JP4090087B2 - ベンズアミド誘導体及び抗潰瘍剤、抗菌剤 - Google Patents

ベンズアミド誘導体及び抗潰瘍剤、抗菌剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はベンズアミド誘導体、特にヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用ないし抗潰瘍作用を有するベンズアミド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間における潰瘍の発生原因としては各種の説が考えられている。特にストレス、及びリウマチ疾患などの治療のための非ステロイド性抗炎症剤の服用などが潰瘍の発生に密接に関連していることが解明されており、これらは胃や十二指腸への過剰な酸分泌を誘発することが大きな原因といわれている。このため、酸分泌を抑制することで、潰瘍の発生予防及び治療を行うことが重要である。
【0003】
一方、胃に常在する桿菌であるヘリコバクター・ピロリは、これが持つ強いウレアーゼ活性によりアンモニアを発生し、潰瘍を誘発するとともに、粘液や粘膜内にしつこく生存するために潰瘍再発の最大の要因と考えられるようになってきた。従って、この菌を殺菌することができれば、潰瘍の再発を防止できると考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来より各種潰瘍治療薬が開発されているが、ストレス性潰瘍の発生防止効果あるいはヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を持つ薬剤は少ない。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は潰瘍の発生防止効果に優れたベンズアミド誘導体及びそれを主成分とするヘリコバクター・ピロリに対する抗菌剤、抗潰瘍剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のベンズアミド誘導体が、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌性ないし酸分泌抑制を主作用機序として各種潰瘍に有効であることを見いだし、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明にかかるベンズアミド誘導体又はその塩は、下記一般式化2で示されることを特徴とする。
【0006】
【化2】
Figure 0004090087
(化2中、R1は水素原子又は低級アルキル基であり、R2はベンジル基又はアルケニル基である。nは1〜6の整数である。)
なお、本発明において、nが3であることが好適である。
また、本発明において、R1が低級アルキル基であり、且つR2がベンジル基であることが好適であり、さらには、R1がイソブチル基であり、且つR2が4−フルオロベンジル基であることが好適である。
【0007】
また、本発明において、Rが水素原子であり、且つRがアルケニル基であることが好適であり、さらには、Rゲラニル基であることが好適である。
また、本発明にかかる抗潰瘍剤は、前記ベンズアミド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリに対する抗菌剤は、前記ベンズアミド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分とすることを特徴する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明化合物において、R1に見られる低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシルなどを挙げることができるが、好ましくは分岐アルキル基であり、特に好ましくはイソブチル基である。
【0009】
2に見られるベンジル基とは無置換のベンジル基であることも可能であるが、少なくとも一つの置換基を有する置換ベンジル基であることが好ましい。このような置換基の好ましい例としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げられるが、特に好ましくはフッ素原子である。
2に見られるアルケニル基とは、二重結合が1つ以上含まれる炭素数2〜20の直鎖又は分岐状のアルケニル基を意味する。なお、二重結合の立体配置についてはシス(cis)、トランス(trans)の二種が存在するが、アルケニル基中のそれぞれの二重結合の立体配置はこの何れであってもよい。このようなアルケニル基のうち、好ましくは分岐アルケニル基であり、さらに好ましくはプレニル基、ゲラニル基、ネリル基、ファルネシル基が挙げられる。これらの内、特に好ましくはゲラニル基である。
以下、本発明化合物の一般的な製法を説明するが、特にこれに限定されるものではない
【0010】
まず、前記化2で示される本発明化合物(I)は、図1に示す反応式Aによって製造することができる。
反応式Aにおいて、カルボン酸(II)とアミン(III) から、混合酸無水物法、酸塩化物法、DCC法、CDI法あるいはアジド法等の公知のアミド結合形成反応を用いることにより、本発明化合物であるベンズアミド誘導体(I)が得られる。なお、反応式A中、R1、R2及びnは上記化2の定義のとおりである。
【0011】
