JP4097969B2 - 容器シール装置および容器シール方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック製の容器などの開口部をフィルムなどの蓋部材でシールする容器シール装置および容器シール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼリー、プリンなどの菓子類や、ご飯、パスタなどに代表される各種食品は、プラスチック、紙、あるいはこれらの積層体からなる容器内に充填された後、開口部がフィルムで密封シールされ、流通することが多い。
このように内容物が充填された容器を密封シールする場合には、例えば、図6に示すような、容器51の開口部をフィルム52でシールするシール手段53と、フィルム52における開口部にシールされた部分をそれ以外の部分から切り離す切断手段54と、シール手段53および切断手段54にむけて複数の容器51を搬送する容器搬送手段55とを具備した容器シール装置50が使用されている。
【0003】
この例の容器シール装置50のシール手段53は、容器搬送手段55による容器51の搬送方向(図中右方向)に沿って第1シール部材56と第2シール部材57と冷却部材60とを備えている。
第1シール部材56および第2シール部材57は、その加熱面56a、57aをフィルム52が配置された容器51の開口部に対して一定時間押し当てることによって開口部をヒートシールするものであって、図示略のヒータなどの加熱手段を内部に備えて構成されている。この例では、第1シール部材56は、加熱面56aが平滑に形成され、いわゆるベタ式シールが可能なものであって、一方、第2シール部材57は、加熱面57aが編み目状に形成され、いわゆるローレット式シールが可能なものである。容器51の開口部に配置されるフィルム52は、図示略のフィルム供給手段により供給されるようになっている。
冷却部材60はその冷却面60aを、第1シール部材56および第2シール部材57で加熱されシールされた部分に押し当てることによってその部分を冷却するものであって、例えば、金属製のブロック材などから形成されている。
【0004】
切断手段54は、切断刃を備えたトリミング部材54aを有し、このトリミング部材54aをフィルム52に押し当てることにより、フィルム52における開口部にシールされた部分をそれ以外の部分から切り離すものであって、トリミング部材54aは冷却部材60の後段側に、第1シール部材56、第2シール部材57および冷却部材60と同様に、容器搬送手段55による容器51の搬送方向に沿って設けられている。
そして、これら第1シール部材56と第2シール部材57と冷却部材60と切断手段54は、これらの各部材56、57、60、54に対してのメンテナンスを容易に行えるように、互いに一定の間隔をあけて設けられている。
【0005】
この容器シール装置50の具備する容器搬送手段55は、容器51の外形に沿った形状の受け口58aが形成された複数の受け台58と、これら複数の受け台58を保持し、シール手段53に向けて搬送するコンベヤ59を有していて、各受け口58aに容器51をそれぞれ載置してコンベヤ59を作動させることによって複数の容器51をシール手段53にむけて搬送できるようになっている。
ここで、各受け台58はコンベヤ59上において互いに密に並べられているとともに、上記の第1シール部材56と第2シール部材57と冷却部材60と切断手段54との間隔に対応するように配置されていて、第1シール部材56の下方に容器51が位置する場合には、第2シール部材57、冷却部材60および切断手段54の下方にもそれぞれ容器51が位置するようになっている。
【0006】
したがって、第1シール部材56と、第2シール部材57と、冷却部材60と、切断手段54とを同調させて、同じタイミングで上下させるとともに、容器51の搬送もこれらの動作に同調させて移動と停止を繰り返すことによって、受け台58に保持された容器51に対して、ベタ式シールおよびローレット式シールと冷却とフィルムの切断とを効率的に行うことができる。すなわち、容器搬送手段55は、第1シール部材56と第2シール部材57と冷却部材60と切断手段54の下方において順次各容器51がそれぞれベタ式シール、ローレット式シール、冷却、トリミングがなされるように一旦停止し、それ以外の箇所においては移動するように、容器51の間欠搬送が可能となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような例の容器シール装置は、第1シール部材と第2シール部材と冷却部材と切断手段とが互いに間隔を有して設けられている。