JP4091249B2 - ダウンホール掘削用の掘削工具、リーマー手段、及びその工具に使用するボデー要素 - Google Patents
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Description
本発明は、独立請求項の書き出し部分のような、さく岩工具、リーマー手段及びボデー要素に関する。
【0002】
上記の種類の知られている掘削工具において、弱部は、例えば案内手段とリーマーを担持する部分との間のねじ接続部である。衝撃エネルギーを伝えるねじ継手では常にエネルギー損失がある。
別の種類の知られている工具は、US-A-5,284,216に示され、シャンク及びドリルビットが、構成要素を構成し、それ上に案内を備えている。しかしながら知られている工具は多くの欠点を含むことが経験されており、それは、リーマーが容易に交換できない、衝撃エネルギーが最大限利用できない、溝の位置が最適に配置できない、及びねじの固定手段が十分な強度を持たなく、取り扱いが困難であることである。
発明の目的
本発明の1つの目的は、上述の欠点を排除したさく岩工具を提供することである。
【0003】
本発明の他の目的は、リーマーを容易に取り付け、及び取り外し可能な、さく岩工具を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、任意選択できるリーマーを使用することができる、さく岩工具を提供することである。
本発明の目的は、請求の範囲に定義したようなさく岩工具、ボデー要素及びリーマーにより理解される。これらの以下の実施態様は、添付図面に関連して記載されている。
発明の詳細な説明
図3において、本発明によるさく岩工具10は、ボデー要素11及びリーマー12を含む。掘削工具は、掘削又は運転モードにおいて、知られている方法でリーマー12を備えることで、ケーシング13を掘削工具と共に下方に変位させるように穴を拡大する。掘削工具をその回転軸又は中心軸CL周りに、運転方向と反対向きに回転させることにより、リーマー12は、軸受部14に関して限定した角度だけ回転し、作用しない状態、浸入(penetration) 状態をとり、それはケーシング13を通じて掘削工具を引き込むことを可能にする。軸受部14は、直径D3で実質的に円筒形であって、回転軸又は中心軸CL2 を有し、かつリーマー12を担持し、その軸CL2 は、軸CLについて平行で、偏心して配置されたものである。リーマーは少なくとも部分的に、その周囲に沿って厚みが変化する壁面を有し、直径D3と同じオーダーの最小の内径D2を有する。さく岩工具は従って、運転モードにおいて、作用しない状態より、更に大きい直径を有するように形成される。
【0004】
本発明によるボデー要素11は、図1Aから1Cにおいて分けて示されている。ボデー要素11は、シャンク15、中心のパイロットビット16及び案内18を含み、ここで、シャンク、パイロットビット及び案内手段は、一体の構成部分を構成し、互いに解放することができない。パイロットビット16は、任意にダイヤモンド被覆した、超硬合金のボタン部60を含み(図5)、最大直径D1により規定される。案内手段18は、最大直径Dにより規定され、駆動部17を含み、その駆動部は、案内手段18の軸方向前方に、シャンク15と共に形成されている。駆動部17は、シャンク11の残りの部分に関して、偏心して形成されていて、案内手段18は、中心軸CLに関して反対側において、実質的に対応する偏心した溝19を有する。偏心した溝19は、半円筒部22により半径方向内向きに、及び本質的に平らな面20により軸方向後方に境界をなす。軸受部14の周囲に延びる支持面47は、半円筒部22及び駆動部17の軸方向の前端として形成されている。支持面は回転軸CLに垂直である。半円筒部22及び平らな面20は、互いに接続している。リーマーを駆動するための台座21は、半円筒部22の1つの円周上の端部、すなわち回転方向Yの後端において形成されている。第2の端部48は、回転方向Yにおいて最初にくる半円筒部22の部分に形成される。洗浄流路システムをボデー要素に配置し、その1つの流路は台座21で末端となることで、台座を洗浄し、それによりリーマーの簡素な内向きの回動を保証する。
