JP4096237B2 - 映像信号処理装置および方法、記録媒体、プログラム、並びに映像信号処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号処理装置および方法、記録媒体、プログラム、並びに映像信号処理システムに関し、特に、各表示単位の静止画の時間的間隔を、ユーザが認識し易いように表示させることができるようにした映像信号処理装置および方法、記録媒体、プログラム、並びに映像信号処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、本出願人が、特許文献1に先に提案したストロボ表示装置の原理的な構成例を示している。このストロボ表示装置においては、入力された映像信号が外部のモニタ(図示せず)に、一定の時間間隔で出力される。
【0003】
映像信号は、時間間隔決定部11と静止画取得表示部12にそれぞれ入力される。
【0004】
時間間隔決定部11は、時間間隔を決定し、対応する時間間隔情報を静止画取得表示部12に出力する。静止画取得表示部12は、時間間隔決定部11から出力された時間間隔情報のタイミングで、入力された映像信号を静止画として取り込み、出力する。
【0005】
時間間隔決定部11は、図2に示されるように、時間間隔算出部21を有している。
【0006】
時間間隔算出部21は、上述したように、予め所定の値に定められた時間間隔に従って、時間間隔情報を静止画取得表示部12に出力する。この時間間隔は、例えば、装置のメーカなどにより予め設定された固定の値であったり、ユーザが装置に設定した固定の値である。
【0007】
図3は、図1の静止画取得表示部12の構成例を示している。
【0008】
静止画保持部31は、外部より入力された映像信号を、内蔵するメモリ(図示せず)に一時的に保持するとともに、その映像信号の所定のフレームの画像を、時間間隔算出部21より入力された時間間隔情報に合わせて、静止画として取り込み、提示情報作成部32に出力する。
【0009】
提示情報作成部32は、入力された静止画を、3×3個に分割された小画面のうちのいずれに配置するかを表す位置情報を作成し、その位置情報とともに静止画を出力する。
【0010】
以上のような従来のストロボ表示装置は、時間の経過に伴って、静止画を小画面に順次表示させることが可能であり、複数の異なる時刻の静止画を、1個の画面上で同時に見ることが可能である。その特長を利用して、例えば、体操競技、ゴルフスイング、スノーボードなどのスポーツのフォーム分析などに幅広く利用される。
【0011】
例えば、図4に示されるように、体操競技者が前転とび前方宙返りを行い、その映像を、上述した従来のストロボ表示装置を使用して取り込むものとする。なお、図4における画像41−1乃至41−15は、体操競技者の動きを説明するものであり、ストロボ表示装置により実際取り込まれ、表示される画像を示すものではない。すなわち、各画像41−1乃至41−15の時間間隔は一定ではない。
【0012】
これに対して、図5は、図4に示されるような体操競技者の運動を、図1乃至図3に示される従来のストロボ表示装置を使用して取り込み、表示する例を示している。図5に示される例では、連続する複数のフレーム51のうち、一定の時間間隔T1毎に、時刻t1乃至t9のフレーム51−1乃至51−9の画像が静止画として順次取り込まれ、9個の小画面に同時に表示されている。
【0013】
また、従来のストロボ表示装置は、1つのモニタの、例えば、9個の小画面に表示する方法の他に、複数個並べて配置されたモニタに、静止画を順次表示させる方法などもある。
【0014】
【特許文献1】
特許第2808612号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4において、分析したい対象(注目対象)は、体操競技者であるが、画像41−13乃至41−15で示される注目対象の動作の変化(以下、動作速度と称する)は遅く、動きは、ゆっくりしている。一方、画像41−10乃至41−12で示される宙返りの動作速度は速い。
【0016】
フォーム分析などを行う場合、動作速度の速い画像41−10乃至41−12で示される期間の動きについては、できるだけ時間的に細かい間隔の静止画が必要とされる。これに対して、動作速度の遅い画像41−13乃至41−15で示される期間の動きについては、静止画の枚数は少なくても構わない。
【0017】
しかしながら、一定の時間間隔で画像を取り込むと、図5に示されるように、動作速度が速い動きを捉えた静止画を表示するのが困難となる。そこで、時間間隔を短い時間に設定することが考えられる。しかしながら、そのようにすると、動作速度が遅い部分の静止画が必要以上に多くなってしまう。
【0018】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、動作速度に拘らず、注目対象の動きを充分認識することが可能な数の静止画を出力することができるようにするものである。
【0019】
また、複数のモニタが所定の間隔をおいて配置され、それぞれのモニタの分割された小画面に、順次、静止画が表示されるようなシステムにおいて、従来のように、一定の時間間隔で静止画が表示されると、ユーザは、表示される時間間隔と、表示されるモニタ間の距離との関係が、対応しないため、時間間隔を認識するのが難しかった。
【0020】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザが認識し易いように、静止画を複数のモニタに表示させることができるようにするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の第 1 の映像信号処理装置は、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定手段と、推定手段により推定された動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定手段と、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定手段により決定された時間間隔で取得し、保持する保持手段と、保持手段に保持された表示単位の画像を出力する出力手段とを備え、出力手段は、前に出力表示される表示単位の画像と、その後に出力、表示される表示単位の画像との距離を時間間隔に対応させて表示単位の画像を出力することを特徴とする。
【0022】
出力手段には、時間の経過に沿った順番に出力させるようにすることができる。
【0027】
出力手段には、複数の表示単位の画像を、注目対象の動作の方向に対応して表示させるよう出力させるようにすることができる。
【0028】
時間間隔決定手段により決定された時間間隔が、表示単位の時間間隔より短い場合、表示単位と次の表示単位の間の静止画を補間して生成する生成手段をさらに設けることができる。
【0029】
出力手段により出力された静止画を表示する表示手段をさらに設けることができる。
【0030】
本発明の第 1 の映像信号処理方法は、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、推定ステップの処理により推定された動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定ステップの処理により決定された時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、保持制御ステップの処理により保持された表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップとを含み、出力制御ステップの処理は、前に出力表示される表示単位の画像と、その後に出力、表示される表示単位の画像との距離を時間間隔に対応させて表示単位の画像を出力することを特徴とする。
【0031】
本発明の第 1 の記録媒体のプログラムは、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、推定ステップの処理により推定された動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定ステップの処理により決定された時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、保持制御ステップの処理により保持された表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップとを含み、出力制御ステップの処理は、前に出力表示される表示単位の画像と、その後に出力、表示される表示単位の画像との距離を時間間隔に対応させて表示単位の画像を出力する処理を映像信号処理装置を制御するコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0032】
本発明の第1のプログラムは、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、推定ステップの処理により推定された動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定ステップの処理により決定された時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、保持制御ステップの処理により保持された表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップとを含み、出力制御ステップの処理は、前に出力表示される表示単位の画像と、その後に出力、表示される表示単位の画像との距離を時間間隔に対応させて表示単位の画像を出力する処理コンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の第1の映像信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、入力された映像信号の注目対象の動作速度が推定され、推定された動作速度に合わせて、時間間隔が決定され、入力された映像信号の表示単位の画像が、決定された時間間隔で取得され、前に出力表示される表示単位の画像と、その後に出力、表示される表示単位の画像との距離を時間間隔に対応させて出力される。
