JP4100554B2 - 砥粒噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワークの表面仕上げ等に用いる砥粒の噴射装置に属し、砥粒の噴射速度を損なわず噴射角を調整可能とした構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この発明に関連する砥粒の噴射装置としては、特許文献1に開示された羽根車を利用したものが公知である。この特許文献1には、末端の噴射ノズルにフレキシブルな延長チューブを接続した構成が開示されており、該構成によれば延長チューブの長さに応じた任意の場所で、且つ、その可撓性に応じた任意の角度で作業を行うことができるとされている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−347945号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術では、延長チューブの全てをフレキシブルチューブにより構成しているため、該チューブを湾曲すれば、その部分で砥粒が減速されるといった課題があった。特に、該チューブを大きく湾曲したときには、減速率も高まり、研削能力が低下する。
【0005】
また、その湾曲部は砥粒による摩耗が激しいが、摩耗による交換時にはフレキシブルチューブ全体を交換する必要が生じ、不経済であった。
【0006】
本発明は上述した課題に鑑みなされたもので、砥粒の噴射速度を損なわずに噴射角を調整可能とした砥粒噴射装置を提供するものである。また砥粒による摩耗時にも交換部品を少なくし、経済性を高めることも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、砥粒発射装置と噴射ノズルを延長チューブ等の搬送路で接続し、該搬送路の長さだけ研削作業を遠隔操作できるようにした砥粒噴射装置において、屈折した分割搬送路のコーナー部に角度可変装置を設けた。この角度可変装置は、搬送路間のコーナー外側に配置され、少なくとも一方は駆動源を備えた二つのプーリと、該二つのプーリ間に巻回された無端状の回転ベルトと、該回転ベルトの前記コーナー寄りの一部を前記搬送路間の屈折角度分だけ湾曲させ、且つ、中空部が前記コーナー内部に位置するように前記コーナー内側から前記回転ベルトに圧接した中空の角度調整用プーリとからなる。無端状の回転ベルトは、その屈折した表面一部がコーナー外側を構成する。二つのうち一方のプーリはモータ等を駆動源として回転ベルトを回転させるドライブプーリによって構成される。他方のプーリは、回転ベルトを一定のテンションで保持するベルトテンション用プーリとして機能する。角度調整用プーリは、搬送路間のコーナー内側から回転ベルトに圧接され、該ベルトの圧接部を搬送路の屈折角度分だけ湾曲させ、この湾曲度に見合って砥粒の噴射角が調整される。つまり、角度調整用プーリをより強く圧接すれば回転ベルトの湾曲度は大きくなり、より鋭角に分割配置された搬送路間のコーナー部に適合させることができる。また、角度調整用プーリは、例えばベルト幅以内の間隔をおいて2枚のディスク(例えば羽根車から羽を省略した構成)を対峙させて内部を中空とした構成からなり、該中空部を搬送路間のコーナー内部に位置させることによって上下流搬送路間に角度付き砥粒搬送路を構成する。なお、回転ベルトの湾曲部は角度付き砥粒搬送路のコーナー外側を構成するため、耐摩耗性の加工を施すことが好ましいが、本発明によれば該回転ベルトを消耗品として交換することとすれば、従来のように延長チューブ全部を交換する必要が無く、経済的である。なお、角度可変装置を砥粒発射装置と噴射ノズルの間で二以上設置することも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0008】
請求項2では、角度調整用プーリを回転ベルトへの圧接方向に移動可変とした。該プーリの回転ベルトに対する圧接力を調整することによって、回転ベルトの湾曲度を調整し、もって搬送路間の屈折角度が異なる場合でも応じることができる。
【0009】
請求項3では、ベルトテンション用プーリとドライブプーリの軸間距離を可変とした。角度調整用プーリの圧接力に応じて回転ベルトのテンションを適正なものとするためである。
【0010】
上述した角度可変装置に入ってくる砥粒が一定以上の速度エネルギーを持っていれば、該砥粒は自ずと回転ベルトに接触し、当該接触摩擦を通じて砥粒は回転ベルトによって速度維持ないしは加速される。さらに角度可変装置における砥粒の速度維持または加速を補助するために、請求項4では、角度調整用プーリを羽根車から構成した。角度調整用プーリは回転ベルトと圧接して該ベルトと共回りする。また、その回転方向は砥粒の搬送方向である。このような回転をする角度調整用プーリを羽根車により構成することで、ここを通過する砥粒に搬送方向の運動エネルギーを付与し、砥粒の速度維持ないしは加速を補助する。この機能は、砥粒量が多い場合に顕著で、極端に言えば羽根車だけでも砥粒を加速等できるから、回転ベルトの摩耗も軽減される。なお、砥粒の加速度は角度調整用プーリの回転速度に依存し、該回転速度は主としてドライブプーリの回転速度を可変することで調整される。
