JP4098573B2 - 燃料棒の溶接装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は原子力発電用などに採択の燃料集合体にあって、これに装設される燃料棒を製造する際、その被覆管に下部端栓を溶接後、二酸化ウランペレットとかMOXペレットそしてプレナムスプリングなどの内挿物を装填し、これを溶接チャンバー内におけるヘリウム等の規定高圧不活性ガス雰囲気中で、被覆管の開口部に上部端栓を嵌合した状態として、その嵌合周縁部を溶接するために用いられる燃料棒溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記従来の燃料棒溶接装置としては図3に開示のものが用いられており、この種のものはシーケンサ等による制御装置1と、これによって駆動制御される燃料棒溶接用配管系2とヘリウムガス供給源3とにより構成されている。この燃料棒溶接用配管系2における主要構成部材としての溶接用構成部2Aは、既知の通り溶接チャンバー2aの被覆管シール部2bに貫設された嵌脱用開口部2cから嵌入されることになる燃料棒Aの被嵌管aと上部端栓bとを、溶接チャンバー2a内に着脱自在なるよう貫設される電極保持部2dの溶接電極2eによって、当該溶接チャンバー2a内にて溶接し得るようにしたものである。図3において、端栓軸承部2fは被嵌管シール部2bが回転することで、被嵌管aと上部端栓bとが圧接して形成された嵌合周縁部Bが、溶接電極2eにより全周にわたり溶接されることになる。電極用開口部2gは前記した電極保持部2dを溶接チャンバー2aに着脱自在なるよう貫設されたものである。
【0003】
従来の燃料棒溶接用配管系2には、溶接チャンバー2aのチャンバーガスCGをチャンバーガス分析配管2hによって導入自在とした酸素分析計2iと水分分析計2jとからなる酸素・水分分析計2Bが設けられている。ヘリウムガス供給源3からは、減圧器2kによる減圧ヘリウムガスHe1が酸素・水分分析計2Bへ供給自在である供給ヘリウム分析配管2mが配管されている。さらにヘリウムガス供給源3からは、真空ポンプ2nにより真空引きされた溶接チャンバー2a内へ、減圧器2pによる減圧ヘリウムガスHe2を第1流量調整器2qによって、所要多量だけ導入自在として低圧ヘリウムガス供給配管2rが設けられている。ヘリウムガス供給源3から溶接チャンバー2a内へは、減圧器2sによる減圧ヘリウムガスHe3を圧力調整器2tにより所定圧力に調整して導入自在とし、かつ、溶接チャンバー2a内へ大気が進入してしまうことを抑止可能とするため、高圧ヘリウムガス供給配管2uが配設されている。
【0004】
図3において、2vは溶接チャンバー2a内の不活性ガスを排出自在とした排気管を示し、v1、v2、v3、v4は制御装置1により作動可能である第1、第2、第3、第4配管切替弁を示す。各配管切替弁v1〜v4は、切替え作動によって、チャンバーガス分析配管2h、供給ヘリウムガス分析配管2m、低圧ヘリウムガス供給配管2r、高圧ヘリウムガス供給配管2uを適時開路または閉路状態とすることができる。図3(B)を参照して、上記従来の溶接装置を用いて燃料棒Aの前記した溶接を行うには、下部端栓cにて一端を閉塞した被嵌管a内に複数のウランペレットdを装填し、これと上部端栓b間にプレナムスプリングeを介装した状態にて、被覆管シール部2bに貫設した嵌脱用開口部2cから外気に対し閉封状態にて溶接チャンバー2a内へ嵌入した後、真空ポンプ2nにより抽気した溶接チャンバー2a内へ、ヘリウム供給源3から低圧ヘリウムガス供給配管2rを介して減圧ヘリウムガスHe1を供給し、さらに所定圧力のヘリウムガスHe3を調節チャンバー2aへ供給した後に溶接を行うこととなる。当該溶接については、燃料棒Aの照射中に不具合が発生することを防止したり溶接品質を維持したりするため、燃料棒A内に封入するヘリウムである不活性ガスおよび溶接チャンバー2a内における溶接雰囲気中の酸素および水分等のガス不純物が、所定濃度以下に管理された状態にて実施される必要がある。
【0005】
溶接チャンバー2a内に封入の不活性ガスCGであるヘリウムガスについては、どの程度の不純物が含まれているかを分析することが不可欠となる。このため図3(A)に開示の如く酸素分析計2iと水分分析計2jとを含む酸素・水分分析計2Bがチャンバーガス分析配管2hを介して不純物量を測定分析する。このように、燃料棒A内および溶接チャンバー2a内における酸素や水分等のガス中不純物を望ましい一定濃度以下となるよう管理しながら嵌合周縁部Bの溶接を行うことは不可欠とされている。
【0006】
酸素・水分分析計2Bに関連して問題となるのはつぎのようなことである。溶接チャンバー2aが当該溶接装置の稼動休止などの理由で密閉状態でなく外気に連通されている場合は、酸素・水分分析計2BへのチャンバーガスCGの供給はなくなるが、当該供給が跡絶えてしまうと、大気が酸素・水分分析計2Bにおける測定素子内へ入り込んで付着し、不純物分析値が高くなる。この結果溶接チャンバー2aを稼動して溶接作業を再開すべくヘリウムガスを酸素・水分分析計2Bへ導入しても、当該測定素子に吸着された大気の影響を受ける。だからヘリウムガスの流入が開始されても前記の高不純物分析値から安定した分析値が得られるようになるまで数時間を要する。したがってこの間溶接作業の開始が不能となることから作業効率が低退する。この難点を解消するため供給ヘリウムガス分析配管2mによってヘリウムガス供給源3から減圧ヘリウムガスHe1を、溶接作業が断続的な場合にあっても、常時連続して酸素・水分分析計2Bの測定素子に対して導入し続けるようにしている。このため高価なヘリウムガスが、当該溶接作業に全く利用されることなく消費されている。
【0007】
従来の溶接装置を使用する際は、溶接チャンバー2a内を真空ポンプ2nにより排気した後、ヘリウムガス供給源から大流量低圧ヘリウム供給配管2rを介して減圧ヘリウムガスHe2を導入することで、溶接チャンバー2a内の溶接雰囲気を良好にする。これは真空状態の溶接チャンバー2aにヘリウムガスを導入するのであるから、減圧ヘリウムガスHe2の流量を大きくしないと当該ガス置換に時間がかかる。実際上も減圧ヘリウムガスHe2の流量は、第1流量調整器2qによって30〜50L/minといった流量に設定している。
