JP4092098B2 - Disk unit and motor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクを回転駆動するモータを含んで構成されたディスク装置、および、モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、複数個のトランジスタを用いて電流路を切り換えるモータによりディスクを回転駆動させるハードディスク装置(HDD)や光ディスク装置やフレキシブルディスク装置などが広く使用されている。従来、このようなモータでは、PNP型パワートランジスタとNPN型パワートランジスタを用いてコイルへの電流路を切り換えている。
【0003】
図32に従来のモータを示し、その動作について簡単に説明する。ロータ2011は永久磁石による界磁部を有し、位置検出器2041はロータ2011の界磁部の磁界を3個の位置検出素子で検出する。すなわち、ロータ2011の回転に応動した3個の位置検出素子の3相の出力信号から、位置検出器2041は2組の3相の電圧信号Kp1,Kp2,Kp3とKp4,Kp5,Kp6を発生する。第1の分配器2042は電圧信号Kp1,Kp2,Kp3に応動した3相の下側通電制御信号Lp1,Lp2,Lp3を作りだし、下側のNPN型パワートランジスタ2021,2022,2023のベースに供給し、NPN型パワートランジスタ2021,2022,2023の通電を制御する。第2の分配器2043は電圧信号Kp4,Kp5,Kp6に応動した3相の上側通電制御信号Mp1,Mp2,Mp3を作りだし、上側のPNP型パワートランジスタ2025,2026,2027のベースに供給し、PNP型パワートランジスタ2025,2026,2027の通電を制御する。これにより、3相のコイル2012,2013,2014への電流路を開閉制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の構成では、パワートランジスタにおける電力損失が大きく、モータの電力効率が著しく悪かった。NPN型パワートランジスタ2021,2022,2023およびPNP型パワートランジスタ2025,2026,2027は、そのエミッタ−コレクタ間の電圧をアナログ的に制御し、コイル2012,2013,2014に必要な振幅の駆動電圧を供給している。そのため、パワートランジスタの残留電圧が大きく、残留電圧とコイルへの駆動電流の積によって大きな電力損失・発熱が生じていた。その結果、モータの電力効率が悪く、ディスク装置の電力消費は大きかった。また、ディスク装置の電力損失・発熱によりディスクの温度上昇が大きく、ディスクへの情報記録・再生においてビット誤りを生じることも多かった。
【0005】
米国特許第5,982,118号明細書や米国特許第5,473,232号明細書には、パワートランジスタをPWM動作(PWM:パルス幅変調)させ、消費電力を小さくしたモータが記載されている。しかし、米国特許第5,982,118号明細書や米国特許第5,473,232号明細書のモータ構成では、パワートランジスタのPWM動作に伴って非常に大きな高周波のスイッチングノイズが発生する。このスイッチングノイズはヘッドからの再生信号を乱し、ディスク装置の再生信号のビット誤り率を著しく悪化させる。
【0006】
HDDなどの磁気ディスク装置やDVDなどの光ディスク装置では、高密度ディスクからの再生動作を安定に行わせるために、高周波ノイズを極力小さくする必要がある。しかし、パワートランジスタをPWM動作させると、非常に大きな高周波のスイッチングノイズが発生する。そのため、ディスク装置の再生信号の信頼性が著しく劣化するので、パワートランジスタをPWM動作させることが難しかった。
本発明の目的は、上記の種々の問題点をそれぞれまたは同時に解決し、低消費電力で低ノイズの信頼性の高いディスク装置、およびディスクなどの回転駆動に適したモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成のディスク装置では、
ディスクから信号を再生するヘッド手段と、
前記ヘッド手段の再生信号に応動した処理信号を出力する処理手段と、
界磁磁束を発生する界磁部を有し、前記ディスクを回転駆動する回転体と、
Q相(ここに、Qは3以上の整数)のコイルと、
少なくとも2つの出力端子を有し、直流電圧を供給する電圧供給手段と、
前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記Q相のコイルの一端との電流路を形成するQ個の第1のパワートランジスタと、前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記Q相のコイルの一端との電流路を形成するQ個の第2のパワートランジスタと、を含んで構成された電力供給手段と、
前記回転体の回転に応動した位置信号を作成する位置検出手段と、
前記位置検出手段の出力信号に応動して前記電力供給手段の前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタの通電区間を制御し、各通電区間を360/Q度相当よりも広くする通電動作手段と、
前記ディスクの回転速度に応動した指令信号を作成する指令手段と、
前記電力供給手段の前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個を前記指令信号に応動して高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、
を具備するディスク装置であって、
前記スイッチング動作手段は、前記電圧供給手段から前記Q相のコイルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を作成する電流検出手段と、前記電流検出信号と前記指令信号に応動した高周波のスイッチングパルス信号を作成するスイッチング制御手段と、を含んで構成され、
前記通電動作手段は、高周波の前記スイッチングパルス信号に応動して変化するスルーレート・スイッチング信号であって、立ち上がり部分と立ち下がり部分のうちで少なくとも一方の部分において電圧傾斜を有する高周波の前記スルーレート・スイッチング信号を前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個のパワートランジスタの通電制御端子側に作成し、前記少なくとも1個のパワートランジスタを前記スルーレート・スイッチング信号に応動してフォロア動作させ、前記少なくとも1個のパワートランジスタを前記スルーレート・スイッチング信号に応動して高周波スイッチング動作させ、前記電流検出信号と前記指令信号に応動した高周波スイッチングの駆動電圧を前記Q相のコイルの一端に供給する構成にされている。
【0008】
このように構成することにより、Q個の第1のパワートランジスタとQ個の第2のパワートランジスタのうちの少なくとも1個は高周波スイッチング動作しているので、パワートランジスタの電力損失は極めて小さくなる。すなわち、パワートランジスタの発熱は非常に小さく、電力消費の小さいディスク装置を実現できる。また、パワートランジスタの各通電区間を360/Q度相当の時間よりも大きくし、Q相のコイルへの合成供給電流を指令信号に応動して電流制御しているので、発生駆動力の脈動が少なくなり、ディスクの騒音・振動を小さくできる。また、スイッチング動作手段のスイッチングパルス信号に応動してパワートランジスタを高周波スイッチング動作させるので、スルーレート・スイッチング信号の作成が容易になる。また、スルーレート・スイッチング信号に応動してパワートランジスタをフォロア動作させ、コイルに駆動電圧を供給している。従って、コイルへの駆動電圧はスルーレート・スイッチング信号に応動した所要の電圧傾斜を有する高周波電圧信号になるので、パワートランジスタの高周波スイッチング動作に伴う高周波ノイズの発生は著しく小さくなる。その結果、ディスク装置の再生信号の誤りは著しく少なくなる。従って、消費電力が小さく、再生信号の誤り率が小さく、騒音・振動の小さい高性能なディスク装置を実現できる。
【0015】
本発明の構成のモータでは、
界磁磁束を発生する界磁部を有する回転体と、
Q相(ここに、Qは3以上の整数)のコイルと、
少なくとも2つの出力端子を有し、直流電圧を供給する電圧供給手段と、
前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記Q相のコイルの一端との電流路を形成するQ個の第1のパワートランジスタと、前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記Q相のコイルの一端との電流路を形成するQ個の第2のパワートランジスタと、を含んで構成された電力供給手段と、
前記回転体の回転に応動した位置信号を作成する位置検出手段と、
前記位置検出手段の出力信号に応動して前記電力供給手段の前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタの通電区間を制御し、各通電区間を360/Q度相当よりも広くする通電動作手段と、
前記回転体の回転速度に応動した指令信号を作成する指令手段と、
前記電力供給手段の前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個を前記指令信号に応動して高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、
を具備するモータであって、
前記スイッチング動作手段は、前記電圧供給手段から前記Q相のコイルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を作成する電流検出手段と、前記電流検出信号と前記指令信号に応動した高周波のスイッチングパルス信号を作成するスイッチング制御手段と、を含んで構成され、
前記通電動作手段は、高周波の前記スイッチングパルス信号に応動して変化するスルーレート・スイッチング信号であって、立ち上がり部分と立ち下がり部分のうちで少なくとも一方の部分において電圧傾斜を有する高周波の前記スルーレート・スイッチング信号を前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個のパワートランジスタの通電制御端子側に作成し、前記少なくとも1個のパワートランジスタを前記スルーレート・スイッチング信号に応動してフォロア動作させ、前記少なくとも1個のパワートランジスタを前記スルーレート・スイッチング信号に応動して高周波スイッチング動作させ、前記電流検出信号と前記指令信号に応動した高周波スイッチングの駆動電圧を前記Q相のコイルの一端に供給する構成にされている。
【0016】
このように構成することにより、Q個の第1のパワートランジスタとQ個の第2のパワートランジスタのうちの少なくとも1個は高周波スイッチング動作しているので、パワートランジスタの電力損失は極めて小さくなる。すなわち、パワートランジスタの発熱は非常に小さく、電力消費の小さいモータを実現できる。また、パワートランジスタの各通電区間を360/Q度相当の時間よりも大きくし、Q相のコイルへの合成供給電流を指令信号に応動して電流制御しているので、発生駆動力の脈動が少なくなり、回転体の騒音・振動を小さくできる。また、スイッチング動作手段のスイッチングパルス信号に応動してパワートランジスタを高周波スイッチング動作させるので、スルーレート・スイッチング信号の作成が容易になる。また、スルーレート・スイッチング信号に応動してパワートランジスタをフォロア動作させ、コイルに駆動電圧を供給している。従って、コイルへの駆動電圧はスルーレート・スイッチング信号に応動した所要の電圧傾斜を有する高周波電圧信号になるので、パワートランジスタの高周波スイッチング動作に伴う高周波ノイズの発生は著しく小さくなる。従って、消費電力が小さく、発生ノイズが少なく、騒音・振動の小さい高性能なモータを実現できる。
【0024】
これらおよびその他の構成や動作については、実施の形態の説明において詳細に説明する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るディスク装置とモータの好適な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0026】
《実施の形態1》
図1から図14に本発明の実施の形態1のモータを含んで構成されたディスク装置、および、モータを示す。図2にディスク装置の全体構成を示す。ディジタル情報を記録されたディスク81は、モータ部アクチュエータ82の回転軸83に取り付けられ、回転軸83と共に回転している。ディスク81のディジタル情報を再生するヘッド部87は、トラッキング部アクチュエータ85の支承部86に取り付けられ、支承部86の回転移動動作によって位置決めされる。情報処理ブロック93は、ヘッド部87からの出力信号Chに応動した情報出力信号Ehを出力し、ディスク81のディジタル情報を再生する。また、ヘッド部87の出力信号には、ディスク81の再生トラック位置の情報も含まれている。モータ部駆動ブロック91は、モータ部アクチュエータ82に駆動電圧と駆動電流を供給し、ディスク81の回転速度を制御している。トラッキング部駆動ブロック92は、トラッキング部アクチュエータ85に駆動電圧と駆動電流を供給し、ヘッド部87の再生位置をトラッキング制御をしている。
【0027】
モータ部駆動ブロック91は、駆動電圧の高周波スイッチング動作を行って、オン・オフのスイッチングされた駆動電圧をモータ部アクチュエータ82に供給する。トラッキング部駆動ブロック92は、駆動電圧の高周波スイッチング動作を行って、オン・オフのスイッチングされた駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給する。
動作切換部94は動作切換信号Dhを出力する。まず、動作切換部94の動作切換信号Dhが”L”(低電位状態)の場合を説明する。モータ部駆動ブロック91は、パワートランジスタを低速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチングノイズの小さい低速スルーレートの高周波スイッチング駆動電圧をモータ部アクチュエータ82に供給する。トラッキング部駆動ブロック92は、パワートランジスタを低速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチングノイズの小さい低速スルーレートの高周波スイッチング駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給する。情報処理ブロック93は、その内部回路の回路動作を実行させ、ヘッド部87からの出力信号の信号再生動作を実行し、情報出力信号Ehを有効にする。
【0028】
次に、動作切換部94の動作切換信号Dhが”H”(高電位状態)の場合を説明する。モータ部駆動ブロック91は、パワートランジスタを高速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチング損失の少ない高速スルーレートの高周波スイッチング駆動電圧をモータ部アクチュエータ82に供給する。トラッキング部駆動ブロック92は、パワートランジスタを高速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチング損失の少ない高速スルーレートの高周波スイッチング駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給する。情報処理ブロック93は、その内部回路の回路動作を全部もしくは一部停止させ、ヘッド部87からの出力信号の信号処理動作を停止し、情報出力信号Ehを無効にする。すなわち、情報処理ブロック93への電源供給を全部もしくは一部停止し、その情報処理回路動作を停止させる。
なお、ハードディスク装置やフレキシブルディスク装置においてヘッド部87は磁気記録再生ヘッド部分に相当し、光ディスク装置においてヘッド部87はレーザー光による記録再生を行う光ヘッド部分に相当する。
【0029】
図1にモータ部アクチュエータ82とモータ部駆動ブロック91の具体的な構成を示す。ディスク81を回転駆動するモータ部アクチュエータ82の回転体11は、複数極の界磁磁束を発生する界磁部を取り付けられたロータである。この界磁部は、たとえば、永久磁石による2極もしくはそれ以上の磁極を有する構成にしている。ここでは、単一の永久磁石にN極とS極の2極を有する界磁部の構成を示したが、一般的に界磁部は単一の永久磁石または複数の磁極片によって2極以上の複数極を配設することにより構成される。3相のコイル12,13,14は、固定体であるステータに配設され、回転体11の界磁部との相対関係に関して、電気的に互いに120度または約120度ずらされて配置されている。ここに、回転体11の2磁極分の角度が電気角の360度に相当する。3相のコイル12,13,14は3相の駆動電流I1,I2,I3により3相の磁束を発生し、回転体11の界磁部との相互作用によって駆動力を発生し、回転体11およびディスク81を回転駆動する。
【0030】
図1の電力供給部20は、通電動作部31の3相の下側通電制御信号M1,M2,M3と3相の上側通電制御信号N1,N2,N3に応動して電圧供給部25から3相のコイル12,13,14への電流路を形成し、コイル12,13,14への電力供給を行っている。図3に電力供給部20の具体的な構成を示す。
図3の電力供給部20は、電圧供給部25の負極出力端子側(アース側)とコイル12,13,14の各電力供給端子側の間の電力供給路(電流路)を形成する3個の下側パワートランジスタ101,102,103と、電圧供給部25の正極出力端子側(Vm側)とコイル12,13,14の各電力供給端子側の間の電力供給路(電流路)を形成する3個の上側パワートランジスタ105,106,107を含んで構成されている。下側パワートランジスタ101,102,103には並列に下側パワーダイオード101d,102d,103dが逆接続され、上側パワートランジスタ105,106,107には並列に上側パワーダイオード105d,106d,107dが逆接続されている。これらのパワーダイオードは、必要に応じて接続されていれば良い。ここでは、上側パワートランジスタ105,106,107にNチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジスタ(NMOS−FETパワートランジスタ)を使用し、下側パワートランジスタ101,102,103にPチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジスタを使用している。また、上側パワートランジスタ105,106,107の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて逆接続されて形成された寄生ダイオードをそれぞれ、上側パワーダイオード105d,106d,107dとして使用している。また、下側パワートランジスタ101,102,103の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて逆接続されて形成された寄生ダイオードをそれぞれ、下側パワーダイオード101d,102d,103dとして使用している。
【0031】
上側パワートランジスタ105,106,107(上側NMOS−FETパワートランジスタ)は、上側通電制御信号N1,N2,N3に応動してオン・オフの高周波スイッチング動作を行う。上側パワートランジスタ105,106,107は、コイル12,13,14への駆動電流I1,I2,I3の正極側電流を供給する電流路を形成する。たとえば、上側パワートランジスタ105がオンのときにはコイル12の端子電圧V1はVmまたは略Vmになり、コイル12に正極性の駆動電流I1を供給する。上側パワートランジスタ105がオフに変わると、下側パワーダイオード101d(または下側パワートランジスタ101)が活性になり、コイル12の端子電圧V1は0Vまたは略0Vになる。すなわち、コイル12のインダクタンス作用によって、コイル12に正極性の駆動電流I1を連続的に供給する。これにより、コイル12の端子電圧V1は略Vmと略0Vの間を実質的にディジタル的に変化する高周波スイッチング駆動電圧になる。従って、上側パワートランジスタ105,106,107のそれぞれの通電区間において、コイル12,13,14の端子電圧V1,V2,V3はそれぞれ高周波スイッチング駆動電圧(PWM電圧)になる。なお、スイッチングの周波数は、たとえば20kHzから200kHzの間の比較的高周波が使用される。そのため、ここでは、高周波スイッチングに適した電界効果型パワートランジスタを使用している。
【0032】
下側パワートランジスタ101,102,103(下側NMOS−FETパワートランジスタ)は、下側通電制御信号M1,M2,M3に応動して高周波スイッチング動作またはオン・オフ動作を行う。下側パワートランジスタ101,102,103は、コイル12,13,14への駆動電流I1,I2,I3の負極側電流を供給する電流路を形成する。
なお、上側パワートランジスタにNチャンネル電界効果型のトランジスタを使用する場合には、電圧供給部25の正極出力端子側電位Vmよりも所定値だけ高い高電位”Hu”を用いて、上側パワートランジスタを動作させる上側通電制御信号N1,N2,N3を作成する。また、下側パワートランジスタにPチャンネル電界効果型のトランジスタを使用する場合には、電圧供給部25の負極出力端子側電位0Vよりも所定値だけ低い低電位”Ld”を用いて、下側パワートランジスタを動作させる下側通電制御信号M1,M2,M3を作成する。これにより、上側パワートランジスタや下側パワートランジスタをフルオン動作させることができる。なお、電界効果型パワートランジスタの動作には、フルオン状態とハーフオン状態とオフ状態がある。パワートランジスタは、フルオン状態とオフ状態の間に生じる駆動電圧の傾斜部分においてハーフオン状態にて動作する。なお、フルオン状態とハーフオン状態をあわせてオン状態とよぶ。
【0033】
電流検出部21は、電流検出用の抵抗111を含んで構成され、下側パワートランジスタ101,102,103を介して電圧供給部25から3相のコイル12,13,14に供給する通電電流または合成供給電流Igに応動した電流検出信号Adを出力する。ここでは、電流検出信号Adは通電電流Igに直接的に比例または略比例している。上側パワートランジスタはオン・オフの高周波スイッチング動作するので、合成供給電流Igや電流検出信号Adはパルス信号になる。
図1の位置検出部30は、回転体11の界磁部の位置を検出し、検出位置に対応した下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3と検出パルス信号Dtを出力する。一般に、界磁部の回転位置の検出には、磁電変換素子を用いる方法が広く用いられる。すなわち、界磁部の磁極が作用する固定体上にホール素子のごとき磁電変換素子を配置し、磁電変換素子の出力信号により界磁部の位置を検出する。しかし、ここでは、位置検出部30は、3相のコイル12,13,14の一端に生じる3相の端子電圧V1,V2,V3を検出し、端子電圧の比較結果によって界磁部の回転位置の検出を行っている。これにより、位置検出素子を不要にしている。図4に位置検出部30の具体的な構成を示す。
【0034】
図4の位置検出部30は、電圧検出器121と位置作成器122によって構成されている。電圧検出器121は、3相のコイル12,13,14の一端に生じる3相の端子電圧V1,V2,V3とコイル12,13,14の共通接続された中性点端子の共通電圧Vcを入力され、それらの比較結果に応動した検出パルス信号Dtを出力する。位置作成器122は、検出パルス信号Dtの発生に応動して内部状態を遷移させ、内部状態に対応した下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3を出力する。図5に電圧検出器121の具体的な構成を示し、図6に位置作成器122の具体的な構成を示す。
【0035】
図5の電圧検出器121の3個のコンパレータ回路151,152,153は、3相の端子電圧V1,V2,V3と共通電圧Vcを比較し、比較結果に応動した3相の比較パルス信号b1,b2,b3を出力する。信号選択回路155は、下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3による3相のコイルへの通電状態に応じて比較パルス信号b1,b2,b3のうちのいずれか1個の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを選択検出し、その検出エッジを合成した検出パルス信号b4を出力する。ノイズ除去回路156は、パワートランジスタの高周波スイッチングに伴って検出パルス信号b4に含まれるスイッチングノイズを、後述のスイッチング制御部22のノイズ除去信号Wxにより除去し、正確な検出パルス信号Dtを出力する。なお、中性点端子の正確な共通電圧Vcの代わりに、端子電圧V1,V2,V3を抵抗によって合成した合成共通電圧を使用しても良い。
【0036】
図10の(a)〜(d)に電圧検出器121の動作説明用波形を示す。図10の(a),(b),(c)に示した3相の比較パルス信号b1,b2,b3に対して、各エッジを選択検出して合成し、検出パルス信号Dtを作成する(図10の(d)参照)。ここに、図10の横軸は時間である。なお、電力供給部20のパワートランジスタのスイッチング動作によって生じるスイッチングノイズは図示を省略した。
図6の位置作成器122は、調整器160と信号形成器161を含んで構成されている。調整器160は、電圧検出器121の検出パルス信号Dtの立ち上がりエッジの到来毎に、第1の調整時間T1だけ遅延した第1のタイミング信号F1と、第2の調整時間T2(T2>T1)だけ遅延した第2のタイミング信号F2を出力する。信号形成器161は、検出パルス信号Dtから第1の調整時間T1後に、第1のタイミング信号F1に応動してその内部状態を第1の状態から第2の状態に遷移させる。また、信号形成器161は、検出パルス信号Dtから第2の調整時間T2後に、第2のタイミング信号F2に応動してその内部状態を第2の状態から第3の状態に遷移させる。すなわち、信号形成器161は、調整器160の第1のタイミング信号F1や第2のタイミング信号F2の到来に応動して内部状態を遷移し、その内部状態に応動した3相の下側位置信号P1,P2,P3と3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3を出力する。
【0037】
図6の調整器160は、時間計測回路165と第1の調整回路166と第2の調整回路167を含んで構成されている。時間計測回路165は、検出パルス信号Dtの立ち上がりエッジの時間間隔T0を計測し、その時間間隔T0に対応した計数データ信号Dbを出力する。第1の調整回路166は、検出パルス信号Dtの立ち上がりエッジの発生時点における計数データ信号Dbを入力し、この計数データDbに比例もしくは略比例した第1の調整時間T1だけ検出パルス信号Dtの発生時点から遅延させ、第1のタイミング信号F1を出力する。同様に、第2の調整回路167は、検出パルス信号Dtの立ち上がりエッジの発生時点における計数データDbを入力し、この計数データDbに比例もしくは略比例した第2の調整時間T2だけ検出パルス信号Dtの発生時点から遅延させ、第2のタイミング信号F2を出力する。
