JP4094459B2 - キャリア検出回路および赤外線リモコン受信機 - Google Patents

キャリア検出回路および赤外線リモコン受信機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリアを含む信号の復調器として好適に実施されるキャリア検出回路及び赤外線リモコン受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤外線リモコン受信機の送信信号は、一般に、30kHz〜60kHz程度の決められたキャリアで変調されたASK(Amplitude Shift Keying)信号であり、受信チップでは入力された光電流信号をアンプで増幅し、キャリアの周波数にあわせたバンドパスフィルタ(BPF)でキャリア成分を取り出し、検波回路でキャリアを検出し、積分回路でキャリアのある時間を積分し、ヒステリシスコンパレータ回路でキャリアの有無を判別してディジタル出力する。
【0003】
また、家庭用インバータ蛍光灯には30kHz〜60kHzのキャリア成分が存在するため、赤外線リモコン受信機の周囲にインバータ蛍光灯が存在する場合、インバータ蛍光灯ノイズ成分を検出して誤動作したり、最悪の場合、送信信号を正確に受信できなかったりといった問題を招来する。
【0004】
さらに、近年、省エネルギの要望は強く、上述のように赤外線リモコン受信機が誤動作する場合、システム制御を行うマイコンに割り込み信号が入ることになり、マイコンがスリープモード(省エネモード)にならず、低消費電力化の弊害となる。
【0005】
加えて、赤外線リモコン受信機はコスト削減の要望も強く、従来は外付けチップコンデンサ(0.1μF程度)であったキャリア検出回路の積分用コンデンサも、現在では集積回路に内蔵する(100pF程度)ことが常識となっている。よって、積分用コンデンサを内蔵したキャリア検出回路で、効果的にS/N分離を行う必要がある。
【0006】
ここでは、上記の要求を満足するための回路方式について述べる。図3に赤外線リモコン受信機の受信システムのブロック図を示す。一般に、フォトダイオードチップから入力される光電流信号(入力信号電流)Iinを、集積化された受信チップで復調して出力し、その出力は電子機器を制御するマイクロコンピュータ等に伝送される。
【0007】
光電流信号は30kHz〜60kHz程度の決められたキャリアで変調されたASK信号であり、受信チップでは入力された光電流信号をアンプ(図中、HA(ローパスフィルタの機能を有す)、2nd Amp、3rd Amp等で示す。)で増幅し、キャリアの周波数にあわせたバンドパスフィルタ(BPF)でキャリア成分を取り出し、検波回路でキャリアを検出し、積分回路でキャリアの存在する時間を積分し(出力int)、ヒステリシスコンパレータ回路でキャリアの有無を判別してディジタル出力(Dout)する。図4に各部の波形を示す。
【0008】
図5に従来例1として、特開2002−51093号公報(特許文献1)で示すキャリア検出回路101を示す。このキャリア検出回路101は、検波器101a及び積分器101bから構成されており、BPF(図示しない)の出力Sigからキャリア検出レベルDetを生成し、積分回路102でBPF出力Sigとキャリア検出レベルDetとを比較し、その比較結果を積分して、ヒステリシスコンパレータ回路(図示しない)に供給する。
【0009】
図6にキャリア検出回路101の動作を説明する波形を示す。図6(a)はBPF出力Sigとキャリア検出レベルDetとを比較しパルス群を検出することを示し、図6(b)は検波器出力Dettと基準電圧vfを比較し、パルスが検出されている期間(ton)は充電、パルスが検出されない期間(toff)は放電し、キャリア検出レベルDetにフィードバックすることを示し、図6(c)は、図6(a)で検出したキャリアを積分し(int)、ヒステリシスコンパレータ回路(図示しない)でベースバンド成分に復調することを示し、図6(d)は出力波形(Dout)を示す。
【0010】
赤外線リモコン信号は30kHz〜60kHzでキャリア変調されたASK信号で、1つの送信コードは50msec〜150msec程度であるため、キャリア検出レベルDetの時定数としては100msec程度必要である。
【0011】
