JP4094915B2 - エア注入口部の構造および研磨治具用曲率設定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアを被エア供給部材に供給するエア注入口部の構造およびこれを備えた研磨治具用曲率設定装置に関し、特に、プラスチックレンズのトーリック面、非球面、非トーリック面、任意の自由曲面形状等からなる面を研磨する研磨装置に用いられる研磨治具のバルーン部材のドーム状表面の形状をレンズの面の形状に応じて自動的に設定する研磨治具用曲率設定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、NC制御のカーブジェネレータで球面やトーリック面形状に切削されたレンズの凹面を研磨装置によって研磨するには、研磨したい凹面の形状に略一致する凸面を有する金属製の研磨治具に研磨パッドを貼付け、これを研磨したい凹面に押し付けた状態で研磨治具とレンズを相対的に摺動させることにより行っていた。したがって、このような研磨方法では研磨したいレンズの凹面の形状毎に異なった研磨治具を用意する必要がある。例えば、乱視矯正用のトーリックレンズの場合、トーリック面(円弧を、その円弧と同一面内にあり円弧の曲率中心を通らない軸の回りに回転させて得られる面の一部)が3000〜4000種類にも及ぶため、その数だけの研磨治具を用意する必要があった。このため、研磨治具の製造コストが嵩むばかりか、多数の研磨治具を整然と保管するために広い収納スペースを必要とし、またその管理も煩雑であった。
【0003】
また、球面やトーリック面だけではなく、非球面(頂点から周辺にかけて曲率が連続的に変化する回転面の一部)形状、非トーリック面(曲率が異なる互いに垂直な主経線をもつ面で、少なくとも一方の主経線の断面が円ではない面)形状、累進多焦点レンズのような自由曲面形状など複雑な形状の凹面を形成する場合があり、このような場合には従来の研磨治具を用いた研磨方法では、研磨できないという問題があった。そこで、このような問題を解決するための方法として、例えば特許文献1に記載された研磨装置とその研磨治具が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−117604号公報
【0005】
上記特開2000−117604号公報に開示された研磨装置は、被研磨物を保持する保持具と、空気圧によってドーム状に膨らまされる可撓性シートを有する研磨治具と、前記可撓性シートの表面に貼付けられる研磨パッドとを備え、前記保持具の左右および前後往復運動と、前記研磨治具の首振り旋回運動により研磨の軌跡が1周毎に少しずつずれる無軌道研磨軌跡で前記被研磨物の被研磨面を、前記研磨パッドと前記被研磨面との間に供給される研磨剤によって研磨するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した研磨治具の可撓性シートにエアを供給する方式としては、エア注入口と可撓性シート側に設けたバルブとを接続し、エア注入口から排出されるエアの圧力によって前記バルブを開き、可撓性シート内にエアを供給する方式が考えられる。
しかしながら、このようなエア供給方式においては、エア注入口とバルブとを気密に接続しなければならないため、その接続部はシール部材などを介して密閉する必要がある。このような接続構造では、接続の際に接続部(特にシール部材)が摩耗したり、接続の際に力を加えたときに研磨治具や注入口部材を変形や破損させたりする場合がある。また、接続の際に研磨治具と注入口部材とが接触すると、それらが破損したり変形したりする場合もある。
このような摩耗、破損などの影響や接続部分の製造誤差の影響により、接続部がきつくなり接続に支障が生じたり、接続部が緩かったり形状が合わなかったりするために気密性が損なわれエア漏れが生じる場合がある。エア洩れがあると正確で迅速に安定したエア供給ができないという問題が生じる。研磨治具の変形や破損は研磨治具の寸法精度の低下を引き起こし、研磨の精度に影響を与える場合がある。
上記のような問題を解決するには注入口部材や研磨治具の補修や交換が必要になるが、これは手間やコストがかかる。
また、注入口部材に形成したエア注入口は常時開放している場合、研磨剤がエア注入口から内部に浸入すると、砥粒によってエア注入口が詰まるという問題があった。
【0007】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡単な構造で注入口部材の破損やエアの洩れが少なく、注入作業をを迅速かつ安定した状態で行うことができるようにしたエア注入口部の構造を提供することにある。
また、エア注入口からの研磨剤等の浸入やエア注入口へのエアの逆流を確実に防止し得るようにしたエア注入口部の構造を提供することにある。
さらに、本発明は、上記したエア注入口部を備え、研磨治具のドーム部へのエアの注入を迅速且つ安定に行い得るようにした研磨治具用曲率設定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、注入口部材と、この注入口部材を覆うカバー部材とからなり、エア供給装置から供給されるエアを被エア供給部材の孔に組み込まれたバルブに導くエア注入口部の構造において、前記注入口部材は、外周に開口するエア注入口を有し、前記カバー部材は、中央に開口を有し前記注入口部材の上面に密着する円板状の弾性変形部と、この弾性変形部の外周に一体に連設され前記注入口部材の外周を取り囲む円筒部とを有し、前記注入口部材の外周面と前記円筒部の内周面との間には隙間を有し、前記注入口部材を前記カバー部材を介して前記孔に嵌挿した状態で、前記エア注入口にエアが供給されたときに、前記カバー部材内の圧力上昇により前記弾性変形部が弾性変形して前記注入口部材から離間し前記バルブに密着することにより、前記エア注入口と前記バルブとを接続するものである。
【0009】
第2の発明は、注入口部材と、この注入口部材を覆うカバー部材とからなり、エア供給装置から供給されるエアを被エア供給部材の孔に組み込まれたバルブに導くエア注入口部の構造において、前記注入口部材は、上面に開口するエア注入口を有し、前記エア注入口の開口部には凹部が形成されており、前記カバー部材は、中央に開口を有し前記エア注入口の上端開口の周縁側を覆う円板状の弾性変形部と、この弾性変形部の外周に一体に連設され前記注入口部材の外周を取り囲む円筒部とを有し、前記注入口部材の外周面と前記円筒部の内周面との間、並びに前記注入口部材の上面と前記弾性変形部の下面との間には隙間を有し、前記注入口部材を前記カバー部材を介して前記孔に嵌挿した状態で、前記エア注入口にエアが供給されたときに、前記凹部内の圧力上昇により前記弾性変形部が弾性変形して前記バルブに密着することにより、前記エア注入口と前記バルブとを接続するものである。
【0010】