【0038】
時間計測回路165は、たとえばアップ型カウンタと保持回路を含んで構成されている。検出パルス信号Dtの到来毎に、アップ型カウンタの内容を保持回路に移し、計数データ信号Dbとして出力する。また、検出パルス信号Dtの到来毎に、アップ型カウンタの内部状態をリセットし、その後に計測クロックパルスをカウントアップする。第1の調整回路166は、たとえば第1のダウン型カウンタを含んで構成されている。検出パルス信号Dtの到来時に計数データ信号Dbを第1のダウン型カウンタに入力し、その後に第1のクロックパルスによりダウンカウントする。第1のダウン型カウンタの内容が零になったときに、第1の調整回路166は第1のタイミング信号F1を出力する。第2の調整回路167は、たとえば第2のダウン型カウンタを含んで構成されている。検出パルス信号Dtの到来時に計数データ信号Dbを第2のダウン型カウンタに入力し、その後に第2のクロックパルスによりダウンカウントする。第2のダウン型カウンタの内容が零になったときに、第2の調整回路167は第2のタイミング信号F2を出力する。また、第1の調整回路166の第1のクロックパルスを第2の調整回路167の第2のクロックパルスよりも高速にすることにより、第1の調整時間T1<第2の調整時間T2にしている。
【0039】
これらの信号波形の関係を図11の(a),(b),(c)に例示する。時間計測回路165は、図11の(a)に示した検出パルス信号Dtの立ち上がりエッジ間の時間間隔T0を計測し、時間間隔T0に対応したカウント値を計数データ信号Dbとして出力する。第1の調整回路166は、時間間隔T0に比例または略比例した第1の調整時間T1(T1<T0)だけ遅延して第1のタイミング信号F1を出力する(図11の(b)参照)。すなわち、第1のタイミング信号F1は、検出パルス信号Dtの立ち上がりエッジ発生時点から、時間間隔T0に応動した第1の調整時間T1だけ遅延したパルス信号になる。第2の調整回路167は、時間間隔T0に比例または略比例した第2の調整時間T2(T2<T0)だけ遅延して第2のタイミング信号F2を出力する(図11の(c)参照)。すなわち、第2のタイミング信号F2は、検出パルス信号Dtの立ち上がりエッジ発生時点から、時間間隔T0に応動した第2の調整時間T2(T1<T2<T0)だけ遅延したパルス信号になる。ここに、図11の横軸は時間である。
【0040】
図6の信号形成器161は、調整器160の第1のタイミング信号F1や第2のタイミング信号F2の到来に対応して内部状態を遷移し、その内部状態を保持する状態保持回路を含んでいる。信号形成器161は、第1のタイミング信号F1の到来に応動してその保持状態を第1の状態から第2の状態に遷移させ、第2のタイミング信号F2の到来に応動してその保持状態を第2の状態から第3の状態に遷移させる。信号形成器161は、第1のタイミング信号F1と第2のタイミング信号F2に応動して遷移する保持状態に対応して、3相の下側位置信号P1,P2,P3と3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3を出力する。すなわち、第1のタイミング信号F1の到来によって、下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3のうちで1個の信号を、“L”(低電位状態)から“H”(高電位状態)に変化させ、対応するパワートランジスタの通電を開始させる。また、第2のタイミング信号F2の到来によって、下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3のうちで1個の信号を、“H”から“L”に変化させ、対応するパワートランジスタの通電を終了させる。
【0041】
信号形成器161の各下側位置信号P1,P2,P3の“H”状態になる期間は、電力供給部20の各下側パワートランジスタ101,102,103の通電区間に対応し、各下側パワートランジスタの動作により各コイル12,13,14に駆動電流I1,I2,I3の負極側電流をそれぞれ供給する通電区間に相当する。信号形成器161の各上側位置信号Q1,Q2,Q3の“H”状態になる期間は、電力供給部20の各上側パワートランジスタ105,106,107の通電区間に対応し、各上側パワートランジスタの動作により各コイル12,13,14に駆動電流I1,I2,I3の正極側電流をそれぞれ供給する通電区間に相当する。
【0042】
図12にこれらの信号波形の関係を示す。図12の横軸は時間である。図12の(a)に示した検出パルス信号Dtに対して、第1のタイミング信号F1は第1の調整時間T1だけ遅延して出力され(図12の(b)参照)、第2のタイミング信号F2は第2の調整時間T2だけ遅延して出力される(図12の(c)参照)。信号形成器161は、第1のタイミング信号F1と第2のタイミング信号F2の到来毎に保持状態を遷移し、合計で12状態を循環的に繰り返す。これにより、図12の(d),(e),(f)に示した3相の下側位置信号P1,P2,P3と図12の(g),(h),(i)に示した3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3を作り出す。たとえば、第1のタイミング信号F1の到来により下側位置信号P1が“L”から“H”に変化して下側パワートランジスタ101が通電開始になり、第2のタイミング信号F2の到来により下側位置信号P3が“H”から“L”に変化して下側パワートランジスタ103が通電終了になる。次の第1のタイミング信号F1の到来により上側位置信号Q3が“L”から“H”に変化して上側パワートランジスタ107が通電開始になり、次の第2のタイミング信号F2の到来により上側位置信号Q2が“H”から“L”に変化して上側パワートランジスタ106が通電終了になる。さらに、次の第1のタイミング信号F1の到来により下側位置信号P2が“L”から“H”に変化して下側パワートランジスタ102が通電開始になり、第2のタイミング信号F2の到来により下側位置信号P1が“H”から“L”に変化して下側パワートランジスタ101が通電終了になる。さらに、次の第1のタイミング信号F1の到来により上側位置信号Q1が“L”から“H”に変化して上側パワートランジスタ105が通電開始になり、次の第2のタイミング信号F2の到来により上側位置信号Q3が“H”から“L”に変化して上側パワートランジスタ107が通電終了になる。このようにして、信号形成器161は3相の下側位置信号P1,P2,P3と3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3を出力し、電力供給部20の下側パワートランジスタ101,102,103と上側パワートランジスタ105,106,107の通電区間を決める。図12から理解されるように、ここでは、検出パルス信号Dtの発生から第1の調整時間T1後の第1のタイミング信号F1に応動して、ある1個のパワートランジスタの通電が開始される。また、検出パルス信号Dtの発生から第2の調整時間T2後の第2のタイミング信号F2に応動して、ある1個のパワートランジスタの通電が終了する。
【0043】
その結果、下側位置信号P1,P2,P3は、電気角で120度よりも大きな“H”区間(通電区間)を持つ3相信号になる(図12の(d)〜(f)参照)。具体的には、下側位置信号P1,P2,P3は約150度の“H”区間を有する3相信号にしている。ここに、電気角360度はロータのN極とS極の1組の回転角度に相当する。同様に、上側位置信号Q1,Q2,Q3は、電気角で120度よりも大きな “H”区間(通電区間)を持つ3相信号になる(図12の(g)〜(i)参照)。具体的には、上側位置信号Q1,Q2,Q3は約150度の“H”区間を有する3相信号にしている。また、T2>T1であるから、モータの回転に伴って、2相のコイルへの通電と3相のコイルへの通電を交互に行わせ、駆動電流の脈動を小さくしている。
【0044】
図1の指令部32は、たとえば、ディスク81や回転体11の回転速度を所定値に制御する速度制御回路を含んで構成され、位置検出部30の検出パルス信号Dtによりディスク81や回転体11の回転速度を検出し、検出回転速度と目標速度との差に応動した指令信号Acを出力する。ここでは、指令信号Acは速度制御回路によって作り出された電圧信号である。
図1のスイッチング制御ブロック41のスイッチング制御部22は、電流検出部21の電流検出信号Adと指令部32の指令信号Acを比較し、該比較結果に応動した単一のスイッチングパルス信号Wpを出力する。図7にスイッチング制御部22の具体的な構成を示す。なお、電流検出部21とスイッチング制御部22は、電力供給部20の少なくとも1個のパワートランジスタを高周波スイッチング動作させるために、指令部32の指令信号Acに応動した高周波のスイッチングパルス信号Wpを出力するスイッチング動作ブロック41を形成している。
【0045】
図7のスイッチング制御部22は、比較回路181と基準パルス回路182とPWMパルス回路183と除去作成回路184を含んで構成されている。比較回路181は、指令信号Acと電流検出信号Adを比較し、電流検出信号Adが指令信号Acよりも大きくなると比較信号Apを“H”に変化させる。基準パルス回路182は、たとえば、分周回路を含んで構成され、クロック信号を所定個数分周して、所定の時間間隔毎に基準パルス信号Arを出力する。基準パルス信号Arは、所定の短時間の間”H”となるパルス信号にされている。
PWMパルス回路183は、たとえば、フリップフロップ回路を含んで構成され、基準パルス信号Arの立ち上がりエッジの発生により内部状態を“H”にし、比較信号Apの立ち上がりエッジの発生によって内部状態を”L”にする。PWMパルス回路183のスイッチングパルス信号Wpは、内部状態に対応して変化し、基準パルス信号Arの立ち下がりエッジにおいて”H”に変わり、比較信号Apの立ち上がりエッジの発生により“L”に変化する。また、除去作成回路184は、たとえば、両エッジトリガのモノマルチ回路を含んで構成され、スイッチングパルス信号Wpの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの発生をトリガとして、所定時間の間”L”になるノイズ除去信号Wxを出力する。
【0046】
図13の(a)〜(d)に、基準パルス信号Arと比較信号Apとスイッチングパルス信号Wpとノイズ除去信号Wxの信号関係を示す。図13の横軸は時間である。基準パルス信号Arの立ち上がりエッジ発生時点においてスイッチングパルス信号Wpは“H”になり、比較信号Apの立ち上がりエッジ発生時点においてスイッチングパルス信号Wpは“L”になる。このようにして、スイッチングパルス信号Wpは電流検出信号Adと指令信号Acの比較結果に応動したPWM信号になる。また、ノイズ除去信号Wxは、スイッチングパルス信号Wpの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの発生時点から所定時間Tx(Tx:ノイズ除去時間)の間”L”になる。なお、スイッチングパルス信号Wpの周波数は、基準パルス信号Arの周波数によって決まり、20kHz〜200kHzの間の高周波信号にされている。これにより、高周波スイッチング動作の周波数が一定になり、スイッチングパルス信号Wpやノイズ除去信号Wxを容易に作成できる。
【0047】
図1の通電動作部31は、位置検出部30の3相の下側位置信号P1,P2,P3や3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3やスイッチング制御部22のスイッチングパルス信号Wpや通電切換部94の通電切換信号Dhに応動した3相の下側通電制御信号M1,M2,M3と3相の上側通電制御信号N1,N2,N3を出力する。従って、第1のパワートランジスタや第2のパワートランジスタの各通電区間は、下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3によって決められる。また、通電動作部31は、スイッチング制御部22のスイッチングパルス信号Wpに応動して、上側通電制御信号N1,N2,N3をスイッチングパルス化している(必要に応じて、下側通電制御信号M1,M2,M3もスイッチングパルス化している)。図8に通電動作部31と電力供給部20の具体的な構成を示す。
【0048】
図8の通電動作部31は、第1の通電制御回路200Aと第2の通電制御回路200Bと第3の通電制御回路200Cを含んで構成されている。第1の通電制御回路200Aは、下側位置信号P1と上側位置信号Q1とスイッチングパルス信号Wpと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1を出力する。同様に、第2の通電制御回路200Bは、下側位置信号P2と上側位置信号Q2とスイッチングパルス信号Wpと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M2と上側通電制御信号N2を出力する。同様に、第3の通電制御回路200Cは、下側位置信号P3と上側位置信号Q3とスイッチングパルス信号Wpと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M3と上側通電制御信号N3を出力する。
【0049】
図8の電力供給部20は、第1の電力供給回路250Aと第2の電力供給回路250Bと第3の電力供給回路250Cを含んで構成されている。第1の電力供給回路250Aは、第1の通電制御回路200Aの下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1を入力され、上側パワートランジスタ105と下側パワートランジスタ101と上側パワーダイオード105dと下側パワーダイオード101dによりコイル12の電力供給端子側への通電を行う。同様に、第2の電力供給回路250Bは、第2の通電制御回路200Bの下側通電制御信号M2と上側通電制御信号N2を入力され、上側パワートランジスタ106と下側パワートランジスタ102と上側パワーダイオード106dと下側パワーダイオード102dによりコイル13の電力供給端子側への通電を行う。同様に、第3の電力供給回路250Cは、第3の通電制御回路200Cの下側通電制御信号M3と上側通電制御信号N3を入力され、上側パワートランジスタ107と下側パワートランジスタ103と上側パワーダイオード107dと下側パワーダイオード103dによりコイル14の電力供給端子側への通電を行う。
【0050】
図9に第1の通電制御回路200Aと第1の電力供給回路250Aの具体的な構成を示す。第1の電力供給回路250Aは、下側パワートランジスタ101と上側パワートランジスタ105と下側パワーダイオード101dと上側パワーダイオード105dを含んで構成され、下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1に応動してコイル12に駆動電圧V1と駆動電流I1を供給する。
第1の通電制御回路200Aは、スルーレート回路210とオア回路211とバッファ回路212とアンド回路213と第1スイッチ回路214と第2スイッチ回路215と第3スイッチ回路216と第4スイッチ回路217を含んで構成されている。オア回路211は、下側位置信号P1と上側位置信号Q1が入力され、第1のスイッチ切換信号S1を出力する。第1スイッチ回路214は、第1のスイッチ切換信号S1が”H”(高電位状態)の時にa側に接続し、第1のスイッチ切換信号S1が”L”(低電位状態)の時にb側に接続する。第1スイッチ回路214のa側には第3スイッチ回路216の出力点が接続され、第1スイッチ回路214のb側には高電位点”Hu”が接続されている。第2スイッチ回路215は、第1のスイッチ切換信号S1が”H”の時にa側に接続し、第1のスイッチ切換信号S1が”L”の時にb側に接続する。第2スイッチ回路215のa側には第4スイッチ回路217の出力点が接続され、第2スイッチ回路215のb側には低電位点”Ld”が接続されている。ここに、高電位点”Hu”は、電圧供給部25の正極側出力端子の電位Vmよりも所定値だけ高い高電位点である。また、低電位点”Ld”は、電圧供給部25の負極側出力端子の電位0Vよりも所定値だけ低い低電位点である。
【0051】
バッファ回路212は、下側位置信号P1をバッファ出力し、第2のスイッチ切換信号S2を出力する。第3スイッチ回路216は、第2のスイッチ切換信号S2が”H”の時にa側に接続し、第2のスイッチ切換信号S2が”L”の時にb側に接続する。第3スイッチ回路216のa側には低電位点”Ld”が接続され、第3スイッチ回路216のb側にはスルーレート回路210の出力点が接続されている。第4スイッチ回路217は、第2のスイッチ切換信号S2が”H”の時にa側に接続し、第2のスイッチ切換信号S2が”L”の時にb側に接続する。第4スイッチ回路217のa側には低電位点”Ld”が接続され、第4スイッチ回路217のb側にはスルーレート回路210の出力点が接続されている。
【0052】
アンド回路213は、上側位置信号Q1とスイッチングパルス信号Wpの論理積をとり、第3のスイッチ切換信号S3をスルーレート回路210に出力する。
スルーレート回路210は、第5スイッチ回路220と定電流回路221,222とコンデンサ225を含んで構成されている。第5スイッチ回路220は、第3のスイッチ切換信号S3が”H”の時にa側に接続し、第3のスイッチ切換信号S3が”L”の時にb側に接続する。第5スイッチ回路220のa側には高電位点”Hu”から流出する定電流回路221が接続され、第5スイッチ回路220のb側には低電位点”Ld”に流入する定電流回路222が接続されている。コンデンサ225は、第5スイッチ回路220の出力点に接続されている。第5スイッチ回路220がa側に接続された場合に、コンデンサ225は定電流回路221の出力電流によって徐々に充電され、端子電圧は徐々に高電位”Hu”まで上昇する。第5スイッチ回路220がb側に接続された場合に、コンデンサ225は定電流回路222の出力電流によって徐々に放電され、端子電圧は徐々に低電位”Ld”まで下降する。その結果、コンデンサ225の端子電圧信号R1は、単一のスイッチングパルス信号Wpに応動して変化し、立ち上がりエッジ部分と立ち下がりエッジ部分において所要の電圧傾斜を有するスルーレート・スイッチング信号になる。
【0053】
定電流回路221,222の電流値は、動作切換信号Dhによって切り換えられている。動作切換信号Dhが”L”の場合に、定電流回路221,222の電流値は小さな値にされ、コンデンサ225に生じるスルーレート・スイッチング信号R1は緩やかな電圧傾斜の低速スルーレート・スイッチング信号R1aになる。動作切換信号Dhが”H”の場合に、定電流回路221,222の電流値は大きな値にされ、コンデンサ225に生じるスルーレート・スイッチング信号R1は急な電圧傾斜の高速スルーレート・スイッチング信号R1bになる。図14の(a),(b),(c)にスイッチングパルス信号Wpと低速スルーレート・スイッチング信号R1aと高速スルーレート・スイッチング信号R1bの関係を示す(横軸は時間)。低速スルーレート・スイッチング信号R1aや高速スルーレート・スイッチング信号R1bは、スイッチングパルス信号Wpの変化に応動して変化する。低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり時間Traと立ち下がり時間Tfaは大きくされ、高速スルーレート・スイッチング信号R1bの立ち上がり時間Trbと立ち下がり時間Tfbは小さくされている。
【0054】
まず、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”L”の場合には、第1のスイッチ切換信号S1が”L”になり、第1スイッチ回路214はb側に接続され、第2スイッチ回路215はb側に接続される。従って、下側通電制御信号M1は高電位”Hu”になるので第1の電力供給回路250Aの下側パワートランジスタ101はオフになり、上側通電制御信号N1は低電位”Ld”になるので第1の電力供給回路250Aの上側パワートランジスタ105はオフになる。その結果、P1=”L”,Q1=”L”の場合には、第1の電力供給回路250Aはコイル12に電力供給を行わない。
次に、回転体11が回転し、下側位置信号P1が”H”,上側位置信号Q1が”L”になった場合を説明する。第1のスイッチ切換信号S1が”H”になり、第1スイッチ回路214はa側に接続され、第2スイッチ回路215はa側に接続される。第2のスイッチ切換信号S2が”H”になり、第3スイッチ回路216はa側に接続され、第4スイッチ回路217はa側に接続される。従って、下側通電制御信号M1は低電位”Ld”になるので第1の電力供給回路250Aの下側パワートランジスタ101はオンになり、上側通電制御信号N1は低電位”Ld”になるので第1の電力供給回路250Aの上側パワートランジスタ105はオフになる。その結果、P1=”H”,Q1=”L”の場合には、第1の電力供給回路250Aは下側パワートランジスタ101によりコイル12に負極性の駆動電流I1を供給する。
【0055】
さらに回転体11が回転し、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”L”になった場合には、下側パワートランジスタ101と上側パワートランジスタ105はオフになり、第1の電力供給回路250Aはコイル12に電力供給を行わない。
さらに回転体11が回転し、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”H”になった場合を説明する。第1のスイッチ切換信号S1が”H”になり、第1スイッチ回路214はa側に接続され、第2スイッチ回路215はa側に接続される。第2のスイッチ切換信号S2が”L”になり、第3スイッチ回路216はb側に接続され、第4スイッチ回路217はb側に接続される。従って、下側通電制御信号M1および上側通電制御信号N1はスルーレート回路210の出力信号になる。その結果、P1=”L”,Q1=”H”の場合には、第1の電力供給回路250Aの下側パワートランジスタ101と上側パワートランジスタ105はスルーレート回路210のスルーレート・スイッチング信号R1に応動して高周波スイッチング動作し、コイル12に正極性の駆動電流I1を供給する。また、上側位置信号Q1が”H”であるから、アンド回路213の出力である第3のスイッチ切換信号S3はスイッチングパルス信号Wpに一致する。
電力供給回路250Aの上側パワートランジスタ105は、Nチャンネル電界効果型パワートランジスタによって構成され、そのソース端子側にコイル12が接続されている。従って、上側パワートランジスタ105はソース・フォロア動作を行い、通電制御端子側に供給された上側通電制御信号N1に応動して、上側通電制御信号N1に相似したスルーレートを有する駆動電圧V1をコイル12に供給する。ここでは、上側パワートランジスタ105が高周波スイッチング動作しながらコイル12に正極性の駆動電流を供給しているので、下側パワートランジスタ101はフォロア動作する必要はない。
【0056】
動作切換信号Dhが”L”の場合には、定電流回路221,222の電流値が小さくされ、低速スルーレート・スイッチング信号R1aがスルーレート回路210の出力信号になる。従って、Dh=”L”の場合には、第1の電力供給回路250Aの上側パワートランジスタ105は低速スルーレート・スイッチング信号R1aに応動して高周波スイッチング動作し、端子電圧V1は低速スルーレートにて変化するPWMスイッチング電圧になる。図14の(a),(b)にスイッチングパルス信号Wpと低速スルーレート・スイッチング信号R1aの関係を示す。低速スルーレート・スイッチング信号R1aは、スイッチングパルス信号Wpの変化タイミングから大きな立ち上がり時間Traや大きな立ち下がり時間Tfaを有し、スルーレートの低い、すなわち、緩やかな電圧傾斜部分を有するスイッチング信号になされている。なお、低速スルーレート・スイッチング信号R1aが小さくなり上側パワートランジスタ105がオフになると、下側パワートランジスタ101または下側ダイオード101dが相補的にオンになり、コイル12に正極性の駆動電流I1を持続的に供給する。
【0057】
動作切換信号Dhが”H”の場合には、定電流回路221,222の電流値が大きくされ、高速スルーレート・スイッチング信号R1bがスルーレート回路210の出力信号になる。従って、Dh=”H”の場合には、第1の電力供給回路250Aの上側パワートランジスタ105は高速スルーレート・スイッチング信号R1bに応動して高周波スイッチング動作し、端子電圧V1は高速スルーレートにて変化するPWMスイッチング電圧になる。図14の(a),(c)にスイッチングパルス信号Wpと高速スルーレート・スイッチング信号R1bの関係を示す。高速スルーレート・スイッチング信号R1bは、スイッチングパルス信号Wpの変化タイミングから小さな立ち上がり時間Trbや小さな立ち下がり時間Tfbを有し、スルーレートの大きい、すなわち、急な電圧傾斜部分を有するスイッチング信号になされている。なお、高速スルーレート・スイッチング信号R1bが小さくなり上側パワートランジスタ105がオフになると、下側パワートランジスタ101または下側ダイオード101dが相補的にオンになり、コイル12に正極性の駆動電流I1を持続的に供給する。
【0058】
また、図14の(d)にノイズ除去信号Wxの波形を示す。ノイズ除去信号Wxは、スイッチングパルス信号Wpの変化タイミングから所要時間Txの間”L”になるノイズ除去期間を有している。このノイズ除去時間TxはTra,TfaやTrb,Tfbよりも大きくされ(Tx>Tra,Tx>Tfa,Tx>Trb,Tx>Tfb)、低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり期間や立ち下がり期間を含むノイズ除去期間においてノイズ除去信号Wxが”L”にされている。これにより、位置検出部30の電圧検出器121は、端子電圧に生じるスイッチングノイズによる誤検出を防止し、正確なタイミングにおいて変化する検出パルス信号Dtを得ている。
ここでは第1の通電制御回路200Aと第1の電力供給回路250Aの構成および動作について説明したが、第2の通電制御回路200B,第3の通電制御回路200Cや第2の電力供給回路250B,第3の電力供給回路250Cの構成および動作も同様である。なお、通電動作部31の第1の通電制御回路200Aと第2の通電制御回路200Bと第3の通電制御回路200Cに含まれるスルーレート回路は、パワートランジスタを低速スルーレート・スイッチング動作と高速スルーレート・スイッチング動作に選択動作させる選択動作機能を有している。また、第2スイッチ回路215と第4スイッチ回路217は、スルーレート回路210のスルーレート・スイッチング信号R1を上側パワートランジスタの通電制御端子側に供給し、上側パワートランジスタと下側パワートランジスタのうちで少なくとも上側パワートランジスタをスルーレート・スイッチング信号に応動してフォロア動作させながら高周波スイッチング動作させる動作制御機能を有している。
