JP4099634B2 - 主軸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械等の各種高速回転機械に用いられる主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工作機械等の各種高速回転主軸用の軸受の潤滑には、通常、潤滑油を微細な霧状にして、圧縮空気により空気配管中を搬送し、軸受内部に向けて噴出させるオイルミスト方式、一定量に調整された潤滑油滴(0.01〜0.03m1)を空気配管中に吐出し、圧縮空気によりノズルまで運んで軸受内部に向けて噴出させるオイルエア方式、或いは空気源を用いず、高圧ポンプにより潤滑油を高圧にし、吐出径を絞ったノズルから潤滑油を高速で軸受内部に向けて噴射させるジェット方式等の各種方式が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した如きオイルミスト方式及びオイルエア方式の潤滑においては、いずれも圧縮エアを使用することから、エアの風切り音等の騒音問題や潤滑油のミストが大気中に飛散することによる作業環境の悪化がある。また、潤滑油のミストが大気中に飛散することから軸受内に供給される潤滑油の量が不確定になると共に、高速回転になると主軸回転に伴ってエアカーテンが形成されるので、潤滑油が軸受内部に殆ど供給されず、軸受の焼き付き等を生じるおそれがある。
【0004】
また、上記ジェット方式の潤滑では、上述したエアカーテンの影響はオイルミスト方式及びオイルエア方式に比べると殆ど受けないが、高圧ポンプを含む付帯装置が必要になるうえ、軸受に供給される油が多くなることによる撹拌抵抗の増大から、主軸を駆動させるためのモータに大きなものが必要となり、コスト高になっている。
【0005】
そこで、このような不具合を解消するために、本出願人は特願2000−327252号明細書に記載の主軸装置を先に提案した。
この主軸装置は、ノズルを介して前記軸受内部に対して吐出速度10m/sec以上100m/sec以下、吐出油量0.0005ml/ショット以上0.01ml/ショット以下の微量な潤滑油を直接噴射して供給する潤滑装置を備えたものである。
【0006】
そして、かかる構成を採用することにより、圧縮エアを用いないためエアの風切り音等の騒音問題や潤滑油のミストが大気中に飛散することによる作業環境の悪化をなくすことができると共に、ノズルから吐出される潤滑油の吐出速度が10〜100m/secと速いため、高速回転時に発生するエアカーテンの影響を受けずに確実に軸受内部に潤滑油を供給することができる。また、潤滑油の吐出量が0.0005ml/ショット以上0.01ml/ショット以下と微量なため、軸受温度の上昇を低く抑えることができる。更に、ジェット方式のような高圧ポンプを含む付帯装置を使用しないので、軸受に供給される油量が多くなることによる撹拌抵抗の増大がなく、主軸を駆動させるためのモータに安価な小型のものを使用できる。
【0007】
ところで、軸受内部の潤滑に使用された後の油は速やかに外部に排出されることが望ましいが、上記構成の主軸装置においては、軸受内部の確実な潤滑は可能にはなるものの、潤滑油の吐出に圧縮エアを使っていないため油の排出性が良くなく、軸受近傍や軸受内部に油が滞留して転がり抵抗による発熱で軸受の温度が上昇する可能性がある。
【0008】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、エアの風切り音等の騒音問題や潤滑油のミストが大気中に飛散することによる作業環境の悪化をなくすことができ、且つ軸受の潤滑面に確実に潤滑油を供給することができると共に軸受温度の上昇を最小限に抑えることができ、更には安価に製造することができるのは勿論のこと、軸受内部の潤滑に使用された後の油を速やかに外部に排出することができる主軸装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、軸と、この軸の軸方向に隔離して内輪が嵌合された少なくとも2個の軸受と、該軸受の外輪と嵌合されたハウジングと、該ハウジングの内周面内で前記外輪に隣接して配置され、前記外輪の端面に接する面を有する外輪間座と、ノズルを介して前記軸受に吐出速度10m/sec以上100m/sec以下、吐出油量0.0005ml/ショット以上0.01ml/ショット以下の微量な潤滑油を供給する潤滑装置とを具備し、前記軸受の内輪と外輪とが転動体を介して相対的に回転可能となった主軸装置であって、