第3の発明は、研磨治具のバルーン部材にバルブを介してエアを供給することにより前記バルーン部材の表面をドーム状に膨張させて所定の形状に設定する研磨治具用曲率設定装置であって、前記研磨治具が設置される設置台と、この設置台に設けられ前記バルブが接続されるエア注入口部と、このエア注入口部にエアを供給するエア供給装置と、前記バルーン部材のドーム状表面の頂点高さを検出する高さ検出手段とを備え、前記エア注入口部は、注入口部材と、この注入口部材を覆うカバー部材とからなり、前記注入口部材は、外周に開口するエア注入口を有し、前記カバー部材は、中央に開口を有し前記注入口部材の上面に密着する円板状の弾性変形部と、この弾性変形部の外周に一体に連設され前記注入口部材の外周を取り囲む円筒部とを有し、前記エア注入口にエアが供給され前記カバー部材内の圧力上昇により前記弾性変形部が弾性変形して前記注入口部材から離間し前記バルブに密着することにより、前記エア注入口と前記バルブとを接続するものである。
【0011】
第4の発明は、研磨治具のバルーン部材にバルブを介してエアを供給することにより前記バルーン部材の表面をドーム状に膨張させて所定の形状に設定する研磨治具用曲率設定装置であって、前記研磨治具が設置される設置台と、この設置台に設けられ前記バルブが接続されるエア注入口部と、このエア注入口部にエアを供給するエア供給装置と、前記バルーン部材のドーム状表面の頂点高さを検出する高さ検出手段とを備え、前記エア注入口部は、注入口部材と、この注入口部材を覆うカバー部材とからなり、前記注入口部材は、上面に開口するエア注入口を有し、前記エア注入口の開口部には凹部が形成されており、前記カバー部材は、中央に開口を有し前記エア注入口の上端開口の周縁側を覆う円板状の弾性変形部と、この弾性変形部の外周に一体に連設され前記注入口部材の外周を取り囲む円筒部とを有し、前記エア注入口にエアが供給され前記凹部内の圧力上昇により前記弾性変形部が弾性変形して前記バルブに密着することにより、前記エア注入口と前記バルブとを接続するものである。
第5の発明は、上記第1または第2の発明において、前記カバー部材は、エアがエア注入口に供給されると、円筒部が弾性変形して前記被エア供給部材の孔の内壁に密着するものである。
【0012】
第1の発明においては、カバー部材によって注入口部材のエア注入口開口部を覆っているので、研磨剤、洗浄液等がエア注入口の内部に浸入することがない。また、カバー部材は注入口部材を保護し、注入口部材の破損等を防止する。エア注入口にエアを供給すると、カバー部材内の圧力が上昇するため、弾性変形部は弾性変形して注入口部材から離間し、バルブに密着することで、バルブと注入口部材との間の隙間をシールし、エア注入口とバルブを接続する。これにより、エア注入口から出たエアはバルブを通って被エア供給部材内に注入される。エアの供給停止によりカバー部材内の圧力が低下すると、弾性変形部はバルブから離間して元の状態に復帰し注入口部材の上面に密着することで、エア注入口をカバー部材の外部と遮断する。したがって、供給したエアがエア注入口に逆流しない。
【0013】
第2の発明においては、カバー部材によって注入口部材を覆っているので、カバー部材は注入口部材を保護し注入口部材の破損等を防止する。エア注入口にエアを供給すると、エア注入口の開口の周縁側がカバー部材の弾性変形部に覆われているので、エア注入口の上端開口付近の圧力が上昇するため、弾性変形部は弾性変形して注入口部材から離間し、バルブに密着することでバルブと注入口部材との間の隙間をシールし、エア注入口とバルブを接続する。これにより、エア注入口から出たエアはバルブを通って被エア供給部材内に注入される。エアの供給停止によりカバー部材内の圧力が低下すると、弾性変形部はバルブから離間して元の状態に復帰する。
【0014】
第3,4の発明においては、バルーン部材にエアを供給するとその表面がドーム状に膨張する(以下、このドーム状に膨張する部分をドーム部という)。ドーム部の頂点高さと曲率との間には相関があるため、この相関を予め測定しておくと、頂点高さから曲率を求めることができる。すなわち、ドーム部の頂点高さを高さ検出手段によって検出することにより、ドーム部の曲率が所定の曲率になったか否かを判定することができる。
【0015】
ドーム部の頂点高さの測定は、微小な高さの変化の測定が可能であり、またバルーン部材の材質自体の劣化や周囲温度の変化があってもドーム部内の内圧に関係なく所定の高さになるまでエアを供給して膨張させればよいので、ドーム部の曲率を正確に設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る研磨治具用曲率設定装置の一実施の形態を示す正面図、図2は同じく曲率設定装置を示す側断面図、図3は設置台に研磨治具を設置した状態を示す平面図、図4は図3のIV−IV線における拡大断面図、図5はエア注入口部の構造とバルブを示す断面図、図6はエア供給時のカバー部材の状態を示す断面図、図7はエア注入口部の構造の他の実施の形態を示す断面図である。
図8は同じく曲率設定装置が用いられる研磨装置の概略構成図、図9は研磨パッドが取付けられた研磨治具を示す平面図、図10は同じく研磨治具を示す底面図、図11は図9のXI−XI線断面図、図12は研磨治具の高さとバルーン部材のドーム部の曲率半径との関係を示す図、図13は研磨パッドを示す平面図、図14は研磨パッドの締付部材を示す斜視図、図15(a)、(b)は無軌道研磨軌跡を示す図、図16は曲率設定装置によるバルーン部材の曲率設定操作の手順を示すフローチャートである。
【0017】
本発明に係る研磨治具用曲率設定装置は、眼鏡レンズを研磨するための研磨装置に用いられるものである。本実施の形態においては、乱視矯正用のプラスチックレンズのトーリック面からなる凹面を研磨する場合に適用した例を示す。研磨するレンズとしては、ウレタン系またはエピチオ系の樹脂からなる凸面だけが仕上げられたセミフィニッシュレンズを使用した。
【0018】
先ず、本発明に係るエア注入口部および研磨治具用曲率設定装置を説明する前に研磨装置と、この研磨装置に用いられる研磨治具の構成等について概略説明する。
図8において、全体を符号1で示す眼鏡レンズの研磨装置は、床面に設置された装置本体2と、この装置本体2に紙面において左右方向に移動自在でかつ水平な軸3を中心として紙面と直交する方向に回動自在に配設された門型のアーム4と、このアーム4を左右方向に往復移動させるとともに紙面と直交する方向に回動させる図示しないアーム用駆動装置と、前記アーム4に設けられレンズ5がレンズ保持体7を介して取付けられるレンズ取付部6と、このレンズ取付部6の下方に位置するように前記装置本体2に配設され、図示しない治具用駆動装置により垂直な軸線Kを中心として首振り旋回運動(自転はしない)を行う揺動装置8等を備えている。また、前記揺動装置8上に着脱自在に設けられた研磨治具9、この研磨治具9に着脱自在に取付けられた研磨パッド10、前記レンズ取付部6を昇降させるレンズ用昇降装置11等を備えている。
【0019】
前記揺動装置8は、垂直な回転軸21に対して揺動角度α(例えば、5°)で首振り旋回運動するように傾斜して取付けられ、上面に前記研磨治具9が設置されている。
【0020】