【0011】
請求項5では、噴射ノズルをフレキシブル管から構成した。噴射ノズルの湾曲が可能で、手元で噴射角度を容易に微調整できる。また、ワークの材質や形状等に応じて噴射ノズルを適宜湾曲させることにより、これより吹き出される砥粒の噴射速度や噴射密度を調整することができる。
【0012】
請求項6では、噴射ノズルにその内部で砥粒の噴射方向に開口する圧縮空気の供給装置を接続した。噴射ノズルを曲げて使用している場合、圧縮空気によって砥粒を加速させることができる。また、研磨作業後に圧縮空気だけを吹き付けることも可能で、この場合、該圧縮空気によってワーク表面に残留した砥粒を吹き飛ばすことができる。
【0013】
請求項7では、搬送路を硬質管から構成した。薬品等に対する耐久性と砥粒に対する耐摩耗性を確保できる。
【0014】
請求項8では、搬送路を外管に内管を伸縮且つ回転自在に挿通した構成とした。延長チューブを長さ調整自在とすることで作業性が向上する。また、回転自在な構成により、搬送路の向き三次元に調整することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る噴射装置の全体図を示したもので、1は砥粒の発射装置であって、回転する羽根車1aの遠心力を用いて砥粒を射出する構成であり、従来技術で説明したもの等、公知の構成を採用することができるため、詳細な説明は省略する。2a・2bは発射装置1から噴射ノズル3までを接続する分割搬送路としての延長チューブであって、両延長チューブ2a・2bは所定の角度屈折している。また、延長チューブ2bと噴射ノズル3の軸角度も屈折している。なお、この実施形態では中間の延長チューブ2bはメインチューブとして外管2cに内管2dを挿通した伸縮自在な構成としている。そして、4は延長チューブ2a・2b間および延長チューブ2b・噴射ノズル3間のコーナー部6・6二カ所に設けた角度可変装置である。
【0016】
角度可変装置4は、モータ等を駆動源(図示せず)とするドライブプーリ4aとベルトテンション用プーリ4bに回転ベルト4cを巻回し、該回転ベルト4cに対して角度調整用プーリ4dを圧接した構成である。回転ベルト4cに角度調整用プーリ4dを圧接することで、その圧接力に見合って回転ベルト4cの一部(コーナー部6の外側寄り)を湾曲させる。また、角度調整用プーリ4dは、図2に示したように、羽根車から構成され、且つ、圧接した回転ベルト4cと共回りして、ここを通過する砥粒を加速する機能を有する。つまり、該構成の角度可変装置4を各コーナー部6・6に配置することによって、そのコーナー部6・6の外側が回転ベルト4cの湾曲部に置換され、該湾曲部と角度調整用プーリ4dとによって屈折した搬送路が構成され、且つ、羽根車を構成する角度調整用プーリ4dによって該屈折路において砥粒が減速することがない。
【0017】
なお、角度調整用プーリ4dは、羽根車から羽を省略した構成であっても良い。この場合、角度調整用プーリ4dは、2枚のディスクを回転軸で連結した中空の構成となり、該中空部が砥粒の搬送路として機能する。そして、羽根がないため、砥粒を加速する機能は発揮しないが、延長チューブ2の中途に屈折路が構成される上、摩耗による部品交換時も回転ベルト4cのみの交換で済む。
【0018】
また、角度調整用プーリ4dを羽根車によって構成した場合の砥粒の加速度については、該プーリ4dの回転速度に依存し、より速く回せば、それだけ該プーリ4dの遠心力が高まり、砥粒の加速度を大きくすることができる。なお、プーリ4dの回転速度はドライブプーリ4aの回転速度によって調整される。
【0019】
ここで角度調整用プーリ4dの回転ベルト4cに対する圧接力を調整可能とすることも可能であり、該圧接力4を高めれば回転ベルト4cの湾曲度を大きくすることができる。ただし、角度調整用プーリ4dの圧接力を高めれば、回転ベルト4cのテンションも上がるため、ドライブプーリ4aとベルトテンション用プーリ4bの軸間距離が固定されているときは、回転ベルト4cを一定以上屈折することができなくなる。そこで、ドライブプーリ4aまたは/およびベルトテンション用プーリ4bを位置可変とすることで、両者の軸間距離を調整し、もって回転ベルト4cのテンションを角度調整用プーリ4dによる圧接力に応じた適当なものに設定することができる。何れのプーリ4a・4bを位置可変とするかは自由であるが、ドライブプーリ4aを可変とする場合は、駆動源等をも同時に可変にするといった煩雑さがあるので、ベルトテンション用プーリ4bを可変とすることが好ましい。