したがって、容器搬送手段が容器を順次搬送していった場合、第1シール部材によってベタ式シールされた容器がただちに第2シール部材の下方に搬送されるのではなく、一旦、第1シール部材と第2シール部材の間で停止することとなる。このように第1シール部材と第2シール部材との間で容器が一旦停止すると、容器におけるベタ式シールされた部分が冷めてしまい、ついで行われる第2シール部材によるローレット式シールの効率が低下するとともに、シール作業の生産性も低下する。すなわち、従来の容器シール装置は、第1シール部材と第2シール部材の間で容器が停止することに起因する効率低下という第1の課題を有している。特に、容器の開口部にシールされるものがフィルムではなく、あらかじめ蓋状に成形された肉厚の蓋部材である場合には、第1シール部材と第2シール部材の間で停止することによる冷却の問題は顕著となる。
【0008】
また、このような問題を解決するためには、例えば、容器の受け台を、第1シール部材と第2シール部材と冷却部材と切断手段との間隔と同じになるように間隔をあけて配置することで、上述のように第1シール部材と第2シール部材との間で一旦停止してしまう容器が発生しないようにする方法もある。しかしながら、このような方法では、各受け台間の間隔が余剰スペースとして存在し、スペースを有効利用できないという第2の課題を有している。
【0009】
さらに、このような容器シール装置において各受け台は、シール対象の容器の外形に応じてその受け口が形成されているので、ある特定の外形の容器のシール作業を行った後に、異なる外形の容器のシール作業を行う場合には、その外形に応じて受け台を全て交換する必要があった。ところが、このような受け台は通常ステンレスなどの金属から形成されているため重く、容器の外形が変わるたびに受け台を交換する作業は労力を要し、作業の効率性からも問題があった。すなわち、従来の容器シール装置は、複数種類の外形の容器を効率的にシールできないという第3の課題を有していた。
本発明の目的は、上述の課題が解消された容器シール装置および容器シール方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1の発明に係る容器シール装置は、容器の開口部をフィルムでシールするシール手段と、複数の容器を前記シール手段に順次搬送する容器搬送手段とを備えた容器シール装置であって、前記シール手段は、前記フィルムを介して前記開口部を押圧する押圧面が形成された押圧部材を2つ以上備え、これらの押圧部材は前記搬送の方向に沿って互いに間隔を有して設けられるとともに、これら押圧部材のうちの少なくとも1つはその押圧面が加熱され前記開口部をヒートシール可能とされ、前記容器搬送手段は、前記2つ以上の押圧部材に対応する間隔で配置され、任意の外形の容器を保持可能な複数の受け台と、これら複数の受け台の間に前記2つ以上の押圧部材に対応する間隔で配置され、前記任意の外形以外の外形の容器を保持可能な予備受け台とを具備していることを特徴とする。
このような容器シール装置によれば、上述の各課題を解決することができる。
また、このような容器シール装置においては、前記シール手段の後段側に、前記フィルムにおける前記開口部にシールされた部分をそれ以外の部分から切り離すトリミング手段を備えていてもよい。
さらに、前記シール手段の前段側に、前記容器に内容物を充填する充填手段を備えていてもよい。
本願請求項4の発明に係る容器シール方法は、前記の容器シール装置を使用して、前記任意の外形の複数の容器の開口部をシールした後に、前記任意の外形以外の外形の複数の容器の開口部をシールすることを特徴とする。
【0011】
本願請求項5の発明に係る容器シール方法は、容器の開口部を蓋部材でシールするシール手段と、複数の容器を前記シール手段に順次搬送する容器搬送手段とを備えた容器シール装置を使用した容器シール方法であって、前記シール手段は、前記蓋部材を介して前記開口部を押圧する押圧面が形成された押圧部材を2つ以上備え、これらの押圧部材は前記搬送の方向に沿って互いに間隔を有して設けられるとともに、これら押圧部材のうちの少なくとも1つはその押圧面が加熱され前記開口部をヒートシール可能とされ、前記容器搬送手段は、前記2つ以上の押圧部材に対応する間隔で配置され、容器を保持可能な複数の受け台と、これら複数の受け台の間に配置され、容器を保持可能な予備受け台とを具備し、前記受け台に配置された容器のみを順次シールすることを特徴とする。
このような容器シール方法によれば、上述の課題のうち、特に第1の課題を解決することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
[第1実施形態例]