本発明の第2の映像信号処理装置は、入力された映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として画面に表示させるように出力する映像信号処理装置において、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定手段と、推定手段により推定された動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定手段と、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定手段により決定された時間間隔で取得し、保持する保持手段と、保持手段に保持された表示単位の画像を出力する出力手段とを備え、出力手段は、次に出力する表示単位の画像までの時間間隔に対応する長さの矢印を、表示単位の画像に付加して出力することを特徴とする。
本発明の第2の映像信号処理方法は、入力された映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として画面に表示させるように出力する映像信号処理装置の信号処理方法において、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、推定ステップの処理により推定された動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定ステップの処理により決定された時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、保持制御ステップの処理により保持された表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップとを含み、出力ステップの処理は、次に出力する表示単位の画像までの時間間隔に対応する長さの矢印を、表示単位の画像に付加して出力することを特徴とする。
本発明の第2の映像信号処理装置および方法においては、入力された映像信号の注目対象の動作速度が推定され、推定された動作速度に合わせて、時間間隔が決定され、入力された映像信号の表示単位の画像が、決定された時間間隔で取得され、次に出力する表示単位の画像までの時間間隔に対応する長さの矢印を表示単位の画像に付加して出力される。
【0033】
本発明の映像信号処理システムの映像信号処理装置は、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定手段と、推定手段により推定された動作速度と、複数の表示装置間の距離に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定手段と、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定手段により決定された時間間隔で取得し、保持する保持手段と、保持手段に保持された表示単位の画像を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0034】
本発明の映像信号処理システムの映像信号処理装置の映像信号処理方法は、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、推定ステップの処理により推定された動作速度と、複数の表示装置間の距離に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定ステップの処理により決定された時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、保持制御ステップの処理により保持された表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0035】
本発明の映像信号処理システムの映像信号処理装置の記録媒体のプログラムは、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、推定ステップの処理により推定された動作速度と、複数の表示装置間の距離に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定ステップの処理により決定された時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、保持制御ステップの処理により保持された表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップとを映像信号処理装置を制御するコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0036】
本発明の映像信号処理システムの映像信号処理装置のプログラムは、入力された映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、推定ステップの処理により推定された動作速度と、複数の表示装置間の距離に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、入力された映像信号の表示単位の画像を、時間間隔決定ステップの処理により決定された時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、保持制御ステップの処理により保持された表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0037】
本発明の映像信号処理システムの映像信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、入力された映像信号について、注目対象の動作速度が推定され、動作速度と複数の表示装置間の距離に合わせて時間間隔が決定される。そして、その決められた時間間隔で表示単位の画像が取得され、出力される。
【0038】
映像信号処理装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置の映像信号処理を行うブロックであっても良い。
【0039】
【発明の実施の形態】
図6は、本発明を適用したストロボ表示装置の構成例を示している。
【0040】
映像信号は、時間間隔決定部61と静止画取得表示部62にそれぞれ入力される。時間間隔決定部61は、入力された映像信号から注目対象の動作速度を算出し、その動作速度に合わせた時間間隔を算出し、静止画取得表示部62に出力する。静止画取得表示部62は、時間間隔決定部61から入力された時間間隔に従って、映像信号から静止画を取得し(サンプリングし)、出力する。
【0041】
時間間隔決定部61は、図7に示されるように構成されている。
【0042】
動き検出部71は、入力された画像信号から、例えば、ブロックマッチングにより、全画面、または、画面の一部における動きベクトルを算出し、領域抽出部72に出力する。
【0043】
動き検出部71から領域抽出部72に供給される動きベクトルには、ユーザが注目している注目対象の動作の動きベクトルの他に、背景の動作の動きベクトルも含まれている。そこで、領域抽出部72は、動きベクトルに基づいて背景領域を検出し、背景領域の動きベクトルを取り除き、残ったものを、注目対象の動作の動きベクトルとして、動き量算出部73に出力する。
【0044】
動き量算出部73は、領域抽出部72より入力された注目対象の動作の動きベクトルから、注目対象の動作速度を推定し、時間間隔算出部74に出力する。
【0045】
時間間隔算出部74は、動き量算出部73より入力された動作速度に基づいて、静止画保持を行うタイミングの時間間隔を算出する。そして、時間間隔算出部74は、算出した時間間隔の情報を静止画取得表示部62に出力する。
【0046】
静止画取得表示部62は、例えば、図8に示されるように構成される。
【0047】
画像創造部81には、外部より映像信号が入力され、また、時間間隔算出部74(図7)より、静止画保持を行うタイミングを表す時間間隔情報が入力される。静止画保持を行う時間間隔が、フィールド間隔(またはフレーム間隔でもよい)より短い場合、画像創造部81は、図19を参照して後述する画像創造処理によって、入力された時間間隔に対応する静止画を補間生成し、静止画保持部82に出力する。それに対して、静止画保持を行う時間間隔が、フィールド間隔より長い場合、画像創造部81は、該当する時刻の静止画をそのまま静止画保持部82に出力する(スルーする)。
【0048】
静止画保持部82は、画像創造部81より入力された各フィールドの画像を、内蔵するメモリ(図示せず)に一時的に保持し、時間間隔算出部74より入力された時間間隔のタイミングで、提示情報作成部83に順次出力する。
【0049】
提示情報作成部83は、静止画保持部82より入力された静止画を、例えば、3×3個に分割された小画面のうちのいずれに配置するかを表す位置の情報を作成し、その位置情報とともに静止画を出力する。
【0050】
次に、図9と図10のフローチャートを参照して、時間間隔決定部61が行う時間間隔決定処理について説明する。この処理は、例えば、ユーザが、ストロボ表示の開始を指示したとき開始される。
【0051】
まず初めに、ステップS1で、動き検出部71は、変数tとkを0にリセットする初期化を行う。変数tは、処理したフィールドの数を表し、変数kは、その変数tで表される枚数のうちの、外部に出力されるフィールドの数を表している。また、変数tと変数kは、時間間隔決定部61のどのブロックにおいても参照可能な変数である。
【0052】
ステップS2で、動き検出部71は、入力された映像信号から同期信号が検出されたか否かを判定する。動き検出部71は、同期信号が検出されていないと判定した場合、同期信号が検出されたと判定するまで、ステップS2の処理を繰り返す。動き検出部71は、同期信号が検出されたと判定した場合、処理をステップS3に進める。
【0053】
最初の同期信号の直後のフィールドは、常に出力されるため、ステップS3で、動き検出部71は、出力されるフィールドの数を表す変数kの値を1とし、ステップS4に処理を進める。
【0054】
また、ステップS4においても同様に、動き検出部71は、処理したフィールドの数を表す変数tを1つだけインクリメントして(いまの場合、t=1として)、処理をステップS5に進める。
