JP4095216B2 - プリンタおよびプリンタ内のデータ通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の回路モジュールを内蔵するプリンタに関し、特に、回路モジュール間で高速にデータ通信を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタを制御するプリンタ制御回路は、通常、複数の回路モジュールで構成されている。例えば、図9は、ホストコンピュータとの信号の送受を行うIFモジュール11と、画像処理を行う画像処理モジュール12と、プリンタの機構部分を制御するメカ制御モジュール13とを有するプリンタ制御回路の従来例を示している。これらモジュールはそれぞれ別個のCPUやASICを有し、通常はそれぞれ別基板で構成されている。
【0003】
各モジュールは、入出力ポートを有し、隣接するモジュールとの間で互いに信号の送受を行う。例えば、図9の場合、IFモジュール11と画像処理モジュール12との間で信号の送受を行い、また、画像処理モジュール12とメカ制御モジュール13との間で信号の送受を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示すように、隣接する2つの入出力ポート間で双方向にデータを送受する場合、単方向にデータを送信する場合に比べて、入出力ポートの数を減らせる反面、データの伝送速度が遅くなるという問題がある。
【0005】
また、複数の回路モジュールを双方向バスに接続してデータの送受信を行う場合、通信準備が整うまでに時間がかかり、バスを制御するプロトコルも面倒になるため、所望の回路モジュールに対して迅速にデータを送信できないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、入出力ポートの数を増やさずに高速にデータ通信を行うことができるプリンタおよびプリンタ内のデータ通信方法を提供することにある。
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様によれば、リング状に接続され単方向にデータを送信可能な3つ以上の回路モジュールを備え、
前記3つ以上の回路モジュールはそれぞれ、印刷データを送受するデータチャネル部と、刷制御データを送受する制御チャネル部と、他の回路モジュールとの間で前記印刷データおよび前記印刷制御データを送受するコネクタとを有し、
前記印刷データおよび前記印刷制御データをパケットの形態で送受し、
前記パケットは、送信先の回路モジュールのアドレス情報を有し、
前記3つ以上の回路モジュールのうち、いずれか一つはマスター回路モジュールに、その他すべてはスレーブ回路モジュールに割り当てられ、
前記マスター回路モジュールは、
すべての前記スレーブ回路モジュールに対してブロードキャスト・パケットを送信して、通信可能な前記スレーブ回路モジュールを把握し、
前記把握したスレーブ回路モジュールそれぞれに対して論理アドレスを割り振るアドレス設定手段と、
割り振った論理アドレスすべてを記録した論理アドレス一覧表をすべての前記スレーブ回路モジュールにブロードキャスト送信するアドレス送信手段とを有し、
前記スレーブ回路モジュールはそれぞれ、前記マスター回路モジュールから送信された自己の論理アドレス情報と他のすべてのスレーブ回路モジュールの論理アドレス情報とを記憶するアドレス記憶手段とを有することを特徴とするプリンタが提供される。
【0008】
本発明では、プリンタ内部の3つ以上の回路モジュールをリング状に接続して単方向にデータを送信するため、入出力ポートの数を増やさずに、高速伝送が可能になる。また、3つ以上の回路モジュールのうち、いずれか一つをマスター回路モジュールに、他をスレーブ回路モジュールに割り当てるため、マスター回路モジュールからブロードキャスト・パケットを送信することにより、すべてのスレーブ回路モジュールを制御することがでる。また、マスター回路モジュールは各スレーブ回路モジュールの論理アドレスを決定して、各スレーブ回路モジュールに通知するため、各回路モジュールはこの論理アドレスを利用して他の回路モジュールと容易に通信することができる。
【0011】