図1は本発明の容器シール装置10の一実施形態例であって、複数の容器11a、11bをシール手段15にむけて順次搬送する容器搬送手段20と、この容器搬送手段20により搬送された容器11a、11bの開口部をフィルム14でシールするシール手段15と、開口部にシールされた部分のフィルム14を、フィルム14のそれ以外の部分から切り離す切断手段30と、開口部がシールされた容器11a、11bをこの容器シール装置10の外方へ排出する排出手段40とを備えている。
【0013】
この例のシール手段15は、フィルム14を介して開口部を押圧する押圧面16a、17a、18aが形成された3つの押圧部材16、17、18を具備している。これらの3つのうち前段側の2つ押圧部材16、17、すなわち、第1の押圧部材16、および第2の押圧部材17は、その内部にヒータなどの図示略の加熱手段を備えているとともに押圧面16a、17aを有していて、フィルム14を介して、加熱された押圧面16a、17aを開口部に押圧することにより、フィルム14を容器11a、11bの開口部にヒートシールするものである。この例において第1の押圧部材16は、押圧面16aが平滑に形成され、いわゆるベタ式シールが可能なものであって、一方、第2の押圧部材17は、押圧面17aが編み目状に形成され、いわゆるローレット式シールが可能なものである。
【0014】
また、これら3つの押圧部材16、17、18のうち、最も後段の押圧部材18、すなわち第3の押圧部材18は、その押圧面18aをフィルム14を介して開口部に押圧することにより、第1の押圧部材16および第2の押圧部材17でヒートシールされた部分を冷却するものであって、例えば、金属製のブロック材などから形成されている。
これら押圧部材16、17、18はいずれも容器11a、11bの搬送の方向(図中右方向)に対して垂直方向、すなわち、図中上下方向に移動可能であって、その押圧面16a、17a、18aを開口部に対して所定時間押し当てられるようになっている。
そして、これら3つの押圧部材16、17、18は、これらをメンテナンスする際などの作業性の点から、互いに一定の間隔Sをあけて、容器搬送手段20による容器11a、11bの搬送方向に沿って配置されている。
【0015】
この容器シール装置10が備えている容器搬送手段20は、複数の容器11a、11bをシール手段15に向けて順次搬送するものであって、コンベヤ21と、このコンベヤ21によって搬送され、ある特定の外形の容器11aを保持可能な受け口22aが形成された複数の受け台22と、これら複数の受け台22の間に配置され、受け台22が保持する特定の外形以外の外形の容器11bを保持可能な受け口23aが形成された複数の予備受け台23とを具備している。
そして各受け台22は、互いの間隔が上記3つの押圧部材16、17、18間の間隔Sと同じになるように配置され、さらに予備受け台23も、各予備受け台23同士の間隔が上記3つの押圧部材16、17、18間の間隔Sと同じになるように配置されている。
【0016】
なお、この例では、図2に示すように、受け台22には四角柱状の外形の容器11aを保持可能な受け口22aが形成され、一方、予備受け台23には円柱状の外形の容器11bを保持可能な受け口23aが形成されている。また、これら各受け台22と予備受け台23は、いずれもコンベヤ21に着脱自在に取り付けられている。また、以下、四角柱状の外形の容器11aを角形容器と言い、円柱状の外形の容器11bを円形容器という。
【0017】
この容器シール装置10の切断手段30は、切断刃31aを備えたトリミング部材31を有し、このトリミング部材31をフィルム14に押し当てることにより、開口部にシールされた部分のフィルム14をそれ以外の部分から切り離すものであって、シール手段15の後段側に備えられている。そして、この例の容器シール装置10においてトリミング部材31は、シール手段15を構成する3つの押圧部材16、17、18間の各間隔と同じ間隔Sをあけて、第3の押圧部材18の後段側に設けられている。
また、この切断手段30の後段側に設けられた排出手段40は、容器11a、11bにシールされたフィルム14に吸着する吸着部材41を有するものであって、この吸着部材41に、容器11a、11bにシールされたフィルム14を吸着、保持した状態で吸着部材41を軸42を中心として矢印に示すように回動させることによって、容器11a、11bを容器シール装置10の外方へと運べるようになっている。
【0018】
次にこの例の容器シール装置10を使用して、角形容器11aに対してフィルム14のシールを連続的に行った後、次に、円形容器11bに対してフィルム14のシールを引き続き連続的に行う方法について説明する。