【0020】
さらに、回転ベルト4cの湾曲度が高まれば、それだけ砥粒の通過速度が落ちるが、これに対処するためには、角度調整用プーリ4dによる圧接力をその移動距離から算出し、該圧接力の高低と連動してドライブプーリ4aの回転速度を適宜上下する制御を行うことが好ましい。こうすることによって、どのような湾曲度であっても、砥粒の速度が一定に保たれる。
【0021】
他方、この実施形態における噴射ノズル3はフレキシブルチューブよりなり、且つ、内部で砥粒の噴射方向に開口する圧縮空気の供給装置5が接続されている。このように噴射ノズル3をフレキシブルチューブにより湾曲可能とすることで、噴射角度の微調整が利き、また圧縮空気の供給装置5によって砥粒の噴射速度が加速され、さらに該圧縮空気によってワークに残留した砥粒を吹き飛ばすことができ、研削作業を大幅に向上させることができる。
【0022】
なお、延長チューブ2や回転ベルト4cは砥粒による摩耗が生じるので、耐摩耗性を備える素材から構成することが好ましい。延長チューブ2の交換頻度が高まれば利便性が低下し、且つ、交換作業も繁雑なものとなるからである。このため、延長チューブ2は硬質管から構成することが好ましい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、砥粒発射装置と噴射ノズルを延長チューブで接続し、延長チューブの長さだけ研削の遠隔作業をできるようにした砥粒噴射装置において、延長チューブの中途に角度可変装置を設けたので、該角度可変装置によって砥粒の搬送路を角度調整でき、しかも、交換部品は該装置における回転ベルトのみであるから経済的且つ合理的である。また、角度調整用プーリを回転ベルトへの圧接方向に移動可変としたものにあっては、回転ベルトの置換表面部の角度、即ち搬送路角度の調整を簡単に行うことができる。さらに、ベルトテンション用プーリとドライブプーリの軸間距離を可変としたものにあっては、角度調整用プーリの圧接力に応じて回転ベルトのテンションを適正なものとすることができる。
【0024】
一方、角度調整用プーリを羽根車から構成したものにあっては、屈折搬送路を通過する砥粒を加速でき、研削に係る作業性を損なうことがない。
【0025】
さらに、噴射ノズルをフレキシブル管から構成したものにあっては、手元での噴射角度調整が容易で、しかも、該ノズルから吹き出される砥粒の噴射速度や噴射密度を調整することができる。また、噴射ノズルにその内部で砥粒の噴射方向に開口する圧縮空気の供給装置を接続したものにあっては、該圧縮空気によってワーク表面に残留した砥粒を吹き飛ばすことができる上、圧縮空気によって砥粒を加速させることができるから、研削の作業性を大幅に向上させることができる。
【0026】
さらにまた、延長チューブを硬質管から構成したものにあっては、該チューブの薬品等に対する耐久性と砥粒に対する耐摩耗性を確保でき、該延長チューブを外管に内管を伸縮自在に挿通した構成としたものでは、長さ調整自在とすることで作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る噴射装置全体の概念的説明図
【図2】同噴射装置における角度調整用プーリの斜視図
【符号の説明】
1 砥粒発射装置
2 延長チューブ
3 噴射ノズル
4 角度可変装置
4a ドライブプーリ
4b ベルトテンション用プーリ
4c 回転ベルト
4d 角度調整用プーリ
Claims (8)
- 砥粒発射装置と噴射ノズルの間に屈折角度をもって分割配置された搬送路と、該搬送路間のコーナー外側に配置され、少なくとも一方は駆動源を備えた二つのプーリと、該二つのプーリ間に巻回された無端状の回転ベルトと、該回転ベルトの前記コーナー寄りの一部を前記搬送路間の屈折角度分だけ湾曲させ、且つ、中空部が前記コーナー内部に位置するように前記コーナー内側から前記回転ベルトに圧接した中空の角度調整用プーリとからなることを特徴とした砥粒噴射装置。
- 角度調整用プーリは、回転ベルトへの圧接方向に移動量を可変とした請求項1記載の砥粒噴射装置。
- 二つのプーリは、その軸間距離を可変とした請求項1または2記載の砥粒噴射装置。
- 角度調整用プーリは、羽根車からなる請求項1、2または3記載の砥粒噴射装置。
- 噴射ノズルは、フレキシブル管からなる請求項1、2、3または4記載の砥粒噴射装置。
- 噴射ノズルは、その内部で砥粒の噴射方向に開口する圧縮空気の供給装置を接続してなる請求項1から5のうち何れか一項記載の砥粒噴射装置。
- 搬送路は、硬質管からなる請求項1から6のうち何れか一項記載の砥粒噴射装置。
- 搬送路は、外管に内管を伸縮且つ回転自在に挿通してなる請求項1から7のうち何れか一項記載の砥粒噴射装置。
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