このキャリア検出回路101では、検波器101aが検出すべきキャリア周波数(30kHz〜60kHz)のパルスをグループ(パルス群)で検出し、そのパルス群が存在する時間を積分器101bで積分し、積分された出力をキャリア検出レベルDetとしている。検波器101aはキャリア周波数に対して充分応答できるよう高速で動作しDettを出力する。積分器101bは、検波器101aの出力Dettと基準電圧vfとを比較し、コンデンサC2に微小電流で充放電することでキャリア検出レベルDetを出力する。積分器101bは、ベースバンド成分以上の応答速度(10kHz以下)を備えていればよい(一般に微小電流では高い応答性を確保できない)。
【0012】
従来例1の構成により、高い応答性と集積可能な容量値C2(100pF程度)で100msec程度の長い時定数を確保することが可能であるキャリア検出回路を提供している。
【0013】
しかし、従来例1の構成は、放電時定数を超えるような蛍光灯ノイズに対しては誤動作を防止することができるが、放電時定数以内で周期的に変化する蛍光灯ノイズに対しては誤動作を生じるという問題点を有している。
【0014】
図7に連続的な蛍光灯ノイズが入力されている場合のキャリア検出回路101の各部波形を示す。キャリア検出回路101は、BPF出力Sigに対しキャリア検出レベルDetが上昇していくと、ノイズ入力直後は誤動作するが、キャリア検出レベルDetが安定すると正常動作に復帰する。
【0015】
これに対して、実際は、蛍光灯ノイズには商用周波数成分等の他の周波数成分が含まれているので、その他の周波数成分とのうねりが生じており、放電時定数以内で周期的に変化する。
【0016】
図8(a)〜(d)に周期的に変化する蛍光灯ノイズが入力されている場合のキャリア検出回路101の各波形を示す。BPF出力Sigに対し、うねりが存在するためキャリア検出レベルDetが充分上昇しない。その結果、積分回路出力intは一定レベルで増減を繰り返し、誤動作が継続することとなる(出力常時ON状態で安定となる)。
【0017】
図9において、(a)は赤外線リモコン送信コードの一例、(b)は正常動作時の出力信号、(c)は周期的に変化する蛍光灯ノイズが入力されている場合の出力信号をそれぞれ示す。蛍光灯ノイズが入力されている場合でも、ある程度送信信号が大きければデータ部は復調可能であるが、ヘッダ部(1stパルス)は認識できず受信不可能となる((c)の状態)。
【0018】
また、マイクロコンピュータでは数フレームで送信信号を認識する場合があるが、送信コード間(休止期間)に誤動作がある場合も、ヘッダ部(1stパルス)は認識できず受信不可能となる。
【0019】
ここで、図10に従来例2として、特開2002−199478号公報(特許文献2)で示すキャリア検出回路を示す。なお、図5と同じ機能を有する部材には同じ参照番号を付記し、詳細な説明を省略する。
【0020】
従来例1のキャリア検出回路では放電時定数以内(200μsec〜300μsec程度)で周期的に変化するインバータ蛍光灯ノイズに対して誤動作する場合がある。そこで、従来例2においては、ヒステリシスコンパレータ回路103の出力でキャリアの有無を検出し、キャリア検出回路101にフィードバックするレベル変更回路を設けることを特徴としている。
【0021】
図11(a)〜(d)に周期的に変化する蛍光灯ノイズが入力されている場合のキャリア検出回路波形を示す。ヒステリシスコンパレータ回路103の出力でキャリアを検出している期間は、キャリア検出レベルを上昇させることによって誤動作が抑制され、出力が常時ON状態とはならない。しかし、ヒステリシスコンパレータ回路103の出力でキャリアの有無を検出しているため、本質的に誤動作を完全に無くすことはできない。
【0022】
また、ヒステリシスコンパレータ回路103の出力は赤外線リモコン受信機の出力端子となっており、使用条件によっては、図示しないマイクロコンピュータ(以下、単に、マイコンと称す。)に直結せずに出力を反転して使用する場合がある。この場合、出力端子のDCバイアスが変動してレベル変更回路が常時動作してしまい、キャリア検出レベルが上昇し続け、キャリア検出回路101が正常に動作せずキャリアが検出できない(出力常時OFFとなる。図9(d)に示す状態)。
【0023】
図12に赤外線リモコン受信機、出力端子使用例を示す。図12において、(a)はマイコンに直結する場合、(b)は出力を反転して使用する場合をそれぞれ示している。
【0024】