まず、容器搬送手段20の各受け台22の受け口22aに、図示略の容器供給手段により、角形容器11aをそれぞれ載置していくとともに、図示略のフィルム供給手段を作動させて、この角形容器11aの開口部にシールするためのフィルムを、受け台22に配置された角形容器11aの開口部上に供給していく。
なお、図1には、受け台22に角形容器11aが載置されるととともに、予備受け台23にも円形容器11bが載置された状態が示されているが、この時点では、予備受け台23に円形容器11bを載置する必要はない。
【0019】
ついで、シール手段15を構成する第1〜第3の押圧部材16、17、18とトリミング部材31とをすべて同調させて、同じタイミングで上下させるとともに、容器搬送手段20による角形容器11aの搬送と、フィルム供給手段によるフィルム14の供給も、これらの部材16、17、18、31の動作に同調させて移動と停止を繰り返す。
【0020】
すなわち、第1〜第3の押圧部材16、17、18とトリミング部材31の下方に角形容器11aが位置した時には、容器搬送手段20のコンベヤ21が一旦停止する。そして、停止した角形容器11aの開口部に向かって第1〜第3の押圧部材16、17、18とトリミング部材31とが下降して、これらの押圧面16a、17a、18aおよび切断刃31aが対応する各角形容器11aの開口部に対してフィルム14を介して押圧する。ついで、このように一定時間の押圧の後、第1〜第3の押圧部材16、17、18とトリミング手段31はいずれも上昇して元の位置に戻り、その一方で、コンベヤ21も再び作動して、次の角形容器11aが各押圧部材16、17、18およびトリミング部材31の下方に位置するように角形容器11aを順次搬送していく。
このように第1〜第3の押圧部材16、17、18とトリミング部材31の動作にあわせて、容器搬送手段20による角形容器11aの搬送と図示略のフィルム供給手段によるフィルム14の供給とを間欠的に行う。
【0021】
こうして、第1の押圧部材16によるベタ式シールと、第2の押圧部材17によるローレット式シールと、第3の押圧部材18による冷却と、トリミング部材に31よるフィルム14の切り離しとがなされた角形容器11aは、排出手段40によりこの容器シール装置10の外方へと排出される。
【0022】
このような容器シール装置10においては、第1〜第3の押圧部材16、17、18とトリミング手段31はいずれも間隔Sをあけて角形容器11aの搬送方向に沿って設けられ、また、各受け台22も第1〜第3の押圧部材16、17、18およびトリミング手段31と同じように、間隔Sをあけて配置されている。したがって、上述したように、第1〜第3の押圧部材16、17、18およびトリミング部材31の動作と、容器搬送手段20および図示略のフィルム供給手段の動作とを同調させることにより、搬送される各角形容器11aに対して、第1の押圧部材16および第2の押圧部材17によるヒートシールと、第3の押圧部材18による冷却と、トリミング手段31によるフィルム14の切り離しとを効率的に行うことができる。
【0023】
こうしてその角形容器11aに対してフィルム14のシールを行った後、ついで、容器搬送手段20の各予備受け台23に、図示略の容器供給手段により、円形容器11bをそれぞれ載置していくとともに、図示略のフィルム供給手段を作動させて、円形容器11bの開口部にシールするためのフィルム14を、予備受け台23に配置された円形容器11bの開口部上に供給していく。そして、再び、第1〜第3の押圧部材16、17、18とトリミング部材31とをすべて同調させて、同じタイミングで上下させるとともに、容器搬送手段20による円形容器11bの搬送と、フィルム供給手段によるフィルム14の供給も、これらの部材16、17、18、31の動作に同調させて移動と停止を繰り返し、予備受け台23に載置された円形容器11bがこれらの押圧部材16、17、18およびトリミング部材31の下方で一旦停止するようにする。そして、第1の押圧部材16によるベタ式シールと、第2の押圧部材17によるローレット式シールと、第3の押圧部材18による冷却と、トリミング手段31によるフィルム14の切り離しとを、予備受け台23に載置された円形容器11bに対して順次行い、ついで排出手段40により排出する。
【0024】
以上説明したように、このような容器シール装置10は、シール手段15としてフィルム14を介して容器11a、11bの開口部を押圧する押圧面16a、17a、18aが形成された3つの押圧部材16、17、18を具備し、これらの押圧部材16、17、18は、搬送の方向に沿って互いに間隔Sを有して設けられている。一方、容器搬送手段20は、押圧部材16、17、18同士の間隔Sと同じ間隔Sで配置され、角形容器11aを保持可能な複数の受け台22と、これら複数の受け台22の間に、円形容器11bを保持可能な予備受け台23とをあらかじめ具備している。
