圧コンプレッサーと同じ回転方向の旋回流が発生する。そして、この旋回流により旋回しながら空気は、境界層を生成することなくターボファンジェットエンジンの後方へ排出され、排気ダクト(排気ノズル)から排出されるジェット排気と混合される。この旋回羽根の形状は、旋回羽根のねじれ角αが排気ダクト(排気ノズル)の後方に向かうにつれて徐々に大きくなり、旋回羽根の終点にて最大となるため、排気ダクト(排気ノズル)の前端部分にて発生する旋回流の大きさもまた、旋回羽根の終点にて徐々に大きくなり、旋回羽根の終点にて最大となる。一方、旋回羽根のねじれ角αを大きくすると、その旋回羽根に沿って流れる空気による気体は円周方向の速度成分がより大きくなる反面、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。しかし、旋回羽根を上記のような構成とすることで、乱流をできるだけ抑えながら、効果的に旋回流が発生するようになる。旋回羽根の傾きは、旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させて、排気ダクト(排気ノズル)の外壁周辺を流れる空気に旋回流を生じさせるとともに、この排気ダクト(排気ノズル)の外壁周辺を流れる空気を排気ダクト(排気ノズル)の外壁部付近からその排気ダクト(排気ノズル)の後方へと流れるよう案内する。これにより、旋回羽根が直接作用しない周辺の空気においても、弱いながらも旋回流が効果的に発生するようになる。また、一般的に旋回流を発生させると外に向かうにつれて旋回流が起きにくくなる傾向にある。しかし、上記のように構成された旋回羽根は、周辺の空気にも弱いながらも旋回流へと誘導するため排気ダクト(排気ノズル)周辺を流れる気体全体の流れがよりスムーズになる。そして旋回羽根の断面を末広がり状となるように形成することで、旋回羽根自体の強度及びその取り付け強度が十分に確保され、鋳造など比較的容易な方法による一体形成が可能となる。
【0007】
請求項2に記載の第2の発明は、第1の発明の構成に加え、前記排気ダクト(排気ノズル)の外側の外壁部に設置される前記旋回羽根の突端部までの高さが、前記排気ダクト(排気ノズル)の前端にある前記旋回羽根の始点の高さをゼロとして同排気ダクト(排気ノズル)の後端に向けて徐々に高くなるように形成し、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるように形成することをすることを特徴としている。
【0008】
上記第2の発明によると、排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁部に設置される旋回羽根の高さが排気ダクト(排気ノズル)後方の旋回羽根の終点に向けて徐々に高くなり、旋回羽根の終点にて最大となるため、排気ダクト(排気ノズル)前端にて発生する旋回流の大きさもまた、排気ダクト(排気ノズル)後方の旋回羽根の終点にて徐々に大きくなり、排気ダクト(排気ノズル)後方の旋回羽根の終点にて最大となる。一方、旋回羽根の高さを高くすると、排気ダクト(排気ノズル)前端において旋回させる空気は、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。そして排気ダクト(排気ノズル)の外側の外壁部に設置される旋回羽根の高さが旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるようにしている。一方、旋回羽根の高さを高くすると、排気ダクト(排気ノズル)前端部分において旋回させる空気は、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。しかし、旋回羽根を上記のような構成とすることで、乱流をできるだけ抑えながら、効果的に旋回流が発生するようになる。
【0017】
請求項3に記載の第3の発明は、推進空気を生成させるため外気をエンジン内または燃焼室に導入させる圧縮圧の異なった複数の圧縮ターボファン設備と前記圧縮ターボファン設備を駆動させるために高圧の燃焼ガスによって駆動される複数の駆動用タービン設備を備え、燃料供給手段により燃焼室に燃料を供給する設備と燃焼室設備とを備える一連の燃焼設備を備え、この一連の燃焼設備を収納するカウリングを備えたターボファンジェットエンジンにおいて、前記エンジンを収納するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側部分において、半径方向外側に突出する旋回羽根を、外側の外壁部に沿って螺旋状に設け、螺旋状とした前記旋回羽根のねじれ角αは前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の前端から同エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の後端に向けて徐々に大きくなるように前記旋回羽根の終了地点にて、ねじれ角αを最大とした前記旋回羽根を設け、前記旋回羽根の側面部を、前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の半径方向から旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させ、前記旋回羽根の断面形状が、同旋回羽根の突端部からエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外壁部に近づくにつれて徐々に幅広となるように形成することにより、前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の外壁部に沿って流れる低圧コンプレッサーから排出された空気を流速の早い流動空気に誘導するように旋回させながら、前記エンジンの後方へ排出させるように構成することを特徴としている。
【0018】
上記第3の発明によると、ターボファンジェットエンジンを収納格納するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外周を沿ってを流れる空気が、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の前端部分を流れる際に、そのエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外壁部近傍の空気は、螺旋状の旋回羽根に沿うように回転方向に曲げられ旋回流として流れる。このとき、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外壁部近傍の空気には円周方向の流れ成分が与えられ、次第にその円周方向に旋回するようになる。こうした旋回羽根の作用により、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外壁部近傍を流れる空気には、エンジン内の低圧圧縮コンプレッサーと同じ回転方向の旋回流が発生する。そして、この旋回流により旋回しながら空気は、境界層を生成することなくターボファンジェットエンジンの後方へ排出され、排気ダクト(排気ノズル)から排出されるジェット排気と混合される。この旋回羽根の形状は、旋回羽根のねじれ角αがエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の後端に向かうにつれて徐々に大きくなり、旋回羽根の終点にて最大となるため、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)前端部分にて発生する旋回流の大きさもまた、旋回羽根の終点にて徐々に大きくなり、旋回羽根の終点にて最大となる。一方、旋回羽根のねじれ角αを大きくすると、その旋回羽根に沿って流れる空気による気体は円周方向の速度成分がより大きくなる反面、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。しかし、旋回羽根を上記のような構成とすることで、乱流をできるだけ抑えながら、効果的に旋回流が発生するようになる。旋回羽根の傾きは、旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させて、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外壁周辺を流れる空気に旋回流を生じさせるとともに、このエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外壁周辺を流れる空気をエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外壁部付近からそのエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の後端部分へと流れるよう案内する。これにより、旋回羽根が直接作用しない周辺の空気においても、弱いながらも旋回流が効果的に発生するようになる。また、一般的に旋回流を発生させると外に向かうにつれて旋回流が起きにくくなる傾向にある。しかし、上記のように構成された旋回羽根は、周辺の空気にも弱いながらも旋回流へと誘導するためエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)周辺を流れる気体全体の流れがよりスムーズになる。また旋回羽根の断面が末広がり状となるように形成することで、旋回羽根自体の強度及びその取り付け強度が十分に確保され、鋳造など比較的容易な方法による一体形成が可能となる。
【0019】
