JP4098124B2 - 炭酸飲料注出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に収容された炭酸飲料をコップなどに注出する炭酸飲料注出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭等でビールや発泡酒等の炭酸飲料をコップに移し換えて飲む場合、従来から、缶や壜などの包装容器に収容されたものを購入し、これら包装容器から直接コップに注ぎ込むことが行われている。一方、レストランやビヤホールでは、専用のディスペンサを用意し、このディスペンサでビール等をコップやジョッキに注ぎ込むことが行われている。例えば、このようなディスペンサを利用してビールを注ぐ場合、泡立ち加減を調整してビールの「こく」や「旨み」を引き立たせることが可能となる。
【0003】
近年、このような「こく」や「旨み」のある本格的なビールや発泡酒を家庭で手軽に味わうことができないかという市場の要請が出てきた。しかし、缶や壜などから直にビール等を注ぐ場合、「こく」や「旨み」を引き立たせるように泡立てることはある程度の熟練が必要で困難である。その一方、上記ディスペンサは高価であり、家庭でこのようなディスペンサを購入することも困難である。
【0004】
このため、ビール等の炭酸飲料を容器に収容し、この容器にコンパクトな注出器を取り付けて、手軽に本格的な「こく」及び「旨み」のある炭酸飲料を注出させる注出器の開発が進められるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、対象がビール等の炭酸飲料であるため、注出時の泡立ち加減を調整することが、依然として困難であった。また、通常用いられる缶や壜に比べ、容量が大きいため、すべてを飲みきるまでにある程度の期間を要し、この間、旨み等を維持させて保管する必要もある。この旨みを維持することが困難で、旨い炭酸飲料を飲もうとすれば、一度に飲みきってしまうことが必要であった。さらに、このようなディスペンサでは、炭酸飲料を収容する容器が壜や缶に比べその容量が大きく、容器の保管自体が困難である。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑み成されたものであり、手軽に旨い炭酸飲料を味わうことができ、しかも、容器に炭酸飲料が残存する間、炭酸飲料の旨みを確実に維持することが可能な炭酸飲料注出器を提供する
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、容器(2)の口部(9)に装着させる装着部(12)と、前記容器(2)内に所定圧のガスを送り込むガス供給路(13)と、前記容器(2)内に挿入されてこの容器(2)内の炭酸飲料が取り出される取出路(14)と、取り出された炭酸飲料を注出させる注出部(16)と、取り出された前記炭酸飲料の注出部(16)への通過を許可するバルブ(20)と、このバルブ(20)の開閉状態を制御する操作レバー(60)とが一体的なユニットとして構成された炭酸飲料注出器(10)において、前記容器(2)の内部と外気とを連通せしめる連通路(111)と、この連通路(111)の内周面に形成されたシート面(24)に付勢されてこの連通路(111)を閉鎖するシール部材(116,118)と、この連通路(111)に挿入され、前記シール部材(116,118)が付勢される付勢力に抗して前記シール部材(116,118)を移動させてこの連通路(111)を開放せしめる開放部材(115)を備えて構成されるガスパージ機構が設けられ、前記装着部(12)の内部には、前記ガス供給路(13)を含めるようにして前記容器(2)の内部空間から仕切られ、前記ガス供給路(13)から供給されるガスが導かれる高圧部屋(50)が設けられ、前記高圧部屋(50)は、前記装着部(12)の内部にて前記ガス供給路(13)及び前記取出路(14)を外部から囲む壁面と、この壁面の下部を密閉する蓋部とからなり、前記蓋部には、前記取出路(14)をなすチューブ(14)が貫通する貫通孔(52a)が形成され、前記高圧部屋(50)のガスは、前記チューブ(14)の収縮を利用して前記チューブ(14)の外周面と前記貫通孔(52a)の内周部との間から前記容器(2)の内部に供給される炭酸飲料注出器(10)を採用することとした。
【0008】
容器(2)のキャップを開け、炭酸飲料注出器(10)を容器(2)の口部(9)に最初に装着させるときに、容器(2)内に空気が混入する。この空気は、容器(2)内の炭酸飲料にとって好ましいものではない。これら本発明によれば、開放部材(115)を炭酸飲料注出器(10)の外部から操作して、容器(2)の上部に浸入する空気を容易に排気することができる。容器(2)にはビール等の炭酸飲料が収容されている。このため、泡が極めて容易に発生しやすい。この泡が炭酸飲料注出器(10)に浸入すると、予期せぬ誤作動を起こすおそれがある。また、ガスボンベ(3)からは、高圧の炭酸ガスが供給される。この炭酸ガスにより、容器(2)内の炭酸飲料が炭酸飲料注出器(10)に浸入することもあり得る。上記構成を採用すれば極めて簡便な機構によりかかる不都合を阻止できる。
【0009】
また、本発明では、上記課題を解決するために、容器(2)の口部(9)に装着させる装着部(12)と、前記容器(2)内に所定圧のガスを送り込むガス供給路(13)と、前記容器(2)内に挿入されてこの容器(2)内の炭酸飲料が取り出される取出路(14)と、取り出された炭酸飲料を注出させる注出部(16)と、取り出された前記炭酸飲料の注出部(16)への通過を許可するバルブ(20)と、このバルブ(20)の開閉状態を制御する操作レバー(60)とが一体的なユニットとして構成された炭酸飲料注出器(10)において、前記容器(2)の内部と外気とを連通せしめる連通路(111)と、この連通路(111)の内周面に形成されたシート面(24)に付勢されてこの連通路(111)を閉鎖するシール部材(116,118)と、この連通路(111)に挿入され、前記シール部材(116,118)が付勢される付勢力に抗して前記シール部材(116,118)を移動させてこの連通路(111)を開放せしめる開放部材(115)を備えて構成されるガスパージ機構が設けられ、前記炭酸飲料注出器(10)の外殻をなすケーシング(11a)は、上側と下側とに分割可能に形成され、前記ケーシング(11a)の周面に沿って周方向に回転可能に設けられ、所定の解除位置にて前記ケーシング(11a)の上側と下側との係合を解除し、前記解除位置以外の位置にて前記ケーシング(11a)の上側と下側とを係合させるリング(102)と、前記ガスパージ機構の前記開放部材(115)により前記連通路(111)が開放されている場合にのみ前記リング(102)が前記解除位置に回転するように前記リングの回転を規制する回転規制機構と、がさらに設けられた炭酸飲料注出器(10)を採用した。