したがって、複数の角形容器11aに対してシール作業を行い、ついで、複数の円形容器11bに対してシール作業を行う場合、角形容器11aを搬送するに際しては受け台22を使用し、円形容器11bを搬送するに際しては予備受け台23を使用することによって、容器11a、11bの外形の変更にともなって受け台22を取り外したり新たに取り付けたりする必要がなく、異なる外形の容器11a、11bのシール作業を引き続き効率的に行うことができる。
また、容器搬送手段20において、予備受け台23を設置するスペースは、従来の1種類の外形の容器のみをシールする容器シール装置においては余剰スペースであった部分なので、このように予備受け台23を設けることによって容器シール装置10が大型化するなどの不都合も何ら生じず、スペースを有効に利用することができる。
【0025】
さらに、角形容器11aのシール作業および円形容器11bのシール作業中、これらの容器が第1〜第3の押圧部材16、17、18同士の間で一旦停止することもない。したがって、図示例のように、第1の押圧部材16および第2の押圧部材17がいずれもヒートシールを行うものである場合でも、これらの間でシール部分が一旦冷めてしまい、シール効率が低下することもない。また、図示例では、開口部にシールされる蓋部材としてフィルム14が使用されているが、例えば、あらかじめ蓋状に成形された肉厚の樹脂からなる蓋部材がシールされる場合には、このように第1の押圧部材16から第2の押圧部材17へただちに容器11a、11bが搬送され、冷めないことが、ヒートシール効率の点から重要であり、図示例の容器シール装置10はその点からも有用である。
【0026】
すなわち、このような容器シール装置10によれば、予備受け台23をあらかじめ設けておくことによって、余剰スペースを有効に活用できるとともに、容器11a、11bを保持する受け台22を交換しなくても2種類の外形の容器11a、11bを連続的にシールでき、これら容器11a、11bに対して効率的にシール作業を行うことができる。
【0027】
なお、以上の説明においては、シール手段15として、ベタ式シール用の第1の押圧部材16とローレット式シール用の第2の押圧部材17と冷却用の第3の押圧部材18とを具備するものを例示した。しかしながらシール手段15は、フィルム14を介して容器11a、11bの開口部を押圧する押圧面が形成された押圧部材を2つ以上備え、これら押圧部材のうちの少なくとも1つがその押圧面が加熱され、開口部をヒートシール可能なものであれば、このような組み合わせに限定されない。
例えば、シール手段15が、ベタ式シール用の押圧部材と冷却用の押圧部材とを備えたものであってもよい。また、シール手段15が、ベタ式シール用の押圧部材とローレット式シール用の押圧部材とを備え、特に冷却用の押圧部材を備えていないものであってもよい。このような場合には、必要に応じて、冷却用気体を吹き付ける形態の冷却手段などを別途設けてもよい。
【0028】
さらに、この例では、切断手段30としてトリミング部材31を、第3の押圧部材18の後段に間隔Sをあけて設け、トリミング部材31も第1〜第3の押圧部材16、17、18と同調する形態について例示したが、切断手段30の形態は特に限定されない。すなわち、排出手段40の前においてフィルム14を切断可能なものであれば、切断刃31aを備え、搬送の方向に対して垂直な方向に移動可能なトリミング部材31に限定されない。また、切断手段30は必ずしも容器シール装置10に備えられていなくてもよく、例えば、作業者がフィルムを手作業で切断してもよい。さらに、この例のトリミング部材31は、角形容器11aおよび円形容器11bのいずれにも使用可能なものであるが、トリミング部材31を、角形容器11a用および円形容器11b用にそれぞれ用意し、搬送方向に沿って設けたり、交換して使用したりしてもよい。
【0029】
また、上記の例においては、3つの押圧部材16、17、18の間隔を等間隔としたが、必ずしも等間隔でなくてもよい。例えば、第1の押圧部材16と第2の押圧部材17の間隔よりも、第2の押圧部材17と第3の押圧部材18の間隔を大きくし、容器搬送手段20における受け台22および予備受け台23を、これらの押圧部材16、17、18に対応可能なように配置することもできる。