【0008】
ところがこの種の溶接装置では例えば燃料棒Aの溶接が完了し、これを溶接チャンバー2aから引き出した後、新規の燃料棒aを装填して溶接を行うことになるから、この際被覆管シール部2bの嵌脱用開口部2gが大気と連通状態となる。これでは大気が溶接チャンバー2aに進入して溶接箇所の酸化という不具合を発生するから、溶接チャンバー2a内には大気圧よりも実際上0.03〜0.05MPa程度高いヘリウムガスを導入する必要がある。このために低圧ヘリウムガス供給配管2rを用いている。この結果、低圧ヘリウムガス供給配管2rからは大量の減圧ヘリウムガスHe3が溶接チャンバー2aへ供給され、嵌脱用開口部2cが開口状態となる都度大量の高価なヘリウムガスが大気中へ放流される。
【0009】
上記従来の溶接装置によるとき、溶接作業の停止期間中などは、溶接チャンバー2aにの嵌脱用開口部2cとか電圧保持部2dを溶接チャンバー2aから取り外した際に開放される電極用開口部2gから、溶接チャンバー2a内のヘリウムガスが漏出されないように蓋(図示せず)で封止する。しかし当該蓋による封止作業が不完全であったりした場合、溶接チャンバー2aから気付かぬまま高価なヘリウムガスが漏洩することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来溶接装置の難点を解消するものであり、下記(01)〜(07)のようなことが目的である。
(01)図3(A)で説示した従来溶接装置の燃料溶接用配管系2に加え、溶接装置の稼動休止状態にあっては、従来の供給ヘリウムガス分析配管2mから酸素・水分分析計2Bへヘリウムガスを供給するのでなく、別途付設するようにした不活性ガス供給配管から高価なヘリウムガスではなしに、新規に用意したヘリウムよりも安価なアルゴン、窒素などの不活性ガスを、酸素・水分分析計2Bへ供給可能とする。かくて本発明は、酸素・水分分析計2Bの測定素子を、溶接装置の稼動休止中にあっても安価な不活性ガスの継続送流により外気の付着が阻止されるようにし、溶接の再開時にあって前説の供給ヘリウムガス分析配管2mからヘリウムガスの供給を開始すれば、数分程度の短時間内でヘリウムガスの分析値が安定した値となることを可能とし、これにより迅速な溶接作業の再開を保証するとともに、高価なヘリウムの消費量を長期的には大幅に削減可能にする。
(02)溶接チャンバー2a内のヘリウムガスがチャンバーガス分析配管2hを介して酸素・水分分析計2Bに流れるまでは、溶接チャンバー2a内での溶接棒Aの溶接が始動しないようにしたインターロックを制御装置1に設ける。かくて本発明は、不活性ガス供給配管からAr、N2が酸素・水分分析計2Bに流れている状態では溶接が始動してしまうことがないことを保証し、もって溶接チャンバー2a内のヘリウムガスについての酸素・水分に対する濃度管理体制に遺漏なきことを保証する。
(03)従来溶接装置の減圧ヘリウムガスHe2を溶接チャンバー2aに供給するための低圧ヘリウムガス供給配管2rと並列状に、ヘリウムガス供給源3と溶接チャンバー2aとの間に減圧ヘリウムガスを供給する第2流量調整器を備えた低圧ヘリウムガス供給配管を設ける。こうすることで低圧ヘリウムガス供給配管が、溶接チャンバー2a内への減圧ヘリウムガスHe2の可及的速やかな満杯供給を実現することの専用に供され、これとは別に増設した低圧ヘリウムガス供給配管が、溶接チャンバー内へ外気の進入することを抑止するための専用に供される。かくて本発明は、二つの目的を一つの低圧ヘリウムガス供給配管のみで兼用しようとする従来溶接装置の難点すなわちヘリウムガスが溶接チャンバー2aから無益に放出される問題を解消する。
(04)低圧ヘリウムガス供給配管を増設するのでなく、低圧ヘリウムガス供給配管2rの第1流量調節器に替えて自動流量調節器を採択することで、新規な一つだけの低圧ヘリウムガス供給配管のみを配設する。かくて本発明は、上記の目的だけでなくその配管構成の簡略化をも可能にする。
(05)低圧ヘリウムガス供給配管を設ける構成に、上記(01)の低廉なアルゴンまたは窒素などの減圧ガスを供給自在とした不活性ガス供給配管を付設する構成も付加する。かくて本発明は上記各課題の解決を可能する。
(06)上記(01)〜(05)の目的が達成できる溶接装置において、溶接チャンバー内のヘリウムガス圧力を圧力センサによる圧力値としての電気信号として制御装置1に入力させ、当該圧力値が溶接チャンバー内のチャンバーガスが所定圧力以上に所定時間以上継続して上昇しないときは、当該チャンバーガスに何等かの原因でガス洩れが生じていると判断し、それ以上のヘリウムガス漏失を阻止するため、ヘリウムガス供給源から溶接チャンバー内へ向けヘリウムガスを供給するための配管を自動的な開閉弁で遮断する。かくて本発明は、長時間気付くことなく漏失されてしまうヘリウムガスの浪費問題を解消する。
(07)従来の燃料棒溶接装置に上記(06)と同様にして制御装置に圧力値を入力する。かくて本発明は上記(06)と同様の目的を達成する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(11)本発明に係る燃料棒の溶接装置は、上記の目的を達成するための第1の課題解決手段として下記の技術的事項を特徴とする。すなわち第1の課題解決手段は、
制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管がその他方の低圧ヘリウムガス供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、真空引きされた時の溶接チャンバーが、流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介して、しかも、その流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、
を前提とする燃料棒の溶接装置において、