本発明では、マスター回路モジュールが送信した論理アドレス情報が自己に戻ってくると、すべてのスレーブ回路モジュールが論理アドレス情報を受け取ったと判断して通信許可信号をブロードキャスト送信するため、通信開始までの手順を簡素化できる。
【0012】
本発明では、通信を開始する前に、送信元の回路モジュールは送信先の回路モジュールから通信準備完了信号か通信不能信号を受けるようにしたため、通信エラーを未然に防止できる。
【0013】
本発明では、通信準備完了信号と通信不能信号をともに受信した場合は、通信不能と判断するようにしたため、送信先の通信準備が整っていないのに通信を行うような不具合が起きなくなる。
【0014】
本発明では、通信準備完了信号と通信不能信号がともに受信されない場合は、待機するようにしたため、多少通信速度が遅くなっても、確実に通信を行うことができる。
【0016】
本発明では、送信元の回路モジュールと送信先の回路モジュールは非同期で動作するため、同期を取るための処理が不要となり、回路の構成を簡略化できる。
【0017】
本発明では、パケットの中に、送信先および送信元の論理アドレス情報とコマンド情報とを含めるようにしたため、確実に所望の送信先に所望のコマンドを送り届けることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプリンタについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
図1は本発明に係るプリンタ内部の概略構成図である。図1のプリンタは、3つの回路モジュールM1,M2,M3を内蔵しており、これら回路基板M1〜M3をリング状に接続して単方向にのみデータ伝送を行う点に特徴がある。
【0021】
回路モジュールM1は例えばホストコンピュータとのデータ伝送を行い、回路モジュールM2は例えば例えばホストコンピュータから送られた印刷用のデータに対して画像処理を行って印刷データを生成する処理を行い、回路モジュールM3は例えばプリンタメカの制御を行う。
【0022】
各回路モジュールM1,M2,M3はそれぞれ、データを伝送するデータチャネル1と、制御情報を伝送する制御チャネル2と、データおよび制御情報が入出力されるコネクタ3とを有する。
【0023】
隣接するコネクタ3間には転送バス4が接続されている。転送バス4のバス幅は、例えば、8ビット、16ビットおよび32ビットから選択可能とされている。また、転送バス4には、アドレス線が1本設けられている。このアドレス線の論理により、データチャネル1用のデータと制御チャネル2用のデータとを区別することができる。
【0024】
各回路モジュール間では、非同期通信を行う。このため、送信元の回路モジュールのシステムクロックと、送信先の回路モジュールのシステムクロックとは、互いに非同期で構わない。
【0025】
通信速度は、送信元と送信先の各回路モジュールのシステムクロックのうち、周波数が低い方のシステムクロックに合わせる。また、1パケットのデータを転送するのに、システムクロックが2クロック分必要とされる。したがって、送信元と送信先の各回路モジュールのシステムクロックがともに40MHzであれば、転送速度は20MHzになる。
【0026】
図1のデータチャネル1では、印刷データの転送を行う。制御チャネル2では、プリンタ制御コマンド、プリンタ・メンテナンス・コマンド、および通信制御コマンドなどの制御情報の転送を行う。
【0027】
送信先の回路モジュールが、何らかの事情により、送信元の回路モジュールの印刷データを受信できない場合でも、通信を遮断させることなく、制御チャネル2に切り換えてコマンドの通信を継続することができる。
【0028】
また、制御チャネル2に流れるコマンドは、データチャネル1に流れる印刷データよりも通信の優先順序が高く設定されている。このため、送信元の回路モジュールは、データチャネル1への印刷データと制御チャネル2へのコマンドとの双方が存在する場合には、制御チャネル2へのコマンドを優先させて送信する。
【0029】
転送バス4を介して伝送される信号には、送信元の回路モジュールが送信先の回路モジュールに送信する信号と、送信先の回路モジュールが送信元の回路モジュールに送信する信号とが含まれている。