具体的には、図3に示すように、第1の押圧部材16と第2の押圧部材17との間隔がSであって、第2の押圧部材17と第3の押圧部材18との間隔が3Sとなるように配置されている場合、各受け台22同士の間隔および各予備受け台23同士の間隔をいずれもSとしておけば、各押圧部材16、17、18のうちの1つに受け台22が対応する場合には、他の2つに対しても受け台22が対応するし、各押圧部材16、17、18のうちの1つに予備受け台23が対応する場合には、他の2つに対しても予備受け台23が対応する。
よって、3つの押圧部材16、17、18の間隔を必ずしも等間隔としなくても、複数の受け台22および予備受け台23が押圧部材16、17、18に対応する間隔で配置されていて、各押圧部材16、17、18を同調させて作動させた場合に各押圧部材16、17、18に対してそれぞれ容器11a、11bが対応するようになっていればよい。図3のような形態の容器シール装置10であれば、特に上述の第2の課題および第3の課題を解決できる。
【0030】
また、受け台22同士の間に配置される予備受け台23の種類は、図1の例では1種類であったが、各押圧部材16、17、18の間隔および容器11a、11bの大きさなどによっては、複数種備えることも可能である。
例えば図4に示すように、受け台22として角形容器11aを保持可能なものを設置した場合に、予備受け台23として、円形容器11bを保持可能な第1の予備受け台23bと、三角柱状の外形の容器11cを保持可能な第2の予備受け台23cの2種類を設置してもよい。このように、これら受け台22と第1の予備受け台23bと第2の予備受け台23cとが、いずれもそれぞれ押圧部材16、17、18に対応する間隔で配置されているかぎり、予備受け台23の種類は限定されない。
【0031】
また、容器シール装置10において、シール手段15の前段側に、容器11に内容物を充填する充填手段を備え、内容物の充填作業と、内容物が充填された容器11の開口部のシール作業とを連続的に行えるようにしてもよい。
【0032】
さらに、以上説明した容器シール装置10は、シール手段15、切断手段30をそれぞれ1系列備えたものであるが、その系列数には特に制限はなく、2系列以上を並列に備えた多系列の構成であってもよい。
例えば、容器シール装置10として、シール手段15および切断手段30を3系列備えたものとした場合、受け台22および予備受け台23を、これらの各系列にまたがって使用できるように、図5に示すように、1つの受け台22および予備受け台23にそれぞれ3系列分の受け口22a、23aが形成された形態としてもよい。このように受け台22および予備受け台23を、それぞれ複数系列にまたがって使用可能な形態とした場合には、各受け台22および予備受け台23のそれぞれの重量が増し、取り付け作業や交換作業の労力も増加するので、受け台22だけでなく予備受け台23を予め備えていて、シール対象となる容器11a、11bの外形の変更にともなって受け台23を取り付けたり、取り外したりする必要のないこのような容器シール装置10によれば、複数の種類の容器11a、11bに対するシール作業性をより一層向上させることができる。
【0033】
また、この例の容器シール装置10においては、シール手段15や切断手段30が上下移動し、一方、容器搬送手段20は、このような上下移動に同調して容器11a、11bを間欠的に搬送可能なものであったが、例えば、シール手段15および切断手段30が、容器11の搬送方向に対して垂直な上下移動とともに、搬送方向に沿う方向への移動も可能なボックスモーション式のものであってもよい。その場合には、容器搬送手段20は、容器11a、11bを間欠的ではなく、連続的に搬送すればよい。
【0034】
[第2実施形態例]
上述した第1実施形態例の容器シール装置10においては、受け台22は角形容器11aを保持可能に形成され、一方、予備受け台23は円形容器11bを保持可能に形成されていた。しかしながら、特に連続的に異なる外形の容器11a、11bのシール作業を連続的に行う必要がなく、1種類の外形の容器について連続的にシール作業を行えばよい場合には、単に受け台22にのみ容器11aを配置し、受け台22に配置された容器のみに対してシールしていけばよい。このような場合、予備受け台23に保持された容器11bにはシールする必要がないので、予備受け台23が保持可能な容器11bの外形は、受け台22が保持可能な容器11aの外形と同じであってもよいし、別であってもよい。
すなわち、複数の受け台22が各押圧部材16、17、18に対応する間隔で配置され、一方、これら複数の受け台22の間に予備受け台23とを備えている容器シール装置10において、受け台22に配置された容器11aのみを順次シールしていけばよい。