混合酸無水物法の場合には、活性化剤として例えば、ジフェニルホスフィニッククロライド、エチルクロロホルメート、イソブチルクロロホルメート、ピバロイルクロライド等を用いて、カルボン酸 (II) をその対応する酸無水物へと変換した後、アミン(III) と反応させる。添加剤として例えば、有機塩基であるトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が用いられる。溶媒として例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが通常、−15℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0012】
酸塩化物法の場合には、活性化剤として例えば、五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル等を用いて、カルボン酸 (II) をその対応する酸塩化物へと変換した後、アミン(III) と反応させる。添加剤として例えば、有機塩基であるトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が用いられる。溶媒として例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが通常、0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0013】
DCC法の場合には、縮合剤として例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI)等が用いられる。溶媒として例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が用いられる。本反応は必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)やN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)を添加して行っても良い。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが通常、0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0014】
CDI法の場合には、活性化剤として例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール等を用いてカルボン酸 (II) をその対応するN−アシル誘導体へと変換した後、アミン(III) と反応させる。添加剤として例えば、有機塩基であるトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が、無機塩基である水素化ナトリウム、水素化カリウム等が用いられる。溶媒として例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが通常、0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0015】
アジド法の場合には、活性化剤として例えば、ジフェニルホスホリルアジド等を用いてカルボン酸 (II) をその対応するアジドへと変換した後、アミン(III)と反応させる。添加剤として例えば、有機塩基であるトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が用いられる。溶媒として例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが通常、0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0016】
具体的には、例えば混合酸無水物法の活性化剤として、ジフェニルホスフィニッククロライド、ピバロイルクロライド等を用い、添加剤としてはトリエチルアミンを用いてクロロホルムまたはジメチルホルムアミド等の溶媒中にて、−15℃から室温の範囲で反応を行なうことにより目的を達する。
【0017】
なお、前記反応式Aで用いる原料化合物(II)は公知の方法により合成することができるが、R2がアルケニル基である原料化合物(II-a)は、例えば図2に示す反応式Bのようにして合成することができる。反応式B中、R1及びR2は上記化2の定義のとおりである。Raはカルボキシル保護基を表し、以後の反応において問題を起こさない限りメチル基、エチル基、第3ブチル基等の低級アルキル基、フェナシル基あるいはトリクロロエチル基等を用いることができる。Xはハロゲン原子を表す。なお、特に指定のない限り、Ra、Xの定義は以下同様である。
【0018】
反応式Bにおいて、アルケニルハライド(V)を、塩基存在下で化合物(IV)と反応させ、ついで加水分解することによりカルボン酸(II-a)を合成することができる。
本反応の一段階めは塩基の存在下に行うことができ、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、酸化バリウム、酸化銀などが用いられる。また、触媒量のヨウ化カリウムを加えることもできる。溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、アセトンなどのケトン類などが使用される。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0019】
具体的には例えば化合物(IV)をテトラヒドロフラン、N,N'−ジメチルホルムアミド等に溶解し、塩基として水素化ナトリウム等を加えて攪拌した後、アルケニルハライド(V)を加えて室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行なうことにより目的を達する。