さらに、赤外線リモコン受信機は、価格競争が激しく、レベル変更回路を追加する分チップサイズが増加し、コストアップを招来することになる。
【0025】
【特許文献1】
特開2002−51093号公報(公開日:平成14年2月15日)
【0026】
【特許文献2】
特開2002−199478号公報(公開日:平成14年7月12日)
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術は、次のような問題点を有している。
【0028】
すなわち、上記従来例1のキャリア検出回路は、放電時定数以内で周期的に変化するインバータ蛍光灯ノイズに対して誤動作してしまう。
【0029】
また、上記従来例2のキャリア検出回路は、上記従来例1のキャリア検出回路の問題点を解決するために、ヒステリシスコンパレータ回路103の出力でキャリアの有無を検出しキャリア検出回路101にフィードバックするレベル変更回路を設けることを特徴としているが、(a)出力端子からのフィードバックのため、完全に誤動作が無くならない、(b)出力端子の使用条件によっては、キャリア検出回路が正常に動作しない、及び(c)レベル変更回路の分、回路規模が大きくなるという問題点を有している。
【0030】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、回路規模を大きくすることなく、誤動作を未然に回避し得るキャリア検出回路及び赤外線リモコン受信機を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明のキャリア検出回路は、上記課題を解決するために、積分回路及びヒステリシスコンパレータ回路を備えキャリアを含む信号の復調を行う機器に設けられるキャリア検出回路であって、次の措置を講じたことを特徴としている。
【0032】
すなわち、上記キャリア検出回路においては、上記積分回路の放電時定数は、ノイズ周期と、上記キャリア検出回路、積分回路、及びヒステリシスコンパレータ回路とに基づいて設定されていることを特徴としている。
【0033】
従来においては、検波器は、キャリア周波数に対して充分応答できるよう高速で動作すると共に、積分器は、ベースバンド成分以上の応答速度(10kHz以下)を備えていることが要求され、この要求を満たすように検波器及び積分器が構成されていた。
【0034】
上記従来の構成において誤動作を低減するために、ヒステリシスコンパレータ回路の出力でキャリアの有無を検出し、キャリア検出回路にフィードバックするレベル変更回路が別途設けられていた。このため、出力端子からのフィードバックのために完全に誤動作が無くならない、出力端子の使用条件によっては、キャリア検出回路が正常に動作しない、及びレベル変更回路の分、回路規模が大きくなるという問題点を有していた。
【0035】
これに対して、上記の発明によれば、ノイズ周期と、キャリア検出回路、積分回路、及びヒステリシスコンパレータ回路とに基づいて、積分回路の放電時定数が設定されるので、上記のレベル変更回路を別途設けることが不要となり、従来技術の上記問題点が回避され、その結果、回路規模が拡大することを回避できると共に、ノイズによる誤動作を未然に防止することが可能となる。
【0036】
上記キャリア検出回路において、キャリア検出回路の受信可能デューティ比をDとし、ノイズ周期をTnとし、上記キャリア検出回路の検波器の放電時定数をt0とし、上記積分回路の放電時定数をt1とすると、Tn>(−t0+t1)/(1−D)を満足するように上記各放電時定数を設定することが好ましい。
【0037】
パルスが検出されている期間(充電期間)をtonとし、パルスが検出されない期間をtoffとすると、D=ton/ton+toff 及びTn×D=ton より、ton+toff=Tnと表される。ここで、t0+toff>t1を満たせば誤動作を低減できる。すなわち、Tn>(−t0+t1)/(1−D)を満たすように、各放電時定数を設定すれば、誤動作を未然に回避できる。
【0038】
上記検波器の放電時定数t0と上記積分回路の放電時定数t1において、−t0+t1が200μsec以下であることが好ましい。
【0039】
インバータ蛍光灯ノイズで周期の短いものは、200μsec〜300μsec程度であるため、上記検波器の放電時定数(−t0)と上記積分回路の放電時定数t1との和を200μsec以下に設定することによって、効果的に、周期の短いノイズに対する誤動作を回避できる。
