JP4098469B2 - 核融合炉出力モニタ装置 - Google Patents

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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核融合炉の出力を測定する核融合炉出力モニタ装置に係り、特にプラズマ位置のずれ、熱負荷、核発熱、電磁応力、電磁ノイズ等の影響を受けることなく、核融合炉の出力を正確に測定できるようにした核融合炉出力モニタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば臨界プラズマ試験装置(JT−60/JAERITokamak−60)においては、核融合炉を構成する真空容器の外側に、検出器である核分裂計数管を配置して、核融合反応により発生する中性子を測定し、真空容器、トロイダルコイルによる散乱、減衰を補正して、発生中性子のトータル量を求めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、以下のような種々の問題点がある。
【0004】
[プラズマ位置のずれ]
従来は、真空容器外に検出器が設置されており、真空容器、トロイダルコイルによる散乱、減衰があり、校正試験により減衰量を求めて、全発生中性子量を推定するようにしている。しかし、プラズマの位置が、真空容器の所定位置からずれた場合、プラズマが検出器から離れると測定中性子量は減少し、プラズマが検出器に近づくと測定中性子量は増加するため、中性子発生量には、プラズマの位置に起因する誤差が生じる。
【0005】
[空間分解]
核融合炉の制御を行なうためには、核融合反応の空間分布を求める必要があるが、従来の方法では、真空容器、トロイダルコイルによる散乱、減衰の効果により、位置の情報が平準化されている。また、特別なコリメータ等を持たないため、核融合反応分布を測定することができない。
【0006】
[熱負荷]
中性子の散乱、減衰が比較的少ない真空容器内のブランケットの表面または内部に設置する場合、プラズマからの熱負荷1MW/m2 、および核発熱(10W/cm3 )のため、検出器自体の強制冷却が必要であり、構造が複雑になるという問題点がある。また、真空容器内のブランケットの背面に設置する場合には、中性子の散乱、減衰を受けて、中性子発生位置の情報等が平準化されるという問題点がある。
【0007】
[核発熱]
*真空容器内のブランケットの背面の、ブランケットとブランケットとの間に、検出器を配置した場合には、核発熱量は0.5W/cm3 程度に軽減されるものの、除熱を行なう必要がある。
【0008】
*原子炉の場合には、温度と圧力が一定な水中に設置されるため、周囲温度は一定であるが、核融合炉の場合には、真空環境に設置され、大量の中性子、ガンマ線にさらされ、検出器の材質自体が発熱するため、検出器の温度が変化する。一方、検出器である核分裂係数管は、感度が温度に依存するため問題がある。
【0009】
[電磁応力]
核融合装置の場合、プラズマ中に大電流が流れており、プラズマの不安定性によって電流が変化した場合には、電流の作る磁場(ポロイダル磁場)が時間的に変化し、真空容器、内部構造物、検出器に渦電流を生じ、ポロイダル磁場と直交するトロイダル磁場との電磁力(F=J×B)により、検出器および検出器を固定しているバックプレート等の部材に振動が生じる。また、信号ケーブルとそのサポート、サポートのベース(バックプレート)の作る閉回路と交差するポロイダル磁場成分があると渦電流が生じ、電磁応力が信号ケーブルに働いて、信号ケーブルが振動する。
【0010】
一方、検出器である核分裂計数管は、電磁応力の無い原子炉雰囲気では十分な耐震性能を有しているものの、核融合炉のように厳しい条件下では、振動によって疑似信号が生じる。また、信号ケーブルの振動についても、アコースティックノイズを生じる。
【0011】
このため、核融合装置の真空容器の内部に、検出器および信号ケーブルを配置する構成の測定システムでは、検出器の振動に対する対策と、電磁応力の生じない信号ケーブルの配線の方法に工夫が必要となる。
【0012】
[電磁ノイズ]
追加熱を行なうため、電磁波による加熱が行なわれており、数十メガHz、数十Mワットの電磁波が真空容器中に投入されている。真空容器中の信号ケーブルの長さは数メートルであり、電磁波の波長と近く、アンテナの効果を持つ可能性があり、2重シールドを行なう必要がある。一般的に、耐熱性、耐放射線性を持つ絶縁材料としては、セラミックスが使用されるが、金属に比べて熱伝導性が劣り、十分な除熱を期待することができない。
【0013】
[校正]
*一般的に、検出器の校正には、線源を検出器近くに移動させて、検出器の感度を校正している。検出器を真空中に設置した場合には、真空中に駆動力を導入するか、または真空中に駆動部を設置するかの手段が考えられる。しかし、前者の場合は、真空容器中にはトリチウムがあることから、真空シールの信頼性の観点から、使用しない方が望ましい。また、後者のように、駆動部を真空中に設置する場合は、例えばモータを設置する場合、モータの絶縁物(エナメル線のエナメル)の耐放射線性のため、使用が困難となる。
【0014】
本発明の目的は、プラズマ位置のずれ、熱負荷、核発熱、電磁応力、電磁ノイズ等の影響を受けることなく、核融合炉の出力を正確に測定することが可能な核融合炉出力モニタ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明の核融合炉出力モニタ装置は、核融合炉を構成する真空容器内のプラズマの周囲に当該プラズマを取り囲むように設置され、熱中性子から高速中性子までに感度を持つ複数の検出器と、信号ケーブルにより導かれかつ信号導入端子を介して真空容器外に取り出される各検出器の出力を入力し、当該各検出器の出力に検出器設置位置に依存する重率をそれぞれ乗じた量の総和から、核融合炉の出力を求めるデータ処理手段とを備える。
【0016】