【0030】
以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面に示した実施形態の参照符号を括弧書にて付記したが、本発明が図示の実施形態に限定されないことはもちろんである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態にかかる炭酸飲料注出装置1の側面図を示している。この炭酸飲料注出装置1は、内部にビール等の炭酸飲料を収容する筒状の容器2と、この容器2の上端に形成された口部9に装着させる炭酸飲料注出器10とから主として構成されている。
【0033】
容器2は、その胴部2aが円筒状に形成されている一方、容器2の上部2bはドーム状に形成されている。この図1に示す容器2は胴部2aの上端縁とドーム状の上部2bの下端縁とが、いわゆる「かしめ」により一体に形成されている。また、ドーム状の上部2bには、この容器2を開放させる円筒状の口部9がその中央部にて上方に突出するように形成されており、後にその詳細を説明する炭酸飲料注出器10が、この口部9に着脱自在に取り付けられる。また、容器2の下端部には、当該炭酸飲料注出装置1の前方に張り出す液垂れ受け部8が設けられている。この液垂れ受け部8は、炭酸飲料注出器10から垂れ落ちる飲料を受けるために設けられたものであり、胴部2aの外周面に当該液垂れ受け部8を着脱自在に保持させるホルダ8aと、垂れ落ちた炭酸飲料を受け止める皿のように形成されたトレー部8bとから構成されている。
【0034】
一方、容器2に装着された炭酸飲料注出器10は、本体11と、本体11から前方下側に向けて延びるノズル7と、容器2の内部に本体11を介して炭酸ガスを供給せしめるガスボンベ3とを備えている。本体11は、外殻をなす略円筒状のケーシング11aを有し、ケーシング11aの内部に、容器2に収容されている炭酸飲料を取り出し、コップなどに炭酸飲料を注出させる機構を備えている。この機構については後に詳細を説明する。
【0035】
容器2の内部に炭酸ガスを供給するガスボンベ3は、筒状に形成されておりその内部に所定圧に加圧されている炭酸ガスを収容している。このガスボンベ3は、このガスボンベ3の先端を自在に着脱させる減圧弁4に取り付けられる。減圧弁4は、チューブ6で本体11と接続されており、ガスボンベ3内の高圧炭酸ガスを所定の圧力まで減圧させて本体11に炭酸ガスを送り出している。また、このガスボンベ3は、容器2の胴部にボンベホルダ5により保持される。ボンベホルダ5は、ガスボンベ3の周面を挟み込むようにして保持するボンベ保持部5aと、容器2の周面を保持する容器保持部5bとから構成されていて、ガスボンベ3を下から減圧弁4に装着させた状態で、ガスボンベ3を容器2と一体的な状態に維持させている。
【0036】
炭酸飲料注出器10の本体11から前方に延びるノズル7は、その根元が本体11に装着され、先端部が斜め下方に向けて延びている。このノズル7は、容器2内から取り出され、炭酸飲料注出器10から外部に注出される炭酸飲料をコップなどに円滑に案内するものである。
【0037】
本発明にかかる炭酸飲料注出装置1は、家庭にある通常の冷蔵庫の内部でも保管することができるように形成されており、容器2の容量は、1000ml〜2000mlに形成され、家庭用の冷蔵庫のドアポケットに十分に収まるように、その外径が70mm〜120mmに形成されている。また、炭酸飲料注出器10自体の高さが、50mm〜100mmに形成されており、容器2の口部9に炭酸飲料注出器10を装着させた状態でも、その全高が400mm以内となるように形成されている。なお、発明者等の検討によれば、容量が1000ml以下であれば市販の家庭用冷蔵庫のドアポケットに装置1をほぼ100%収容でき、2000ml程度では市販の家庭用冷蔵庫のうちほぼ50%の冷蔵庫のドアポケットに装置1を収容できることが確認されている。但し、1000mlよりも容量が小さいと使用時に容器2を頻繁に取り替える必要があり、他方、容量が2000mlを越えると半数以上の家庭用冷蔵庫のドアポケットに収容不可能となる。これらの事情を考慮すれば、工業的には容器2の容量を1000ml〜2000mlの間に設定することが望ましい。容器2の形成を容易に行うこと、並びに内容物を迅速に冷却すること等を勘案すると、容器2をアルミニウム合金で形成するとよい。
【0038】
図2〜図4は、本発明の一実施形態にかかる炭酸飲料注出器10の構造を示している。図2は、炭酸飲料注出器10を前後方向に切断した断面図を示し、図3は左右方向に切断した断面図をそれぞれ示したものである。また、図4は炭酸飲料注出器10を後方から見た背面図を示すものである。
【0039】
炭酸飲料注出器10の本体11は、その外殻をなす略円筒状のケーシング11aを有し、その下部が容器2の口部9に装着させる装着部12として構成されている。そして、この本体11は、ガスボンベ3から供給される炭酸ガスを容器2の内部に導入させるガス供給路13と、容器2に収容された炭酸飲料を取り出すチューブ14と、取り出された炭酸飲料を注出させる注出部16と、取り出された炭酸飲料を注出部16へ通過させるか否かを制御するバルブ20と、このバルブ20の開閉状態を操作する操作レバー60とが一体的なユニットとして構成されている。なお、一体的なユニットとは、容器2に対して一体的に取り付け、取り外しが可能であることを意味する。
【0040】
装着部12の内周面には、容器2の口部9に形成されたねじ部と螺合するねじが形成されており、容器2の口部9からスクリューキャップが取り外された後の口部9に、ねじ込むようにして、この炭酸飲料注出器10の本体11を装着させている。
【0041】
