JP4097632B2 - マルチプローブストレージ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、大容量の電子データを高速に超高密度で情報記録することが可能な情報記録用ストレージ装置に関するものである。
インターネットやLANに代表される情報通信ネットワークから、最近では家庭用電気製品や乗用車にまで、コンピュータをキーデバイスとした情報処理システムが急速に普及している。それらのシステムには電子情報を、一時的あるいは半永久的に格納するストレージ装置が必須のデバイスで、電子情報の大容量化にともなって、超小型で高速な大容量ストレージ装置の必要性が年々高まっている。
従来の情報ストレージ技術には磁気記録と光記録があるが、記録密度向上の要求に対して、限界が見えてきている。磁気記録においては、磁界を用いる磁化反転メカニズムに必要な磁性材料の体積限界、光記録においては、光の回折限界のため、ある一定値以上の記録密度向上には限界がある。特に、磁気記録においては、GMRヘッド実用化以降、年率100%の増加率で増大してきた面記録密度の増加傾向に歯止めがかかってきている。
プローブストレージ技術は、以上の従来方式の限界を超える記録方式として期待されているストレージ技術で、超小型の探針(プローブチップ)を物体に近接・走査させ、種々の物理量を原子分子レベルの空間分解能で検出する走査型プローブ顕微鏡(以下SPM)の原理を利用するもの、情報記録単位として、究極の単原子から物質の量子効果を利用するものや、プローブ構造を用いた超小型機械的記録方式などがある。
SPMの原理を利用したストレージ技術としては、例えば、US特許5808977に記載のように、SPMの一種である磁気力プローブ顕微鏡(MFM)の原理を利用して、磁区構造をプローブチップで記録・検出する方式がある。本方式は、磁性材料からなるプローブチップが磁気記録メディアに書き込まれた磁区を横切る際に受ける磁気力による変位を検出する、高密度記録が期待される記録方式である。
原子スケールの状態変化を用いたストレージ技術としては、例えば、Nanotechnology Vol.13 (2002) 499-502に記載のように、シリコン表面上の金原子の自己組織化配置を利用するものがある。本方式では、1から2nmピッチの原子(クラスタ)配置を制御できる可能性があるとされている。
プローブ構造を用いた機械的記録方式としては、例えば、IEEE Transactions on Nanotechnology Vol.1 (2002) 39-55、あるいは、US特許5835477に記載のように、樹脂材料からなる記録メディアに、一定温度に加熱されたプローブチップを押し付け、微細な窪みを形成することで情報記録を行う方式が考案されている。本方式では、プローブチップが搭載されたカンチレバーが多数配列されたカンチレバーアレイ部材とメディアが対向し、メディアが多軸のアクチュエータにより移動することにより、ひとつのプローブチップがメディアのある一定面積の領域(ピクセル)に情報を記録するとともに、個々のプローブチップが独立してそれぞれに対応するピクセルに並列処理で記録できるようになっている。本技術は、ストレージ装置としての具体的構成がほぼ備わっており、並列処理によるデータ転送速度の向上やプローブ構造の小型化による記録密度の向上も期待できる。
US特許5808977
US特許5835477 Nanotechnology Vol.13 (2002) 499-502 IEEE Trans. on Nanotechnology Vol.1 (2002) 39-55
しかしながら,US特許5808977に記載のような従来技術の場合には,磁性材料からなるプローブチップから磁気記録メディアに十分な強さの磁界を印加して情報を書き込むための磁界発生機構や、プローブチップ/メディア間ギャップを微小な一定距離に維持するアクチュエータ、さらに、情報のデータ転送速度を高めるための工夫などに課題が残っている。そのため、プローブチップ/メディア間ギャップの変動により情報書き込み読出しの際のS/N比及び記録エラー発生率の確保に限界があった。また、プローブチップに磁界発生機構を搭載した場合、プローブ構造の重量増加により共振周波数が低下し、その結果データ転送速度向上に限界があった。さらに、プローブ構造が複雑になることにより、製造コストが増加するという問題点もあった。
また、Nanotechnology Vol.13 (2002) 499-502に記載のような従来技術の場合には、情報記録の可能性が示された段階にとどまっており、多くの課題が残されている。究極の高密度記録が期待できるものの、情報の書き込み読出しを行うメディア/プローブ駆動構造が示されていないので、メディア上の任意の場所にナノメータオーダーの精度に位置決めして情報記録するために、複雑な構造の大型位置決めステージが必要になるという問題点があった。