【0040】
上記キャリア検出回路において、上記各放電時定数が可変であることが好ましい。この場合、ノイズ周期に応じて各放電時定数が可変できるので、より確実に誤動作を回避できる。
【0041】
上記キャリア検出回路はゲインコントロールが可能であることが好ましい。この場合、周期の短いノイズに対しても容易にゲインコントロールを行うことが可能となり、S/N特性を確実に向上させることが可能となる。
【0042】
上記キャリア検出回路を用いて赤外線リモコン受信機を構成することが好ましい。
【0043】
ヒステリシスコンパレータ回路の出力は赤外線リモコン受信機の出力端子となっており、使用条件によっては、マイクロコンピュータに直結せずに出力を反転して使用する場合がある。この場合、従来技術においては、出力端子のDCバイアスが変動してレベル変更回路が常時動作してしまい、キャリア検出レベルが上昇し続け、キャリア検出回路が正常に動作せずキャリアが検出できなくなってしまう。
【0044】
これに対して、上記キャリア検出回路を用いて赤外線リモコン受信機を構成すると、従来必要であったレベル変更回路が不要となるので、キャリア検出回路が正常に動作し、キャリアの検出を高精度に行える。しかも、マイクロコンピュータに誤信号(エラー信号)が送られることがなくなり、この結果、省エネルギのシステムの実現が可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1及び図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、図10と同じ機能を有する部材には同じ参照番号を付記する。
【0046】
図1に本発明の実施の形態に係るキャリア検出回路1を備えた赤外線リモコン受信機の構成例を示す回路図である。本実施の形態においては、後述するように、積分回路2の放電時定数は、上記キャリア検出回路1、上記積分回路2、及びヒステリシスコンパレータ回路3を含めて設定することを特徴としている。
【0047】
上記のキャリア検出回路1は、図1に示すように、検波器1a及び積分器1bから構成されており、BPF(図示しない)の出力Sigから検波器1a及び積分器1bを介してキャリア検出レベルDetを生成し、積分回路2に送る。積分回路2では、BPF出力Sigとキャリア検出レベルDetとが比較され、その比較結果が積分される。積分回路2による積分結果がヒステリシスコンパレータ回路3に送られる。
【0048】
上記積分器1bにおいては、上記検波器1aの出力Dettと、基準電圧vfとが比較され、パルスが検出されている期間(ton)は充電、パルスが検出されない期間(toff)は放電がキャパシタC2に対して行われる。上記積分回路2において、検出したキャリアが積分され(int)、ヒステリシスコンパレータ回路3においてベースバンド成分に復調される。
【0049】
上記のキャリア検出回路1では、上記検波器1aは、BPF出力Sigとキャリア検出レベルDetとを比較し、検出すべきキャリア周波数(30kHz〜60kHz)のパルスをグループ(パルス群)で検出し(上記検波器1aの出力Dett)、そのパルス群が存在する時間を上記積分器1bで積分し、積分された出力をキャリア検出レベルDetとしている。
【0050】
上記検波器1aは、キャリア周波数に対して充分応答できるように高速で動作し、上記検波器1aの出力Dettを出力する。上記積分器1bは、上記検波器1aの出力Dettと上記基準電圧vfとを比較し、コンデンサC2に対して微小電流で充放電することによって、上記キャリア検出レベルDetを出力する。上記積分器1bは、ベースバンド成分以上の応答速度(10kHz以下)を備えていればよい。
【0051】
ところで、前述の従来技術においては、検波器は、キャリア周波数に対して充分応答できるよう高速で動作すると共に、積分器は、ベースバンド成分以上の応答速度を備えていることが要求され、この要求を満たすように検波器及び積分器が構成されていた。この構成において誤動作を低減するために、ヒステリシスコンパレータ回路の出力でキャリアの有無を検出し、キャリア検出回路にフィードバックするレベル変更回路が別途設けられていた。
【0052】
しかしながら、上記従来技術は、(a)出力端子からのフィードバックのため、完全に誤動作が無くならない、(b)出力端子の使用条件によっては、キャリア検出回路が正常に動作しない、及び(c)レベル変更回路の分、回路規模が大きくなる等の問題点を有していた。