前記外輪間座は、前記外輪の端面と接する面に所定間隔で周方向に複数個所形成された半径方向に延びる半径方向溝と、前記外輪の端面と接する面から離間した外周面に前記外輪と同心に設けられた環状流路と、該環状流路と前記半径方向溝とを連通するように前記外周面に設けられる連通路とを備えており、
前記環状流路は、前記ハウジングに設けられた、前記潤滑油を前記主軸装置の外部に排出する排油口に接続されることを特徴とする主軸装置により達成される。
【0010】
上記構成によれば、複数の半径方向溝が、軸の回転速度や回転方向によって外輪の端面側の内周付近を周回したり、ある位置で停滞したりする潤滑油を軸の回転速度に関係なく効率よく捕捉する。そして、前記半径方向溝に捕捉された潤滑油は、連通路を介して軸の回転による気流の影響を殆ど受けない環状流路内に導かれ、環状流路に導かれた潤滑油は、重力によってハウジング下部に設けられた排油口に流れ込んで外部に排出される。
これにより、軸受内部の潤滑に使用された後の潤滑油を速やかに外部に排出することができ、安定した軸受の運転状態を確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態に係る主軸装置を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る主軸装置を説明するための断面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2に示した外輪間座の全体斜視図である。
【0014】
先ず、本発明の第1実施形態に係る主軸装置から説明すると、図1に示したように、主軸ハウジング1は、ハウジング本体2と、該ハウジング本体2の前端(図中左端)に内嵌固定された前側軸受ハウジング3と、ハウジング本体2の後端に固定された後側軸受ハウジング4とを備えている。前側軸受ハウジング3の端部には、外輪押さえ部材5および前蓋7が取り付けられ、後側軸受ハウジング4には、後蓋10が取り付けられている。
【0015】
前記主軸ハウジング1内に挿通配置された主軸11は、前側軸受ハウジング3内に軸方向に互いに離間配置された前後二個の軸受12a,12bと、軸受スリーブ4a内に軸方向に互いに離間配置された前後二個の軸受13a,13bとによって、回転自在に支承されている。
前記軸受12a,12bは、各外輪17が前側軸受ハウジング3に内嵌固定されると共に各内輪14が主軸11に外嵌固定されている。又、前記軸受13a,13bは、各外輪23が軸受スリーブ4aに内嵌固定されると共に、各内輪19が主軸11に外嵌固定されている。尚、これら軸受12a,12b,13a,13bには、例えばアンギュラ玉軸受のような転がり軸受が用いられる。
【0016】
前側軸受ハウジング3内の前後の二個の軸受12a,12bの各内輪14の間、後側の軸受12bの内輪14と主軸11の段部15との間、および前側の軸受12aの内輪14と内輪押さえ部材6との間には、それぞれ内輪間座16が介装されている。
また、前後の二個の軸受12a,12bの各外輪17の間、および後側の軸受12bの外輪17と前側軸受ハウジング3の段部18との間には、それぞれ外輪間座20a,20bが介装され、前側の軸受12aの外輪17は、外輪押さえ部材5によって軸方向後方に押圧されている。
【0017】
一方、軸受スリーブ4a内の前後の二個の軸受13a,13bの各内輪19の間、および前側の軸受13aの内輪19と主軸11に外嵌された筒部21との間には、それぞれ内輪間座22が介装されており、後側の軸受13bの内輪19は、内輪押さえ部材9によって軸方向前方に押圧されている。
また、前後の二個の軸受13a,13bの各外輪23の間、および前側の軸受13aの外輪23と軸受スリーブ4aの段部24との間には、それぞれ外輪間座25a,25bが介装され、後側の軸受13bの外輪23は、外輪押さえ部材8によって軸方向前方に押圧されている。
また、軸受スリーブ4aは、後側軸受ハウジング4の内周面に摺動可能に嵌合して、バネ4bにより後方に押圧され、軸受12a,12bと軸受13a,13bに予圧荷重を与える。
【0018】
前記主軸11の軸方向における略中央部には、ロータ26が外嵌固定されており、該ロータ26の外周面側にはステータ27が同軸配置されている。ステータ27は、ハウジング本体2の内周面にステータスリーブ28を介して固着されている。