【0059】
次に、上述のディスク装置およびモータの全体的な動作について説明する。まず、動作切換部94の動作切換信号Dhが”L”のときについて説明する。モータ部駆動ブロック91は、パワートランジスタを低速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチングノイズの小さい低速スルーレートの高周波スイッチングした駆動電圧をモータ部アクチュエータ82に供給する。トラッキング部駆動ブロック92は、パワートランジスタを低速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチングノイズの小さい低速スルーレートの高周波スイッチングした駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給する。情報処理ブロック93は、情報処理回路の回路動作を実行させ、ヘッド部87からの出力信号の信号再生動作を実行し、情報出力信号Ehを有効にする。
【0060】
動作切換信号Dhが”L”の場合におけるモータ部駆動ブロック91の動作について説明する。回転体11はディスク81を回転駆動する。位置検出部30は、逆起電力に応動して変化するコイル12,13,14の端子電圧V1,V2,V3を検出する。コイルへの通電状態に基づいてコイルの検出相を決定し、検出相のコイルの端子電圧と共通接続された中性点の端子電圧Vcを比較し、比較結果に応動した検出パルス信号Dtを得る。検出パルス信号Dtの検出タイミングから第1の調整時間T1後および第2の調整時間T2後に下側位置信号P1,P2,P3や上側位置信号Q1,Q2,Q3を変化させる。指令部32は、コイルの端子電圧に応動した位置検出部30の出力パルス信号によりディスク81の速度を検出し、速度制御信号に相当する指令信号Acを出力する。スイッチング制御部22は、指令部32の指令信号Acと電流検出部21の電流検出信号Adを比較し、比較結果に応動した単一のスイッチングパルス信号Wpを出力する。通電動作部31は、3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3に応動して電力供給部20の上側パワートランジスタ105,106,107のうちで1個または2個の上側パワートランジスタを選択的に通電区間にする。スイッチングパルス信号Wpに応動したスルーレート・スイッチング信号を作成し、スルーレート・スイッチング信号に応動して通電区間内の上側パワートランジスタを同時に高周波スイッチング動作させ、所要のコイルに正極性の駆動電流を供給する。
【0061】
また、通電動作部31は、3相の下側位置信号P1,P2,P3に応動して電力供給部20の下側パワートランジスタ101,102,103のうちで1個または2個の下側パワートランジスタを選択的に通電区間にし、所要のコイルに負極性の駆動電流を供給する。
スイッチングパルス信号Wpは指令信号Acと電流検出信号Adの比較結果によって直接作り出されているので、3相のコイルへの合成供給電流Igは指令信号Acに応動して電流制御される。通電動作部31の通電制御回路200A,200B,200Cはそれぞれ、単一のスイッチングパルス信号Wpの変化タイミングを起点にして、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分を持たせた低速スルーレート・スイッチング信号R1aを作りだす。上側位置信号によって選択された電力供給部20の1個または2個の上側パワートランジスタは、低速スルーレート・スイッチング信号に応動して低速スルーレート・スイッチング動作する。これにより、電力供給部20のパワートランジスタを高周波スイッチング動作させてコイルに電力供給しても、輻射ノイズの発生が大幅に小さくなる。その結果、ヘッド部87へのスイッチングノイズの混入が大幅に少なくなり、情報処理ブロック93の情報出力信号Ehに含まれる情報誤りを零または極めて少なくできる。
【0062】
また、スイッチング制御部22のノイズ除去信号Wxは、低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり傾斜期間や立ち下がり傾斜期間において”L”となるノイズ除去期間を有している。従って、位置検出部30の電圧検出器121のノイズ除去回路156において、コイルの端子電圧の検出信号b4とノイズ除去信号Wxの論理積を取ることにより、低速スルーレート・スイッチング動作によって端子電圧に混入するスイッチングノイズの影響を除去することができる。すなわち、電圧検出器121は、たとえば、端子電圧のゼロクロス時点を正確に検出できる。その結果、電圧検出器121の誤動作がなくなり、検出パルス信号Dtは回転体11の回転位置に対応した正確なタイミング信号になり、正確な上側位置信号と下側位置信号を作成できる。また、指令部32は、検出パルス信号Dtに基づいてディスク81や回転体11の正確な速度制御が可能になる。すなわち、スイッチングによる検出パルス信号Dtの誤検出が無くなり、ディスク81の回転速度の変動を極めて小さくできる。
また、トラッキング部駆動ブロック92においても、パワートランジスタを低速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチングノイズの小さい低速スルーレートの高周波スイッチングした駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給する。これにより、トラッキング部駆動ブロック92による輻射ノイズの発生が少なくなる。その結果、ヘッド部87への雑音混入が大幅に少なくなり、情報処理ブロック93の情報出力信号Ehに含まれる情報誤りを零または極めて少なくできる。なお、トラッキング部駆動ブロック92の具体的な構成は、前述のモータ部駆動ブロックと同様または類似であり、詳細な説明を省略する。
【0063】
次に、動作切換部94の動作切換信号Dhが”H”のときについて説明する。モータ部駆動ブロック91は、パワートランジスタを高速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチング損失の少ない高速スルーレートの高周波スイッチングした駆動電圧をモータ部アクチュエータ82に供給する。トラッキング部駆動ブロック92は、パワートランジスタを高速スルーレート・スイッチング動作させ、スイッチング損失の少ない高速スルーレートの高周波スイッチングした駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給する。情報処理ブロック93は、情報処理回路の回路動作を全部もしくは一部停止させ、ヘッド部87からの出力信号の信号処理動作を停止し、情報出力信号Ehを無効にする。
【0064】
動作切換信号Dhが”H”の場合におけるモータ部駆動ブロック91の動作について説明する。位置検出部30は、3相のコイル12,13,14の端子電圧V1,V2,V3を検出し、コイルの端子電圧と中性点端子電圧Vcの比較結果に応動した検出パルス信号Dtを得る。検出パルス信号Dtに応動して3相の下側位置信号P1,P2,P3と3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3を変化させる。指令部32は、検出パルス信号Dtの周期を検出し、ディスク81の回転速度に応動した指令信号Acを出力する。スイッチング制御部22は、指令部32の指令信号Acと電流検出部21の電流検出信号Adを比較し、比較結果に応動した単一のスイッチングパルス信号Wpを出力する。通電動作部31は、3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3により電力供給部20の3個の上側パワートランジスタ105,106,107のうちで1個または2個の上側パワートランジスタを選択的に通電区間にする。スイッチングパルス信号Wpに応動した高速スルーレート・スイッチング信号を作成し、高速スルーレート・スイッチング信号に応動して通電区間内の上側パワートランジスタを同時に高周波スイッチング動作させ、所要のコイルに正極性の駆動電流を供給する。また、通電動作部31は、3相の下側位置信号P1,P2,P3により電力供給部20の3個の下側パワートランジスタ101,102,103のうちで1個または2個の下側パワートランジスタを選択的に通電区間にし、所要のコイルに負極性の駆動電流を供給する。
【0065】
スイッチングパルス信号Wpは指令信号Acと電流検出信号Adの比較結果によって直接作り出されているので、3相のコイルへの合成供給電流Igは指令信号Acによって電流制御される。通電動作部31の通電制御回路200A,200B,200Cはそれぞれ、単一のスイッチングパルス信号Wpの変化タイミングを起点にして高速スルーレート・スイッチング信号R1bを作りだす。上側位置信号によって選択された電力供給部20の1個または2個の上側パワートランジスタは、高速スルーレート・スイッチング信号に応動して高速スルーレート・スイッチング動作させている。これにより、電力供給部20のパワートランジスタのスイッチング損失を、低速スルーレート・スイッチング信号を用いた場合に比較して大幅に低減している。また、情報処理ブロック93の情報出力信号Ehを無効にしているので、輻射ノイズの発生によってヘッド部87に雑音が混入しても悪影響は生じない。
【0066】
また、スイッチング制御部22のノイズ除去信号Wxは、高速スルーレート・スイッチング信号R1bの立ち上がりエッジや立ち下がりエッジを含む所定期間において”L”となるノイズ除去期間を有している。従って、位置検出部30の電圧検出器121のノイズ除去回路156において、端子電圧に混入するスイッチングノイズの影響を除去することができる。その結果、電圧検出器121の誤動作がなくなり、検出パルス信号Dtは正確に回転体11の回転位置に対応したタイミング信号になり、正確な上側位置信号と下側位置信号を作成できる。また、指令部32は、検出パルス信号Dtに基づいてディスク81や回転体11の正確な速度制御が可能になる。
また、トラッキング部駆動ブロック92においても、パワートランジスタを高速スルーレート・スイッチング動作させ、高周波スイッチングした駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給する。これにより、トラッキング部駆動ブロック92のパワートランジスタのスイッチング損失を低減している。
本実施の形態では、信頼性の高い情報再生を行うディスク装置の消費電力を大幅に削減している。まず、ディスク装置がディスク81からの情報再生を行う場合に、動作切換部94の動作切換信号Dhを”L”にして、モータ部駆動ブロック91やトラッキング部駆動ブロック92や情報処理ブロック93の動作を選択的に切り換える。すなわち、モータ部駆動ブロック91によって低速スルーレート・スイッチング動作による駆動電圧をモータ部アクチュエータ82に供給し、ディスク81を所定の回転速度で回転制御する。また、トラッキング部駆動ブロック92によって低速スルーレート・スイッチング動作による駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給し、ヘッド部87を所定のトラッキング位置に制御する。さらに、情報処理ブロック93は情報処理回路動作を実行し、ヘッド部87の再生信号Chに応動した情報出力信号Ehを出力する。このとき、情報処理ブロック93の情報出力信号Ehは有効にされている。
【0067】
通電動作部31は、単一のスイッチングパルス信号Wpに応動して変化し、立ち上がりエッジ部分と立ち下がりエッジ部分のうちで少なくとも一方のエッジ部分において緩やかな電圧傾斜を有する低速スルーレート・スイッチング信号を、3個の上側パワートランジスタと3個の下側パワートランジスタのうちで少なくとも1個のパワートランジスタの通電制御端子側に作成した。従って、この少なくとも1個のパワートランジスタは低速スルーレート・スイッチング信号に応動してフォロア動作する。これにより、少なくとも1個のパワートランジスタによってコイルに供給される駆動電圧は、低速スルーレート・スイッチング信号と類似の緩やかな電圧傾斜を有する高周波スイッチングの駆動電圧になる。その結果、パワートランジスタの高周波スイッチング動作に伴って発生するスイッチングノイズは大幅に小さくなる。また、パワートランジスタが高周波スイッチング動作してコイルに電力供給を行っているため、パワートランジスタの電力損失が大幅に小さくなり、その消費電力は削減される。すなわち、モータ部駆動ブロック91やモータ部アクチュエータ82における消費電力が小さくなり、スイッチングノイズの発生も小さい。同様に、トラッキング部駆動ブロック92やトラッキング部アクチュエータ85における消費電力は小さく、スイッチングノイズの発生も小さい。その結果、これらのブロックからヘッド部87や情報処理ブロック93に混入するノイズは大幅に低減され、誤りの少ない、信頼性の高い情報出力信号Ehを出力できる。
【0068】
次に、ディスク装置が情報再生を必要としない場合(待機状態)に、動作切換部94の動作切換信号Dhを”H”にして、モータ部駆動ブロック91やトラッキング部駆動ブロック92や情報処理ブロック93の動作を選択的に切り換える。すなわち、モータ部駆動ブロック91によって高速スルーレート・スイッチング動作による駆動電圧をモータ部アクチュエータ82に供給し、ディスク81を所定の回転速度で回転させながら、その消費電力をさらに低減した。また、トラッキング部駆動ブロック92によって高速スルーレート・スイッチング動作による駆動電圧をトラッキング部アクチュエータ85に供給し、ヘッド部87を所定のトラッキング位置に保つように駆動しながら、その消費電力をさらに低減した。さらに、情報処理ブロック93の情報処理回路動作を停止させて(電源電圧の供給を停止した場合も含む)、その消費電力を低減した。このとき、情報処理ブロック93の情報出力信号Ehは無効にされている。従って、ディスク装置の待機時の消費電力は大幅に削減される。また、モータ部駆動ブロック91やトラッキング部駆動ブロック92のスイッチング動作によって比較的大きなスイッチングノイズを発生するけれども、情報処理ブロック93が信号処理を停止しているので、情報出力信号Ehにスイッチングノイズの影響が現れない。
【0069】
また、本実施の形態では、上側パワートランジスタとしてNチャンネル電界効果型パワートランジスタを使用し、ドレイン端子側を電圧供給部の正極出力端子側に接続し、ソース端子側をコイルの一端に接続し、上側パワートランジスタをソース・フォロア動作させた。すなわち、上側パワートランジスタの通電制御端子側にスルーレート・スイッチング信号を作成し、上側パワートランジスタをフォロア動作させながら所要の電圧傾斜を有する低速スルーレートのスイッチング駆動電圧をコイルに供給した。その結果、駆動電圧の電圧傾斜をスルーレート・スイッチング信号に一致させることができ、安定にスイッチングノイズを低減できた。
【0070】
また、本実施の形態のディスク装置およびモータでは、3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3に応動して3個の上側パワートランジスタの各通電区間を360/3=120度よりもかなり大きくし、1個または2個の上側パワートランジスタを実質的に同時に高周波スイッチング動作させて1相または2相のコイルに正極性の駆動電流を供給している。また、3相の下側位置信号P1,P2,P3に応動して3個の下側パワートランジスタの各通電区間を360/3=120度よりもかなり大きくし、1個または2個の下側パワートランジスタを実質的に同時に通電状態にして1相または2相のコイルに負極性の駆動電流を供給している。さらに、電圧供給部から3相のコイルへの通電電流Igを電流検出器にて検出し、指令信号Acと電流検出器の出力信号Adを比較し、その比較結果に応動した単一のスイッチングパルス信号Wpを作成した。この単一のスイッチングパルス信号Wpに応動した1個,2個または3個のスルーレート・スイッチング信号を作成し、これらのスルーレート・スイッチング信号に応動して上側パワートランジスタを実質的に同時に高周波スイッチング動作させる(実際には、上側位置信号によって選択された1個または2個の上側パワートランジスタを1個または2個のスルーレート・スイッチング信号に応動して実質的に同時にスイッチング動作させる)。これにより、指令信号Acに応動した正確な合成供給電流Igを3相のコイルに供給でき、指令信号Acにより発生駆動力を正確に制御できる。その結果、コイルへの電流路の切換動作が滑らかになり、指令信号に応動した正確な駆動電流をコイルに供給でき、発生駆動力の脈動が小さくなる。すなわち、騒音・振動の小さなディスク装置およびモータを実現できる。これらのパワートランジスタの各通電区間は、125度〜170度に選定したはうが良く、実際には、150度程度が好ましい。また、単一のスイッチングパルス信号Wpに応動してスルーレート・スイッチング信号を作り出し、このスルーレート・スイッチング信号により上側パワートランジスタを同時に高周波スイッチング動作させれば良く、極めて簡単な構成によってコイルへの駆動電流の電流制御が実現できる。また、高周波スイッチングのタイミング管理が1個であるから、スルーレートを有するスイッチング駆動電圧を使用しながらも、電流検出器による電流検出動作が簡単かつ安定になる。特に、パワートランジスタの通電区間が360/3=120度よりも大きい場合に、スルーレート・スイッチング信号に応動して上側パワートランジスタを実質的に同時に高周波スイッチング動作させれば良く、構成は簡単になる。なお、図8の3個の通電制御回路200A,200B,200Cはそれぞれ、それぞれの上側パワートランジスタの通電制御端子側においてスルーレート・スイッチング信号を作成するようにした。しかし、本発明はそのような場合に限らず、各種の変形が可能である。たとえば、単一のスイッチングパルス信号Wpに応動した単一のスルーレート・スイッチング信号を作成し、上側位置信号や下側位置信号に応動して所要のパワートランジスタの通電制御端子側にスルーレート・スイッチング信号を供給するようにしても良い。
【0071】
また、本実施の形態では、定電流回路による充電・放電回路とコンデンサ容量によってスルーレート回路を構成し、コンデンサ容量への充電・放電動作を行わせることにより、スルーレート・スイッチング信号を容易に形成した。また、定電流回路の電流値を変えて低速スルーレート・スイッチング信号と高速スルーレート・スイッチング信号を切り換えた。しかし、そのような場合に限らず、たとえば、スイッチングパルス信号Wpを直接に高速スルーレート・スイッチング信号として使用してもよい。
また、本実施の形態のディスク装置およびモータでは、コイルの端子電圧を検出し、その検出結果に応動した位置信号を作成した。これにより、回転体11の回転位置を検出する位置検出素子を無くし、コイル近傍に配置する部品点数を大幅に削減し、簡素な構成にした。また、スイッチング制御部22は、単一のスイッチングパルス信号に応動して低速スルーレート・スイッチング信号とノイズ除去信号を作成している。ノイズ除去信号Wxは、低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり傾斜期間や立ち下がり傾斜期間において”L”となるノイズ除去期間を有している。位置検出部30のノイズ除去回路56は、コイルの端子電圧の検出信号b4とノイズ除去信号Wxを論理合成し、ノイズ除去信号Wxに応動してコイルの端子電圧の検出動作を停止または実施するように切り換えられる。すなわち、ノイズ除去信号Wxが”L”の時にコイルの端子電圧の検出動作は停止され、ノイズ除去信号Wxが”H”の時にコイルの端子電圧の検出動作は実施される。その結果、低速スルーレート・スイッチング動作によってコイルの端子電圧に混入するスイッチングノイズの影響を除去され、電圧検出器121の検出パルス信号Dtはコイルの端子電圧に応動した回転体11の回転位置に正確に対応したタイミング信号になる。従って、検出パルス信号に応動して上側位置信号と下側位置信号を正確に作成できる。さらに、コイルの端子電圧に応動した位置検出部の出力パルス信号を利用して、ディスク81や回転体11の速度制御を高精度に行うことができる。すなわち、スイッチングノイズによる位置検出部の出力パルス信号の誤検出が無くなり、ディスク81の回転速度の変動は大幅に小さくなる。特に、情報処理ブロック93の情報出力信号Ehが有効になっている低速スルーレート・スイッチング動作において、スルーレート区間に生じるスイッチングノイズの影響を除去し、ディスク81を高精度に回転制御する効果は大きい。その結果、ディスクを回転速度変動の少ない高性能な速度制御でき、高密度記録された情報信号の再生が可能になる。また、3個の上側パワートランジスタと3個の下側パワートランジスタのうちで少なくとも一方のパワートランジスタは単一のスイッチングパルス信号Wpに応動したスルーレート・スイッチング信号により実質的に同時に高周波スイッチング動作しているので、単一のスイッチングパルス信号に応動した単一のノイズ除去信号により効果的なノイズ除去動作を行うことが可能になる。
【0072】
また、本実施の形態のディスク装置およびモータでは、図7に示したスイッチング制御部22を使用し、基準パルス信号Arを所定時間毎に変化させ、スイッチングパルス信号Wpの周波数を一定または略一定にした。しかし、そのような場合に限らず、各種の変形が可能である。たとえば、図15に示した別種の構成のスイッチング制御部22を使用しても良い。これについて説明する。図15のスイッチング制御部22は、比較回路191とPWMパルス回路192と除去作成回路193により構成されている。比較回路191は、指令信号Acと電流検出信号Adを比較し、電流検出信号Adが指令信号Acよりも大きくなると比較信号Apを“H”に変化させる。PWMパルス回路192のスイッチングパルス信号Wpは、比較回路191の出力信号Apの立ち上がりエッジの到来をトリガーとして所定時間Tgの間“L”になり、所定時間Tgが経過すると“H”に変化する。除去作成回路193は、スイッチングパルス信号Wpの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの変化タイミングから所定時間Txの間”L”になるノイズ除去信号Wxを出力する。図16の(a),(b),(c)に比較信号Apとスイッチングパルス信号Wpとノイズ除去信号Wxの波形を示す。図16の横軸は時間である。このスイッチング制御部を用いたディスク装置およびモータの動作は、上述の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0073】
《実施の形態2》
図17から図20に本発明の実施の形態2のモータを含んで構成されたディスク装置と、モータを示す。本実施の形態では、前述の実施の形態1における通電動作部31と電力供給部20を変更し、3個の上側パワートランジスタと3個の下側パワートランジスタにNチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジスタ(NMOS−FETパワートランジスタ)を使用したものである。なお、前述の実施の形態1と同様なものには同一の番号を付し、説明を省略する。また、本実施の形態におけるディスク装置の全体構成は、図2に示したものと同様であり、説明を省略する。
図17にモータ部アクチュエータとモータ部駆動ブロックの具体的な構成を示す。ディスク81を回転駆動するモータ部アクチュエータの回転体11は、複数極の界磁磁束を発生する界磁部を取り付けられたロータである。3相のコイル12,13,14は、固定体であるステータに配設され、回転体11の界磁部との相対関係に関して、電気的に互いに約120度ずらされて配置されている。3相のコイル12,13,14は3相の駆動電流I1,I2,I3により3相の磁束を発生し、回転体11の界磁部との相互作用によって駆動力を発生し、回転体11およびディスク81を回転駆動する。
【0074】
電力供給部402は、通電動作部401の3相の下側通電制御信号M1,M2,M3と3相の上側通電制御信号N1,N2,N3に応動して電圧供給部25から3相のコイル12,13,14への電流路を形成し、3相のコイル12,13,14への電力供給を行っている。電力供給部402と通電動作部401の具体的な構成は後述する。
電流検出部21は、電圧供給部25から3相のコイル12,13,14に供給する合成供給電流Igに比例した電流検出信号Adを出力する。電力供給部402のパワートランジスタはオン・オフの高周波スイッチング動作するので、合成供給電流Igや電流検出信号Adはパルス信号になる。
位置検出部30は、回転体11の界磁部の位置を検出し、検出位置に対応した下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3と検出パルス信号Dtを出力する。ここでは、位置検出部30は、3相のコイル12,13,14の一端に生じる3相の端子電圧V1,V2,V3を検出し、端子電圧の比較結果によって界磁部の回転位置の検出を行っている。位置検出部30の具体的な構成は、図4に示したものと同様である。位置検出部30は、電気角で120度よりも大きな“H”区間(通電区間)を持つ3相の下側位置信号P1,P2,P3と、電気角で120度よりも大きな“H”区間(通電区間)を持つ3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3を作成する。
【0075】
指令部32は、ディスク81や回転体11の回転速度を所定値に制御する速度制御回路を含んで構成され、位置検出部30の出力パルス信号または検出パルス信号Dtによりディスク81や回転体11の回転速度を検出し、検出回転速度と目標速度との差に応動した指令信号Acを出力する。
スイッチング制御部22は、電流検出部21の検出信号Adと指令部32の指令信号Acに応動した単一のスイッチングパルス信号Wpを出力する。スイッチング制御部22の具体的な構成は、図7に示したものと同様である。
通電動作部401は、位置検出部30の3相の下側位置信号P1,P2,P3や3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3やスイッチング制御部22のスイッチングパルス信号Wpに応動した3相の下側通電制御信号M1,M2,M3と3相の上側通電制御信号N1,N2,N3を出力する。従って、電力供給部402の上側パワートランジスタや下側パワートランジスタによるコイルへの通電区間は、上側位置信号と下側位置信号によって決められる。また、通電動作部401は、スイッチング制御部22のスイッチングパルス信号Wpに応動して、上側通電制御信号N1,N2,N3をスイッチングパルス化している。図18に通電動作部401と電力供給部402の具体的な構成を示す。