【0005】
案内手段18は、ケーシング13の内側突出部と協働する、2つの外側肩部23,24 を備える。肩部23,24 は掘削方向にいくらか円錐形であり、かつ回転方向において半円状である。そのような配置により、掘削工具が前方に変位したときに、掘削工具からの衝撃を介して、ケーシング13を掘削方向に押しやることができる。 案内手段18は、2つの外側の洗浄流路49,50 を有し、それらは肩部23,24 を互いに間隔をあけさせている。別の実施態様においては、洗浄流路は、肩部の半径方向状態を規定する円の半径方向内側に、洗浄穴として配置することができる。その場合1つの連続する肩部のみを配置する。
【0006】
シャンク15は、外側のスプライン25を備え、それはダウンホールハンマの内側スプライン(図示せず)と係合すべきである。ダウンホールハンマは、これらのスプラインを介してさく岩工具に回転を伝える。シャンク11は、その後端で直径が小さい部分15A を有し、上記部分15A は、ダウンホールハンマに関して軸方向に限られた距離だけ、シャンク15を動けるようにするのに用いる。
【0007】
図2A,2B 及び2Cにおいてリーマー12を示し、それは好ましい実施態様において、4つの部分、すなわち、ボタン収容部26、シャックル27及び2つのピン28,29 からなる。
ボタン収容部26は、一般的にU形である。ボタン収容部は内側の半円筒の軸受面30を有し、それは上部面31及び下部面に接続していて、掘削工具に取り付けたとき、上部面及び下部面は、実質的にドリルの回転軸CLに垂直である。軸受面30は半径Rで規定され、その中心は軸受部14についての中心軸CL2 上に常にある。上部面31は、傾斜した又は実質的な円錐面32に接続している。円錐面は、超硬合金のボタンを受けるための、周囲に配置した複数の穴33を含む。ボタンはダイヤモンド被覆してもよい。表面32は更に、覆い面34に接続され、実施態様においては、2つの異なる半径R1及びR2により規定される。半径R2の中心は、回動した状態において回転軸CLと一致する一方、半径R1の中心は回動した状態で上記回転軸CLの半径方向外側に配置されている。半径R1は、脚部の覆い面を規定する一方、半径R2はボタン収容部の中央部分を規定する。半径R1は、半径R2より小さい。包囲面34は、回転の方向の最初に位置する部分に、超硬合金のボタンを受ける穴35を形成することで、鋼の摩損(steel wash)を最小化する。ボタン収容部は円形の自由端を有する。貫通した穴36,37 を、両方の自由端の近傍で形成している。穴は回転軸CLと平行である。凹部又は溝38,39 を各々の自由端に形成し、その溝は、各々の自由端から内向きに穴36,37 を超えて延びている。
【0008】
シャックル27は同様に一般的にU形である。シャックルは内側の半円筒状の軸受面40を有し、その軸受面は、掘削工具に取り付けたときに、ドリルの回転軸CLに本質的に垂直な、上部面41及び下部面に接続している。軸受面40は、軸受面30の半径と同一の半径Rにより規定される。シャックルは好ましくはボタンをもたない。貫通した穴42,43 を両方の自由端の近傍に形成している。穴は回転軸CLと平行である。凸状部44,45 が各々の自由端に形成され、上記凸状部が穴42,43 を担持し、各々の自由端から穴36,37 を超えて延びている。凸状部の厚みは、接続した溝38,39 の幅よりいくらか小さい。各々の凸状部は、高さ方向において、ボタン収容部の接続する円形の自由端に続くように適合した、半円筒状の凹状面に囲まれている。凸状部44は、ヒンジ取付を構成するように溝38に適合すべきである。その凸状部は円形の自由端を有する一方、溝39に適合するようになっている凸状部45は、平坦な自由端を有する。
【0009】