【0019】
前側軸受ハウジング3側の外輪間座20a,20bおよび後側軸受ハウジング4側の外輪間座25a,25bには、それぞれノズル30が貫通配置されており、該ノズル30には主軸ハウジング1内に形成された油供給路31を介して微量潤滑装置32から潤滑油が供給されるようになっている。
【0020】
前記微量潤滑装置32は、図示しない制御装置によってノズル30の吐出口から軸受12a,12b,13a,13bに向けて吐出される潤滑油の吐出速度、供給間隔および供給量等が所定の値になるように制御される。
そして、本実施形態では、ノズル30の吐出口から各軸受12a,12b,13a,13bに向けて吐出される潤滑油の吐出速度を10m/sec以上100m/sec以下、吐出油量を0.0005ml/ショット以上0.01ml/ショット以下としている。
【0021】
これにより、本出願人が先に提案した特願2000−327252号と同様の作用効果、即ち、圧縮エアを用いないためエアの風切り音等の騒音問題や潤滑油のミストが大気中に飛散することによる作業環境の悪化をなくすことができると共に、ノズルから吐出される潤滑油の吐出速度が10〜100m/secと速いため、高速回転時に発生するエアカーテンの影響を受けずに確実に軸受内部に潤滑油を供給することができる。
【0022】
また、潤滑油の吐出量が0.0005ml/ショット以上0.01ml/ショット以下と微量なため、軸受温度の上昇を低く抑えることができる。
更に、ジェット方式のような高圧ポンプを含む付帯装置を使用しないので、軸受に供給される油量が多くなることによる撹拌抵抗の増大がなく、主軸を駆動させるためのモータに安価な小型のものを使用できる。
【0023】
ところで、通常、主軸ハウジング1内の潤滑油は重力にしたがって下方向へ排出されるが、主軸11等の回転体が高速回転する場合においては、回転体が発生する気流の影響で、潤滑油は下へ流れず、外輪17,23の内周や外輪近傍のハウジング内周を周回するか、気流の力と重力の釣り合う位置にて停滞する場合がある。
【0024】
前記微量潤滑装置32から各軸受12a,12b,13a,13bに供給される油の量は、一個の軸受当り0.1〜0.003l/min程度であるが、潤滑に使用された後の油は速やかに排出されないと、軸受内の転がり抵抗が増大し、軸受温度が上昇したり不安定になり、最悪の場合、焼付きに至る可能性がある。
【0025】
そこで、本第1実施形態では、各軸受12a,12b,13a,13b内部の潤滑に使用された後の潤滑油を速やかに外部に排出すべく、前側軸受ハウジング3側の外輪間座20a,20b及び後側軸受ハウジング4側の外輪間座25a,25bを次のように構成している。尚、各外輪間座20a,20b,25a,25bとも、本発明に基づく基本的な構成と作用効果は同様なので、図2に示した外輪間座20bを例に、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0026】
前記外輪間座20bは、図2に示したように、外径が軸受12bの外輪17と略同径とされると共に、内径が内輪間座16の外径より若干大径とされている。図3に示したように、外輪間座20bの外輪17側を向く端部には、該外輪17より若干薄肉の環状突起33が軸方向に突出形成されており、該環状突起33の先端面は外輪17の端面に接触するようになっている。
【0027】
前記環状突起33の先端面には、半径方向に延びる半径方向溝34が略等間隔で周方向に複数箇所形成されており、該半径方向溝34の前記外輪17と離間する側である外輪間座20bの軸方向の略中央部外周面には、環状溝35が形成されており、該環状溝35と前記半径方向溝34とは連通路を構成する連通溝36によって連通されている。尚、図2の左側の外輪間座20aの場合は、両端部に半径方向溝34及び連通溝36が形成されている。
【0028】
前記環状溝35は、外周側を前側軸受ハウジング3の内径面によって塞がれることにより、前記外輪17と同心に設けられた略閉塞状態の環状流路37を構成する。
そして、前記環状流路37は、図2に示したように、ハウジング下部である前側軸受ハウジング3の下側壁に形成された排油口38に接続されている。
【0029】
即ち、前記外輪間座20a,20bの各環状突起33に設けられた複数の半径方向溝34が、主軸11の回転速度や回転方向によって外輪17の端面側の内周付近を周回したり、ある位置で停滞したりする潤滑油を主軸11の回転速度に関係なく効率よく捕捉する。
