JP4096527B2 - 閃光放射装置および熱処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体装置や液晶基板などの製造における熱処理などの加熱源として好適に用いられる閃光放射装置、および当該閃光放射装置を備えた熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の高集積化・微細化がますます要求されているため、これに伴い、半導体装置の製造工程においては、例えば、半導体ウエハのSi結晶に、イオン注入により不純物を導入し、この状態の半導体ウエハに、例えば1000℃以上で熱処理を施して当該不純物を拡散させることによって形成される不純物拡散層の深さ(厚さ)を、当該半導体ウエハの表層部分において浅くすることが必要となってきている。
【0003】
図8は、半導体ウエハに形成されたトランジスタ素子の構造を強調して示す説明用断面図である。
この半導体ウエハは、例えばP型シリコン基板61に素子分離領域を形成するよう、酸化シリコン膜(SiO2 )62、62が埋め込まれており、このシリコン基板61上には、ゲート酸化膜層63、およびその上に、多結晶シリコン層64を介してタングステン層65が積層されてゲート電極66が形成されている。ゲート電極66の両側には、いわゆる窒化シリコン膜の側壁スペーサー67、67が形成されている。68、68はいずれか一方がソースで他方がドレインとされる電極であり、69はイオン注入領域である。
【0004】
不純物拡散層を浅く形成するためには、不純物が導入された状態の半導体ウエハが高温にさらされる時間を短くし、半導体ウエハの内部にまで熱が伝わらずに表層部分のみに熱が伝わる状態で加熱することによって、不純物の熱拡散を抑制する必要がある。このため、ハロゲンランプなどを加熱源として用い、当該加熱源から放射される光を照射することによって被処理物である半導体ウエハを、例えば100℃/秒の昇温速度で急速に加熱し、その後、例えば100℃/秒の降温速度で急速に冷却することのできるRTP(Rapid Thermal Process)法を採用した熱処理装置が広く用いられている。
【0005】
そして、特に10nmオーダーの一層浅い不純物拡散層を確実に形成するためには、熱処理装置の加熱源として、被処理物を、例えば2×104 〜2×106 ℃/秒のような昇温速度で極めて短時間に加熱することが可能な閃光放電ランプを用いることが検討されている。
【0006】
一方、現在、半導体ウエハとしては、その口径が100〜200mmのものが主として用いられており、また、その口径が300mmとさらに大きなものも用いられるに至っているが、このような大きな被処理面を有する半導体ウエハを、1本の閃光放電ランプによって短時間で1000℃以上にまで昇温させることは極めて困難である。
【0007】
そこで、閃光放電ランプを用いた熱処理装置を実用化するためには、加熱源として複数の閃光放電ランプを同時に駆動する構成を有する閃光放射装置を用いればよいが、このような閃光放射装置を備えた熱処理装置においては、実際上、複数の閃光放電ランプにおける点灯開始のタイミングのずれが原因となって被処理物の被処理面全面に必要とされる強度の閃光が照射されず、従って、当該被処理物を、被処理面全面にわたって温度均一性の高い状態で加熱することができない、という問題があることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、複数の閃光放電ランプを備えてなり、被処理物が大きな被処理面を有するものであっても、当該被処理物の表面を高い均一性で高温に加熱することのできる閃光放射装置およびこれを用いた熱処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の閃光放射装置は、駆動信号発生器から発信される駆動信号により複数の閃光放電ランプを同時に駆動することによって一斉に放射される閃光を被処理物に照射する閃光放射装置において、
複数の閃光放電ランプが共通のトリガ回路に接続されてなる閃光放射ユニットを複数備え、各閃光放射ユニットのトリガ回路が共通の駆動信号発生器に接続されており、
前記駆動信号発生器から駆動信号が発信された時点から複数の各閃光放電ランプの各々についてその消費電力の時間積分値が当該閃光放電ランプの全消費電力の80%に達するまでの時間を有効放射時間τとするとき、すべての閃光放電ランプにおける有効放射時間τのばらつきが0.4ms以下とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明の閃光放射装置においては、トリガ回路のトリガスイッチが半導体スイッチにより構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明の閃光放射装置においては、複数の閃光放電ランプが、各々、発光エネルギーを供給するための主コンデンサに接続されており、各閃光放電ランプと、これに関連する主コンデンサとを接続する電流路が実質的に等しいインピーダンスを有するものとされていることが好ましい。