また、IEEE Transactions on Nanotechnology Vol.1 (2002) 39-55、あるいは、US特許5835477に記載のような従来技術の場合には、アクチュエータにより駆動されるメディア部材の位置決め精度の確保を狙って、メディア部材が柔軟な樹脂からなる柱で支持されているため、メディア駆動の際に樹脂がダンパとして作用し、その結果、共振周波数が低下するためデータ転送速度の向上に限界があった。この従来例では、その限界に対する解決策として、プローブチップが搭載されたカンチレバーを大規模に多数集積配置したカンチレバーアレイ構造を用いたマルチプローブ並列処理を用いることで、データ転送速度を向上させる対策を講じているが、その結果、カンチレバーアレイ部材には大量の配線とダイオードスイッチを搭載することになり、配線間静電容量による高周波信号の減衰や製造歩留まりの限界によるビット欠落などの新たな問題があった。
前記問題点は、以下のような手段を講じることにより効果的に解決できる。
情報記録用メディア上に設けられた磁性材料からなる記録ドットにプローブチップを接近させ、磁化反転による情報記録を行うプローブストレージ装置であって、前記プローブチップをその一部に有するカンチレバーが複数個配列されたカンチレバーアレイ部材に対して、前記メディアを高剛性の弾性支持構造及び/あるいはサーボ支持構造により一定間隔を保つように支持したメディア部材を配し、前記カンチレバーアレイ部材面にほぼ平行なX−Y平面内で二方向に駆動するアクチュエータを前記メディア部材に具備し、前記X−Y平面にほぼ垂直なZ方向に駆動するアクチュエータを個々のカンチレバーに具備し、並列処理で前記プローブチップと前記記録ドット間に電場を印加して非接触で磁化反転記録を行わせることにより、データ転送速度の向上が可能になる。
また、情報記録用メディア上に設けられた磁性材料からなる記録ドットにプローブチップを接近させ、磁化反転による情報記録を行うプローブストレージ装置であって、前記プローブチップをその一部に有するカンチレバーが複数個配列されたカンチレバーアレイ部材を高剛性の弾性支持構造及び/あるいはサーボ支持構造により支持し、固定された前記メディアに対して一定間隔を保つように制御し、前記情報記録用メディア表面にほぼ平行なX−Y平面内で二方向に駆動するアクチュエータを前記カンチレバーアレイ部材に具備し、前記X−Y平面にほぼ垂直なZ方向に駆動するアクチュエータを個々のカンチレバーに具備し、並列処理で前記プローブチップと前記記録ドット間に電場を印加して非接触で磁化反転記録を行わせることによっても、データ転送速度の向上が可能になる。
また、前記X−Y平面内で二方向に駆動するアクチュエータとして、静電駆動あるいは電磁駆動アクチュエータを採用することが装置寸法の小型化に効果的である。
さらに、個々の前記プローブチップが、前記情報記録用メディアに対して、情報記録時のトンネル電流が一定値になるように、プローブチップ/記録ドット間ギャップを一定距離に制御して情報を書き込み読出しする制御装置を具備することにより、また、前記情報記録用メディア上に位置決め信号専用の補正データエリア、前記カンチレバーアレイ部材に前記位置決め信号の読出し用カンチレバーを設け、前記カンチレバーアレイ部材とメディア部材の熱変形によるピッチずれの補正・制御機構を設けることにより、S/N比向上及び記録エラー発生率を効果的に低減することが可能になり、その結果として、小型で大容量のストレージ装置が実現される。
以上のようなプローブストレージ装置の構成を採用することにより、アクチュエータがX−Y方向に動く際のZ方向振れを一定値以下に抑え、サーボ帯域を高めることで、大容量ストレージで問題となるデータ転送速度の低下を解決し、動作速度の早いストレージ装置を提供することができる。また、静電駆動あるいは電磁駆動アクチュエータを採用することにより、位置決め機構の寸法を小型化し、ストレージ装置全体の寸法を小さくすることが可能になる。さらに、プローブチップと情報記録用メディアの距離を高精度に維持することにより、情報書き込み読出しの際のS/N比を高め、記録エラー発生率を効果的に低減した大容量ストレージ装置を実現することが可能となる。
以下、本発明に関する従来例と実施例を図に基づいて説明する。
図16は、従来のマルチプローブストレージ装置を示す模式的断面図である。
図16に示すように、従来のマルチプローブストレージ装置では、電子情報の書き込み読み出し用プローブチップを複数個有するカンチレバーアレイ部材1が静止系に固定されており、カンチレバーアレイ部材1に対してほぼ平行に、かつ、ある一定の間隔を置いて情報記録用メディア部材2(以下、単にメディア部材と呼ぶ)が配置される。メディア部材2には、電磁コイル31が組み込まれるとともに、樹脂からなる柱32により静止系に支持されている。さらに、電磁コイル31に近接して、永久磁石33が配置されている。