さく岩工具10は、まず図2Aから2C及び4Aを参照して、以下の方法で取り付けられる。第1に、穴36,42 が整列するように、シャックルの凸状部44を、ボタン収容部の溝38に導く。その後、ピンの一端が面31及び41と実質的に同じ高さにあるように、ピン28を穴36,42 通して挿入する。上記一端は軸方向位置決め用のヘッドを含んでよい。ピン28は、形成するヒンジの厚みより長く、従ってもう一方の端部は、掘削工具の供給方向に関して後方に、距離L突出している。ボタン収容部及びシャックルはそれにより回動可能に連結する。その後、ボタン収容部の軸受面30がボデー要素の軸受部14に接するように、これらを図4Aによる状態に、すなわち作用しない状態に、開いた状態でボデー要素11に導く。その後、シャックル27を、穴39,43 が掘りくず用の溝46で整列するまで、軸受部14の周りを回動させる。ピン29をその後掘りくず用の溝46に挿入し、整列した穴39,43 に挿入する。ピン29の端部は軸方向位置決め用のヘッドを含む。ピン29は、形成した環状リーマーの厚みより長くなく、従って他の端部はリーマーに対して突出しない。ボタン収容部及びシャックルは、それにより、ドリルの回転軸CLに関して偏心している軸受部14周りに互いに固定されている。それにより、図4Aによるリーマーの状態が達成され、すなわちリーマーは、回転軸CLに関して偏心して配置され、支持面47又はドリルビット16の軸方向後方の肩部のいずれに対しても支持できる。リーマー12は従って分割され、内径D2を有し、それは、取り付け状態において案内手段18の最大直径D及びパイロットビット16の直径D1より小さい。リーマーの内径D2は、軸受部の最大直径D3よりいくらか大きい。
【0010】
取付状態において、リーマー12は軸受部14を覆い、上述のように、リーマー14は軸受部13に関して限定した角度で回転可能になる。リーマーが回転可能な角度は、ピン28の突出L及び半円筒部22の端部21及び48で規定される。その角度は約180 °である。
他の実施態様においては、ピン28及び台座21は、ボタン収容部及び駆動部17上の2つの軸方向に延びる平坦な肩面に取り替えることができる。
【0011】
掘削工具はそれにより、ケーシング13上のケーシングシューに当たってケーシング内を通って更に移動するように、ダウンホールハンマに取り付ける準備ができ、その後、掘削を知られている方法で開始できる。掘削工具が掘削を始めると、リーマーは、掘削した穴に対する摩擦により、ボデー要素に関して回転し、それによりピン28が台座21に接するまで外向きに突出し、ここで図4Bのように更なる相対的な回転は止まる。
【0012】
掘削工具の回転を逆にすると、リーマーは図4Aのように、ピン28が端面48に接するまで引き込まれ、掘削工具はケーシングを通じて引き込むことができる。
洗浄流路49,50 は、回転軸CLについて垂直な同一側に配置され、すなわちシャッケル27が運転状態で配置されている側に配置される。それにより、リーマーは運転状態において洗浄流路を覆うことはなく、従って掘削掘りくずの良好な輸送を達成する。
【0013】
リーマー12は通常、ボデー要素11又はビット16より著しく早期に摩損するので、リーマー14を交換することが必要となる。そのような場合、リーマー12は、上記のことと比較して逆の順序で容易に取り外すことができる。
ある場合においては、大型のリーマーが必要である。現在までは、使用者は大型の掘削工具を購入することを強いられたが、本発明により、大型のリーマーと、大型の直径のケーシングに衝撃を伝える中間リングのみを用意する必要がある。そのような場合、中間リングは、リーマーと、ケーシングを通じて引き込む案内手段との間にあるということになる。
【0014】
上記の実施態様においては、案内手段及びパイロットビットは、一体の構成要素を構成すると記載している。しかしながら、本発明の趣旨においては、案内手段、シャンク及びパイロットビットが、分離した部品を構成するが、例えば摩擦溶接により互いに接続している、すなわち、複合した構成要素が、一体の構成要素に相当する設計及び機能をもつような配置を有することも可能である。そのような理由により、請求項1及び9において、「…一体の構成要素を構成し、ここで、前記案内手段、前記シャンク及び前記パイロットビットは、互いに分解できず…」という表現を使用した。
【0015】
