JP4092040B2 - スクリュ圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリュ圧縮機に関し、特に、スライド弁機構により内部容積比調節が成されるアキシャルポート及びラジアルポートを備える油冷式スクリュ圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリュ圧縮機例えばスクリュ式空気圧縮機において、吐出口のポートの形状と大きさについては、吐出圧力の値に応じて最適のポート形状、大きさを決定している。その際、圧縮運転によって圧縮された空気は吐出口のポートから吐出されるときに、ラジアル方向、アキシャル方向へと吐き出されるが、従来のスクリュ式空気圧縮機における吐出口のポートの態様は、ラジアル方向、アキシャル方向が同時に吐き出されるようなポートの形状、大きさとなっているのが普通である。
【0003】
この種のスクリュ式空気圧縮機では、理論的には、空気をどの値の圧力まで圧縮するかによって、動力ロスの少ない最適の内部容積比Vi が設計時点に決定されるものであり、使用条件が一定である場合、その容積比Vi は条件に合わせた最適内部容積比Vioとするべきであり、このVioからずれたポートの大きさでは動力ロスにつながるものである。
【0004】
このようなことから、ラジアル方向、アキシャル方向とも条件に合わせた最適な内部容積比Vioとするのが理想的であり、何れか一方でも最適な内部容積比Vioからずれるということは、即、動力ロスをもたらすこととなる。そうした意味から、現状では条件に合致したVioとなるように「ラジアルポート内部容積比Vir=アキシャルポート内部容積比Via」となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吐出口のポートがラジアル方向、アキシャル方向に同時に吐き出されるような形状、大きさとなっているものにあって、内部容積比調節を行わせるためのスライド弁機構を採用したとすると、スライド弁機構を操作することによってVir=Viaの条件からずれる事態となり、そのために動力ロスが生じる結果、折角、期待している省エネ効果が発揮されなくなるのが問題である。
【0006】
従来、内部容積比が高い状態でフルロード運転からアンロード運転に切換えたときに、スライド弁機構の個所でガスが圧縮されて吸込口に戻す圧縮ガスの量が多くなり、そのために動力損失が多くなる問題がある点から、スライド弁機構を低内部容積比側に操作した後にアンロード運転に切換える制御を行わせて無駄な動力損失を少なくするようにした改良技術が、例えば特開平05−033789号公報によって提案されており、一方、ラジアルポートの開口開始とアキシャルポートの開口開始に時間差を設けて段階的に開口することにより、吐出ポート開口面積の急激な増加を緩和するようにした改良技術が、例えば特開平06−323269号公報によって提案されており、これらはスライド弁機構の操作に基づく内部容積比の変化に起因する問題点の解消を図る技術ではあるが、圧縮運転時におけるより一層の省エネ効果の実を挙げようとする本発明の解決課題とは掛け離れた内容の先行技術に過ぎないものである。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みて成されたものであり、アキシャルポート及びラジアルポートに対しスライド弁機構による内部容積比調節が成される構造のスクリュ圧縮機において、アキシャルポートによって決まる内部容積比Viaとラジアルポートによって決まる内部容積比Virとの間にある決まった条件を持たせるように構成することによって、消費電力の低減が図れてより良い省エネ効果が得られることが、本発明者等による諸種の検討並びに実験の結果に基づいて知見されるに及び、ここに発明されるに至ったものであり、したがって、本発明の目的は、アキシャルポート及びラジアルポートに対しスライド弁機構による内部容積比調節が成されるスクリュ圧縮機に関して、圧縮運転時におけるより良い省エネ効果を図らせようとすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため以下に述べる構成としたものである。即ち、本発明に係る請求項1の発明は、互いに噛み合う一対の雄ロータと雌ロータとを有し、かつ、アキシャルポート及びラジアルポートに対しスライド弁機構による内部容積比調節が成されるスクリュ圧縮機において、ラジアルポートによって決まる内部容積比V ir がV ir =4.0の条件で、アキシャルポートによって決まる内部容積比V ia が4.0<V ia ≦6.0であるよう形成してなることを特徴とするスクリュ圧縮機である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。図1には、本発明の実施の形態に係るスクリュ圧縮機が断面図で示される。また図2には、図1の矢視線A−Aに沿う拡大断面図が示され、さらに図3には、図1におけるラジアルポート8部の拡大図が示される。
【0011】
図1において油冷式スクリュ圧縮機1は容量調節用スライド弁2を備えてなる。このスクリュ圧縮機1は、一方に吸込口3を、他方に吐出口4を設けたケーシング5内のロータ室6に互いに噛合う雌雄一対のスクリュロータ7を回転可能に収容して形成されている。また、上記スライド弁2は、スクリュロータ7から見て、吸込口3の反対側に、スクリュロータ7の歯溝部を、スクリュロータ7の周囲を取囲むロータ室6の内壁面とともに覆うように、ロータ軸に平行に摺動可能に嵌挿されている。このスライド弁2の吸込側端面は、図示する状態ではストッパ8に当接しており、スクリュロータ7から見て、吸込口3の反対側の吸込側部分を該吸込口3に連通させる上記吸込側端面とストッパ8との間の流路は閉じられた状態、即ち100%容量の全負荷運転状態となっている。さらに、このスライド弁2は、これと吸込側のケーシング5の内壁面との間に介装されたばね9により常時吐出側に向けて付勢されている。
【0012】