【0076】
図18の通電動作部401は、第1の通電制御回路410Aと第2の通電制御回路410Bと第3の通電制御回路410Cを含んで構成されている。第1の通電制御回路410Aは、下側位置信号P1と上側位置信号Q1とスイッチングパルス信号Wpと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1を出力する。第2の通電制御回路410Bは、下側位置信号P2と上側位置信号Q2とスイッチングパルス信号Wpと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M2と上側通電制御信号N2を出力する。第3の通電制御回路410Cは、下側位置信号P3と上側位置信号Q3とスイッチングパルス信号Wpと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M3と上側通電制御信号N3を出力する。
図18の電力供給部402は、第1の電力供給回路420Aと第2の電力供給回路420Bと第3の電力供給回路420Cを含んで構成されている。第1の電力供給回路420Aは、第1の通電制御回路410Aの下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1を入力され、コイル12の電力供給端子側への通電を行う。第2の電力供給回路420Bは、第2の通電制御回路410Bの下側通電制御信号M2と上側通電制御信号N2を入力され、コイル13の電力供給端子側への通電を行う。第3の電力供給回路420Cは、第3の通電制御回路410Cの下側通電制御信号M3と上側通電制御信号N3を入力され、コイル14の電力供給端子側への通電を行う。
【0077】
図19に第1の通電制御回路410Aと第1の電力供給回路420Aの具体的な構成を示す。第1の電力供給回路420Aは、下側パワートランジスタ501と上側パワートランジスタ505と下側パワーダイオード501dと上側パワーダイオード505dを含んで構成され、下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1に応動してコイル12に駆動電圧V1と駆動電流I1を供給する。上側パワートランジスタ505はNチャンネル電界効果型パワートランジスタによって構成され、この電界効果型パワートランジスタに逆接続されて形成された寄生ダイオードによって上側パワーダイオード505dを構成している。下側パワートランジスタ501はNチャンネル電界効果型パワートランジスタによって構成され、この電界効果型パワートランジスタに逆接続されて形成された寄生ダイオードによって下側パワーダイオード501dが構成している。上側パワートランジスタ505は電圧供給部25の正極出力端子側とコイル12の一端の電流路を形成し、下側パワートランジスタ501は電圧供給部25の負極出力端子側とコイル12の一端の電流路を形成する。
【0078】
第1の通電制御回路410Aは、スルーレート回路510とバッファ回路512とアンド回路513を含んで構成されている。バッファ回路512は、下側位置信号P1をバッファ出力し、下側通電制御信号M1として下側パワートランジスタ501の通電制御端子側に供給している。アンド回路513は、上側位置信号Q1とスイッチングパルス信号Wpの論理積によりスイッチ切換信号S5を作りだし、スルーレート回路510に出力する。
スルーレート回路510は、スイッチ回路520と定電流回路521,522とコンデンサ525を含んで構成されている。スイッチ回路520は、スイッチ切換信号S5が”H”の時にa側に接続し、スイッチ切換信号S5が”L”の時にb側に接続する。スイッチ回路520のa側には高電位点”Hu”から流出する定電流回路521が接続され、スイッチ回路520のb側にはアース電位点0Vに向けて流入する定電流回路522が接続されている。コンデンサ525は、スイッチ回路520の出力点に接続されている。スイッチ回路520がa側に接続された場合に、コンデンサ525は定電流回路521の出力電流によって徐々に充電され、端子電圧は徐々に高電位”Hu”まで上昇する。スイッチ回路520がb側に接続された場合に、コンデンサ525は定電流回路522の出力電流によって徐々に放電され、端子電圧は徐々にアース電位0Vまで下降する。その結果、コンデンサ525の端子電圧信号R1は、単一のスイッチングパルス信号Wpの変化に応動して変化し、立ち上がりエッジ部分と立ち下がりエッジ部分において所要の電圧傾斜を有するスルーレート・スイッチング信号R1になる。スルーレート回路510の出力端子は上側パワートランジスタ505の通電制御端子側に接続されており、このスルーレート・スイッチング信号R1は上側パワートランジスタ505の通電制御端子側に作成されている。なお、アース電位0Vは、電圧供給部25の負極出力端子側の電位に一致する。また、スルーレート回路510のコンデンサ525のように電界効果型パワートランジスタ505の通電制御端子側にコンデンサ容量が直接必要な場合には、電界効果型パワートランジスタ505の入力ゲート容量(コンデンサ容量)をコンデンサ525として利用しても良い。すなわち、電界効果型パワートランジスタ505の入力ゲート容量をスルーレート回路のコンデンサ容量(コンデンサ525)として使用できる。
【0079】
定電流回路521,522の電流値は、動作切換部94の動作切換信号Dhによって切り換えられている。動作切換信号Dhが”L”の場合には、定電流回路521,522の電流値が比較的小さくされ、コンデンサ525に生じるスルーレート・スイッチング信号R1は緩やかな電圧傾斜の低速スルーレート・スイッチング信号R1aになる。動作切換信号Dhが”H”の場合には、定電流回路521,522の電流値が比較的大きくされ、コンデンサ525に生じるスルーレート・スイッチング信号R1は急な電圧傾斜の高速スルーレート・スイッチング信号R1bになる。スイッチングパルス信号Wpと低速スルーレート・スイッチング信号R1aと高速スルーレート・スイッチング信号R1bの関係は、図14の(a),(b),(c)に示されたものと同様である。すなわち、低速スルーレート・スイッチング信号R1aや高速スルーレート・スイッチング信号R1bは、スイッチングパルス信号Wpの変化に応動して変化する。低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり時間Traと立ち下がり時間Tfaは大きくされ、高速スルーレート・スイッチング信号R1bの立ち上がり時間Trbと立ち下がり時間Tfbは小さくされている。
【0080】
まず、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”L”の場合について説明する。バッファ回路512の出力である下側通電制御信号M1は”L”になり、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501はオフになる。アンド回路513の出力であるスイッチ切換信号S5が”L”になり、スルーレート回路510の出力である上側通電制御信号N1はアース電位0Vになるので、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はオフになる。その結果、P1=”L”,Q1=”L”の場合には、第1の電力供給回路420Aはコイル12に電力供給を行わない。
【0081】
次に、回転体11が回転し、下側位置信号P1が”H”,上側位置信号Q1が”L”になった場合を説明する。下側通電制御信号M1は”H”になり、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501はオンになる。スルーレート回路510の出力である上側通電制御信号N1はアース電位0Vになるので、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はオフになる。その結果、P1=”H”,Q1=”L”の場合には、第1の電力供給回路420Aはコイル12に負極性の駆動電流I1を供給する。
さらに回転体11が回転し、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”L”になった場合には、上側通電制御信号N1がアース電位になり、下側通電制御信号M1が”L”になるので、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501はオフになる。すなわち、第1の電力供給回路420Aはコイル12に電力供給を行わない。
さらに回転体11が回転し、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”H”になった場合を説明する。バッファ回路512の出力である下側通電制御信号M1は”L”になり、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501はオフになる。アンド回路513の出力であるスイッチ切換信号S5がスイッチングパルス信号Wpに一致し、高周波のスイッチング信号になる。スルーレート回路510のスイッチ回路520は、スイッチングパルス信号Wpに応動して切り換わり、コンデンサ525の端子にスルーレート・スイッチング信号R1を出力する。従って、上側通電制御信号N1はスルーレート回路510の出力であるスルーレート・スイッチング信号R1になる。その結果、P1=”L”,Q1=”H”の場合には、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はスルーレート回路510の出力信号に応動して高周波スイッチング動作し、コイル12に正極性の駆動電流I1を供給する。なお、上側パワートランジスタ505が高周波スイッチングのオフの時には、コイル12のインダクタンス作用により下側パワーダイオード501dが通電状態になり、コイル12に正極性の駆動電流I1を流し続ける。
【0082】
電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505は、Nチャンネル電界効果型パワートランジスタによって構成され、そのソース端子側にコイル12が接続されている。従って、上側パワートランジスタ505はソース・フォロア動作を行い、その通電制御端子側に作成されたスルーレート・スイッチング信号R1に応動した高周波スイッチングの駆動電圧V1をコイル12に供給する。上側パワートランジスタ505のフォロア動作による高周波スイッチングは、電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501がオフ状態を保っていても実現できる。
動作切換信号Dhが”L”の場合には、定電流回路521,522の電流値が小さくされ、低速スルーレート・スイッチング信号R1aがスルーレート回路510の出力信号になる。従って、Dh=”L”の場合には、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505は低速スルーレート・スイッチング信号R1aに応動して高周波スイッチング動作し、端子電圧V1は低速スルーレートにて変化する高周波スイッチングの駆動電圧になる。
【0083】
動作切換信号Dhが”H”の場合には、定電流回路521,522の電流値が大きくされ、高速スルーレート・スイッチング信号R1bがスルーレート回路510の出力信号になる。従って、Dh=”H”の場合には、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505は高速スルーレート・スイッチング信号R1bに応動して高周波スイッチング動作し、端子電圧V1は高速スルーレートにて変化する高周波スイッチングの駆動電圧になる。
ここでは第1の通電制御回路410Aと第1の電力供給回路420Aの構成および動作について説明したが、第2の通電制御回路410Bと第2の電力供給回路420Bの構成および動作や第3の通電制御回路410Cと第3の電力供給回路420Cの構成および動作も同様であり、説明を省略する。なお、第1の通電制御回路410A,410B,410Cはそれぞれ、単一のスイッチングパルス信号に応動したスルーレート・スイッチング信号を上側パワートランジスタの通電制御端子側に作成している。これにより、2個の上側パワートランジスタによって電圧供給部25から3相のコイルへの電流路を切り換える場合に、単一のスイッチングパルス信号から作成された2個のスルーレート・スイッチング信号に応動して2個の上側パワートランジスタを実質的に同時に高周波スイッチング動作させている。
【0084】
なお、ノイズ除去信号Wxの波形は図14の(d)に示したものと同様である。すなわち、ノイズ除去信号Wxは、スイッチングパルス信号Wpの変化タイミングからノイズ除去時間Txの間”L”になるノイズ除去期間を有している。このノイズ除去時間TxはTraやTfaよりも大きくされ(Tx>Tra,Tx>Tfa)、低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり期間や立ち下がり期間を含むノイズ除去期間においてノイズ除去信号Wxが”L”にされている。
本実施の形態においても、前述の実施の形態1と同様な作用効果を得ることができる。
本実施の形態では、さらに、上側パワートランジスタと下側パワートランジスタにNチャンネル電界効果型パワートランジスタを使用しているので、電圧供給部25の負極出力端子側電位(アース電位)よりも低い低電位点が不要になり、電源供給が容易になる。また、集積回路化した場合に、Nチャンネル電界効果型パワートランジスタはPチャンネル電界効果型パワートランジスタよりも小さくて低オン抵抗にできるので、チップサイズを小さくできる。従って、低コストに高性能なディスク装置およびモータを実現できる。その他、前述の実施の形態1と同様な各種の利点がある。
【0085】
図19の通電制御回路410Aでは、定電流回路を有する充電・放電回路によってコンデンサ容量を充電・放電し、スイッチングパルス信号に応動したスルーレート・スイッチング信号を電界効果型パワートランジスタの通電制御端子側に作成した。しかし、本発明はそのような場合に限定されない。図20に通電制御回路410Aの別の構成を示す。この通電制御回路410Aのスルーレート回路540は、充電抵抗551,552と充電切換スイッチ553によってコンデンサ525への充電を行わせ、放電抵抗555,556と放電切換スイッチ557によってコンデンサ525への放電を行わせる。充電切換スイッチ553と放電切換スイッチ557は、動作切換信号Dhに応動してa側またはb側に接続を切り換える。抵抗551は抵抗552よりも十分に大きくされ、抵抗555は抵抗556よりも十分に大きくされている。動作切換信号Dhが”L”の場合に、充電切換スイッチ553と放電切換スイッチ557はa側に接続され、大きな充電抵抗551と大きな放電抵抗555によってコンデンサ525は充電・放電され、低速スルーレート・スイッチング信号を上側電界効果型パワートランジスタ505の通電制御端子側に作成する。この低速スルーレート・スイッチング信号に応動して上側電界効果型パワートランジスタ505は、緩やかな電圧傾斜を有する高周波スイッチング動作を行う。動作切換信号Dhが”H”の場合に、充電切換スイッチ553と放電切換スイッチ557はb側に接続され、小さな充電抵抗552と小さな放電抵抗556によってコンデンサ525は充電・放電され、高速スルーレート・スイッチング信号を上側電界効果型パワートランジスタ505の通電制御端子側に作成する。この高速スルーレート・スイッチング信号に応動して上側電界効果型パワートランジスタ505は、急な電圧傾斜を有する高周波スイッチング動作を行う。なお、スルーレート回路540のコンデンサ525のように電界効果型パワートランジスタ505の通電制御端子側にコンデンサ容量が直接必要な場合には、電界効果型パワートランジスタ505の入力ゲート容量をコンデンサ525として利用して、コンデンサ525を見かけ上でなくすことができる。
【0086】
《実施の形態3》
図21から図27に本発明の実施の形態3のモータを含んで構成されたディスク装置と、モータを示す。本実施の形態では、前述の実施の形態2における通電動作部401とスイッチング制御部22を変更し、NチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジスタによる上側パワートランジスタ(上側NMOS−FETパワートランジスタ)と下側パワートランジスタ(下側NMOS−FETパワートランジスタ)を使用し、上側パワートランジスタの電圧傾斜を有するオン・オフの高周波スイッチング動作に同期して下側パワートランジスタを相補的にオフ・オンの高周波スイッチング動作させるようにしたものである。なお、前述の実施の形態1や実施の形態2と同様なものには同一の番号を付し、説明を省略する。また、本実施の形態におけるディスク装置の全体構成は、図2に示したものと同様であり、説明を省略する。
【0087】
図21にモータ部アクチュエータとモータ部駆動ブロックの具体的な構成を示す。ディスク81を回転駆動するモータ部アクチュエータの回転体11は、複数極の界磁磁束を発生する界磁部を取り付けられたロータである。ロータの界磁部は、N極部分とS極部分を交互に有し、合計で2極以上の偶数極の磁極部分を設けられている。3相のコイル12,13,14は、固定体であるステータに配設され、回転体11の界磁部との相対関係に関して、電気的に互いに約120度ずらされて配置されている。3相のコイル12,13,14は3相の駆動電流I1,I2,I3により3相の磁束を発生し、回転体11の界磁部との相互作用によって駆動力を発生し、回転体11およびディスク81を回転駆動する。
電力供給部402は、通電動作部601の下側通電制御信号M1,M2,M3と上側通電制御信号N1,N2,N3に応動して電圧供給部25から3相のコイル12,13,14への電流路を形成し、コイル12,13,14への電力供給を行っている。通電動作部601の具体的な構成は後述する。
【0088】
電流検出部21は、電圧供給部25から3相のコイル12,13,14に供給する通電電流または合成供給電流Igに比例した電流検出信号Adを出力する。電力供給部402のパワートランジスタはオン・オフの高周波スイッチング動作するので、合成供給電流Igや電流検出信号Adはパルス信号になる。
位置検出部30は、回転体11の界磁部の位置を検出し、検出位置に対応した下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3と検出パルス信号Dtを出力する。ここでは、位置検出部30は、3相のコイル12,13,14の電力供給端子に生じる3相の端子電圧V1,V2,V3と共通接続端子に生じる端子電圧Vcを検出し、端子電圧の比較結果によって界磁部の回転位置の検出を行っている。位置検出部30の具体的な構成は、図4に示したものと同様である。位置検出部30は、電気角で120度よりも大きな“H”区間(通電区間)を持つ3相の下側位置信号P1,P2,P3と、電気角で120度よりも大きな“H”区間(通電区間)を持つ3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3を作成する。
【0089】
指令部32は、ディスク81や回転体11の回転速度を所定値に制御する速度制御回路を含んで構成され、コイルの端子電圧に応動した位置検出部30の出力パルス信号によりディスク81や回転体11の回転速度を検出し、検出回転速度と目標速度との差に応動した指令信号Acを出力する。
スイッチング制御部622は、電流検出部21の電流検出信号Adと指令部32の指令信号Acを比較し、電流検出信号Adと指令信号Acに応動したスイッチングパルス信号Wpおよび補助スイッチングパルス信号Whを出力する。補助スイッチングパルス信号Whはスイッチングパルス信号Wpに応動して変化する。もちろん、補助スイッチングパルス信号Whとスイッチングパルス信号Wpを同時に作成し、補助スイッチングパルス信号Whがスイッチングパルス信号Wpに同期的に変化するようにしても良い。このような場合も、補助スイッチングパルス信号はスイッチングパルス信号に応動すると表現する。補助スイッチングパルス信号Whの一方の変化エッジ(立ち上がりエッジ)は、スイッチングパルス信号Wpの一方の変化エッジ(立ち下がりエッジ)に対して所要の時間差Th(Th:隙間時間)が設けられている。また、この所要の時間差Thは動作切換部94の動作切換信号Dhに応動して切り換えられている。図25にスイッチング制御部622の具体的な構成を示す。
【0090】
図25のスイッチング制御部622は、比較回路181と基準パルス回路182とPWMパルス回路183と除去作成回路184と補助作成回路685を含んで構成されている。比較回路181は、指令信号Acと電流検出信号Adを比較し、電流検出信号Adが指令信号Acよりも大きくなると比較信号Apを“H”に変化させる。基準パルス回路182は、クロック信号を所定個数分周して、所定の時間間隔毎に基準パルス信号Arを出力する。基準パルス信号Arは、所定の短時間の間”H”となるパルス信号にされている。
PWMパルス回路183は、フリップフロップ回路を含んで構成され、基準パルス信号Arの立ち上がりエッジの発生により内部状態を“H”にし、比較信号Apの立ち上がりエッジの発生によって内部状態を”L”にする。PWMパルス回路183のスイッチングパルス信号Wpは、内部状態に対応して変化し、基準パルス信号Arの立ち下がりエッジにおいて”H”に変わり、比較信号Apの立ち上がりエッジの発生により“L”に変化する。また、除去作成回路184は、両エッジトリガのモノマルチ回路を含んで構成され、スイッチングパルス信号Wpの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの発生をトリガとして、所定時間の間”L”になるノイズ除去信号Wxを出力する。
【0091】
補助作成回路685は、スイッチングパルス信号Wpに応動して変化する補助スイッチングパルス信号Whを出力する。補助スイッチングパルス信号Whの立ち上がりエッジは、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから所要の時間Th経過後に変化する。また、補助スイッチングパルス信号Whの立ち下がりエッジは、スイッチングパルス信号Wpの立ち上がりエッジに一致または略一致している。スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから補助スイッチングパルス信号Whの立ち上がりエッジまでの所要時間Thは、動作切換信号Dhに応動して切り換えられている。
図26の(a)〜(f)に、基準パルス信号Arと比較信号Apとスイッチングパルス信号Wpとノイズ除去信号Wxと補助スイッチングパルス信号Whの信号関係を示す。基準パルス信号Arの立ち上がりエッジ発生時点においてスイッチングパルス信号Wpは“H”になり、比較信号Apの立ち上がりエッジ発生時点においてスイッチングパルス信号Wpは“L”になる。このようにして、スイッチングパルス信号Wpは電流検出信号Adと指令信号Acの比較結果に応動したPWM信号になる(図26の(a)〜(c)参照)。また、ノイズ除去信号Wxは、スイッチングパルス信号Wpのエッジ発生時点(立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ)から所定時間Txの間”L”になる(図26の(d)参照)。また、動作切換信号Dhが”L”の場合に、補助スイッチングパルス信号Whaの立ち上がりエッジは、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから大きめの所要時間Tha経過後(Tha:低速スルーレート時の隙間時間)に変化する(図26の(e)参照)。また、動作切換信号Dhが”H”の場合に、補助スイッチングパルス信号Whbの立ち上がりエッジは、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから小さめの所要時間Thb経過後(Thb:高速スルーレート時の隙間時間)に変化する(図26の(f)参照)。ここに、高速スルーレート時の隙間時間Thbは低速スルーレート時の隙間時間Thaよりも小さくしている(Thb<Tha)。
【0092】
図21の通電動作部601は、位置検出部30の上側位置信号Q1,Q2,Q3とスイッチング制御部622のスイッチングパルス信号Wpに応動した上側通電制御信号N1,N2,N3を出力する。また、通電動作部601は、位置検出部30の下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3とスイッチング制御部622の補助スイッチングパルス信号Whに応動した下側通電制御信号M1,M2,M3を出力する。従って、電力供給部402の上側パワートランジスタや下側パワートランジスタによるコイルへの通電区間は、下側位置信号と上側位置信号によって決められる。通電動作部601は、上側位置信号による通電区間においてスイッチングパルス信号Wpに応動して上側通電制御信号N1,N2,N3をスイッチングパルス化している。また、通電動作部601は、下側位置信号による通電区間において下側通電制御信号M1,M2,M3をオン・オフ信号にし、上側位置信号による通電区間において補助スイッチングパルス信号Whに応動して下側通電制御信号M1,M2,M3をスイッチングパルス化している。図22に通電動作部601と電力供給部402の具体的な構成を示す。
【0093】
図22の通電動作部601は、第1の通電制御回路610Aと第2の通電制御回路610Bと第3の通電制御回路610Cを含んで構成されている。第1の通電制御回路610Aは、下側位置信号P1と上側位置信号Q1とスイッチングパルス信号Wpと補助スイッチングパルス信号Whと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1を出力する。第2の通電制御回路610Bは、下側位置信号P2と上側位置信号Q2とスイッチングパルス信号Wpと補助スイッチングパルス信号Whと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M2と上側通電制御信号N2を出力する。第3の通電制御回路610Cは、下側位置信号P3と上側位置信号Q3とスイッチングパルス信号Wpと補助スイッチングパルス信号Whと動作切換信号Dhを入力され、下側通電制御信号M3と上側通電制御信号N3を出力する。
電力供給部402は、第1の電力供給回路420Aと第2の電力供給回路420Bと第3の電力供給回路420Cを含んで構成されている。第1の電力供給回路420Aは、第1の通電制御回路610Aの下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1を入力され、コイル12の電力供給端子側への通電を行う。第2の電力供給回路420Bは、第2の通電制御回路610Bの下側通電制御信号M2と上側通電制御信号N2を入力され、コイル13の電力供給端子側への通電を行う。第3の電力供給回路420Cは、第3の通電制御回路610Cの下側通電制御信号M3と上側通電制御信号N3を入力され、コイル14の電力供給端子側への通電を行う。