【0013】
本発明の熱処理装置は、被処理物が配置されるチャンバーと、当該チャンバー内の被処理物に閃光を照射する上記の閃光放射装置とを備えてなることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明の閃光放射装置によれば、複数の閃光放電ランプを同時に駆動し、これらすべての閃光放電ランプにおける有効放射時間τのばらつきが特定の範囲内において揃っているため、各閃光放電ランプからの閃光が確実に重畳され、その結果、被処理物が大きな被処理面を有するものであっても、当該被処理物の表面を高い均一性で高温に加熱することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の熱処理装置の一例を示す説明図である。
この熱処理装置10は、被処理物である半導体ウエハWを熱処理するためのものであって、雰囲気ガス導入口11Aと、半導体ウエハ出入口11Bとを有する石英ガラス製のチャンバー11と、当該チャンバー11内に配置された、半導体ウエハWを支持するための支持用台12、12とを備えてなり、チャンバー11の天井面(図1において上面)には、石英の平板よりなる第1石英窓13が設けられ、また、当該チャンバー11の底面(図1において下面)には、石英の平板よりなる第2石英窓14が設けられている。
【0016】
そして、チャンバー11の第2石英窓14の下方(図1において下方)には、予備加熱手段30が設けられており、また、当該チャンバー11の第1石英窓13の上方(図1において上方)には、後述する閃光放射装置20が加熱源として設けられている。
この例においては、予備加熱手段30は、第2石英窓14に沿って等間隔で平行に配列された複数(この例においては9本)のハロゲンランプ32と、これらのハロゲンランプに共通のリフレクタ33とを備え、各ハロゲンランプ32の動作を制御するためのハロゲンランプ点灯用回路35を有してなる。
【0017】
このような熱処理装置10によれば、例えば、予め、予備加熱手段30に係るハロゲンランプ32のすべてを一斉に点灯状態とすることにより、半導体ウエハWを、例えば導入された不純物の熱拡散が生じない所定の温度にまで予備加熱した後、直ちに、当該複数のハロゲンランプ32のすべてを消灯させると共に、閃光放射装置20を動作させることによって閃光を放射し、これにより、熱処理が行われる。
【0018】
閃光放射装置20は、第1石英窓13に沿って等間隔で平行に配列された複数の棒状の閃光放電ランプ22と、これらの閃光放電ランプ22に共通のリフレクタ23とを備え、各閃光放電ランプ22の動作を制御するための閃光放電ランプ点灯用回路25を有してなる。
【0019】
閃光放電ランプ22としては、例えば、キセノンガスが封入されてなるものであって、両端が封止され、内部に放電空間を区画する直管型の石英ガラス製の放電容器と、当該放電空間内において対向配置された陽極および陰極とを備えるものであって、放電容器の外面に沿って管軸方向に伸びるよう配設されたトリガ電極28が設けられている。
【0020】
図2は、閃光放電ランプの点灯用回路の具体例を示す説明図である。
閃光放電ランプ22は、図2に示すように、各々、発光エネルギーを供給するための関連する主コンデンサ47に並列に接続されると共に、各閃光放電ランプ22のトリガ電極28はトリガ回路41に接続されている。
この例において、48は波形整形用コイルであり、49は各主コンデンサ47に電力を供給するための共通の直流電源である。
【0021】
トリガ回路41は、図3に示すように、閃光放電ランプ22のトリガ電極28に接続された二次側コイル44Aと、トリガ用コンデンサ45を介して充電回路41Aおよび放電回路41Bに接続された一次側コイル44Bとにより構成されるトランス44を備えており、また、照射指令信号に基づいて動作され、駆動信号発生器として機能するスイッチ42を有している。
放電回路41Bは、サイリスタ43よりなるトリガスイッチを備えてなるものであり、当該トリガスイッチとしては、例えばサイリスタ、トランジスタなどの半導体スイッチを用いることが好ましい。
【0022】
このような閃光放射装置20は、各閃光放電ランプ22についての後述する有効放射時間τのばらつきを特定の範囲内において揃えるため、例えば下記の(1)〜(3)の条件を満足するものとされる。
(1)閃光放電ランプ22として、同一の製造工程で作製された、同一の仕様を有するものを用いる。
(2)主コンデンサ47として、同一の静電気容量を有するものを用いる。