【0030】
前記半径方向溝34に捕捉された潤滑油は、連通溝36を介して環状流路37内に導かれる。この環状流路37内は、略閉塞状態とされて主軸11の回転による気流の影響を殆ど受けないため、環状流路37に導かれた潤滑油は、重力によって前側軸受ハウジング3の下側壁に形成された排油口38に流れ込んで外部に排出される。
【0031】
従って、前側軸受ハウジング3側の軸受12a,12b内部の潤滑に使用された後の潤滑油を速やかに外部に排出することができ、安定した軸受の運転状態を確保することができる。尚、後側軸受ハウジング4側の軸受13a,13bについても同様である。
【0032】
次に、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態に係る主軸装置を説明する。
図4に示したように、主軸ハウジング51は、ハウジング本体52と、該ハウジング本体52の前端(図中左端)に内嵌固定された前側軸受ハウジング53と、ハウジング本体52の後端に内嵌固定された後側軸受ハウジング54とを備えている。前側軸受ハウジング53の端部には、外輪押さえ部材55が取り付けられ、後側軸受ハウジング54には、外輪押さえ部材58および後蓋60が取り付けられている。
【0033】
前記主軸ハウジング51内に挿通配置された主軸61は、前側軸受ハウジング53内に軸方向に互いに離間配置された前後二個の軸受62a,62bと、後側軸受ハウジング54内に配置された一個の軸受63とによって、回転自在に支承されている。
【0034】
前記軸受62a,62bは、各外輪67が前側軸受ハウジング53に内嵌固定されると共に各内輪64が主軸61に外嵌固定されている。又、前記軸受63は、外輪73が後側軸受ハウジング54に内嵌固定されると共に、内輪69が主軸61に外嵌固定されている。尚、これら軸受62a,62bには、例えば背面組合せに定位置予圧されたアンギュラ玉軸受のような転がり軸受が用いられ、軸受63には円筒ころ軸受のような転がり軸受が用いられる。
【0035】
前側軸受ハウジング53内の前後の二個の軸受62a,62bの各内輪64の間には、内輪間座66が介装され、後側の軸受62bの内輪64は主軸61の段部61aに係止されるとともに、前側の軸受62aの内輪64は内輪押さえ部材56によって軸方向後方に押圧されている。
また、前後の二個の軸受62a,62bの各外輪67の間には、外輪間座70が介装され、後側の軸受62bの外輪67は前側軸受ハウジング53の段部68に係止されるとともに、前側の軸受62aの外輪67は外輪押さえ部材55によって軸方向後方に押圧されている。
【0036】
前記主軸61の軸方向における略中央部には、ロータ76が外嵌固定されており、該ロータ76の外周面側にはステータ77が同軸配置されている。ステータ77は、ハウジング本体52の内周面にステータスリーブ78を介して固着されている。
【0037】
前側軸受ハウジング53側の外輪間座70および後側軸受ハウジング54側の外輪間座75には、それぞれノズル80が貫通配置されており、該ノズル80には主軸ハウジング51内に形成された油供給路81を介して微量潤滑装置82から潤滑油が供給されるようになっている。
前記微量潤滑装置82は、図示しない制御装置によってノズル80の吐出口から軸受62a,62b,63に向けて吐出される潤滑油の吐出速度、供給間隔および供給量等が所定の値になるように制御される。
【0038】
そして、本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ノズル80の吐出口から各軸受62a,62b,63に向けて吐出される潤滑油の吐出速度を10m/sec以上100m/sec以下、吐出油量を0.0005ml/ショット以上0.01ml/ショット以下としている。
これにより、本出願人が先に提案した特願2000−327252号と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
ここで、本第2実施形態では、図5に示したように、前記軸受62b内部の潤滑に使用された後の潤滑油を速やかに外部に排出すべく、前記ノズル80の反対側の内輪67の端面に隣接する部位には、前記内輪67から離れるにしたがって外径が大きくなる断面R状の潤滑油案内面65aを備えた突起列65が設けられている。前記突起列65は、主軸61の段部61aの外周面に突設されており、該主軸61と一体的に回転することができる回転部分である。
