JP4097440B2 - 油水分離回収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油及び水を分離して回収する装置に関するものであり、特に比重の違いを利用して分離、回収する油水分離回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ガソリンスタンドや、自動車、鉄道、及び航空機の分野で使用されるガソリン、灯油、軽油、及び重油などの燃料系油の中で、未使用のまま酸化して古くなったものや、種々の工場において機械の洗浄剤として使用されて汚れた洗浄系油などが廃油(油分を含む廃棄物)として多量に処分されている。その他にも、上述した工場で使用される機械油、油圧油、焼入れ油、及び切削油などの潤滑系油も繰返して使用するうちに酸化して品質が劣化するため、廃油として多量に処分されている。
【0003】
このとき、工場から排出された上述の廃油を処分するために、工場内に廃油処理用の設備等を新たに設置することは多大なコストが必要となる。そこで、廃棄物処理などを専門に扱う業者に廃油の処理を委託契約し、処理に係るコストを節減している。この場合、処理業者には回収される廃油の量に応じた金額を処理費として支払うことが多い。
【0004】
また、工場やガソリンスタンドは、多量に排出される廃油を一旦まとめて貯留しておくために、地下などに貯留タンクを設置していることがある。そして、該貯留タンクに貯留された廃油が前述の処理業者によって回収される。具体的な廃油の回収方法として、タンクローリーなどの廃油回収設備を有する車両を利用した真空方式と呼ばれるものが挙げられる。これは、廃油をタンクローリーの回収タンク内に回収するために、貯留タンクに吸入管を没入させ、真空ポンプによってタンクローリーの回収タンク内部を減圧させることにより、外気との間に圧力差を発生させて貯留タンク内の廃油の吸引を行なうものである。
【0005】
ところで、前述したタンクローリーなどによる搬送中に事故などが発生し、廃油が海や河川などに流出することがある。このとき、廃油の流出量が多い場合には、吸引型或いはドレッジャー型の油回収専用の回収機などを用いて廃油が回収される。この回収機は、廃油と水とをまとめて回収槽に回収し、その後、該廃油及び水が比重の違いによって分離する(廃油が上方側、水が下方側に分離する)ことを利用して、回収槽の下方及び側方から、それぞれ別々に廃油と水とを排出して回収するものである。一方、流出した廃油が比較的少量である場合には、上述した回収機を用いることなく、主にオイルフェンスや油吸収マットなどを利用して手作業で回収を行なうことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した貯留タンクに貯留された廃油は、湿度やその他の要因によって若干量の水分が混入することがある。処理業者によって貯留タンク内の廃油を回収する際に、水分を分離して回収することは時間的な問題や作業者の労力を大きくすることなどから、これら廃油と水分とをまとめて回収することが多かった。したがって、前述したような回収する廃油の量に応じた金額を処理業者に支払うシステムの場合には、本来の廃油量に加えて、混入した水分がさらに加わるため、処理業者に支払う処理費用が余計にかかっていた。
【0007】
また、海や河川などへ廃油が流出する事故で、前述した回収機を用いた場合は、多額の費用を要した。さらに、回収機が大型である場合が多く、設置場所などが十分に確保できないなど、使用が制限されることもあった。一方で、手作業による回収を行なう場合には、多大な人員、時間、及び労力を要するという問題があった。
【0008】
そこで本発明は上記実情に鑑み、油及び水を容易に分離して回収する油水分離回収装置の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明にかかる油水分離回収装置は、油及び水を含む油水混合液を貯留可能な貯留空間が内部に形成された貯留容器と、前記貯留容器の前記貯留空間に連通し、前記貯留空間内に前記油水混合液を導入する導入部と、前記貯留容器の上壁から前記貯留空間に連通し、前記油水混合液が比重の違いによって上方側に分離した前記貯留空間内の前記油を回収する油回収部と、前記油回収部と接続し、前記貯留空間内を減圧することにより、圧力差を利用して、前記油水混合液を前記導入部から前記貯留空間内に導入し、分離した前記油を前記油回収部から吸引して回収するための吸引手段と、前記貯留容器の前記貯留空間に連通し、比重の違いによって下方側に分離した前記貯留空間内の前記水を排出し回収する排水部とを具備するものである。