このような研磨装置1は、研磨治具9の構造が新しい点を除いて従来から広く使用されているもので、例えば一般に市販されているLOH社製の汎用の研磨装置(TORO−X2SL)がレンズ5を研磨するために用いられている。
【0021】
前記レンズ5は、凸面5aだけが仕上げられたセミフィニッシュレンズから成り、予め3次元NC制御を行うカーブジェネレータによって、凹面5bが所定のトーリック面形状に切削加工されている(加工精度3μm以内:レンズ径50mm、最大表面粗さRy0.3〜0.5μm)。このカーブジェネレータおよび前記研磨装置にレンズ5を取付けるため、予めレンズ凸面5aには、例えばLOH社製のレイアウトブロッカーと呼ばれる装置によって前記レンズ保持体7が取付けられる。
【0022】
前記レンズ保持体7は、工具鋼等からなるヤトイ13と、このヤトイ13とレンズ5を接着する接着剤16とで構成されている。接着剤16としては、通常低融点合金、例えばビスマス、鉛、錫、カドミウム、インジウムからなる合金(融点約47℃)が用いられる。
【0023】
研磨装置1によるレンズ5の凹面研磨は、アーム4のレンズ取付部6に凹面5bが切削加工されたレンズ5をレンズ保持体7を介して装着し、研磨パッド10が取付けられた研磨治具9を揺動装置8に取付け、レンズ用昇降装置11によってレンズ5を下降させて凹面5bを研磨パッド10の表面に押し付ける。この状態で研磨剤を研磨パッド10の表面に供給するとともに、アーム4を左右および前後方向に往復運動させながら揺動装置8を首振り旋回運動させる。これらの運動により、研磨の軌跡が図15(a)または(b)に示すように1周毎に少しずつずれる無軌道研磨軌跡でレンズ5の凹面5bを前記研磨パッド10と研磨剤とによって研磨し、所望のトーリック面に仕上げる。研磨代は5〜9μm程度である。研磨剤としては、例えば酸化アルミナ、ダイヤモンドパウダー等の研磨材(砥粒)を研磨液(例えば硝酸水溶液)に分散させた溶液状のものが用いられる。
【0024】
図4、図5、図9〜図11において、前記研磨治具9は、弾性材料によってカップ状に形成された背面側が開放するバルーン部材25と、このバルーン部材25の下面側開口部を閉塞し内部を気密に保持する固定具26と、前記バルーン部材25の内部にエア23を供給するバルブ27とで構成されている。
【0025】
前記バルーン部材25は、正面視形状が略楕円形で表面が扁平または緩やかな凸曲面からなるドーム部25Aと、このドーム部25Aの外周より下方に向かって一体に延設された略楕円形の筒部25Bと、この筒部25Bの後端に一体に延設された環状の内フランジ25Cとで構成されている。
【0026】
バルーン部材25の材質としては、例えば硬度が20〜50度(JIS)の天然ゴムに近い合成ゴム(例えば、IIR)または天然ゴムが用いられる。バルーン部材25の厚さTは全体にわたって略均一で、約0.5〜2mm(通常1mm程度の等厚)である。バルーン部材25の大きさは、研磨するレンズ5の大きさや研磨したい面の形状に応じて複数種類用意することが好ましい。
【0027】
前記固定具26は、積層される内側固定具29と外側固定具30の2部材からなり、これらによってバルーン部材25の前記筒部25Bの下端部と内フランジ25Cを内側と外側から挟持することにより、バルーン部材25の下面側開口部を気密に封止している。内側固定具29は、バルーン部材25の筒部25Bの内側の形状と略同一の大きさの楕円板からなり、前記バルーン部材25のドーム部25Aとともに密閉空間32を形成している。
【0028】
前記外側固定具30は、上方に開放する楕円形のカップ状に形成された本体30Aと、この本体30Aの下面に一体に突設された突条体30Bとで構成され、本体30Aの凹陥部36に前記内側固定具29が前記バルーン部材25の筒部25Bとともに嵌挿され、複数個の止めねじ37によって固定されている。これにより、バルーン部材25の内フランジ25Cは凹陥部36の底面に押し付けられ、バルーン部材25の密閉空間32を気密に保持している。
【0029】
外側固定具30の前記突条体30Bは、凹陥部36の長径方向において本体30A下面の全長にわたって延在し、この突条体30Bの下面には2つの係合凹部38,39と本体30Aの上面に開放する貫通孔42(図10、図11)が形成され、左右両側面には係合溝40(図4、図10)がそれぞれ全長にわたって形成されている。
【0030】
図5において、前記バルブ27は、上端部が前記内側固定具29に設けたねじ孔41に螺合し、下端部が前記外側固定具30の貫通孔42内に位置するバルブ本体43を備え、このバルブ本体43内にはボール44、円錐コイルばね45,46、排気用ピン47、受座48およびEリング49が組み込まれている。
【0031】
前記バルブ本体43の内部は、連通孔52を有する仕切壁50によって上下2つの室51a,51bに仕切られている。前記ボール44は、上側の室51aに収納され、円錐コイルばね45によって下方に付勢されることにより、通常前記連通孔52の上側開口部に形成した弁座53に着座することにより連通孔52を閉塞している。
【0032】
前記排気用ピン47は、前記下側の室51bに上下動自在に配設されて前記受座48とEリング49を貫通し、円錐コイルばね46によって下方に付勢されることにより通常前記受座48に押し付けられている。排気用ピン47の上端47aは前記連通孔52に遊挿されて前記ボール44と近接して対向し、下端部47bが前記バルブ本体43の下方に突出している。
【0033】
図9、図10、図13および図14において、前記レンズ5の凹面5bの研磨に用いられる前記研磨パッド10は、例えばポリウレタン、フェルト、または不織布等の繊維性の布や合成樹脂等を材料とするシート材によって形成されたもので、前記バルーン部材25のドーム部25Aの正面視形状と略同一の大きさの楕円形に形成された研磨部55(図13)と、この研磨部55の周縁から外側に伸びる複数本の固定片56とで構成されている。研磨部55は、外周より中心に向かって形成された複数の溝57により放射状に分割形成された8個の花弁片58で構成されている。前記固定片56は、前記8個の花弁片58のうち、長軸方向と短軸方向に位置する4つの花弁片58の外縁を径方向にそれぞれ延設することにより形成されている。
【0034】
このような研磨パッド10は、ばね材によってリング状に形成された図14に示す締付部材60によって前記研磨治具9に着脱自在に取付けられる。研磨パッド10の取付けに際しては、予めエア23の供給によってバルーン部材25のドーム部25Aを所定の形状に膨張させた後、このドーム部25Aの上に研磨パッド10の研磨部55を載置する。次に、締付部材60の両端部60a,60bを指で挟んでその間隔を狭めることにより締付部材60を拡径化させ、この状態で締付部材60を固定片56に上方から押しつけて下方に折り曲げ外側固定具30の外周に嵌着する。そして、両端部60a,60bから指を離すと、締付部材60は元の小径な形状に復帰するため固定片56を締付けて外側固定具30の外周に押し付け、もって研磨パッド10の取付けが終了する。