【0055】
ステップS5で、動き検出部71は、次の同期信号が検出されたか否かを判定する。同期信号が検出されていないと判定された場合、動き検出部71は、同期信号が検出されたと判定するまで、ステップS5の処理を繰り返す。同期信号が検出されたと判定された場合、動き検出部71は、処理をステップS6に進める。
【0056】
ステップS6で、動き検出部71は、入力された映像信号の全画面、または、画面の一部における動きベクトルを算出し、領域抽出部72に出力する。動きベクトルを算出する方法としては、例えば、ブロックマッチングなどを用いることが可能である。
【0057】
ブロックマッチングの手法においては、注目画素とその周辺の画素で構成される注目ブロックの各画素と、近接フィールドのブロックを構成する対応する画素との画素値の差分の2乗和等の、いわゆる予測誤差が計算され、その予測誤差が最も小さくなる近接フィールドのブロックが求められる。そして、注目ブロックと、予測誤差が最小となるブロックとの位置関係から、注目画素の動きベクトルが求められる。注目フィールドのすべてのブロックが、順次、注目ブロックとされ、フィールド全体の各ブロックの動きベクトルが求められる。
【0058】
例えば、図11は、1つのフィールドにおいて上述の動きベクトルが算出された例を示している。図中のR1で示される図中、一様に右に向いている矢印は、背景部分の動きベクトルを示している。また、図中、人の図形の周辺の矢印が、注目対象の動きベクトルを示している。
【0059】
すなわち、ステップS6で算出した動きベクトルの中には、注目対象の動作以外の動きベクトルが含まれている。領域抽出部72は、このような背景の動きベクトルを排除する処理を行う。まず、ステップS7で、領域抽出部72は、動き検出部71より入力された動きベクトルに基づいて、ヒストグラムを作成する。例えば、図12に示されるように、動きベクトルの水平成分と垂直成分により規定されるポイント毎にその度数がカウントされて、ヒストグラムが生成される。
【0060】
次に、ステップS8において、領域抽出部72は、ステップS7で算出したヒストグラムの極大値を度数の高い方から、予め決められた所定の数だけ抽出する。
【0061】
さらに、ステップS9で、領域抽出部72は、抽出したそれぞれのベクトルに対して、次式で定義される画像中心との平均距離Lを算出する。
【数1】
ここで、nは、ステップS8の処理で抽出された極大値に含まれる動きベクトルのサンプル数を表し、xi,yiは、動きベクトルの座標を表し、xc,ycは、画像中心の座標を表す。
【0062】
そして、ステップS10で、上述の平均距離Lが大きいものは、背景動きであるという考えに基づいて、領域抽出部72は、平均距離の大きいものから予め決められた所定の数の動きベクトルを、背景領域の動きベクトルとして取り除く。例えば、図12の領域R11の動きベクトルは、背景領域の動きベクトルとして取り除かれる。背景動きの動きベクトルが取り除かれた後の、注目対象の動作の動きベクトルが、動き量算出部73に出力される。図13は、このようにして背景領域の動きベクトルが除去された後のヒストグラムを示している。
【0063】
ステップS11で、動き量算出部73は、注目対象の動作速度を推定し、時間間隔算出部74に出力する。すなわち、動き量算出部73は、図13に示されるように、背景領域の成分が取り除かれた後の動きベクトルのヒストグラムの中から、度数が最大の動きベクトル(図13で、H1で示される度数に含まれる動きベクトル)を注目対象の動作速度として推定する。なお、以下において、特に断りのない限り、動作速度とは、注目対象の動作速度を意味するものとする。
【0064】
ステップS12において、時間間隔算出部74は、ステップS11で算出された動作速度の大きさの総和lengthを算出する。lengthは、次式によって求めることができる。
【数2】
ここで、vx,vyは、それぞれ動きベクトルの水平成分と垂直成分を表す。従って、上式では動きベクトルの水平成分vxと垂直成分vyの2乗和の度数倍の値がlengthとされる。
【0065】
ステップS13で、動作速度の大きさの総和lengthが、閾値TH以上であるか否かが判定される。閾値THは、静止画として保持する時間間隔を規定するための値であり、任意の値に設定することが可能である。閾値THが大きい場合、動作速度が速くないと、静止画保持が行なわれないことになり(時間間隔が長くなり)、逆に、閾値THが小さい場合、わずかな動きに対しても静止画保持が行なわれるようになる(時間間隔が短くなる)。動作速度の大きさの総和lengthが、閾値THより小さいと判定された場合、時間間隔算出部74は、処理をステップS4に戻し、それ以降の処理が繰り返される。動作速度の大きさの総和lengthが、閾値TH以上であると判定された場合、時間間隔算出部74は、処理をステップS14に進める。
【0066】
ステップS13において、動作速度の大きさの総和lengthが、閾値TH以上であると判定された場合、ステップS14で、時間間隔算出部74は、静止画保持数m=length/THを算出する。
【0067】
例えば、図19を参照して後述する画像創造部81の処理で生成するフィールド数を2n−1枚とすると、ステップS15で、時間間隔算出部74は、静止画保持数mを2の累乗から1を減算した値(2n−1)に変換したときのn(nは、整数)を算出し、また、そのnを使って時間間隔T=1/2nを算出する。
【0068】
ステップS16で、時間間隔算出部74は、ステップS15において算出した時間間隔Tを静止画取得表示部62に出力する。
【0069】
ステップS17で、時間間隔算出部74は、出力されるフィールド数を表す変数kをk=k+2nの計算式により更新する。
【0070】
ステップS18で、時間間隔算出部74は、動作速度の大きさの総和lengthから、静止画として出力した分の動作速度の大きさを差し引く処理を行う。すなわち、length=length−2n*THが計算され、lengthが更新される。
【0071】
ステップS19で、出力したフィールド数を表す変数kが、モニタを分割して表示する小画面の数(例えば、3×3=9画面)と等しいか否かが判定される。変数kと画面の数が等しくないと判定された場合、すなわち、まだ静止画を表示していない画面が存在する場合、時間間隔算出部74は、処理をステップS4に戻し、それ以降の処理が繰り返される。一方、変数kと画面数が等しいと判定された場合、すなわち、表示画面の数と同じ数の静止画が出力された場合、時間間隔算出部74は、時間間隔決定処理を終了する。
【0072】
図14は、上述の時間間隔決定処理による時間間隔で、入力された映像信号を静止画として出力する時間間隔の例を示す。図14Aは、時間経過と推定された動作速度の関係を示している。フィールドFi(i=0,1,2,・・・)が、図14Bに示されるようなタイミングで、動き検出部71に入力されている。図14Cは、従来のように、一定間隔T10でフィールドFj(j=0,1,2,・・・)を出力した例を表し、図14Dは、上述の時間間隔決定処理によって動作速度に応じた時間間隔でフィールドFk(k=0,1,2,・・・)を出力した例を表している。図14Dに示されるフィールドDkでは、動作速度が遅い領域A1に対応する時間帯では、出力されるフィールドの時間間隔が長くなり、部分動作速度が速い領域A2に対応する時間帯では、出力されるフィールドの時間間隔が短くなっている。
【0073】
画像創造部81は、図15に示されるように構成されている。
【0074】
時間解像度創造判定部91は、時間間隔決定部61より入力された時間間隔Tに基づいて、静止画を補間生成する必要があるか、あるいは、そのままスルー出力すればよいのかを判定し、その判定結果を時間解像度創造部92に出力する。
【0075】
時間解像度創造部92は、時間解像度創造判定部91の判定結果に基づいて、外部より入力された映像信号を、静止画として静止画保持部82(図8)にそのままスルー出力するか、または、映像信号から新たに静止画を補間、生成し、静止画保持部82に出力する。
【0076】
図16は、図15の時間解像度創造部92の構成例を示している。この構成には、本出願人が先に提案した特開2000-324497のフィールド倍速処理の技術が用いられている。この技術は、例えば、フィールド周期が50HzのSD(Standard Definition)画像に基づいて、フィールド周期が100Hzの画像信号を補間生成する技術である。
【0077】
入力されたフィールド周期が50Hzの画像信号は、SD画像データとして領域切り出し部101および領域切り出し部105に供給される。領域切り出し部101は、供給されるSD画像データから所定の画素領域をクラスタップとして切り出し、切り出したクラスタップのデータをADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)部102に供給する。ADRC部102は、供給されるデータに、例えば、ADRC処理を施し、これによって生成したコード値をクラスコード発生部103に供給する。
【0078】
クラスコード発生部103は、供給されるコード値に基づいて、時空間におけるパターンに応じたクラスを示すクラスコードを発生する。発生したクラスコードは、係数メモリ104に供給される。係数メモリ104には、予め決定された、予測演算に用いられる予測係数が、クラスコードに対応して記憶されている。
【0079】
一方、領域切り出し部105は、供給される画像から所定の画素領域を予測タップとして切り出し、切り出した予測タップのデータを遅延部106に供給する。
【0080】
遅延部106は、供給されるデータを一旦保持し、保持したデータを適切なタイミングで推定演算部107に供給する。これにより、予測タップのデータが推定演算部107に供給されるタイミングと、予測係数が係数メモリ104から推定演算部107に供給されるタイミングとが、合わされる。
【0081】
推定演算部107は、遅延部106の出力と、係数メモリ104の出力とに基づく演算を行うことにより、フィールド倍速画像を生成する。生成された画像データは、静止画保持部82(図8)に供給される。
【0082】
上述の係数メモリ104に記憶される予測係数を決定する学習装置は、図17に示されるように構成されている。
【0083】
