JP4100053B2 - 液晶表示装置用電極板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上のカラーフィルタ層、オーバーコート層上にTFT素子が形成された液晶表示装置用電極板に関するものであり、特に、TFT素子の特性に悪影響を及ぼさないオーバーコート層を有する液晶表示装置用電極板に関する。
【0002】
【従来の技術】
同一基板上にTFT(薄膜トランジスタ)等のスイッチング素子とカラーフィルタ層を形成することは、対向基板の簡略化や、双方の電極板を貼り合わせる際の位置ずれや寸法ずれを防ぐ意味からも望ましいことと考えられ、この構成を実現する試みが為されてきた。しかしながら、例えば、TFT素子と透明画素電極が形成された電極板上にカラーフィルタ層を形成するといった構成の場合においては、カラーフィルタ層の存在に起因する諸々の不具合が発生していた。
【0003】
例えば、透明画素電極と対向電極との間にカラーフィルタ層が加わるので新たな電圧損失が発生し、液晶駆動の応答性の劣化を招くという問題が生じる。
そこで、電圧損失を防ぐためカラーフィルタ層上に透明画素電極を設けると、透明画素電極とTFT素子との導通はスルーホールを介して行うことになり、工程が煩雑なものとなる。
【0004】
一方、例えば、カラーフィルタ層が形成された電極板上にTFT素子と透明画素電極を形成するといった構成の場合においては、プラズマCVDを用いてシリコン窒化膜(SiNx)やアモルファスシリコン膜(a−Si:H)を成膜する際に、基板温度は通常300℃〜350℃の高温で成膜するが、カラーフィルタ層が既に形成されてあるので、基板温度は250℃以上には上げないで成膜することになる。また、カラーフィルタ層やオーバーコート層の形成に用いる樹脂としては耐熱性樹脂、具体的には、耐熱温度230〜250℃のアクリレート樹脂やポリイミド樹脂を用いることになる。
【0005】
また、オーバーコート層の下にあるブラックマトリックスにカラーフィルタ層の端部が重なった部分がオーバーコート層を形成しても平坦にならず、オーバーコート層の表面に段差として残されていたり、オーバーコート層の表面に微細な凹凸があって平坦性が悪いと、TFT素子の特性にバラツキが生じたり、配線が断線するなどの不具合なことが発生する。
また、オーバーコート層の比抵抗が低かったり、比誘電率が高いと、TFT素子の特性に悪影響を及ぼし、配線、透明画素電極などにリークを発生させることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものあり、カラーフィルタ層及びオーバーコート層が形成されたガラス基板上に、TFT素子と透明画素電極を形成するといった構成の液晶表示装置用電極板において、TFT素子の特性にバラツキを与えたり、配線が断線するなどの不具合なことを発生させない表面状態を有し、且つTFT素子の特性に悪影響を及ぼしたり、配線、透明画素電極などにリークを発生させることのない比抵抗及び比誘電率を有するオーバーコート層を具備する液晶表示装置用電極板、すなわち、上記構成による液晶表示装置用電極板として好適な液晶表示装置用電極板を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ガラス基板上に、少なくともカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層上に形成されたオーバーコート層と、該オーバーコート層上にTFT素子、透明画素電極を有する液晶表示装置用電極板の製造方法であって、該オーバーコート層が、耐熱性樹脂及び高沸点溶媒を含む塗布液を塗布した後、プリベークによりレベリングすることにより形成することを特徴とする液晶表示装置用電極板の製造方法である。
【0008】
また、本発明は、前記高沸点溶剤は、前記塗布液中に10%〜20%含有することを特徴とする液晶表示装置用電極板の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による液晶表示装置用電極板の一実施例を示す部分断面図である。図1に示すように、この液晶表示装置用電極板は、ガラス基板(11)上に、ブラックマトリックス(21)、カラーフィルタ層(20)、オーバーコート層(41)が順次に形成され、オーバーコート層(41)上にTFT素子(30)、及び透明画素電極(31)が形成されたものである。