【0094】
図23に第1の通電制御回路610Aと第1の電力供給回路420Aの具体的な構成を示す。第1の電力供給回路420Aは、下側パワートランジスタ501と上側パワートランジスタ505と下側パワーダイオード501dと上側パワーダイオード505dを含んで構成され、下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1に応動してコイル12に駆動電圧V1と駆動電流I1を供給する。なお、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501はNチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジスタによって構成され、これらの電界効果型パワートランジスタに逆接続されて形成された寄生ダイオードによって上側パワーダイオード505dと下側パワーダイオード501dが構成されている。第1の通電制御回路610Aは、スルーレート回路510とアンド回路513とアンド回路632とオア回路631を含んで構成されている。アンド回路513は、上側位置信号Q1とスイッチングパルス信号Wpの論理積によりスイッチ切換信号S5を作りだし、スルーレート回路510に出力する。アンド回路632は、上側位置信号Q1と補助スイッチングパルス信号Whの論理積により補助スイッチング信号Pw1を作りだす。オア回路631は、下側位置信号P1と補助スイッチング信号Pw1の論理和をとり、下側通電制御信号M1を出力する。下側通電制御信号M1は下側パワートランジスタ501の通電制御端子側に供給される。
【0095】
スルーレート回路510は、スイッチ回路520と充電用の定電流回路521と放電用の定電流回路522とコンデンサ525を含んで構成されている。スイッチ回路520は、スイッチ切換信号S5が”H”の時にa側に接続し、スイッチ切換信号S5が”L”の時にb側に接続する。スイッチ回路520がa側に接続された場合に、コンデンサ525は充電用の定電流回路521の出力電流によって充電され、端子電圧は徐々に高電位”Hu”まで上昇する。スイッチ回路520がb側に接続された場合に、コンデンサ525は放電用の定電流回路522の出力電流によって放電され、端子電圧は徐々にアース電位0Vまで下降する。その結果、コンデンサ525の端子電圧信号R1は、スイッチングパルス信号Wpの変化に応動して変化し、立ち上がりエッジ部分と立ち下がりエッジ部分において所要の電圧傾斜を有するスルーレート・スイッチング信号になる。すなわち、スルーレート回路510は上側パワートランジスタ505の通電制御端子側にスルーレート・スイッチング信号R1を作成し、上側パワートランジスタ505はスルーレート・スイッチング信号R1に応動してフォロア動作している。なお、スルーレート・スイッチング信号を上側パワートランジスタの通電制御端子側に直接作成する場合には、上側パワートランジスタの入力コンデンサ容量をコンデンサ525の代わりに利用しても良い。
定電流回路521,522の電流値は、動作切換部94の動作切換信号Dhによって切り換えられている。その結果、動作切換信号Dhが”L”の場合に、スルーレート回路510は低速スルーレート・スイッチング信号R1aを出力し、動作切換信号Dhが”H”の場合に、スルーレート回路510は高速スルーレート・スイッチング信号R1bを出力する。
【0096】
図27の(a)〜(f)にスイッチングパルス信号Wpと低速スルーレート・スイッチング信号R1aと高速スルーレート・スイッチング信号R1bと低速用の補助スイッチングパルス信号Whaと高速用の補助スイッチングパルス信号Whbの関係を示す。動作切換信号Dhが”L”の場合に、低速スルーレート・スイッチング信号R1aと補助スイッチングパルス信号Whaは、単一のスイッチングパルス信号Wpに応動して変化する。低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり時間Traと立ち下がり時間Tfaは大きくされ、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから補助スイッチングパルス信号Whaの立ち上がりエッジまでの所要時間Thaは大きくされている。ここでは、Tha>Tfaになされ、低速スルーレート・スイッチング信号R1aの有効期間(ほぼ”H”の期間)と補助スイッチングパルス信号Whaの有効期間(”H”の期間)の間にオフ期間を設けている。同様に、動作切換信号Dhが”H”の場合に、高速スルーレート・スイッチング信号R1bと補助スイッチングパルス信号Whbは、単一のスイッチングパルス信号Wpに応動して変化する。高速スルーレート・スイッチング信号R1bの立ち上がり時間Trbと立ち下がり時間Tfbは小さくされ、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから補助スイッチングパルス信号Whbの立ち上がりエッジまでの所要時間Thbは小さくされている。ここでは、Thb>Tfbになされ、高速スルーレート・スイッチング信号R1bの有効期間(ほぼ”H”の期間)と補助スイッチングパルス信号Whbの有効期間(”H”の期間)の間にオフ期間を設けている。
【0097】
図23の第1の通電制御回路610Aと第1の電力供給回路420Aの回転体11の回転に伴う動作について説明し、3相のコイル12,13,14の3個の電力供給端子の1つの端子への駆動電圧V1,駆動電流I1の供給について説明する(他の電力供給端子への駆動電圧,駆動電流の供給も同様である)。第1の通電制御回路610Aと第1の電力供給回路420Aの回転体11の回転に伴う動作について説明する。まず、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”L”の場合について説明する。アンド回路513の出力であるスイッチ切換信号S5が”L”になり、スルーレート回路510の出力である上側通電制御信号N1はアース電位0Vになるので、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はオフになる。アンド回路632の出力信号は”L”なので、オア回路631の出力である下側通電制御信号M1は”L”になり、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501はオフになる。その結果、P1=”L”,Q1=”L”の場合には、第1の電力供給回路420Aはコイル12への通電を行わない。
【0098】
次に、回転体11が回転し、下側位置信号P1が”H”,上側位置信号Q1が”L”になった場合を説明する。オア回路631の出力である下側通電制御信号M1は”H”になり、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501はオンになる。アンド回路513のスイッチ切換信号S5は”L”であり、スルーレート回路510の出力である上側通電制御信号N1はアース電位0Vになるので、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はオフになる。その結果、P1=”H”,Q1=”L”の場合には、第1の電力供給回路420Aはコイル12に負極性の駆動電流I1を供給する。
さらに回転体11が回転し、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”L”になった場合には、上側通電制御信号N1がアース電位になり、下側通電制御信号M1が”L”になるので、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501はオフになる。すなわち、第1の電力供給回路420Aはコイル12への通電を行わない。
【0099】
さらに回転体11が回転し、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”H”になった場合を説明する。アンド回路513の出力であるスイッチ切換信号S5がスイッチングパルス信号Wpに一致し、高周波のスイッチング信号になる。スルーレート回路510のスイッチ回路520は、スイッチングパルス信号Wpに応動して切り換わり、コンデンサ525の端子にスルーレート・スイッチング信号R1を出力する。従って、上側通電制御信号N1はスルーレート回路510の出力であるスルーレート・スイッチング信号になる。アンド回路632の出力である補助スイッチング信号Pw1は補助スイッチングパルス信号Whに一致するので、オア回路631の出力である下側通電制御信号M1は補助スイッチングパルス信号Whに一致する。従って、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501は補助スイッチングパルス信号Whに応動して高周波スイッチング動作する。その結果、P1=”L”,Q1=”H”の場合には、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はスルーレート回路510のスルーレート・スイッチング信号R1に応動して高周波スイッチング動作し、コイル12に正極性の駆動電流I1を供給する。また、下側パワートランジスタ501は、補助スイッチングパルス信号Whに応動して高周波スイッチング動作を行う。すなわち、上側パワートランジスタ505が高周波スイッチングのオフの時には、下側パワートランジスタ501または下側パワーダイオード501dが通電状態になり、コイル12に正極性の駆動電流I1を流し続ける。
【0100】
電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505は、NチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジスタによって構成され、そのソース端子側にコイル12が接続されている。従って、上側パワートランジスタ505はソース・フォロア動作を行い、通電制御端子側に供給された上側通電制御信号N1に応動して、上側通電制御信号N1に相似したスルーレートを有する駆動電圧V1をコイル12に供給できる。また、下側パワートランジスタ501は、NチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジスタによって構成され、そのドレイン端子側にコイル12が接続されている。上側パワートランジスタ505は通電制御端子側に作成されたスルーレート・スイッチング信号R1に応動してオン・オフの高周波スイッチング動作を行い、下側パワートランジスタ501は補助スイッチングパルス信号Whに応動して同期的に相補的にオフ・オンの高周波スイッチング動作を行う。なお、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501は、両方とも同時にオフになるオフ時間を有し、同一相の上側パワートランジスタと下側パワートランジスタが同時にオン状態になることを防止している。
【0101】
動作切換信号Dhが”L”の場合には、定電流回路521,522の電流値が小さくされ、低速スルーレート・スイッチング信号R1aがスルーレート回路510の出力信号になる。従って、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505は低速スルーレート・スイッチング信号R1aに応動してフォロア動作して高周波スイッチングし、端子電圧V1は低速スルーレートにて変化するPWMスイッチング駆動電圧になる。また、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから所要時間Thaだけ遅れて補助スイッチングパルス信号Whaの立ち上がりエッジが発生する。スイッチングパルス信号Wpの立ち上がりエッジと補助スイッチングパルス信号Whaの立ち下がりエッジは一致または略一致する。その結果、低速スルーレート・スイッチング信号R1aに応動して上側パワートランジスタ505がフォロア動作しているオン期間(有効期間)において、下側パワートランジスタ501は確実にオフになる。すなわち、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501が同時にオンになることを防止している。
【0102】
動作切換信号Dhが”H”の場合には、定電流回路521,522の電流値が大きくされ、高速スルーレート・スイッチング信号R1bがスルーレート回路510の出力信号になる。従って、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505は高速スルーレート・スイッチング信号R1bに応動してフォロア動作して高周波スイッチングし、端子電圧V1は高速スルーレートにて変化するPWMスイッチング駆動電圧になる。また、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから所要時間Thbだけ遅れて補助スイッチングパルス信号Whbの立ち上がりエッジが発生する。スイッチングパルス信号Wpの立ち上がりエッジと補助スイッチングパルス信号Whbの立ち下がりエッジは一致または略一致する。その結果、高速スルーレート・スイッチング信号R1bに応動して上側パワートランジスタ505がフォロア動作しているオン期間(有効期間)において、下側パワートランジスタ501は確実にオフになる。すなわち、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501が同時にオンになることを防止している。また、上側パワートランジスタ505がオフに変化した直後に下側パワートランジスタ501をオンにし、下側パワーダイオード501dによる電力損失を低減している。
【0103】
また、ノイズ除去信号Wxの波形は図26の(d)に示している。すなわち、ノイズ除去信号Wxは、スイッチングパルス信号Wpの変化タイミングからノイズ除去時間Txの間”L”になるノイズ除去期間を有している。このノイズ除去時間TxはTraやTfaよりも大きくされ(Tx>Tra,Tx>Tfa)、低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり期間や立ち下がり期間を含むノイズ除去期間においてノイズ除去信号Wxが”L”にされている。なお、動作切換信号Dhの状態に応動して、ノイズ除去信号Wxのノイズ除去期間Txを切り換えても良い。
ここでは第1の通電制御回路610Aと第1の電力供給回路420Aの構成および動作について説明したが、第2の通電制御回路610B,第3の通電制御回路610Cや第2の電力供給回路420B,第3の電力供給回路420Cの構成および動作も同様である。なお、第1の通電制御回路のスルーレート回路は、スルーレート・スイッチング信号を電力供給部の上側パワートランジスタの通電制御端子に作成し、上側パワートランジスタをスルーレート・スイッチング信号に応動してフォロア動作させている。また、通電動作部601(第1の通電制御回路610A,610B,610C)は、単一のスイッチングパルス信号に応動した1個または2個のスルーレート・スイッチング信号を作成し、電力供給部402の1個または2個の上側パワートランジスタをそれぞれのスルーレート・スイッチング信号に応動して同時に高周波スイッチング動作させている。
【0104】
本実施の形態においても、前述の実施の形態1または実施の形態2と同様な作用効果を得ることができる。
本実施の形態では、3個の上側パワートランジスタと3個の下側パワートランジスタにNチャンネル電界効果型パワートランジスタを使用しているので、電圧供給部25の負極出力端子側電位よりも低い低電位点が不要になり、電源供給が容易になる。また、集積回路化した場合に、Nチャンネル電界効果型パワートランジスタはPチャンネル電界効果型パワートランジスタよりも小さくて低オン抵抗にできるので、チップサイズを小さくできる。すなわち、低コスト化できる。さらに、上側パワートランジスタを所要のスルーレートを持たせてオン・オフの高周波スイッチング動作させながら、上側パワートランジスタのオン・オフ動作に同期して同じ相の下側パワートランジスタを相補的にオフ・オンの高周波スイッチング動作させている。これにより、下側パワーダイオードの電力損失を低減し、全体の消費電力を小さくしている。また、2個の上側パワートランジスタによって電流路を切り換える場合に、単一のスイッチングパルス信号に応動して2個のスルーレート・スイッチング信号を2個の上側パワートランジスタの通電制御端子側にそれぞれ作成し、2個の上側パワートランジスタを同時にフォロア動作させて高周波スイッチングさせている。そのため、単一のスイッチングパルス信号に応動した2個の補助スイッチングパルス信号を2個の下側パワートランジスタの通電制御端子側にそれぞれ作成することにより、簡単な構成で容易に補助的な高周波スイッチング動作を実現できる。その結果、消費電力が小さく、ノイズによる再生誤りが発生しない高性能なディスク装置およびモータを低コストに実現できる。その他、前述の実施の形態1や実施の形態2と同様な各種の利点がある。
【0105】
図23の通電制御回路610Aでは、定電流回路を有する充電・放電回路によってコンデンサ容量を充電・放電し、スイッチングパルス信号に応動したスルーレート・スイッチング信号を電界効果型パワートランジスタの通電制御端子側に作成した。しかし、本発明はそのような場合に限定されない。図24に通電制御回路610Aの別の構成を示す。この通電制御回路610Aのスルーレート回路540は、スイッチ回路520と充電抵抗551,552と充電切換スイッチ553と放電抵抗555,556と放電切換スイッチ557によって構成されている。このスルーレート回路540は、スイッチ回路520がa側に接続された場合に、充電切換スイッチ553によって選択された充電抵抗551または552を介してコンデンサ525への充電を行わせる。また、スルーレート回路540は、スイッチ回路520がb側に接続された場合に、放電切換スイッチ557によって選択された放電抵抗555または556を介してコンデンサ525への放電を行わせる。充電切換スイッチ553と放電切換スイッチ557は、動作切換信号Dhに応動してa側またはb側に接続を切り換える。抵抗551は抵抗552よりも十分に大きくされ、抵抗555は抵抗556よりも十分に大きくされている。動作切換信号Dhが”L”の場合に、充電切換スイッチ553と放電切換スイッチ557はa側に接続され、大きな充電抵抗551と大きな放電抵抗555によってコンデンサ525は充電・放電され、低速スルーレート・スイッチング信号を上側電界効果型パワートランジスタ505の通電制御端子側に作成する。この低速スルーレート・スイッチング信号に応動して上側電界効果型パワートランジスタ505は、緩やかな電圧傾斜を有する高周波スイッチング動作を行う。動作切換信号Dhが”H”の場合に、充電切換スイッチ553と放電切換スイッチ557はb側に接続され、小さな充電抵抗552と小さな放電抵抗556によってコンデンサ525は充電・放電され、高速スルーレート・スイッチング信号を上側電界効果型パワートランジスタ505の通電制御端子側に作成する。この高速スルーレート・スイッチング信号に応動して上側電界効果型パワートランジスタ505は、急な電圧傾斜を有する高周波スイッチング動作を行う。
【0106】
図24の構成の通電制御回路610Aを用いたディスク装置の場合にも、上述の全体的な動作と同様な動作を行う。なお、スルーレート回路540のコンデンサ525は、上側電界効果型パワートランジスタ505の入力寄生コンデンサ容量によって置き換え可能である。
このような構成においても、前述の実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
上述の実施の形態において、通電動作部601は、立ち上がり部分と立ち下がり部分のうちで少なくとも一方の部分において電圧傾斜を有する少なくとも1個のスルーレート・スイッチング信号を3個の上側NMOS−FETパワートランジスタのうちで少なくとも1個の上側NMOS−FETパワートランジスタの通電制御端子側に作成する。3個の上側NMOS−FETパワートランジスタのそれぞれは、電圧供給部25の正極出力端子側と3相のコイルの一端との電流路を形成する。通電動作部601は、その少なくとも1個の上側NMOS−FETパワートランジスタをその少なくとも1個のスルーレート・スイッチング信号に応動して高周波スイッチング動作させる。通電動作部601は、その少なくとも1個のスルーレート・スイッチング信号と実質的に相補的に変化する少なくとも1個の補助スイッチングパルス信号を3個の下側NMOS−FETパワートランジスタのうちで少なくとも1個の下側NMOS−FETパワートランジスタの通電制御端子側に作成する。3個の下側NMOS−FETパワートランジスタのそれぞれは、電圧供給部25の負極出力端子側と3相のコイルの一端との電流路を形成する。通電動作部601は、その少なくとも1個の下側NMOS−FETパワートランジスタをその少なくとも1個の補助スイッチングパルス信号に応動して相補的な高周波スイッチング動作させる。通電動作部601は、3個の下側NMOS−FETパワートランジスタの残りのうちで1個の下側NMOS−FETパワートランジスタを高周波スイッチングを伴わないオン動作させる。これにより、その少なくとも1個のスルーレート・スイッチング信号とその少なくとも1個の補助スイッチングパルス信号に応動して滑らかな電圧傾斜を有する高周波スイッチングされた駆動電圧を3相のコイルの1つの端子に供給し、電圧供給手段の負極出力端子側の電位を実質的に3相のコイルの他の1つの端子に供給する構成にしている。その結果、ディスク装置とモータは、NMOS−FETパワートランジスタの電力損失は著しく小さくなり、かつ、NMOS−FETパワートランジスタの高周波スイッチングに伴う高周波ノイズは著しく小さくなる。
【0107】
また、上述の実施の形態において、3個の上側NMOS−FETパワートランジスタのうちで2個の上側NMOS−FETパワートランジスタによって3相のコイルへの電流路を切り換える場合に、通電動作部601は、その2個の上側NMOS−FETパワートランジスタの通電制御端子側に2個のスルーレート・スイッチング信号を作り出す。通電動作部601は、その2個のスルーレート・スイッチング信号のそれぞれにおいて、立ち上がり部分と立ち下がり部分のうちで少なくとも一方において滑らかな電圧傾斜を有するようにしている。3個の上側NMOS−FETパワートランジスタのそれぞれは、電圧供給部25の正極出力端子側と3相のコイルの一端との電流路を形成する。通電動作部601は、その2個の上側パワートランジスタを2個のスルーレート・スイッチング信号に応動して高周波スイッチング動作させる。通電動作部601は、その2個のスルーレート・スイッチング信号と実質的に相補的に変化する2個の補助スイッチングパルス信号を3個の下側NMOS−FETパワートランジスタのうちで2個の下側NMOS−FETパワートランジスタの通電制御端子側に作成する。3個の下側NMOS−FETパワートランジスタのそれぞれは、電圧供給部25の負極出力端子側と3相のコイルの一端との電流路を形成する。通電動作部601は、その2個の下側NMOS−FETパワートランジスタをその2個の補助スイッチングパルス信号に応動して相補的な高周波スイッチング動作させる。通電動作部601は、3個の下側NMOS−FETパワートランジスタの残りのうちで1個の下側NMOS−FETパワートランジスタを高周波スイッチングを伴わないオン動作させる。これにより、その2個のスルーレート・スイッチング信号とその2個の補助スイッチングパルス信号に応動して滑らかな電圧傾斜を有する高周波スイッチングされた2つの駆動電圧を3相のコイルの2つの端子に供給し、かつ、電圧供給手段の負極出力端子側の電位を実質的に3相のコイルの他の1つの端子に供給する構成にしている。その結果、ディスク装置とモータは、パワートランジスタの電力損失は著しく小さくなり、パワートランジスタの高周波スイッチングに伴う高周波ノイズは著しく小さくなり、かつ、電流路の切り換わりに伴う騒音・振動は大幅に小さくなる。なお、2個のスルーレート・スイッチング信号と2個の補助PWMパルス信号を単一のスイッチングパルス信号に応動して作成することにより簡素な構成にしているが、そのような場合に限らず、2個のスルーレート・スイッチング信号と2個の補助パルス信号を2個の独立したスイッチングパルス信号に応動して作成しても良い。
その結果、消費電力が小さく、ノイズによる再生誤りが発生しない、騒音・振動の小さい高性能なディスク装置およびモータを低コストに実現できる。
【0108】
《実施の形態4》
図28から図31に本発明の実施の形態4のモータを含んで構成されたディスク装置と、モータを示す。本実施の形態では、前述の実施の形態3における通電動作部601を変更し、単一のスイッチングパルス信号に応動した単一のスルーレート・スイッチング信号を作成し、位置信号に応動して所要の電界効果型パワートランジスタの通電制御端子側に供給するようにしたものである。なお、前述の実施の形態1や実施の形態2や実施の形態3と同様なものには同一の番号を付し、説明を省略する。また、本実施の形態におけるディスク装置の全体構成は、図2に示したものと同様であり、説明を省略する。
【0109】
図28にモータ部アクチュエータとモータ部駆動ブロックの具体的な構成を示す。ディスク81を回転駆動するモータ部アクチュエータの回転体11は、複数極の界磁磁束を発生する界磁部を取り付けられたロータである。3相のコイル12,13,14は、固定体であるステータに配設され、回転体11の界磁部との相対関係に関して、電気的に互いに約120度ずらされて配置されている。3相のコイル12,13,14は3相の駆動電流I1,I2,I3により3相の磁束を発生し、回転体11の界磁部との相互作用によって駆動力を発生し、回転体11およびディスク81を回転駆動する。
電力供給部402は、通電動作部701の3相の下側通電制御信号M1,M2,M3と3相の上側通電制御信号N1,N2,N3に応動して電圧供給部25から3相のコイル12,13,14への電流路を形成し、コイル12,13,14への電力供給を行っている。通電動作部701の具体的な構成は後述する。
【0110】
電流検出部21は、電圧供給部25から3相のコイル12,13,14に供給する合成供給電流Igに比例した電流検出信号Adを出力する。
位置検出部30は、回転体11の界磁部の位置を検出し、検出位置に対応した下側位置信号P1,P2,P3と上側位置信号Q1,Q2,Q3と検出パルス信号Dtを出力する。位置検出部30の具体的な構成は、図4に示したものと同様である。位置検出部30は、電気角で120度よりも大きな“H”区間を持つ3相の下側位置信号P1,P2,P3と、電気角で120度よりも大きな“H”区間を持つ3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3を作成する。
指令部32は、位置検出部30の検出パルス信号Dtによりディスク81や回転体11の回転速度を検出し、検出回転速度と目標速度との差に応動した指令信号Acを出力する。