【0010】
ここで、油とは、石油類及び動植物から製油された非水溶性ものであり、未使用の状態で酸化したものや、工場などで使用されて排出された廃油などが回収対象として挙げられる。なお、油と水とが混合されたものは、油と水との比重の違いによって容器内で分離する(油は上方側、水は下方側に分離する)性質を一般に有している。
【0011】
また、貯留容器とは、ステンレス鋼、アルミニウム、及びFRP材などによって形成され、油や水などを内部に貯留可能な空間を有する容器である。
【0012】
さらに、吸引手段は、吸入口及び吐出口を有するポンプなどが例示される。具体的には、ポンプの駆動部から発生される吸引圧力を利用して吸入口から気体または液体を吸引し、吐出口からそれらを排出する。ポンプの種類は、その構造によって真空ポンプや送風機などに分けられる。また、機構的には、往復ポンプ、回転ポンプ、及び遠心ポンプなどに分けられる。これにより、例えば、内部が閉塞された容器を、管などを用いて吸入口または吐出口と連通し、ポンプを駆動すると、該容器内を減圧または加圧することが可能となる。
【0013】
加えて、導入部、油回収部、及び排水部とは、例えば、一般配管用に使用される止水栓を含んで構成される配管などが挙げられる。すなわち、配管を、油及び水などを貯留する容器の内部に連通し、コックなどを用いた各弁の開閉操作を行なうことにより、該配管内に油及び水などを流通させることなどが可能となる。さらに、コックの開度を調整することにより流量調整を行なうことも可能である。
【0014】
したがって、請求項1の油水分離回収装置によれば、吸引手段によって、貯留容器内部の貯留空間を減圧し、貯留空間と外気との間に圧力差を発生させることが可能となる。そして、この圧力差によって油及び水を含む油水混合液が、導入部から貯留空間内に導入される。その後、貯留空間内で比重の違いによって油が上方側に、水が下方側に分離する。さらに、吸引手段によって、分離した油が油回収部から吸引され回収される。また、分離した水は、排水部から排出され回収される。すなわち、吸引手段によって発生する圧力差を利用して、油水混合液を貯留空間内に導入し、さらに分離した油を油回収部から吸引して回収することが連続的に行なえる。これにより、油水混合液に占める油の割合が大である場合には、油及び水の分離、回収作業が特に効率的に行なえる。
【0015】
請求項2に記載の油水分離回収装置は、請求項1の油水分離回収装置において、前記貯留容器の側壁から前記貯留空間に連通し、分離した前記油を側方から排出し回収する排油部をさらに備えるものである。
【0016】
ここで、排油部とは、前述した導入部、油回収部、及び排水部と同様に、一般配管用に使用される止水栓を含んで構成される配管などが例として挙げられる。
【0017】
したがって、請求項2の油水分離回収装置によれば、請求項1の油水分離回収装置の作用に加え、貯留空間内の油を吸引手段によって上方から吸引することなく、貯留空間の排油部によって側方へ排出することが可能となるため、分離した油の回収が簡便となる。
【0025】
請求項3に記載の油水分離回収装置は、請求項1または請求項2の油水分離回収装置において、前記貯留容器の前記上壁から挿通されるとともに、前記貯留空間内の下端近傍まで没入され、分離した前記水を回収する水回収部と、前記水回収部と接続し、分離した前記水を前記水回収部から吸引して回収するための吸水手段とをさらに備えるものである。
【0026】
ここで、吸水手段は、前述した吸引手段と同様の構成及び機能を奏するものが利用可能である。
【0027】
したがって、請求項3の油水分離回収装置は、請求項1または請求項2の油水分離回収装置の作用に加え、吸水手段によって、貯留空間内で下方側に分離した水が水回収部から吸引され回収されることが連続的に行なえる。これにより、油水混合液に占める水の割合が大である場合に、特に回収作業が効率的に行なえる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である油水分離回収装置1について図1乃至図4に基づいて説明する。図1は本実施形態の油水分離回収装置1の構成を示す斜視図であり、図2は油2を油回収管15から回収する状態を説明する説明図であり、図3は水3を排水部21、油2を排油部24から回収する状態を説明する説明図であり、図4は水3を水回収管16から回収する状態を説明する説明図である。
【0029】