ガス供給路13は、図3に示すように、本体11の側面部と本体11の下部とを連通するように形成されている。本体11の側面には取付口40が設けられており、減圧弁4から延びるチューブ6の先端に設けられたカップリング41が、この取付口40に取り付けられている。カップリング41は、取付口40に対して自在に着脱できるように構成されていて、取付口40に装着された際、チューブ6の先端と本体11に形成されたガス供給路13とを連通せしめている。一方、本体11の下部では、ガス供給路13の先端が容器2の内部に向けて突出するように形成されている。そして、この突出する部分には下方に向けて先細りとなるように形成されたガスノズル17が装着されており、容器2の内部にガスを確実に送り込むことができるようになっている。
【0042】
また、本体11の下部には、装着部12の内側において、ガスノズル17を含め本体11の下部を囲い込むようにして形成された高圧部屋50が形成されている。この高圧部屋50は、本体11の下部から下方に向けて突出する環状の壁部51と、壁部51の下端を密閉する蓋体52とから構成されている。蓋体52の内面側にはその周縁部に壁部51との隙間をシールするOリング53が取り付けられている。また、蓋体52には孔52aが形成されており、本体11から下方に延びるチューブ14を貫通させている。この高圧部屋50は、その内部をガスボンベ3から供給される炭酸ガスを充満させて高圧に保つことで、炭酸飲料注出器10の下部から浸入等を防止している。なお、チューブ14は弾力性があり収縮するため、このチューブ14が弁体としての機能を有し、高圧部屋50が所定の圧力に達すると、チューブ14と孔の間に隙間が形成され、高圧部屋50に充満された炭酸ガスが容器2の内部に噴出されるように構成されている。
【0043】
蓋体52を貫通し、容器2の内部に挿入されている取出路としてのチューブ14は、その下端部におもり15が取り付けられている。このおもり15はチューブ14の下端が容器2の底面にまで到達せしめ、容器2に収容された炭酸飲料を残すことなく取り出すことができるように設けられたものである。なお、チューブ14の全長に対する内径の比が0.5%〜0.67%となるものを選定すれば、このチューブ14を炭酸飲料が通過する際に過剰に泡立つことを防止できる。
【0044】
本体11の内部に設けられたバルブ20は、その下部が容器2の内部に向けて突出するように形成されており、取出路としてのチューブ14はその上端がこの突出する部分に接続されている。一方、注出部16はバルブ20の前面にて前方に突出するように、バルブ20と一体に形成されている。注出部16は、その全長が短く形成された管体であり、その内部に形成された通路はその径が注出部16の先端に向かうにつれ、末広がりとなるように形成されている。また、注出部16に形成された通路の下部は斜め下方に傾くように先方に向け延びている。この注出部16の内周面の開き角度としては、15度〜30度の範囲に形成するとよい。なお、注出部16の内周面には四フッ化エチレン重合体の被膜が形成されている。そして、この注出部16には前述したノズル7が装着されている。
【0045】
バルブ20は、上下に延びるようにケーシング11aを利用して設けられ、チューブ14と注出部16とを連通する第1通路21が形成されている。第1通路21には、その上下方向における中間部にシート面24が形成されており、このシート面24より下側部分22の内径が大きく形成され、上側部分23の内径が小さく形成されている。そして、この第1通路21の内部には、2つのスプール30,31が第1通路21の軸方向に移動できるようにセットされている。
【0046】
2つのスプール30,31の内、シート面24より下側に配置され、その径が大きく形成されたスプールが、第1スプール30である。この第1スプール30の外周面と第1通路21の内周面との間で炭酸飲料を液体のまま取り出し路から供給部へ通過させる。なお、第1通路21の下側部分の内周面と、第1スプール30の外周面とのクリアランスを1mm程度設ければ、炭酸飲料を泡立たせることなく液状のまま通過させることができる。
【0047】
一方、第1スプール30の内部に挿入され、第1通路21のほぼ全長にわたり配されたスプールが第2スプール31である。この第2スプール31の内部には第2スプール31の軸方向に延びる第2通路25が形成されていて、チューブ14から得られた炭酸飲料を泡状にして注出部16へ通過させている。第1スプール30に挿入された第2スプール31の挿入部31bには、その外周面にはめ込まれた付勢部材としてのスプリング33が設けられており、両スプールは、その軸方向において相互に逆向きに反発し合うように付勢されている。
【0048】
第1スプール30は、その内部が空洞となる円筒状に形成されていて、上端にはその中心部に第2スプール31が挿入される挿入口30aが形成さている一方、下端は開放されている。上端の外周縁は、第1通路21の内周面に形成されたシート面24と密接するようにその表面が滑らかな斜面に形成されている。この上端の外周縁が第1通路21の内周面に形成されたシート面24と当接することで、第1通路21を流れる炭酸飲料がブロックされる。
【0049】
一方、第2スプール31は、シート面24の上側に位置するピストン部31aと、このピストン部31aの下端から下方に延びて第1スプール30に挿入される挿入部31bとから構成されている。
【0050】
ピストン部31aの上端31cは半径方向外側に張り出してフランジのように形成されている。この上端31cの外径は、第1通路21の上部側の内径とほぼ同寸に形成されており、その外周部には、Oリング34がはめ込まれている。このOリング34は第1通路21を流れる炭酸飲料が漏れ出すことを防止するものであり、第2スプール31が第1通路21の軸方向を移動する際に、その外周部が第1通路21の内周面を摺動する。一方、ピストン部31aと挿入部31bとの境界部分には半径方向外側に張り出して第1スプール30の上端と当接するストッパ31dが形成されていて、第2スプール31が所定のストローク以上に第1スプール30の内部に挿入されることを阻止している。また、挿入部31bの内部には、上述したように、その軸方向に延びる第2通路25が形成されている。この第2通路25の上部には、半径方向外側に向けて延び、第2通路25と第1通路21のシート面24より上側の部分とを連通する連通路26が形成されている。この連通路26はストッパ31dの直下の部分に形成されており、ピストン部31aが第1スプール30に対して引き離されるように第2スプール31が移動することで第2通路25と第1通路21と連通するように構成されている。