従って、請求項1の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、真空容器内のプラズマの周囲に当該プラズマを取り囲むように複数の検出器を設置することにより、プラズマの位置のずれによる測定誤差が少なくなり、核融合炉の出力を正確に測定することができる。
【0017】
また、請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置は、核融合炉を構成する真空容器内のプラズマの周囲に当該プラズマを取り囲むように設置され、熱中性子から高速中性子までに感度を持つ複数の第1の検出器、および高速中性子にのみ感度を持つ各第1の検出器とセットの複数の第2の検出器と、信号ケーブルにより導かれかつ信号導入端子を介して真空容器外に取り出される第1および第2の各検出器の出力を入力し、当該第2の各検出器の出力から核融合反応分布情報を求めて、第1の各検出器による核融合炉出力演算の補正係数を求め、かつ第1の各検出器の出力に検出器設置位置に依存する重率および補正係数をそれぞれ乗じた量の総和から、核融合炉の出力を求めるデータ処理手段とを備える。
【0018】
従って、請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、第2の検出器で中性子発生分布情報を求め、第1の検出器による核融合炉出力演算の補正係数を求めることにより、核融合炉の出力をより一層正確に測定することができる。
【0019】
一方、請求項3の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置において、第2の各検出器を、真空容器内のブランケットとブランケットとの隙間に設置し、ブランケットにコリメータ効果を持たせてプラズマを直接覗く視野を確保するように配置している。
【0020】
従って、請求項3の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、高速中性子にのみ感度を持つ第2の検出器を、ブランケットの隙間からプラズマを覗く位置に設置することにより、核融合反応の空間分布情報を得ることができる。また、熱負荷を避けることができる。
【0021】
また、請求項4の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項1または請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置において、各検出器とそれを収納する各検出器容器との間、および信号ケーブルとそれを覆う2重シールドの外側導体との間に、熱伝導度の良いセラミックス等の絶縁物をそれぞれ設けている。
【0022】
従って、請求項4の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、熱伝導度の良いセラミックス(例えば窒化アルミ)等の絶縁物を使用することにより、検出器の核発熱を、強制冷却をしないで除熱することができる。
【0023】
さらに、請求項5の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項1または請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置において、各検出器、または当該検出器を固定している部材に、熱電対等の温度検出手段を取付け、各検出器の温度をモニタして当該温度の情報をデータ処理手段に入力し、あらかじめ測定されている感度の温度依存性曲線を基に、温度情報から各検出器の出力を補正して核融合炉の出力を求めるようにしている。
【0024】
従って、請求項5の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、熱電対等の温度検出手段による感度補正を行なうことにより、検出器感度の温度特性を補正することができる。
【0025】
一方、請求項6の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項1または請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置において、キャンベル測定領域に対し、各検出器の出力を複数の周波数帯域毎に自乗平均した出力を回路的に演算し、通常の比率を超えた周波数帯域の出力を、ノイズの周波数を受けたチャンネルとして省く操作をデジタルシグナルプロセッサで行なわせてリアルタイムでデータ処理する信号処理手段を付加している。
【0026】
従って、請求項6の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、検出器のキャンベル測定時の振動によるノイズを低減することができる。
【0027】
また、請求項7の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項1または請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置において、パルス計数領域でノイズがネガティブ成分の信号成分を持つことを利用し、ノイズをカウントしない信号処理をリアルタイムで行なう信号処理手段を付加している。
【0028】
従って、請求項7の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、検出器のパルス計数測定時の振動によるノイズを低減することができる。
【0029】
さらに、請求項8の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項1または請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置において、信号ケーブルの配線ルートを、垂直断面内とするようにしている。
【0030】
従って、請求項8の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、検出器の信号ケーブルの配線が、ディスラプション時の電磁応力を低減でき、信号ケーブルの振動によるノイズを低減することができる。
【0031】