時間解像度創造部92で生成されるべき画像と、同一の信号形式を有する画像(以下、教師画像と称する)内の画素を全て含む画像が供給される。例えば、時間解像度創造部92において、フィールド周期が50Hzの画像から100Hzの画像が生成される場合、教師画像としての100Hzプログレッシブ画像が、垂直位相シフトフィルタ121および遅延部128に供給される。
【0084】
垂直位相シフトフィルタ121は、供給される画像データの位相をずらす処理、または、そのまま出力する処理を行い、時間間引きフィルタ122に供給する。
【0085】
時間間引きフィルタ122は、垂直位相シフトフィルタ121の出力に対して、時間方向に平滑化する処理を施すことにより、50Hzインターレース画素位置に画素を生成する。このようにして、SD画像と同一の信号形式(すなわち50Hzインターレース画像)を生成することができる。以下、この画像を生徒画像と称する。生徒画像が、領域切り出し部123と領域切り出し部126に供給される。
【0086】
領域切り出し部123は、図16の領域切り出し部101と同様の処理を行う。すなわち、領域切り出し部123は、供給される生徒画像から、領域切り出し部101によって切り出されるものと同一の画素領域をクラスタップとして切り出し、切り出したクラスタップのデータをADRC部124に供給する。ADRC部124は、供給されるデータに、図16のADRC部102と同様の処理を施し、生成したコード値をクラスコード発生部125に供給する。
【0087】
クラスコード発生部125は、図16のクラスコード発生部103と同様の処理を行う。すなわち、クラスコード発生部125は、ADRC部124の出力に基づいてクラスコードを発生する。クラスコード発生部125の出力は、正規方程式加算部129に供給される。
【0088】
一方、領域切り出部126は、図16の領域切り出し部105と同様の処理を行う。すなわち、領域切り出し部126は、供給される画像信号から、領域切り出し部105によって切り出されるものと同一の画素領域を予測タップとして切り出し、切り出した予測タップのデータを遅延部127に供給する。遅延部127は、供給されるデータを一時的に保持し、その後、正規方程式加算部129に供給する。
【0089】
遅延部128は、供給される教師画像を一時的に保持し、その後、正規方程式加算部129に供給する。遅延部127および128により、加算処理を行うために好適なタイミングで、予測タップのデータと、教師画像の画像データが、正規方程式加算部129に供給される。
【0090】
正規方程式加算部129は、遅延部127から供給される予測タップのデータ、クラスコード発生部125から供給されるクラスコード、および遅延部128から供給される教師画像の画像データに基づいて、正規方程式のデータを算出し、予測係数決定部130に供給する。予測係数決定部130は、供給されるデータに基づいて正規方程式を解くための演算を行う。このような演算の結果として算出された予測係数が、メモリ131に供給され、記憶される。
【0091】
以上のようにして、図17のメモリ131に記憶された予測係数が、係数メモリ104に転送され、記憶される。その結果、フィールド周期が50Hzの入力画像信号から100Hzの画像信号を生成することが可能となる。また、教師画像のフィールド周期を1000Hz,2000Hzと大きくすることで、任意の時間間隔の画像を生成することが可能となる。
【0092】
次に、図18のフローチャートを参照して、静止画取得表示部62が行う静止画創造処理について説明する。
【0093】
ステップS41において、画像創造部81は、図19を参照して後述する画像創造処理を行う。時間間隔Tが、フィールド間隔より短い場合、上述のフィールド倍速処理が行われる。この処理により、画像創造部81は、時間間隔決定部61より入力された時間間隔情報に合わせた枚数の静止画を、静止画保持部82に出力する。
【0094】
ステップS42において、静止画保持部82は、画像創造部81が出力した静止画を一時的に保持し、時間間隔決定部61より入力された時間間隔に合わせて、順次、提示情報作成部83に出力する。
【0095】
ステップS43において、提示情報作成部83は、入力された静止画を、例えば、3×3個に分割された小画面のうちのいずれに表示するかを表す位置情報を作成する。そして、その位置情報と静止画が、後段のモニタ(図示せず)等に出力される。勿論、提示情報作成部83において、各静止画を所定の小画面上に配置した1画面分の画像データを生成し、出力するようにしてもよい。
【0096】
次に、図19のフローチャートを参照して、図18のステップS41における画像創造処理について説明する。
【0097】
初めに、ステップS51で、時間解像度創造判定部91は、時間間隔決定部61が出力した時間間隔Tを受け取る。上述したように時間間隔Tは、T=1/2nの形式で表されており、このとき、時間解像度創造部92では、2n−1枚のフィールドを生成することになる。
【0098】
ステップS52で、時間解像度創造判定部91は、取得した時間間隔Tが、0より大きく、かつ、1より小さい値の範囲内であるか否かの判定を行う。
【0099】
ステップS52において、時間間隔Tが1以上であると判定された場合、ステップS53で、時間解像度創造判定部91は、時間解像度創造部92に対して画像を補間生成する必要がない旨の指令を出力する。そして、時間解像度創造部92は、その指令に基づいて、入力された画像をスルー出力して、画像創造処理を終了する。
【0100】
一方、ステップS52において、時間間隔Tが、0より大きく、かつ、1より小さい値の範囲内であると判定された場合、時間解像度創造判定部91は、フィールドとフィールドの間に、新たなフィールドを補間生成する必要があると判定し、ステップS54で、時間解像度創造部92に、時間間隔T(=1/2n)を出力する。そして、時間解像度創造部92は、時間間隔Tが入力されると、画像創造部81の内部に有するカウンタi,jの値をゼロにリセットする。
【0101】
ステップS55で、時間解像度創造部92は、カウンタiの値が、時間解像度創造判定部91より入力されたnより小さいか否かを判定する。カウンタiの値が、nより小さいと判定された場合、時間解像度創造部92は、処理をステップS56に進める。例えば、n=2の場合、いまi=0なので、処理はステップS56に進められる。
【0102】
ステップS56で、時間解像度創造部92は、カウンタjの値が2iより小さいか否かを判定する。カウンタjの値が2iより小さいと判定された場合、時間解像度創造部92は、処理をステップS57に進める。いまi=0なので、2i=1となる。また、j=0なので、処理はステップS57に進められる。
【0103】
ステップS57で、時間解像度創造部92は、時刻j/2iと時刻(j+1)/2iの間の時刻(2j+1)/2i+1に、上述したフィールド倍速処理で新たな画像を生成する。いまの場合、i=0,j=0なので、j/2i=0の時刻のフィールド(図20のフィールド141)と、(j+1)/2i=1の時刻のフィールド(図20のフィールド142)の間の、(2j+1)/2i+1=1/2の時刻のフィールド(図20のフィールド143)の画像が補間生成される。
【0104】
ステップS58において、ステップS57で生成された画像が、出力されるまでの間、時間解像度創造部92内部のメモリ(図示せず)に一時的に保持される。
【0105】
ステップS59で、時間解像度創造部92は、カウンタjの値を1つだけインクリメントし(いまの場合、j=1とし)、ステップS56に処理を戻す。
【0106】
ステップS56において、カウンタjの値が2i以上と判定された場合、ステップS60に進み、時間解像度創造部92は、カウンタiの値を1つだけインクリメントし、カウンタjの値を、ゼロにリセットして、ステップS55に処理を戻す。いまの場合、j=1,2i=20=1なので、ステップS56からステップS60に進み、j=0,i=1とされる。
【0107】
いま、i=1,n=2なので、ステップS55において、YESと判定され、j=0,2i=2なので、ステップS56において、YESと判定される。ステップS57で、j/2i=0のフィールド(図20のフィールド141)と、(j+1)/2i=1/2のフィールド(図20のフィールド143)の間の(2j+1)/2i+1=1/22=1/4のフィールド(図20のフィールド143)が補間生成される。
【0108】
ステップS59で、j=1とされ、j=1<21=2なので、ステップS56でYESと判定される。ステップS57で、j/2i=1/2のフィールド(図21のフィールド143)と、(j+1)/2i=2/2=1のフィールド(図21のフィールド142)の間の(2j+1)/2i+1=3/22=3/4のフィールド(図21のフィールド145)が補間生成される。
【0109】
次のステップS59で、j=2とされ、ステップS56で、j=2=21=2なので、NOと判定される。ステップS60で、i=2,j=0とされる。
【0110】
ステップS55において、カウンタiの値がn以上であると判定された場合、ステップS61に進み、時間解像度創造部92は、内部で保持している生成した画像と原画像を、静止画保持部82に出力する。いまの場合、i=2,n=2なので、ステップS55でNOと判定され、ステップS61の処理が実行される。
【0111】
以上の図19に示されるフローチャートでは、時間間隔が、フィールド間隔より大きい場合には、そのまま該当する時刻の静止画をスルー出力するようにしたが、精度の細かいきれいな静止画を必要に応じて生成するようにしてもよい。
【0112】
図22は、図14に示した画像を出力する時間間隔のタイミングの例に、上述の画像創造処理によって画像が補間生成された場合を、図22Dとして追加して示す図であり、図14と同一のものについては、同一の符号が付されている。図22Dに示されるように、推定動作速度が速い図中A2の時間帯において、1フィールド単位より小さい単位の補間画像Fm1とFm2が出力されており、注目対象の動作の詳細な分析が可能となる。
【0113】
図23は、上述の本発明のストロボ表示装置を使用して、図5で示される体操競技の前転とび前方宙返りの動作を9分割のモニタ画面に出力した例を示している。図5では、表示されていなかった宙返りの動作が、図23では、表示されている。すなわち、連続する複数のフィールド201のうち、時刻t21のフィールド201−1が最初の静止画として取り込まれ、その後、動作速度に合わせた時刻t22乃至t29において、動作速度が速い時間帯ほど、時間間隔が狭くなるように、フィールド201−2乃至201−9が順次取り込まれ、9個の小画面に同時に表示されている。