本構成において、電磁コイル31に電流を流すことにより発生した磁界が、永久磁石32の磁界と相互に作用して、メディア部材2が移動しようとする。ところが、メディア部材2は、柔軟性に富む柱32により上下方向(Z方向)に拘束されているので、Z方向に若干変位するが、主に左右方向(X−Y方向)にずれるように変位する。電子情報を書き込む場合は、選択されたプローブチップ(例えば11)が内蔵ヒータで加熱されるとともに、メディア部材2がZ方向にわずかに変位するように駆動され、メディア部材2にプローブチップ11が押し付けられ、樹脂(メディア)の熱変形により圧痕が形成されるようにする。
本従来例では、課題の項で述べたように、メディア部材2が柔軟な樹脂からなる柱32で支持されているため、メディア部材駆動の際に樹脂がダンパとして作用し、その結果、共振周波数が低下するためデータ転送速度の向上に限界がある。この場合、その限界に対する解決策として、プローブチップが搭載されたカンチレバーを大量にアレイ構造に配列しマルチプローブ並列処理を行うことで、データ転送速度を向上させる対策を講じているが、その結果、カンチレバーアレイ部材には大量の配線とダイオードスイッチを搭載することになり、配線間静電容量による高周波信号の減衰や製造歩留まりの限界によるアレイ構造のうちのピクセル欠落などの新たな問題が生じる。また、さらなる問題として、メディア部材がX−Y方向に移動する際、Z方向に若干ずれるために、情報記録の際にZ方向のプローブチップ/メディア間ギャップをモニタ制御しないと記録圧痕が均一に形成されなくなり、記録密度及びS/N比の向上及び記録エラー発生率の低減に障害になる。
図1は、本発明の第1の実施例であるマルチプローブストレージ装置の概略構成を示す図((a)は模式的平面図,(b)は模式的断面図)である。
図1((a),(b))に示すように、本実施例のマルチプローブストレージ装置は、主に、筐体9の中に、記録再生ユニット5、実装基板6、ステージコントローラ61、信号処理回路62、ケーブルシート7、コネクタ8等を有する構成になっている。記録再生ユニット5は、主に、カンチレバーアレイ部材1、メディア部材2、固定電極部材3等を有し、更にメディア部材2上に設置されたメディアをX−Y方向に駆動する静電アクチュエータを有する構成になっている。この記録再生ユニット5は、除振台4を介して筐体9に支持されている。
図2及び図3に本発明の第1の実施例になるX−Y静電アクチュエータを示す。図2(a)は本実施例1の構成を説明する模式的斜視図である。
図2(a)に示すように、カンチレバー12が搭載されたカンチレバーアレイ部材1が静止系に対して固定され、カンチレバーアレイ部材1に設けられた個々のカンチレバー12がそれぞれ個別にZ方向に駆動され、メディア部材(情報記録用メディア部材)2上に設置されたメディア20がX−Y方向に駆動される配置を採用している。
図2(b)は、図2(a)のメディア20をX−Y方向に駆動する静電アクチュエータをX方向あるいはY方向から見た模式的断面図である。
図2(b)に示すように、メディア20が支持バネ21に支持されて、X−Y方向に動けるように配置される。メディア20をX−Y方向に駆動する駆動電極は、メディア部材2の裏側と固定電極部材3の表面に設置されている。さらに、メディア20がX−Y方向に駆動された時に、Z方向にずれないように支持するための支持電極が各部材1、2、3の各対向面に配置される。
図3(a)はカンチレバーアレイ部材1におけるカンチレバーアレイ設置面を示す模式的平面図で、ここにはカンチレバーアレイ10と支持電極13が設置される。
図3(b)はメディア部材2におけるメディア設置面を示す模式的平面図で、ここにはメディア20と支持電極231が設置される。
図3(c)はメディア部材2の裏側に設置された可動側メディア駆動電極設置面を示す模式的平面図で、ここには可動側メディア駆動電極221と支持電極232が設置される。
図3(d)は固定電極部材3における固定側メディア駆動電極設置面を示す模式的平面図で、ここには固定側メディア駆動電極222と支持電極233が設置される。
以上説明した各部材は、各対向面すなわち電極がμmオーダーあるいはそれ以下の長さのギャップを持つように設置される。
前記各電極の相互の位置関係とアクチュエータの駆動制御方法について、図4を用いて説明する。図4にX−Y静電アクチュエータ電極配置・配線実施例を示す。図4(a)に可動側電極、図4(b)に固定側電極、図4(c)に相互の電極配置を示す。図中、各四隅にある支持電極232、233は、対向する電極同士で静電吸引力を発生させ、メディア20のZ方向の面振れを抑えるように中空に均衡させて支持する作用を有する。可動側の4個の支持電極232(Z)には同電位(望ましくはアース電位)を与え、固定側の4個の支持電極233(Z1〜Z4)には個別の電位を与えるとともに、各位置での静電容量を測定する検出器を接続しておく。この状態でアクチュエータがX−Y方向に駆動されたときに発生するZ方向への微小な面振れによる静電容量のずれを極小にするよう、固定側の支持電極233に与える電位を調節するサーボ制御を行わせる。この制御を図3に示すカンチレバーアレイ設置面の支持電極13及びメディア設置面の支持電極231についても同様かつ同時に行わせる。