アルゴンまたは窒素からなる不活性ガスを減圧不活性ガスとして上記酸素・水分分析計に供給するための手段として、その減圧不活性ガス供給用の不活性ガス供給源とその減圧不活性ガス供給用の不活性ガス供給配管とが装備され、かつ、不活性ガス供給配管が、不活性ガス供給源から酸素・水分分析計に通じるように配管されて上記燃料棒溶接用配管系に付設されていることを特徴とする。
(12)本発明に係る燃料棒の溶接装置は、上記の目的を達成するための第2の課題解決手段として下記の技術的事項を特徴とする。すなわち第2の課題解決手段は、上記(11)に記載したものにおいて、
チャンバーガス分析配管を介して酸素・水分分析計に流れる溶接チャンバー内のヘリウムガスと、溶接チャンバー内における燃料棒の溶接始動との相対関係において、上記ヘリウムガスが酸素・水分分析計に流れるまで上記燃料棒の溶接を始動させないようにするためのインターロックが制御装置に設けられていることを特徴とする。
(13)本発明に係る燃料棒の溶接装置は、上記の目的を達成するための第3の課題解決手段として下記の技術的事項を特徴とする。すなわち第3の課題解決手段は、
制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管が他方のその低圧ヘリウムガス供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、真空引きされた時の溶接チャンバーが、第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介して、しかも、その第1流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、
を前提とする燃料棒の溶接装置において、
外気と連通状態にあるときの上記溶接チャンバー内に上記ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして供給することにより、その溶接チャンバー内に大気が逆流するのを防止するための手段として、ヘリウムガス供給源から溶接チャンバーに通じる第2流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管が燃料棒溶接用配管系に付設されていること、および、
上記溶接チャンバーと上記ヘリウムガス供給源と上記第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と上記第2流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管との相対関係において、第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介してヘリウムガス供給源から溶接チャンバー内に導入するときの減圧ヘリウムガスの流量を真空引き時の流量とし、第2流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介してヘリウムガス供給源から溶接チャンバー内に導入するときの減圧ヘリウムガスの流量を大気逆流防止時の流量とした場合、真空引き時の流量が大気逆流防止時の流量よりも相対的に大流量であり、かつ、これとは逆に、大気逆流防止時の流量が真空引き時の流量よりも相対的に小流量であることを特徴とする。
(14)本発明に係る燃料棒の溶接装置は、上記の目的を達成するための第4の課題解決手段として下記の技術的事項を特徴とする。すなわち第4の課題解決手段は、
制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と、自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管とを有するものであり、かつ、これら のうちの圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管がその他方の低圧ヘリウムガス調節供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記ヘリウムガス供給源と上記自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管との相対関係において、外気と連通状態にあるため大気の逆流を防止するときの溶接チャンバーや真空引きを受けたときの溶接チャンバーが、自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管を介して、しかも、その自動流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記制御装置と上記自動流量調節器との相対関係において、上記真空引き時と上記大気逆流防止時、制御装置からの電気信号で自動流量調節器が調節されるものであり、かつ、これにともない、低圧ヘリウムガス調節供給配管を介してヘリウムガス供給源から溶接チャンバーに流れる減圧ヘリウムガスの流量が真空引き時と大気逆流防止時とで切り替わるものであること、および、
上記真空引き時の減圧ヘリウムガス流量を真空引き時の流量とし、上記大気逆流防止時の減圧ヘリウムガス流量を大気逆流防止時の流量とした場合、真空引き時の流量が大気逆流防止時の流量よりも相対的に大流量となり、かつ、これとは逆に、大気逆流防止時の流量が真空引き時の流量よりも相対的に小流量となるように制御装置が自動流量調節器を調節するものであることを特徴とする。
(15)本発明に係る燃料棒の溶接装置は、上記の目的を達成するための第5の課題解決手段として下記の技術的事項を特徴とする。すなわち第5の課題解決手段は、
制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源と、アルゴンまたは窒素からなる不活性ガスを供給するための不活性ガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と、不活性ガス供給配管と、自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管がその他方の低圧ヘリウムガス調節供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、および、