【0114】
以上のように、注目対象の動作速度に応じて、時間間隔を変化させて静止画を抽出することで、効率的な分析を可能とする表示ができるようになる。
【0115】
以上においては、フィールドとフィールドの間に、(2n−1)枚のフィールドを補間挿入するようにしたが、1,2,3,4,5,・・・等の任意の数のフィールドを挿入するようにすることもできる。
【0116】
一方、時間間隔がストロボ表示装置により決定されるため、ユーザは、表示されている画像間の時間間隔を把握しにくいという問題が考えられる。そこで、ユーザが表示されている画像間の時間間隔を直感的に分かり易くするための実施の形態について、以下に述べる。
【0117】
図24は、時間間隔を直感的に分かり易くするために、それぞれの静止画に、ストロボ表示開始時刻からの実経過時間を併せて表示させた場合の、静止画取得表示部62の構成例を示している。この静止画取得表示部62においては、図8の静止画保持部82と提示情報作成部83の間に、時間挿入部212が配置されている。時間挿入部212には、実時間算出部211が算出した実時間が供給されている。その他の構成は、図8における場合と同様である。なお、図中、図8と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は省略する。
【0118】
実時間算出部211は、時間間隔算出部74(図7)より入力された時間間隔情報に基づいて、ストロボ表示開始時刻からの実時間を計算し、時間挿入部212に出力する。実時間は、例えば、フィールド周期が60Hzのインターレース映像ならば、1フィールドは、1/60秒であるので、フィールドの枚数から計算される。
【0119】
時間挿入部212は、静止画保持部82より入力された静止画に、実時間算出部211より入力された実時間を、重ねて表示されるように挿入し、提示情報作成部83に出力する。
【0120】
図25は、静止画にストロボ表示開始時刻からの実経過時間を表示した場合の画面出力の原理を示している。連続するフィールド221のうち、ストロボ表示開始時刻t21の静止画221−1を0s(秒)として、時刻t22乃至t29において取り込まれた静止画221−2乃至221−9の、それぞれの図中左下に、実経過時間が表示されている。すなわち、時刻t22の静止画221−2は、静止画221−1から12枚目であるので、0.2s(=(1/60)×12)と表示され、静止画221−3は、静止画221−1から18枚目なので、0.3s(=(1/60)×18)と表示されている。以下、時刻t24からt29の静止画221−4乃至221−9は、静止画221−1からそれぞれ、24枚目、27枚目、30枚目、33枚目、38枚目、または、48枚目なので、0.4s,0.45s,0.5s,0.55s,0.63s,0.8sと表示される。
【0121】
ただし、実際には、このような体操競技の時間はもっと長いので(時刻t21乃至t29までの実際の時間はもっと長いので)、その間のフィールドの数ももっと多くなり、表示される数字ももっと大きくなる。
【0122】
時間間隔を直感的に分かり易くするために、次の画面までの時間間隔を矢印の長さで表現することができる。この場合、静止画取得表示部62は、図26に示されるように構成される。この例の場合、図8の静止画保持部82と提示情報作成部83の間に、矢印挿入部232が配置されている。矢印挿入部232には、矢印長さ算出部231が算出した矢印の長さ情報が供給されている。その他の構成は、図8における場合と同様である。なお、図中、図8と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は省略する。
【0123】
矢印長さ算出部231は、時間間隔算出部74より入力された時間間隔情報を矢印の長さに変換し、その矢印の長さ情報を矢印挿入部232に出力する。長さが長い矢印は、次の画面までの時間間隔が長いことを表し、反対に、長さが短い矢印は、次の画面までの時間間隔が短いことを表す。矢印長さ算出部231は、矢印の長さを、小画面の幅を矢印の長さの最大値の1としたとき、全ての矢印の長さの和が1になるように決定する。例えば、9画面の場合、矢印の長さlength(n,j)は、次式で求められる。
【数3】
ここで、nは小画面の番号を表し、jは静止画保持画像数を表し、Tnは次の画面までの時間間隔情報を表す。
【0124】
いま、上述の図25に示される時間経過で、静止画が小画面に出力されるとすると、時間間隔情報Tiは、T0=0.2(=0.2-0),T1=0.1(=0.3-0.2),T2=0.1(=0.4-0.3),T3=0.05(=0.45-0.4),T4=0.05(=0.5-0.45),T5=0.05(=0.55-0.5),T6=0.08(=0.63-0.55),T7=0.17(=0.8-0.63)となる。矢印の長さは、静止画保持画像数jが増加する毎(表示される小画面数が増加する毎)に改めて算出され、更新される。
【0125】
すなわち、最初に、1つの小画面(9分割された画面の左上)が表示される場合、n=0,j=0なので、その矢印の長さは、length(0,0)=T0/T0=0.2/0.2=1となる。従って、最初の1つの小画面だけが表示されている状態の場合、矢印の長さは1(小画面の幅の長さ)とされる。
【0126】
次に、2つの小画面(9分割された画面の左上とその右隣)が表示される場合、矢印の長さは更新され、1つ目の小画面に表示する矢印長さは、length(0,1)=T0/(T0+T1)=0.2/(0.2+0.1)=2/3となり、2つ目の小画面に表示する矢印長さは、length(1,1)=T1/(T0+T1)=0.1/(0.2+0.1)=1/3となる。2つの矢印の長さの和は、2/3+1/3=1となっている。
【0127】
このようにして、矢印の長さは、静止画保持画像数が増加する毎(表示される小画面数が増加する毎)に更新されながら、9つの小画面に表示される。従って、同じ静止画であっても、表示される静止画の枚数が増える毎に、1枚当たりの時間間隔の比率は小さくなるので、矢印の長さは、次第に短くなる。
【0128】
矢印挿入部232は、矢印長さ算出部231より入力された矢印の長さ情報に基づいて、静止画保持部82より入力された静止画に、対応する長さの矢印を合成し、提示情報作成部83に出力する。
【0129】
図27は、上述のように矢印の長さが算出され、連続するフィールド241から、矢印が挿入された静止画241−1乃至241−9が、9つの小画面に出力された例を示している。すなわち、時刻t21の静止画241−1には、次の時刻t22までの時間間隔を表した矢印242−1(矢印の長さlength(0,7)=T0/ΣTi=0.2/0.8=0.25)が表示され、時刻t22の静止画241−2には、次の時刻t23までの時間間隔を表した矢印242−2(矢印の長さlength(1,7)=T1/ΣTi=0.1/0.8=0.125)が表示されている。以下、時刻t23乃至t28の静止画241−3乃至241−8には、矢印242−3乃至242−8が同様に算出され、表示されている。時刻t29の静止画241−9には、次の画面がないため、矢印は、表示されない。
【0130】
時間間隔を直感的に分かり易くするために、隣接する画面との距離が離れているほど時間間隔が長く、近いほど、時間間隔が短い、というように表すことができる。この場合、静止画取得表示部62は、図28に示されるように構成される。この例の場合、図8の静止画保持部82の後段に、縮小画像生成部252が配置され、縮小画像生成部252の後段に提示情報作成部253が配置されている。時間間隔算出部74(図7)より入力される時間間隔情報は、画像創造部81と静止画保持部82のほかに、画像表示位置算出部251にも供給される。画像表示位置算出部251は、時間間隔算出部74より入力された時間間隔情報に基づいて、分割された小画面の表示位置を算出して、提示情報作成部253に出力する。その他の構成は、図8における場合と同様である。なお、図中、図8と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は省略する。
【0131】
小画面内の画像の表示位置は、例えば、各画像の中心位置で考えると、ストロボ表示が開始された時刻(1枚目の静止画が取り込まれた時刻)を基準として、各静止画が取り込まれるまでの経過時間と、小画面に表示されたときの、各画像の中心位置の距離の比の関係が、保たれるように(正比例するように)計算される。具体的には、9分割された画面を例にすると、n番目の画像の位置の比x(n)は、次式で計算される。
【数4】
ここで、Tnはn番目の時間間隔情報を表す。最初(1枚目)の画像の表示位置は、画面の左端に、最後(9枚目)の画像の表示位置は、画面の右端に固定するものとして、9つの小画面を横方向に一列に並べた際の、左端画面(1枚目の画像)から右端画面(9枚目の画像)までの画像中心位置の全体の距離長さが、上記式の分母に相当する。また、上記式の分子は、1枚目の画像中心位置を基準として、n番目までの画像中心位置の距離である。
【0132】
上述の図25に示される時間経過の数値を例にすると、x(1)=0.2/0.8=2/8,X(2)=0.3/0.8=3/8,X(3)=0.4/0.8=4/8,・・・が、1枚目の画像(の中心)を基準としたn番目の画像の位置の比x(n)である。
【0133】
縮小画像生成部252は、静止画保持部82より入力された静止画を、小画面内で表示位置を変化させるために、例えば、3/4の大きさに縮小する処理を行う。そして、縮小された静止画の画像が、小画面の中心位置を仮の位置として、提示情報作成部253に出力される。
【0134】
提示情報作成部253には、画像表示位置算出部251より入力される小画面内における画像の表示位置情報と、縮小画像生成部252より入力される3/4に縮小された静止画の画像が、それぞれ入力される。提示情報作成部253は、表示位置情報に基づいて、縮小された画像を移動して出力する。なお、入力された位置情報に従うと、縮小された静止画の画像が小画面をはみ出す場合、提示情報作成部253は、はみ出さないように修正を加える。