(3)閃光放電ランプ22と、これに関連する主コンデンサ47とを接続する電流路として、例えば同一の電線材料を、均等な長さで用いた、インピーダンスが実質的に等しいものを用いる。
【0023】
このような構成の閃光放射装置20においては、照射指令信号を受信すると、スイッチ42が閉成して導通する結果、駆動信号が発信され、予めトリガ用コンデンサ45に蓄積されていた電荷がサイリスタ43を介して放電されることによってトランス44の二次側コイル44Aにトリガ用高電圧が発生し、このトリガ用高電圧がトリガ電極28に印加されて閃光放電ランプ22の各々が駆動される。
このようにして、駆動信号発生器から発信される駆動信号に基づいて複数の閃光放電ランプ22が同時に駆動されて一斉に点灯状態となる。
【0024】
然るに、実際上、複数の閃光放電ランプ22およびこれに関連する電流路の特性が完全には一致していないことなどに起因して、各閃光放電ランプ22が実際に点灯する点灯開始のタイミングにずれが生ずる。
図4は、この状態を示す曲線図であり、この図では3本の閃光放電ランプの点灯開始のタイミングがずれていることを示している。すなわち、曲線イは、最初に点灯を開始したもの、曲線ハは最後に点灯を開始したものを示している。
【0025】
そして、本発明に係る閃光放射装置20においては、駆動信号が発信された時点t0 から、各閃光放電ランプ22の消費電力の時間積分値が全消費電力の80%に達する時点までの時間を有効放射時間τとするとき、すべての閃光放電ランプ22における有効放射時間τのばらつきは0.4ms以下となる状態とされている。
なお、実質上、有効放射時間τ内に閃光放射装置から放射される閃光によって被処理物の加熱状態が決定されることが確認されている。
【0026】
そして、すべての閃光放電ランプ22における有効放射時間τのばらつきが0.4ms以下となる状態と規定しているが、ここでいう「すべての閃光放電ランプ」とは少なくとも被処理物(この例では半導体ウエハW)を加熱するために直接に寄与する閃光放電ランプすべてことであり、具体的には、被処理物の上方に対向して位置する閃光放電ランプのことである。
なお、被処理物の上方に対向して位置していない閃光放電ランプは、被処理物を加熱するために直接寄与する程度が低く、例えばチャンバー内の被処理物を支持する支持台などを主として加熱することに寄与するものであるが、勿論、このような被処理物の上方に対向して位置していない閃光放電ランプを含め閃光放射装置に係るすべての閃光放電ランプの有効放射時間τのばらつきが0.4ms以下となる状態になっていてもよいということは言うまでもない。実際には、装置の設計上、閃光放射装置に係るすべての閃光放電ランプにおける有効放射時間τのばらつきを0.4ms以下にすることのほうが容易である。
【0027】
ここで、「有効放射時間τのばらつき」とは、具体的に、すべての閃光放電ランプ22に係る有効放射時間τのうち、最小値を「τmin 」と表し、また、最大値を「τmax 」と表すときに、(τmax −τmin )で表される有効放射時間τの幅をいう。すなわち、有効放射時間τは、すべての閃光放電ランプ22において、消費電力の時間積分値が最初に全消費電力の80%に達する時点t1 と、最後に全消費電力の80%に達する時点t2 とのずれの大きさを示す。
なお、閃光放電ランプ22の消費電力は、その放射エネルギーと電気的な相関関係を有し、ランプ電圧と電流との積で表される値であり、曲線イおよび曲線ハに係る斜線部の各々は、有効放射時間τにおける各閃光放電ランプの消費電力の時間積分値を表している。
【0028】
有効放射時間τのばらつきが過大である場合には、各閃光放電ランプ22からの閃光が重畳される程度が低く、後述する実験からも明らかなように、結局、被処理物である半導体ウエハWの表面を目的とする温度に昇温させることができない。
【0029】
また、有効放射時間τのばらつきは、0.2ms以下であることが好ましい。この場合には、熱処理装置10によって半導体ウエハWの表面を一層高い均一性で高温に加熱することができることから、例えば半導体ウエハWに一層浅い不純物拡散層を確実に形成することができる。
【0030】
以上のような熱処理装置10によれば、半導体ウエハWの大きさに応じた複数の閃光放電ランプ22を備えた閃光放射装置20を加熱源としており、当該閃光放射装置20の複数の閃光放電ランプ22が同時に駆動され、これらすべての閃光放電ランプ22における有効放射時間τのばらつきが特定の範囲内において揃っているため、各閃光放射ランプからの閃光が確実に重畳され、その結果、半導体ウエハWが大きな被処理面を有するものであっても、その半導体ウエハWの表面を高い均一性で高温に加熱することができる。
【0031】
