JP4090447B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する)素子は、新しい自己発光型素子として期待されている。有機EL素子は、ホール注入電極と電子注入電極との間に、ホール輸送層、発光層および電子輸送層が順に積層された有機層を有する。なお、ホール注入電極とホール輸送層との間にホール注入層を形成してもよく、電子注入電極と電子輸送層との間に電子注入層を形成してもよい。
例えば、特許文献1に示されている有機EL素子においては、高周波プラズマ重合法によってホール注入電極上にホール注入層としてポリマ薄膜を形成している。それにより、ホール注入電極からのホール(正孔)の注入性が向上されるとともに、有機EL素子の動作安定性も向上されている。
ホール注入電極としては、インジウム−スズ酸化物(ITO)のような金属からなる仕事関数の大きな電極材料を用い、電子注入電極としては、例えばアルミニウムまたはリチウムのような仕事関数の小さな電極材料を用いる。
有機EL素子のホール注入電極および電子注入電極の間に駆動電圧を印加することにより、ホール注入電極からホールが注入され、電子注入電極から電子が注入される。注入されたホールおよび電子は、それぞれホール輸送層または電子輸送層を移動し、発光層内に注入される。発光層内に注入されたホールおよび電子は、発光層内で再結合することにより励起子が形成され発光する。
特開2000−150171号公報
しかしながら、上記の有機EL素子においては、高温保温時における駆動電圧が上昇するという特性低下が生じる場合がある。それにより、十分な信頼性を確保することができない。
本発明の目的は、高温保温時における駆動電圧の上昇を抑制することが可能な有機EL素子を提供することである。
本発明者は、有機エレクトロルミネッセンス素子の高温保温時における駆動電圧が上昇する要因を解明すべく、種々の実験および考察を重ねた結果、以下の要因を見出した。
すなわち、有機EL素子に駆動電圧を印加した場合、電極と有機層との界面に強い電界が発生する。そして、電極の反応しやすい金属成分がこの強い電界に反応し有機層内に拡散することにより有機層内の有機分子と化学反応を起こす。その結果、有機EL素子の素子特性に大きな影響を与える。
特に、有機EL素子の連続駆動時には、強電界下に長時間さらされるため、電極の金属成分の拡散がさらに進行する。
そして、本発明者は、ある特定の材料からなる電極を用いた場合、ある特定の化合物を含むキャリア注入層を電極上に形成することにより、電極からの金属成分が有機層内に拡散することを防止することができるという知見を得、以下の発明を案出した。
第1の発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1の電極、キャリア注入層、有機層および第2の電極を順に備え、第1の電極は、亜鉛を含む金属化合物からなり、キャリア注入層は、フッ化炭素、銅フタロシアニンおよびスターバースト型有機化合物からなる群より選択される1種以上を含むものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、第1の電極上にフッ化炭素、銅フタロシアニンおよびスターバースト型有機化合物からなる群より選択される1種以上を含むキャリア注入層が形成されることにより、有機エレクトロルミネッセンス素子が高温で長時間保存された場合においても、第1の電極からの亜鉛原子が有機層内に拡散することを抑制することができる。これにより、高温保温時における駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
キャリア注入層は、フッ化炭素からなってもよい。この場合、有機エレクトロルミネッセンス素子が高温で長時間保存された場合においても、第1の電極からの亜鉛原子が有機層内に拡散することをより抑制することができる。
フッ化炭素からなるキャリア注入層の膜厚は、30Å以上90Å以下であってもよい。この場合、有機エレクトロルミネッセンス素子が高温で長時間保存された場合においても、第1の電極からの亜鉛原子が有機層内に拡散することをさらに抑制することができる。
キャリア注入層は、第1の電極上に順に形成される銅フタロシアニンからなる層とフッ化炭素からなる層とを有する積層構造を備えてもよい。この場合、有機エレクトロルミネッセンス素子が高温で長時間保存された場合においても、第1の電極からの亜鉛原子が有機層内に拡散することを十分に抑制することができる。
フッ化炭素からなる層の膜厚は、10Å以上90Å以下であってもよい。この場合、有機エレクトロルミネッセンス素子が高温で長時間保存された場合においても、第1の電極からの亜鉛原子が有機層内に拡散することを十分に抑制または防止することができる。
第2の発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1の電極、有機層および第2の電極を順に備え、第1の電極は亜鉛を含む金属化合物からなり、80℃で40時間保存された場合における第1の電極から有機層への金属の拡散の深さが有機層の膜厚の5分の1以下であるものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、80℃で40時間保存された場合における第1の電極から有機層への亜鉛原子の拡散の深さが有機層の膜厚の5分の1以下であることにより、高温保温時における駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
拡散の深さは、有機層の膜厚の10分の1以下であってもよい。この場合、高温保温時における駆動電圧の上昇をより抑制することが可能となる。