【0035】
次に、本発明に係る研磨治具用曲率設定装置とそのエア注入口部の構造等について説明する。
図1〜図6において、全体を符号70で示す研磨治具用曲率設定装置は、作業台71上に設置された箱型の筐体72と、この筐体72の上面後端部で幅方向中央に立設された縦長箱型のカバー73とを備え、また筐体72の一側には、前記バルーン部材25にエア23を供給する前記エア供給装置(エアコンプレッサー)77が配設されている。
【0036】
前記筐体72の上面中央には、前記研磨治具9を前後方向に往復移動させる研磨治具搬送装置74が設置され、前面には操作部80が設けられ、内部には制御部82が配設されている。筐体72の上面板72Aは、前記研磨治具搬送装置74が設置される基台を形成している。
【0037】
前記カバー73は前面下部が開放して前記研磨治具搬送装置74の後半部を収納しており、内部上方には前記バルーン部材25のドーム部25Aの頂点高さを測定する高さ測定装置75と、この高さ測定装置75を昇降させる昇降装置76が配設されている。
【0038】
前記操作部80には、電源スイッチ81、レンズ5の指示書にしたがってバルーン部材25のドーム部25Aの頂点高さを前記制御部82に入力するための高さデータ入力手段83、スタート釦84、一時停止釦85等が設けられている。この場合、本実施の形態においては、高さデータ入力手段83として操作釦を用いた例を示しているが、これに限らず例えばキーボード、バーコードリーダ、外部に接続されたコンピュータ、ネットワーク経由でのデータ入力等であってもよい。
【0039】
前記制御部82は、高さデータ入力手段83によって当該制御部82に入力されたデータに対応する高さと前記高さ測定装置75の高さ検出手段88によって検出されたドーム部25Aの高さとが等しくなるように前記エア供給装置77から供給されるエア23の量を調整する。
【0040】
前記研磨治具搬送装置74は、上方および下方に開放した前後方向に長い箱型の固定ケース90と、この固定ケース90の上面開口部の一部を覆うように当該ケース90内に前後方向に移動自在に配設され前記研磨治具9が設置される設置台91と、この設置台91を治具装着位置C1 と高さ測定位置C2 との2位置間において往復移動させる駆動装置92等で構成されている。治具装着位置C1 は、研磨治具搬送装置74の上面前方位置であり、高さ測定位置C2 は研磨治具搬送装置74の上面後方位置で、高さ測定装置75の真下の位置である。
【0041】
前記固定ケース90は、前記筐体72の基台72A上に前後に対向して設置された2枚の端板94,94(図2)と、これらの端板94,94を連結する左右対称な一対の外枠96,96(図4)とで構成されている。外枠96は、金属板の折曲加工によってコ字状に形成されることにより、垂直板96aと、上側水平片96bおよび下側水平片96cとで構成されている。また、上側水平片96bは、図3に示すように全長にわたって幅が一定ではなく、前半部96b−1の幅が後半部96b−2の幅より狭く設定されており、左右の外枠96,96の上側水平片96bの前半部96b−1間の間隔D1 が前記外側固定具30の突条体30Bの幅より僅かに広く設定されている。一方、後半部96b−2間の間隔D2 は、前半部96b−1間の間隔D1 より狭く設定され、その対向する内側先端部196c,196cは研磨治具9が高さ測定位置C2 に移動したとき、前記突条体30Bの係合溝40(図4)に係入することで、バルーン部材25へのエア供給時における研磨治具9のエア23による浮き上がりを規制している。そして、内側先端部分196cの前端部分196eは、係合溝40への係入がスムーズに行くようにするために切り溝196dの形成によって上方に適宜角度をもって折り曲げられている。
【0042】
各外枠96の下側水平片96cは、前記基台72Aの上面から離間しており、適宜な隙間Gが設定されている。この隙間Gは、固定ケース90の上方側開放部から研磨剤がケース内部に浸入した場合、ケース外部への研磨剤の流出を可能にしている。なお、外枠96の前後両端は前後の端板94の内側面に取付けた支持部材154によって支持されている。
【0043】
前記設置台91は、フッ素樹脂等の摩擦係数の小さい材料によって矩形板状に形成され、上面中央には前記外側固定具30の突条体30Bが嵌合する嵌合溝97(図4)が形成されている。また、嵌合溝97の底面には、注入口部材98と、前後一対の位置決め用ピン99a,99b(図11)が設けられている。一方、設置台91の下面両側部寄りには、それぞれ前後2つずつ合計4つからなる駆動力伝達用の係合部100(図4)が形成されている。係合部100は、凹部によって形成されている。このような設置台91は、通常前記研磨治具搬送装置74の前記治具装着位置C1 に停止した状態で上方から前記研磨治具9が設置される。設置台91が高さ測定位置C2 に位置している状態での嵌合溝97の上面と前記上側水平片96bの後半部96b−2の内側先端部196c下面との高さ間隔は、前記外側固定具30の突条体30Bの係合溝40より下の部分の高さと同じになるように構成されているので、研磨治具9が高さ測定位置C2 に移動すると、突条体30Bの下面と嵌合溝97の上面(高さ測定の基準面)とが接触した状態で研磨治具9が固定される。
【0044】
図5および図6において、前記研磨治具用曲率設定装置70のエア注入口部95は、前記注入口部材98と、この注入口部材98を覆うカバー部材102とで構成されている。
【0045】
前記注入口部材98は、円板状の本体98Aと、この本体98Aの下面中央に一体に突設された雄ねじ部98Bとからなり、本体98Aの上面中央に凹部103が形成され、内部にはエア注入口104が形成されている。前記凹部103の内径は、前記排気用ピン47の下端部47bの外径より大きく設定され、排気用ピン47の遊嵌を可能にしている。前記エア注入口104は、本体98Aの中心を通る径方向に形成された横孔104Aと、上端が前記横孔104Aに連通し下端が前記雄ねじ部98Bの下面に開放する垂直な縦孔104Bとによって形成され、横孔104Aの両端の開口部104aが本体98Aの外周面にそれぞれ開放している。なお、本実施の形態においては、横孔104Aを本体98Aの軸線と直交するように形成した例を示したが、これに限らず例えば図5に2点鎖線105で示すように斜めに形成してもよい。この場合、開口部104aは前記本体98Aの上面外周部に形成した適宜角度で傾斜する斜面106に形成されている。また、本実施の形態においては開口部104aが2個の場合の例を示したが、これに限らず、例えば3個以上であってもよい。なお、カバー部材102が周方向において均等に変形するという点では開口部104aを等間隔に設けることが好ましい。
【0046】
前記雄ねじ部98Bは、内部に前記縦孔104Bを有する筒状に形成され、外周に前記設置台91の上面に形成したねじ孔111に螺合する雄ねじが形成されている。設置台91のねじ孔111は前記エア23の供給通路を形成し、前記エア供給装置77に配管112(図1)を介して接続されている。