【0053】
本願発明者は、上記従来技術の問題点を解決すべく、鋭意検討し、次の事項を見出した。すなわち、上記積分回路2の放電時定数t1は、該積分回路2の放電電流I1(図示しない)、該積分回路2を構成するコンデンサC3、及び上記ヒステリシスコンパレータ回路3のスレッシュホールド(Lo側の閾値)に応じて変化する。また、上記放電電流I1は、上記キャリア検出回路1の出力信号に応じて変化する。
【0054】
そこで、本発明においては、ノイズ周期と、上記キャリア検出回路1、上記積分回路2、及び上記ヒステリシスコンパレータ回路3とに基づいて積分回路2の放電時定数t1を設定した。
【0055】
これにより、従来必要であった上記のレベル変更回路を別途設けることが不要となり、上記(a)〜(c)の問題点が回避され、回路規模が拡大することを確実に回避できると共に、ノイズによる誤動作を未然に防止することが可能となる。
【0056】
ここで、ノイズ周期と、上記キャリア検出回路1、上記積分回路2、及び上記ヒステリシスコンパレータ回路3とに基づいて上記積分回路2の放電時定数t1を設定した場合について以下に説明する。
【0057】
図2(a)〜(d)は、周期的に変化する蛍光灯ノイズが入力されている場合の本実施の形態に係るキャリア検出回路1の波形図を示す。
【0058】
本実施の形態においては、キャリア検出回路1の放電時定数以内で周期的に変化するノイズ(周期:Tn)が入力されている場合、上記検波器1aの放電時定数t0を大きく設定すると共に、上記積分回路2の放電時定数t1を小さく設定することによって、誤動作を低減できる(出力が常時ONとならない)。
【0059】
本実施の形態においては、たとえば、上記検波器1aの放電時定数t0を100μsecとし、上記積分回路2の放電時定数t1を200μsecとし、上記キャリア検出回路1の受信可能デューティ比Dを50%とする(このとき、(−t0+t1)/(1−D)=200μsecとなる。)ことによって、誤動作の確実な低減化を図っている。なお、上記キャリア検出回路1の受信可能デューティ比Dは、当該デューティ比までの送信コードが受信できることを表している。
【0060】
なお、上記上記積分回路2の放電時定数t1のみを小さくすることによっても誤動作の低減(出力が常時Loとならない)は可能であるが、放電時定数t1を調整すると、出力パルス幅が狭くなったり、受信感度が低下したりする等の問題を招来し、現実的な解決策とはならない。
【0061】
キャリア検出レベルDetは、リモコン送信コードが受信可能なレベルとなるように、上記積分器1bの充放電電流比と上記検波器1aの放電時間とに基づいて設定されている。リモコンのキャリア検出回路1の受信可能Duty比(=ton/(ton+toff))は一般に数%〜60%であるため、キャリア検出回路1の受信可能Duty比に応じて時定数を設定することによってS/N分離が容易になる。
【0062】
例えば、キャリア検出回路1の受信可能Duty比50%とすると、キャリア検出レベルDetは、図2のton / (ton + toff) = 0.5(50%)のレベルまで上昇することとなる。一方、キャリア検出回路1の受信可能Duty比40%とすると、キャリア検出レベルDetは、ton / (ton + toff) = 0.4(40%)のレベルまで上昇し、50%よりキャリア検出レベルDetが上昇するため、誤動作を低減できる。
【0063】
周期の短いノイズに対しては、上記検波器1aの放電時定数t0を大きくすることで、キャリア検出レベルが効果的に上昇し、周期の短いノイズに対しても誤動作を完全に無くすことが可能である。
【0064】
ここで、Tnをノイズ周期、t0を検波器1aの放電時定数、t1を積分回路2の放電時定数、Duty比をキャリア検出回路1の受信可能Duty比[%]とすると、Tn × Duty =ton ゆえ、ton + toff = Tnと表される。ここで、t0 + toff > t1 を満たせば誤動作を低減できる。すなわち、Tn > ( - t0 + t1 ) / ( 1 - Duty)を満たすように、各放電時定数を設定すれば、誤動作を未然に回避できる。
【0065】
また、上記放電時定数を可変とし、ノイズ周期Tnに応じた放電時定数とすることによって、より効果的に誤動作を回避することが可能である。
【0066】