一方、請求項9の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項1または請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置において、信号ケーブルを覆う2重シールドの外側導体の端部に、外側導体フランジを設け、かつメタルパッキンを介して補助真空箱に電気的、真空的に接続固定して真空境界とし、信号ケーブルを、絶縁型の信号導入端子にコネクタ接続して、各検出器の出力を真空容器外に伝達するようにしている。
【0032】
従って、請求項9の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、コネクタ部に補助真空箱を設けることにより、ノイズ対策のための2重電磁シールドと、真空中のトリチウム漏洩予防の2重真空シールとを同時に実現することができる。
【0033】
また、請求項10の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項1または請求項2の発明の核融合炉出力モニタ装置において、真空容器内に設置され、永久磁石を内蔵する回転円盤および軸受けと、真空容器外に校正等の必要時に取り付けられ、回転円盤を駆動して校正用の線源を所定の位置まで移動する回転磁場発生手段と、からなる校正装置を付加している。
【0034】
従って、請求項10の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、定検等の必要時、例えば1年に1回程度、真空容器外に回転磁場発生器を取り付けて、真空容器内の回転円盤を駆動して校正用の線源を所定の位置まで移動することにより、検出器の感度を校正することができる。この場合、回転磁場発生器は、定検時以外は、被曝量の少ない場所に保管されており、放射線損傷を受けることがない。また、可動部を真空シールする必要はなく、トリチウム等のリークの心配がない。
【0035】
さらに、請求項11の発明の核融合炉出力モニタ装置は、上記請求項10の発明の核融合炉出力モニタ装置において、校正用の線源を内部に封入する案内管を、各検出器と一定の距離を保って設置している。
【0036】
従って、請求項11の発明の核融合炉出力モニタ装置においては、案内管を、検出器と一定の距離を保ちながら設置することにより、検出器の校正を精度良く行なうことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
(第1の実施の形態:請求項1に対応)
図1は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における検出器の配置構成例を示す断面図である。
【0039】
すなわち、図1に示すように、核融合炉を構成する真空容器0−1内のプラズマの周囲に、このプラズマを取り囲むように、熱中性子から高速中性子までに感度を持つ複数の(本例では11個)検出器(例えば、U235検出器)1−1を設置している。
【0040】
また、各検出器1−1の出力は、バックプレート0−2に沿って配線された信号ケーブルにより、ポートフランジ0−3まで導かれ、信号導入端子を介して真空容器0−1外に取り出している。
【0041】
さらに、真空容器0−1内には、図示のように多数個のブランケット0−4を設置している。
【0042】
図2は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における基本システムの構成例を示すブロック図である。
【0043】
すなわち、図2に示すように、前記各検出器1−1を各検出器容器1−2にそれぞれ収納し、各検出器1−1の出力を、信号ケーブルであるMIケーブル1−4により、信号導入端子1−3を介して真空容器0−1外に取り出している。
【0044】
また、真空容器0−1外に取り出された各検出器1−1の出力を、プリアンプボックス1−11内に収納されたプリアンプ1−5で信号増幅して、総合アンプ1−6に伝送して入力する。
【0045】
ここで、総合アンプ1−6には、パルス計数回路とキャンベル回路を備えており、〜106cps程度まではパルス計数回路、106cps以上はキャンベル回路で測定を行なうようにしている。そして、総合アンプ1−6の出力を、光伝送モジュール1−7により光信号に変換し、光ケーブル1−15によりデータ処理盤1−13へ光伝送する。なお、総合アンプ1−6と光伝送モジュール1−7とから、信号処理盤1−12を構成している。
【0046】
さらに、光ケーブル1−15により伝送された、キャンベル出力を信号処理盤1−12のADC&メモリ1−9、パルス出力を信号処理盤1−12のスケーラ&メモリ1−8でそれぞれ信号処理し、さらにインターフェース1−10を介して計算機1−14へ入力し、計算機1−14によりデータ処理して核融合炉の出力値を求める。
【0047】
ここで、計算機1−14では、下式に示すように、各検出器1−1の出力Siに、検出器設置位置による重率αiをそれぞれ乗じた量の総和を求めることにより、核融合炉の出力Pを求める。
【0048】
P(核融合の出力)=Σαi×Si
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、真空容器0−1内のプラズマの周囲にこのプラズマを取り囲むように複数の検出器1−1を設置していることにより、プラズマの位置のずれによる測定誤差が少なくなり、プラズマの位置が偏った場合でも、核融合炉の出力を正確に測定することができる。
【0049】
(第1の実施の形態の変形例:請求項2に対応)
本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置は、前述した第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置において、核融合炉を構成する真空容器0−1内のプラズマの周囲に、このプラズマを取り囲むように、前記検出器1−1の他に、高速中性子にのみ感度を持つ複数の検出器(例えば、U238検出器)を各検出器1−1とセットとして設置している。
【0050】