請求項4に記載の第4の発明は、第3の発明の構成に加え、前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の外壁部に設置される前記旋回羽根の突端部までの高さが、前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の前端にある前記旋回羽根の始点の高さをゼロとして同エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の後端に向けて徐々に高くなるように形成し、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるように形成することをすることを特徴としている。
【0020】
上記第4の発明によると、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の外壁部に設置される旋回羽根の高さがエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)後端部分の旋回羽根の終点に向けて徐々に高くなり、旋回羽根の終点にて最大となるため、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)前端部分にて発生する旋回流の大きさもまた、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)後端部分の旋回羽根の終点にて徐々に大きくなり、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)後端部分の旋回羽根の終点にて最大となる。一方、旋回羽根の高さを高くすると、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)前端部分において旋回させる空気は、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。そしてエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の外壁部に設置される旋回羽根の高さが旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるようにしている。一方、旋回羽根の高さを高くすると、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)前端部分において旋回させる空気は、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。しかし、旋回羽根を上記のような構成とすることで、乱流をできるだけ抑えながら、効果的に旋回流が発生するようになる。
【0029】
請求項5に記載の第5の発明は、推進空気を生成させるため外気をエンジン内または燃焼室に導入させる圧縮圧の異なった複数の圧縮ターボファン設備と前記圧縮ターボファン設備を駆動させるために高圧の燃焼ガスによって駆動される複数の駆動用タービン設備を備え、燃料供給手段により燃焼室に燃料を供給する設備と燃焼室設備とを備える一連の燃焼設備を備え、この一連の燃焼設備を収納するカウリングを備えたターボファンジェットエンジンにおいて、前記エンジンを収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側後方部分において、半径方向外側に突出する旋回羽根を、外側の外壁部に沿って螺旋状に設け、螺旋状とした前記旋回羽根のねじれ角αは前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の中間位置から同前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後端に向けて徐々に大きくなるように前記旋回羽根の終了地点にて、ねじれ角αを最大とした前記旋回羽根を設け、前記旋回羽根の側面部を、前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の半径方向から旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させ、前記旋回羽根の断面形状が、同旋回羽根の突端部から前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外壁部に近づくにつれて徐々に幅広となるように形成することにより、前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側の外壁部に沿って流れる空気を旋回させ外壁部から離れた周辺空気に対しても旋回させるように誘導を行い前記エンジンの後方へ排出させるように構成することを特徴としている。
【0030】
上記第5の発明によると、ターボファンジェットエンジンを収納格納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外周を沿ってを流れる空気が、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後方部分を流れる際に、そのファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後方外壁部近傍の空気は、螺旋状の旋回羽根に沿うように回転方向に曲げられ旋回流として流れる。このとき、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後方外壁部近傍の空気には円周方向の流れ成分が与えられ、次第にその円周方向に旋回するようになる。こうした旋回羽根の作用により、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後方外壁部近傍を流れる空気には、エンジン内の低圧圧縮コンプレッサーと同じ回転方向の旋回流が発生する。そして、この旋回流により旋回しながら空気は、境界層を生成することなくターボファンジェットエンジンの後方へ排出され、排気ダクト(排気ノズル)から排出されるジェット排気と混合される。この旋回羽根の形状は、旋回羽根のねじれ角αがファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後端に向かうにつれて徐々に大きくなり、旋回羽根の終点にて最大となるため、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の中間位置部分にて発生する旋回流の大きさもまた、旋回羽根の終点にて徐々に大きくなり、旋回羽根の終点にて最大となる。一方、旋回羽根のねじれ角αを大きくすると、その旋回羽根に沿って流れる空気による気体は円周方向の速度成分がより大きくなる反面、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。しかし、旋回羽根を上記のような構成とすることで、乱流をできるだけ抑えながら、効果的に旋回流が発生するようになる。
旋回羽根の傾きは、旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させて、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外壁周辺を流れる空気に旋回流を生じさせるとともに、このファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外壁周辺を流れる空気をファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外壁部付近からそのファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後端部分へと流れるよう案内する。これにより、旋回羽根が直接作用しない周辺の空気においても、弱いながらも旋回流が効果的に発生するようになる。また、一般的に旋回流を発生させると外に向かうにつれて旋回流が起きにくくなる傾向にある。しかし、上記のように構成された旋回羽根は、周辺の空気にも弱いながらも旋回流へと誘導するためファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)周辺を流れる気体全体の流れがよりスムーズになる。また旋回羽根の断面が末広がり状となるように形成することで、旋回羽根自体の強度及びその取り付け強度が十分に確保され、鋳造など比較的容易な方法による一体形成が可能となる。
【0031】
請求項6に記載の第6の発明は、第5の発明の構成に加え、前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側後方部分の外壁部に設置される前記旋回羽根の突端部までの高さが、前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の中間位置にある前記旋回羽根の始点の高さをゼロとして同前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後端に向けて徐々に高くなるように形成し、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるように形成することをすることを特徴としている。
【0032】