本実施形態の油水分離回収装置1は、図1及び図2に示すように、略直方形状を呈し、油2及び水3の混ざった油水混合液4を貯留可能な貯留空間5が内部に形成された貯留容器6と、該貯留容器6の側壁7の一面に設けられたガラス窓8と、貯留容器6の貯留空間5に連通した導入管9及び該導入管9の流路を開閉可能な導入弁10を有する導入部11と、吸入口及び吐出口(ともに図示しない)を有し、該吐出口に吐出管12が接続されたポンプ13と、貯留容器6の上壁14から貯留空間5に一端が連通し、他端がポンプ13の吸入口に接続した油回収管15と、一端が油回収管15の途中で連通し、貯留容器6の上壁14を貫通し他端が貯留空間5内の下端近傍まで没入した水回収管16と、油回収管15及び水回収管16の流路をそれぞれ開閉可能にする油回収弁17及び水回収弁18と、貯留容器6の貯留空間5に連通した排水管19及び排水弁20を有する排水部21と、同様に貯留容器6の貯留空間5に連通した排油管22及び排油弁23を有する排油部24と、貯留空間5に連通した通気管25及び通気弁26を有する通気部27と、貯留容器6の上壁14に設けられた連成計28と、導入部11及び排水部21の間の貯留容器6内部に設けられた油吸収マット29とから構成されている。ここで、ガラス窓8が本発明の貯留量確認手段に相当し、ポンプ13が本発明の吸引手段及び吸水手段に相当し、油回収管15及び油回収弁17が本発明の油回収部に相当し、水回収管16及び水回収弁18が本発明の水回収部に相当し、油吸収マット29が本発明の油防止手段に相当する。
【0030】
なお、油2は、ガソリンスタンドなどから出される廃油である。ここで、油2及び水3を含む油水混合液4を貯留空間内5に貯留すると、油2が上方側に分離し、水3が下方側に分離する。これは、油2及び水3のそれぞれに作用する分子間引力が、油2及び水3の界面に作用する相互間引力(界面張力)よりも大であり、さらに、油2の比重が水3の比重よりも小であるためである。以上のことから、油2は上方側に、水3は下方側に分離してそれぞれの層を形成し、互いに混ざり合うことがない。
【0031】
また、ポンプ13は、ケーシングと羽根車(ともに図示しない)とから構成される一般的な角運動量変換型のターボポンプが利用される。具体的には、ポンプ13の羽根車の回転によって吸引圧力を発生し、これにより、吸入口に接続された油回収管15から貯留空間5内の気体を吸引して減圧する。また、貯留空間5内で上方側に分離し、貯留空間5の上壁14面に到達した油2を、吸引圧力によって油回収管15から吸引して回収することも可能である。ここで、ポンプ13は、一般家庭から電力供給が可能な商用電源(図示しない)を動力源としている。
【0032】
そして、貯留容器6は、ステンレス鋼によって形成されたものである。さらに、前述したポンプ13の吸引圧力によって貯留空間5内が減圧されても、貯留容器6が変形したり破損したりすることがないような強度で、ある程度の厚みを有して壁面が形成されている。
【0033】
また、連成計28は、大気圧以上の圧力と大気圧以下の真空圧力を測定可能な圧力測定器である。これにより、装置の使用者は、連成計28の表示によって貯留空間5の内圧を確認することができる。
【0034】
さらに、通気部27は、通気弁26の開閉操作により、貯留空間5を外気に開放したり閉塞したりすることができるものである。具体的には、貯留空間5が減圧された状態で通気弁26を開けると、通気管25から貯留空間5に外気が流れ込み、貯留空間5が外気と同圧になる。一方、通気弁26を閉じ、ポンプ13を駆動させると、貯留空間5が減圧される。
【0035】
加えて、油吸収マット29とは、親油性及び疎水性に優れたポリプロピレンによってマット型に形成された吸油材が利用される。具体的に説明すると、油吸収マット29は、貯留空間5の断面と略同形に形成され、貯留空間5内の水3の透過が可能であり、一方で油2を内部に吸着させる特性を有している。
【0036】
続いて、油水分離回収装置1の使用方法について、図1至図4に基づいて説明する。図1に示すように、貯留容器6の貯留空間5内には、予め油吸収マット29より高位まで水3が貯留されている。そして、導入弁10、水回収弁18、排水弁20、排油弁23、及び通気弁26を閉じた状態でポンプ13の駆動電源を入れる。これにより、ポンプ13の駆動によって吸引圧力が発生し、ポンプ13の吸入口に接続された油回収管15を介して貯留空間5内が減圧される。
【0037】
次に、図2に示すように、油水混合液4が貯留された貯留タンク30に導入管9の一端を没入し、導入弁10を開放すると、減圧された貯留空間5内と外気との間の圧力差によって、貯留タンク30内の油水混合液4が、導入管9を流通して貯留空間5内に導入される(矢印A方向)。
【0038】