上記酸素・水分分析計と上記不活性ガス供給源と上記不活性ガス供給配管との相対関係において、不活性ガス供給配管が、不活性ガス供給源から酸素・水分分析計に通じるように配管されていること、および、
上記溶接チャンバーと上記ヘリウムガス供給源と上記自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管との相対関係において、外気と連通状態にあるため大気の逆流を防止するときの溶接チャンバーや真空引きを受けたときの溶接チャンバーが、自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管を介して、しかも、その自動流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記制御装置と上記自動流量調節器との相対関係において、上記真空引き時と上記大気逆流防止時、制御装置からの電気信号で自動流量調節器が調節されるものであり、かつ、これにともない、低圧ヘリウムガス調節供給配管を介してヘリウムガス供給源から溶接チャンバーに流れる減圧ヘリウムガスの流量が真空引き時と大気逆流防止時とで切り替わるものであること、および、
上記真空引き時の減圧ヘリウムガス流量を真空引き時の流量とし、上記大気逆流防止時の減圧ヘリウムガス流量を大気逆流防止時の流量とした場合、真空引き時の流量が大気逆流防止時の流量よりも相対的に大流量となり、かつ、これとは逆に、大気逆流防止時の流量が真空引き時の流量よりも相対的に小流量となるように制御装置が自動流量調節器を調節するものであることを特徴とする。
(16)本発明に係る燃料棒の溶接装置は、上記の目的を達成するための第6の課題解決手段として下記の技術的事項を特徴とする。すなわち第6の課題解決手段は、上記(11)〜(15)に記載したものにおいて、
溶接チャンバーの内圧を検知するための圧力センサーがその溶接チャンバーに付帯して設けられているとともに、ヘリウムガス供給源から溶接チャンバーへと流れるヘリウムガスの供給を遮断するための開閉弁がそのヘリウムガス供給源から溶接チャンバーにわたる配管に介在して設けられており、これらのうち、制御装置と溶接チャンバーと圧力センサーとの相対関係では、圧力センサーが、検知した溶接チャンバー内のヘリウムガス圧力を電気信号にして制御装置に入力するものであり、さらに、制御装置と溶接チャンバーと圧力センサーと開閉弁との相対関係では、溶接チャンバーの内圧を示す電気信号として所定圧力以上のものを所定時間以上継続して得られないときの制御装置が、溶接チャンバーからヘリウムガスが漏出していると判断して開閉弁を自動的に閉じるものであることを特徴とする。
(17)本発明に係る燃料棒の溶接装置は、上記の目的を達成するための第7の課題解決手段として下記の技術的事項を特徴とする。すなわち第7の課題解決手段は、
制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管がその他方の低圧ヘリウムガス供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、真空引きされた時の溶接チャンバーが、流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介して、しかも、その流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、
を前提とする燃料棒の溶接装置において、
上記溶接チャンバーの内圧を検知するための圧力センサーがその溶接チャンバーに付帯して設けられていること、および、
上記ヘリウムガス供給源から溶接チャンバーへと流れるヘリウムガスの供給を遮断するための開閉弁がそのヘリウムガス供給源から溶接チャンバーにわたる配管に介在して設けられていること、および、
上記制御装置と上記溶接チャンバーと上記圧力センサーとの相対関係において、圧力センサーが、検知した溶接チャンバー内のヘリウムガス圧力を電気信号にして制御装置に入力するものであること、および、
上記制御装置と上記溶接チャンバーと上記圧力センサーと上記開閉弁との相対関係において、溶接チャンバーの内圧を示す電気信号として所定圧力以上のものを所定時間以上継続して得られないときの制御装置が、溶接チャンバーからヘリウムガスが漏出していると判断して開閉弁を自動的に閉じるものであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る燃料棒の溶接装置について、これの実施形態を図1〜図2に基づき説明する。なお、以下に述べる本発明装置は、図3を参照して説明した従来装置に対し、以下のような構成が付加されている点で相違するものである。
【0013】
図1に例示された本発明装置は、新規に酸素・水分分析計2Bに対して、不活性ガス供給源4からヘリウムよりも低廉であるAr、N2などの減圧不活性ガスGを、制御装置1により供給自在とした不活性ガス供給配管4aが付設されている。図1では減圧器4bが不活性ガス供給配管4aに介設されている。この減圧器4bにより減圧不活性ガスGが得られる。図1の第5配管切替弁v5は、制御装置1によってこれを切り替えることで、酸素・水分分析計2Bに対し、不活性ガス供給配管4aと供給ヘリウムガス分析配管2mとの切替えができるものである。
【0014】
本発明装置は不活性ガス供給配管4aを付設したことで、溶接を休止している際につぎのことが可能になる。すなわち本発明装置は、従来装置のように供給ヘリウムガス分析配管2mから減圧ヘリウムガスHe1を酸素・水分分析計2Bへ放流し続けることなく、不活性ガス供給配管4aからAr、N2等の不活性ガスを供給しておくことができるので、酸素・水分分析計2Bの測定素子に外気が付着するのを抑止できる。したがって本発明装置は、高価なヘリウムをそれ本来の用法に供することなしに浪費してしまうことがなく、しかもこのAr、N2等の送流を、供給ヘリウムガス分析配管2mからヘリウムガスの送流に切り替えるようにすれば、酸素・水分分析計2Bによるヘリウムガス中の酸素および水分等のガス中不純物が一定濃度以下に保持されているか否かについて、速やかに管理できる。