【0051】
そして、挿入部31bの下端には、炭酸飲料を泡状にして第2通路25へ導入する泡形成部35が取り付けられている。この泡形成部35は、その下部が下方に向けて先細り状に形成された筒体であり、第2スプール31の下端を封鎖するようにして第2スプール31の下端にはめ込まれて、第2スプール31に固定されている。また、泡形成部35の外周面には軸方向の中間部に段が形成されており、段の下側は、その外径が第1スプール30の内径よりやや小さめに形成されて、第1スプール30の内部を軸方向に摺動可能に構成されている一方、段の上側は、第2スプール31の挿入部31bの外径とほぼ同寸に形成されている。上述のスプリング33は、この段によって下から支持されるようにして第1スプール30と第2スプール31の間に設けられている。このため、外力が作用しない場合には、第1スプール30は、スプリング33を介して第2スプール31に吊り下げられた状態となる一方、第2スプール31を引き上げる外力が第2スプール31に作用すると、スプリング33は縮められ、第1スプール30と第2スプール31とを反発させるよう作用する。
【0052】
また、泡形成部35の下端には、第1通路21と第2通路25とを連通し、炭酸飲料を第2通路25へ導入せしめている導入通路36が形成されている。この導入通路36は、その径が第1通路21の径及び第2通路25の径に比し、かなり小さく形成されており、この導入通路36を通過する間に炭酸飲料を泡状に形成している。
【0053】
以上のように構成されたバルブ20は、このバルブ20の状態を制御するための操作レバー60とリンク65を介して連結させている。この操作レバー60は、略円弧状に形成されていて、炭酸飲料注出器10の上端から後方下側に向けて延びるようにして設けられている。この操作レバー60の内面には、操作レバー60の長手方向の中間部に支持部61が形成されおり、この支持部61とケーシング11aとが枢軸63で連結されて、操作レバー60がケーシング11aに対して回転可能に支持されている。さらに、支持部61には、本体11内部のバルブ20に向けて突出する爪62が形成されている。一方、バルブ20を構成する第2スプール31の上部には、第2スプール31と一体に形成された連結部70が形成されている。
【0054】
これら操作レバー60とバルブ20の連結部70とを連結しているリンク65は、操作レバー60側の端部が軸68で支持されており、この軸68を中心に回転可能に支持されている。操作レバー60側の端面には、操作レバー60の爪を前後から挟み込むように設けられた係合部66が形成されている一方、バルブ20側の端部67は、球体のように形成されている。この球体部分67が、連結部70の内部に挿入されるようにして係合されている。
【0055】
このようにリンク65を介して操作レバー60とバルブ20とが連結されているので、軸68が支点として、また、係合部66が作用点として機能し、操作レバー60の動きに連動してバルブ20内の第2スプール31が通路の第1通路21の軸方向に移動する。
【0056】
さらに、本体11の後部には、操作レバー60に向けて突出する復帰手段80が設けられている。この復帰手段80は、本体11に内蔵されたバルブ20の第1通路21及び第2通路25のいずれもがブロックされるよう操作レバー60の位置を復帰させるもので、操作レバー60の後端部をその内面側から後方に向けて付勢する。
【0057】
この復帰手段80は、ケーシング11aを内外に貫通する筒状のプッシュボタン81と、このプッシュボタン81を本体11の内側から外に向けて付勢するスプリング82とから構成されている。プッシュボタン81は、その内部が空洞であり、その先端が球面状に形成されている一方、後端は開放されている。また、後端には、半径方向外側に張り出すストッパ81aが形成されていて、プッシュボタン81が本体11から抜け出すことを防止している。
【0058】
スプリング82は、このプッシュボタン81の後端から内部に挿入され、その先端をプッシュボタン81に当接させて、プッシュボタン81を操作レバー60に向けて付勢している。一方、スプリング82の基部は、本体11の内部に設けられた支持体83により支持されている。この支持体83は、バルブ20と隣接して上下に延びるように本体11内部に設けられている。なお、この支持体83は、前述したガスのガス供給路13が形成されているハウジングをなす部材と一体に形成されている。支持体83には、プッシュボタン81の中心軸に対応する位置に、プッシュボタン81に向けて突出するスプリング保持体84が形成されている。スプリング82は、その基部がこのスプリング保持体84に挿入されることで、位置ずれが防止されている。
【0059】
なお、プッシュボタン81が貫通しているケーシング11aの孔の周縁には、プッシュボタン81の軸方向に延びるガイド86が形成されている。このガイド86は、ケーシング11aの周面から後方へ突出する環状の部材であり、プッシュボタン81の外周面をサポートして、プッシュボタン81の芯ずれやこじれを起こすことなく円滑に往復動させている。
【0060】
そして、第1通路21及び第2通路25のいずれをもブロックせしめる位置に操作レバー60をロックさせるのが、ロック機構100である。このロック機構100は、炭酸飲料注出器10のケーシング11aの周面に設けられた係合爪101と、操作レバー60の支持部61に設けられた係合溝105とから構成されている。ケーシング11aの外周面には、ケーシング11aの周方向に沿って回転するリング102が取り付けられており、係合爪101はこのリング102と一体となるように形成されている。係合爪101は、リング102から上方に向けて延び、その先端103が本体11の中心に向けて突出している。一方、係合溝105は、操作レバー60の支持部61の後端面において、左右に延びるように形成されている。操作レバー60をロックさせるには、第1通路21及び第2通路25のいずれをもブロックせしめるスプールの位置に対応する操作レバー60位置に停止させておき、ケーシング11aの周面に設けられたリング102を回転させて、係合爪101を係合溝105に係合させればよい。