また、計算機1−14では、各検出器(U238検出器(核分裂計数管))の出力から核融合反応分布情報を求めて、各検出器(U235検出器)1−1による核融合炉出力演算の補正係数βiを求め、下式に示すように、各検出器(U235検出器)1−1の出力Siに、検出器設置位置による重率αi、および補正係数βiをそれぞれ乗じた量の総和を求めることにより、核融合炉の出力Pを求める。
【0051】
P(核融合炉の出力)=Σαi×βi×Si
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、各検出器(U238検出器)により核融合反応分布に関する情報が得られ、この情報から検出器(U235検出器)1−1による核融合炉出力演算の補正係数を求めていることにより、プラズマの位置が偏った場合でも、核融合炉の出力をより一層正確に測定することができる。
【0052】
(第2の実施の形態:請求項3に対応)
図3は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における検出器および信号ケーブルの配線構成例を示す概要図である。
【0053】
すなわち、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置は、前述した第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置において、ブランケット0−4とブランケット0−4との隙間(図1におけるブランケット0−4の紙面の奥行き方向の切れ目の隙間)に、検出器2−0を設置し、ブランケット0−4にコリメータ効果を持たせてプラズマを直接覗く視野を確保するように配置している。
【0054】
ここで、検出器2−0としては、高速中性子にのみ感度を持つ検出器(U238検出器)を使用する。
【0055】
また、この検出器2−0は、図1に示すように、同一断面上に複数配置し、同時にバックプレート0−2に熱的に接触させて固定するため、図3に示すように、検出器サポート(材質としては、熱伝導度の良い金属、例えば銅)2−1と、ケーブルサポート(材質としては、熱伝導度の良い金属)2−2とにより固定している。
【0056】
さらに、各検出器2−0は、バックプレート0−2の凹部の底面に半割の金物で固定し、その上に、信号ケーブルを固定する金物を順番に重ねていき、限られた空間に多数の検出器2−0と信号ケーブルとを固定している。
【0057】
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、高速中性子にのみ感度を持つ検出器(U238検出器)2−0を、ブランケット0−4の隙間からプラズマを覗く位置に設置していることにより、核融合反応の空間分布情報を得ることができる。
【0058】
また、熱負荷を避けることができる。すなわち、ブランケット0−4の背面に有るため、直接の熱負荷を受けることがなく、また核発熱も0.5W/cm3 程度に低減することができる。
【0059】
(第3の実施の形態:請求項4に対応)
図4は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における検出器および検出器容器の要部構成例を示す概念図である。
【0060】
すなわち、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置は、前述した第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置において、各検出器1−1とそれを収納する各検出器容器1−2との間、および信号ケーブルであるMIケーブル1−4とそれを覆う2重シールドの外側導体3−2との間に、熱伝導度の良いセラミックス(例えば、窒化アルミ)等の絶縁物3−1をそれぞれ設けた構成としている。
【0061】
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、絶縁物としては、熱伝導度の良いセラミックスを使用することにより、検出器1−1およびMIケーブル1−4の核発熱を、熱伝導によりバックプレート0−2に逃がすように作用し、強制冷却をしないで除熱することができる。
【0062】
すなわち、前述の実施の形態において、ブランケット0−4の背面で、ブランケット0−4とブランケット0−4との隙間に設置しても、0.5W/cm3 の核発熱がある。一方、後述するように、電磁ノイズの対策上、2重シールドとする必要があり、検出器電位とシールド電位は独立とする必要がある。一般的に、絶縁物は、金属よりも熱伝導度が悪く、電気絶縁を行なうことにより熱も絶縁されると、核発熱によって検出器自体の温度が上昇する。そこで、本実施の形態では、これを避けるために、絶縁物として、熱伝導度の良いセラミックス(窒化アルミ)の粉を使用している。
【0063】
(第3の実施の形態の変形例:請求項5に対応)
本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置は、前述した第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置において、各検出器1−1、またはこの検出器1−1を固定している検出器サポート2−1に、熱電対等の温度検出器を取付け、各検出器1−1の温度をモニタしてこの温度の情報を前記計算機1−14に入力し、あらかじめ測定されている感度の温度依存性曲線を基に、上記温度情報から各検出器1−1の出力を補正して、核融合炉の出力を求めるようにしている。
【0064】
ここで、温度検出器である熱電対としては、耐放射線性の良いもの(例えばアルメルクロメル)を使用することが好ましい。
【0065】
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、温度検出器である熱電対による感度補正を行なうようにしていることにより、検出器1−1感度の温度特性を補正することができる。
【0066】
(第4の実施の形態:請求項6に対応)
前述した電磁応力による振動対策としては、「振動が生じた時点で、中性子のカウントを停止する方法」、「振動による信号の特徴的な成分を除去する方法」の2つの方法がある。