【0030】
送信先への信号の中には、送信先アドレスを指定するアドレス信号ADxxと、送信データ信号DATAxxと、データの送信を通知するストローブ信号STBxxとが存在する。また、送信元への信号の中には、データの受信準備が整ったことを通知するアクノリッジ信号(通信準備完了信号)ACKxxと、データの受信準備が整っていないことを通知するナック信号(通信不能信号)NACKxxとが存在する。
【0031】
図1に示すように、各回路モジュールは、リング状に接続されているため、単方向にパケットを伝送しても、すべての回路モジュールにパケットを送り届けることができる。送信されたパケットは、各回路モジュール間を一巡して、元の回路モジュールに戻ってくる。これにより、送信元の回路モジュールは、他のすべての回路モジュールにパケットが伝送されたことを認識する。この場合、同一のパケットを何度も伝送することを避けるために、送信元のパケットは、自分に戻ってきたパケットを廃棄するのが望ましい。
【0032】
各回路モジュールは、パケットを単に受け渡しする場合と、受信したパケットを加工変形して次の回路モジュールに送信する場合がある。後者の場合、例えば、回路モジュールM1は、プリンタのコマンドを含むパケットを回路モジュールM2に送信し、回路モジュールM2は、パケット中のコマンドを解釈してドット情報に変換し、ドット情報を含むパケットを回路モジュールM3に送信する。また、回路モジュールM3は、パケットに含まれるドット情報に基づいて、プリンタの印字ヘッドから吐出されるインクの制御を行う。
【0033】
このように、プリンタの処理順序に従って各回路モジュールを配置すれば、各回路モジュールの処理結果をパケットの形態で次の処理を行う回路モジュールに伝送でき、効率よく印字処理を行うことができる。
【0034】
各回路モジュール間の転送バスの形態には種々のものが適用可能であり、PCIバス等の汎用のバスを利用してもよいし、専用のバスを利用してもよい。あるいは、コネクタ3としてUSB端子やIEEE1394端子を利用して、USBやIEEE1394の規格に沿ったデータを送受してもよい。
【0035】
本実施形態の場合、データは単方向にしか流れないため、入出力ポートの構成を簡略化できるとともに、データの伝送速度を向上できる。すなわち、双方向にデータを送受する場合、双方向バッファなどを設けなければならないため、構成が複雑になり、また、データの切り替え制御に時間がかかることから、データの伝送速度が制限されてしまうが、本実施形態のように単方向にデータ伝送を行えば、データの切り替え制御が不要な分だけ高速にデータ伝送を行える。
【0036】
データの伝送速度をさらに向上させたい場合は、各回路モジュール間で送受されるデータ量に応じて回路モジュールの接続順序を決定すればよい。例えば、回路モジュールM1がIF回路モジュール、回路モジュールM2が画像処理回路モジュール、回路モジュールM3がメカ制御回路モジュールの場合、回路モジュールM1から回路モジュールM2へのデータ伝送量と、回路モジュールM2から回路モジュールM3へのデータ伝送量とが多いのに対し、回路モジュールM2から回路モジュールM1へのデータ伝送量と回路モジュールM3から回路モジュールM2へのデータ伝送量は少ない。
【0037】
このため、図1に示すように、回路モジュールM1,M2,M3の順に接続すれば、最も効率よくデータを伝送でき、平均的なデータ伝送速度を向上できる。
【0038】
図2は回路モジュール内の各部のタイミング波形図であり、図2(a)はアドレス信号ADxxが変化する場合のタイミング波形図、図2(b)はアドレス信号ADxxが変化しない場合のタイミング波形図である。
【0039】
図2(a)に示すように、送信元の回路モジュールは、アクノリッジ信号ACKxxがローレベルの間に、アドレス信号ADxxとデータ信号DATAxxを送信先の回路モジュールに送信し、かつ、ストローブ信号STBxxをハイレベルにする。ストローブ信号STBxxがハイレベルになった後、受信準備が整った時点で、送信先の回路モジュールはアクノリッジ信号ACKxxをハイレベルにする。
【0040】