このような容器シール方法によれば、複数の受け台22は各押圧部材16、17、18に対応する間隔で配置されているので、各押圧部材16、17、18間で容器11aが一旦停止してしまい、生産性が低下するなどの問題は起きない。よって、容器11aの開口部にシールされるものがフィルム14ではなく、あらかじめ蓋状に成形された肉厚の蓋部材である場合でも、シール作業を非常に効率的に生産性よく行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本願請求項1に係る発明の容器シール装置および本願請求項4に係る発明の容器シール方法によれば、余剰スペースを有効に活用できるとともに、容器を保持する受け台を交換しなくても複数種類の外形の容器をシール可能であり、また、シール効率も優れ、効率的かつ生産性よくシール作業を行うことができる。
また、本願請求項5に係る発明の容器シール方法によっても、効率的かつ生産性よくシール作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の容器シール装置の一実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1の容器シール装置が具備する(a)受け台および(b)予備受け台を示す斜視図である。
【図3】 本発明の容器シール装置の他の実施形態の概略図である。
【図4】 本発明の容器シール装置のさらに他の実施形態を示す側面図である。
【図5】 本発明の容器シール装置が具備する(a)受け台および(b)予備受け台の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】 従来の容器シール装置の一形態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 容器シール装置
11a (角形)容器
11b (円形)容器
14 フィルム
15 シール手段
16 (第1の)押圧部材
17 (第2の)押圧部材
18 (第3の)押圧部材
16a 押圧面
17a 押圧面
18a 押圧面
20 容器搬送手段
22 受け台
23 予備受け台
30 切断手段
Claims (5)
- 容器の開口部を蓋部材でシールするシール手段と、
複数の容器を前記シール手段に順次搬送する容器搬送手段とを備えた容器シール装置であって、
前記シール手段は、前記蓋部材を介して前記開口部を押圧する押圧面が形成された押圧部材を2つ以上備え、これらの押圧部材は前記搬送の方向に沿って互いに間隔を有して設けられるとともに、これら押圧部材のうちの少なくとも1つはその押圧面が加熱され前記開口部をヒートシール可能とされ、
前記容器搬送手段は、前記2つ以上の押圧部材に対応する間隔で配置され、任意の外形の容器を保持可能な複数の受け台と、これら複数の受け台の間に前記2つ以上の押圧部材に対応する間隔で配置され、前記任意の外形以外の外形の容器を保持可能な予備受け台とを具備していることを特徴とする容器シール装置。 - 前記蓋部材がフィルムであって、
前記シール手段の後段側に、前記フィルムにおける前記開口部にシールされた部分をそれ以外の部分から切り離す切断手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の容器シール装置。 - 前記シール手段の前段側に、前記容器に内容物を充填する充填手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の容器シール装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の容器シール装置を使用して、
前記任意の外形の複数の容器の開口部をシールした後に、前記任意の外形以外の外形の複数の容器の開口部をシールすることを特徴とする容器シール方法。 - 容器の開口部を蓋部材でシールするシール手段と、
複数の容器を前記シール手段に順次搬送する容器搬送手段とを備えた容器シール装置を使用した容器シール方法であって、
前記シール手段は、前記蓋部材を介して前記開口部を押圧する押圧面が形成された押圧部材を2つ以上備え、これらの押圧部材は前記搬送の方向に沿って互いに間隔を有して設けられるとともに、これら押圧部材のうちの少なくとも1つはその押圧面が加熱され前記開口部をヒートシール可能とされ、
前記容器搬送手段は、前記2つ以上の押圧部材に対応する間隔で配置され、容器を保持可能な複数の受け台と、これら複数の受け台の間に配置され、容器を保持可能な予備受け台とを具備し、
前記受け台に配置された容器のみを順次シールすることを特徴とする容器シール方法。
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