JP4101028B2 - 集排水装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は地中に埋設され、地下水や浸透してくる雨水を集排水する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より造成地や崖等の擁壁に埋設した水抜管に接続し、しかも擁壁の背面土に埋設する集排水装置として多孔管が知られている。
【0003】
従来例の場合、集水口が小径孔やスリットであると、水とともに流動する土砂粒により目詰まりを生じ、集水効率が低く、また集水口を大径孔にすると、砂利および土の塊、夾雑物等で砂利級の大きさの固形物(以下、砂利等とする)が管内に流れ込み、管が詰って排水効率が悪い。なお集水口の孔径を、砂利より小さい土砂粒を通すが、砂利を通さない大きさにしても水抜管から多量の泥水が排水され、良い環境を保つことができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記中空体に前記砂利等の流れ込みを阻止できるようにするとともに土砂粒の流れ込みを極力阻止し、真水に近い排水を可能にすることを課題とする。
【0005】
また本発明は集水効率を良好にし、さらに複数の集排水装置を間隔をおいて連結できるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は中空体の上面に複数の突板を間隔をおき、かつ縦横に突設して複数の透孔を有する砂利流入防止用のスクリーンを形成し、前記スクリーン間に螺旋状に巻回した金属線を圧入することを特徴とするものである。
【0007】
ここに砂利等はスクリーンおよび前記金属線により前記中空体に入りこめず、また砂利より小さい土砂粒も前記金属線のフィルター作用により中空体内に入りにくく、前記中空体からは真水に近い水が排出される。
【0008】
また本発明はスクリーンの両側に上方に行くに従って拡がる上側板を突設することを特徴とすることが好ましい。このようにすれば集水効率が良好になる。
【0009】
さらに請求項1の発明は中空体の後面の尾管の有無を限定するものではないが、中空体の後面に前記中空体に連通する尾管を水平に突設することが好ましい。このようにすれば連結パイプを介して複数の本集排水装置を広範囲に渡って設置することができ集排水効率はさらに良好になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
中空体1の上半部10上面に複数の突板2、2、2・・・を間隔をおき、しかも縦横に突設して多数の角状の透孔3、3、3・・・を有するスクリーン20を形成し、中空体1の上半部10で、しかも前記複数の突板2、2、2・・・の間隙21、21、21・・・に金属線6a例えばアルミニウム線を螺旋状に巻回してなるフィルター6を圧入する。前記のようにアルミニウム線にすれば発錆せず、経年使用が可能で、しかも錆水を排出しないので環境的に良好となる。
【0011】
このフィルター6は弾性を有する螺旋ではなく、外的力により軸方向に伸縮可能な螺旋であり、背面土の状況により最適の螺旋間隔にすることができる。螺旋間隔を状況に応じて図2若しくはこれより粗密にしてもよい。なお各金属線6aの両端を図5で示すように延長垂下して金属線6aが容易に抜けにくいように形成してある。
【0012】
中空体1の一端に中空体1に連通する嵌入管7を着脱自在に突設し、他端に中空体1に連通する尾管80を着脱自在に突設する。
【0013】
より具体的には中空体1を丸穴管で形成するとともにその底部12を平らに形成し、中空体1の一端に丸溝14を形成し、また嵌入管7にフランジ7aを形成し、各フランジ7aに凹凸部7bを形成し、丸溝14に凸凹部14aを形成し、凸凹部14aに凹凸部7bを嵌合して中空体1に嵌入管7を突設し、中空体1と同心状の丸管よりなる嵌入管7をやや先窄まり状に形成するとともに後方に180度間隔でスリット71、71を設ける。この嵌入管7のフランジ7aの径および形状を一定にし、図7で示すように異径の嵌入管7c、7d、7e・・・を複数個形成し、擁壁9の水抜管90に対応するものを選択する。このようにすれば、水抜管90の径が異なっても一種類の中空体1を形成すれば足りる。
【0014】
端壁8から管軸方向に嵌入管7と同心状の丸管よりなる尾管80を水平方向に突設し、この尾管80に嵌入管7のフランジ7aと同一のフランジ80aを形成するとともに端壁8に丸溝14と同一の丸溝80bを形成し、フランジ80aを溝80bに着脱自在に取付ける。前記中空体1と嵌入管7および中空体1と尾管80との嵌合部分は同一構成であるので図6はB−B断面図とB′−B′断面図とを共用したものである。なお端壁8には連結パイプ用凹部80cを形成する。また他例として端壁8に前記尾管80および尾管80の嵌合手段、連結パイプ用凹部80cを有さないものがある。
【0015】
スクリーン20は砂利流入防止用の手段である。間隙21は水および砂利より小さい土砂粒を通すが、砂利を通さない隙間である。
【0016】
スクリーン20は中空部1の上面に、縦横に交叉する多数の突板2、2、2、2・・・を間隔をおいて突設する。中空部1の上面は平面でもよいが、半円状に形成することがより好ましい。上面に付着した水が落下しやすく、集水しやすいからである。
【0017】
中空体1の上半部10内周から軸方向に交叉するリブ4を突設し、中空体1の下半部11を樋状に形成し、中空体1の底部12内面から仕切壁5を軸方向に突設し、各リブ4と仕切壁5とを嵌合する。下半部11の両側板11aを縦格子状にしたのは材料逃げである。
【0018】
具体的には図5で示すように中空体1の上半部10内周に沿って半円帯状に突設するとともに頂部より中心に向けて舌片部4′を延出し、舌片部4′の下端に凹部40を形成し、各リブ4の凹部40に仕切壁5の上端縁を嵌合する。