【0135】
図29は、図28の構成により、提示情報作成部253が9分割されたマルチ画面に出力する原理を示している。連続するフィールド261のうち、時刻t21における静止画261−1の縮小された画像は、小画面の左端に配置され(縮小された画像の左端が、小画面の左端に位置するように配置され)、時刻t29における静止画261−9の縮小された画像は、小画面の右端に配置されている(縮小された画像の右端が、小画面の右端に位置するように配置されている)。そして、時刻t22における静止画261−2から時刻t28における静止画261−8までのそれぞれの縮小された画像は、上述の画像の位置の比に従って配置されている。
【0136】
これまでの実施の形態では、表示する画像に直感的な時間間隔の情報が付加されているが、画面の表示する順番は、例えば、左上が1番目で、右下が9番目というように、左上から右下方向に固定である。予め決められた一定の方向に静止画の表示を行った場合、動作の方向と表示する方向が異なるために、動作が直感的にわかりにくくなる場合がある。そこで、小画面の表示する順番を対象動作の方向と対応するように表示することが考えられる。その場合の静止画取得表示部62は、図30に示されるように構成される。提示情報作成部272は、動作方向算出部271より注目対象となる動作方向の情報が供給される点で、図8の提示情報作成部83と異なる。その他の構成は、図8における場合と同様である。なお、図中、図8と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は省略する。
【0137】
動作方向算出部271には、領域抽出部72から背景領域が取り除かれた動きベクトルが入力される。動作方向算出部271は、注目対象の動作方向を算出し、動作方向の情報として提示情報作成部272に出力する。動作方向としては、例えば、度数の最大の動きベクトルの方向が、その画像の動作方向として算出される。あるいは、動作方向は、全動きベクトルの平均値などで算出されてもよい。
【0138】
提示情報作成部272は、静止画保持部82より入力された静止画を、動作方向算出部271からの動作方向の情報に基づき、出力する小画面の位置を決定し、出力する。
【0139】
図31は、これまでと同様の前転とび前方宙返りの映像が、上述の動作方向に合わせた表示順に出力される原理を示しており、また、図32は、図31の例と動作が逆方向となる、後方に回転する動作が出力される原理を示している。図31において、連続するフィールド281のうち、時刻t21の静止画281−1が9分割画面のうちの画面右下に出力され、時刻t22の静止画281−2が、9分割画面のうちの画面右中央に表示されている。それ以降、時刻t23乃至t29の静止画281−3乃至281−9が、反時計方向に回転するように順次表示されている。
【0140】
それに対して、図32においては、連続するフィールド291のうち、時刻t21の静止画291−1が9分割画面のうちの画面左下に出力され、時刻t22の静止画291−2が、9分割画面のうちの画面左中央に表示されている。それ以降の時刻t23乃至t29の静止画291−3乃至291−9が、時計方向に回転するように順次表示されている。このように、図31と図32の表示される小画面の方向は、注目対象の動作の方向に合わせて、逆方向となされている。
【0141】
以上、これまでの実施の形態では、図33に示されるようなストロボ表示装置300が、モニタ301に出力し、モニタ301は、9つの小画面に分割されて、静止画が、それぞれの小画面に順次表示される例を考えてきた。
【0142】
しかし、当然ながら、図34に示されるようにストロボ表示装置400は、モニタと一体となって(モニタに組み込まれた形で)、マルチ画面を表示するようになされてもよい。
【0143】
また、図35に示されるように、1台のストロボ表示装置300に対して、複数のモニタ301−0乃至301−nを接続して、マルチ画面表示を行うようにしてもよい。この場合、例えば、それぞれのモニタ301−0乃至301−nには、ID(Identification)が割り当てられ、互いの位置関係が把握できる位置センサが搭載され、ストロボ表示装置300は、その位置センサの検出結果に従って画像の出力先を決定する。
【0144】
あるいは、図36に示されるように、モニタと一体化された複数のストロボ表示装置400−0乃至400−nを使用する場合、それぞれの複数のストロボ表示装置400−0乃至400−nに同じ映像信号が入力され、各ストロボ表示装置間で映像表示の開始と終了のタイミングを合わせるための同期信号を利用することにより、ストロボ表示が可能となる。図36の例では、ストロボ表示装置400−0がその同期信号を供給するようになされている。
【0145】
図37に示されるストロボ表示システムでは、モニタ500−1とモニタ500−2の2台のモニタがあり、1台のストロボ表示装置(図示せず)の出力により、それぞれのモニタ500−1と500−2は、画面を4分割して表示する。モニタ500−1と500−2の距離は、d1だけ離れて配置されている。また、分割されたそれぞれの小画面に静止画511−1乃至511−8が表示されるようになっている。モニタ500−1は、静止画511−1,511−2を、その上半分の2つの小画面で表示し、モニタ500−2は、それに続く静止画511−3,511−4を、その上半分の2つの小画面で表示する。続く静止画511−5,511−6は、モニタ500−1の下半分の2つの小画面で表示され、続く静止画511−7,511−8は、モニタ500−2の下半分の2つの小画面で表示される。
【0146】
このようなシステムにおいて、例えば、静止画511−1と静止画511−2の時間間隔と、静止画511−2と静止画511−3の時間間隔が、同じ時間間隔で表示された場合、静止画511−1と静止画511−2は、小画面が隣接して配置されており、静止画511−2と静止画511−3画面は、距離d1だけ離れて配置されているので、物理的配置と時間間隔が対応しないために、動作が直感的に分かりにくい、と考えられる。また、画面が離れているという空間的広がりが生かされていない。
【0147】
そこで、表示装置間の距離に従って、時間間隔を変化させることが考えられる。この例の場合、時間間隔決定部61は、図38に示されるように構成される。時間間隔算出部520には、動き量算出部73より入力される動作速度のほかに、図37のモニタ500−1と500−2の距離d1のような表示装置間距離情報が入力される。その他の構成は、図7における場合と同様である。なお、図中、図7と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は省略する。
【0148】
時間間隔算出部520には、動き量算出部73が出力する動作速度のほかに、表示装置間情報が供給される。表示装置間情報は、例えば、距離センサとしての赤外線センサ(図示せず)の出力を基に算出される値である。時間間隔算出部520は、動作速度と表示装置間情報に基づいて、時間間隔を算出し、静止画取得表示部62に時間間隔情報として出力する。時間間隔情報は、これから静止画(例えば、静止画511−3)を出力する画面と、1つ前の静止画(静止画511−2)画面とで、表示装置が跨る場合、まず、動作速度に基づく時間間隔が算出され、さらに、現在の動作は等速直線運動であるとの仮定に基づいて、動作速度に基づく時間間隔の値を整数倍して算出される。表示装置が跨らない場合、時間間隔算出部520は、距離情報を加味せず、すなわち、動作速度に基づく時間間隔の値を整数倍せず、時間間隔情報として算出する。
【0149】
図39は、図38に示されるように構成されたストロボ表示装置を使って、3台のモニタ500−1乃至500−3に、4分割のマルチ画面表示を行う例を示している。各モニタは、それぞれ距離d10だけ離れて配置されている。表示装置間距離情報を考慮しない場合(図7に示される構成の時間間隔算出部74が出力する時間間隔で画像が取り込まれる場合)、連続するフィールド521のうち、時刻t31,t32,t33,・・・における静止画521−1,521−2,521−3,・・・が、順次取り込まれる。すなわち、モニタ500−1の小画面531−1,531−2に、時刻t31,t32の静止画521−1,521−2が表示された後、モニタ500−2の小画面531−3,531−4には、同一の時間間隔の時刻t33,t34の静止画521−3,521−4が表示される。
【0150】
これに対して、表示装置間距離d10が考慮される場合(図38に示される構成の時間間隔算出部520が出力する時間間隔で画像が取り込まれる場合)、モニタ500−1の小画面531−2に時刻t32の静止画521−2が表示された後、モニタ500−1とモニタ500−2の間の距離d10に対応するタイミングの時刻t33,t34の静止画521−3と521−4が省略され、モニタ500−2の小画面531−3には、時刻t35の静止画521−5が表示されている。同様に、モニタ500−2とモニタ500−3の間では、モニタ500−2の小画面531−4に、時刻t36の静止画521−6が表示された後、時刻t37,t38の静止画521−7と静止画521−8が省略されて、モニタ500−3の小画面531−5には、時刻t39の静止画521−9が表示されている。
【0151】
以上のように、複数台の表示装置を使ったストロボ表示システムにおいて、表示画面の物理的距離間隔と、映像の時間間隔を対応させることにより、注目対象の動作が直感的に分かり易くなる。
【0152】
以上においては、フィールドを単位として処理する場合を例としたが、フレーム単位でもよい。すなわち、任意の表示単位とすることができる。
【0153】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。
【0154】
そこで、図40は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータ600の一実施の形態の構成例を示している。
【0155】
プログラムは、コンピュータ600に内蔵されている記録媒体としてのハードディスク605やROM603に予め記録しておくことができる。