【0067】
前者の場合の対策方法は、振動センサをパックプレート0−2に埋め込んで振動を検知し、カウントを停止する方法であり、本実施の形態では、後者の場合の対策を基調としており、以下にその一例について説明する。
【0068】
図5は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置におけるMSVモジュールの構成例を示すブロック図である。
【0069】
本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置は、前述した第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置において、キャンベル測定領域に対し、各検出器1−1の出力を複数の周波数帯域毎に自乗平均した出力を回路的に演算し、通常の比率を超えた周波数帯域の出力を、ノイズの周波数を受けたチャンネルとして省く操作をデジタルシグナルプロセッサで行なわせてリアルタイムでデータ処理する信号処理手段を付加した構成としている。
【0070】
すなわち、図5に示すように、各検出器1−1の出力を、プリアンプ1−5からMSVモジュール4−5に入力し、内部のバッファアンプ4−1を介して複数のアクティブフィルタ回路4−2に入力して、各々の周波数帯域毎の成分に分離する。さらに、各アクティブフィルタ回路4−2の出力を、対応する複数のADC回路4−3を介してDSP(デジタルシグナルプロセッサ)回路4−4に入力し、各出力の和と各出力の比率を演算し、ある一定の比率を超えたチャンネルは、ノイズのチャンネルと判断して加算から除き、最後に除いたチャンネル数に比例する補正項を乗算して出力とする。
【0071】
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、検出器1−1のキャンベル測定時の振動によるノイズを低減することができる。
【0072】
すなわち、キャンベル回路では、検出器1−1の出力の揺らぎの成分から、発生中性子量を求めている。
【0073】
図6のキャンベル回路の原理図に示すように、検出器1−1の電子による揺らぎの成分に一致するように、周波数帯域(100〜400kHz)を選定し、出力の2乗成分から中性子量を求めている。検出器1−1に、振動ノイズまたは電磁ノイズが混入した場合、図6の検出器1−1の出力の周波数成分に、ノイズの周波数に相当する成分が追加される。MSVモジュール4−5の周波数帯域を、複数の区間(図では4区間)に分割し、各々の区間の2乗成分を加算することにより、MSV回路と同様の機能を持たせることができる。
【0074】
例えば、帯域3にノイズの周波数成分がある場合、この帯域の出力は、他の帯域の出力に対してその比率が高くなる。そして、この比率からノイズの侵入を検知し、出力の加算から除くことにより、ノイズの影響を除くことができる。
【0075】
この方式では、高速のADCでデータを計算機1−14に取り込む方法に比べて、より一層短時間で処理を行なうことができるという利点がある。
【0076】
(第4の実施の形態の変形例1:請求項7に対応)
図7は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置におけるノイズ対応パルス回路の構成例を示すブロック図である。
【0077】
本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置は、前述した第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置において、パルス計数領域でノイズがネガティブ成分の信号成分を持つことを利用し、ノイズをカウントしない信号処理をリアルタイムで行なう信号処理手段を付加した構成としている。
【0078】
すなわち、図7に示すように、各検出器1−1の出力を、プリアンプ1−5からノイズ対応パルス回路モジュール4−12に入力する。
【0079】
内部のバッファアンプ4−1を介して、一つはノイズ弁別回路4−6に入力してノイズを選別し、このノイズの数をパルス発生回路4−7とスケーラ1−8でカウントし、もう一つは遅延回路4−8に入力して遅延し、ノイズ発生時に、パルス発生回路4−7の補正パルスに遅延回路4−8の遅延出力を加算回路4−9で加算する。
【0080】
さらに、加算回路4−9の出力を、信号弁別回路4−10に入力して弁別レベル以下のレベルとし、基準パルス発生回路4−11に入力して基準パルスをスケーラ1−8に発生させることにより、ノイズ信号のレベルを低下させて、カウントされないようにする。
【0081】
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、検出器1−1のパルス計数測定時の振動によるノイズを低減することができる。
【0082】
すなわち、パルス計数モードでは、周波数成分で弁別できないため、入力信号レベル(ノイズの場合、正負の振動成分がある)からノイズを除去する回路を設けてノイズの影響を取り除く。
【0083】
図8に示すように、ノイズがない場合には、A、Bのように、信号が信号弁別レベルを越えた時に、基準パルスを発生させて、パルスの数を測定している。
【0084】
また、Cのように、負の成分を持つノイズの場合には、ノイズ弁別レベルを負に設定することにより、ノイズを弁別して、Dの基準パルス、Eの波形補正パルス(パルス幅Tw)を発生させる。
【0085】
ノイズ信号は、遅延回路4−8を介してΔTだけ遅れた信号(F)とし、波形補正パルスと加算することにより、波高値が低くなり、Aの信号弁別レベル以下の信号となり、カウントされなくなる。
【0086】
補正パルス幅(Tw)の間、欠測状態となるので、これを補正するため、スケーラ1−8では、信号と同じようにノイズの基準パルスの数も測定しており、計数率の補正は次のような式で与えられる。
【0087】
計数率=(Ns)/(Ts−Nn×Tw)
Ts;サンプリング時間
Ns;サンプリング時間Twの信号基準パルス数
Nn;サンプリング時間Twのノイズ基準パルス数