なお、可動側支持電極232は固定側支持電極233に比べて大きく設計し、メディアがX−Y方向に駆動され可動側支持電極のX−Y方向位置がずれても、固定側と駆動側の支持電極対抗面の面積が変わらないようにする。この構成により、メディア20がX−Y方向に駆動されたことによっても、静電容量が変動しないようになり、X−Y方向への駆動とZ方向の支持が相互に無関係に制御することができるようになる。
X−Y方向への駆動において、X方向への駆動については、可動側駆動電極221(X)と固定側駆動電極222(R/L対)で、Y方向への駆動については、可動側駆動電極221(Y)と固定側駆動電極222(T/B対)により実施する。以下、駆動方法の詳細をX方向について説明する。
可動側駆動電極221(X)をアース電位に保ち、固定側駆動電極222(R)との間に電圧を印加すると、両者の間に静電吸引力が発生するが、支持電極232(Z)と支持電極233(Z1〜Z4)によりZ方向の変位が拘束されているので、上記静電吸引力のX成分の力によりR方向(右側)に変位する。あるいは、可動側駆動電極221(X)をアース電位に保ち、固定側駆動電極222(L)との間に電圧を印加すると、L方向(左側)に変位する。
本実施例1によるアクチュエータにおいては、Z方向の均衡がサーボ制御により維持されていて、上記従来例での樹脂製柱のようなダンパ作用を持つ拘束がないので、X−Y方向駆動の際の共振周波数が高く、その結果として高速駆動が可能になる。また、Z方向には面振れの少ないように支持されているので、プローブチップ/メディア間ギャップが一定値に保たれ、記録密度及びS/N比が向上し、記録エラー発生率が低減される。
第1の実施例におけるカンチレバーアレイ・メディア実施例を図5を用いて説明する。図5(a)はカンチレバーアレイを示す模式的平面図、図5(b)はメディアを示す模式的平面図、図5(c)はカンチレバーアレイとメディアとの位置関係を示す図、図5(d)はカンチレバーアレイ部材とメディアとの位置関係を示す図である。
図5(a)に示すように、カンチレバーアレイ10は、X−Y方向に複数個配列されたカンチレバー12の行列からなっている。図5(b)に示すように、メディア20には、その全面に情報記録用磁性材料を含む記録ドット24がX−Y方向に多数配列されている。図5(c)及び(d)に示すように、カンチレバーアレイ10とメディア20は対向して配置され、個々のカンチレバー12に設けられたプローブチップ11がメディア20上の記録ドット24に接近して情報の書き込み読出しを行う。この場合、個々のプローブチップ11が、X−Yアクチュエータのストロークに対応する矩形エリア(ピクセル25)を分担し、ひとつのプローブチップ11とメディア上のピクセル25内の記録ドット24が一対一に対応して、情報記録が行われる。さらに、それぞれのプローブチップ11には必要に応じて独立に情報記録指令が伝わるように構成し、並列処理により高速データ転送が可能になる。
第1の実施例におけるメディア実施例を図6を用いてさらに詳細に説明する。図6(a)はメディアを示す模式的平面図、図6(b)は図6(a)のピクセルを示す模式的平面図、図6(c)は図6(b)の記録ドットを示す模式的断面図である。
図6(a)及び(b)に示すように、メディア20のうちのあるピクセル25には、記録ドット24が数nm〜数10nm(例えば25nm程度)のピッチで配列されている。記録ドット24は、図6(c)に示すように、非磁性膜241(例えばCu)を磁性膜242(例えばCoFe)で挟み込んだ積層膜構造を有しており、下層の磁性膜242は全ての記録ドット24が1枚の金属膜202(例えばCu)に接続され、全て同電位に保たれる。上層の磁性膜242は金属膜240(例えばAu)で被覆されてメディア20の表面に露出した状態になっている。また、個々の記録ドット24は相互に導通しないように絶縁体201(例えばAl)で分離されている。情報記録においては、プローブチップ11が記録ドット24の上方数nmの距離にまで接近した状態でプローブチップ11に電圧が印加され、記録ドット24との電位差による電場の効果あるいはトンネル電流により、磁性膜242の磁化方向を反転させ、磁性膜242の磁化方向が揃っているか、反転しているかで記録ドット24の抵抗値を可逆的に変化させることにより、情報の書き込み読出しを行う。
本実施例では、プローブチップ11が記録ドット24の表面に接触しないように制御されるので、機械的摩耗が発生せず、長寿命の情報記録メディアおよびカンチレバーアレイとして利用が可能である。
第1の実施例におけるアクチュエータ支持バネ構造実施例を図7を用いて説明する。メディア20が静止系に対して支持バネ21を介して支持され、X−Y方向に駆動される。
図7(a)に示す支持バネ211はメディア20の各辺の側面に接続された4本の折れ曲り構造を有するミアンダ梁(通称)で構成されている。本構造では、支持バネ構造を空間的な隙間を少なく設置することができるので、小型でも十分に低いバネ定数を設定でき、X−Y方向駆動力が小さくても大きい変位を得るのに適している。