【0061】
このロック機構100では、係合爪101と係合溝105との組み合わせを採用しているので、係合爪101が係合爪101に係合すれば、操作レバー60自体のいずれの方向への回転もが機械的に阻止され、確実に誤操作を防止できる。なお、この図2〜図4に示す実施の形態では、係合爪101をケーシング11aに、係合溝105を操作レバー60に設けたロック機構を示しているが、係合爪を操作レバー60に、係合爪をケーシング11aに設けても構わない。また、係合爪と係合溝とは両者が確実に係合されるものであれば、その形状に限定はない。
【0062】
また、この炭酸飲料注出器10には容器2のヘッドや高圧部屋50に残留する空気を外部に排出するガスパージ機構110が設けられている。図3に示すように、本体11には、その上端の周縁部と高圧部屋50とを連通するガス抜き通路111が形成されている。このガス抜き通路111の上部は矩形状に広く形成された空間部112が設けられ、さらに、空間部112の上方がケーシング11aの上部周縁部にて外部と連通している。また、ガス抜き通路111の途中部分には、その内壁面から中心に向けて張り出すシート面113が形成されている。
【0063】
一方、ガス抜き通路111には、その軸方向に移動する開放部材としてのプッシュレバー115と、プッシュレバー115の下端に連結されて、プッシュレバー115と一体的に移動する棒状のシール体116と、シール体116の下方に設けられ、シール体116及びプッシュレバー115を上方に向けて付勢するスプリング114が挿入されている。
【0064】
プッシュレバー115は、その上部が一度水平に折れ曲がり、その先方が再び上方に向けて延びるように形成されている。この上端部分115aがガス抜き通路111と外部を連通している部分に挿入され、外部からこのプッシュレバー115を指で押さえ込むことができるように構成されている。なお、前記の矩形状に形成された空間部112は、この折れ曲がり部分がその内部で上下に移動可能なように形成された部分である。
【0065】
シール体116には、半径方向外側に張り出すつば117が形成されており、このつば117の上面にOリング118がシール体116に挿入されるようにして取り付けられている。Oリング118が載せられたつば117は、ガス抜き通路111に形成されたシート面113の下方に位置するように配されており、シール体116がスプリング114で上方へ付勢されて、シート面113とつば117とでOリング118を挟み込むようにしてこのガス抜き通路111をシールしている。
【0066】
通常は、スプリング114がシール体116をプッシュレバー115ごと上方へ押し上げて、シート面113とシール体116とがガス抜き通路111をブロックしている。一方、ガス抜きを行う際には、スプリング114の付勢力に抗して、プッシュレバー115を押し下げて、シート面113の部分を開放させる。これにより内部のガスや空気を外部に排気できるように構成されている。
【0067】
ところで、以上に説明した炭酸飲料注出器10を分解し、内部の洗浄が必要な場合もありえる。この炭酸飲料注出器10の分解について説明する。本体11のケーシング11aはロック機構100を構成するリング102の位置で上下に分割されるように形成されている。通常、ケーシング11aの上側と下側とは、いずれも当該リング102に係合されることで一体化されている。
【0068】
しかし、この炭酸飲料注出器10では、リング102がケーシング11aの所定の位置に回転されるとリング102とケーシング11aとの係合が解除されるように構成されている。炭酸飲料注出器10を分解するには、リング102とケーシング11aとの係合が解除される位置までリング102をケーシング11aの周方向に回転させればよい。
【0069】
ただし、このリング102は上述したように、操作レバー60のロック機構100を構成する部品である。このため、単にリング102を回転させただけでケーシング11aが分割する事態は防止しなければならない。かかる不都合を防止するために、この炭酸飲料注出器10には、リング102の回転自体を規制する機構を備えている。すなわち、ケーシング11aとリング102との係合が解除される解除位置にリング102を回転させるには、ガスパージ機構110を構成するプッシュレバー115を押し込まなければ、リング102を解除位置まで回転させることができないように構成されている。例えば、リング102の内周面に爪を形成し、この爪がプッシュレバー115と当接するように構成し、プッシュレバー115がストッパとして機能するようにしておく。そして、プッシュレバー115を押し下げることで爪がプッシュレバー115に当接せず、リング102が回転可能なように構成する。かかる構成によって、リング102の回転を規制することで、単にリング102を回転させただけでケーシング11aが分割されてしまうことを効果的に防止できる。
【0070】
なお、このリング102の回転規制機構は、このような構成に限定されるものではない。たとえば、プッシュレバー115の上下動に連動するようなストッパをケーシングの内部に設けると共に、リング102の内周部にこのストッパに当接する突起部などを形成する。そして、リング102を上述の解除位置まで回転させる場合には、プッシュレバー115を押し下げ、ストッパとリング102の突起部とが当接しないように構成してもよい。
【0071】
このように、プッシュレバー115を利用してリングの回転規制機構を構成すればコンパクトに構成できるが、プッシュレバーを利用することなく別途回転規制機構をも設けても構わない。
【0072】
以上の構成を備えた炭酸飲料注出器10によれば、操作レバー60の操作によって以下のように作動する。図5は、容器2の内部に収容された炭酸飲料を液体の状態で注出する状態を、図6は、容器2内の炭酸飲料を泡状にして注出する状態をそれぞれ示している。なお、これら図5及び図6については、バルブ20の作動に必要な部品についてのみ符号を付している。
【0073】