実際上、例えば等間隔に平行に配列された22本の閃光放電ランプ22を備えた閃光放射装置20を加熱源とする熱処理装置10を用いることにより、半導体ウエハWが、例えば口径200mm以上の大きな被処理面を有するものであっても、当該半導体ウエハWの1μm以内の表層部分のみを、例えば数m(ミリ)秒間程度の短時間のうちに、例えば1100℃〜1200℃の温度に均一に加熱することができ、しかも、例えば10m(ミリ)秒間程度の短時間のうちに、例えば半導体ウエハWに導入される不純物が熱拡散を生じない600℃以下に冷却することもでき、従って、浅い不純物拡散層を形成するために必要とされる急速的な熱処理を確実に行うことができる。
【0032】
熱処理装置10においては、閃光放射装置20は、有効放射時間τのばらつきを特定の範囲内において揃えるため、下記の(1)〜(2)に示すような構成に設計されている。
【0033】
(1)複数の閃光放電ランプ22のすべてを、共通のトリガ回路41により同時に駆動する構成。
この構成により、すべての閃光放電ランプ22に点灯電流が流れ始めるタイミングのずれを小さくすることができる。
(2)閃光放電ランプ22と、これに関連する主コンデンサ47とを接続する電流路におけるすべてのインピーダンスを、実質的に等しくする構成。
この構成により、すべての閃光放電ランプ22における電圧上昇のタイミングおよび態様を揃ったものとすることができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、図5に示すように、閃光放射装置20は、複数(図の例では4本)の閃光放電ランプ22が共通のトリガ回路41に接続されてなる閃光放射ユニットを複数備え、各閃光放射ユニットのトリガ回路41が共通の駆動信号発生器を形成するスイッチ42により駆動される構成によるものであってもよい。
この場合においては、スイッチ42が共通のものであることから、各トリガ回路41に対して同時に駆動信号を発信することができると共に、トリガ回路41の各々のトリガスイッチが、例えばサイリスタ43などの半導体スイッチにより構成されているため、例えば放電ギャップによるトリガスイッチを用いる場合に比して、トリガ用高電圧が印加されるタイミングのずれを小さくすることができるため、有効放射時間τのばらつきを特定の範囲内において揃えることができる。
そして、1つのトリガ回路41が担当する閃光放電ランプ22の数が少なくなるため、その容量は小さいものにできるという利点がある。
【0035】
また、トリガの方式は、図3に示したような外部トリガ方式に限定されず、図6に示すように、閃光放電ランプ22の一方の電極にトリガ用高電圧が重畳印加されるよう構成された内部トリガ方式であってもよい。
この内部トリガ方式によれば、トリガ回路41において専用の波形整形用コイルを設けずに、トランス44を構成するコイルの一方を波形整形用コイルとして兼用することができる。また、閃光放電ランプ22にはトリガ電極を設ける必要がなくなる。
【0036】
以上においては、本発明の閃光放射装置を、半導体ウエハを被処理物として熱処理する熱処理装置に適用した場合について説明したが、当該閃光放射装置は、これに限定されるものではない。
【0037】
以下、本発明の作用効果を確認するために行った実験について説明する。
<実験例1>
図1に示す構成の形式に従い、図2に示すような形式により、外部トリガ方式(図3参照)によって共通のトリガ回路に接続された21本の閃光放電ランプ備えた閃光放射装置を加熱源とする実験用熱処理装置を作成した。
この実験用熱処理装置においては、閃光放射装置に、12.7mmの間隔で配列した、全長360mm、外径13mm、内径10.5mmの放電容器を備え、電極間距離が280mm、定格電圧が2900Vであり、放電容器の外面に配設された、外径1.0mmのニッケル線よりなるトリガ電極を有する、同一の製造工程にて作製された21本の閃光放電ランプを用いた。
【0038】
このような実験用熱処理装置において、予備加熱手段により300℃に予備加熱した状態の口径が200mmの半導体ウエハに対して、21本の閃光放電ランプのすべての有効放射時間τが一致するよう閃光放射装置を動作して熱処理を行い、有効放射時間τとされる駆動信号が発信されてから0.61ms経過時点における半導体ウエハの中心部の表面温度を求めた。結果を表1に示す。
【0039】
また、上記の実験用熱処理装置において、21本の閃光放電ランプのうちの中心に位置する1本の閃光放電ランプに係る有効放射時間τのみをずらすことによって、表1に示す有効放射時間τのばらつきを生じさせるよう閃光放射装置を動作したこと以外は上記と同様の方法によって半導体ウエハの熱処理を行った場合の表面温度を求めた。結果を表1に示す。
また、有効放射時間τのばらつきのない場合における表面温度の測定値を基準値としたときの温度差を併せて示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004096527
【0041】