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子が高温で長時間保存された場合においても、第1の電極からの亜鉛原子が有機層内に拡散することを抑制することができる。これにより、高温保温時における駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
以下、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する)素子について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る有機EL素子の一例を示す模式的な断面図である。
図1に示す有機EL素子100の作製時には、まず基板1上に例えばインジウム−亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電膜からなるホール注入電極2を形成し、このホール注入電極2上に、ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5および電子輸送層6を順に形成する。さらに、この電子輸送層6上に、例えばアルミニウム等からなる電子注入電極7を形成する。なお、基板1は、ガラスまたはプラスチック等からなる透明基板である。
ホール注入層3は、例えばフッ化炭素(CFx)からなる。ホール輸送層4は、例えばN,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(N,N'-Di(naphthalene-1-yl)-N,N'-diphenyl-benzidine)(以下、NPBと略記する)等の有機材料からなる。ホール輸送層4の厚さは例えば1500Åである。
発光層5は、例えばtert-ブチル置換ジナフチルアントラセン(以下、TBADNと略記する)等からなる。なお、発光層5に対して1.0重量%となるようにペリレンをドープする。発光層5は、青色を発光する。発光層5の厚さは例えば400Åである。
電子輸送層6は、例えばトリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum:以下、Alqと略記する)等からなる。電子輸送層6の厚さは例えば100Åである。
電子注入電極7は、例えばアルミニウムからなる。電子注入電極7の厚さは例えば2000Åである。
本実施の形態においては、ホール注入電極2上にフッ化炭素からなるホール注入層3を形成する。それにより、高温(例えば80℃)で長時間(例えば40時間)保存された場合においても、ホール注入電極2からの金属成分(主に、亜鉛(Zn)原子)が有機層50内に拡散することを抑制することができる。これにより、高温保温時における駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
ホール注入層3の厚さは30Å以上90Å以下であることが好ましい。それにより、高温で長時間保存された場合において、ホール注入電極2からの金属成分が有機層50内に拡散することをより抑制することができる。
また、本実施の形態に係る有機EL素子100においては、80℃で40時間保存された場合におけるホール注入電極2から有機層50内への金属成分の拡散の深さが有機層50の厚さの5分の1以下であることにより、高温保温時における駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
さらに、80℃で40時間保存された場合におけるホール注入電極2から有機層50内への金属成分の拡散の深さが有機層50の厚さの10分の1以下であることにより、高温保温時における駆動電圧の上昇をさらに抑制することが可能となる。
ここで、本実施の形態および後述の第2の実施の形態において、加熱前後におけるホール注入電極2からの金属成分が有機層50内に拡散しているか否かの判定方法について説明する。
図2は有機層50内への金属成分の拡散の有無の判定方法について説明するための説明図である。なお、本実施の形態では、Znの拡散の有無を判定するために、二次イオン質量分析法(SIMS)を用いる。
上記のSIMSにおいては、例えばアルバックファイ社製二次イオン質量分析装置ADEPT1010を用いる。一次イオンとして、例えばセシウム(Cs)を用い、加速電圧は例えば2KeVとする。ラスターサイズは例えば400μm四方であり、一次イオンの入射角度は例えば60°とする。
図2に示すように、横軸をスパッタ時間(秒)とし、縦軸をZnの二次イオンのカウント数(cps)とする。
スパッタ時間とは、真空中において、ビーム状のイオン(一次イオン)を有機層50に照射する時間をいう。この場合、有機層50の表面積が有機層50上に形成される電子注入電極7の表面積よりも大きいことにより、直接有機層50にイオンを照射することができる。
また、加熱前の有機EL素子100からのZnの二次イオンのカウント数を実線により示し、加熱後の有機EL素子100からのZnの二次イオンのカウント数を一点鎖線により示す。なお、スパッタ時間が0秒の位置が有機層50の表面に相当する。
図2の実線で示される加熱前の結果において、スパッタ時間がある時間を経過するまでは二次イオンのカウント数に大きな変化はなく、スパッタ時間がある時間を経過すると、二次イオンのカウント数が急激に増加する。その後、二次イオンのカウント数は一定となり、スパッタ時間がある時間を経過すると、二次イオンのカウント数は急激に減少する。
ここで、二次イオンのカウント数が急激に上昇し始めるスパッタ時間と、二次イオンのカウント数が一定となるスパッタ時間との中間点(以下、界面スパッタ時間と称する)が有機層50とホール注入層3との界面に相当するとみなす。