上記第6の発明によると、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側の外壁部に設置される旋回羽根の高さがファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)後端部分の旋回羽根の終点に向けて徐々に高くなり、旋回羽根の終点にて最大となるため、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)中間位置にて発生する旋回流の大きさもまた、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)後端部分の旋回羽根の終点にて徐々に大きくなり、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)後端部分の旋回羽根の終点にて最大となる。一方、旋回羽根の高さを高くすると、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)中間位置部分において旋回させる空気は、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。そしてファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側後方部分の外壁部に設置される旋回羽根の高さが旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるようにしている。一方、旋回羽根の高さを高くすると、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)中間位置部分において旋回させる空気は、周辺空気との抵抗がそれだけ大きくなり、気流の差が生じて乱流となる傾向がある。しかし、旋回羽根を上記のような構成とすることで、乱流をできるだけ抑えながら、効果的に旋回流が発生するようになる。
【0045】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、第1及至第6の発明をターボジェットエンジン(以下エンジン)における一連の燃焼設備であるエンジン内の燃焼室から推進力として排気される排気ジェットが通過する排気ダクト(排気ノズル)の外側部分において、この排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁部に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本第1実施形態におけるエンジンの主要部を示す断面図であり、図2及び図3は排気ダクト(排気ノズル)の外側の部分図である。
【0046】
第1実施形態のターボジェットエンジン(以下はエンジン)の基本的構造は、圧縮機、燃焼室、タービンの3つで構成されている。エンジン11前方から入った空気は、エンジン内11の低圧コンプレッサー13を通過し、その一部の空気を燃焼用空気として中圧コンプレッサー14次に高圧コンプレッサー15による一連の圧縮機にて圧縮されて燃焼室16に入る。この燃焼室16にて燃焼用空気に燃料を噴射すると、一気に燃焼して高温高圧の燃焼ガスが生成される。この高温高圧の燃焼ガスがタービンを回して駆動力として圧縮機を作動させ、またエンジン11後方に激しく噴出して推進力となる。タービンは、燃焼室から順に高圧タービン17次に中圧タービン18そして低圧タービン19が設置されている。一方、エンジン内11の低圧コンプレッサー13を通過し、燃焼室16に導入されない他の圧縮空気はバイパス空気としてエンジン11後方に噴出され、低圧タービン19から噴出する高温高圧の燃焼ガスと合流し共にジェットエンジンの推進力として噴出される。これら構成からなる一連の燃焼設備であるエンジン内の燃焼室から推進力として排気される排気ジェットが通過する排気ダクト(排気ノズル)23の外側部分において、この排気ダクト(排気ノズル)23の外周を沿ってを流れる空気に対して旋回流を与えるために、この排気ダクト(排気ノズル)23の外側の外壁部分に螺旋状の旋回羽根35が設けられている。
【0047】
続いて、本発明の特徴部分である排気ダクト(排気ノズル)23の外側の外壁部分の構成について詳細に説明する。図3は図2において排気ダクト(排気ノズル)の外側の外壁部分の部分図であり、図4の(G),(H),(J)は排気ダクト(排気ノズル)23の外側の前面部分の外壁に設けられる旋回羽根35の1つを、それぞれ矢印G,矢印Hの方向から概略的に示す図であり、またはJについてはJ−J間で破断して示す断面図である。図5及び図6は排気ダクト(排気ノズル)23の外側の外壁部分の断面図である。
【0048】
図3に示すように、排気ダクト(排気ノズル)23は、エンジンの形状に合わせ円形の筒状に形成され、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22にて固定されている。排気ダクト(排気ノズル)23の外側外壁には、複数枚(図では6枚)の旋回羽根35が一定の間隔で設けられる。各旋回羽根35は、排気ダクト(排気ノズル)23の外側外壁を流れる空気が、R方向に旋回するように、排気ダクト(排気ノズル)23外側外壁部に沿って旋回方向Rに曲げられ螺旋状に設けられる。
【0049】
図4の(G)〜(J)に示すように、旋回羽根35は複雑なねじれ羽根状に形成される。旋回羽根35は、まず、排気ダクト(排気ノズル)23の外側の外壁部から突端部38までの高さが、すなわち排気ダクト(排気ノズル)の先端位置から排気ダクト(排気ノズル)23後部に向かうにつれて、徐々に高くなるように形成される。そして、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根35の高さをピーク36とし、その後は旋回羽根35の高さを徐々に低くなるように形成される。また、旋回羽根35は、排気ダクト(排気ノズル)23の軸線方向に対するねじれ角αが、すなわち排気ダクト(排気ノズル)23の先端位置から排気ダクト(排気ノズル)23後部に向かうにつれて、徐々に大きくなるようにして設けられる。さらに、旋回羽根35は、その突端部38の位置を、排気ダクト(排気ノズル)23の半径方向から旋回方向Rに沿って、傾斜角βだけ傾斜させ、側面部37が傾斜した状態となるようにして設けられる。
【0050】
次いで、上記のように構成される排気ダクト(排気ノズル)23の外側外壁部分の作用及び効果について説明する。
【0051】
航行中の航空機において、低圧コンプレッサー13の稼動により吸い込まれる燃焼用空気または空気内、燃焼用空気は燃焼室へ流れ、他の空気はバイパス空気として吸気通路の吸い込み口部21を通じて低圧コンプレッサー13から圧縮空気として排出される。このとき、排気ダクト(排気ノズル)23の外側外壁近傍を流れる空気は一部が旋回羽根35の側面部37に当たり、螺旋状に設けられた旋回羽根35の側面部37に沿って流れる。これにより、空気には円周方向Rの流れ成分が与えられ、次第にその円周方向Rに旋回するようになる。そして、旋回流となって排気ダクト(排気ノズル)23後方に進む空気は、旋回流の流れを維持しながら周辺の空気にも旋回流を与えながら排気ダクト(排気ノズル)23後方へと流れていく。通常の航空機のエンジン11の燃焼室から推進力として排気される排気ジェットと低圧コンプレッサー13から排出されるバイパス空気及び周辺大気とが混合されるときに圧力損失が発生する。しかし、本実施形態のように、予め排気ダクト(排気ノズル)23周辺の空気に旋回流を与えて排気ダクト(排気ノズル)23後方へと流れるようにすれば、互いの空気混合が円滑に推進され、空気が混合する時に生じる損失をある程度低減させることができる。
【0052】
また、実際に排気ダクト(排気ノズル)23の外側外壁周辺を流れる空気が、整流状態となっていることはほとんどない。特に、空気が最初に直面する排気ダクト(排気ノズル)23の前方部分では、一時的に激しい乱流状態となり、この乱流による気流抵抗によって、排気ダクト(排気ノズル)23の後方へと流す空気の流速や圧力など種々の損失が発生し、ひいては推進力の低下を生じていると考えられる。しかし、本実施形態では、旋回羽根35の旋回流を与える作用により、流れに方向性が与えられるため、激しい乱流状態を解消し、あるいはその程度を緩和することができる。
【0053】
さらに、排気ダクト(排気ノズル)23の外側前面の外壁に対して、旋回羽根35を上述したような構成とすることにより、旋回流を効果的に発生させることができる。すなわち、旋回羽根35の高さが排気ダクト(排気ノズル)23後方へと向かうにつれて徐々に高くなっており、かつ、旋回羽根35のねじれ角αが排気ダクト(排気ノズル)23後方へと向かうにつれて徐々に大きくなっているため、旋回羽根35による流速の損失の影響をできるだけ抑えながら、旋回羽根終了地点にてその大きさが最大となるようにして旋回流を発生させることができる。
【0054】
さらに、旋回羽根35が傾斜角βだけ傾斜させて設けると共に、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根35の高さをピーク36とし、その後は旋回羽根35の高さを徐々に低くさせることにより、排気ダクト(排気ノズル)23の外側前面の外壁部付近における気体の流れが、その排気ダクト(排気ノズル)23から外方向に向かうようになるため、旋回羽根35の作用が直接及ばない排気ダクト(排気ノズル)23周辺付近の空気にも旋回流を発生させることができる。また、流速が遅い排気ダクト(排気ノズル)23の外側外壁部付近の気体が、乱流の発生を抑制させながら流速が速い周辺付近の流動空気に誘導されるため、排気ダクト(排気ノズル)23の外側外壁部付近の流体全体の流れをよりスムーズにすることができる。
【0055】
以上のように、本第1実施形態である燃焼設備であるエンジン内の燃焼室から推進力として排気される排気ジェットが通過する排気ダクト(排気ノズル)23の外側部分の外壁構造によれば、排気ダクト(排気ノズル)23の外側の外壁付近の直接作用する空気に対して、空気に旋回流を発生させることにより、その際に生じる種々の損失を低減させることができ、これにより排気ダクト(排気ノズル)23外壁周辺の空気の境界層を層流に保ったり、または境界層剥離を向上を向上させることができる。
【0056】
なお、本発明のエンジン11を収納する排気ダクト(排気ノズル)23の外側の外壁構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載された内容を逸脱しない範囲内において変更が可能である。例えば、次に示すような構成とすることもできる。
【0057】