【0020】
また、2段階めの反応では、エステル化合物(VI)を酸あるいは塩基の存在下で加水分解することにより、カルボン酸(II-a)を合成することができる。酸としては塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸など、塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムt−ブトキシドなどが用いられる。溶媒としてはギ酸、酢酸などのカルボン酸類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、水あるいはこれらの混合溶媒などが使用される。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0021】
具体的には、例えばエステル化合物(VI)をメタノール、エタノールなどのアルコール類に溶解し、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム水溶液を加え、室温から還流温度で反応を行うことにより目的を達する。
【0022】
なお、反応式Bで用いた原料化合物(V)は、例えば図3に示す反応式Cのようにして合成することができる。なお、反応式C中、R2及びXは上記反応式Bにおける定義のとおりである。
本反応においてアルコール(VII)をハロゲン化することによりアルケニルハライド(V)を得ることができる。
【0023】
本反応は水酸基のハロゲン化反応として一般的な方法を用いることができる。例えば、ハロゲン化の試薬として塩酸や臭化水素酸などの強酸、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リンなどのリン化合物、塩化チオニル、N-ハロゲノスクシンイミドとジメチルスルフィド、トリフェニルホスフィンとハロゲン化炭化水素、塩化メタンスルホニルとリチウムハライドなどを用いて実施することができる。溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのアミド類が用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0024】
具体的には例えば塩化リチウムとトリエチルアミンの存在下でメタンスルホニルクロリド等を用い、アセトン等の溶媒中において0℃から室温の範囲で反応を行うことにより目的を達する。
また、原料化合物(II)において、R1が低級アルキル基、R2がベンジル基である原料化合物(II-b)は、例えば図4に示す反応式Dのようにして合成することができる。なお、反応式D中、R1は前記化2の定義の通りである。R3は水素原子又はハロゲン原子を表す。
【0025】
反応式Dの第一段階において、化合物(VIII)とベンジルハライド(IX)を塩基存在下で反応させることにより、化合物(X)が得られる。本反応における塩基として例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が用いられる。具体的には、例えば塩基として炭酸カリウムを用い、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行なうことにより目的を達する。
【0026】
反応式Dの第二段階において、化合物(X)を加水分解することにより、カルボン酸(II-b)が得られる。本反応は、反応式Bの第2段階めにおける反応条件と同様の条件下で反応を実施することができる。
なお、反応式Dの原料化合物(VIII)は商業上入手可能であるかまたは公知の方法を用いて製造することができる。例えば、化合物(VIII-a)は図5に示す反応式Eのようにして製造することができる。なお、反応式Eにおいて、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5は水素原子または低級アルキル基を表す。
【0027】
反応式Eの第一段階において、化合物(XI)とアルケニルハライド(XII)を塩基存在下で反応させることにより、化合物(XIII)が得られる。本反応おける塩基として例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられる。具体的には、例えば塩基として炭酸カリウムを用い、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行うことにより目的を達する。
【0028】
反応式Eの第二段階において、化合物(XIII)をクライゼン転移反応に付すことにより、化合物(XIV)が得られる。本反応は、高沸点溶媒中または溶媒の非存在下、常圧または加圧下で行う。高沸点溶媒として、例えばフェニルエーテル、N,N−ジメチルアニリンなどが用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常100℃から200℃の範囲で行われる。
反応式Eの第三段階において、化合物(XIV)に水素添加することにより、化合物 (VIII-a)が得られる。本反応を接触還元条件下で行う場合、触媒として例えば、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等を使用することができる。具体的には、例えばパラジウム−炭素を用い、水素ガス雰囲気下、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の溶媒中で室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行なうことにより目的を達する。