また、アドレス信号ADxxが変化しない場合には、図2(b)に示すように、送信元の回路モジュールは、アクノリッジ信号ACKxxがローレベルの間に、アドレス信号ADxxとデータ信号DATAxxを送信元の回路モジュールに送信し、かつ、ストローブ信号STBxxをハイレベルにする。
【0041】
一方、図3は送信元の回路モジュールが何らかの理由でデータの受信ができない場合のタイミング波形図である。この場合、送信先の回路モジュールは、送信元の回路モジュールがストローブ信号STBxxをハイレベルにしたときに、ナック信号NACKxxをハイレベルにする(図3の時刻t1)。これにより、送信元の回路モジュールは、送信先の回路モジュールがデータの受信ができないことを認識する。
【0042】
この場合、送信元の回路モジュールは、次回の出力機会まで、送信先へのデータを保持しなければならない。送信元の回路モジュールは、送信できなかった回路モジュールと同じアドレスを指定して同一データを再送してもよいし、別の回路モジュールに対応する別のアドレスを指定して同一データを再送してもよい。
【0043】
また、図4は送信先の回路モジュールがアクノリッジ信号ACKxxもナック信号NACKxxも返さなかった場合のタイミング波形図である。送信先の回路モジュールが休止状態の場合などでは、送信元の回路モジュールにアクノリッジ信号ACKxxもナック信号NACKxxも返さない場合がある。このような場合、送信元の回路モジュールは、図4に示すように、ストローブ信号STBxxをハイレベルに保持し続ける。
【0044】
また、図5は送信元の回路モジュールがアクノリッジ信号ACKxxとナック信号NACKxxを同時に受信した場合のタイミング波形図である。このような場合、送信元の回路モジュールは、ナック信号NACKxxを優先させ、送信先の回路モジュールがデータを受信できなかったと判断する。
【0045】
次に、制御チャネル2を介して伝送されるデータの形式について説明する。上述したように、本実施形態では、制御チャネル2にパケットを伝送する。
【0046】
図6は図2〜図5に示したアクノリッジ信号ACKxxとナック信号NACKxxの制御手順を示すフローチャートである。まず、送信元の回路モジュールは、アクノリッジ信号ACKxxのみを受信したか否かを判定する(ステップS1)。ACKxxのみを受信した場合には、送信先の通信準備が整ったと判断して、送信先へのデータ送信を行う(ステップS2)。
【0047】
ステップS1の判定がNOであれば、ナック信号NACKxxのみを受信したか否かを判定する(ステップS3)。NACKxxのみを受信した場合には、送信先が通信不能と判断して、送信先へのデータ送信を中断する処理を行う(ステップS4)。
【0048】
ステップS3の判定がNOであれば、アクノリッジ信号ACKxxとナック信号NACKxxを同時に受信したか否かを判定する(ステップS5)。この判定がYESであれば、送信先が通信不能と判断して、ステップS4の処理を行う。
【0049】
ステップS5の判定がNOであれば、アクノリッジ信号ACKxxとナック信号NACKxxを双方とも受信しなかったと判断して、待機処理を行う(ステップS6)。
【0050】
図7はパケットのデータ構成を示す図である。図示のように、パケットは、送信先アドレス領域21と、送信元アドレス領域22と、データ長領域23と、コマンド領域24とで構成される。
【0051】
送信先アドレス領域21は、パケット送信先の回路モジュールの論理アドレスを示す領域であり、この領域21はさらに、全回路モジュールを指定するブロードキャスト論理アドレス領域と、特定の回路モジュールの論理アドレスを指定する個別論理アドレス領域とに分かれている。
【0052】
送信元アドレス領域22は、パケット送信元の回路モジュールの論理アドレスを示す領域である。データ長領域23は、コマンド領域のデータ長(単位バイト)を示す領域であり、この領域には任意のコマンドが格納される。
【0053】
各回路モジュールは、他の回路モジュールにコマンドを伝送する際、送信先の回路モジュールが本データ通信装置に実際に実装されているか否かを検知する必要がある。また、送信先の回路モジュールが実装されている場合には、送信先の回路モジュールの論理アドレスと、送信元である自己の論理アドレスを検知する必要がある。