そして、貯留空間5に導入された油水混合液4は、予め貯留空間5内に貯留された水3と混ざり、さらに油2及び水3の比重の違いによって油2が上方側に分離し、水3が下方側に分離する。
【0039】
このとき、貯留空間5に油水混合液4が導入された勢いなどで油2が水3に分散し、水3とともに油吸収マット29に到達した油2は、油吸収マット29によって吸着されるため、油吸収マット29より下位の水3に油2が混入することはほとんどない。
【0040】
さらに、ポンプ13の吸引圧力によって、導入管9から貯留空間5内に油水混合液4が導入され、油2の上液面が貯留空間5の上面に到達すると、分離した油2が油回収管15から吸引され、図2の矢印B方向に沿ってポンプ13を通って油回収容器31に回収される。これにより、貯留空間5内には、回収された油2分の空き容量ができるため、さらに、吸引圧力によって油水混合液4が貯留空間5内に導入され、油2の分離及び回収が連続的に行なわれる。
【0041】
上記の作業を継続して行なうと、分離した油2のみが油回収管15から油回収容器31に回収されるため、貯留空間5は、油2よりも水3の比率が高くなる。すなわち油2と水3との界面が上昇する。そこで、ポンプ13を操作して吸引圧力の発生を停止し、油回収弁17を閉じ、さらに通気弁26を開いて貯留空間5を外気に開放する。そして、連成計28の圧力表示によって、貯留空間5と外気とが同圧になったことを確認した後に排水弁20を開ける。これにより、図3の矢印C方向に沿って貯留空間5内の水3が排水管19から排出され、水回収容器32に回収される。一方、貯留空間5に貯留された油2は、図3に示すように、通気弁26を開放して貯留空間5内を外気と同圧にした後に、排油弁23を開放することにより、矢印D方向に沿って排油管22から排出され、油回収容器31に回収することができる。
【0042】
このとき、油吸収マット29によって、該油回収マット29より下位の水3への油2の混入がないため、排水管19からは水3に不純物などが混ざって排出されることがない。なお、ガラス窓8から貯留空間5内の油2及び水3の貯留量を適宜確認して、貯留空間5内の水3の貯留量が常に油吸収マット29より高位に保持されているようにすることが望ましい。そして、排油管22から過って水3を排出することがないように注意する。
【0043】
ところで、貯留空間5内に導入される油水混合液4の水3が占める割合が大である場合には、前述したように排水管19から水3を排出して回収してもよいが、水3の貯留量が増す度に頻繁にポンプ13を停止して回収作業を行なわなければならず、回収効率が低下する。そこで、図4に示すように、貯留空間5内を減圧した後に、油回収弁17を閉塞し水回収弁18を開放することにより、ポンプ13によって水2を水回収管16から上方に吸引し、水回収容器32に回収してもよい(矢印E方向)。
【0044】
すなわち、貯留空間5内に導入される油水混合液4の油2及び水3が占める割合に応じて、油回収弁17及び水回収弁18を操作し、ポンプ13と流通する流路を油回収管15或いは水回収管16に切換え、吸引圧力によってそれぞれを吸引して回収を行なうことができる。
【0045】
このように、油水分離回収装置1は、外気との圧力差を利用して、油水混合液4を貯留空間5内に導入し、これを比重の違いによって分離した油2と水3とをそれぞれ回収する作業を連続して行なうことができる。すなわち、多量の油2及び水3を分離して回収する作業を簡便且つ効率的に行なうことができる。したがって、廃油のみを処理業者によって回収させることができるため、処理業者に、回収された廃油量に応じた金額を支払うシステムの場合には、水3分の回収費を余分に払うことが少なくなり、従来の廃油処理にかかるコストを節減することができる。
【0046】
また、廃油の搬送中の事故などによって、廃油が海や河川などに流出した場合には、油水分離回収装置1を使用することにより、効率的な回収作業を行なうことができる。これにより、従来行なわれていた手作業による回収作業に比べて、作業が簡便になり、かかる人件費などのコストを節減することが可能となる。
【0047】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0048】
すなわち、油回収管15及び水回収管16の流路を一つのポンプ13に接続したものを示したが、油回収管15及び水回収管16のそれぞれにポンプを一つずつ接続したものであってもよい。これにより、二つのポンプを同時に駆動させることで、油回収管15から油2を吸引して回収することと、水回収管16から水3を吸引して回収することを一度に行なうことができ、さらに効率的に油2及び水3の分離、回収作業を行える。