(第4の実施の形態の変形例2:請求項8に対応)
図9は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置におけるパルス回路系ノイズ対策回路の構成例を示す概要図である。
【0088】
本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置は、前述した第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置において、検出器1−1の信号ケーブルであるMIケーブル1−4の配線のルートを、垂直断面内とするようにしている。
【0089】
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、MIケーブル1−4の配線のルートを、垂直断面内としていることにより、MIケーブル1−4、検出器サポート(固定金物)2−1、ケーブルサポート(固定金物)2−2、バックプレート(取付座)0−2で形成される閉回路が、ポロイダル磁場と交差しない配置とすることができる。
【0090】
すなわち、図9に示すように、閉回路とポロイダル磁場(Bp)とが交差しないため、閉回路に渦電流が生じない。このため、トロイダル磁場(Bt)と渦電流の電磁力が働かないので、MIケーブル1−4が振動せず、アコースティックノイズが発生しない。
【0091】
また、MIケーブル1−4に繋がっている検出器1−1も振動しないので、検出器1−1のノイズを低減することができる。
【0092】
このようにして、検出器1−1の信号ケーブルであるMIケーブル1−4の配線が、ディスラプション時の電磁応力を低減でき、MIケーブル1−4の振動によるノイズを低減することができる。
【0093】
(第5の実施の形態:請求項9に対応)
図10は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における2重電磁シールドと2重真空シールドの構成例を示す断面図である。
【0094】
すなわち、図10に示すように、信号ケーブルであるMIケーブル1−4を覆う2重シールドの外側導体3−2の端部に、外側導体フランジ5−2を設け、かつメタルパッキンであるメタルガスケット5−3を介して、補助真空箱5−4に電気的、真空的に接続固定して真空境界とし、MIケーブル1−4を、絶縁型の信号導入端子5−5に信号コネクタ5−1でコネクタ接続して、各検出器1−1の出力を真空容器外に伝達する構成としている。
【0095】
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、コネクタ部に補助真空箱5−4を設けていることにより、ノイズ対策のための2重電磁シールドと、真空中のトリチウム漏洩予防の2重真空シールとを同時に実現することができる。
【0096】
すなわち、MIケーブル1−4の長さと、イオンサイクロトロン波加熱の電磁波の波長が近いので、アンテナ効果で回路系にノイズが混入することから、これを有効に阻止するために、2重シールドを行なっているが、通常の2重シールドと異なり、真空の2重シールドも合わせて行なっているため、より確実に電磁シールドすることができる。
【0097】
具体的には、本実施の形態では、図10に示すように、真空容器境界の絶縁物(セラミックス)部分を2重の真空シールとすることにより保護している(真空容器内には放射性物質のトリチウムガスが存在するので、セラミックス等の金属壁に比べて信頼性の劣る材質の真空境界は、2重化する必要がある)。
【0098】
ここで、重要な点は、2重シールド外側導体3−2と補助真空容器の厚みは、想定される電磁波の表皮厚よりも十分厚くしておく必要がある。
【0099】
ちなみに、ステンレスの場合、表皮厚みが厚くなる低い周波数の電磁波の周波数(イオンサイクロトロン波加熱用電磁波の周波数50×106Hz)を対象に計算すると、
表皮厚み={2/(μωσ)}1/2
となる。
【0100】
また、ステンレスの代わりに、300℃の純鉄の比抵抗ρ=31×10-8(Ω・m)を使用し、
ω=2π×50×106
μ=4π×10-7
から、表皮厚み=0.04mmとなる。
【0101】
電磁波の強度が強いので、十分なシールドを行なう必要があるが、1mmもあれば十分である。
【0102】
(第6の実施の形態:請求項10、請求項11に対応)
図11および図12は、本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における校正装置の構成例を示す概要図である。
【0103】
本実施の形態による核融合炉出力モニタ装置は、前述した第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置において、真空容器6−11内に設置され、永久磁石6−9を内蔵する回転円盤6−4および軸受け6−10と、真空容器6−11外に校正等の必要時に取り付けられ、回転円盤6−4を駆動して校正用の線源6−1を所定の位置まで移動する回転磁場発生器6−7とからなる校正装置を付加した構成としている。
【0104】
すなわち、図11に示すように、線源6−1を案内管6−5の中に封入し、滑車6−3と回転円盤6−4でワイヤ6−2を介して移動する。また、回転円盤6−4は、図12に示すような回転磁場発生器6−7による回転磁場により、永久磁石6−9付きの円盤を回転させる。
【0105】
また、図11では、校正用の線源6−1を内部に封入する案内管6−5は直線的な形状となっているが、実際には、前記図1に示すように、バックプレート0−2に沿って、検出器1−1と一定の距離を保って設置しており、精度の良い検出器1−1の校正が可能な配置となっている。
【0106】
さらに、6−6は駆動部、6−8は回転磁場発生器コントローラ、1−14は計算機である。
【0107】
従って、以上のように構成した本実施の形態の核融合炉出力モニタ装置においては、定検等の必要時、例えば1年に1回程度、真空容器6−11外に回転磁場発生器6−7を取り付けて、真空容器6−11内の回転円盤6−4を駆動して校正用の線源6−1を所定の位置まで移動することにより、検出器1−1の感度を校正することができる。