また、インバータ蛍光灯ノイズで周期の短いものは、200μsec〜300μsec程度であるため、検波器1aの放電時定数(−t0)と積分回路2の放電時定数t1との和を200μsec以下に設定することで効果的に誤動作を回避できる。
【0067】
本キャリア検出回路1を用いてゲインコントロールすることによって、周期の短いノイズに対しても容易にゲインコントロールを行うことが可能となり、S/N特性が確実に向上する。
【0068】
また、本キャリア検出回路1を用いた赤外線リモコン受信機とすることによって、誤動作が未然に回避されるので、マイコンに誤信号(エラー信号)が送られることがなくなり、この結果、省エネルギのシステムの実現が可能となる。
【0069】
これは、次の理由による。すなわち、ヒステリシスコンパレータ回路3の出力は赤外線リモコン受信機の出力端子となっており、使用条件によっては、マイクロコンピュータに直結せずに出力を反転して使用する場合がある。この場合、従来技術においては、出力端子のDCバイアスが変動してレベル変更回路が常時動作してしまい、キャリア検出レベルが上昇し続け、キャリア検出回路が正常に動作せずキャリアが検出できなくなってしまう。
【0070】
これに対して、上記キャリア検出回路1を用いて赤外線リモコン受信機を構成すると、従来必要であったレベル変更回路が不要となるので、キャリア検出回路1が正常に動作し、キャリアの検出を高精度に行える。しかも、マイクロコンピュータに誤信号(エラー信号)が送られることがなくなり、この結果、省エネルギのシステムの実現が可能となる。
【0071】
ところで、赤外線リモコン受信機によっては、積分器1bによる積分を2重に行う場合があるが、その場合も、前述の場合と同様に、Tn > ( - t0 + t1 + t2 ) / ( 1 - Duty)を満足するように、各放電時定数を設定することによって、誤動作を未然に回避できる。なお、上記不等式においては、Tnをノイズ周期、t0を検波器1aの放電時定数、t1を第1積分器の放電時定数、及びt2を第2積分器の放電時定数としている。
【0072】
なお、上記説明においては、キャリア検出回路が設けられた赤外線リモコン受信機を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、キャリアを含む信号の復調を行う機器に適用可能である。
【0073】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、これらについても本発明の技術的手段に含まれる。
【0074】
【発明の効果】
本発明のキャリア検出回路は、以上のように、キャリア検出回路において、積分回路の放電時定数は、ノイズ周期と、上記キャリア検出回路、上記積分回路、及び上記ヒステリシスコンパレータ回路とに基づいて設定されていることを特徴としている。
【0075】
上記の発明によれば、ノイズ周期と、キャリア検出回路、積分回路、及びヒステリシスコンパレータ回路回路とに基づいて、積分回路の放電時定数が設定されるので、上記のレベル変更回路を別途設けることが不要となり、回路規模が拡大することを回避できると共に、ノイズによる誤動作を未然に防止することが可能となるという効果を併せて奏する。
【0076】
上記キャリア検出回路において、キャリア検出回路の受信可能デューティ比をDとし、ノイズ周期をTnとし、上記キャリア検出回路の検波器の放電時定数をt0とし、上記積分回路の放電時定数をt1とすると、Tn>(−t0+t1)/(1−D)を満足するように上記各放電時定数を設定することが好ましい。
【0077】
パルスが検出されている期間(充電期間)をtonとし、パルスが検出されない期間をtoffとすると、D=ton/ton+toff 及びTn×D=ton より、ton+toff=Tnと表される。ここで、t0+toff>t1を満たせば誤動作を低減できる。すなわち、Tn>(−t0+t1)/(1−D)を満たすように、各放電時定数を設定すれば、誤動作を未然に回避できるという効果を併せて奏する。
【0078】
上記検波器の放電時定数t0と上記積分回路の放電時定数t1において、−t0+t1が200μsec以下であることが好ましい。
【0079】
インバータ蛍光灯ノイズで周期の短いものは、200μsec〜300μsec程度であるため、上記検波器の放電時定数(−t0)と上記積分回路の放電時定数t1との和を200μsec以下に設定することによって、効果的に、周期の短いノイズに対する誤動作を回避できるという効果を併せて奏する。