旋回羽根35の大きさや形状、あるいはその取り付け枚数や場所といった条件は適宜変更が可能であり、排気ダクト(排気ノズル)23の形式や排気ダクト(排気ノズル)23の外側の外径、旋回流強度、などに応じて、最適の流れ(旋回流)が得られるように設計してもよい。例えば、図6に示すように、旋回羽根35の断面が略三角形状となるように形成してもよい。この場合、旋回羽根35の裏側に半ば閉塞した空間が生じることがないため、旋回羽根35の裏側に回り込んだ気体がそこで滞り、気体全体のスムーズな流れを阻害するような状態が発生するのを回避することができる。また、旋回羽根35をこのような形状とした場合、旋回羽根35自体の強度やその取り付け強度が増すことから、旋回羽根35と排気ダクト(排気ノズル)23の外壁を鋳造などの方法により一体成形して製作することができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、第7及至第12の発明をターボジェットエンジン(以下エンジン)における一連の燃焼設備であるエンジン11を収納するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)において、このエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の外壁に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図7は本第2実施形態におけるエンジンの主要部を示す概略図であり、図8はエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の外壁の部分図である。
【0059】
第2実施形態のターボジェットエンジン(以下はエンジン)の基本的構造は、図1と同様に、圧縮機、燃焼室、タービンの3つで構成されている。エンジン11前方から入った空気は、エンジン内11の低圧コンプレッサー13を通過し、その一部の空気を燃焼用空気として中圧コンプレッサー14次に高圧コンプレッサー15による一連の圧縮機にて圧縮されて燃焼室16に入る。この燃焼室16にて燃焼用空気に燃料を噴射すると、一気に燃焼して高温高圧の燃焼ガスが生成される。この高温高圧の燃焼ガスがタービンを回して駆動力として圧縮機を作動させ、またエンジン11後方に激しく噴出して推進力となる。タービンは、燃焼室から順に高圧タービン17次に中圧タービン18そして低圧タービン19が設置されている。一方、エンジン内11の低圧コンプレッサー13を通過し、燃焼室16に導入されない他の圧縮空気はバイパス空気としてエンジン11後方に噴出され、低圧タービン19から噴出する高温高圧の燃焼ガスと合流し共にジェットエンジンの推進力として噴出される。これら構成からなる一連の燃焼設備であるエンジン11を収納するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22において、このエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外周を沿ってを流れる空気に対して旋回流を与えるために、このエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁に螺旋状の旋回羽根45が設けられている。
【0060】
続いて、本発明の特徴部分であるエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側外壁の構成について詳細に説明する。図8は図7においてエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の部分図であり、図9の(K),(L),(M)はエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁に設けられる旋回羽根45の1つを、それぞれ矢印K,矢印Lの方向から概略的に示す図であり、またはMについてはM−M間で破断して示す断面図である。図10及び図11はエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の断面図である。
【0061】
図7に示すように、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側外壁は、エンジン11を覆うように円形の筒状に形成され、上部はファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12を経てパイロン20によって主翼に固定されている。エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁には、複数枚(図では6枚)の旋回羽根45が一定の間隔で設けられる。各旋回羽根45は、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の前面部分の外壁を流れる空気が、R方向に旋回するように、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁部に沿って旋回方向Rに曲げられ螺旋状に設けられる。
【0062】
図9の(K)〜(M)に示すように、旋回羽根45は複雑なねじれ羽根状に形成される。旋回羽根45は、まず、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁部から突端部48までの高さが、すなわちエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の先端位置からエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22後部に向かうにつれて、徐々に高くなるように形成される。そして、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根45の高さをピーク46とし、その後は旋回羽根45の高さを徐々に低くなるように形成される。また、旋回羽根45は、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の軸線方向に対するねじれ角αが、すなわちエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の先端位置からエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22後部に向かうにつれて、徐々に大きくなるようにして設けられる。さらに、旋回羽根45は、その突端部48の位置を、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の半径方向から旋回方向Rに沿って、傾斜角βだけ傾斜させ、側面部47が傾斜した状態となるようにして設けられる。
【0063】
次いで、上記のように構成されるエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁部分の作用及び効果について説明する。
【0064】
航行中の航空機において、エンジン11の低圧コンプレッサーから排出された圧縮空気であるバイパス空気は、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁上面を通過してエンジン11の後方へと排出される。このとき、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁近傍を流れる空気は一部が旋回羽根45の側面部47に当たり、螺旋状に設けられた旋回羽根45の側面部47に沿って流れる。これにより、空気には円周方向Rの流れ成分が与えられ、次第にその円周方向Rに旋回するようになる。そして、旋回流となってエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22後方に進む空気は、旋回流の流れを維持しながら周辺の空気にも旋回流を与えながらエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22後方へと流れていく。通常の航空機のエンジン11を収納するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側外壁周辺には低圧コンプレッサーから排出されたバイパス空気と周辺大気との空気抵抗による流れの損失が発生する。しかし、本実施形態のように、予めエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外壁上面を流れる低圧コンプレッサーから排出されたバイパス空気に旋回流を与えてエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22後方へと流れるようにすれば、このような空気抵抗による損失をある程度低減させることができる。
【0065】
また、実際にエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側外壁周辺を流れる空気が、整流状態となっていることはほとんどない。特に、低圧コンプレッサーから排出されたバイパス空気と周辺大気とが接触する部分では、一時的に激しい乱流状態となり、この乱流による気流抵抗によって、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の後方へと流す空気の流速や圧力など種々の損失が発生し、ひいては推進力の低下を生じていると考えられる。しかし、本実施形態では、旋回羽根45の旋回流を与える作用により、流れに方向性が与えられるため、激しい乱流状態を解消し、あるいはその程度を緩和することができる。
【0066】