【0015】
上記の内容に対して本発明装置では、シーケンサ等による制御装置1にインターロックが設けられる。このインターロックは、溶接チャンバー2a内のチャンバーガスCGであるヘリウムガスがチャンバーガス分析配管2hを介して酸素・水分分析計2Bに流れるまでは、溶接チャンバー2a内における溶接が始動してしまうことのないように構成されているものである。この場合は、チャンバーガスCGの不純物濃度が酸素・水分分析計2Bにより管理されないまま溶接が開始されるということが防止できる。すなわち、当該溶接の実施によって燃料棒A内における不活性ガスとしてのヘリウムに酸素や水分が導入される結果、得られた燃料棒に照射中の不具合が発生したり溶接品質が劣化したりすることが防止できる。
【0016】
本発明装置は、さらに、従来装置に対し以下のような構成を付加するものである。すなわち図1のものは図3との対比で明らかなように、溶接チャンバー2aが外気と連通状態となることによる大気の逆流により、当該溶接チャンバー2a内のヘリウムガスが大気中へ漏出してしまうことを阻止するため、この溶接チャンバー2a内へ上記のヘリウムガス供給源3からの減圧ヘリウムガスHe4を第2流量調節器5aにより所要少量、すなわち低圧ヘリウムガス供給配管2rから溶接チャンバー2a内へ送入される減圧ヘリウムガスHe1に比し、はるかに少量となるよう制御して導入自在とした低圧ヘリウムガス供給配管5bが配装付設されているのである。図1の減圧器5cは、低圧ヘリウムガス供給配管5bに介設されたものである。この図1に例示された本発明装置は、第2配管切替弁v2−第3配管切替弁v3−第6配管切替弁v6−第7配管切替弁v7−第4配管切替弁v4の制御装置1による作動によって、ヘリウムガス供給源3からのヘリウムガスを溶接チャンバー2a内に供給できるものである。
【0017】
したがってこの本発明装置の場合、従来装置とは異なり、一方の低圧ヘリウムガス供給配管2rと他方の低圧ヘリウムガス供給配管5bとをそれぞれの需要に応じて使い分けることができる。この結果、溶接チャンバー2aからヘリウムガスが漏出する場合でも、低圧ヘリウムガス供給配管2rから大量のヘリウムガスを溶接チャンバー2a内へ供与することで、高価なヘリウムガスの浪費問題を解消することができる。
【0018】
本発明装置については、上記と実質的に同一の目的を達成するにあたり、低圧ヘリウムガス供給配管5bを従来装置に増設するのでなく、一つの低圧ヘリウムガス調節供給配管6だけで所要の機能を発揮させるものもある。従来装置との対比でいうと、これは図2のように、ヘリウムガス供給源3と溶接チャンバー2aとの間に設けられた低圧ヘリウムガス供給配管2rの第1流量調節器2qに替えて自動流量調節器6aを介在させることにより低圧ヘリウムガス調節供給配管6が形成される。この低圧ヘリウムガス調節供給配管6における自動流量調節器6aの前段には減圧器6bが設けられる。
【0019】
従来装置などは既述の内容から明らかなように、上記真空引き後の大流量ヘリウムガス導入(低圧ヘリウムガス供給配管2rを介した溶接チャンバー2a内への減圧ヘリウムガス導入)と、上記大気逆流防止時の小流量ヘリウムガス導入(低圧ヘリウムガス供給配管5bを介した溶接チャンバー2a内への減圧ヘリウムガス導入)とを、それぞれ切り替えるようにしていた。これについて本発明装置は、上記自動流量調節器6aの流量を制御装置1による電気信号により調節することで、一つの低圧ヘリウムガス調節供給配管6でまかなえるようになる。
【0020】
本発明装置には、また、つぎのようなの実施形態もある。図2を参照してこれは、低圧ヘリウムガス調節供給配管6と不活性ガス供給配管4aとが兼備されるものである。この場合は、一つの低圧ヘリウムガス調節供給配管6により、溶接チャンバー2aに対して大流量や小流量の低圧ヘリウムガスが選択的に供給できるだけでなく、不活性ガス供給配管4aによる安価なAr、N2などの不活性ガスを、溶接チャンバー2aの運転休止時、酸素・水分分析計2Bへ送流させておくことによる費用削減効果もある。
【0021】
上述した各実施形態の本発明装置については、さらに、つぎのような構成が付加されるものある。図2を参酌して、これは溶接チャンバー2a内におけるヘリウムガス圧力を圧力センサー7で検知し、その圧力値(電気信号)をシーケンサ等による制御装置1に入力するものである。このセンサー検知による圧力値として溶接チャンバー2a内における外気よりも高い所定圧力例えば0.03MPa程度以上の圧力が、所定時間例えば5分間以上継続して得られない場合は、制御装置1が溶接チャンバー2aからヘリウムガスが漏出していると判断し、開閉弁7aを自動的に閉じて低圧ヘリウムガス調節供給配管6を遮断する。このように、溶接チャンバー2a内のチャンバーガス圧が必要とされる所定圧力に達しないことが継続検知され、低圧ヘリウムガス調節供給配管6が遮断されるときは、ヘリウムガスが溶接チャンバー2aから無益に漏出することによる不利益が解消する。
【0022】
上記の検知遮断手段は、各配管2m、2r、2u、4aをもつ本発明装置には示されていない。このような本発明装置では、上記の内容から理解できるとおり、圧力センサー7が図1の溶接チャンバー2aと制御装置1との間に設けられる。開閉弁7aについては、図1のヘリウムガス供給源3から低圧ヘリウムガス供給配管2r、高圧ヘリウムガス供給配管2uなどを経て溶接チャンバー2aに流入する減圧ヘリウムガスHe1、He2、He3を遮断することができる配管位置に介在して設けられる。これでこの本発明装置も上記と同じ目的を達成することができる。
【0023】