【0080】
上記キャリア検出回路において、上記各放電時定数が可変であることが好ましい。この場合、ノイズ周期に応じて各放電時定数が可変できるので、より確実に誤動作を回避できるという効果を併せて奏する。
【0081】
上記キャリア検出回路はゲインコントロールが可能であることが好ましい。この場合、周期の短いノイズに対しても容易にゲインコントロールを行うことが可能となり、S/N特性を確実に向上させることが可能となるという効果を併せて奏する。
【0082】
上記キャリア検出回路を用いて赤外線リモコン受信機を構成することが好ましい。
【0083】
ヒステリシスコンパレータ回路の出力は赤外線リモコン受信機の出力端子となっており、使用条件によっては、マイクロコンピュータに直結せずに出力を反転して使用する場合がある。この場合、従来技術においては、出力端子のDCバイアスが変動してレベル変更回路が常時動作してしまい、キャリア検出レベルが上昇し続け、キャリア検出回路が正常に動作せずキャリアが検出できなくなってしまう。
【0084】
これに対して、上記キャリア検出回路を用いて赤外線リモコン受信機を構成すると、従来必要であったレベル変更回路が不要となるので、キャリア検出回路が正常に動作し、キャリアの検出を高精度に行える。しかも、マイクロコンピュータに誤信号(エラー信号)が送られることがなくなり、この結果、省エネルギのシステムの実現が可能となるという効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャリア検出回路を備えた赤外線リモコン受信機の構成例を示す回路図である。
【図2】周期的に変化する蛍光灯ノイズが入力されている場合の上記キャリア検出回路の動作を説明する波形図である。
【図3】従来の赤外線リモコン受信機の受信チップの構成を示すブロック図である。
【図4】上記受信チップにおける要部の波形を示す波形図である。
【図5】従来のキャリア検出回路を説明する回路図である。
【図6】図5のキャリア検出回路の動作を説明する波形図である。
【図7】連続的な蛍光灯ノイズが入力されている場合における図5のキャリア検出回路の動作を説明する波形図である。
【図8】周期的に変化する蛍光灯ノイズが入力されている場合における図5のキャリア検出回路の動作を説明する波形図である。
【図9】赤外線リモコン送信コード及び受信コードの例を示す波形図である。
【図10】従来の他のキャリア検出回路を説明する回路図である。
【図11】周期的に変化する蛍光灯ノイズが入力されている場合における図10のキャリア検出回路の動作を説明する波形図である。
【図12】赤外線リモコン受信機の出力端子使用例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 キャリア検出回路
1a 検波器
1b 積分器
2 積分回路
3 ヒステリシスコンパレータ回路

Claims (5)

  1. 積分回路及びヒステリシスコンパレータ回路を備えキャリアを含む信号の復調を行う機器に設けられるキャリア検出回路であって、
    上記積分回路の放電時定数は、ノイズ周期と、上記キャリア検出回路、積分回路、及びヒステリシスコンパレータ回路とに基づいて設定されていると共に、
    キャリア検出回路の受信可能デューティ比をDとし、ノイズ周期をTnとし、上記キャリア検出回路の検波器の放電時定数をt0とし、上記積分回路の放電時定数をt1とすると、Tn> ( −t0+t1 ) /(1−D)を満足するように上記各放電時定数を設定することを特徴とするキャリア検出回路。
  2. 上記検波器の放電時定数t0と上記積分回路の放電時定数t1において、−t0+t1が200μsec以下であることを特徴とする請求項に記載のキャリア検出回路。
  3. 上記各放電時定数が可変であることを特徴とする請求項1、又は2に記載のキャリア検出回路。
  4. ゲインコントロールが可能であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のキャリア検出回路。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のキャリア検出回路を設けたことを特徴とする赤外線リモコン受信機。
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