【0054】
このため、本データ通信装置は、電源投入時に、実際に実装されている回路モジュールの確認と、これら回路モジュールの論理アドレスの確認とを行う。
【0055】
各回路モジュール間での通信方法には、大きく分けて、ブロードキャスト・コマンド通信とピア・トゥ・ピア・コマンド通信との2つがある。また、通信されるコマンドの種類としては主に、プリンタ制御コマンド、プリンタ・メンテナンス・コマンドと回路モジュール間の通信制御コマンドとがある。
【0056】
図8はデータの通信手順を示すフローチャートである。回路モジュール間でデータ通信を行うには、マスターとなる回路モジュール(以下、マスター回路モジュールと呼ぶ)を定める必要がある。そこで、データ通信装置の電源投入直後にディップスイッチ等の状態を調べて、マスターとなる回路モジュールを検出する(ステップS11)。なお、マスター以外の回路モジュールはすべてスレーブ(以下、スレーブ回路モジュールと呼ぶ)として扱う。
【0057】
次に、マスター回路モジュールは、ブロードキャスト・パケットを送信する(ステップS12)。このパケットを受信したスレーブ回路モジュールは、自己のID番号をマスター回路モジュール宛てに送信する(ステップS13)。
【0058】
マスター回路モジュールは、すべてのスレーブ回路モジュールからのID番号を受信すると、各スレーブ回路モジュールに対して論理アドレスを割り当てる(ステップS14)。
【0059】
次に、マスター回路モジュールは、各スレーブ回路モジュールに割り当てた論理アドレスすべてを記録した論理アドレス一覧表をパケットにしてブロードキャスト送信する(ステップS15)。
【0060】
各スレーブ回路モジュールは、このパケットを受信し、自己に割り当てられた論理アドレスと、他のすべての回路モジュールの論理アドレスとを認識し、これらの情報をモジュール内で記憶する(ステップS16)。
【0061】
マスター回路モジュールは、ステップS14で送信したパケットが戻ってくると、すべてのスレーブ回路モジュールにこのパケットが送信されたことを認識し、各スレーブ回路モジュールにパケットの通信を許可する通信許可パケットをブロードキャスト送信する(ステップS17)。
【0062】
スレーブ回路モジュールは、このパケットを受信すると、必要に応じて通信を行う(ステップS18)。
【0063】
上述した実施形態では、本発明をプリンタの回路モジュールに適用する例について説明したが、本発明はプリンタ以外の目的にも幅広く適用可能である。また、図1では、3つの回路モジュールM1,M2,M3をリング状に接続する例を説明したが、リング状に接続される回路モジュールの数には特に制限はない。
【0064】
上述した実施形態では、制御チャネル2を介してパケットを伝送する例を説明したが、データチャネル1に対してもパケットを伝送してもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、プリンタ内部の3つ以上の回路モジュールをリング状に接続して単方向にのみパケットを送信するため、入出力ポートの数を増やすことなく、各回路モジュール間で高速にデータ伝送を行うことができる。また、送信されたパケットはすべての回路モジュールを通過するため、特定の回路モジュールにパケットを届けることができるだけでなく、複数の回路モジュールにパケットを届けることもできる。
【0066】
さらに、各回路モジュール間のデータ伝送量を考慮に入れて各回路モジュールの接続順序を設定すれば、効率よくデータ伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータ通信装置の概略構成図。
【図2】(a)はアドレス信号ADxxが変化する場合のタイミング波形図、(b)はアドレス信号ADxxが変化しない場合のタイミング波形図。
【図3】送信元の回路モジュールが何らかの理由でデータの受信ができない場合のタイミング波形図。
【図4】送信先の回路モジュールがアクノリッジ信号ACKxxもナック信号NACKxxも返さなかった場合のタイミング波形図。
【図5】送信元の回路モジュールがアクノリッジ信号ACKxxとナック信号NACKxxを同時に受信した場合のタイミング波形図。