さらに、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁に対して、旋回羽根45を上述したような構成とすることにより、旋回流を効果的に発生させることができる。すなわち、旋回羽根45の高さがエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22後方へと向かうにつれて徐々に高くなっており、かつ、旋回羽根45のねじれ角αがエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22後方へと向かうにつれて徐々に大きくなっているため、旋回羽根45による流速の損失の影響をできるだけ抑えながら、旋回羽根終了地点にてその大きさが最大となるようにして旋回流を発生させることができる。
【0067】
さらに、旋回羽根45が傾斜角βだけ傾斜させて設けると共に、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根45の高さをピーク46とし、その後は旋回羽根45の高さを徐々に低くさせることにより、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁部付近における気体の流れが、そのエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22から外方向に向かうようになるため、旋回羽根45の作用が直接及ばないエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22周辺付近の空気にも旋回流を発生させることができる。また、流速が遅いエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側外壁部付近の気体が、乱流の発生を抑制させながら流速が速い周辺付近の流動空気に誘導されるため、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側外壁部付近の流体全体の流れをよりスムーズにすることができる。
【0068】
以上のように、本第2実施形態のエンジン11を収納するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外壁構造によれば、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側前方の外壁付近の直接作用する空気に対して、空気に旋回流を発生させることにより、その際に生じる種々の損失を低減させることができ、これによりエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22外壁周辺の空気の境界層を層流に保ったり、または境界層剥離を向上を向上させることができる。
【0069】
なお、本発明のエンジン11を収納するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22外側の外壁構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載された内容を逸脱しない範囲内において変更が可能である。例えば、次に示すような構成とすることもできる。
【0070】
旋回羽根45の大きさや形状、あるいはその取り付け枚数や場所といった条件は適宜変更が可能であり、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の形式やエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外側の外径、旋回流強度、などに応じて、最適の流れ(旋回流)が得られるように設計してもよい。例えば、図11に示すように、旋回羽根45の断面が略三角形状となるように形成してもよい。この場合、旋回羽根45の裏側に半ば閉塞した空間が生じることがないため、旋回羽根45の裏側に回り込んだ気体がそこで滞り、気体全体のスムーズな流れを阻害するような状態が発生するのを回避することができる。また、旋回羽根45をこのような形状とした場合、旋回羽根45自体の強度やその取り付け強度が増すことから、旋回羽根45とエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外壁を鋳造などの方法により一体成形して製作することができる。
【0071】
(第3実施形態)
次に、第13及至第18の発明をターボジェットエンジン(以下エンジン)における一連の燃焼設備であるエンジン11を収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12において、このファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方部に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図12は本第3実施形態におけるエンジンの主要部を示す概略図であり、図13はファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方の部分図である。
【0072】
第2実施形態のターボジェットエンジン(以下はエンジン)の基本的構造は、図1と同様に、圧縮機、燃焼室、タービンの3つで構成されている。エンジン11前方から入った空気は、エンジン内11の低圧コンプレッサー13を通過し、その一部の空気を燃焼用空気として中圧コンプレッサー14次に高圧コンプレッサー15による一連の圧縮機にて圧縮されて燃焼室16に入る。この燃焼室16にて燃焼用空気に燃料を噴射すると、一気に燃焼して高温高圧の燃焼ガスが生成される。この高温高圧の燃焼ガスがタービンを回して駆動力として圧縮機を作動させ、またエンジン11後方に激しく噴出して推進力となる。タービンは、燃焼室から順に高圧タービン17次に中圧タービン18そして低圧タービン19が設置されている。一方、エンジン内11の低圧コンプレッサー13を通過し、燃焼室16に導入されない他の圧縮空気はバイパス空気としてエンジン11後方に噴出され、低圧タービン19から噴出する高温高圧の燃焼ガスと合流し共にジェットエンジンの推進力として噴出される。これら構成からなる一連の燃焼設備であるエンジン11を収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12において、このファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外周を沿ってを流れる空気に対して旋回流を与えるために、このファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方部分に螺旋状の旋回羽根55が設けられている。
【0073】
続いて、本発明の特徴部分であるファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方部分の構成について詳細に説明する。図13は図12においてファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側後方部分の部分図であり、図14の(N),(P),(Q)はファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側の前面部分の外壁に設けられる旋回羽根55の1つを、それぞれ矢印N,矢印Pの方向から概略的に示す図であり、またはQについてはQ−Q間で破断して示す断面図である。図15及び図16はファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方部分の断面図である。
【0074】
図12に示すように、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)22の外側は、エンジン11を覆うように円形の筒状に形成され、上部はパイロン20によって主翼に固定されている。ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12外側後方部分の外壁には、複数枚(図では6枚)の旋回羽根55が一定の間隔で設けられる。各旋回羽根55は、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方部分の外壁を流れる空気が、R方向に旋回するように、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方部分の外壁部に沿って旋回方向Rに曲げられ螺旋状に設けられる。
【0075】
図14の(N)〜(Q)に示すように、旋回羽根55は複雑なねじれ羽根状に形成される。旋回羽根55は、まず、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方部分の外壁部から突端部58までの高さが、すなわちファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の先端位置からファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12後端部に向かうにつれて、徐々に高くなるように形成される。そして、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根55の高さをピーク56とし、その後は旋回羽根55の高さを徐々に低くなるように形成される。また、旋回羽根55は、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の軸線方向に対するねじれ角αが、すなわちファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の中央位置からファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12後部に向かうにつれて、徐々に大きくなるようにして設けられる。さらに、旋回羽根55は、その突端部58の位置を、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の半径方向から旋回方向Rに沿って、傾斜角βだけ傾斜させ、側面部57が傾斜した状態となるようにして設けられる。