図7(b)に示す支持バネ212はX方向駆動とY方向駆動専用の支持バネを用いる構造で、バネの長手方向のみに力がかかるようにできるので、バネ定数の設定(設計)が容易にできるという利点がある。
図7(c)に示す支持バネ213はメディア20の各頂角の側面に接続された支持バネである。本構造では、X−Yどちらに変位する場合でも4本の支持バネに同様の座屈変形が加わるので、バネ定数の設定(設計)が容易にでき、かつ、空間的な隙間を少なく設置することができるので、小型でも十分に低いバネ定数を設定できるというふうに、図7(a)と(b)の両方の利点を兼ね備えている。
なお、いずれの構造においても、支持バネ21の梁幅に対して梁厚さを十分大きく取り、高アスペクト比構造を採用することによって、Z方向への面振れを少なく抑えることが得策である。
第1の実施例におけるZ方向アクチュエータ・配線実施例を図を用いて説明する。図8にバイメタル熱アクチュエータを用いた実施例を示す。図8において、(a)は模式的平面図、(b)は模式的断面図であり、1個のカンチレバー12とプローブチップ11を有するエリア内部構造を示す。
図8((a),(b))に示すように、1エリア内に1対のビット線14とワード線15があり、ビット線14から貫通配線161を経てプローブチップ11の表面までR/W線16が設けられている。また、ビット線14とワード線15との間に熱アクチュエータ用のヒータ141とダイオード18が直列接続されている。この構造により、ビット線14がON(例えば3V)で、ワード線15(例えば0V)より高電位に通電され、このエリアが選択された時に、ビット線14からヒータ141に電流が流れるとともにプローブチップ11に電圧が印加されるようになっている。ヒータ141に電流が流れると、そのジュール熱によるバイメタル効果でカンチレバー12がたわみ、プローブチップ11がZ方向に移動し、記録ドットに接近して情報記録が行われる。
図9に圧電アクチュエータを用いた実施例を示す。図9において、(a)は模式的平面図、(b)は模式的断面図であり、1個のカンチレバー12とプローブチップ11を有するエリア内部構造を示す。
図9((a),(b))に示すように、1エリア内に1対のビット線14、ワード線15、及びグランド線17があり、ビット線14から貫通配線161を経てプローブチップ11の表面までR/W線16が設けられている。また、ビット線14はANDスイッチ19のソース側に、ワード線15はゲート側に、ANDスイッチ19のドレインは圧電素子171を介してグランド線17に接続されている。この構造により、ビット線14とワード線15が高電位(ON;例えば3V)に通電され、このエリアが選択された時に、ANDスイッチ19のドレイン側が高電位になり、圧電素子に電位差がかかる。この電位差により圧電素子171がたわみ、圧電アクチュエータ駆動によりプローブチップ11がZ方向に移動し、記録ドットに接近して情報記録が行われる。
図10及び図11に本発明の第2の実施例になるX−Y電磁アクチュエータを示す。図10は本実施例の構成を説明する模式的断面図である。
図10に示すように、カンチレバー12が搭載されたカンチレバーアレイ部材1が静止系に対して固定され、該カンチレバーアレイ部材1に設けられた個々のカンチレバー12がそれぞれ個別にZ方向に駆動され、メディア20がX−Y方向に電磁アクチュエータにより駆動される配置を採用する。メディア20が支持バネ21に支持されて、X−Y方向に動けるように配置される。メディア20をX−Y方向に駆動する駆動磁極は、メディア部材2の裏側と固定電極部材3の表面に設置されている。さらに、メディア20がX−Y方向に駆動された時に、Z方向にずれないように支持するための支持電極232及び233が各部材の各対向面に配置される。
図11(a)は、図10のメディア部材2の裏側に設置された可動側メディア駆動用磁性体設置面を示す模式的平面図で、ここには可動側メディア支持電極232とX−Y駆動用磁性体34が設置される。
図11(b)は、図10の固定電極部材3における固定側メディア駆動磁極設置面を示す模式的平面図で、ここには固定側メディア支持電極233とX−Y駆動用磁極35が設置される。その他の構造は、図2に示した静電アクチュエータのものと同様で、各部材が各対向面すなわち電極がμmオーダーあるいはそれ以下の長さのギャップを持つように設置されることも同様である。
次に、本発明の第2の実施例であるアクチュエータの駆動制御方法について説明する。