【0108】
この場合、回転磁場発生器6−7は、定検時以外は、被曝量の少ない場所に保管されており、放射線損傷を受けることがない。また、可動部を真空シールする必要はなく、トリチウム等のリークの心配がない。
【0109】
すなわち、原子炉の場合、炉の出力を一定にした状態で、検出器を案内管に挿入し、校正したい検出器の近くに設置し、感度を校正するようにしている。
【0110】
また、核融合炉の場合、案内管の設置スペース等の問題があり、検出器を炉内に入れて移動することは困難であり、小型の線源を細いパイプに挿入して移動する方法が採用される。一方、細いパイプを延長して大気中から線源を挿入移動する方法は、真空容器内に放射性ガス(トリチウム)が存在することから、安全性の観点から採用されない。
【0111】
真空中で線源を駆動する場合、駆動源を真空中に設置するか、外部から真空中に駆動力を導入する方法の2つがある。前者の場合、例えばモータの場合、絶縁物の耐放射線性から、長期にわたって設置することは困難である。また、外部から駆動力を導入する方法としては、回転導入端子等を使用することが考えられるが、真空シールの信頼性の問題から使用は好ましくない。
【0112】
この点、本実施の形態では、校正試験は、定期点検毎に実施されるとすると、1年に1回程度であり、図11に示すように、線源6−1を案内管6−5の中に封入し、滑車6−3と回転円盤6−4でワイヤ6−2を介して移動する。回転円盤6−4は、回転磁場発生器6−7による回転磁場で、永久磁石6−9を内蔵した円盤を回転させる。
【0113】
回転磁場発生器6−7は、定期点検毎に使用し、普段は、放射線レベルの低い場所に保管するため、放射線損傷を受けることはない。
【0114】
線源6−1を、所定の位置まで移動することにより、各検出器1−1の感度が校正される。
【0115】
この場合、案内管6−5は、実際には、バックプレート0−2に沿って、検出器1−1と一定の距離を保って設置されているため、検出器1−1の校正を精度良く行なうことができる。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の核融合炉出力モニタ装置によれば、プラズマ位置のずれ、熱負荷、核発熱、電磁応力、電磁ノイズ等の影響を受けることなく、核融合炉の出力を正確に測定することが可能となる。さらに、検出器の感度を定期的に校正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における検出器の配置構成例を示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における基本システムの構成例を示すブロック図。
【図3】本発明の第2の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における検出器および信号ケーブルの配線構成例を示す概要図。
【図4】本発明の第3の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における検出器および検出器容器の要部構成例を示す概念図。
【図5】本発明の第4の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置におけるMSVモジュールの構成例を示すブロック図。
【図6】本発明の第4の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置におけるキャンベル回路の原理を説明するための図。
【図7】本発明の第4の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置におけるノイズ対応パルス回路の構成例を示すブロック図。
【図8】本発明の第4の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置におけるパルス回路系ノイズ対策を説明するための図。
【図9】本発明の第4の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置におけるパルス回路系ノイズ対策回路の構成例を示す概要図。
【図10】本発明の第5の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における2重電磁シールドと2重真空シールドの構成例を示す断面図。
【図11】本発明の第6の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における校正装置の構成例を示す概要図。
【図12】本発明の第6の実施の形態による核融合炉出力モニタ装置における校正装置の構成例を示す概要図。
【符号の説明】
0−1…真空容器、
0−2…バックプレート、
0−3…ポートフランジ、
0−4…ブランケット、
1−1…検出器、
1−2…検出器容器、
1−3…信号導入端子、
1−4…MIケーブル、
1−5…プリアンプ、
1−6…総合アンプ、
1−7…光伝送モジュール、
1−8…スケーラ&メモリ、
1−9…ADC&メモリ、
1−10…インターフェース、
1−11…プリアンプボックス、
1−12…信号処理盤、
1−13…データ処理盤、
1−14…計算機、
2−1…検出器サポート、
2−2…ケーブルサポート、
3−1…絶縁物(セラミックス)、
3−2…2重シールド外側導体、
4−1…バッファアンプ、
4−2…アクティブフィルタ、
4−3…ADC回路、
4−4…DSP回路、
4−5…新方式MSVモジュール、
4−6…ノイズ弁別回路、
4−7…パルス発生回路、
4−8…遅延回路、
4−9…加算回路、
4−10…信号弁別回路、
4−11…基準パルス発生回路、
4−12…ノイズ対応パルス回路モジュール、
5−1…信号コネクタ、
5−2…外側導体フランジ、
5−3…メタルガスケット、
5−4…補助真空箱、
5−5…絶縁型信号導入端子、
6−1…線源、
6−2…ワイヤ、
6−3…滑車、
6−4…回転円盤、
6−5…線源案内管、
6−6…駆動部、
6−7…回転磁場発生器、
6−8…回転磁場発生器コントローラ、