【0156】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体611に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体611は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0157】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体611からコンピュータ600にインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータ600に無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータ600に有線で転送し、コンピュータ600では、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部608で受信し、内蔵するハードディスク605にインストールすることができる。
【0158】
コンピュータ600は、CPU(Central Processing Unit)602を内蔵している。CPU602には、バス601を介して、入出力インタフェース610が接続されており、CPU602は、入出力インタフェース610を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイクロホン等で構成される入力部607が操作される等して指令が入力されると、それにしたがって、ROM (Read Only Memory)603に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU602は、ハードディスク605に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部608で受信されてハードディスク605にインストールされたプログラム、またはドライブ609に装着されたリムーバブル記録媒体611から読み出されてハードディスク605にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)604にロードして実行する。これにより、CPU602は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU602は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース610を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部606から出力したり、あるいは、通信部608から送信したり、さらには、ハードディスク605に記録させる。
【0159】
なお、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0160】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0161】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を表すものである。
【0162】
【発明の効果】
以上のごとく本発明によれば、静止画を表示させることができる。特に、動作速度に拘らず、ユーザが認識し易いように静止画を表示させることができる。
【0163】
また、本発明によれば、複数の表示装置に静止画を表示することができる。特に、各表示装置間の距離に拘らず、ユーザが認識し易いように静止画を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のストロボ表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の時間間隔決定部の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の静止画取得表示部の構成例を示すブロック図である。
【図4】体操競技者の動作を説明する図である。
【図5】体操競技者の動作を従来のストロボ表示装置が出力した例を示す図である。
【図6】本発明を適用したストロボ表示装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の時間間隔決定部の構成例を示すブロック図である。
【図8】図6の静止画取得表示部の構成例を示すブロック図である。
【図9】時間間隔決定部による時間間隔決定処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】時間間隔決定部による時間間隔決定処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】図9のステップS6における動きベクトルの算出を説明する図である。
【図12】図9のステップS10における背景領域の抽出を説明する図である。
【図13】図10のステップS11における動作速度の推定を説明する図である。
【図14】動作速度に応じて出力されるフィールドの時間間隔を説明する図である。
【図15】図8の画像創造部の構成例を示すブロック図である。
【図16】図15の時間解像度創造部の構成例を示すブロック図である。
【図17】図16の係数メモリに記憶される予測係数を求める学習装置の構成例を示すブロック図である。
【図18】図8の静止画取得表示部による静止画創造処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】図18のステップS41における画像創造処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】図19のステップS57における画像生成を説明する図である。
【図21】図19のステップS57における画像生成を説明する図である。
【図22】補間生成されて出力されるフィールドの時間間隔を説明する図である。
【図23】体操競技者の動作を本発明のストロボ表示装置が9分割のマルチ画面に出力した例を示す図である。
【図24】静止画にストロボ表示開始時刻からの実経過時間を併せて表示する場合の静止画取得表示部62の構成例を示すブロック図である。
【図25】図24の静止画取得表示部を有するストロボ表示装置が9分割のマルチ画面に出力した例を示す図である。
【図26】次の画面までの時間間隔を矢印の長さで表す場合の静止画取得表示部62の構成例を示すブロック図である。
【図27】図26の静止画取得表示部を有するストロボ表示装置が9分割のマルチ画面に出力した例を示す図である。
【図28】時間間隔を隣接する画面との距離で表す場合の静止画取得表示部62の構成例を示すブロック図である。
【図29】図28の静止画取得表示部を有するストロボ表示装置が9分割のマルチ画面に出力した例を示す図である。
【図30】小画面に表示する順を注目対象の動作方向と対応するように表示する場合の静止画取得表示部62の構成例を示すブロック図である。
【図31】図30の静止画取得表示部を構成とするストロボ表示装置が前転とび前方宙返りの動作を9分割のマルチ画面に出力した例を示す図である。
【図32】図30の静止画取得表示部を構成とするストロボ表示装置が後転とび後方宙返りの動作を9分割のマルチ画面に出力した例を示す図である。
【図33】モニタを含まない本発明のストロボ表示装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【図34】モニタと一体化された本発明のストロボ表示装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【図35】図33のストロボ表示装置が複数のモニタを使用する一実施の形態の構成例を示す図である。
【図36】図34のストロボ表示装置を複数個使用する一実施の形態の構成例を示す図である。
【図37】2台のマルチ画面の構成例を示す図である。
【図38】表示装置間の距離情報に従って時間間隔を変化させた場合の時間間隔決定部の構成例を示すブロック図である。
【図39】図38の時間間隔決定部を有するストロボ表示装置が4分割のマルチ画面に出力した例を示す図である。
【図40】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
60 時間間隔決定部, 61 動き検出部, 62 領域抽出部, 63 動き量算出部, 64 時間間隔算出部, 70 静止画取得表示部, 71 画像創造部, 72 静止画保持部, 73 提示情報作成部, 81 時間解像度創造判定部, 82 時間解像度創造部, 211 実時間算出部, 212 時間挿入部, 231 矢印長さ算出部, 232 矢印挿入部, 251画像表示位置算出部, 252 縮小画像生成部, 253 提示情報作成部, 271 動作方向算出部, 272 提示情報作成部, 520 時間間隔算出部
Claims (14)
- 入力された映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として画面に表示させるように出力する映像信号処理装置において、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された前記動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定手段と、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定手段により決定された前記時間間隔で取得し、保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された前記表示単位の画像を出力する出力手段と
を備え、
前記出力手段は、前に出力表示される前記表示単位の画像と、その後に出力、表示される前記表示単位の画像との距離を前記時間間隔に対応させて前記表示単位の画像を出力する