【0029】
一方、反応式Aで用いた原料化合物(III)は、例えば図6に示す反応式Fのようにして合成できる。なお、反応式F中、nは前記化2の定義の通りである。反応式Fの第1段階において、アルデヒド(XV)とピペリジン(XVI)から化合物(XVII)を合成することができる。具体的には、例えば、アルデヒド(XV)をエタノール等の溶媒に溶解し、ピペリジン(XVI)及び水素化ホウ素ナトリウムを加え、室温で撹拌することにより目的を達する。
反応式Fの第2段階のアルキル化反応では、通常の方法により反応を実施することができるが、具体的には、化合物(XVII)をトルエン等の無極性溶媒中、水酸化ナトリウム等の塩基を加え、化合物(XVIII)を加えて還流することにより、化合物(XIX)を合成することができる。
反応式Fの第3段階の脱アシル化反応では、通常の加水分解反応にて行うことができ、アミン(III)を合成することができる。具体的には、化合物(XIX)に硫酸溶液を還流温度にて反応を行うことにより、目的を達する。
なお、上記の各反応式において用いられている原料化合物で、製造法を記述していない化合物は商業上入手可能であるか、あるいは公知の方法を用いて容易に合成することができる。
【0030】
また、本発明のベンズアミド誘導体(I)の酸付加塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。これらの塩は通常の方法により容易に製造することができる。
【0031】
本発明にかかるベンズアミド誘導体は、強力な抗ストレス性潰瘍作用や優れた胃酸分泌抑制作用を有し、さらに潰瘍再発の原因とされるヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を有し、しかも安全性が高い。このため、人または動物の消化性潰瘍の治療・予防剤として有用である。このように、胃酸分泌抑制作用及びヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を共に有する化合物は従来殆ど認められておらず、本発明化合物が潰瘍の予防、治療のみならず、再発防止にも有効であることが示される。
【0032】
本発明化合物を消化性潰瘍の治療・予防剤として投与する場合、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤などとして経口的に投与してもよいし、また坐剤、注射剤、外用剤、点滴剤として非経口的に投与してもよい。投与量は症状の程度、個人差、年齢、潰瘍の種類などにより下記範囲外の量を投与することもあり得るが、勿論それぞれの特定の場合における個々の状況に適合するように調節しなければならない。通常成人1日あたり約0.01〜200mg/kg、好ましくは0.05〜50mg/kg、さらに好ましくは0.1〜10mg/kgを1日1〜数回に分けて投与する。
【0033】
製剤化の際は、通常の製剤担体を用い、常法により製造するが、必要により薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物を加えてもよい。
すなわち、経口用固形製剤を調製する場合には、主薬に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被服錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。
【0034】
賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素等が、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン等が、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油などが、着色剤としては医薬品に添加することが許されているものが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などが用いられる。これらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることが可能である。
【0035】
注射剤を調製する場合には、必要により主薬にpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加し、常法により皮下、筋肉内、静脈内用注射剤とする。
以下、具体例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、各実施例の抗潰瘍剤としての評価に用いた試験方法について説明する。
【0036】
WIS:水浸拘束ストレス潰瘍抑制試験
<意義>
ストレスによる潰瘍発生の抑制度を検証する。
<方法>
6〜7週齢Crj:SD系雄性ラットまたはSlc:SD系雄性ラットを一晩絶食し(摂水は自由)、一群あたり5〜8匹として0.3%カルボキシメチルセルロースナトリウムまたは0.05%Tween80水溶液に溶解または懸濁した被験薬物(100mg/10ml/kg)を経口投与した。なお、対象には基剤のみを投与した。10分後にラットをストレスケージに入れ、21℃の恒温水槽内に剣状突起まで浸した。水浸開始より7時間後にラットを水槽より引き上げ、直ちにエーテルまたは炭酸ガスで屠殺して胃を摘出した。5%中性ホルマリン緩衝液10mlを胃内に注入し、そのまま1%中性ホルマリン緩衝液中に30分以上浸して固定したのち、胃の大彎に沿って切開し腺胃部に発生している糜爛の長さを解剖顕微鏡下測定した。胃一つあたりの糜爛の長さの総和を潰瘍係数とした。