図11((a),(b))において、各部材の四隅にある電極は、メディア20がX−Y方向に駆動される際のZ方向の面振れを抑えるための支持電極232及び233で、その制御方法及びその効果は実施例1の場合と同様である。X方向への駆動については、可動側X−Y駆動用磁性体34(R/L対)と固定側磁極35(X)で、Y方向への駆動については、可動側X−Y駆動用磁性体34(T/B対)と固定側磁極35(Y)により実施する。以下、駆動方法の詳細をX方向について説明する。固定側磁極35(X)は詳細を図示していないが電磁コイル31の磁極の端面であり、電磁コイルに通電することによりN極あるいはS極として機能させることができる。この磁極35(X)で可動側磁性体34(R)を吸引した場合、支持電極232及び233によりZ方向の変位が拘束されているので、上記電磁吸引力のX成分の力によりR方向(右側)に変位する。あるいは、可動側磁性体34(L)を吸引した場合はL方向(左側)に変位する。
本実施例2によるアクチュエータにおいては、実施例1の場合と同様に、Z方向の均衡がサーボ制御により維持されていて、上記従来例(図1)での樹脂製柱32のようなダンパ作用を持つ拘束がないので、X−Y方向駆動の際の共振周波数が高く、その結果として高速駆動が可能になる。また、Z方向には面振れの少ないように支持されているので、プローブチップ/メディア間ギャップが一定値に保たれ、記録密度及びS/N比が向上し、記録エラー発生率が低減される。さらに、電磁アクチュエータを用いることで、電磁コイルに電流を流す場合の電圧を非常に低く抑えることができるので、低電圧の電源を用いるビデオカメラ、ノートPC、PDA、あるいは携帯電話などの超小型情報処理端末への応用に好適である。
図12及び図13に本発明の第3の実施例になるX−Y−Zアクチュエータを示す。図12は本実施例の構成を説明する斜視図である。
本発明の第3の実施例であるX−Y−Zアクチュエータについて説明する。図12は、本実施例3のX−Yアクチュエータの構成を説明するための模式的断面図である。
図12に示すように、メディア20は静止系に対して固定され、カンチレバー12が搭載されたカンチレバーアレイ部材1がX−Y方向に駆動され、カンチレバーアレイ部材1に設けられた個々のカンチレバー12がそれぞれ個別にZ方向に駆動される配置を採用している。
図13(a)は、カンチレバーアレイ部材1をX−Y−Z方向に駆動する静電アクチュエータの模式的断面図である。
図13(a)に示すように、カンチレバーアレイ部材1が支持バネ21に支持されて、X−Y方向に動けるように配置される。該カンチレバーアレイ部材1をX−Y方向に駆動するために、静電アクチュエータが該カンチレバーアレイ部材1の裏側と固定電極部材3の表面に設置されている。さらに、カンチレバーアレイ部材1がX−Y方向に駆動された時に、Z方向にずれないように支持するための支持電極が各部材の各対向面に配置される。
図13(b)は、カンチレバーアレイ部材1をX−Y−Z方向に駆動する電磁アクチュエータの模式的断面図である。
図13(b)に示すように、該カンチレバーアレイ部材1をX−Y方向に駆動するために、電磁アクチュエータが該カンチレバーアレイ部材1の裏側と固定電極部材3の表面に設置されている。アクチュエータの駆動制御方法は実施例1及び2と同様である。
本実施例3のようにX−Y−Zの全てのアクチュエータをカンチレバーアレイ部材1に設置したことで、メディア20を駆動する必要がなくなり、メディア可換型のストレージ装置を構成することができるようになる。その結果、専用メディアに大容量記録を行わせず、メディアを場合に応じて使い分けることにより、総合的な記録容量を増加させることができる。また、メディア1個あたりの記録容量を低く抑えることにより、低コストのストレージ装置を得ることが可能になる。
図14に本発明の第4の実施例になるピッチずれの補正データエリアを示す。図14は本実施例4の構成を説明する模式的平面図である。メディアの各ピクセルには記録ドットが大量にX−Y方向に並べられており、適宜並列処理で個々に情報を記録させるが、その中にピッチずれを補正するのに専用的に用いる補正データエリアを設ける。
並列処理型マルチプローブストレージ装置においては、1個のカンチレバーとメディア上のピクセルが1対1に対応して情報記録が行われるが、装置稼動時の内部機構各部の経時変化により、位置ずれが発生することが容易に予想される。例えば、装置稼動時の温度上昇により、カンチレバーアレイとメディア配列との間にピッチずれが発生する。このずれは数値的にはそれほど大きくはないが、本ストレージシステムの中では、高精度の位置決め精度が要求されるので、そのずれが問題になりうる。本実施例4はその問題を効果的に解決するためのものである。
図14(a)のメディアに示すように、例えばその右下の隅にピッチずれの補正データエリア26を設ける。図14(b)にその拡大図を示す。情報記録用エリアと異なり、記録ドット列249がX方向に行ごとに少しずつずらして最大で1列ずれるように配置されたものと、Y方向にずらしたものが交互に配置される。このように構成したメディアで、左上の隅の情報記録用ピクセルに対して位置決めしたプローブチップで記録情報を読み出すと同時に、右下の隅の補正データエリア26の記録情報を読み出し、その両者の信号の大きさを比較することで、右下の隅におけるピッチずれを検出する。このピッチずれを補正するには、カンチレバー自体にX−Y方向の位置合わせ用アクチュエータを設置して変位を調整するか、あるいは、カンチレバーアレイ部材全体かメディア全体のある部分にヒータを設置して部材を熱変形させる方法が考えられる。いずれの補正方法についても高速駆動は必要ではなく、ほとんど直流的な調整で十分である。