【0047】
前記カバー部材102は、ゴム等の弾性材料によってカップ状に形成されることにより、中央に丸い開口115を有する円板状の弾性変形部102Aと、この弾性変形部102Aの外周に一体に連設され前記本体98Aの外周を取り囲む円筒部102Bとで構成されている。前記弾性変形部102Aは、通常エア供給時以外は図5に示すように注入口部材98の上面116に密着しており、研磨剤がエア注入口104に浸入するのを防止している。
【0048】
前記円筒部102Bは、前記弾性変形部102Aより厚肉に形成されて下端部が前記注入口部材98の本体98Aの外周面下端部に溶着等によって固定されている。また、円筒部102Bの内周面と前記本体98Aの外周面との間には、環状の隙間120が形成されており、この隙間120に前記エア注入口104が連通している。また、円筒部102Bは、外径が前記外側固定具30の貫通孔42の孔径と同程度か若干小さく設定されることにより、貫通孔42への嵌合を容易にしているが、エア23の供給によってカバー部材102の内部圧力、すなわち前記隙間120内の圧力が高くなると、外側に弾性変形して前記貫通孔42の内壁に押し付けられるように構成されている。
【0049】
このため、カバー部材102は、上記した研磨剤のエア注入口104への浸入防止機能に加えて、注入口部材98を破損等から保護する機能と、エア23の供給時においてバルブ27の下面、すなわちバルブ本体43の下面43aと注入口部材98の上面との間の隙間と、貫通孔42と円筒部102Bとの隙間をシールするシール機能と、エアがエア注入口104内に逆流するのを防止する機能とを有している。
【0050】
エア供給装置77からエア23を注入口部材98に供給すると、エア23はエア注入口104を通って隙間120に導かれ、カバー部材102内の圧力を高める。このため、弾性変形部102Aは図6に示すように上方に弾性変形して注入口部材98の上面116から離間し、バルブ本体43の下面43aに密着し、エア注入口104とバルブ27の下側の室51bとを連通させる。エア23が下側の室51bに供給されると、上記した通り下側の室51bの圧力が上昇するため、この圧力によってボール44が円錐コイルばね45に抗して押し上げられて連通孔52を開く。したがって、エア23は連通孔52を通ってバルーン部材25内に注入され、ドーム部25Aを膨張させる。
【0051】
ドーム部25Aの頂部が所定の高さになり、エア23の供給を停止すると、エア注入口104内の圧力が低下するため、弾性変形部102Aは、元の状態に弾性復帰し、注入口部材98の上面116に密着する。また、エア23の注入停止により、下側の室51b内の圧力も低下するため、ボール44が円錐コイルばね45のばね力によって下降して連通孔52を閉塞し、もってバルーン部材25へのエア23の注入が終了する。なお、バルーン部材25の内部を大気圧に戻すときは、排気用ピン47によってボール44を押し上げてバルブ27の連通孔52を開き、バルーン部材25の密閉空間32を大気に開放させる。
【0052】
図7はエア注入口部の構造の他の実施の形態を示す断面図である。
この実施の形態は、注入口部材140を、円板状の本体140Aと、本体140Aの下面中央に一体に突設した雄ねじ部140Bとで構成し、本体140Aの上面中央と雄ねじ部140Bの下面中央に開口するエア注入口142を形成し、本体140A上面の前記エア注入口142開口部には凹部143を形成し、本体140Aをカバー部材102によって覆うようにしている。凹部143は、本体140Aの上面外周部付近にまで延在するように十分に大きな穴径をもって形成された浅底の第1の凹部143aと、この第1の凹部143aの中央に形成され排気用ピン47の外径より大きな穴径を有する第2の凹部143bとで構成されている。
【0053】
前記カバー部材102は、開口部115を有し前記本体140Aの上方を覆う円板状の弾性変形部102Aと、前記本体140Aの外周部を取り囲む円筒部102Bとからなり、円筒部102Bの下端部内周面には内フランジ144が一体に突設され、この内フランジ144を前記本体140Aの下面外周部に形成した環状溝145に嵌着することにより、カバー部材102の注入口部材140からの脱落を防止するようにしている。弾性変形部102Aは、その開口部115の内径が前記第1の凹部143aの開口径より小さく設定されているので、エア注入口142の上端開口部の周縁側を覆っている。このため、エア注入口142にエア23が供給され、凹部143内の圧力が上昇すると、この圧力によって2点鎖線で示すように上方に弾性変形してバルブ27の下端面43aに密着されるように構成されている。弾性変形部102Aの下面と本体140Aの上面との間には適宜な隙間146aが設定され、また本体140Aの外周面と円筒部102Bの内周面との間には適宜な隙間146bが設定されていることが望ましい。前記円筒部102Bの外径は前記外側固定具30の貫通孔42の孔径と同程度か若干小さく設定され、貫通孔への嵌合を容易にしているが、エアの供給によってカバー部材の内部圧力、すなわち前記隙間146b内の圧力が高くなると、外側に弾性変形して前記貫通孔42の内壁に押し付けられるように構成されている。
【0054】
図2および図4において、前記設置台91を前後方向に直線往復移動させる前記駆動装置92としては、市販のロッドレスエアシリンダが用いられる。また、このロッドレスエアシリンダ92は、前後方向に長いシリンダ本体150と、このシリンダ本体150によって前後方向に直線往復移動される可動部材151とで構成されている。シリンダ本体150は、上面がガイド部材152によって覆われ、下面側に開口部が長手方向の略全長にわたって形成され、内部に図示しないピストンが摺動自在に組み込まれており、前後端が前記各端板94,94にそれぞれ固定されている。
【0055】
前記可動部材151は、金属板の折曲げ加工によって正面視形状が上方に開放するコ字状に形成されることにより、底部151Aと、左右方向に対向する一対の側部151B,151Cとで構成されている。底部151Aは、前記シリンダ本体150の下方に位置し、シリンダ本体150内のピストンに対して連結部材153を介して固定されている。また、底部151Aは前記基台72Aの上面から離間している。
【0056】
前記各側部151B,151Cは、上端面の前後端に上方に向かって一体に突設された係合部155a(図2)をそれぞれ有している。各側部151B,151Cの係合部155aは、前記設置台91の係合部100にそれぞれ下方から係入されており、これらの係合部100と155aとで前記シリンダ本体150の駆動力を前記設置台91に伝達する駆動力伝達部を形成している。すなわち、ロッドレスエアシリンダ92の駆動時に係合部155aが係合部100を押圧するため、設置台91は可動部材151と一体に移動する。なお、係合部155aと係合部100とは可動部材151の往復移動方向において遊びを有している。また、係合部155aの上端は係合部100に接触していない。これは、駆動力伝達部が単に駆動力を伝達するだけで、研磨治具9を含む設置台91の重量を支持しないようにするためである。