一方、ケーシング5の吐出側には油圧シリンダ10が突設してあり、そのピストン11の一方の端面は吐出口4に連通している。また、油圧シリンダ10のピストンロッド12は、上記スライド弁2に結合している。このピストン11の他方の空間部は高圧部或いは低圧部に適宜切換え可能に連通させ得るようになっており、ピストン11、ピストンロッド12を介してスライド弁2に対して吸込側に向かう方向の力を作用させ、かつその力を強くし、或いは弱くし得るようになっている。
【0013】
そして、容量を小さくして部分負荷運転状態にするには、上記他方の空間内の油を低圧側に通じさせる一方、上記一方の端面に作用する吐出圧力プラス上記ばね9による力によってスライド弁2を吐出側に移動させる。この結果、スライド弁2の上記吸込側端面とストッパ8との間の流路が開き、スクリュロータ7から見て、吸込口3の反対側の吸込側部分が該吸込口3に連通し、一旦スクリュロータ7に吸込まれたガスの一部が吸込口3に戻るようになり、部分負荷運転状態となる。
【0014】
また、スクリュロータ7を収納しているロータ室6の吐出口4への開口部である吐出ポートは、ロータ軸方向に開口したアキシャルポート20と、径方向に開口したラジアルポート21とからなっていて、アキシャルポート20の軸方向から見たポート形状は図3に斜線を施して示した領域の通りである。
【0015】
本発明に係る上記実施形態においては、アキシャルポート20によって決まる内部容積比(以下、アキシャル容積比と称す)Viaがラジアルポート21によって決まる内部容積比(以下、ラジアル容積比と称す)Virよりも常に大きくなるように、アキシャルポート20及びラジアルポート21の形状及び大きさを予め設定している。
【0016】
上述するような「アキシャル容積比Via>ラジアル容積比Vir」の条件を設定したことによって、スクリュ圧縮機運転時の動力、即ち該圧縮機を駆動するモータの入力を従来のものよりも低減させることが可能となったのであり、この点を定量的に明らかにするために、下記の通り具体的な実験例を挙示してこれに基づいて説明する。
【0017】
実験に使用した圧縮機は、型式:HM55A(空冷式、55kW),風量:9.0m3/min (100%フルロード時),動力(入力):61kW,吐出圧力:7kgf/cm2 の容量調節用スライド弁2付スクリュ圧縮機である。
【0018】
上記スクリュ圧縮機において、アキシャル容積比Viaとラジアル容積比Virの関係を下記のように、
1.スライド弁▲1▼(アキシャル容積比Via=4.0,ラジアル容積比Vir=4.0、従来技術対応例)
2.スライド弁▲2▼(アキシャル容積比Via=5.5,ラジアル容積比Vir=4.0、本発明実施形態例)
3.スライド弁▲3▼(アキシャル容積比Via=6.0,ラジアル容積比Vir=4.0、本発明実施形態例)
にそれぞれ設定した3種について、容量調節弁6を調節して各%負荷運転を行わせた際のインバータ消費電力を実測し比較した結果は、下記表1の%数値に、また、図4のグラフにそれぞれ示される通りである。
【0019】
【表1】
【0020】
「表1」及び図4を参照して、本発明の実施形態に係るスライド弁▲2▼、▲3▼ではスライド弁▲1▼(従来技術対応例)に比べて約90%負荷以下の負荷運転時において消費電力の低減が成されている。但し、フルロード運転付近では逆に、スライド弁▲2▼、▲3▼の方が5%未満の消費電力上昇となっている。なお、スライド弁▲2▼よりもスライド弁▲3▼の方がより省エネ効果が顕れているが、理論計算上、仮にアキシャル容積比Viaを6.0よりも大きくしたとしても、更なる動力改善は2〜3%程度しか臨めなく、逆にフルロード運転時の動力が増す傾向となって、省エネ改善の実が一義的に上がるとは言い切れなく、以上の結果を纏めてみると、ラジアル容積比Vir=4.0の場合、アキシャル容積比Viaは4.0超過、6.0未満の範囲の値が適当であると思料される。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施されるものであって、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、本発明によれば、アキシャルポート及びラジアルポートに対しスライド弁機構による内部容積比調節が成されるスクリュ圧縮機において、ラジアルポートによって決まる内部容積比V ir がV ir =4.0の条件で、アキシャルポートによって決まる内部容積比V ia が4.0<V ia ≦6.0であるよう形成してなる構成としたことにより、Vir=Viaである従来の同種のスクリュ圧縮機に比して、圧縮機を駆動するモータの消費電力を節減することが可能であり、より良い省エネ効果を齎すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスクリュ圧縮機の断面図である。
【図2】図1の矢視線A−Aに沿う拡大断面図である。
【図3】図1におけるラジアルポート8部の拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るスクリュ圧縮機及び従来の同種スクリュ圧縮機における風量−消費電力特性線図である。
【符号の説明】
1…油冷式スクリュ圧縮機 2…容量調節用スライド弁 3…吸込口
4…吐出口 5…ケーシング 6…ロータ室
7…スクリュロータ 8…ストッパ 9…ばね
10…油圧シリンダ 11…ピストン 12…ピストンロッド
20…アキシャルポート 21…ラジアルポート
Claims (1)
- 互いに噛み合う一対の雄ロータと雌ロータとを有し、かつ、アキシャルポート及びラジアルポートに対しスライド弁機構による内部容積比調節が成されるスクリュ圧縮機において、ラジアルポートによって決まる内部容積比V ir がV ir =4.0の条件で、アキシャルポートによって決まる内部容積比V ia が4.0<V ia ≦6.0であるよう形成してなることを特徴とするスクリュ圧縮機。
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| JP09198199A Expired - Fee Related JP4092040B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | スクリュ圧縮機 |
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