本発明装置で各配管2m、2r、2uやインターロックのあるものにも上記の検知遮断手段を付加することができる。この場合は上記と同じになるほか、インターロックに基づく作用効果が重畳するものとなる。本発明装置で各配管2m、2r、2u、5bを有するものにも上記の検知遮断手段を付加することができる。この場合は図1から理解できるように、圧力センサー7が上記と同様に設けられるほか、ヘリウムガス供給源3から供給される減圧ヘリウムガスHe2と減圧ヘリウムガスHe4と減圧ヘリウムガスHe3との何れもが、溶接チャンバー2a内へ流入されることのない配管位置に開閉弁7aが介在して設けられる。本発明装置で各配管2m、2u、4a、6を有するものに上記の検知遮断手段を付加したものは、図2を参照して述べた内容と実質的に同じである。ただし、この両者は不活性ガス供給配管4aに関する構成の有無とこれによる作用効果の有無とが相違する。
【0024】
本発明装置の実施形態で他の一つは、図3で説明した従来の燃料棒溶接装置を主たる構成部分として採用している。すなわちこれについては、「溶接チャンバー2a内のヘリウムガス圧力を圧力センサー7で検知してその圧力値(電気信号)をシーケンサ等の制御装置1に入力し、当該圧力値として溶接チャンバー2a内の所定圧力以上の圧力が所定時間以上継続して得られない場合に、この制御装置1が溶接チャンバー2aからヘリウムガスが漏出していると判断する」という事項までは前記と同じである。当該実施形態では、さらに、低圧ヘリウムガス供給配管2rや高圧ヘリウムガス供給配管2uなど、ヘリウムガス供給源Bから溶接チャンバー2a内にヘリウムガスを供給する配管を有するものにおいて、そのヘリウムガスを供給する配管に図2と同様にして開閉弁7a(図示せず)が介在して設けられる。この実施形態のものでは、上記の判断に基づき開閉弁7aを自動的に閉ることで所定の配管が遮断されるものである。これに基づく作用効果は既述の内容と同じである。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る燃料棒の溶接装置は下記(21)〜(27)のような効果を有する。
(21)供給ヘリウムガス分析配管とは別個に、酸素・水分分析計2Bに切換自在なるよう配管した不活性ガス供給配管からヘリウムガスよりも安価なAr、N2の如き不活性ガスを溶接作業停止時に送流し得るようにしたことから、高価なヘリウムガスを多量に浪費してしまう従来の欠陥を解消し得ると共に、酸素・水分分析計の測定素子を大気により汚染してしまうことも阻止できるので、溶接作業の再開に際しては、供給ヘリウムガス分析配管からのヘリウムガス送流後、極めて単時間内に酸素や水分を一定濃度以下に管理することができ、当該溶接作業を効率的に実施することができる。
(22)インターロックを付設したから、酸素・水分分析計に溶接チャンバー内のヘリウムガスが流れることで初めて燃料棒の溶接が始動可能となる。したがって不活性ガス供給配管の稼働中には溶接開始が阻止される。このため上記の作用効果について、その信頼性をより向上することが可能となる。
(23)従来の溶接装置における大流量用の低圧ヘリウムガス供給配管や高圧ヘリウムガス供給配管だけでなく、これらに並列となるように小流量用の低圧ヘリウムガス供給配管を配設したものである。この場合の大流量用の低圧ヘリウムガス供給配管は、溶接チャンバーにヘリウムガスを大量に供給して速やかに充満させるための専用に供し、小流量用の低圧へリウムガス供給配管は、溶接チャンバー内のヘリウムガスが外気へ流出し、これにより外気が溶接チャンバー内へ進出してしまうといった状態のときに、少量のヘリウムガスを供与すること専用に供するものである。したがって大流量用の低圧ヘリウムガス供給配管で両用を兼ねていた従来溶接装置に比し、無益に高価なヘリウムガスが溶接チャンバーから放散されるのを効果的に阻止することができる。
(24)小流量用の低圧ヘリウムガス供給配管を増設するのでなく、当該小流量用の低圧ヘリウムガス供給配管と大流量用の低圧ヘリウムガス供給配管とを大小流量用の低圧ヘリウムガス兼用供給配管一つでまかなうものあるから、配管構成と制御性の簡略化を実現しつつ上記と同等の作用効果を発揮することができる。
(25)大小流量用の低圧ヘリウムガス兼用供給配管を設けた構成に不活性ガス供給配管を付加したことで、その付加構成に基づく効果を上記に上乗せすることができる。
(26)溶接チャンバー内のヘリウムガス圧力の経時変化を検知する圧力センサーと、その検知結果である圧力値の継続に基づく制御と、その制御によって作動される開閉弁とにより、ヘリウムガス供給源から溶接チャンバー内へのヘリウムガス供給を遮断できるようにしたので、気付かぬ間に多量のヘリウムガスを放散してしまうといった事態の発生を未然に防止することができる。
(27)上記の圧力センサーや開閉弁などによる検知遮断手段を従来の燃料棒溶接装置に付加したから、その圧力センサーと開閉弁との適切な介在により、ヘリウムガスの浪費を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料棒の溶接装置についてその一実施形態を略示した配管系統図である。
【図2】本発明に係る燃料棒の溶接装置について他の一実施形態を略示した配管系統図である。
【図3】従来例に係る燃料棒の溶接装置を略示した配管系統図である。
【符号の説明】
1 制御装置
2 燃料棒溶接用配管系
2A 溶接用構成部
2B 酸素・水分分析計
2a 溶接チャンバー
2b 被覆管シール部
2c 嵌脱用開口部
2d 電極保持部
2e 溶接電極
2h チャンバーガス分析配管
2m 供給ヘリウムガス分析配管
2q 第1流量調節器
2r 低圧ヘリウムガス供給配管
2t 圧力調整器
2u 高圧ヘリウムガス供給配管
3 ヘリウムガス供給源
4 不活性ガス供給源
4a 不活性ガス供給配管
5a 第2流量調節器
5b 低圧ヘリウムガス供給配管
6 低圧ヘリウムガス調節供給配管
6a 自動流量調整器
7 圧力センサー
7a 開閉弁
A 燃料棒
CG チャンバーガス
G 減圧不活性ガス
He1 減圧ヘリウムガス
He2 減圧ヘリウムガス
He3 減圧ヘリウムガス
He4 減圧ヘリウムガス
He5 減圧ヘリウムガス
a 被覆管
b 上部端栓
Claims (7)