6−9…永久磁石、
6−10…軸受け、
6−11…真空容器。

Claims (11)

  1. 核融合炉を構成する真空容器内のプラズマの周囲に当該プラズマを取り囲むように設置され、熱中性子から高速中性子までに感度を持つ複数の検出器と、
    信号ケーブルにより導かれかつ信号導入端子を介して前記真空容器外に取り出される前記各検出器の出力を入力し、当該各検出器の出力に検出器設置位置に依存する重率をそれぞれ乗じた量の総和から、前記核融合炉の出力を求めるデータ処理手段と、
    を備えて成ることを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  2. 核融合炉を構成する真空容器内のプラズマの周囲に当該プラズマを取り囲むように設置され、熱中性子から高速中性子までに感度を持つ複数の第1の検出器、および高速中性子にのみ感度を持つ前記各第1の検出器とセットの複数の第2の検出器と、
    信号ケーブルにより導かれかつ信号導入端子を介して前記真空容器外に取り出される前記第1および第2の各検出器の出力を入力し、当該第2の各検出器の出力から核融合反応分布情報を求めて、前記第1の各検出器による核融合炉出力演算の補正係数を求め、かつ前記第1の各検出器の出力に検出器設置位置に依存する重率および前記補正係数をそれぞれ乗じた量の総和から、前記核融合炉の出力を求めるデータ処理手段と、
    を備えて成ることを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  3. 前記請求項2に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    前記第2の各検出器を、前記真空容器内のブランケットとブランケットとの隙間に設置し、前記ブランケットにコリメータ効果を持たせて前記プラズマを直接覗く視野を確保するように配置したことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  4. 前記請求項1または請求項2に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    前記各検出器とそれを収納する各検出器容器との間、および前記信号ケーブルとそれを覆う2重シールドの外側導体との間に、熱伝導度の良いセラミックス等の絶縁物をそれぞれ設けたことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  5. 前記請求項1または請求項2に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    前記各検出器、または当該検出器を固定している部材に、熱電対等の温度検出手段を取付け、
    前記各検出器の温度をモニタして当該温度の情報を前記データ処理手段に入力し、あらかじめ測定されている感度の温度依存性曲線を基に、前記温度情報から前記各検出器の出力を補正して前記核融合炉の出力を求めるようにしたことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  6. 前記請求項1または請求項2に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    キャンベル測定領域に対し、前記各検出器の出力を複数の周波数帯域毎に自乗平均した出力を回路的に演算し、通常の比率を超えた周波数帯域の出力を、ノイズの周波数を受けたチャンネルとして省く操作をデジタルシグナルプロセッサで行なわせてリアルタイムでデータ処理する信号処理手段を付加したことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  7. 前記請求項1または請求項2に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    パルス計数領域でノイズがネガティブ成分の信号成分を持つことを利用し、ノイズをカウントしない信号処理をリアルタイムで行なう信号処理手段を付加したことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  8. 前記請求項1または請求項2に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    前記信号ケーブルの配線ルートを、垂直断面内とするようにしたことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  9. 前記請求項1または請求項2に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    前記信号ケーブルを覆う2重シールドの外側導体の端部に、外側導体フランジを設け、かつメタルパッキンを介して補助真空箱に電気的、真空的に接続固定して真空境界とし、
    前記信号ケーブルを、絶縁型の前記信号導入端子にコネクタ接続して、前記各検出器の出力を真空容器外に伝達するようにしたことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  10. 前記請求項1または請求項2に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    前記真空容器内に設置され、永久磁石を内蔵する回転円盤および軸受けと、前記真空容器外に校正等の必要時に取り付けられ、前記回転円盤を駆動して校正用の線源を所定の位置まで移動する回転磁場発生手段と、からなる校正装置を付加したことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
  11. 前記請求項10に記載の核融合炉出力モニタ装置において、
    校正用の線源を内部に封入する案内管を、前記各検出器と一定の距離を保って設置したことを特徴とする核融合炉出力モニタ装置。
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