容器2の内部に収容された炭酸飲料を液体のまま注出するには、復帰手段80の付勢力に抗して、操作レバー60の後端を下方に下側に押し下げる。操作レバー60を押し下げると、復帰手段80のプッシュボタン81がスプリング82を縮めて本体11の内部へ押し込められる。また、操作レバー60の回転に伴い、操作レバー60の支持部61に形成された爪62は上方へ移動する。この爪62は、リンク65の係合部66と係合しているため、リンク65は、そのバルブ20側の端部67が下方へ押し下げられるように回転する(図5の反時計回り)。リンク65がこのように回転することで、バルブ20内に設けられている第2スプール31の上端が押圧され、第2スプール31が下方へ押し下げられる。第1スプール30はこの第2スプール31のストッパ31dとスプリング33とで挟み込まれるように設けられているので、第2スプール31の降下と共に下方へ移動する。
【0074】
かかる炭酸飲料注出器10の作用により、第1スプール30の上端と第1通路に形成されたシート面24との間に隙間が形成され、容器2に収容された炭酸飲料が第1通路21を通過し、注出部16へと注出される。なお、第2通路25の上部に形成された第1通路21と連通する連通路26は、ブロックされているため、第2通路25に導入された炭酸飲料は、第2通路25から第1通路21へ流れ出すことがない。これにより、炭酸飲料は液体のまま注出される。
【0075】
一方、炭酸飲料を泡状にして注出させるには、図6に示すように、操作レバー60の後端部を引き上げるようにして回転させるか、あるいは操作レバー60の先端部分を下方へ押し下げる。この操作レバー60の回転に伴い、操作レバー60の支持部61に形成された爪62が下方へ移動する。すると、この爪62と係合するリンク65は、係合部66が爪62に押し下げられ、バルブ20側が上昇するように回転する(図6の時計回り)。このリンク65と連結された第2スプール31は、リンク65により上方へ押し上げられる。この際、第1通路21に形成されたシート面24により第1スプール30の移動が阻止される。これにより、第2スプール31のみが上昇し、第2スプール31に形成された連通路26が第2通路25と第1通路21とを連通する。
【0076】
かかる作用により、第1通路21における液状の炭酸飲料がブロックされる一方で、第2通路25から泡状の炭酸飲料が第1通路21のシート面24より上側の部分へ流れ、注出部16へ注出される。
【0077】
このように炭酸飲料注出器10を構成するバルブ20が液体の状態で炭酸飲料を通過させる機能と、泡状にして炭酸飲料を通過させる機能とを有するので炭酸飲料を好みに応じて注出することができる。ビールを例に説明すると、いわゆる「のどごし」や「きれ」を味わいたい場合には、ビールを第1通路21のみから注出させ、泡の少ない状態でコップに注ぎ込めばよい。一方、ビールのいわゆる「こく」や「旨み」を味わう場合には、第1通路21から液状のビールを所定量だけコップに注ぎ、その後、第2通路25を通過させ、ビールを泡状にしてコップに注ぎ込めばよい。これによりきめの細かい泡を極めて容易に形成できる。このような作用効果は、ビールだけでなく発泡酒についても得られることは勿論である。
【0078】
なお、注出部16の内周面は、その径が先方に向かうにつれ末広がりとなり、かつ、内周面の下部は先方が下方に向けて延びるよう斜めに傾けられていることに加え、内周面が四フッ化エチレン重合体で被覆されているので、注出部16に炭酸飲料が残存することを効果的に防止できる。このため、注出後には炭酸飲料の液垂れがほとんど生じない。僅かながら液垂れが生じることもあるが、このような液垂れは、上述した液垂れ受け部8が受けるので、周囲を汚すことを防止できる。
【0079】
この炭酸飲料注出装置1を構成する容器2は、上述したようにその容量が1000ml〜2000mlと通常の壜や缶に比べ多くの炭酸飲料を収容することができる。このため、炭酸飲料を一回で飲みきらず、炭酸飲料をすべて飲みきるには数日かかることもある。この場合、炭酸飲料を注出した後、次に炭酸飲料を注出するまでの間、品質を維持するために、炭酸飲料を適切に冷却した状態で保存する必要がある。一般の家庭において適切に冷却した状態で炭酸飲料を保存する手段としては、冷蔵庫120が使用される。ところが、家庭用の冷蔵庫120は、業務用冷蔵庫に比べ内部容量が決して大きいとはいえず、内部に収容できる物の大きさにもある程度の制約がある。
【0080】
本発明の炭酸飲料注出装置1では、その容器2の容量が1000ml〜2000mlに形成されているが、その外径は70mm〜120mmであり、かつ、容器2に炭酸飲料注出器10を取り付けた状態おける全高が400mm以内に抑えられている。このため、炭酸飲料注出装置1を家庭用冷蔵庫120のドアポケット121に無理なく収納することができる。かかる特性を生かし、図7及び図8に示すように炭酸飲料を取り扱うことができる。
【0081】
図7に示す線図Vの区間aは図8の(a)に対応しており、冷蔵庫120に炭酸飲料注出装置1を収納している状態をそれぞれ表している。一方、図7の区間bは、図8の(b)に対応しており、冷蔵庫120から当該炭酸飲料注出装置1を取り出して、炭酸飲料を注出している状態をそれぞれ示している。なお、図7の縦軸は容器2に残する炭酸飲料の残存量Vを示し、横軸は時間tを示している。
【0082】
この図7及び図8に示すように、炭酸飲料を容器2から注出する各時点の間隔が所定時間以上であれば(例えば、夕食時から次の日の夕食時等、冷蔵庫120に収容しなければ、確実に炭酸飲料の温度が上昇するような時間)、炭酸飲料注出装置1を冷蔵庫120に収納する。これにより、容器2内に炭酸飲料が残存する間は、その温度を適切な温度に維持しておくことができる。
【0083】
なお、冷蔵庫120の内部には、他の収容物、仕切板等、炭酸飲料注出装置1以外に様々な物が存在する。このため、これらの物に炭酸飲料注出器10を構成する操作レバー60が押され、冷蔵庫120の中で炭酸飲料が注出される誤作動を起こすおそれがある。この炭酸飲料注出装置1では、操作レバー60自体を機械的にロックするロック機構が設けられているため、冷蔵庫120に収納する間、この操作レバー60をロックしておき、このような誤作動を起こすことを確実に防止できる。
【0084】