このように、SIMSの結果に基づいて有機層50とホール注入層3との実際の界面を直接的に検出することはできないが、上記の界面スパッタ時間を有機層50とホール注入層3との界面に相当すると定義することにより、以下のように、有機EL素子100の加熱後のZnの有機層50における拡散の深さを検出することが可能となる。
図2の一点鎖線で示される加熱後の結果において、イオンの照射を開始してからあるスパッタ時間が経過するまでの間におけるバッググラウンドレベルを0%とする。また、有機層50における二次イオンのカウント数が急激に増加した後、ほぼ一定となった二次イオンのカウント数のレベルを100%と定義する。
ここで、上記の定義に基づいて、有機層50の二次イオンのカウント数のレベルが5%となる場合のスパッタ時間(以下、拡散判定スパッタ時間と称する)を判定する。これにより、上記の界面スパッタ時間と拡散判定スパッタ時間との差Bが算出される。この差Bが有機層50内へのZnの拡散の深さに相当する。
具体的に、有機層50内へのZnの拡散の深さの値を算出するには、以下のように行う。すなわち、イオンの照射が開始される時間(0秒)と界面スパッタ時間とから算出される差Aと、上記差Bとの比率を算出する。なお、差Aが有機層50の厚さに相当する。
例えば、有機層50の厚さが2000Åであり、差Bが差Aに対して10分の1の値を有する場合、有機層50内へのZnの拡散の深さは200Åとなる。
このように、SIMSの結果より、有機層50内へのZnの拡散の深さを算出することができる。
なお、本実施の形態においては、ホール注入層3としてフッ化炭素を用いているが、これに限定されるものではなく、ホール注入層3として、例えば銅フタロシアニンまたはスターバースト型有機化合物を用いてもよい。
スターバースト型有機化合物は、下記式(1)に示される分子構造を有する4,4',4"−トリス[1-ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(4,4',4"−tris[1−naphthyl(phenyl)amino]triphenylamine)(以下、1−TNATAと略記する)、下記式(2)に示される分子構造を有する4,4',4"−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(4,4',4"−tris[3−methylphenyl(phenyl)amino]triphenylamine)(以下、MTDATAと略記する)、下記式(3)に示される分子構造を有するトリフェニルアミンテトラマー(triphenylaminetetramer)(以下、TPTEと略記する)、下記式(4)に示される分子構造を有するN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4’−(N,N’−ビス(ナフス−1−イル)−アミノ)−ビフェニル−4−イル)−ベンジジン(N,N'-diphenyl-N,N'-bis(4'-(N,N'-bis(naphth-1-yl)-amino)-biphenyl-4-yl)-benzidine)(以下、NTPAと略記する)または下記式(5)に示される分子構造を有するN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4’−(N,N’−ビス(メチルフェニル−1−イル)−アミノ)−フェニル−4−イル)−ベンジジン(N,N'-diphenyl-N,N'-bis(4'-(N,N'-bis(methylphenyl-1-yl)-amino)-phenyl-4-yl)-benzidine)等を含む。
Figure 0004090447
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本実施の形態においては、ホール注入電極2が第1の電極に相当し、ホール注入層3がキャリア注入層に相当し、有機層50が有機層に相当し、電子注入電極7が第2の電極に相当する。
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る有機EL素子の一例を示す模式的な断面図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る有機EL素子200が第1の実施の形態に係る有機EL素子100と異なる点は、ホール注入層3が第1の注入層3aおよび第1の注入層3a上に形成される第2の注入層3bからなる積層構造を有する点である。
ホール注入層3の第1の注入層3aは、例えば銅フタロシアニンからなる。ホール注入層3の第2の注入層3bは、例えばフッ化炭素からなる。
本実施の形態においては、ホール注入電極2上に、銅フタロシアニンからなる第1の注入層3aと、第1の注入層3a上に形成されフッ化炭素からなる第2の注入層とにより構成される積層構造をホール注入層3として形成する。それにより、高温(例えば80℃)で長時間(例えば40時間)保存された場合においても、ホール注入電極2からの金属成分(主に、亜鉛(Zn)原子)が有機層50内に拡散することを抑制することができる。これにより、高温保温時における駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
フッ化炭素からなる第2の注入層3bの厚さは10Å以上90Å以下であることが好ましい。それにより、高温で長時間保存された場合においても、ホール注入電極2からの金属成分が有機層50内に拡散することをより抑制することができる。
また、本実施の形態に係る有機EL素子200においては、80℃で40時間保存された場合におけるホール注入電極2から有機層50内への金属成分の拡散の深さが有機層50の厚さの5分の1以下であることにより、高温保温時における駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