以上の結果から、有効放射時間τのばらつきが大きくなるに従って半導体ウエハの中心部における表面温度は低くなり、有効放射時間τのばらつきが0.5msである場合には、有効放射時間τのばらつきのない場合との表面温度の差が10℃以上となることが確認された。
また、図7に示すように、有効放射時間τのばらつきのない場合の半導体ウエハの中心部における温度変化の曲線aおよび有効放射時間τのばらつきが0.1msである場合の曲線bに比して、有効放射時間τのばらつきが0.5msである場合の曲線cは、昇温部分の変化の割合が緩慢なものであり、しかも降温部分の変化の割合も緩慢なものであることが確認された。
【0042】
【発明の効果】
本発明の閃光放射装置によれば、複数の閃光放電ランプを同時に駆動し、これらすべての閃光放電ランプにおける有効放射時間τのばらつきが特定の範囲内において揃っているため、各閃光放電ランプからの閃光が確実に重畳され、その結果、被処理物が大きな被処理面を有するものであっても、当該被処理物の表面を高い均一性で高温に加熱することができる。
本発明の熱処理装置によれば、加熱源として上記の閃光放射装置を用いているため、被処理物が大きな被処理面を有するものであっても、当該被処理物の表面を高い均一性で高温に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理装置の一例を示す説明図である。
【図2】図1の熱処理装置における各閃光放電ランプの動作を制御する閃光放電ランプの点灯用回路の具体例を示す説明図である。
【図3】外部トリガ方式を示す説明図である。
【図4】閃光放電ランプの点灯時間と消費電力との関係を示す説明図である。
【図5】熱処理装置における各閃光放電ランプの動作を制御する閃光放電ランプ点灯用回路の他の例を示す説明図である。
【図6】内部トリガ方式を示す説明図である。
【図7】実験用熱処理装置によって加熱された半導体ウエハの中心部における表面温度の変化を示す説明図である。
【図8】半導体ウエハに形成されたトランジスタ素子の構造の一例を強調して示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10 熱処理装置
11 チャンバー
11A 雰囲気ガス導入口
11B 半導体ウエハ出入口
12 支持台
13 第1石英窓
14 第2石英窓
20 閃光放射装置
22 閃光放電ランプ
23 リフレクタ
25 閃光放電ランプ点灯用回路
28 トリガ電極
30 予備加熱手段
32 ハロゲンランプ
33 リフレクタ
35 ハロゲンランプ点灯用回路
41 トリガ回路
41A 充電回路
41B 放電回路
42 スイッチ
43 サイリスタ
44 トランス
44A 二次側コイル
44B 一次側コイル
45 トリガ用コンデンサ
46 エネルギー供給用回路
47 主コンデンサ
48 波形整用コイル
49 直流電源
61 P型シリコン基板
62 酸化シリコン膜
63 ゲート酸化膜層
64 多結晶シリコン層
65 タングステン層
66 ゲート電極
67 側壁スペーサー
68 電極
69 イオン注入領域
W 半導体ウエハ

Claims (4)

  1. 駆動信号発生器から発信される駆動信号により複数の閃光放電ランプを同時に駆動することによって一斉に放射される閃光を被処理物に照射する閃光放射装置において、
    複数の閃光放電ランプが共通のトリガ回路に接続されてなる閃光放射ユニットを複数備え、各閃光放射ユニットのトリガ回路が共通の駆動信号発生器に接続されており、
    前記駆動信号発生器から駆動信号が発信された時点から複数の各閃光放電ランプの各々についてその消費電力の時間積分値が当該閃光放電ランプの全消費電力の80%に達するまでの時間を有効放射時間τとするとき、すべての閃光放電ランプにおける有効放射時間τのばらつきが0.4ms以下とされていることを特徴とする閃光放射装置。
  2. トリガ回路のトリガスイッチが半導体スイッチにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の閃光放射装置。
  3. 複数の閃光放電ランプが、各々、発光エネルギーを供給するための主コンデンサに接続されており、各閃光放電ランプと、これに関連する主コンデンサとを接続する電流路が等しいインピーダンスを有するものとされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の閃光放射装置。
  4. 被処理物が配置されるチャンバーと、当該チャンバー内の被処理物に閃光を照射する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の閃光放射装置とを備えてなることを特徴とする熱処理装置。
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