【図6】図2〜図5に示したアクノリッジ信号ACKxxとナック信号NACKxxの制御手順を示すフローチャート。
【図7】パケットのデータ構成を示す図。
【図8】データの通信手順を示すフローチャート。
【図9】プリンタ制御回路の従来例を示す図。
【符号の説明】
M1,M2,M3 モジュール
11 IFモジュール
12 画像処理モジュール
13 メカモジュール
Claims (7)
- リング状に接続され単方向にデータを送信可能な3つ以上の回路モジュールを備え、
前記3つ以上の回路モジュールはそれぞれ、印刷データを送受するデータチャネル部と、刷制御データを送受する制御チャネル部と、他の回路モジュールとの間で前記印刷データおよび前記印刷制御データを送受するコネクタとを有し、
前記印刷データおよび前記印刷制御データをパケットの形態で送受し、
前記パケットは、送信先の回路モジュールのアドレス情報を有し、
前記3つ以上の回路モジュールのうち、いずれか一つはマスター回路モジュールに、その他すべてはスレーブ回路モジュールに割り当てられ、
前記マスター回路モジュールは、
すべての前記スレーブ回路モジュールに対してブロードキャスト・パケットを送信して、通信可能な前記スレーブ回路モジュールを把握し、
前記把握したスレーブ回路モジュールそれぞれに対して論理アドレスを割り振るアドレス設定手段と、
割り振った論理アドレスすべてを記録した論理アドレス一覧表をすべての前記スレーブ回路モジュールにブロードキャスト送信するアドレス送信手段とを有し、
前記スレーブ回路モジュールはそれぞれ、前記マスター回路モジュールから送信された自己の論理アドレス情報と他のすべてのスレーブ回路モジュールの論理アドレス情報とを記憶するアドレス記憶手段とを有することを特徴とするプリンタ。 - 前記マスター回路モジュールは、前記アドレス送信手段によりブロードキャスト送信した前記論理アドレス一覧表が自己に戻ってくると、すべての前記スレーブ回路モジュールに通信許可信号をブロードキャスト送信する許可信号送信手段を有し、
前記スレーブ回路モジュールはそれぞれ、前記通信許可信号を受信すると、必要に応じて他の回路モジュールとの通信を行うことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。 - 送信元の回路モジュールからデータ通信を行いたい旨の通知信号を受けた送信先の回路モジュールは、通信準備が整った場合には、前記送信元の回路モジュールに通信準備完了信号を返し、通信が不可能な場合には、前記送信元の回路モジュールに通信不能信号を返す通信状態通知手段を有することを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
- 前記送信元の回路モジュールは、前記送信先の回路モジュールから前記通信準備完了信号と前記通信不能信号との双方を受信した場合には、通信が不可能と判断して前記送信先の回路モジュールとの通信を中断する通信中断手段を有する請求項3に記載のプリンタ。
- 前記送信元の回路モジュールは、前記送信先の回路モジュールから前記通信準備完了信号と前記通信不能信号とのいずれも受信しなかった場合には、前記通信準備完了信号と前記通信不能信号とのいずれかが受信されるまで待機する待機手段を有することを特徴とする請求項3または4に記載のプリンタ。
- 前記送信元の回路モジュールと前記送信先の回路モジュールとはそれぞれ非同期に動作し、両回路モジュールのシステムクロックの動作周波数に差異がある場合には、遅い方のシステムクロックに同期させてデータ通信を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプリンタ。
- 前記パケットは、送信先の回路モジュールの論理アドレス情報と、送信元の回路モジュールの論理アドレス情報と、印刷制御データのデータ長を示す情報と、印刷制御データに対応するコマンド情報とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプリンタ。
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