【0040】
そして、前記潤滑油案内面65aの外径が最大となる軸方向位置と前記内輪64の端面の軸方向位置との間に対応する前側軸受ハウジング53には、前記潤滑油を外部に排出する排油口88の開口が設けられている。
【0041】
即ち、主軸61と一体的に回転する突起列65の潤滑油案内面65aは、外径が大きくなると外周速度が速くなるので、 突起列65の潤滑油案内面65aと伴に連れ回る空気の圧力が降下して該潤滑油案内面65aの近傍は負圧となる。
そこで、前記ノズル80の反対側では軸受62bから離れる方向に軸方向の空気の流れが形成され、この流れによって排油口88に潤滑油が導かれる。
【0042】
これにより、軸受62b内部の潤滑に使用された後の潤滑油を速やかに外部に排出することができ、安定した軸受の運転状態を確保することが可能となる。
また、上記第1実施形態の外輪間座20bにおける半径方向溝34、環状溝35及び連通溝36のような排油溝を多数形成する必要がないので、第1実施形態の主軸装置に比べて、低コストなものとすることができる。
更に、前記突起列65の外径をあまり大きくすると、主軸61の危険速度が低下する問題が発生するので、危険速度に比較的余裕のある主軸においては特に有効である。
【0043】
尚、本発明の主軸装置は、上記各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記第2実施形態では、突起列65を主軸61と一体構造とした場合を例示したが、突起列65を間座として主軸61と分離させてもよい。
又、上記第2実施形態では、突起列65の潤滑油案内面65aを断面R状とした場合を例示したが、これに限らず、直線テーパ状または階段状等にしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上、上述した本発明の主軸装置によれば、複数の半径方向溝が、軸の回転速度や回転方向によって外輪の端面側の内周付近を周回したり、ある位置で停滞したりする潤滑油を軸の回転速度に関係なく効率よく捕捉する。そして、前記半径方向溝に捕捉された潤滑油は、連通路を介して軸の回転による気流の影響を殆ど受けない環状流路内に導かれ、環状流路に導かれた潤滑油は、重力によってハウジング下部に設けられた排油口に流れ込んで外部に排出される。
これにより、軸受内部の潤滑に使用された後の潤滑油を速やかに外部に排出することができ、安定した軸受の運転状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る主軸装置を説明するための断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2に示した外輪間座の全体斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る主軸装置を説明するための断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 主軸ハウジング
11 主軸
12a,12b 軸受
14 内輪
17 外輪
30 ノズル
32 微量潤滑装置
34 半径方向溝
36 連通溝(連通路)
37 環状流路
38 排油口
Claims (1)
- 軸と、この軸の軸方向に隔離して内輪が嵌合された少なくとも2個の軸受と、該軸受の外輪と嵌合されたハウジングと、該ハウジングの内周面内で前記外輪に隣接して配置され、前記外輪の端面に接する面を有する外輪間座と、ノズルを介して前記軸受に吐出速度10m/sec以上100m/sec以下、吐出油量0.0005ml/ショット以上0.01ml/ショット以下の微量な潤滑油を供給する潤滑装置とを具備し、前記軸受の内輪と外輪とが転動体を介して相対的に回転可能となった主軸装置であって、
前記外輪間座は、前記外輪の端面と接する面に所定間隔で周方向に複数個所形成された半径方向に延びる半径方向溝と、前記外輪の端面と接する面から離間した外周面に前記外輪と同心に設けられた環状流路と、該環状流路と前記半径方向溝とを連通するように前記外周面に設けられる連通路とを備えており、
前記環状流路は、前記ハウジングに設けられた、前記潤滑油を前記主軸装置の外部に排出する排油口に接続されることを特徴とする主軸装置。
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