【0076】
次いで、上記のように構成されるファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方外壁部分の作用及び効果について説明する。
【0077】
航行中の航空機において、エンジン11を収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側外壁に直面する空気は、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の前面から後方へと導かれる。このとき、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側の後方外壁近傍を流れる空気は一部が旋回羽根55の側面部57に当たり、螺旋状に設けられた旋回羽根55の側面部57に沿って流れる。これにより、空気には円周方向Rの流れ成分が与えられ、次第にその円周方向Rに旋回するようになる。そして、旋回流となってファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12後方に進む空気は、旋回流の流れを維持しながら周辺の空気にも旋回流を与えながらファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12後方へと流れていく。通常の航空機のエンジン11を収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側外壁周辺には空気抵抗による流れの損失が発生する。しかし、本実施形態のように、予めファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12周辺の空気に旋回流を与えてファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12後方へと流れるようにすれば、このような空気抵抗による損失をある程度低減させることができる。
【0078】
また、実際にファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側外壁周辺を流れる空気が、整流状態となっていることはほとんどない。特に、空気が最初に直面するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外壁上面付近では、一時的に激しい乱流状態となり、この乱流による気流抵抗によってファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の後方へと流す空気の流速や圧力など種々の損失が発生し、ひいては推進力の低下を生じていると考えられる。しかし、本実施形態では、旋回羽根55の旋回流を与える作用により、流れに方向性が与えられるため、激しい乱流状態を解消し、あるいはその程度を緩和することができる。
【0079】
さらに、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方の外壁に対して、旋回羽根55を上述したような構成とすることにより、旋回流を効果的に発生させることができる。すなわち、旋回羽根55の高さがファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12後方へと向かうにつれて徐々に高くなっており、かつ、旋回羽根55のねじれ角αがファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12後方へと向かうにつれて徐々に大きくなっているため、旋回羽根55による流速の損失の影響をできるだけ抑えながら、旋回羽根終了地点にてその大きさが最大となるようにして旋回流を発生させることができる。
【0080】
さらに、旋回羽根55が傾斜角βだけ傾斜させて設けると共に、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根55の高さをピーク36とし、その後は旋回羽根35の高さを徐々に低くさせることにより、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方の外壁部付近における気体の流れが、そのファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12から外方向に向かうようになるため、旋回羽根55の作用が直接及ばないファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12周辺付近の空気にも旋回流を発生させることができる。また、流速が遅いファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側外壁部付近の気体が、乱流の発生を抑制させながら流速が速い周辺付近の流動空気に誘導されるため、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側外壁部付近の流体全体の流れをよりスムーズにすることができる。
【0081】
以上のように、本第3実施形態のエンジン11を収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側前面の外壁構造によれば、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方の外壁付近の直接作用する空気に対して、空気に旋回流を発生させることにより、その際に生じる種々の損失を低減させることができ、これによりファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12外壁周辺の空気の境界層を層流に保ったり、または境界層剥離を向上を向上させることができる。
【0082】
なお、本発明のエンジン11を収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側後方の外壁構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載された内容を逸脱しない範囲内において変更が可能である。例えば、次に示すような構成とすることもできる。
【0083】
旋回羽根55の大きさや形状、あるいはその取り付け枚数や場所といった条件は適宜変更が可能であり、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の形式やファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側の外径、旋回流強度、などに応じて、最適の流れ(旋回流)が得られるように設計してもよい。例えば、図16に示すように、旋回羽根55の断面が略三角形状となるように形成してもよい。この場合、旋回羽根55の裏側に半ば閉塞した空間が生じることがないため、旋回羽根55の裏側に回り込んだ気体がそこで滞り、気体全体のスムーズな流れを阻害するような状態が発生するのを回避することができる。また、旋回羽根55をこのような形状とした場合、旋回羽根55自体の強度やその取り付け強度が増すことから、旋回羽根55とファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外壁を鋳造などの方法により一体成形して製作することができる。
【0084】
なお、本発明は排気ジェットと低圧コンプレッサー13から排出されるバイパス空気及び周辺大気とが混合を円滑に推進させ、各空気が混合する時に生じる損失をある程度低減させる目的から第1実施形態、第2実施形態、第3実施形の各実施形態を併用する方法を用いることが可能である。例えば、次に示すような構成とすることもできる。
【0085】
(1)第1実施形態に記載の排気ダクト(排気ノズル)23に備える旋回羽根35と第3実施形態に記載のファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12に備える旋回羽根55を併用して構成する併用法が挙げられる。この併用法は、排気ダクト(排気ノズル)23の外壁部に螺旋状の旋回羽根35を設け、ターボファンジェットエンジンの低圧コンプレッサー13から排出されたバイパス空気に対して旋回流として流れさせ、かつファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側外壁後方部分にも螺旋状の旋回羽根が設け、エンジン11の周辺を流れる大気に関しても旋回流の流れを与える方法である。旋回流の流れの強さは排気ダクト(排気ノズル)23の外壁上面に流れるバイパス空気が強く、対してファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側外壁後方部分のに流れる気流は弱くなる傾向になる。従ってジェット排気に近づくにつれて旋回流を強くし、離れるに従って徐々に弱まる構造とすることによって低圧コンプレッサー13から排出されるバイパス空気とエンジンの周辺を流れる大気とが円滑に混合が推進され、各空気が混合する時に生じる損失をある程度低減させることができる。
【0086】