- 制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管がその他方の低圧ヘリウムガス供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、真空引きされた時の溶接チャンバーが、流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介して、しかも、その流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、
を前提とする燃料棒の溶接装置において、
アルゴンまたは窒素からなる不活性ガスを減圧不活性ガスとして上記酸素・水分分析計に供給するための手段として、その減圧不活性ガス供給用の不活性ガス供給源とその減圧不活性ガス供給用の不活性ガス供給配管とが装備され、かつ、不活性ガス供給配管が、不活性ガス供給源から酸素・水分分析計に通じるように配管されて上記燃料棒溶接用配管系に付設されていることを特徴とする燃料棒の溶接装置。 - チャンバーガス分析配管を介して酸素・水分分析計に流れる溶接チャンバー内のヘリウムガスと、溶接チャンバー内における燃料棒の溶接始動との相対関係において、上記ヘリウムガスが酸素・水分分析計に流れるまで上記燃料棒の溶接を始動させないようにするためのインターロックが制御装置に設けられている請求項1に記載した燃料棒の溶接装置。
- 制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供 給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管が他方のその低圧ヘリウムガス供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、真空引きされた時の溶接チャンバーが、第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介して、しかも、その第1流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、
を前提とする燃料棒の溶接装置において、
外気と連通状態にあるときの上記溶接チャンバー内に上記ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして供給することにより、その溶接チャンバー内に大気が逆流するのを防止するための手段として、ヘリウムガス供給源から溶接チャンバーに通じる第2流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管が燃料棒溶接用配管系に付設されていること、および、
上記溶接チャンバーと上記ヘリウムガス供給源と上記第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と上記第2流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管との相対関係において、第1流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介してヘリウムガス供給源から溶接チャンバー内に導入するときの減圧ヘリウムガスの流量を真空引き時の流量とし、第2流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介してヘリウムガス供給源から溶接チャンバー内に導入するときの減圧ヘリウムガスの流量を大気逆流防止時の流量とした場合、真空引き時の流量が大気逆流防止時の流量よりも相対的に大流量であり、かつ、これとは逆に、大気逆流防止時の流量が真空引き時の流量よりも相対的に小流量であることを特徴とする燃料棒の溶接装置。 - 制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と、自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管がその他方の低圧ヘリウムガス調節供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記ヘリウムガス供給源と上記自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管との相対関係において、外気と連通状態にあるため大気の逆流を防止するときの溶接チャンバーや真空引きを受けたときの溶接チャンバーが、自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管を介して、しかも、その自動流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記制御装置と上記自動流量調節器との相対関係において、上記真空引き時と上記大気逆流防止時、制御装置からの電気信号で自動流量調節器が調節されるものであり、かつ、これにともない、低圧ヘリウムガス調節供給配管を介してヘリウムガス供給源から溶接チャンバーに流れる減圧ヘリウムガスの流量が真空引き時と大気逆流防止時とで切り替わるものであること、および、
上記真空引き時の減圧ヘリウムガス流量を真空引き時の流量とし、上記大気逆流防止時の減圧ヘリウムガス流量を大気逆流防止時の流量とした場合、真空引き時の流量が大気逆流防止時の流量よりも相対的に大流量となり、かつ、これとは逆に、大気逆流防止時の流量が真空引き時の流量よりも相対的に小流量となるように制御装置が自動流量調節器を調節するものであることを特徴とする燃料棒の溶接装置。 - 制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源と、アルゴンまたは窒素からなる不活性ガスを供給するための不活性ガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と、不活性ガス供給配管と、自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管がその他方の低圧ヘリウムガス調節供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、および、
上記酸素・水分分析計と上記不活性ガス供給源と上記不活性ガス供給配管との相対関係において、不活性ガス供給配管が、不活性ガス供給源から酸素・水分分析計に通じるように配管されていること、および、