【0057】
前記ガイド部材152は、前記シリンダ本体150の上面全体を覆っており、上面に前記設置台91が前後方向にスライド自在に載置されている。また、ガイド部材152は、左右両側端に下方にそれぞれ折り曲げ形成された折曲片152a,152aを一体に有している。ガイド部材152はシリンダ本体150の上面に必要により介在部材156を介して載置され、ガイド部材152の前後両端は前後の端板94の内側面に取付けられた支持部材157によって支持されている。
【0058】
図2において、前記昇降装置76は、前記カバー73の背面板に垂直に取付けられたZ軸ガイド160と、前記高さ測定装置75が搭載されたスライダ161と、このスライダ161を前記Z軸ガイド160に沿って昇降させる駆動装置162等で構成されている。
【0059】
前記高さ測定装置75は、下方に前記高さ検出手段88を備え、この高さ検出手段88によってドーム部材25のドーム部25Aの頂点高さを検出し、その検知信号を前記制御部82に送出するように構成されている。高さ測定装置75としては、接触によってドーム部25Aの頂点高さを検知するセンサが用いられるが、これに限らず非接触で検出する光学的なセンサであってもよい。
【0060】
前記制御部82は、入力された頂点高さのデータに応じて高さ測定装置75の高さを変える機能と、高さ測定装置75による検知信号に応じて前記配管112の途中に設けたバルブ166(図1)を開閉しエア23の供給を制御する機能とを有している。
【0061】
次に、曲率設定方法および研磨治具用曲率設定装置70によるバルーン部材25の曲率設定操作の手順を図16に示すフローチャートに基づいて説明する。
作業開始前に予め基準面の高さ(設置台91の嵌合溝97の上面の高さ)を零に合わせておく。次に、電源スイッチ81をONにし(ステップ200)、設置台91を治具装着位置C1 に移動復帰させる(ステップ201)。次に、高さ測定装置75を原点位置に復帰させる(ステップ202)。
【0062】
次に、研磨すべきレンズ5の指示書の加工指示欄に記載されている研磨治具9を選択して設置台91に設置する。このとき、バルーン部材25には研磨パッド10が未だ取付けられていない。研磨治具9を設置台91に設置するには、図5に示すように研磨治具9を設置台91に載置して注入口部材98を貫通孔42にカバー部材102を介して嵌挿するとともに、図11に示す位置決め用凹部38,39と位置決めピン99a,99bを係合させることにより、研磨治具9を設置台91に対して前後左右方向に位置決めすればよい。この状態において、バルブ本体43の下面43aが図5に示すようにカバー部材102の弾性変形部102Aの上面と僅かな隙間を保って対向し、排気用ピン47の下端部が凹部103内に遊挿され、バルーン部材25へのエア23の供給が可能な状態となる。また、設置台91に設置された研磨治具9のバルーン部材25の頂点高さのデータを指示書にしたがって確認し、そのデータを高さデータ入力手段83により制御部82に入力する(ステップ204)。
【0063】
データ入力と研磨治具9の設置台91への設置が終了すると、スタート釦84を操作する(ステップ205)。これにより、昇降装置76が駆動して高さ測定装置75がZ軸ガイド160に沿って下降を開始する(ステップ206)。高さ測定装置75は、高さ検出手段88の高さが制御部82に入力した頂点高さのデータと等しくなるまで下降する。
【0064】
また、エアシリンダ92が駆動して設置台91が治具装着位置C1 から高さ測定位置C2 に移動を開始する(ステップ207)。この設置台91の移動は、ロッドレスエアシリンダ92の可動部材151がシリンダ本体150によって移動されると、可動部材151の係合部155a(図4)が設置台91の係合部100を可動部材151の移動方向に押圧し、設置台91をガイド部材152の上面に沿って移動させることにより行われる。
【0065】
高さ測定装置75と研磨治具9が所定位置に移動し、その移動完了が確認されると(ステップ208)、制御部82からの信号によってバルブ166を開き、エア供給装置77からエア23を注入口部材98に供給し、バルーン部材25への注入を開始する(ステップ209)。バルーン部材25にエア23が供給されると、ドーム部25Aは密閉空間32内の圧力上昇に伴い徐々に膨張して頂点高さが高くなる。そして、頂点高さが所定の高さ、すなわち制御部82に入力した値と等しくなると、高さ検出手段88がその高さを検知し(ステップ210)、高さ測定装置75が検知信号を制御部82に送出する。そして、制御部82はこの検知信号に基づいてバルブ166を閉じ、エア供給装置77からのエア23の供給を停止させる(ステップ211)。
【0066】
前記密閉空間32にエア23を注入し、ドーム部25Aを膨張させると、ドーム部25Aの中心軸を含む断面の曲率半径が楕円の短軸方向(図9Y方向)で最小となり、長軸方向(図9X方向)で最大となるトーリック面に近い形状が形成される。この場合、ドーム部25Aの曲率半径は、図12に示すようにドーム部25Aの中央高さ(頂点高さ)に応じて変化するため、高さ測定装置75によってドーム中央の高さを測定し調整することにより、ドーム部25Aの曲率半径を所望の曲率半径にすることができる。なお、図12はドーム部25Aの長軸が90mm、長軸に対する短軸の比率が0.9のバルーン部材25を備えた研磨治具9における治具高さ(研磨治具底面からドーム部中央までの高さ)とドーム部25Aの曲率半径の関係を示す図である。
【0067】
バルーン部材25に対するエア23の注入が終了すると、設置台91を治具装着位置C1 に復帰させ(ステップ212)、高さ測定装置75を原点位置に復帰させ(ステップ213)、さらに研磨治具9を設置台91から取外すと(ステップ214)、研磨治具用曲率設定装置70によるバルーン部材25の曲率設定操作が終了し(ステップ215)、電源スイッチをOFFにする(ステップ216)。さらに、他のバルーン部材25の曲率設定操作を継続して行う場合は、上記ステップ203以下の操作を繰り返し行う。
【0068】
バルーン部材25にエア23が注入された研磨治具9は、設置台91から取外された後、研磨パッド10が取付けられ、図8に示した研磨装置1の揺動装置8に装着されることにより、レンズ5の凹面研磨に供される。
【0069】
このような研磨治具用曲率設定装置70においては、駆動装置162としてステッピングモータを用い、高さ測定装置75を上下動させることによりバルーン部材25のドーム部25Aの頂点高さを高精度に測定することができ、0.1mm程度の僅かな高さの変化の測定が可能である。また、頂点高さによる曲率の測定は、バルーン部材25が経時変化により劣化していてもドーム部25Aの頂点高さが制御部82に入力したデータと一致するまでドーム部25Aを膨張させるだけでよいので、ドーム部25Aの内圧測定に比べてバルーン部材25の劣化による影響が少なく、レンズ5の凹面5bの曲率に近づけることができる。また、頂点高さにより曲率を設定していることから、周囲温度の影響を受けない。