さらに、80℃で40時間保存された場合におけるホール注入電極2から有機層50内への金属成分の拡散の深さが有機層50の厚さの10分の1以下であることにより、高温保温時における駆動電圧の上昇をさらに抑制することが可能となる。
以下、本実施例および比較例について図面を参照しながら説明する。
以下の実施例1,2および比較例では、所定の有機EL素子を85℃の温度で40時間加熱し、加熱前後の有機EL素子の駆動電圧を測定するとともに、ホール注入電極2からの有機層50内へのZnの拡散の有無を判定するために、二次イオン質量分析法(SIMS)による評価を行った。
(実施例1)
本実施例の有機EL素子の構成は、上記第1の実施の形態に係る有機EL素子と同様の構成である。フッ化炭素からなるホール注入層3の厚さは70Åであった。
加熱前の電流が20mA/cm2 のときの有機EL素子100の駆動電圧(以下、初期電圧と称する)は6.4Vとなり、加熱後の有機EL素子100の駆動電圧は6.8Vとなった。したがって、加熱前後の有機EL素子100の駆動電圧の上昇値は0.4Vとなった。
図4は本実施例に用いた有機EL素子100のSIMSの測定結果を示す図である。
図4に示すように、加熱後の有機EL素子100において、有機層50内へのZnの拡散の深さに相当する差Bは、有機層50の厚さに相当する差Aの10分の1以下となり、有機層50内へのZnの拡散が抑制されていることがわかった。
(実施例2)
本実施例の有機EL素子の構成は、上記第2の実施の形態に係る有機EL素子と同様の構成である。ホール注入層3の銅フタロシアニンからなる第1の注入層3aの厚さは100Åであった。また、ホール注入層3のフッ化炭素からなる第2の注入層3bの厚さは10Åであった。
加熱前の電流が20mA/cm2 のときの有機EL素子100の初期電圧は6.6Vとなり、加熱後の有機EL素子100の駆動電圧は6.8Vとなった。したがって、加熱前後の有機EL素子200の駆動電圧の上昇値は0.2Vとなった。
図5は本実施例に用いた有機EL素子200のSIMSの測定結果を示す図である。
図5に示すように、加熱後の有機EL素子200において、有機層50内へのZnの拡散の深さに相当する差Bは0であり、有機層50内へのZnの拡散が防止されていることがわかった。
(比較例)
本比較例の有機EL素子の構成は、上記第1の実施の形態に係る有機EL素子と同様の構成である。フッ化炭素からなるホール注入層3の厚さは10Åであった。
加熱前の電流が20mA/cm2 のときの有機EL素子100の初期電圧は6.4Vとなり、加熱後の有機EL素子100の駆動電圧は8.9Vとなった。したがって、加熱前後の有機EL素子100の駆動電圧の上昇値は2.5Vとなった。
図6は本比較例に用いた有機EL素子100のSIMSの測定結果を示す図である。
図6に示すように、加熱後の有機EL素子100において、有機層50内へのZnの拡散の深さに相当する差Bは、有機層50の厚さに相当する差Aの5分の1以上となり、有機層50内へのZnの拡散が抑制されていないことがわかった。
(評価)
以上の結果より、有機層50内へのZnの拡散を抑制するには、フッ化炭素からなる厚さ30Å以上90Å以下であるのホール注入層3を備える有機EL素子100が好ましいことがわかった。
また、有機層50内へのZnの拡散をさらに抑制または防止するには、第1の注入層3aおよび第2の注入層3bからなる積層構造を有するホール注入層3を備えた有機EL素子200がより好ましいことがわかった。この場合、第2の注入層3bの厚さが10Å以上であれば、Znの拡散を十分に抑制または防止できることがわかった。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、各種表示装置、各種光源等に利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る有機EL素子の一例を示す模式的な断面図である。 有機層内への金属成分の拡散の有無の判定方法について説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る有機EL素子の一例を示す模式的な断面図である。 本実施例に用いた有機EL素子のSIMSの測定結果を示す図である。 本実施例に用いた有機EL素子のSIMSの測定結果を示す図である。 本比較例に用いた有機EL素子のSIMSの測定結果を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 ホール注入電極
3 ホール注入層
3a 第1の注入層
3b 第2の注入層
4 ホール輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入電極
50 有機層
100,200 有機EL素子

Claims (3)

  1. 第1の電極、キャリア注入層、有機層および第2の電極を順に備え、
    前記第1の電極は、亜鉛を含む金属化合物からなり、
    前記キャリア注入層は、フッ化炭素からなり、あるいは、銅フタロシアニンとフッ化炭素とからなり、膜厚が30Å以上90Å以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記キャリア注入層は、前記第1の電極上に順に形成される銅フタロシアニンからなる層とフッ化炭素からなる層とを有する積層構造を備えたことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記フッ化炭素からなる層の膜厚は、10Å以上90Å以下であることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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