ことを特徴とする映像信号処理装置。 - 前記出力手段は、時間の経過に沿った順番に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。 - 前記出力手段は、複数の前記表示単位の画像を、前記注目対象の動作の方向に対応して表示させるように出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。 - 前記時間間隔決定手段により決定された前記時間間隔が、前記表示単位の時間間隔より短い場合、前記表示単位と次の表示単位の間の静止画を補間して生成する生成手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。 - 前記出力手段により出力された静止画を表示する表示手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。 - 入力された映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として画面に表示させるように出力する映像信号処理装置の映像信号処理方法において、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された前記動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定ステップの処理により決定された前記時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、
前記保持制御ステップの処理により保持された前記表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップと
を含み、
前記出力制御ステップの処理は、前に出力表示される前記表示単位の画像と、その後に出力、表示される前記表示単位の画像との距離を前記時間間隔に対応させて前記表示単位の画像を出力する
ことを特徴とする映像信号処理方法。 - 入力された映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として画面に表示させるように出力する映像信号処理装置のプログラムであって、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された前記動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定ステップの処理により決定された前記時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、
前記保持制御ステップの処理により保持された前記表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップと
を含み、
前記出力制御ステップの処理は、前に出力表示される前記表示単位の画像と、その後に出力、表示される前記表示単位の画像との距離を前記時間間隔に対応させて前記表示単位の画像を出力する
処理を映像信号処理装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。 - 入力された映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として画面に表示させるように出力する映像信号処理装置を制御するコンピュータに、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された前記動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定ステップの処理により決定された前記時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、
前記保持制御ステップの処理により保持された前記表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップと
を含み、
前記出力制御ステップの処理は、前に出力表示される前記表示単位の画像と、その後に出力、表示される前記表示単位の画像との距離を前記時間間隔に対応させて前記表示単位の画像を出力する
処理を実行させることを特徴とするプログラム。 - 入力された映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として画面に表示させるように出力する映像信号処理装置において、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された前記動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定手段と、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定手段により決定された前記時間間隔で取得し、保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された前記表示単位の画像を出力する出力手段と
を備え、
前記出力手段は、次に出力する前記表示単位の画像までの時間間隔に対応する長さの矢印を、前記表示単位の画像に付加して出力する
ことを特徴とする映像信号処理装置。 - 入力された映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として画面に表示させるように出力する映像信号処理装置の信号処理方法において、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された前記動作速度に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定ステップの処理により決定された前記時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、
前記保持制御ステップの処理により保持された前記表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップと
を含み、
前記出力ステップの処理は、次に出力する前記表示単位の画像までの時間間隔に対応する長さの矢印を、前記表示単位の画像に付加して出力する
ことを特徴とする映像信号処理方法。 - 入力された映像信号を表示する複数の表示装置と、
入力された前記映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として、複数の前記表示装置に、表示させるように出力する映像信号処理装置と
を備える映像信号処理システムにおいて、
前記映像信号処理装置は、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された前記動作速度と、前記複数の表示装置間の距離に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定手段と、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定手段により決定された前記時間間隔で取得し、保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された前記表示単位の画像を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする映像信号処理システム。 - 入力された映像信号を表示する複数の表示装置と、
入力された前記映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として、複数の前記表示装置に、表示させるように出力する映像信号処理装置と
を備える映像信号処理システムの映像信号処理方法において、
前記映像信号処理装置の映像信号処理方法は、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された前記動作速度と、前記複数の表示装置間の距離に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定ステップの処理により決定された前記時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、
前記保持制御ステップの処理により保持された前記表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップと
を含むことを特徴とする映像信号処理方法。 - 入力された映像信号を表示する複数の表示装置と、
入力された前記映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として、複数の前記表示装置に、表示させるように出力する映像信号処理装置と
を備える映像信号処理システムのプログラムであって、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された前記動作速度と、前記複数の表示装置間の距離に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定ステップの処理により決定された前記時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、
前記保持制御ステップの処理により保持された前記表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップと
を映像信号処理装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。 - 入力された映像信号を表示する複数の表示装置と、
入力された前記映像信号の複数の表示単位の画像を、所定の順番の静止画として、複数の前記表示装置に、表示させるように出力する映像信号処理装置と
を備える映像信号処理システムの前記映像信号処理装置を制御するコンピュータに、
入力された前記映像信号の注目対象の動作速度を推定する推定ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された前記動作速度と、前記複数の表示装置間の距離に合わせて、時間間隔を決定する時間間隔決定ステップと、
入力された前記映像信号の前記表示単位の画像を、前記時間間隔決定ステップの処理により決定された前記時間間隔で取得し、保持を制御する保持制御ステップと、
前記保持制御ステップの処理により保持された前記表示単位の画像の出力を制御する出力制御ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
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