【0070】
また、作業者は研磨治具9を設置台91の上に設置して高さデータ入力手段83を操作し、頂点高さのデータを制御部82に入力するだけでよく、設置台91による研磨治具9の搬送、エアの供給、停止および頂点高さの測定については自動的に行われるため、作業者の負担が軽減される。
【0071】
さらに、治具装着位置C1 と高さ測定位置C2 との間を研磨治具搬送装置74によって接続し、治具装着位置C1 において設置台91に研磨治具9が設置されると、高さ測定位置C2 に研磨治具9を自動的に搬送するようにしているので、作業者の負担が軽減され、研磨治具9を誤って高さ検出手段88に当てたりすることがない。
【0072】
また、図5および図6に示した研磨治具用曲率設定装置70のエア注入口部95の構造においては、注入口部材98の本体98Aをカバー部材102によって覆っているので、設置台91に研磨治具9を装着するとき、前記本体98Aが研磨治具9の外側固定具30に当たって傷ついたり、変形や破損したり、あるいは摩耗したりするのを防止することができる。また、カバー部材102の弾性変形部102Aは注入口部材98の上面に通常密着しているので、研磨剤が降ってきてもカバー部材102を通ってエア注入口104に浸入するおそれがなく、研磨砥粒によるエア注入口104の詰まりを防止することができる。
【0073】
また、カバー部材102の弾性変形部102Aは、エア23によって上方に弾性変形し、バルブ27の下面に押し付けられるものであるため、製造誤差や組付け誤差、研磨治具や注入口部材の変形や破損等によってバルブ27とカバー部材102との間隔が多少ばらついても確実にシールすることができ、エア23がバルブ27と注入口部材98との間から貫通孔42内に漏れることがない。特に、エア23の圧力が高くなるほど、大きなシール効果が得られ、エア23を漏れ難くする。したがって、エア23をバルーン部材25に迅速かつ確実に注入することができる。また、貫通孔42内に漏れるエア23の量が少なければ、貫通孔42内の圧力上昇も小さいので、研磨治具9の浮き上がりを防止することができる。
【0074】
また、バルーン部材25へのエア23の注入を停止すると、弾性変形部102Aはエア注入口104内の圧力低下に伴いバルブ27の下面43aから離間して図5に示す元の状態に復帰し、注入口部材98の上面に密着することで、エア23の逆流を防止することができる。
【0075】
さらに、カバー部材102は、円筒部102Bの外径が貫通孔42の孔径と同程度か小さく設定されているので、貫通孔42への嵌着が容易でカバー部材102の摩耗が少ない。また、エア注入時は、エア23の圧力によって径方向外方に膨張して貫通孔42の内壁に押し付けられるので、貫通孔の開口もシールできエア漏れをより確実に防止することができる。
【0076】
図7に示したエア注入口部95’の構造においては、エア注入口142が注入口部材140の上下面に開口しているので、図5に示したエア注入口部95の構造と異なり、研磨剤のエア注入口142内への浸入については防止することはできないが、図5に示したエア注入口部95と同様に弾性変形部102Aがバルブ27の下面に密着するため、製造誤差や組付け誤差等によってバルブ27とカバー部材102との間隔が多少ばらついても当該隙間を確実にシールすることができる。したがって、エア注入口142から出たエア23の一部がバルブ27の下面と弾性変形部102Aとの当接面から貫通孔42内に漏れることがなく、図5に示したエア注入口部95の構造と同様にエア23をバルブ27を介してバルーン部材25に迅速かつ確実に注入することができる。
【0077】
図17は図7に示したエア注入口部95’の構造におけるバルブとカバー部材との間隔を示す図で、(a)は適正寸法の場合、(b)は深い寸法の場合、(c)は浅い寸法の場合を示す図である。
(a)の適正寸法は、カバー部材102の上面がバルブ27の下面に近接して対向するか軽く接触する状態、(b)の深い寸法は、バルブ27とカバー部材102が離れすぎている状態、(c)の浅い寸法は、バルブ27がカバー部材102を注入口部材140に押圧している状態である。いずれの場合であっても実用上は何ら問題ないが、以下に述べるように作用効果上若干の差異が生じる。
【0078】
(a)の最適寸法の場合は、エア23をエア注入口142に供給すると、カバー部材102の弾性変形部102Aは直ちにバルブ27の下面に押し付けられてバルブ27と注入口部材140の隙間をシールするので、エア23が貫通孔42内に殆ど漏れることがなく、エア23をバルーン部材に迅速に注入することができる。また、注入口部材140の上面と弾性変形部102Aとの間に隙間146aを設定し、この隙間146aからエア23を注入口部材140の外周と円筒部102Bとの隙間146bに導いて円筒部102Bを径方向に膨張させ、貫通孔42の内壁に押し付けるようにすると、貫通孔42の開口もシールできるので、エア漏れをより確実に防ぐことができる。また、円筒部102Bの外径を貫通孔42の孔径と同程度か小さく設定することができるので、設置台91への研磨治具9の装着も容易で、カバー部材102を貫通孔42に容易に嵌挿することができる。
【0079】
(b)の深い寸法の場合は、エアをエア注入口に供給すると、エア注入口上端の凹部の圧力が高くなり弾性変形部が上方に変形しバルブの下面に接触し、さらにカバー部材内の圧力が高くなり弾性変形部材がバルブ下面に押し付けられ、バルブと注入口部材の隙間がシールされる。また、(a)の場合と同様に円筒部102Bは径方向に膨張するので、貫通孔42の開口もシールでき、エア漏れを確実に防止できる。
【0080】
(c)の浅い寸法の場合は、弾性変形部がバルブの下面により押され下方に弾性変形している。この場合はエアをエア注入口に供給するとカバー部材内の圧力は高くなり弾性変形部がバルブ下面をさらに強く押し付け、バルブと注入口部材の間をシールする。
ただし、この場合は隙間146aが塞がっている可能性があるので、隙間146bにエアが流れて行かずに円筒部の径方向への膨張が生じない場合があるが、このような場合はバルブと注入口部材の間は十分にシールされているので、貫通孔内壁と円筒部の間に隙間があっても問題はない。なお、この場合はバルブ下面が弾性変形部を下方に押し下げているが、注入口部材には凹部143が存在するので、注入口部材がバルブ下面により強く押し付けられることはない。このため取付けの際に無理な力が加わり研磨治具や注入口部材を変形や破損させることはない。
【0081】
なお、上記した実施の形態においては、エア注入口部95,95’の構造を研磨治具用曲率設定装置70に適用した例を示したため、被エア供給部材がバルーン部材25であったが、本発明はこれに何ら特定されるものではなく、研磨治具用曲率設定装置70以外の装置に適用されるエア注入口部であってもよいことは勿論である。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るエア注入口部の構造および研磨治具用曲率設定装置によれば、構造簡易にしてカバー部材によってエア注入口部を破損等から保護することができ、またエアの洩れが少なく、迅速に安定した状態でエアを注入することができる。また、構造が簡単であるため安価で故障が少なく、信頼性および耐久性に優れている。