TFT素子(30)は、ゲート電極(33)、ゲート絶縁膜(34)、アモルファスシリコン膜(35)、パシベーション層(36)、オーミック層(37)、ソース電極(38)、およびドレイン電極(39)で構成されている。
また、ドレイン電極(39)は透明画素電極(31)に接続している。
【0010】
本来、オーバーコート層は、カラーフィルタ層表面の段差や微細な凹凸を緩和するため、また、カラーフィルタ層からの溶出物を遮蔽するためのものであるが、本発明におけるオーバーコート層は、TFT素子の特性にバラツキを与えたり、配線が断線するなどのことがないように表面状態を最適化したものである。また同時に、TFT素子の特性、配線、透明画素電極に悪影響を及ぼすことのないように比抵抗及び比誘電率を最適化したものである。
これにより、このオーバーコート層上に形成されるTFT素子、配線、透明画素電極の特性に好結果をもたらす。
【0011】
本発明におけるオーバーコート層の形成に用いられる耐熱性樹脂としては、比誘電率の低い耐熱性樹脂であり、例えば、特開平10−332921号公報に開示されているように、「酸基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体、及びエポキシ基を1以上有する化合物」があげられる。
オーバーコート層の形成に用いる塗布液は、この比誘電率の低い耐熱性樹脂に熱硬化性を付与するためのエポキシ基やカルボキシル基を有するモノマーを添加し、更に塗布膜にレベリング性を付与するための高沸点溶剤を添加したものを使用する。
尚、オーバーコート層の形成は、例えば、印刷法、スピンコート法などによって行われる。
【0012】
上記塗布液において、耐熱性樹脂の含有量は塗布液の固形分中50%以上であることが好ましい。
耐熱性樹脂の含有量が少ないと、塗布膜の耐熱性が低くなり、シリコン窒化膜やアモルファスシリコン膜の成膜が困難なものとなり、TFT素子を形成することが出来なくなる。
また、エポキシ基とカルボキシル基の量比は、モル比でカルボキシル基の量が多くなるようにする。エポキシ基をもつモノマーとカルボキシル基をもつモノマーの2種類を添加してもよいし、どちらかを添加してもよい。または、両方の基を耐熱性樹脂にもたせてもよい。
エポキシ基とカルボキシル基の量比において、エポキシ基が多いとエポキシ基が開いてOH基となって比誘電率が高くなるので、エポキシ基がカルボキシル基の1/3以下、1/20以上であることが好ましい。
【0013】
エポキシ基、又はカルボキシル基をもつモノマーとしては以下のものがあげられる。
・エポキシ基をもつ化合物(モノマーとポリマー)
エポキシ化合物としては、ビスフエノールA型エポキシ化合物、ビスフエノールF型エポキシ化合物、フエノールノボラックエポキシ化合物、クレゾールノボラックエポキシ化合物、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系工ポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物などが使用できる。
【0014】
市販のエポキシ化合物としては、例えば、エピコート1001、1002、1003、1004、1007、1009、1010、828(油化シェルエポキシ(株)製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂市販品、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)等のビスフエノールF型エポキシ樹脂市販品、エピコート152、154(油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN201、202(日本化薬(株)製)等のフエノールノボラック型エポキシ樹脂市販品、EOCN−102、103S、104S、1020、1025、1027(日本化薬(株)製)、エビコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂市販晶、CY−175、177、179(CIBA−GEIGYA.G.製)、ERL−4234、4299、4221、4206(∪.C.C.社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、アルダライトCY−182、192、184(CIBA−GEIGYA.G.製)、エピクロン200、400(大日本インキ(株)製)、エピコート871、872(油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、5662(セラニーズコーティング(株)製)等の環式脂肪族エポキシ樹脂市販品、エポライト100MF(共栄社油脂化学工業(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等の脂肪族ポリグリシジルエーテル市販品をあげることができる。