(2)第2実施形態に記載のエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22に備える旋回羽根45と第3実施形態に記載のファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12に備える旋回羽根55を併用して構成する併用法が挙げられる。この併用法は、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外壁部に螺旋状の旋回羽根45を設け、ターボファンジェットエンジンの低圧コンプレッサー13から排出されたバイパス空気に対して旋回流として流れさせ、かつファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側外壁後方部分にも螺旋状の旋回羽根55が設け、エンジン11の周辺を流れる大気に関しても旋回流の流れを与える方法である。旋回流の流れの強さはエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)22の外壁上面に流れるバイパス空気が強く、対してファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)12の外側外壁後方部分のに流れる気流は弱くなる傾向になる。従ってジェット排気に近づくにつれて旋回流を強くし、離れるに従って徐々に弱まる構造とすることによって低圧コンプレッサー13から排出されるバイパス空気とエンジンの周辺を流れる大気とが円滑に混合が推進され、各空気が混合する時に生じる損失をある程度低減させることができる。
【0087】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ターボファンジェットエンジンの低圧コンプレッサーから排出されたバイパス空気が、排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁部を沿ってを流れる際に旋回流を与えることにより、排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁表面上の空気における乱流は抑制され、同一方向に気流が流れる層流を保ちながら排気ダクト(排気ノズル)表面の空気を円滑に後方へ排出させることができる。これにより、排気ダクト(排気ノズル)外側外壁表面の気流において種々の損失を低減させることができ、ジェット排気と周辺大気との円滑な混合が促進され、ひいてはターボファンジェットエンジンの負荷の低減を図ることができることにより、ターボファンジェットエンジンの推進力の向上を図ることができる。また旋回羽根自体の強度やその取り付け強度を高める構造ともしている。
【0088】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、流速の損失をできるだけ抑えながら、低圧コンプレッサーからのバイパス空気が直接接触する排気ダクト(排気ノズル)の外側外壁に近いところで効果的に旋回流を発生させることができる。
【0091】
請求項3に記載の発明によれば、ターボファンジェットエンジンの低圧コンプレッサーから排出されたバイパス空気が、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側外壁部を沿ってを流れる際に旋回流を与えることにより、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側外壁表面上の空気における乱流は抑制され、同一方向に気流が流れる層流を保ちながらエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)表面の空気を円滑に後方へ排出させることができる。これにより、エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)外側外壁表面の気流において種々の損失を低減させることができ、ジェット排気と周辺大気との円滑な混合が促進され、ひいてはターボファンジェットエンジンの負荷の低減を図ることができることにより、ターボファンジェットエンジンの推進力の向上を図ることができる。また旋回羽根自体の強度やその取り付け強度を高める構造ともしている。
【0092】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、流速の損失をできるだけ抑えながら、低圧コンプレッサーからのバイパス空気が直接接触するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側外壁に近いところで効果的に旋回流を発生させることができる。
【0095】
請求項5に記載の発明によれば、ターボファンジェットエンジンを収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側後方の外壁に流れる空気に旋回流を与えることにより、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)外壁表面の空気における乱流は抑制され、同一方向に気流が流れる層流を保ちながらファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)表面の空気を円滑に後方へ排出させることができる。これにより、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)外側外壁表面の気流において種々の損失を低減させることができ、ジェット排気と周辺大気との円滑な混合が促進され、ひいてはターボファンジェットエンジンの負荷の低減を図ることができることにより、ターボファンジェットエンジンの推進力の向上を図ることができる。また、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側外壁部付近を流れる流速の遅い気体を、より流速の速い周辺付近の流動空気に誘導することにより、ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側外壁を流れるバイパス空気をスムーズにしてファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)後方へ乱流を押さえ、かつ層流を保ちながら効率良く流れ込ませることができる。そして旋回羽根自体の強度やその取り付け強度を高める構造としている。
【0096】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果に加え、流速の損失をできるだけ抑えながら、ターボファンジェットエンジンの外側を流れる周辺大気が直接接触するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側外壁に近いところで効果的に旋回流を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態に共通するターボジェットエンジンの概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明を具体化した第1実施形態であるターボジェットエンジンの概略図である。
【図3】本発明を具体化した第1実施形態であるターボジェットエンジンの排気ダクト(排気ノズル)の概略図である。
【図4】同ターボジェットエンジンの排気ダクト(排気ノズル)外側外壁部分における旋回羽根の1つを、それぞれ異なる方向から概略的に示す図であって、(G)は矢印Gの方向から示す図であり、(H)は矢印Hの方向から示す図であり、(J)はJ−J間で破断して示す断面図である。
【図5】同ターボジェットエンジンの排気ダクト(排気ノズル)部分の部分断面図である。
【図6】本発明を具体化した別の実施形態であるターボジェットエンジンの排気ダクト(排気ノズル)部分を、図5と同様に示す部分断面図である。
【図7】本発明を具体化した第2実施形態であるターボジェットエンジンの概略図である。
【図8】本発明を具体化した第2実施形態であるターボジェットエンジンのエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の概略図である。
【図9】同ターボジェットエンジンのエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)外側外壁部分における旋回羽根の1つを、それぞれ異なる方向から概略的に示す図であって、(K)は矢印Kの方向から示す図であり、(L)は矢印Lの方向から示す図であり、(M)はM−M間で破断して示す断面図である。
【図10】同ターボジェットエンジンのエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)部分の部分断面図である。
【図11】本発明を具体化した別の実施形態であるターボジェットエンジンのエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)部分を、図10と同様に示す部分断面図である。
【図12】本発明を具体化した第3実施形態であるターボジェットエンジンの概略図である。
【図13】本発明を具体化した第1実施形態であるターボジェットエンジンのファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の概略図である。
【図14】同ターボジェットエンジンのファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)外側外壁部分における旋回羽根の1つを、それぞれ異なる方向から概略的に示す図であって、(N)は矢印Nの方向から示す図であり、(P)は矢印Pの方向から示す図であり、(Q)はQ−Q間で破断して示す断面図である。
【図15】同ターボジェットエンジンのファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)部分の部分断面図である。
【図16】本発明を具体化した別の実施形態であるターボジェットエンジンのファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)部分を、図15と同様に示す部分断面図である。
【図17】本発明を具体化した別の実施形態であるターボジェットエンジンの概略図である。