スイッチング制御部622は、電流検出部21の検出信号Adと指令部32の指令信号Acを比較し、該比較結果に応動した単一のスイッチングパルス信号Wpを作成する。また、単一のスイッチングパルス信号Wpに応動した補助スイッチングパルス信号Whを作成する。スイッチング制御部622の具体的な構成は、図25に示したものと同様である。また、基準パルス信号Arと比較信号Apとスイッチングパルス信号Wpとノイズ除去信号Wxと補助スイッチングパルス信号Whの信号関係は、図26の(a)〜(f)に示したものと同様である。
【0111】
図28の通電動作部701は、位置検出部30の3相の下側位置信号P1,P2,P3や3相の上側位置信号Q1,Q2,Q3やスイッチング制御部622のスイッチングパルス信号Wpや補助スイッチングパルス信号Whに応動した3相の下側通電制御信号M1,M2,M3と3相の上側通電制御信号N1,N2,N3を出力する。通電動作部701は、上側位置信号による通電区間においてスイッチングパルス信号Wpに応動して上側通電制御信号N1,N2,N3をスイッチングパルス化している。また、通電動作部701は、下側位置信号による通電区間において下側通電制御信号M1,M2,M3をオン・オフ信号にし、上側位置信号による通電区間において補助スイッチングパルス信号Whに応動して下側通電制御信号M1,M2,M3をスイッチングパルス化している。図29に通電動作部701の具体的な構成を示す。
【0112】
図29の通電動作部701は、スルーレート器705と第1の動作制御器710Aと第2の動作制御器710Bと第3の動作制御器710Cを含んで構成されている。スルーレート器705は、スイッチングパルス信号Wpと動作切換信号Dhが入力され、スイッチングパルス信号Wpに応動したスルーレート・スイッチング信号R1を出力する。スルーレート・スイッチング信号R1のスルーレートは、動作切換信号Dhに応動して切り換えられている。第1の動作制御器710Aは、スルーレート・スイッチング信号R1と下側位置信号P1と上側位置信号Q1と補助スイッチングパルス信号Whを入力され、下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1を出力する。第2の動作制御器710Bは、スルーレート・スイッチング信号R1と下側位置信号P2と上側位置信号Q2と補助スイッチングパルス信号Whを入力され、下側通電制御信号M2と上側通電制御信号N2を出力する。第3の動作制御器710Cは、スルーレート・スイッチング信号R1と下側位置信号P3と上側位置信号Q3と補助スイッチングパルス信号Whを入力され、下側通電制御信号M3と上側通電制御信号N3を出力する。
【0113】
電力供給部402は、第1の電力供給回路420Aと第2の電力供給回路420Bと第3の電力供給回路420Cを含んで構成されている。第1の電力供給回路420Aは、第1の動作制御器710Aの下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1を入力され、コイル12の電力供給端子側への通電を行う。第2の電力供給回路420Bは、第2の動作制御器710Bの下側通電制御信号M2と上側通電制御信号N2を入力され、コイル13の電力供給端子側への通電を行う。第3の電力供給回路420Cは、第3の動作制御器710Cの下側通電制御信号M3と上側通電制御信号N3を入力され、コイル14の電力供給端子側への通電を行う。
【0114】
図30にスルーレート器705の具体的な構成を示す。スルーレート器705は、スイッチ回路720と定電流回路721,722とコンデンサ725を含んで構成されている。スイッチ回路720は、スイッチングパルス信号Wpが”H”の時にa側に接続し、スイッチングパルス信号Wpが”L”の時にb側に接続する。スイッチ回路720のa側には高電位点”Hu”から流出する定電流回路721が接続され、スイッチ回路720のb側にはアース電位点0Vに向けて流入する定電流回路722が接続されている。コンデンサ725は、スイッチ回路720の出力点に接続されている。スイッチ回路720がa側に接続された場合に、コンデンサ725は定電流回路721の出力電流によって充電され、端子電圧は徐々に高電位”Hu”まで上昇する。スイッチ回路720がb側に接続された場合に、コンデンサ725は定電流回路722の出力電流によって放電され、端子電圧は徐々にアース電位0Vまで下降する。その結果、コンデンサ725の端子電圧信号R1は、スイッチングパルス信号Wpに応動して変化し、立ち上がりエッジ部分と立ち下がりエッジ部分において所要の電圧傾斜を有するスルーレート・スイッチング信号になる。
【0115】
定電流回路721,722の電流値は、動作切換部94の動作切換信号Dhによって切り換えられている。動作切換信号Dhが”L”の場合には、定電流回路721,722の電流値が比較的小さくされ、コンデンサ725に生じるスルーレート・スイッチング信号R1は緩やかな電圧傾斜の低速スルーレート・スイッチング信号R1aになる。動作切換信号Dhが”H”の場合には、定電流回路721,722の電流値が比較的大きくされ、コンデンサ725に生じるスルーレート・スイッチング信号R1は急な電圧傾斜の高速スルーレート・スイッチング信号R1bになる。スイッチングパルス信号Wpと低速スルーレート・スイッチング信号R1aと高速スルーレート・スイッチング信号R1bと補助スイッチングパルス信号Wha,Whbの関係は、図27の(a)〜(f)に示したものと同様である。
【0116】
動作切換信号Dhが”L”の場合に、スイッチングパルス信号Wpに応動して低速スルーレート・スイッチング信号R1aが作成される。低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち上がり時間Traと立ち下がり時間Tfaは大きくされている。また、スイッチングパルス信号Wpに応動して補助スイッチングパルス信号Whaが作成され、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから補助スイッチングパルス信号Whaの立ち上がりエッジまでの所要時間Thaは大きくされている。さらに、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから補助スイッチングパルス信号Whaの立ち上がりエッジまでの所要時間Thaは低速スルーレート・スイッチング信号R1aの立ち下がり時間Tfaよりも大きくされている(Tha>Tfa)。
【0117】
動作切換信号Dhが”H”の場合に、スイッチングパルス信号Wpに応動して高速スルーレート・スイッチング信号R1bが作成される。高速スルーレート・スイッチング信号R1bの立ち上がり時間Trbと立ち下がり時間Tfbは小さくされている。また、スイッチングパルス信号Wpに応動して補助スイッチングパルス信号Whbが作成され、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから補助スイッチングパルス信号Whbの立ち上がりエッジまでの所要時間Thbは小さくされている。さらに、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから補助スイッチングパルス信号Whbの立ち上がりエッジまでの所要時間Thbは高速スルーレート・スイッチング信号R1bの立ち下がり時間Tfbよりも大きくされている(Thb>Tfb)。
【0118】
図31に第1の動作制御器710Aと第1の電力供給回路420Aの具体的な構成を示す。第1の電力供給回路420Aは、下側パワートランジスタ501と上側パワートランジスタ505と下側パワーダイオード501dと上側パワーダイオード505dを含んで構成され、下側通電制御信号M1と上側通電制御信号N1に応動してコイル12に駆動電圧V1と駆動電流I1を供給する。なお、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501はNチャンネル電界効果型パワートランジスタによって構成され、この電界効果型パワートランジスタに逆接続されて形成された寄生ダイオードによって上側パワーダイオード505dと下側パワーダイオード501dが構成されている。
【0119】
第1の動作制御器710Aは、オア回路731とアンド回路732とバッファ回路733とスイッチ回路734を含んで構成されている。バッファ回路733は、上側位置信号Q1をバッファ出力してスイッチ切換信号S6を作りだす。スイッチ回路734は、スイッチ切換信号S6が”H”の時にa側に接続し、スイッチ切換信号S6が”L”の時にb側に接続する。スイッチ回路734のa側にはスルーレート・スイッチング信号R1が接続され、スイッチ回路734のb側にはアース電位点0Vが接続される。スイッチ回路734は上側通電制御信号N1を出力し、上側通電制御信号N1は上側パワートランジスタ505の通電制御端子側に供給される。アンド回路732は、上側位置信号Q1と補助スイッチングパルス信号Whの論理積により補助スイッチング信号Pw1を作りだす。オア回路731は、下側位置信号P1と補助スイッチング信号Pw1の論理和をとり、下側通電制御信号M1を出力する。下側通電制御信号M1は下側パワートランジスタ501の通電制御端子側に供給される。
【0120】
まず、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”L”の場合について説明する。バッファ回路733の出力であるスイッチ切換信号S6が”L”になり、スイッチ回路734の出力である上側通電制御信号N1はアース電位0Vになるので、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はオフになる。アンド回路732の出力信号は”L”になり、オア回路731の出力である下側通電制御信号M1は”L”になり、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501はオフになる。その結果、P1=”L”,Q1=”L”の場合には、第1の電力供給回路420Aはコイル12への通電は行わない。
次に、回転体11が回転し、下側位置信号P1が”H”,上側位置信号Q1が”L”になった場合を説明する。オア回路731の出力である下側通電制御信号M1は”H”になり、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501はオンになる。バッファ回路733のスイッチ切換信号S6は”L”であり、スイッチ回路734の出力である上側通電制御信号N1はアース電位0Vになるので、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はオフになる。その結果、P1=”H”,Q1=”L”の場合には、第1の電力供給回路420Aはコイル12に負極性の駆動電流I1を供給する。
【0121】
さらに回転体11が回転し、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”L”になった場合には、上側通電制御信号N1がアース電位になり、下側通電制御信号M1が”L”になるので、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501はオフになる。すなわち、第1の電力供給回路420Aはコイル12への通電は行わない。
さらに回転体11が回転し、下側位置信号P1が”L”,上側位置信号Q1が”H”になった場合を説明する。バッファ回路733の出力であるスイッチ切換信号S6が”H”になり、スイッチ回路734はa側に接続される。従って、上側通電制御信号N1はスルーレート・スイッチング信号R1に一致する。その結果、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はスルーレート・スイッチング信号R1に応動して高周波スイッチング動作する。アンド回路732の出力である補助スイッチング信号Pw1は補助スイッチングパルス信号Whに一致するので、オア回路731の出力である下側通電制御信号M1は補助スイッチングパルス信号Whに一致する。従って、第1の電力供給回路420Aの下側パワートランジスタ501は補助スイッチングパルス信号Whに応動して高周波スイッチング動作する。その結果、P1=”L”,Q1=”H”の場合には、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505はスルーレート器705のスルーレート・スイッチング信号R1に応動してオン・オフの高周波スイッチング動作し、コイル12に正極性の駆動電流I1を供給する。また、下側パワートランジスタ501は、補助スイッチングパルス信号Whに応動してオフ・オンの高周波スイッチング動作を行う。すなわち、上側パワートランジスタ505が高周波スイッチングのオフの時には、下側パワートランジスタ501または下側パワーダイオード501dが通電状態になり、コイル12に正極性の駆動電流I1を流し続ける。
【0122】
動作切換信号Dhが”L”の場合には、定電流回路721,722の電流値が小さくされ、低速スルーレート・スイッチング信号R1aがスルーレート器705の出力信号になる。従って、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505は低速スルーレート・スイッチング信号R1aに応動してフォロア動作によりオン・オフの高周波スイッチングし、端子電圧V1は低速スルーレートにて変化するPWMスイッチング駆動電圧になる。また、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから所要時間Thaだけ遅れて補助スイッチングパルス信号Whaの立ち上がりエッジが発生する。すなわち、低速スルーレート・スイッチング信号R1aの有効期間と補助スイッチングパルス信号Whaの有効期間の間にオフ期間が設けられている。その結果、上側パワートランジスタ505のオン期間において、下側パワートランジスタ501は確実にオフになる。すなわち、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501が同時にオンになることを防止している。また、上側パワートランジスタ505がオフになると、補助スイッチングパルス信号Whaは下側パワートランジスタ501をオンにしている。その結果、下側パワーダイオード501dによる電力損失は小さくなる。
【0123】
動作切換信号Dhが”H”の場合には、定電流回路721,722の電流値が大きくされ、高速スルーレート・スイッチング信号R1bがスルーレート器705の出力信号になる。従って、第1の電力供給回路420Aの上側パワートランジスタ505は高速スルーレート・スイッチング信号R1bに応動してフォロア動作によりオン・オフの高周波スイッチングし、端子電圧V1は高速スルーレートにて変化するPWMスイッチング駆動電圧になる。また、スイッチングパルス信号Wpの立ち下がりエッジから所要時間Thbだけ遅れて補助スイッチングパルス信号Whbの立ち上がりエッジが発生する。すなわち、高速スルーレート・スイッチング信号R1bの有効期間と補助スイッチングパルス信号Whbの有効期間の間にオフ期間が設けられている。その結果、上側パワートランジスタ505のオン期間において、下側パワートランジスタ501は確実にオフになる。すなわち、上側パワートランジスタ505と下側パワートランジスタ501が同時にオンになることを防止している。また、上側パワートランジスタ505がオフになると、補助スイッチングパルス信号Whbは下側パワートランジスタ501をオンにしている。その結果、下側パワーダイオード501dによる電力損失は小さくなる。
ここでは第1の動作制御器710Aと第1の電力供給回路420Aの構成および動作について説明したが、第2の動作制御器710Bや第3の動作制御器710Cや第2の電力供給回路420Bや第3の電力供給回路420Cの構成および動作も同様である。なお、スルーレート器705は単一のスイッチングパルス信号Wpに応動して単一のスルーレート・スイッチング信号R1を作成し、第1の動作制御器710A,第2の動作制御器710B,第3の動作制御器710Cは上側位置信号Q1,Q2,Q3に応動してスルーレート・スイッチング信号R1を1個または2個の上側パワートランジスタの通電制御端子側に供給している。これにより、1個または2個の上側パワートランジスタは単一のスルーレート・スイッチング信号R1に応動して同時に高周波スイッチング動作している。
【0124】
本実施の形態においても、前述の実施の形態1、実施の形態2または実施の形態3と同様な作用効果を得ることができる。
本実施の形態では、単一のスイッチングパルス信号Wpに応動した単一のスルーレート・スイッチング信号R1を作成し、位置信号に応動して所要のパワートランジスタをスルーレート・スイッチング信号に応動して高周波スイッチング動作させている。これにより、スルーレート・スイッチング信号を作るためのコンデンサなどの部品が少なくなり、集積回路化に適している。また、電界効果型パワートランジスタを使用しているので、コンデンサの端子に作成されたスルーレート・スイッチング信号を直接的に電界効果型パワートランジスタの通電制御端子に接続してもスルーレート波形が乱れることはない。その結果、動作制御器の構成が簡素になる。また、上側パワートランジスタのオン・オフの高周波スイッチング動作に同期して、下側パワートランジスタを相補的にオフ・オンの高周波スイッチング動作させ、下側パワーダイオードの電力損失を大幅に低減している。また、2個の上側パワートランジスタによりコイルへの電流路を切り換える場合に、2個の上側パワートランジスタを単一のスルーレート・スイッチング信号に応動して同時に高周波スイッチングさせているので、単一の補助スイッチングパルス信号に応動して2個の下側パワートランジスタを同時に相補的にオフ・オンの高周波スイッチング動作させれば良く、簡単な構成で容易に実現できる。その結果、消費電力が小さく、ノイズによる再生誤りが発生しない高性能なディスク装置およびモータを低コストに実現できる。
【0125】
また、本実施の形態では、スルーレート・スイッチング信号に応動して上側パワートランジスタのみを同時に高周波スイッチング動作させ、簡素な構成で高精度な電流制御を実現した。しかし、本発明はそのような場合に限らず、たとえば、下側パワートランジスタを高周波スイッチング動作させたり、上側パワートランジスタと下側パワートランジスタを適時高周波スイッチング動作させるようにしても良い。すなわち、消費電力が小さく、ノイズによる再生誤りが発生しない高性能なディスク装置およびモータを容易に実現できる。その他、前述の実施の形態1や実施の形態2や実施の形態3と同様な各種の利点がある。
なお、前述の実施の形態の具体的な構成については、各種の変形が可能である。たとえば、各相のコイルは複数個の部分コイルを直列もしくは並列に接続して構成しても良い。3相のコイルはスター結線に限らず、デルタ結線であってもよい。また、コイルの相数は3相に限定されない。一般に、複数相のコイルを有する構成を実現できる。また、ロータの界磁部の磁極数も2極に限定されるものではなく、2極以上の複数極を有する界磁部の構成にしても良い。
また、前述の実施の形態では、電流検出部を1個の電流検出用の抵抗によって簡単に実現したが、本発明はそのような場合に限らず、各種の電流検出方法が使用可能である。たとえば、3相の駆動電流の負極側電流値を合成した電流を検出する場合に限らず、正極側電流値を合成した電流を検出しても良い。さらに、下側パワートランジスタや上側パワートランジスタをマルチ出力にして、その一端に出力される電流を検出し、電流検出用の抵抗を無くしても良い。
【0126】
また、前述の実施の形態では、電力供給部のパワートランジスタに電界効果型パワートランジスタを用いて、高周波スイッチング動作を容易に行うようにした。これにより、パワートランジスタの電力損失・発熱を低減し、集積回路化を容易にした。また、集積回路化に適した接合分離された二重拡散の電界効果型パワートランジスタに限らず、誘電分離された電界効果型パワートランジスタを使用してモータ部駆動ブロックの所要のトランジスタや抵抗などを集積回路化しても良い。しかし、本発明はそのような場合に限らず、たとえば、パワートランジスタにバイポーラトランジスタやIGBTトランジスタを使用することも可能である。
また、前述の実施の形態では、コンデンサへの充電・放電動作を行わせることにより、スルーレート・スイッチング信号を容易に形成した。しかし、そのような場合に限らず、たとえば、スイッチングパルス信号Wpを直接に高速スルーレート・スイッチング信号として使用しても良い。
【0127】
また、前述の実施の形態では、単一のスイッチングパルス信号に応動したスルーレート・スイッチング信号を作成することにより、スルーレート・スイッチング信号の作成およびパワートランジスタの高周波スイッチング動作を容易にした。しかし、そのような場合に限らず、複数相のスイッチングパルス信号に応動した複数のスルーレート・スイッチング信号を上側パワートランジスタの通電制御端子側に作成するようにしても良い。また、これらの複数相のスイッチングパルス信号に応動した複数の補助スイッチングパルス信号を下側パワートランジスタの通電制御端子側に作成し、パワートランジスタの電力損失を低減するようにしても良い。これらの構成が本発明に含まれることは言うまでもない。
また、前述の実施の形態では、3相のコイルの端子電圧に応動した位置検出信号を作成することにより、位置検出素子を不要にした。しかし、そのような場合に限らず、回転体の界磁部の磁極を検出する位置検出素子を使用しても良い。
なお、本発明のモータは、ディスク装置に好適であるが、その用途はOA・AV機器などの回転駆動用にも幅広く使用可能である。さらに、一般に、速度制御を行うモータとして、幅広く利用することができる。
その他、本発明の主旨を変えずして種々の変形が可能であり、本発明に含まれることはいうまでもない。
【0128】
【発明の効果】
以上、実施の形態について詳細に説明したところから明らかなように、本発明は次の効果を有する。
本発明のディスク装置およびモータでは、スイッチングパルス信号に応動したスルーレート・スイッチング信号を作成し、スルーレート・スイッチング信号に応動してパワートランジスタを高周波スイッチング動作させている。これにより、緩やかな電圧傾斜を有する高周波スイッチングの駆動電圧をコイルに供給して、スイッチング駆動電圧によるノイズの発生を低減している。その結果、消費電力の小さく、情報再生誤りが少ない、高性能なディスク装置およびモータを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるモータの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるディスク装置の全体構成を示す図である。
【図3】実施の形態1における電力供給部20と電流検出部21の具体的な構成を示す図である。
【図4】実施の形態1における位置検出部30の具体的な構成を示す図である。
【図5】実施の形態1における電圧検出器121の具体的な構成を示す図である。
【図6】実施の形態1における位置作成器122の具体的な構成を示す図である。
【図7】実施の形態1におけるスイッチング制御部22の具体的な構成を示す図である。
【図8】実施の形態1における通電動作部31と電力供給部20の具体的な構成を示す図である。
【図9】実施の形態1における第1の通電制御回路200Aと第1の電力供給回路250Aの具体的な構成を示す図である。
【図10】実施の形態1における電圧検出器121の動作を説明するための波形図である。
【図11】実施の形態1における調整器160の動作を説明するための波形図である。
【図12】実施の形態1における位置作成器122の動作を説明するための波形図である。
【図13】実施の形態1におけるスイッチング制御部22の動作を説明するための波形図である。
【図14】実施の形態1におけるスイッチングパルス信号Wpと低速スルーレート・スイッチング信号R1aと高速スルーレート・スイッチング信号R1bとノイズ除去信号Wxの関係を説明するための波形図である。
【図15】実施の形態1におけるスイッチング制御部22の別の具体的な構成を示す図である。
【図16】実施の形態1における図15のスイッチング制御部の動作を説明するための波形図である。
【図17】本発明の実施の形態2におけるモータの全体構成を示す図である。
【図18】実施の形態2における通電動作部401と電力供給部402の具体的な構成を示す図である。
【図19】実施の形態2における第1の通電制御回路410Aと第1の電力供給回路420Aの具体的な構成を示す図である。
【図20】実施の形態2における別の構成の第1の通電制御回路410Aの具体的な構成を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態3におけるモータの全体構成を示す図である。
【図22】実施の形態3における通電動作部601と電力供給部402の具体的な構成を示す図である。
【図23】実施の形態3における第1の通電制御回路610Aと第1の電力供給回路420Aの具体的な構成を示す図である。
【図24】実施の形態3における別の構成の第1の通電制御回路610Aの具体的な構成を示す図である。
【図25】実施の形態3におけるスイッチング制御部622の具体的な構成を示す図である。
【図26】実施の形態3におけるスイッチング制御部622の動作を説明するための波形図である。
【図27】実施の形態3におけるスイッチングパルス信号Wpと低速スルーレート・スイッチング信号R1aと高速スルーレート・スイッチング信号R1bとノイズ除去信号Wxと補助スイッチングパルス信号Wha,Whbの関係を説明するための波形図である。
【図28】本発明の実施の形態4におけるモータの全体構成を示す図である。
【図29】実施の形態4における通電動作部701と電力供給部402の具体的な構成を示す図である。
【図30】実施の形態4におけるスルーレート器705の具体的な構成を示す図である。
【図31】実施の形態4における第1の動作制御器710Aと第1の電力供給回路420Aの具体的な構成を示す図である。
【図32】従来のモータの構成を示す図である。
【符号の説明】
11 回転体
12,13,14 コイル
20,402 電力供給部
21 電流検出部
22,622 スイッチング制御部
25 電圧供給部
30 位置検出部
31,401,601,701 通電動作部
32 指令部
41,641 スイッチング動作ブロック
81 ディスク
82 モータ部アクチュエータ
85 トラッキング部アクチュエータ
87 ヘッド部
91 モータ部駆動ブロック
92 トラッキング部駆動ブロック
93 情報処理ブロック
94 動作切換部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a disk device including a motor that rotationally drives a disk, and a motor.