【0015】
これらの化合物のうち、ビスフエノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フエノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテル類が加熱処理後の着色の観点から本発明においては好適に用いられる。また、平滑性をより高めるためには、低分子量のエポキシ化合物が望ましい。
【0016】
・カルボキシル基をもつ化合物(モノマー、ポリマー)
側鎖にカルボキシル基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボキシルを有する酸性セルローズ誘導体がある。
【0017】
高沸点溶剤としては、180℃以上の高沸点溶剤が好ましく、例えば、N一メチルー2−ピロリジノン(通称NMP沸点202℃)、4−ブチロラクトン(沸点204℃)、酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル(沸点218.5℃)、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール(沸点196℃)、プロピレングリコール(沸点188.2℃)、イソホロン(沸点215.2℃)などがあげられる。
【0018】
高沸点溶剤は、全溶剤に対し5%〜50%、且つ塗布液中に10%〜20%含有することが好ましい。高沸点溶剤が少ないと塗布膜のレベリング性が悪化し、また、高沸点溶剤が多いと塗布膜の形成が困難となる。
【0019】
【実施例】
以下に、本発明による液晶表示装置用電極板の実施例を説明する。
<実施例1>
(感光性着色組成物の調製)
アクリル樹脂(メタクリル酸20部、ブチルアクリレート30部、ブチルメタクリレート50部をエチルセロソルブ300部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.7部を加えて70℃、5時間反応により得られたアクリル樹脂)を樹脂濃度20%になるようにエチルセロソルブで希釈した。
【0020】
この希釈樹脂50gに対し顔料12.3g、分散剤1.3g、溶剤としてシへキサノン36.4gを添加して3本ロールで十分混練して赤の着色樹脂(ペースト)を作製した。同様に希釈樹脂45gに対して顔料15g、分散剤1.1g、溶剤としてシクロへキサノン38.9gを添加して3本ロールで十分混練して緑の着色樹脂(ペースト)を作製した。そして、さらに希釈樹脂50gに対し顔料9.5g、分散剤1.0g、溶剤としてシクロへキサノン39.5gを添加して3本ロールで十分混練して青の着色樹脂(ペースト)を作製した。
【0021】
以下に顔料を示す。
[赤用]
顔料(チバスペシャルティ社製:クロモフタルレッドA3B(C.I.ピグメントレッド177)12.3g。
[緑用]
顔料リオノールグリーン6Y−501(東洋インキ製造(株)製:C.I.ピグメントグリーン36)15.Og。
[青用]
顔料リオノールブルーL6700F(BASF社製:C.I.ピグメントブルー15:6)9.5g。
【0022】
各着色樹脂(ペースト)50gに対してジペンタエリスリトールペンタアクリト5g、2−メチルー1−(4−(メチルチオ)フエニル)−2−モルホリノープロパン−1−オン0.8g、メトキシスチリルトリアジン0.2g、さらに、先に合成した希釈樹脂3g、さらにプロピレングリコールジメチルアセテート41gを加えて良く攪拌し各色の感光性着色組成物とした。
【0023】
(カラーフィルタ層の形成)
先ず、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板(11)上に赤色の感光性着色組成物をスピンコートし乾燥させた。70℃20分プレベーク後、液晶表示素子の1画素と同じ画素サイズのマスクを用いて400mJ/cm2 露光した。2.5%炭酸ナトリウムの水溶液で現像し水洗し、さらに水洗、乾燥後230℃30分でベーク乾燥して赤色のパターンを得た。ベーク後の膜厚は1.2μmであった。