【図18】本発明を具体化した別の実施形態であるターボジェットエンジンの概略図である。
【符号の説明】
11 ターボジェットエンジン
12 ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)
13 低圧コンプレッサー
14 中圧コンプレッサー
15 高圧コンプレッサー
16 燃焼室
17 高圧タービン
18 中圧タービン
19 低圧タービン
20 パイロン
21 エンジン内の吸気通路部の吸い込み口部(吸気口部)
22 エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)
23 排気ダクト(排気ノズル)
35 排気ダクト(排気ノズル)外側外壁における旋回羽根
36 排気ダクト(排気ノズル)外側外壁における旋回羽根のピーク地点
37 排気ダクト(排気ノズル)外側外壁における旋回羽根側面部
38 排気ダクト(排気ノズル)外側外壁における旋回羽根突端部
45 エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)外側外壁における旋回羽根
46 エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)外側外壁における旋回羽根のピーク地点
47 エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)外側外壁における旋回羽根側面部
48 エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)外側外壁における旋回羽根突端部
55 ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)外側後方の外壁における旋回羽根
56 ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)外側後方の外壁における旋回羽根のピーク地点
57 ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)外側後方の外壁における旋回羽根側面部
58 ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)外側後方の外壁における旋回羽根突端部
R 旋回方向
F 吸気通路内の吸気の進行方向
Claims (6)
- 推進空気を生成させるため外気をエンジン内または燃焼室に導入させる圧縮圧の異なった複数の圧縮ターボファン設備と前記圧縮ターボファン設備を駆動させるために高圧の燃焼ガスによって駆動される複数の駆動用タービン設備を備え、燃料供給手段により燃焼室に燃料を供給する設備と燃焼室設備とを備える一連の燃焼設備を備え、この一連の燃焼設備を収納するカウリングを備えたターボファンジェットエンジンにおいて、前記エンジン内または前記燃焼室から推進力として排気される排気ジェットが通過する排気ダクト(排気ノズル)の外側部分において、半径方向外側に突出する旋回羽根を、外側の外壁部に沿って螺旋状に設け、螺旋状とした前記旋回羽根のねじれ角αは前記排気ダクト(排気ノズル)の前端から同排気ダクト(排気ノズル)の後端に向けて徐々に大きくなるように前記旋回羽根の終了地点にて、ねじれ角αを最大とした前記旋回羽根を設け、その前記旋回羽根の側面部を、前記排気ダクト(排気ノズル)の半径方向から旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させ、前記旋回羽根の断面形状が、同旋回羽根の突端部から前記排気ダクト(排気ノズル)の外壁部に近づくにつれて徐々に幅広となるように形成することにより、前記排気ダクト(排気ノズル)の外側の外壁部に沿って流れる低圧コンプレッサーから排出された空気を流速の早い流動空気に誘導するように旋回させながら、前記エンジンの後方へ排出させるように構成することを特徴とするターボファンジェットエンジン。
- 前記排気ダクト(排気ノズル)の外側の外壁部に設置される前記旋回羽根の突端部までの高さが、前記排気ダクト(排気ノズル)の前端にある前記旋回羽根の始点の高さをゼロとして同排気ダクト(排気ノズル)の後端に向けて徐々に高くなるように形成し、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるように形成することをすることを特徴とする請求項1に記載のターボファンジェットエンジン。
- 推進空気を生成させるため外気をエンジン内または燃焼室に導入させる圧縮圧の異なった複数の圧縮ターボファン設備と前記圧縮ターボファン設備を駆動させるために高圧の燃焼ガスによって駆動される複数の駆動用タービン設備を備え、燃料供給手段により燃焼室に燃料を供給する設備と燃焼室設備とを備える一連の燃焼設備を備え、この一連の燃焼設備を収納するカウリングを備えたターボファンジェットエンジンにおいて、前記エンジンを収納するエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側部分において、半径方向外側に突出する旋回羽根を、外側の外壁部に沿って螺旋状に設け、螺旋状とした前記旋回羽根のねじれ角αは前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の前端から同エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の後端に向けて徐々に大きくなるように前記旋回羽根の終了地点にて、ねじれ角αを最大とした前記旋回羽根を設け、前記旋回羽根の側面部を、前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の半径方向から旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させ、前記旋回羽根の断面形状が、同旋回羽根の突端部からエンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外壁部に近づくにつれて徐々に幅広となるように形成することにより、前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の外壁部に沿って流れる低圧コンプレッサーから排出された空気を流速の早い流動空気に誘導するように旋回させながら、前記エンジンの後方へ排出させるように構成することを特徴とするターボファンジェットエンジン。
- 前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の外側の外壁部に設置される前記旋回羽根の突端部までの高さが、前記エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の前端にある前記旋回羽根の始点の高さをゼロとして同エンジン・コア・カウル(インナー・カウル)の後端に向けて徐々に高くなるように形成し、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるように形成することをすることを特徴とする請求項3に記載のターボファンジェットエンジン。
- 推進空気を生成させるため外気をエンジン内または燃焼室に導入させる圧縮圧の異なった複数の圧縮ターボファン設備と前記圧縮ターボファン設備を駆動させるために高圧の燃焼ガスによって駆動される複数の駆動用タービン設備を備え、燃料供給手段により燃焼室に燃料を供給する設備と燃焼室設備とを備える一連の燃焼設備を備え、この一連の燃焼設備を収納するカウリングを備えたターボファンジェットエンジンにおいて、前記エンジンを収納するファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側後方部分において、半径方向外側に突出する旋回羽根を、外側の外壁部に沿って螺旋状に設け、螺旋状とした前記旋回羽根のねじれ角αは前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の中間位置から同前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後端に向けて徐々に大きくなるように前記旋回羽根の終了地点にて、ねじれ角αを最大とした前記旋回羽根を設け、前記旋回羽根の側面部を、前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の半径方向から旋回流の回転方向側に傾斜角βだけ傾斜させ、前記旋回羽根の断面形状が、同旋回羽根の突端部から前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外壁部に近づくにつれて徐々に幅広となるように形成することにより、前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側の外壁部に沿って流れる空気を旋回させ外壁部から離れた周辺空気に対しても旋回させるように誘導を行い前記エンジンの後方へ排出させるように構成することを特徴とするターボファンジェットエンジン。
- 前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の外側後方部分の外壁部に設置される前記旋回羽根の突端部までの高さが、前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の中間位置にある前記旋回羽根の始点の高さをゼロとして同前記ファン・リバーサー・カウル(アウター・カウル)の後端に向けて徐々に高くなるように形成し、旋回羽根終了地点の手前において、旋回羽根の高さを最大ピークとし、その後は旋回羽根の高さを徐々に低くなるように形成することをすることを特徴とする請求項5に記載のターボファンジェットエンジン。
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