[0002]
[Prior art]
In recent years, hard disk devices (HDD), optical disk devices, flexible disk devices, and the like that rotate a disk by a motor that switches a current path using a plurality of transistors are widely used. Conventionally, in such a motor, a current path to the coil is switched using a PNP type power transistor and an NPN type power transistor.
[0003]
FIG. 32 shows a conventional motor, and its operation will be briefly described. The
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In this conventional configuration, the power loss in the power transistor is large, and the power efficiency of the motor is extremely poor. The NPN
[0005]
US Pat. No. 5,982,118 and US Pat. No. 5,473,232 describe a motor in which the power transistor is PWM operated (PWM: pulse width modulation) to reduce power consumption. Yes. However, in the motor configurations of US Pat. No. 5,982,118 and US Pat. No. 5,473,232, very large high-frequency switching noise is generated with the PWM operation of the power transistor. This switching noise disturbs the reproduction signal from the head and remarkably deteriorates the bit error rate of the reproduction signal of the disk device.
[0006]
In a magnetic disk device such as an HDD or an optical disk device such as a DVD, it is necessary to reduce high frequency noise as much as possible in order to stably perform a reproducing operation from a high density disk. However, when the power transistor is operated in PWM, very high frequency switching noise is generated. For this reason, the reliability of the reproduction signal of the disk device is significantly deteriorated, and it is difficult to perform the PWM operation of the power transistor.
An object of the present invention is to solve the above-mentioned various problems individually or simultaneously, and provide a highly reliable disk device with low power consumption and low noise, and a motor suitable for rotational driving of a disk or the like.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In the disk device of the configuration of the present invention,
Head means for reproducing a signal from a disk;
Processing means for outputting a processing signal in response to a reproduction signal of the head means;
A rotating body having a field part for generating a field magnetic flux, and for rotating the disk;
A Q-phase coil (where Q is an integer of 3 or more);
Voltage supply means having at least two output terminals and supplying a DC voltage;
Q first power transistors forming a current path between one output terminal side of the voltage supply means and one end of the Q-phase coil, and the other output terminal side of the voltage supply means and the Q-phase Power supply means configured to include Q second power transistors forming a current path with one end of the coil;
Position detecting means for creating a position signal in response to the rotation of the rotating body;
In response to the output signal of the position detection means, the energization sections of the Q first power transistors and the Q second power transistors of the power supply means are controlled, and each energization section is set to 360 / Q degrees. Energizing operation means to make it wider than considerable,
Command means for creating a command signal in response to the rotational speed of the disk;
Switching operation means for causing at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors of the power supply means to perform a high frequency switching operation in response to the command signal;
A disk device comprising:
The switching operation means includes current detection means for generating a current detection signal in response to a combined supply current from the voltage supply means to the Q-phase coil, and a high-frequency switching pulse in response to the current detection signal and the command signal. Switching control means for creating a signal,
The energization operation means includes High frequency Changes in response to the switching pulse signal Slew rate switching signal , Having a voltage gradient in at least one of the rising and falling portions Said high frequency A slew rate switching signal is generated on the energization control terminal side of at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors, and the at least one power transistor In response to the slew rate switching signal, Causing the at least one power transistor to perform a high frequency switching operation in response to the slew rate switching signal; A configuration in which a driving voltage for high-frequency switching in response to the current detection signal and the command signal is supplied to one end of the Q-phase coil. Is ing.
[0008]
With this configuration, at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors performs a high-frequency switching operation, so that the power loss of the power transistor is extremely small. That is, the power transistor generates very little heat, and a disk device with low power consumption can be realized. In addition, each energization section of the power transistor is made longer than the time corresponding to 360 / Q degrees, and the combined supply current to the Q-phase coil is controlled in response to the command signal. The noise and vibration of the disk can be reduced. In addition, since the power transistor is switched at high frequency in response to the switching pulse signal of the switching operation means, it is easy to create a slew rate switching signal. Further, the power transistor is subjected to a follower operation in response to the slew rate switching signal, and a drive voltage is supplied to the coil. Therefore, since the drive voltage to the coil becomes a high frequency voltage signal having a required voltage gradient corresponding to the slew rate switching signal, the generation of high frequency noise accompanying the high frequency switching operation of the power transistor is significantly reduced. As a result, errors in the reproduction signal of the disk device are remarkably reduced. Therefore, it is possible to realize a high-performance disk device that consumes less power, has a low error rate of a reproduction signal, and has low noise and vibration.
[0015]
In the motor of the configuration of the present invention,
A rotating body having a field part for generating a field magnetic flux;
A Q-phase coil (where Q is an integer of 3 or more);
Voltage supply means having at least two output terminals and supplying a DC voltage;
Q first power transistors forming a current path between one output terminal side of the voltage supply means and one end of the Q-phase coil, and the other output terminal side of the voltage supply means and the Q-phase Power supply means configured to include Q second power transistors forming a current path with one end of the coil;
Position detecting means for creating a position signal in response to the rotation of the rotating body;
In response to the output signal of the position detection means, the energization sections of the Q first power transistors and the Q second power transistors of the power supply means are controlled, and each energization section is set to 360 / Q degrees. Energizing operation means to make it wider than considerable,
Command means for creating a command signal in response to the rotational speed of the rotating body;
Switching operation means for causing at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors of the power supply means to perform a high frequency switching operation in response to the command signal;
A motor comprising:
The switching operation means includes current detection means for generating a current detection signal in response to a combined supply current from the voltage supply means to the Q-phase coil, and a high-frequency switching pulse in response to the current detection signal and the command signal. Switching control means for creating a signal,
The energization operation means includes High frequency Changes in response to the switching pulse signal Slew rate switching signal , Having a voltage gradient in at least one of the rising and falling portions Said high frequency A slew rate switching signal is generated on the energization control terminal side of at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors, and the at least one power transistor In response to the slew rate switching signal, Causing the at least one power transistor to perform a high frequency switching operation in response to the slew rate switching signal; A configuration in which a driving voltage for high-frequency switching in response to the current detection signal and the command signal is supplied to one end of the Q-phase coil. Is ing.
[0016]
With this configuration, at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors performs a high-frequency switching operation, so that the power loss of the power transistor is extremely small. That is, the power transistor generates very little heat, and a motor with low power consumption can be realized. In addition, each energization section of the power transistor is made longer than the time corresponding to 360 / Q degrees, and the combined supply current to the Q-phase coil is controlled in response to the command signal. The noise and vibration of the rotating body can be reduced. In addition, since the power transistor is switched at high frequency in response to the switching pulse signal of the switching operation means, it is easy to create a slew rate switching signal. Further, the power transistor is subjected to a follower operation in response to the slew rate switching signal, and a drive voltage is supplied to the coil. Therefore, since the drive voltage to the coil becomes a high frequency voltage signal having a required voltage gradient corresponding to the slew rate switching signal, the generation of high frequency noise accompanying the high frequency switching operation of the power transistor is significantly reduced. Therefore, it is possible to realize a high-performance motor with low power consumption, low noise generation, and low noise and vibration.
[0024]
these Other configurations and operations will be described in detail in the description of the embodiment.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of a disk device and a motor according to the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0026]
1 to 14 show a disk device and a motor that are configured to include the motor according to the first embodiment of the present invention. FIG. 2 shows the overall configuration of the disk device. The
[0027]
The motor
The
[0028]
Next, the case where the operation switching signal Dh of the
In the hard disk device and the flexible disk device, the
[0029]
FIG. 1 shows a specific configuration of the
[0030]
The
The
[0031]
[0032]
The
When an N-channel field effect transistor is used as the upper power transistor, a high potential “Hu” that is higher than the positive output terminal side potential Vm of the
[0033]
The
The
[0034]
The
[0035]
The three
[0036]
10A to 10D show waveforms for explaining the operation of the
The
[0037]
6 includes a time measurement circuit 165, a
[0038]
The time measuring circuit 165 includes, for example, an up type counter and a holding circuit. Each time the detection pulse signal Dt arrives, the contents of the up-type counter are transferred to the holding circuit and output as the count data signal Db. Further, every time the detection pulse signal Dt arrives, the internal state of the up-type counter is reset, and thereafter the measurement clock pulse is counted up. The
[0039]
The relationship between these signal waveforms is illustrated in (a), (b), and (c) of FIG. The time measurement circuit 165 measures a time interval T0 between rising edges of the detection pulse signal Dt shown in FIG. 11A, and outputs a count value corresponding to the time interval T0 as a count data signal Db. The
[0040]
6 includes a state holding circuit that changes the internal state in response to the arrival of the first timing signal F1 and the second timing signal F2 of the
[0041]
The period during which the lower position signals P1, P2, and P3 of the
[0042]
FIG. 12 shows the relationship between these signal waveforms. The horizontal axis of FIG. 12 is time. The first timing signal F1 is output after being delayed by the first adjustment time T1 with respect to the detection pulse signal Dt shown in FIG. 12A (see FIG. 12B), and the second timing. The signal F2 is output after being delayed by the second adjustment time T2 (see (c) of FIG. 12). The
[0043]
As a result, the lower position signals P1, P2, and P3 are three-phase signals having an “H” section (energization section) greater than 120 degrees in electrical angle (see (d) to (f) of FIG. 12). . Specifically, the lower position signals P1, P2, and P3 are three-phase signals having an “H” interval of about 150 degrees. Here, the electrical angle of 360 degrees corresponds to a set of rotation angles of the north and south poles of the rotor. Similarly, the upper position signals Q1, Q2 and Q3 are three-phase signals having an “H” section (energization section) greater than 120 degrees in electrical angle (see (g) to (i) of FIG. 12). Specifically, the upper position signals Q1, Q2 and Q3 are three-phase signals having an “H” interval of about 150 degrees. Further, since T2> T1, energization to the two-phase coil and energization to the three-phase coil are alternately performed with the rotation of the motor to reduce the pulsation of the drive current.
[0044]
The
The switching
[0045]
The switching
The
[0046]
13A to 13D show signal relationships among the reference pulse signal Ar, the comparison signal Ap, the switching pulse signal Wp, and the noise removal signal Wx. The horizontal axis in FIG. 13 is time. The switching pulse signal Wp becomes “H” when the rising edge of the reference pulse signal Ar occurs, and the switching pulse signal Wp becomes “L” when the rising edge of the comparison signal Ap occurs. In this way, the switching pulse signal Wp becomes a PWM signal corresponding to the comparison result between the current detection signal Ad and the command signal Ac. Further, the noise removal signal Wx becomes “L” for a predetermined time Tx (Tx: noise removal time) from the time when the rising edge and the falling edge of the switching pulse signal Wp are generated. Note that the frequency of the switching pulse signal Wp is determined by the frequency of the reference pulse signal Ar, and is a high frequency signal between 20 kHz and 200 kHz. As a result, the frequency of the high-frequency switching operation becomes constant, and the switching pulse signal Wp and the noise removal signal Wx can be easily created.
[0047]
1 includes three-phase lower position signals P1, P2, and P3 of the
[0048]
8 includes a first
[0049]
The
[0050]
FIG. 9 shows specific configurations of the first
The first
[0051]
The
[0052]
The AND
The
[0053]
The current values of the constant
[0054]
First, when the lower position signal P1 is “L” and the upper position signal Q1 is “L”, the first switch switching signal S1 is “L”, and the
Next, the case where the rotating
[0055]
Further, when the
Further, the case where the rotating
The
[0056]
When the operation switching signal Dh is “L”, the current values of the constant
[0057]
When the operation switching signal Dh is “H”, the current values of the constant
[0058]
FIG. 14D shows the waveform of the noise removal signal Wx. The noise removal signal Wx has a noise removal period that becomes “L” during the required time Tx from the change timing of the switching pulse signal Wp. This noise removal time Tx is made longer than Tra, Tfa, Trb, and Tfb (Tx> Tra, Tx> Tfa, Tx> Trb, Tx> Tfb), and the rising period and falling period of the low-speed slew rate switching signal R1a are set. In the noise removal period including the noise removal signal Wx, the noise removal signal Wx is set to “L”. Thereby, the
Here, the configuration and operation of the first
[0059]
Next, the overall operation of the above disk device and motor will be described. First, the case where the operation switching signal Dh of the
[0060]
The operation of the motor
[0061]
In addition, the
Since the switching pulse signal Wp is directly generated by the comparison result between the command signal Ac and the current detection signal Ad, the combined supply current Ig to the three-phase coils is controlled in response to the command signal Ac. The
[0062]
Further, the noise removal signal Wx of the switching
Also in the tracking
[0063]
Next, a case where the operation switching signal Dh of the
[0064]
The operation of the motor
[0065]
Since the switching pulse signal Wp is directly generated by the comparison result between the command signal Ac and the current detection signal Ad, the combined supply current Ig to the three-phase coils is current-controlled by the command signal Ac. Each of the
[0066]
Further, the noise removal signal Wx of the switching
Also in the tracking
In this embodiment, the power consumption of the disk device that performs highly reliable information reproduction is greatly reduced. First, when the disk device reproduces information from the
[0067]
The
[0068]
Next, when the disk device does not require information reproduction (standby state), the operation switching signal Dh of the
[0069]
In the present embodiment, an N-channel field effect type power transistor is used as the upper power transistor, the drain terminal side is connected to the positive output terminal side of the voltage supply unit, the source terminal side is connected to one end of the coil, The upper power transistor was operated as a source follower. That is, a slew rate switching signal was created on the energization control terminal side of the upper power transistor, and a low-speed slew rate switching drive voltage having a required voltage gradient was supplied to the coil while causing the upper power transistor to follower. As a result, the voltage gradient of the drive voltage can be matched with the slew rate switching signal, and the switching noise can be stably reduced.
[0070]
In the disk apparatus and motor of the present embodiment, the energization sections of the three upper power transistors are made considerably larger than 360/3 = 120 degrees in response to the three-phase upper position signals Q1, Q2, and Q3. One or two upper power transistors are subjected to a high-frequency switching operation substantially simultaneously to supply a positive drive current to a one-phase or two-phase coil. Also, in response to the three-phase lower position signals P1, P2, and P3, the energization sections of the three lower power transistors are considerably larger than 360/3 = 120 degrees, and one or two lower power signals The power transistors are energized substantially simultaneously, and negative drive current is supplied to the one-phase or two-phase coils. Further, the current detector Ig detects the current flow Ig from the voltage supply unit to the three-phase coil, compares the command signal Ac with the output signal Ad of the current detector, and a single switching pulse in response to the comparison result. A signal Wp was created. Create one, two, or three slew rate switching signals in response to this single switching pulse signal Wp, and switch the upper power transistor at substantially the same time in response to these slew rate switching signals. (Actually, one or two upper power transistors selected by the upper position signal are switched substantially simultaneously in response to one or two slew rate switching signals). As a result, an accurate combined supply current Ig that responds to the command signal Ac can be supplied to the three-phase coil, and the generated driving force can be accurately controlled by the command signal Ac. As a result, the switching operation of the current path to the coil becomes smooth, an accurate drive current that responds to the command signal can be supplied to the coil, and the pulsation of the generated drive force is reduced. That is, it is possible to realize a disk device and a motor with low noise and vibration. Each energization section of these power transistors is preferably selected from 125 degrees to 170 degrees, and in practice, about 150 degrees is preferable. In addition, a slew rate switching signal is generated in response to a single switching pulse signal Wp, and the upper power transistor may be simultaneously operated at a high frequency by this slew rate switching signal. Current control of current can be realized. In addition, since there is only one timing management for high-frequency switching, the current detection operation by the current detector becomes simple and stable while using a switching drive voltage having a slew rate. In particular, when the energization section of the power transistor is larger than 360/3 = 120 degrees, the upper power transistor may be operated at the same time by the high-frequency switching operation in response to the slew rate switching signal, and the configuration is simplified. . Each of the three
[0071]
In the present embodiment, a slew rate circuit is configured by a charge / discharge circuit and a capacitor capacity by a constant current circuit, and a slew rate switching signal is easily formed by performing a charge / discharge operation to the capacitor capacity. did. Moreover, the current value of the constant current circuit was changed to switch between the low speed slew rate switching signal and the high speed slew rate switching signal. However, the present invention is not limited to such a case. For example, the switching pulse signal Wp may be directly used as a high-speed slew rate switching signal.
In the disk device and motor of the present embodiment, the terminal voltage of the coil is detected, and a position signal corresponding to the detection result is created. As a result, the position detecting element for detecting the rotational position of the
[0072]
In the disk device and motor of the present embodiment, the switching
[0073]
<<
FIGS. 17 to 20 show a disk device and a motor that are configured to include the motor according to the second embodiment of the present invention. In the present embodiment, the
FIG. 17 shows a specific configuration of the motor unit actuator and the motor unit drive block. The
[0074]
The
The
The
[0075]
The
The switching
The
[0076]
The
The
[0077]
FIG. 19 shows specific configurations of the first
[0078]
The first
The
[0079]
The current values of the constant
[0080]
First, the case where the lower position signal P1 is “L” and the upper position signal Q1 is “L” will be described. The lower energization control signal M1 that is the output of the
[0081]
Next, the case where the rotating
Further, when the
Further, the case where the rotating
[0082]
The
When the operation switching signal Dh is “L”, the current values of the constant
[0083]
When the operation switching signal Dh is “H”, the current values of the constant
Here, the configuration and operation of the first
[0084]
Note that the waveform of the noise removal signal Wx is the same as that shown in FIG. That is, the noise removal signal Wx has a noise removal period that becomes “L” during the noise removal time Tx from the change timing of the switching pulse signal Wp. The noise removal time Tx is set longer than Tra and Tfa (Tx> Tra, Tx> Tfa), and the noise removal signal Wx is “L” in the noise removal period including the rising period and the falling period of the low-speed slew rate switching signal R1a. "
Also in the present embodiment, the same operational effects as those of the first embodiment can be obtained.
In the present embodiment, since an N-channel field effect type power transistor is used for the upper power transistor and the lower power transistor, a low potential lower than the negative output terminal side potential (ground potential) of the
[0085]
In the
[0086]
<<
FIG. 21 to FIG. 27 show a disk device including the motor according to the third embodiment of the present invention and the motor. In the present embodiment, the
[0087]
FIG. 21 shows a specific configuration of the motor unit actuator and the motor unit drive block. The
The
[0088]
The
The
[0089]
The
The switching
[0090]
The switching
The
[0091]
The
26A to 26F show signal relationships among the reference pulse signal Ar, the comparison signal Ap, the switching pulse signal Wp, the noise removal signal Wx, and the auxiliary switching pulse signal Wh. The switching pulse signal Wp becomes “H” when the rising edge of the reference pulse signal Ar occurs, and the switching pulse signal Wp becomes “L” when the rising edge of the comparison signal Ap occurs. In this way, the switching pulse signal Wp becomes a PWM signal corresponding to the comparison result between the current detection signal Ad and the command signal Ac (see (a) to (c) of FIG. 26). Further, the noise removal signal Wx becomes “L” for a predetermined time Tx from the edge generation time (rising edge and falling edge) of the switching pulse signal Wp (see FIG. 26D). In addition, when the operation switching signal Dh is “L”, the rising edge of the auxiliary switching pulse signal Wha is after a larger required time Tha from the falling edge of the switching pulse signal Wp (Tha: gap time at low speed slew rate). (See (e) of FIG. 26). In addition, when the operation switching signal Dh is “H”, the rising edge of the auxiliary switching pulse signal Whb is less than the required time Thb from the falling edge of the switching pulse signal Wp (Thb: gap time at high slew rate) (See (f) of FIG. 26). Here, the gap time Thb at the high speed slew rate is made shorter than the gap time Tha at the low speed slew rate (Thb <Tha).