また、ガスボンベ3は、チューブ6を介して本体11と接続され、本体11とは別体として構成されている。このため、ガスボンベ3の取り扱いが問題となる。ここで、ガスボンベ3の容量を小さく形成し、炭酸飲料を飲む時点毎にガスボンベ3を取り換える方法も考えられる。かかる方法を採用すれば、冷蔵庫120へ収納する際にガスボンベ3を取り外すことで、ガスボンベ3の取り扱いを如何にするのかという問題点は無くなる。しかしながら、この方法では、炭酸飲料を飲むたびにガスボンベ3を取り付ける必要があり、繁雑である。他方、ガスボンベ3を本体11と一体的に形成することも考えられる。しかし、このように炭酸飲料注出器10を構成すれば、ガスボンベ3の交換が困難となる。
【0085】
この炭酸飲料注出装置1では上述のように、ガスボンベ3を容器2に対して着脱自在に保持せしめるホルダが設けられている。飲料が容器2に残存する間、このホルダを利用してガスボンベ3を容器2に保持させておけば、ガスボンベ3を炭酸飲料注出装置1と一体的にすることができ、取り扱いを容易にすることができる。ガスボンベ3を交換する場合には、容器2からボンベホルダ5を取り外すことで容易に交換することができる。また、ガスボンベ3の容量を所定量に形成しているので、ガスボンベ3を取り外すことなく炭酸飲料を飲みきることができる。
【0086】
以上、炭酸飲料注出装置を使用して炭酸飲料を飲む際に、収容された炭酸飲料を適切に冷却して、この炭酸飲料をいかにして取り扱うかについて説明したが、工場などで、容器に収容された炭酸飲料を適切に冷却した状態を維持する方法についても言及しておく。
【0087】
一般にビールや発泡酒は、缶に収容された後、温缶工程を経た後に冷蔵庫などで冷却される。温缶工程を経ることで、結露を防止している。しかし、温缶工程を経ることで、容器に収容されたビールはおよそ30℃まで温度が上昇する。これは、ビール本来の旨み等を考慮するとあまり好ましいことではない。上記の炭酸飲料注出装置においては、温缶工程を経ず、容器にビールを収容した後すぐに、チルド温度帯(10℃)以下に冷却するように工程を組めば、作りたての旨みを味わうことができる。
【0088】
次に、図9及び図10を参照してノズル7及び注出部16の好適な実施例を説明する。図9は注出部16の幾つかの実施例を示している。図9(a)及び(b)の注出部16は、いずれも内周部16aの径が先端16bに向かうにつれ末広がり状に形成され、かつ、内周部16aの下部16cが斜め下方に傾けられて先方に延びている点で共通している。但し、図9(a)では内周部16aの下部16cがバルブ側の端部16dから先端16bまで連続的に斜め下方に傾けられて先方に延びている。これに対して、図9(b)の注出部16では、内周部16aの下部16cが、バルブ20(図2参照)側の端部16dから先端16bに向かって内周部16aの上部16eに対して平行に延びる平行部16c1と、その平行部16c1との接合位置から先端16bまで斜め下方に傾けられて先方に延びている傾斜部16c2とを備えている。このような末広がり形状の注出部16は上述したように炭酸飲料注出後の液垂れを抑える作用を奏する。但し、本発明の注出部16は上記のような末広がり形状に限らず、図9(c)に示したように内周部16aの上部16eと下部6cとが互いに平行なストレート孔状に形成されてもよい。
【0089】
一方、図10はノズル7の幾つかの実施例を示している。これらのノズル7はいずれも注出部16の外周に嵌め合わされる嵌合部7aと、その嵌合部7aから先端に向かって下り勾配を形成するように延びる傾斜部7bとを有している点で共通する。しかし、図10(a)に示すノズル7は内部流路7cの内径がノズル7の全長に亘ってほぼ一定に形成されているのに対して、図10(b)〜(e)に示すノズル7では、傾斜部7bの上端付近において内部流路7cの断面積を減少させる絞り部7dが設けられている。
【0090】
図10(b)〜(d)では絞り部7dがいずれも内部流路7cの上部7eから下方に向けて突出するように設けられている。これに対して、図10(e)では絞り部7dが内部流路7cの下部7fから上方に向かって突出するように設けられている。また、図10(b)及び(e)の絞り部7dは肉厚がほぼ一定で上下方向に延びているが、図10(c)及び(d)の絞り部7dは先端(下端)ほど薄くなる三角形状の断面を呈するように形成されている。但し、図10(c)の絞り部7dよりも図10(d)の絞り部7dの方が断面形状の裾野が広く、絞り部7dの頂点(下端)に至るまでの傾斜は緩やかである。これらの絞り部7dは内部流路7cの入口付近において炭酸飲料が通過できる範囲を内部流路7cの一部に制限する。このため、絞り部7dの位置で飲料の整流作用が生じて絞り部7dよりも下流側の飲料の流れが安定し、その結果、ノズル7から流出する炭酸飲料の流れも安定する。なお、絞り部7dによる内部通路7cの絞り量は断面積にして40〜70%の範囲が好ましい。
【0091】
以上に示した注出部16とノズル7とを組み合わせて、ノズル7からの飲料の流れの安定性を評価した結果を図11に、注出後のノズル7からの液垂れを評価した結果を図12にそれぞれ示す。なお、安定性の評価は、ノズル7から流れ出る液体の状態を目視で観察することにより行った。液垂れの評価は、注出を終了して1分後の液垂れの有無を観察して行った。
【0092】
図11に示すように、いずれの注出部16とノズル7との組み合わせにおいても、ノズル7から注出される飲料の流れは乱れないか、やや乱れる程度であり、不適当な程の乱れは観察されなかった。但し、ノズル7に絞り部7dを設けた方が流れが安定する傾向が見られる。
【0093】
また、図12から明らかなように、液垂れに関しては図9(c)の注出部16と、図10(e)のノズル7との組み合わせが不適とされている。これより、液垂れの観点からは絞り部7dを内部通路7cの下部よりも上部に設けた方が好ましいことが判る。
【0094】
以上の結果から、各ノズル7と注出部16との組み合わせを総合的に評価した結果を図13に示す。総合評価では、図11及び図12のいずれか一方でも×の評価を得た組み合わせが×、両方で○の評価を得たものが○、その他が△とした。この結果から明らかなように、図9(c)の注出部16と、図10(e)のノズル7との組み合わせを除いては概ね良好な結果が得られており、特に図9(b)の注出部16と、図10(b)又は(c)のノズル7との組み合わせが最適な結果を示している。