上記溶接チャンバーと上記ヘリウムガス供給源と上記自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管との相対関係において、外気と連通状態にあるため大気の逆流を防止するときの溶接チャンバーや真空引きを受けたときの溶接チャンバーが、自動流量調節器付き低圧ヘリウムガス調節供給配管を介して、しかも、その自動流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記制御装置と上記自動流量調節器との相対関係において、上記真空引き時と上記大気逆流防止時、制御装置からの電気信号で自動流量調節器が調節されるものであり、かつ、これにともない、低圧ヘリウムガス調節供給配管を介してヘリウムガス供給源から溶接チャンバーに流れる減圧ヘリウムガスの流量が真空引き時と大気逆流防止時とで切り替わるものであること、および、
上記真空引き時の減圧ヘリウムガス流量を真空引き時の流量とし、上記大気逆流防止時の減圧ヘリウムガス流量を大気逆流防止時の流量とした場合、真空引き時の流量が大気逆流防止時の流量よりも相対的に大流量となり、かつ、これとは逆に、大気逆流防止時の流量が真空引き時の流量よりも相対的に小流量となるように制御装置が自動流量調節器を調節するものであることを特徴とする燃料棒の溶接装置。 - 溶接チャンバーの内圧を検知するための圧力センサーがその溶接チャンバーに付帯して設けられているとともに、ヘリウムガス供給源から溶接チャンバーへと流れるヘリウムガスの供給を遮断するための開閉弁がそのヘリウムガス供給源から溶接チャンバーにわたる配管に介在して設けられており、これらのうち、制御装置と溶接チャンバーと圧力センサーとの相対関係では、圧力センサーが、検知した溶接チャンバー内のヘリウムガス圧力を電気信号にして制御装置に入力するものであり、さらに、制御装置と溶接チャンバーと圧力センサーと開閉弁との相対関係では、溶接チャンバーの内圧を示す電気信号として所定圧力以上のものを所定時間以上継続して得られないときの制御装置が、溶接チャンバーからヘリウムガスが漏出していると判断して開閉弁を自動的に閉じるものである請求項1〜5のいずれかに記載した燃料棒の溶接装置。
- 制御装置と、その制御装置によって駆動制御される燃料棒溶接用配管系と、ヘリウムガス供給源とを備えたものであること、および、
上記燃料棒溶接用配管系が、溶接用構成部と、酸素・水分分析計と、チャンバーガス分析配管と、供給ヘリウムガス分析配管と、流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と、圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管とを有するものであり、かつ、これらのうちの流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管については、その一方の高圧ヘリウムガス供給配管がその他方の低圧ヘリウムガス供給配管よりも相対的に圧力の高いヘリウムガスを供給するものであること、および、
上記溶接用構成部が、燃料棒の被覆管と上部端栓との溶接を内部で行うための溶接チャンバーと、その溶接チャンバーの一部に設けられた被覆管シール部と、その溶接チャンバーの他の一部に設けられた電極保持部と、電極保持部により保持されて溶接チャンバー内に配置された溶接電極と、燃料棒の被覆管や上部端栓を溶接チャンバー内に嵌入するための嵌脱用開口部であって被覆管シール部に貫通形成されたものとを有していること、および、
上記溶接チャンバーと上記チャンバーガス分析配管と上記供給ヘリウムガス分析配管と上記酸素・水分分析計と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、酸素・水分分析計が、チャンバーガス分析配管を介して溶接チャンバー内のチャンバーガスを導入できるものであり、かつ、その溶接チャンバーの運転休止時には供給ヘリウムガス分析配管を介してヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、真空引きされた時の溶接チャンバーが、流量調節器付き低圧ヘリウムガス供給配管を介して、しかも、その流量調節器の調節度合いにしたがって、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを減圧してこれを減圧ヘリウムガスとして導入できるものであること、および、
上記溶接チャンバーと上記圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管と上記ヘリウムガス供給源との相対関係において、溶接チャンバー内への大気進入を抑止するため、ヘリウムガス供給源から圧力調整器付き高圧ヘリウムガス供給配管を介して溶接チャンバー内へ減圧ヘリウムガスを圧力調整器によって大気圧よりも高い圧力で導入できるものであること、
を前提とする燃料棒の溶接装置において、
上記溶接チャンバーの内圧を検知するための圧力センサーがその溶接チャンバーに付帯して設けられていること、および、
上記ヘリウムガス供給源から溶接チャンバーへと流れるヘリウムガスの供給を遮断するための開閉弁がそのヘリウムガス供給源から溶接チャンバーにわたる配管に介在して設けられていること、および、
上記制御装置と上記溶接チャンバーと上記圧力センサーとの相対関係において、圧力センサーが、検知した溶接チャンバー内のヘリウムガス圧力を電気信号にして制御装置に入力するものであること、および、
上記制御装置と上記溶接チャンバーと上記圧力センサーと上記開閉弁との相対関係において、溶接チャンバーの内圧を示す電気信号として所定圧力以上のものを所定時間以上継続して得られないときの制御装置が、溶接チャンバーからヘリウムガスが漏出していると判断して開閉弁を自動的に閉じるものであることを特徴とする燃料棒の溶接装置。
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