本実施例により、装置を長期運転あるいは温度差の激しい環境で運転しても、常に一定のS/N比で記録信号の読出しができるため、記録エラー発生率が低減され、その結果として記録密度を向上させることが可能になる。
図15に本発明の詳細をまとめたX−Y駆動方式実施例仕様を示す。
ストレージ装置の全体構成においては、メディア1枚の面容量は、例えば16GB(ギガバイト)とする。本発明が目標とする記録密度は、例えば1Tb/in2(テラビット/平方インチ)で、その場合、対応する記録ドットピッチは25nm(例えばドットサイズ15nm、ドットスペース10nm)となる。記録時の転送速度は、例えば書き込み時1Gbps(ギガビット/秒)、記録ドットとプローブチップのトラッキング位置決め精度は、6σで例えば10nmである。本装置は磁気ディスクとフラッシュメモリの中間的な性格を持つ製品としてのコンセプトを有する。
次にメディアのサイズやプローブヘッド走行距離に関する設計仕様を説明する。ヘッド数(プローブチップ数)を、例えば1024から102400まで4種類設定し、それぞれの場合でヘッドの走行距離等の仕様を設計した。以下、ヘッド数1024個の場合について説明する。記録密度と面容量から必要なメディアサイズが決まり、メディアを正方形とすると一辺の長さは8.94mmとなる。これを各プローブチップで分担するので、ヘッドあたりのエリアサイズは279μm角となり、そのエリア全体をカバーするために、X−Y方向のアクチュエータのストロークは279μmとなる。そのエリアサイズに設定した記録密度で記録ドットを敷き詰めると、エリアあたりの記録ドットの行数は11175行となる。このドット列に記録された全情報を転送するためのスキャンに要するヘッドの移動距離は3.12mとなる。この場合、設定した転送速度から全情報記録に要する転送時間は128秒となり、十分妥当な時間ということができる。また、記録時のヘッド移動速度は24.4mm/s、動作周波数は44Hzとなり、アクチュエータの要求仕様としても妥当である。その一方で、フラッシュメモリにおいて可能なデータ転送回数である10回を達成するためには、ヘッド移動距離が3120kmとなり、メディアとプローブチップの摩耗を考慮した場合、その記録方式として接触方式の採用は非現実的で、非接触記録方式の採用が必須であるという知見が導き出される。
次に、上記ヘッド動作を実現するためのアクチュエータ仕様について説明する。まず、R/W方式は上述のとおり非接触で、ヘッド数は上記と同様に1024個とすると、情報読み出しの際のヘッド動作周波数は440Hzである。本動作を実現するための位置決め方向(X−Y方向、自由度2D)アクチュエータのサーボ帯域は1kHz必要である。なおストロークは上述のとおり279μmである。また、ピッチ補正をアクチュエータで行う場合に必要なストロークは温度差として例えば70度に対応するためには最大195nmとなる。周波数帯域はDC(直流)で問題はない。
本実施例で設計したストレージ装置は、例えば25nmピッチの記録ドットと非接触記録方式の安定供給が課題として残っているが、位置決めに必要なアクチュエータとしては無理なく実現できる仕様であり、本発明により、磁気ディスクよりも小型の容積に、現在のフラッシュメモリを超える記録容量を蓄積できるストレージ装置を供給することが可能になる。本装置は磁気ディスクとフラッシュメモリの中間的な性格を持つ製品としてのコンセプトを持つものである。また、動作速度の点では、磁気ディスクそのものの代替製品としてのコンセプトを実現するものでもある。
本発明によるマルチプローブストレージ装置は、大容量ストレージで問題となるデータ転送速度の低下を解決し、動作速度の早いストレージ装置を提供することができる。また、位置決め機構の寸法を小型化し、ストレージ装置全体の寸法を小さくすることが可能になる。さらに、情報書き込み読出しの際のS/N比を高め、記録エラー発生率を効果的に低減した大容量ストレージ装置を実現することが可能となる。
本発明により、磁気ディスクよりも小型の容積に、現在のフラッシュメモリを超える記録容量を蓄積できるストレージ装置を供給することが可能になるので、磁気ディスクとフラッシュメモリの中間的な性格を持つ製品として利用価値があり、ビデオカメラ、ノートPC、PDA、あるいは携帯電話などの超小型情報処理端末への応用に好適である。また、動作速度の点では、磁気ディスクそのものの代替製品として、大規模ストレージが必要なサーバの外部記憶デバイスとして利用価値は高い。