【0095】
以上の実施形態では第2通路25の入口部分に泡形成部35を設け、その導入通路36を通過する飲料を泡状に形成しているが、本発明の第2通路はこのような構成に限らない。例えば、泡形成部35の導入通路36に関しては飲料を液状のまま通過させ(従って、泡形成部35は泡形成に寄与せず、単なるオリフィスとして設けられるに過ぎない。)、第2スプール31を図6に示すように引き上げた状態で連通路26から第1スプール30内に流出する飲料を第1通路21の上側部分23(図2参照)の内壁に衝突させることにより泡の形成を促進させてもよい。この場合には、連通路26と第1スプール31の上側部分23の内壁とが泡形成部として機能し、第2通路25はその泡形成部分までを実質的に含むことになる。
【0096】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、炭酸飲料注出装置を家庭用の冷蔵庫でも保存することができ、容器に収容された炭酸飲料を適切な温度に冷却することができる。また、注出される炭酸飲料の泡の状態を好みに応じて自在に調整できる。このため、家庭で本格的なビールを容易に味わうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる炭酸飲料注出装置の側面図。
【図2】本発明の一実施形態にかかる炭酸飲料注出器を前後方向に切断した縦断面図。
【図3】図2に示す炭酸飲料注出器を左右方向に切断した縦断面図。
【図4】図2に示す炭酸飲料注出器を後方から見た背面図。
【図5】炭酸飲料を第1経路を通過させ、液状のまま注出させる場合の炭酸飲料注出器の内部状態を示す図。
【図6】炭酸飲料を第2経路を通過させ、泡状にして注出させる場合の炭酸飲料注出器の内部状態を示す図。
【図7】容器内に収容された炭酸飲料を消費しきるまでの炭酸飲料の残存量と時間との関係の一例を示す図。
【図8】図7に示す各区間に対応する炭酸飲料注出装置の使用時、保存時の状態を示す図。
【図9】炭酸飲料注出器の注出部の実施例を示す図。
【図10】注出部に接続されるべきノズルの実施例を示す図。
【図11】図9の注出部と図10のノズルとをそれぞれ組み合わせてノズルから注出される飲料の流れの安定性を評価した結果を示す図。
【図12】図9の注出部と図10のノズルとをそれぞれ組み合わせて注出後のノズルから液垂れを評価した結果を示す図。
【図13】図11及び図12の評価結果を踏まえたノズルと注出部との組み合わせの総合評価を示す図。
【符号の説明】
1 炭酸飲料注出装置
2容器
3 ガスボンベ
5 ボンベホルダ
6 チューブ
7 ノズル
7b ノズルの傾斜部
7c ノズルの内部流路
7d ノズルの絞り部
9 口部
10 炭酸飲料注出器
16 注出部
20 バルブ
21 第1通路
24 シート面
25 第2通路
30 第1スプール
31 第2スプール
33 スプリング(付勢部材)
35 泡形成部
50 高圧部屋
52 蓋体
60 操作レバー
62 爪
65 リンク
66 係合部
80 復帰手段
81 プッシュボタン
82 スプリング
100 ロック機構
101 係合爪
102 リング
105 係合溝
110 ガスパージ機構
111 ガス抜き通路(連通路)
113 シート面
114 スプリング
115 プッシュレバー(開放部材)
116 シール体(シール部材)
118 Oリング(シール部材)
120 冷蔵庫
121 ドアポケット

Claims (2)

  1. 容器の口部に装着させる装着部と、前記容器内に所定圧のガスを送り込むガス供給路と、前記容器内に挿入されてこの容器内の炭酸飲料が取り出される取出路と、取り出された炭酸飲料を注出させる注出部と、取り出された前記炭酸飲料の注出部への通過を許可するバルブと、このバルブの開閉状態を制御する操作レバーとが一体的なユニットとして構成された炭酸飲料注出器において、
    前記容器の内部と外気とを連通する連通路と、この連通路の内周面に形成されたシート面に付勢されてこの連通路を閉鎖するシール部材と、この連通路に挿入され、前記シール部材が付勢される付勢力に抗して前記シール部材を移動させてこの連通路を開放せしめる開放部材を備えて構成されるガスパージ機構が設けられ、
    前記装着部の内部には、前記ガス供給路を含めるようにして前記容器の内部空間から仕切られ、前記ガス供給路から供給されるガスが導かれる高圧部屋が設けられ、前記高圧部屋は、前記装着部の内部にて前記ガス供給路及び前記取出路を外部から囲む壁面と、この壁面の下部を密閉する蓋部とからなり、前記蓋部には、前記取出路をなすチューブが貫通する貫通孔が形成され、前記高圧部屋のガスは、前記チューブの収縮を利用して前記チューブの外周面と前記貫通孔の内周部との間から前記容器の内部に供給されることを特徴とする炭酸飲料注出器。
  2. 容器の口部に装着させる装着部と、前記容器内に所定圧のガスを送り込むガス供給路と、前記容器内に挿入されてこの容器内の炭酸飲料が取り出される取出路と、取り出された炭酸飲料を注出させる注出部と、取り出された前記炭酸飲料の注出部への通過を許可するバルブと、このバルブの開閉状態を制御する操作レバーとが一体的なユニットとして構成された炭酸飲料注出器において、
    前記容器の内部と外気とを連通する連通路と、この連通路の内周面に形成されたシート面に付勢されてこの連通路を閉鎖するシール部材と、この連通路に挿入され、前記シール部材が付勢される付勢力に抗して前記シール部材を移動させてこの連通路を開放せしめる開放部材を備えて構成されるガスパージ機構が設けられ、
    前記炭酸飲料注出器の外殻をなすケーシングは、上側と下側とに分割可能に形成され、
    前記ケーシングの周面に沿って周方向に回転可能に設けられ、所定の解除位置にて前記ケーシングの上側と下側との係合を解除し、前記解除位置以外の位置にて前記ケーシングの上側と下側とを係合させるリングと、前記ガスパージ機構の前記開放部材により前記連通路が開放されている場合にのみ前記リングが前記解除位置に回転するように前記リングの回転を規制する回転規制機構と、がさらに設けられていることを特徴とする炭酸飲料注出器。
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