【0049】
さらに、本実施形態において、貯留容器6の側壁7に排油部24を一つ設けたものを示したが、これを貯留容器6の高さに応じて複数設けてもよい。これにより、貯留空間5内の油2及び水3の貯留量に応じて、好適な排油部24を選択し、貯留空間5内の油2の大半を排出して回収することが可能になる。したがって、回収作業終了後に、廃油に含まれるスラッジなどが貯留空間5内に多量に残留することがないため、油水分離回収装置1を衛生的に保管することができる。
【0050】
加えて、ポンプ13は長時間に亘って使用すると、ポンプ13が稼動中に羽根車の回転によって生じる摩擦熱で焼付けを起こし、使用不能になることがある。そのため、例えば、定期的にポンプ13内に潤滑油を供給する油供給タンクを設け、ポンプ13の焼付けを抑止するようにしてもよい。これにより、ポンプが焼付けによって破損したり吸引性能が低下したりすることが少なくなり、長期に亘って使用することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明の油水分離回収装置は、圧力差を利用して油水混合液を貯留空間内に導入し、貯留空間内で上下に分離した油及び水を回収する作業が簡便にできる。また、油回収部から油を連続して回収することができるため、特に油水混合液に占める油の割合が大であるときに効率的となり好適である。
【0052】
請求項2の油水分離回収装置によれば、請求項1の油水分離回収装置の効果に加えて、排油部によって、貯留空間内で上方側に分離した油を貯留容器の側方から排出し回収することができる。したがって、貯留空間内に残留した油を上方から吸引しないで、簡便に回収することができる。
【0055】
請求項3の油水分離回収装置は、請求項1または請求項2の油水分離回収装置の効果に加えて、圧力差を利用して貯留空間内の下方側に分離した水を、水回収部から回収することができる。したがって、水回収部から水を連続的に吸引して回収することができるため、特に、油水混合液に占める水の割合が大であるときに、さらに効率的に回収作業を行なえ、より好適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の油水分離回収装置の構成を示す斜視図である。
【図2】油を油回収管から回収する状態を説明する説明図である。
【図3】水を排水部、油を排油部から回収する状態を説明する説明図である。
【図4】水を水回収管から回収する状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 油水分離回収装置
2 油
3 水
4 油水混合液
5 貯留空間
6 貯留容器
7 側壁
8 ガラス窓(貯留量確認手段)
11 導入部
13 ポンプ(吸引手段、吸水手段)
14 上壁
15 油回収管(油回収部)
16 水回収管(水回収部)
17 油回収弁(油回収部)
18 水回収弁(水回収部)
21 排水部
24 排油部
29 油吸収マット(油防止手段)
Claims (3)
- 油及び水を含む油水混合液を貯留可能な貯留空間が内部に形成された貯留容器と、
前記貯留容器の前記貯留空間に連通し、前記貯留空間内に前記油水混合液を導入する導入部と、
前記貯留容器の上壁から前記貯留空間に連通し、前記油水混合液が比重の違いによって上方側に分離した前記貯留空間内の前記油を回収する油回収部と、
前記油回収部と接続し、前記貯留空間内を減圧することにより、圧力差を利用して、前記油水混合液を前記導入部から前記貯留空間内に導入し、分離した前記油を前記油回収部から吸引して回収するための吸引手段と、
前記貯留容器の前記貯留空間に連通し、比重の違いによって下方側に分離した前記貯留空間内の前記水を排出し回収する排水部と
を具備することを特徴とする油水分離回収装置。 - 前記貯留容器の側壁から前記貯留空間に連通し、分離した前記油を側方から排出し回収する排油部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の油水分離回収装置。
- 前記貯留容器の前記上壁から挿通されるとともに、前記貯留空間内の下端近傍まで没入され、分離した前記水を回収する水回収部と、
前記水回収部と接続し、分離した前記水を前記水回収部から吸引して回収するための吸水手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油水分離回収装置。
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