本発明による掘削工具、ボデー要素及びリーマーにおいて、リーマーは容易に交換できる。その上、ドリルビット16への衝撃エネルギーは、最大限に使用することができ、それは、このエネルギーがねじを介して案内される必要がなく、中実の本体の手段により案内されるためである。従って、ねじを固定する手段も取り除かれる。本発明の実施態様によると、溝の位置は、掘削の掘りくずの除去を妨げないように最適に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、本発明によるボデー要素を斜視図で示し、図1Bは、ボデー要素の断面を示している。
【図2】 図2Aは、本発明によるリーマーを模式的に斜視図で示し、図2B及び2Cは、リーマーの部品を、部分的に模式的に平面図で示している。
【図3】 図3は、本発明によるさく岩工具の側面図を、部分的に模式的に示している。
【図4】 図4A及び4Bは、それぞれ浸入状態及び掘削モードにおけるさく岩工具の斜視図を示している。
【図5】 図5は、さく岩工具の端面図を示している。
Claims (6)
- ダウンホール掘削用の掘削工具であって、上記掘削工具(10)は、追従するケーシング(13)の前方で穴を掘削することを意図し、上記掘削工具は、ボデー要素(11))及びリーマー手段(12)を含み、上記ボデー要素(11)は、中央のパイロットビット(16)と、シャンク(15)と、前記掘削工具及び前記ケーシング(13)を互いに関して案内する案内手段(18)とを含む、掘削工具において、
前記案内手段(18)、前記パイロットビット(16)及び前記シャンク(15)が、一体の構成要素を構成し、ここで、前記案内手段(18)、前記シャンク(15)及び前記パイロットビット(16)は、互いに分解できず、前記リーマー手段(12)が、分割され、取付られた状態において、前記案内手段(18)及び前記パイロットビット(16)の最大直径(D、D1)より小さい内径(D2)を有すること、及び
前記リーマー手段(12)及び前記ボデー要素(11)が、前記ボデー要素に関する前記リーマー手段の回転を限定する、協働手段 ( 21、28 ) を含むこと、
を特徴とする掘削工具。 - 前記リーマー手段(12)が、前記ボデー要素(11)に関して限定した角度だけ回転可能であり、上記回転が前記リーマー手段に作用することで、作用しない状態から運転状態及びその逆に変位し、前記リーマー手段(12)が、前記ボデー要素(11)に取り外し可能に取り付けられた分割した要素であって、前記シャンク(15)が、前記ダウンホールハンマに直接的に接続されるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の掘削工具。
- 前記リーマー手段(12)が、軸受部(14)の周りに形成される、2つの実質的にU形の部品(26、27)からなり、前記リーマー手段の第1の部品(26)が、切削手段を担持し、上記部品が、ヒンジ取付部(28、36、44)を介して協働するように形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の掘削工具。
- 前記ヒンジ取付部におけるピン(28)が、駆動部を構成する意図を有して、前記部品(26、27)より長いことを特徴とする、請求項1に記載の掘削工具。
- 請求項1に記載のダウンホール掘削用の掘削工具に使用するリーマー手段であって、
上記リーマー手段(12)は、追従するケーシング(13)の前方においてパイロットホールを拡大することを意図されているものにおいて、前記リーマー手段(12)が、分割され、取付られた状態において、前記案内手段(18)及び前記パイロットビット(16)の最大直径(D、D1)より小さい内径(D2)を有すること、及び
前記リーマー手段(12)が、軸受部(14)の周りに形成される、2つの実質的にU形の部品(26、27)からなり、前記リーマー手段の第1の部品(26)が、切削手段を担持し、上記部品が、ヒンジ取付部(28、36、44)を介して協働するように形成されていること、
を特徴とするリーマー手段。 - 前記ヒンジ取付部におけるピン(28)が、駆動部を構成する意図を有して、前記部品(26、27)より長いことを特徴とする、請求項5に記載のリーマー手段。
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