【0019】
中空体1の長手方向には垂直に立上る側板1a、1aを形成し、各側板1aの上端を上方に行くに従って広げて上側板1bとする。なお各側板1aを縦格子状にしたのは材料逃げである。また中空体1後方の上下から櫛歯80c、80dを一体形成する。
【0020】
また中空体1を含め前記構成の本発明装置をプラスチック、具体的にはポリプロピレンで形成する。このようにプラスチックで形成すれば容易に運搬かつ作業することができ、しかも容易かつ安価に製造することができ、特にポリプロピレンの場合には耐衝撃力が大きく堅牢である。
【0021】
中空体1を含め前記構成の本発明装置は管軸方向に上・下半分に分割してなる上半分セグメント1′と下半分セグメント1″とを凹凸嵌合してなる。具体的には図1、5で示すように上半分セグメント1′、下半分セグメント1″の一方に孔部16、16・・を形成するとともに他方にピン17、17・・を突設し、各ピン17を各孔部16の孔に嵌合する。また上・下半分セグメント1′、1″の各四隅に小片82を一体形成してそれぞれボルト締めする。なお上・下半分セグメント1′、1″は溶着若しくは接着してもよく、このようにすれば前記嵌合、ボルト締めより上半分セグメント1′と下半分セグメント1″とは確実に一体化する。
【0022】
次に本発明装置の使用法、作用を説明する。図9に示すように擁壁9に埋設した水抜管90の径に対応する径の嵌入管7を嵌入する。嵌入管7は先窄まり状なので容易に挿入することができ、またスリット71を有するので、バネ作用により水抜管90の孔径に微差があっても容易に挿入できるとともに確実に取付けられる。
【0023】
また通常は嵌入管7を水抜管90に差し込み、その後、手で押込めばよいが、きつすぎる場合には尾管80をハンマーで叩く。ここに尾管80は嵌入管7と同心位置に突設したので本装置を変形させることなく確実に押込むことができる。
【0024】
本装置の取付後、背面土の埋戻しをするが、中空体1の上半部10上面にはスクリーン20が形成されており、前記の間隙21には砂利等が入り込むおそれがない。さらに中空体1の底部12を平らに形成してあるので安定良く設置され、スクリーン20を正確に位置決めすることができるとともに中空体1に回転方向への圧力がかかっても回転を阻止することができ、嵌入管7が緩みにくい。
【0025】
また図8、9で示すように本装置を複数個、離間して配置し、連結パイプ91、91で連結してもよく、また図9の下方に示すように尾管80のない他例を使用してもよい。
【0026】
雨等により土中に浸透した水の流動にともなって流動する砂利はスクリーン20により中空体1内への流れ込みを阻止され、また砂利より小さい土砂粒の大部分がフィルター6により中空体1内への流れ込みを阻止される。また水平方向からの前記砂利等は中空体1の後方かつ上下に形成された櫛歯80c、80dにより中空体1内への流れ込みを阻止される。なお水平方向からの流れ込みは、通常、水分がほとんどであるが、砂利等が流動してきても前記櫛歯80c、80dにより中空体1内への流れ込みを阻止される。また土中の水分は各突板2により補集されて、各突板2の表面を伝わって透孔3に導かれ、集水効率が良い。さらに透孔3は水のみを通す小径孔やスリットではなく、水のみならず砂利より小さい土砂粒の通過を許容する大きさの角状の透孔3であり、しかも土砂粒自体はその殆どがフィルター6で阻止されるから透孔3の集水効果が良好となる。なお上方に行くに従って拡がる上側板1b、1bを有するため、さらに集水効果は大となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、集水しやすく、また砂利等の流れ込みを完全に阻止できるとともに土砂粒の流れ込みをほとんど阻止でき、集水効率が極めて良好であり、しかも真水に近い水を排水することができ、環境的にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の斜視図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】同上の一部を切欠いた正面図である。
【図4】同上の左側面図である。
【図5】A−A断面図である。
【図6】B−B端面図である。
【図7】本発明装置で使用される異径の嵌合管を示す斜視図である。
【図8】本装置の連結状態を示す一部切欠正面図である。
【図9】同上の取付状態例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 中空体
1b 上側板
2 突板
6a 金属線
80 尾管
20 スクリーン
Claims (3)
- 中空体の上面に複数の突板を間隔をおき、かつ縦横に突設して複数の透孔を有する砂利流入防止用のスクリーンを形成し、前記スクリーン間に螺旋状に巻回した金属線を圧入することを特徴とする集排水装置。
- スクリーンの両側に上方に行くに従って拡がる上側板を突設することを特徴とする請求項1の集排水装置。
- 中空体の後面に前記中空体に連通する尾管を水平に突設することを特徴とする請求項1の集排水装置。
Priority Applications (1)
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JP2002323162A JP4101028B2 (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 集排水装置 |
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JP2004124662A JP2004124662A (ja) | 2004-04-22 |
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