【0024】
次に、緑色の感光性着色組成物をスピンコートし乾燥させた。以下赤色と同様のプロセスにて膜厚1.2μmの緑色のパターンを得た。さらに、青色の感光性着色組成物をスピンコートし乾燥させた。以下前色と同様のプロセスにて膜厚1.2μmの青色のパターンを得、赤色、緑色、青色のパターンで構成するカラーフィルタ層(20)をブラックマトリックス(21)が形成されたガラス基板(11)上に形成した。
得られたカラーフィルタ層(20)は、その端部がブラックマトリックスに重なった部分の段差は、800nm程度、その表面の平坦性は中心線平均粗さ(Ra)で30nm程度のものであった。
【0025】
(液晶表示装置用電極板の作製)
次に、ガラス基板(11)上のブラックマトリックス(21)、及びアクリレート樹脂を樹脂成分とするカラーフィルタ層(20)上に、下記に示すオーバーコート層用塗布液を塗布し、70℃で20分間プレベークし塗布膜のレベリングを行い、230℃で20分間加熱硬化した。
得られたオーバーコート層の膜厚は2.0μm、表面の段差はブラックマトリックスに重なった部分において最高80nm、表面の平坦性は中心線平均粗さ(Ra)3nmのものであった。
また、その比抵抗は8.5×109 Ω・m、周波数1kHzにおける比誘電率は3.8のものであった。
【0026】
[オーバーコート層用塗布液]
メタアクリル共重合体(共重合モノマー重量比:メタクリル酸/メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチル=50/30/20、平均分子量50万)20gをシクロヘキサノンとN−メチルー2−ピロリジノンの混合溶液(重量比:70/30)の溶液に溶解させ、次に、この溶液100gにエピオールTMP(日本油脂(株)製)を5g添加し攪拌した塗布液。
尚、エピオールTMPは、エポキシ基をもつポリマー(脂肪族ポリグリシジルエーテル)である。
【0027】
次に、図3に示すブロック図に従い、第一成膜室(52)にてシリコン窒化膜(SiNx)をプラズマCVDで厚さ0.5μmに成膜し、ゲート絶縁膜(34)を形成した。
ここでは、基板温度は230℃、水素を170sccm、水素で希釈した10%シラン(SiH4:10%、H2:90%)を流量50sccm、同じく水素希釈のアンモニアを流量34sccmで反応室内に供給し、圧力1torr、負荷電力180W、堆積速度0.1nm/secにて80分間の成膜を行った。
【0028】
この際、230℃という低温成膜を実現するため、マイクロ波(2.45GHz、400W)により形成した水素ラジカル(H*)(水素20sccm)をSiNxのプラズマCVD中に導入した。これは、図2に示すように、発振器(71)からのマイクロ波を導波管(72)に導き、この導波管(72)の途中から水素を供給することで水素ラジカルを生成し、これをCVDチャンバー(73)内で主にガラス基板に向けて供給するものである。
【0029】
次に、第二成膜室(53)にてアモルファスシリコン膜(a−Si:H)(35)をプラズマCVDにて厚さ0.05μmに成膜した。ここでは、基板温度は230℃、水素で希釈した10%シラン(SiH4:10%、H2:90%)を流量300sccmで反応室内に供給し、圧力1torr、負荷電力60W、堆積速度0.1nm/secにて成膜を行った。
【0030】
続いて、第三成膜室(54)にてシリコン窒化膜(SiNx)のパシベーション層(36)を同様にしてプラズマCVDで厚さ0.5μmに成膜した。この際にも、水素ラジカル(H*)(水素20sccm)をSiNxのプラズマCVD中に導入した。
ここでは、TFT素子のゲート電極(33)と、ソース電極(38)、ドレイン電極(39)が重なる部分の界面が特性上重要であるため、上記のようにゲート絶縁膜(34)とアモルファスシリコン膜(a−Si:H)(35)は必ず連続形成し、パシベーション層(36)も続いて連続形成することが望ましい。
【0031】
この後、フォトレジストをパターン耐蝕膜とする反応性イオンエッチングをCF4ガス中にて行ってゲート絶縁膜(34)、アモルファスシリコン膜(35)、およびパシベーション層(36)を所望のパターンとした。
続いて、フォトレジストをパターン耐蝕膜とし、パシベーション層(36)に、同様に反応性イオンエッチングをCF4ガス中にて行って長方形のスルーホールを2箇所形成し、ここにオーミック層(37)をプラズマCVDにて厚さ0.05μmに形成した。