【0083】
また、注入口部材の外周にエア注入口を開口させ、カバー部材で注入口部材の上面と外周を覆った発明においては、エア注入口に洗浄液、研磨剤等が浸入するおそれがなく、また注入終了直後のバルブ側からのエアの逆流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る研磨治具用曲率設定装置の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】 同じく曲率設定装置を示す側断面図である。
【図3】 設置台に研磨治具を設置した状態を示す平面図である。
【図4】 図3のIV−IV線における拡大断面図である。
【図5】 エア注入口部の構造とバルブを示す断面図である。
【図6】 エア供給時の弾性部材の状態を示す断面図である。
【図7】 エア注入口部の構造の他の実施の形態を示す断面図である。
【図8】 同じく曲率設定装置が用いられる研磨装置の概略構成図である。
【図9】 研磨パッドが取付けられた研磨治具を示す平面図である。
【図10】 同じく研磨治具を示す底面図である。
【図11】 図9のXI−XI線断面図である。
【図12】 研磨治具の高さとバルーン部材のドーム部の曲率半径との関係を示す図である。
【図13】 研磨パッドを示す平面図である。
【図14】 研磨パッドの締付部材を示す斜視図である。
【図15】 (a)、(b)はそれぞれ研磨装置の無軌道研磨軌跡を示す概念図ある。
【図16】 曲率設定装置によるバルーン部材の曲率設定操作の手順を示すフローチャートである。
【図17】 図7に示したエア注入口部の構造におけるバルブとカバー部材との間隔を示す図で、(a)は適正寸法の場合、(b)は深い寸法の場合、(c)は浅い場合を示す図である。
【符号の説明】
1…研磨装置、5…レンズ、5a…凸面、5b…凹面、8…揺動装置、9…研磨治具、10…研磨パッド、23…エア、25…バルーン部材、25A…ドーム部、27…バルブ、70…研磨治具用曲率設定装置、75…高さ測定装置、77…エア供給装置、83…高さデータ入力手段、88…高さ検出手段、91…設置台、95,95’…エア注入口部、98…注入口部材、98A…本体、98B…雄ねじ部、102…カバー部材、102A…弾性変形部、102B…円筒部、104…エア注入口、115…開口、140…注入口部材、142…エア注入口、143…凹部。
Claims (5)
- 注入口部材と、この注入口部材を覆うカバー部材とからなり、エア供給装置から供給されるエアを被エア供給部材の孔に組み込まれたバルブに導くエア注入口部の構造において、
前記注入口部材は、外周に開口するエア注入口を有し、
前記カバー部材は、中央に開口を有し前記注入口部材の上面に密着する円板状の弾性変形部と、この弾性変形部の外周に一体に連設され前記注入口部材の外周を取り囲む円筒部とを有し、
前記注入口部材の外周面と前記円筒部の内周面との間には隙間を有し、前記注入口部材を前記カバー部材を介して前記孔に嵌挿した状態で、前記エア注入口にエアが供給されたときに、前記カバー部材内の圧力上昇により前記弾性変形部が弾性変形して前記注入口部材から離間し前記バルブに密着することにより、前記エア注入口と前記バルブとを接続することを特徴とするエア注入口部の構造。 - 注入口部材と、この注入口部材を覆うカバー部材とからなり、エア供給装置から供給されるエアを被エア供給部材の孔に組み込まれたバルブに導くエア注入口部の構造において、
前記注入口部材は、上面に開口するエア注入口を有し、
前記エア注入口の開口部には凹部が形成されており、
前記カバー部材は、中央に開口を有し前記エア注入口の上端開口の周縁側を覆う円板状の弾性変形部と、この弾性変形部の外周に一体に連設され前記注入口部材の外周を取り囲む円筒部とを有し、
前記注入口部材の外周面と前記円筒部の内周面との間、並びに前記注入口部材の上面と前記弾性変形部の下面との間には隙間を有し、
前記注入口部材を前記カバー部材を介して前記孔に嵌挿した状態で、前記エア注入口にエアが供給されたときに、前記凹部内の圧力上昇により前記弾性変形部が弾性変形して前記バルブに密着することにより、前記エア注入口と前記バルブとを接続することを特徴とするエア注入口部の構造。 - 研磨治具のバルーン部材にバルブを介してエアを供給することにより前記バルーン部材の表面をドーム状に膨張させて所定の形状に設定する研磨治具用曲率設定装置であって、前記研磨治具が設置される設置台と、この設置台に設けられ前記バルブが接続されるエア注入口部と、このエア注入口部にエアを供給するエア供給装置と、前記バルーン部材のドーム状表面の頂点高さを検出する高さ検出手段とを備え、
前記エア注入口部は、注入口部材と、この注入口部材を覆うカバー部材とからなり、
前記注入口部材は、外周に開口するエア注入口を有し、
前記カバー部材は、中央に開口を有し前記注入口部材の上面に密着する円板状の弾性変形部と、この弾性変形部の外周に一体に連設され前記注入口部材の外周を取り囲む円筒部とを有し、前記エア注入口にエアが供給され前記カバー部材内の圧力上昇により前記弾性変形部が弾性変形して前記注入口部材から離間し前記バルブに密着することにより、前記エア注入口と前記バルブとを接続することを特徴とする研磨治具用曲率設定装置。 - 研磨治具のバルーン部材にバルブを介してエアを供給することにより前記バルーン部材の表面をドーム状に膨張させて所定の形状に設定する研磨治具用曲率設定装置であって、前記研磨治具が設置される設置台と、この設置台に設けられ前記バルブが接続されるエア注入口部と、このエア注入口部にエアを供給するエア供給装置と、前記バルーン部材のドーム状表面の頂点高さを検出する高さ検出手段とを備え、
前記エア注入口部は、注入口部材と、この注入口部材を覆うカバー部材とからなり、
前記注入口部材は、上面に開口するエア注入口を有し、
前記エア注入口の開口部には凹部が形成されており、
前記カバー部材は、中央に開口を有し前記エア注入口の上端開口の周縁側を覆う円板状の弾性変形部と、この弾性変形部の外周に一体に連設され前記注入口部材の外周を取り囲む円筒部とを有し、前記エア注入口にエアが供給され前記凹部内の圧力上昇により前記弾性変形部が弾性変形して前記バルブに密着することにより、前記エア注入口と前記バルブとを接続することを特徴とする研磨治具用曲率設定装置。 - 請求項1または2記載のエア注入口部の構造において、
前記カバー部材は、エアがエア注入口に供給されると、円筒部が弾性変形して前記エア供給部材の孔の内壁に密着することを特徴とするエア注入口部の構造。
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