本発明の実施例1であるマルチプローブストレージ装置を示す図((a)は模式的平面図,(b)は模式的断面図)である。 本発明の実施例1であるX−Y静電アクチュエータを示す図((a)は模式的斜視図,(b)は模式的断面図)である。 本発明の実施例1であるX−Y静電アクチュエータにおいて、(a)は、カンチレバーアレイ部材におけるカンチレバーアレイ設置面を示す模式的平面図、(b)は、メディア部材におけるメディア設置面を示す模式的平面図、(c)は、メディア部材の裏側に設置された可動側メディア駆動電極設置面を示す模式的平面図、(d)は、固定電極部材における固定側メディア駆動電極設置面を示す模式的平面図である。 本発明の実施例1であるX−Y静電アクチュエータの電極配置・配線実施例を示す図であり、(a)は、可動側電極配置を示す図、(b)は、固定側電極配置を示す図、(c)は、(a)及び(b)の相互の電極配置を示す図である。 本発明の実施例1におけるカンチレバーアレイ・メディア実施例を示す図であり、(a)はカンチレバーアレイを示す模式的平面図、(b)はメディアを示す模式的平面図、(c)はカンチレバーアレイとメディアとの位置関係を示す図、(d)はカンチレバーアレイ部材とメディアとの位置関係を示す図である。 本発明の実施例1におけるメディア実施例を示す図であり、(a)はメディアを示す模式的平面図、(b)は(a)のピクセルを示す模式的平面図、(c)は(b)の記録ドットを示す模式的断面図である。 本発明の実施例1におけるアクチュエータ支持バネ構造実施例を示す図((a),(b),(c))である。 本発明の実施例1におけるバイメタル熱アクチュエータを用いた実施例を示す図((a)は模式的平面図,(b)は模式的断面図)である。 本発明の実施例1における圧電アクチュエータを用いた実施例を示す図((a)は模式的平面図,(b)は模式的断面図)である。 本発明の実施例2になるX−Y電磁アクチュエータを示す模式的断面図である。 本発明の実施例2になるX−Y電磁アクチュエータを示す図であり、(a)は、図10のメディア部材の裏側に設置された可動側メディア駆動用磁性体設置面を示す模式的平面図、(b)は、図10の固定電極部材における固定側メディア駆動磁極設置面を示す模式的平面図である。 本発明の第3の実施例になるX−Y−Zアクチュエータを示す斜視図である。 (a)は、カンチレバーアレイ部材をX−Y−Z方向に駆動する静電アクチュエータの模式的断面図、(b)は、カンチレバーアレイ部材をX−Y−Z方向に駆動する電磁アクチュエータの模式的断面図である。 本発明の実施例4になるピッチずれの補正データエリアを示す模式的平面図である。 本発明の詳細をまとめたX−Y駆動方式実施例仕様を示す図である。 従来のマルチプローブストレージ装置を示す模式的断面図である。
符号の説明
1…カンチレバーアレイ部材、2…メディア部材、3…固定電極部材、4…除振台、5…記録再生ユニット、6…実装基板、7…ケーブルシート、8…コネクタ、9…筐体、
10…カンチレバーアレイ、11…プローブチップ、12…カンチレバー、13…支持電極、14…ビット線、15…ワード線、16…R/W線、17…グランド線、18…ダイオード、19…ANDスイッチ、
20…メディア、21,211,212,213…支持バネ、22,221,222…駆動電極、23,232,233…支持電極、24…記録ドット、25…ピクセル、26…補正データエリア、
31…電磁コイル、32…柱、33…永久磁石、34…磁性体、35…磁極、
61…ステージコントローラ、62…信号処理回路、
141…ヒータ、161…貫通配線、171…圧電素子、249…記録ドット列

Claims (1)

  1. 情報記録用メディア上に設けられた磁性材料からなる記録ドットにプローブチップを接近させ、磁化反転による情報記録を行うマルチプローブストレージ装置であって、
    前記プローブチップをその一部に有するカンチレバーが複数個配列されたカンチレバーアレイ部材に対して、前記情報記録用メディアを高剛性の弾性支持構造及び/あるいはサーボ支持構造により一定間隔を保つように支持したメディア部材を配し、前記カンチレバーアレイ部材面にほぼ平行なX−Y平面内で二方向に駆動するアクチュエータを前記メディア部材に具備し、前記X−Y平面にほぼ垂直なZ方向に駆動するアクチュエータを個々のカンチレバーに具備し、並列処理で前記プローブチップと前記記録ドット間に電場を印加することにより、非接触で磁化反転記録を行わせ、
    前記情報記録用メディア上の外周部であって所定の位置に位置決め信号専用の補正データエリアを設け、当該補正データエリアはX方向に行ごとに1ドットから1以内ずれるよう配置された記録ドットの領域と、Y方向に列ごとに1ドットから1行以内ずれるように配置された記録ドットの領域を保有し、前記カンチレバーアレイ部材に前記位置決め信号の読出し用カンチレバーを設け、前記カンチレバーアレイ部材と前記メディア部材の熱変形によるピッチずれの補正・制御機構を設けたことを特徴とするマルチプローブストレージ装置。
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