【0032】
ここで、基板温度は230℃、水素を150sccmと、水素で希釈した10%シラン(SiH4:10%、H2:90%)を流量300sccm、水素希釈1000ppmのPH3を流量90sccmで反応室内に供給し、圧力1torr、負荷電力60W、堆積速度0.06nm/secにて成膜を行った。
次いでソース電極(38)とドレイン電極(39)を金属アルミニウム膜にて厚さ0.8μmにスパッタリングにて成膜し、ウエットエッチングにてパターン形成した。
【0033】
このあと、全面にポリイミドの配向膜を塗布し、ラビング工程を経て、対向電極板と対向させて位置合わせをしながら貼り合わせ、液晶を両電極板の間に注入し、密封して液晶表示装置とした。得られた液晶表示装置は、欠陥画素や色ムラなどは発生せず高品位な画面が得られた。
【0034】
<比較例1>
比較例1においては、実施例1におけるオーバーコート層用塗布液に対し、シクロヘキサノンとN−メチルー2−ピロリジノンの混合溶液を用いずに調製したオーバーコート層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置用電極板を作製した。
【0035】
得られた液晶表示装置用電極板は、カラーフィルタ層の端部が重なった部分がオーバーコート層を形成しても平坦にならず、オーバーコート層の表面の段差は150nmであった。このためゲート電極に断線が発生した。
また、オーバーコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra)は10nm程度であった。このため10nm以上の粗い部分に形成されたTFT素子のしきい電圧が高くなっていた。
得られた液晶表示装置用電極板を用いて作製した液晶表示装置は表示不良であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、耐熱性樹脂からなり、その表面の段差が100nm以下、表面の中心線平均粗さ(Ra)が5nm以下であり、その比抵抗が1×108 Ω・m以上、周波数1kHzにおける比誘電率が4.0以下であるオーバーコート層を具備する液晶表示装置用電極板であるので、カラーフィルタ層及びオーバーコート層が形成されたガラス基板上に、TFT素子と透明画素電極を形成するといった構成の液晶表示装置用電極板において、TFT素子の特性にバラツキを与えたり、配線が断線するなどの不具合なことを発生させない、またTFT素子の特性に悪影響を及ぼしたり、配線、透明画素電極などにリークを発生させない液晶表示装置用電極板となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示装置用電極板の一実施例を示す部分断面図である。
【図2】本発明に用いる水素ラジカル供給部を示す説明図である。
【図3】実施例1におけるTFT素子の形成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
11・・ガラス基板
20・・カラーフィルタ層
21・・ブラックマトリックス
30・・TFT素子
31・・透明画素電極
33・・ゲート電極
34・・ゲート絶縁膜
35・・アモルファスシリコン膜
36・・パシベーション層
37・・オーミック層
38・・ソース電極
39・・ドレイン電極
41・・オーバーコート層
50・・基板搬出入室
51・・ロードロック室
52・・第一成膜室
53・・第二成膜室
54・・第三成膜室
55・・アンロードロック室
71・・発振器
72・・導波管
73・・CVDチャンバー
Claims (2)
- ガラス基板上に、少なくともカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層上に形成されたオーバーコート層と、該オーバーコート層上にTFT素子、透明画素電極を有する液晶表示装置用電極板の製造方法であって、該オーバーコート層が、耐熱性樹脂及び高沸点溶媒を含む塗布液を塗布した後、プリベークによりレベリングすることにより形成することを特徴とする液晶表示装置用電極板の製造方法。
- 前記高沸点溶剤は、前記塗布液中に10%〜20%含有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用電極板の製造方法。
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