[0092]
21 outputs upper energization control signals N1, N2, and N3 that respond to the upper position signals Q1, Q2, and Q3 of the
[0093]
The
The
[0094]
FIG. 23 shows specific configurations of the first
[0095]
The
The current values of the constant
[0096]
27A to 27F, the switching pulse signal Wp, the low speed slew rate switching signal R1a, the high speed slew rate switching signal R1b, the low speed auxiliary switching pulse signal Wha, and the high speed auxiliary switching pulse signal Whb are shown. Show the relationship. When the operation switching signal Dh is “L”, the low speed slew rate switching signal R1a and the auxiliary switching pulse signal Wha change in response to the single switching pulse signal Wp. The rising time Tra and the falling time Tfa of the low-speed slew rate switching signal R1a are increased, and the required time Tha from the falling edge of the switching pulse signal Wp to the rising edge of the auxiliary switching pulse signal Wha is increased. Here, Tha> Tfa, and an off period is provided between the effective period of the low-speed slew rate switching signal R1a (substantially "H" period) and the effective period of the auxiliary switching pulse signal Wha ("H" period). ing. Similarly, when the operation switching signal Dh is “H”, the high-speed slew rate switching signal R1b and the auxiliary switching pulse signal Whb change in response to the single switching pulse signal Wp. The rising time Trb and the falling time Tfb of the high-speed slew rate switching signal R1b are reduced, and the required time Thb from the falling edge of the switching pulse signal Wp to the rising edge of the auxiliary switching pulse signal Whb is reduced. Here, Thb> Tfb is established, and an off period is provided between the effective period of the high-speed slew rate switching signal R1b (substantially "H" period) and the effective period of the auxiliary switching pulse signal Whb ("H" period). ing.
[0097]
The operation of the first
[0098]
Next, the case where the rotating
Further, when the
[0099]
Further, the case where the rotating
[0100]
The
[0101]
When the operation switching signal Dh is “L”, the current values of the constant
[0102]
When the operation switching signal Dh is “H”, the current values of the constant
[0103]
The waveform of the noise removal signal Wx is shown in FIG. That is, the noise removal signal Wx has a noise removal period that becomes “L” during the noise removal time Tx from the change timing of the switching pulse signal Wp. The noise removal time Tx is set longer than Tra and Tfa (Tx> Tra, Tx> Tfa), and the noise removal signal Wx is “L” in the noise removal period including the rising period and the falling period of the low-speed slew rate switching signal R1a. " Note that the noise removal period Tx of the noise removal signal Wx may be switched in response to the state of the operation switching signal Dh.
Here, the configurations and operations of the first
[0104]
Also in the present embodiment, the same operational effects as those of the first embodiment or the second embodiment described above can be obtained.
In the present embodiment, N-channel field effect type power transistors are used for the three upper power transistors and the three lower power transistors, so that the potential is lower than the negative output terminal side potential of the
[0105]
In the
[0106]
In the case of a disk device using the
Even in such a configuration, the same operational effects as those of the above-described embodiment can be obtained.
In the above-described embodiment, the
[0107]
In the above-described embodiment, when the current path to the three-phase coil is switched by two upper NMOS-FET power transistors among the three upper NMOS-FET power transistors, the
As a result, it is possible to realize a low-cost high-performance disk device and motor that consumes less power, does not cause reproduction errors due to noise, and has low noise and vibration.
[0108]
<<
FIG. 28 to FIG. 31 show a disk device including the motor according to the fourth embodiment of the present invention and the motor. In the present embodiment, the
[0109]
FIG. 28 shows a specific configuration of the motor unit actuator and the motor unit drive block. The
The
[0110]
The
The
The
The switching
[0111]
28 includes three-phase lower position signals P1, P2, and P3 of the
[0112]
29 includes a
[0113]
The
[0114]
FIG. 30 shows a specific configuration of the
[0115]
The current values of the constant
[0116]
When the operation switching signal Dh is “L”, the low speed slew rate switching signal R1a is generated in response to the switching pulse signal Wp. The rise time Tra and fall time Tfa of the low speed slew rate switching signal R1a are increased. The auxiliary switching pulse signal Wha is generated in response to the switching pulse signal Wp, and the required time Tha from the falling edge of the switching pulse signal Wp to the rising edge of the auxiliary switching pulse signal Wha is increased. Further, the required time Tha from the falling edge of the switching pulse signal Wp to the rising edge of the auxiliary switching pulse signal Wha is made longer than the falling time Tfa of the low speed slew rate switching signal R1a (Tha> Tfa).
[0117]
When the operation switching signal Dh is “H”, the high-speed slew rate switching signal R1b is generated in response to the switching pulse signal Wp. The rise time Trb and fall time Tfb of the high-speed slew rate switching signal R1b are reduced. The auxiliary switching pulse signal Whb is generated in response to the switching pulse signal Wp, and the required time Thb from the falling edge of the switching pulse signal Wp to the rising edge of the auxiliary switching pulse signal Whb is shortened. Further, the required time Thb from the falling edge of the switching pulse signal Wp to the rising edge of the auxiliary switching pulse signal Whb is made longer than the falling time Tfb of the high-speed slew rate switching signal R1b (Thb> Tfb).
[0118]
FIG. 31 shows specific configurations of the
[0119]
The
[0120]
First, the case where the lower position signal P1 is “L” and the upper position signal Q1 is “L” will be described. Since the switch switching signal S6 that is the output of the
Next, the case where the rotating
[0121]
Further, when the
Further, the case where the rotating
[0122]
When the operation switching signal Dh is “L”, the current values of the constant
[0123]
When the operation switching signal Dh is “H”, the current values of the constant
Here, the configuration and operation of the
[0124]
Also in this embodiment, the same operational effects as those of the first embodiment, the second embodiment, or the third embodiment described above can be obtained.
In the present embodiment, a single slew rate switching signal R1 responsive to a single switching pulse signal Wp is created, and a required power transistor is responsive to the slew rate switching signal in response to the position signal. Switching operation is performed. As a result, the number of components such as a capacitor for generating a slew rate switching signal is reduced, which is suitable for integration. Also, because a field effect power transistor is used, the slew rate waveform is disturbed even if the slew rate switching signal created at the capacitor terminal is directly connected to the conduction control terminal of the field effect power transistor. There is no. As a result, the configuration of the operation controller is simplified. Further, in synchronization with the on / off high-frequency switching operation of the upper power transistor, the lower power transistor is complementarily turned off / on, and the power loss of the lower power diode is greatly reduced. In addition, when the current path to the coil is switched by the two upper power transistors, the two upper power transistors are simultaneously switched at a high frequency in response to a single slew rate switching signal. In response to the switching pulse signal, the two lower power transistors need only be complementarily turned off and on at the same time and can be easily realized with a simple configuration. As a result, it is possible to realize a high-performance disk device and motor that consumes less power and does not cause reproduction errors due to noise at low cost.
[0125]
Further, in the present embodiment, only the upper power transistor is simultaneously subjected to high-frequency switching operation in response to the slew rate switching signal, thereby realizing highly accurate current control with a simple configuration. However, the present invention is not limited to such a case. For example, the lower power transistor may be operated to perform high-frequency switching operation, or the upper power transistor and the lower power transistor may be operated to perform high-frequency switching operation in a timely manner. That is, it is possible to easily realize a high-performance disk device and motor that consumes less power and does not cause a reproduction error due to noise. In addition, there are various advantages similar to those of the first embodiment, the second embodiment, and the third embodiment.
Note that various modifications can be made to the specific configuration of the above-described embodiment. For example, each phase coil may be configured by connecting a plurality of partial coils in series or in parallel. The three-phase coil is not limited to the star connection but may be a delta connection. Further, the number of phases of the coil is not limited to three phases. In general, a configuration having a plurality of coils can be realized. Further, the number of magnetic poles in the field portion of the rotor is not limited to two, and a field portion having a plurality of two or more poles may be used.
In the above-described embodiment, the current detection unit is simply realized by one current detection resistor. However, the present invention is not limited to such a case, and various current detection methods can be used. For example, the present invention is not limited to detecting a current obtained by combining the negative side current values of the three-phase driving currents, and a current obtained by combining the positive side current values may be detected. Further, the lower power transistor and the upper power transistor may be multi-output, the current output to one end thereof is detected, and the current detection resistor may be eliminated.
[0126]
In the above-described embodiment, the field effect type power transistor is used as the power transistor of the power supply unit so that the high frequency switching operation is easily performed. As a result, power loss and heat generation of the power transistor are reduced, and an integrated circuit is easily realized. In addition, not only double-diffused field-effect power transistors with junction separation suitable for integrated circuits, but also the required transistors and resistors of motor block drive blocks using dielectric-separated field-effect power transistors. An integrated circuit may be formed. However, the present invention is not limited to such a case. For example, a bipolar transistor or an IGBT transistor can be used as the power transistor.
In the above-described embodiment, the slew rate switching signal is easily formed by performing the charging / discharging operation for the capacitor. However, the present invention is not limited to such a case. For example, the switching pulse signal Wp may be directly used as a high-speed slew rate switching signal.
[0127]
In the above-described embodiment, the slew rate switching signal and the high frequency switching operation of the power transistor are facilitated by creating a slew rate switching signal that responds to a single switching pulse signal. However, the present invention is not limited to this, and a plurality of slew rate switching signals corresponding to a plurality of switching pulse signals may be generated on the energization control terminal side of the upper power transistor. Also, a plurality of auxiliary switching pulse signals corresponding to these switching pulses of a plurality of phases may be created on the energization control terminal side of the lower power transistor to reduce the power loss of the power transistor. It goes without saying that these configurations are included in the present invention.
In the above-described embodiment, the position detection element is made unnecessary by creating a position detection signal that responds to the terminal voltage of the three-phase coil. However, the present invention is not limited to such a case, and a position detection element that detects the magnetic pole of the field portion of the rotating body may be used.
The motor of the present invention is suitable for a disk device, but its application can be widely used for rotational driving of OA / AV devices and the like. Furthermore, in general, it can be widely used as a motor for speed control.
In addition, various modifications can be made without changing the gist of the present invention, and it goes without saying that they are included in the present invention.
[0128]
【The invention's effect】
As described above, the present invention has the following effects, as is apparent from the detailed description of the embodiments.
In the disk apparatus and motor of the present invention, a slew rate switching signal is generated in response to the switching pulse signal, and the power transistor is operated in a high frequency switching operation in response to the slew rate switching signal. As a result, a high-frequency switching drive voltage having a gradual voltage gradient is supplied to the coil to reduce the generation of noise due to the switching drive voltage. As a result, it is possible to realize a high-performance disk device and motor with low power consumption and few information reproduction errors.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an overall configuration of a motor according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an overall configuration of a disk device according to
FIG. 3 is a diagram showing a specific configuration of a
4 is a diagram illustrating a specific configuration of a
FIG. 5 is a diagram showing a specific configuration of a
FIG. 6 is a diagram showing a specific configuration of a
7 is a diagram showing a specific configuration of a
8 is a diagram showing a specific configuration of an
9 is a diagram showing specific configurations of a first
10 is a waveform chart for explaining the operation of the
FIG. 11 is a waveform diagram for explaining the operation of the
12 is a waveform diagram for explaining the operation of the
13 is a waveform diagram for explaining the operation of the switching
14 is a waveform diagram for explaining a relationship among a switching pulse signal Wp, a low speed slew rate switching signal R1a, a high speed slew rate switching signal R1b, and a noise removal signal Wx in the first embodiment. FIG.
FIG. 15 is a diagram illustrating another specific configuration of the switching
16 is a waveform chart for explaining the operation of the switching control unit of FIG. 15 in the first embodiment.
FIG. 17 is a diagram showing an overall configuration of a motor according to a second embodiment of the present invention.
18 is a diagram showing specific configurations of an
FIG. 19 is a diagram illustrating specific configurations of a first
20 is a diagram showing a specific configuration of the first
FIG. 21 is a diagram showing an overall configuration of a motor according to
FIG. 22 is a diagram showing specific configurations of an
FIG. 23 is a diagram showing specific configurations of a first
24 is a diagram showing a specific configuration of a first
FIG. 25 is a diagram illustrating a specific configuration of a
FIG. 26 is a waveform diagram for explaining the operation of the switching
FIG. 27 is a waveform for explaining the relationship among switching pulse signal Wp, low-speed slew rate switching signal R1a, high-speed slew rate switching signal R1b, noise removal signal Wx, and auxiliary switching pulse signals Wha and Whb in the third embodiment. FIG.
FIG. 28 is a diagram showing an overall configuration of a motor according to
FIG. 29 is a diagram illustrating specific configurations of an
30 is a diagram showing a specific configuration of a
FIG. 31 is a diagram illustrating specific configurations of a
FIG. 32 is a diagram showing a configuration of a conventional motor.
[Explanation of symbols]
11 Rotating body
12, 13, 14 coils
20,402 Power supply unit
21 Current detector
22,622 switching control unit
25 Voltage supply unit
30 Position detector
31, 401, 601, 701 Energizing operation unit
32 Command section
41,641 switching operation block
81 discs
82 Motor part actuator
85 Tracking unit actuator
87 Head
91 Motor block drive block
92 Tracking unit drive block
93 Information processing block
94 Operation switching part
Claims (16)
前記ヘッド手段の再生信号に応動した処理信号を出力する処理手段と、
界磁磁束を発生する界磁部を有し、前記ディスクを回転駆動する回転体と、
Q相(ここに、Qは3以上の整数)のコイルと、
少なくとも2つの出力端子を有し、直流電圧を供給する電圧供給手段と、
前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記Q相のコイルの一端との電流路を形成するQ個の第1のパワートランジスタと、前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記Q相のコイルの一端との電流路を形成するQ個の第2のパワートランジスタと、を含んで構成された電力供給手段と、
前記回転体の回転に応動した位置信号を作成する位置検出手段と、
前記位置検出手段の出力信号に応動して前記電力供給手段の前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタの通電区間を制御し、各通電区間を360/Q度相当よりも広くする通電動作手段と、
前記ディスクの回転速度に応動した指令信号を作成する指令手段と、
前記電力供給手段の前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個を前記指令信号に応動して高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、
を具備するディスク装置であって、
前記スイッチング動作手段は、前記電圧供給手段から前記Q相のコイルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を作成する電流検出手段と、前記電流検出信号と前記指令信号に応動した高周波のスイッチングパルス信号を作成するスイッチング制御手段と、を含んで構成され、
前記通電動作手段は、高周波の前記スイッチングパルス信号に応動して変化するスルーレート・スイッチング信号であって、立ち上がり部分と立ち下がり部分のうちで少なくとも一方の部分において電圧傾斜を有する高周波の前記スルーレート・スイッチング信号を前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個のパワートランジスタの通電制御端子側に作成し、前記少なくとも1個のパワートランジスタを前記スルーレート・スイッチング信号に応動してフォロア動作させ、前記少なくとも1個のパワートランジスタを前記スルーレート・スイッチング信号に応動して高周波スイッチング動作させ、前記電流検出信号と前記指令信号に応動した高周波スイッチングの駆動電圧を前記Q相のコイルの一端に供給する構成にされた、ディスク装置。Head means for reproducing a signal from a disk;
Processing means for outputting a processing signal in response to a reproduction signal of the head means;
A rotating body having a field part for generating a field magnetic flux, and for rotating the disk;
A Q-phase coil (where Q is an integer of 3 or more);
Voltage supply means having at least two output terminals and supplying a DC voltage;
Q first power transistors forming a current path between one output terminal side of the voltage supply means and one end of the Q-phase coil, and the other output terminal side of the voltage supply means and the Q-phase Power supply means configured to include Q second power transistors forming a current path with one end of the coil;
Position detecting means for creating a position signal in response to the rotation of the rotating body;
In response to the output signal of the position detection means, the energization sections of the Q first power transistors and the Q second power transistors of the power supply means are controlled, and each energization section is set to 360 / Q degrees. Energizing operation means to make it wider than considerable,
Command means for creating a command signal in response to the rotational speed of the disk;
Switching operation means for causing at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors of the power supply means to perform a high frequency switching operation in response to the command signal;
A disk device comprising:
The switching operation means includes current detection means for generating a current detection signal in response to a combined supply current from the voltage supply means to the Q-phase coil, and a high-frequency switching pulse in response to the current detection signal and the command signal. Switching control means for creating a signal,
The energization operation means is a slew rate switching signal that changes in response to the high frequency switching pulse signal, and the high frequency slew rate having a voltage gradient in at least one of a rising portion and a falling portion. A switching signal is generated on the energization control terminal side of at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors, and the at least one power transistor is A follower operation in response to a slew rate switching signal, a high frequency switching operation of the at least one power transistor in response to the slew rate switching signal, and a high frequency switching operation in response to the current detection signal and the command signal. The driving voltage is Q Is in and supplied to one end of the coil, the disk device.
前記通電動作手段は、前記スルーレート・スイッチング信号に応動して前記Q個の第1のパワートランジスタのうちの少なくとも1個をオン・オフの高周波スイッチング動作させ、前記補助スイッチングパルス信号に応動して前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個を補助的にオフ・オンの高周波スイッチング動作させる構成にされた、請求項1から請求項5のいずれかに記載のディスク装置。The switching operation means is configured to create the slew rate switching signal and the auxiliary switching pulse signal in response to the switching pulse signal,
The energization operating means is responsive to the slew rate switching signal to cause at least one of the Q first power transistors to perform an on / off high frequency switching operation, and in response to the auxiliary switching pulse signal. 6. The disk device according to claim 1, wherein at least one of the Q second power transistors is configured to perform an auxiliary on / off high-frequency switching operation. 7.
Q相(ここに、Qは3以上の整数)のコイルと、
少なくとも2つの出力端子を有し、直流電圧を供給する電圧供給手段と、
前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記Q相のコイルの一端との電流路を形成するQ個の第1のパワートランジスタと、前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記Q相のコイルの一端との電流路を形成するQ個の第2のパワートランジスタと、を含んで構成された電力供給手段と、
前記回転体の回転に応動した位置信号を作成する位置検出手段と、
前記位置検出手段の出力信号に応動して前記電力供給手段の前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタの通電区間を制御し、各通電区間を360/Q度相当よりも広くする通電動作手段と、
前記回転体の回転速度に応動した指令信号を作成する指令手段と、
前記電力供給手段の前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個を前記指令信号に応動して高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、を具備するモータであって、
前記スイッチング動作手段は、前記電圧供給手段から前記Q相のコイルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を作成する電流検出手段と、前記電流検出信号と前記指令信号に応動した高周波のスイッチングパルス信号を作成するスイッチング制御手段と、を含んで構成され、
前記通電動作手段は、高周波の前記スイッチングパルス信号に応動して変化するスルーレート・スイッチング信号であって、立ち上がり部分と立ち下がり部分のうちで少なくとも一方の部分において電圧傾斜を有する高周波の前記スルーレート・スイッチング信号を前記Q個の第1のパワートランジスタと前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個のパワートランジスタの通電制御端子側に作成し、前記少なくとも1個のパワートランジスタを前記スルーレート・スイッチング信号に応動してフォロア動作させ、前記少なくとも1個のパワートランジスタを前記スルーレート・スイッチング信号に応動して高周波スイッチング動作させ、前記電流検出信号と前記指令信号に応動した高周波スイッチングの駆動電圧を前記Q相のコイルの一端に供給する構成にされた、モータ。A rotating body having a field part for generating a field magnetic flux;
A Q-phase coil (where Q is an integer of 3 or more);
Voltage supply means having at least two output terminals and supplying a DC voltage;
Q first power transistors forming a current path between one output terminal side of the voltage supply means and one end of the Q-phase coil, and the other output terminal side of the voltage supply means and the Q-phase Power supply means configured to include Q second power transistors forming a current path with one end of the coil;
Position detecting means for creating a position signal in response to the rotation of the rotating body;
In response to the output signal of the position detection means, the energization sections of the Q first power transistors and the Q second power transistors of the power supply means are controlled, and each energization section is set to 360 / Q degrees. Energizing operation means to make it wider than considerable,
Command means for creating a command signal in response to the rotational speed of the rotating body;
Switching operation means for causing at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors of the power supply means to perform a high-frequency switching operation in response to the command signal. A motor,
The switching operation means includes current detection means for generating a current detection signal in response to a combined supply current from the voltage supply means to the Q-phase coil, and a high-frequency switching pulse in response to the current detection signal and the command signal. Switching control means for creating a signal,
The energization operation means is a slew rate switching signal that changes in response to the high frequency switching pulse signal, and the high frequency slew rate having a voltage gradient in at least one of a rising portion and a falling portion. A switching signal is generated on the energization control terminal side of at least one of the Q first power transistors and the Q second power transistors, and the at least one power transistor is A follower operation in response to a slew rate switching signal, a high frequency switching operation of the at least one power transistor in response to the slew rate switching signal, and a high frequency switching operation in response to the current detection signal and the command signal. The driving voltage is Q Is in and supplied to one end of the coil, the motor.
前記位置検出手段は、前記ノイズ除去信号に応動して前記Q相のコイルの端子電圧の検出動作を実行または停止させ、前記Q相のコイルの端子電圧に応動した前記位置信号を作成する構成にされた、請求項9から請求項11のいずれかに記載のモータ。The switching operation means is configured to create a noise removal signal responsive to the switching pulse signal,
The position detection means is configured to execute or stop the terminal voltage detection operation of the Q-phase coil in response to the noise removal signal, and to create the position signal in response to the terminal voltage of the Q-phase coil. The motor according to claim 9 , wherein the motor is provided.
前記通電動作手段は、前記スルーレート・スイッチング信号に応動して前記Q個の第1のパワートランジスタのうちの少なくとも1個をオン・オフの高周波スイッチング動作させ、前記補助スイッチングパルス信号に応動して前記Q個の第2のパワートランジスタのうちで少なくとも1個を補助的にオフ・オンの高周波スイッチング動作させる構成にされた、請求項9から請求項13のいずれかに記載のモータ。The switching operation means is configured to create the slew rate switching signal and the auxiliary switching pulse signal in response to the switching pulse signal,
The energization operating means is responsive to the slew rate switching signal to cause at least one of the Q first power transistors to perform an on / off high frequency switching operation, and in response to the auxiliary switching pulse signal. The motor according to any one of claims 9 to 13 , wherein at least one of the Q second power transistors is configured to perform an auxiliary on / off high-frequency switching operation.
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