【0037】
<判定基準>
被験薬物100mg/kg投与時の効果を、潰瘍発生抑制率(%)として表した。
潰瘍発生抑制率(%)=(1-(被験薬物群の潰瘍係数/対象群の潰瘍係数))×100
【0038】
CAP:酸分泌抑制試験(in vitro)
<意義>
細胞レベルでの酸分泌抑制能を検討する。また作用機序の検討に用いることができる。
<方法>
まず遊離胃底腺膜標本を作製した。雄性日本白色種家兎(2.5−3Kg)をネンブタールTMで麻酔死させ、正中切開して直ちに胃を摘出し、幽門・噴門部を切除して大彎部に沿って切開して2枚に分けた。粘膜面に付着している胃内容物を氷冷PBS(−)で洗い流したのち、氷冷PBS(−)中で丁寧に洗い去った。胃壁を粘膜面を上にしてコルク板上に広げ、滅菌ガーゼで餌・粘液を完全に除去した。スパチラで粘膜を剥離し、氷冷PBS(−)に集めた。PBS(−)で2回洗浄後、はさみで2〜3mm3に細切した。さらに栄養液で2回洗浄した。栄養液の組成は、NaCl 132.4mM,KCl 5.4mM,Na2HPO4・12H2O 5mM,NaH2PO4・2H2O 1mM,MgSO4 1.2mM,CaCl2 1mM,HEPES 25mM,glucose 2mg/ml,BSA 1mg/mlである。コラゲナーゼ 1mg/mlを含む栄養液70mlに細切した粘膜片を分散させ、三角フラスコに入れて37℃で40−60分間スターラーで激しく撹拌した。この間、100%O2を栄養液表面に吹き付けておき、またpHを適 宜測定して、低下していたら直ちにアルカリでpH7.4に調整した。反応液に栄養液を加えて約200mlとし、メッシュでろ過して50mlの遠沈管に分注し、15分間静置して胃底腺を沈殿させた。上清をアスピレーターで除去・栄養液に分散・静置、を繰り返して胃底腺を3回洗浄した。この時、ピペッティングではなく、遠沈管2本に交互に繰り返し注ぎ入れるかたちで分散させた。顕微鏡下で細胞数をカウントし、1.6×106cells/mlに調整した。
【0039】
次に[14C]−アミノピリンの取り込み実験を行なった。エッペンドルフチューブを秤量したのち、上述した栄養液に溶解したヒスタミン10μl(最終濃度10−5M)、DMSOに溶解した被験薬物10μl(最終濃度10−5M)、栄養液で希釈した[14C]−アミノピリン10μl(最終濃度0.05μCi/ml)を入れ、上で調製した遊離胃底腺分散液970μlを加え、37℃で40分間125回/分で振盪させた。30秒間遠心し、上清200μlをミニバイアルにとり、残りはアスピレーターで除去した。沈澱はチューブの蓋を開けた状態で80℃の乾燥機に一晩入れて完全に乾固させたのち、蓋を閉めて室温に戻して秤量した。次いで1N KOH 100μlを加え、蓋をして60℃で1−2時間処理して溶解し、ミニバイアルに移した。上清または沈澱の入ったミニバイアルにアトムライト TM 4mlを加え、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。なお、20mM NaSCNを加えて水素イオン濃度勾配をキャンセルさせたものを用いて沈澱の放射活性の補正を行なったのち、沈澱に特異的にトラップされたアミノピリンの集積率を算出した。なお、本実験はduplicateで実施した。
【0040】
ここで、原理について簡単に説明する。遊離胃底腺では酸は分泌小管から腺腔にかけての空間に蓄積する。アミノピリンは弱塩基(pKa=5.0)で中性溶液中では非イオン型で細胞膜を自由に通過し、酸性溶液中ではイオン化して電荷のため細胞膜を通過できなくなることから、遊離胃底腺の閉じられた酸性空間にアミノピリンが蓄積する性質を利用している。アミノピリンの集積率(R)は以下の式で算出される。
R=((補正した沈澱の放射活性)/(上清の放射活性))×(200/(沈澱のmg乾燥重量))
<判定基準>
最終濃度10-5Mにおける被験薬物の効果は、酸分泌抑制率(%)で表した。
酸分泌抑制率(%)=(1−(被験薬物のR/対照群のR))×100
【0041】
AHP:ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌性試験
<意義>
潰瘍の発生及び再燃・再発に深く関与するといわれているヘリコバクター・ピロリ(微好気性のグラム陰性菌;以下、HP)に対する最小発育阻止濃度(MIC)を測定し、抗ヘリコバクター・ピロリ作用を有する化合物を見出す。
【0042】
<方法>
MICは寒天希釈法にて測定した。すなわち、Helicobacter pylori NCTC11637株の凍結菌株(−80℃)を市販の5%羊血液加トリブチケースソイ寒天培地で復元させ、さらに同培地で継代し、3日間前培養した。なお、培養条件は、37℃,5%O2・10%CO2・85%N2で行った。
【0043】
次に被験薬物の1000μg/ml溶液を25%以下のDMSO溶液にて調製し、これを減菌清製水で種々の濃度となるように希釈し、各濃度の溶液各々100μlを24ウエルプレートにとり、5%馬血液加ブルセラ寒天培地900μlを加えて混合し固化させ、MIC測定用培地を調製した。
前培養で生育したコロニーは適当量とり、Mueller Hinton Brothに、肉眼で濁りが確認できる程度まで懸濁し、約10cfu/mlの菌懸濁原液とした。この菌懸濁原液をMueller Hinton Brothで10希釈し、接種用菌液(10cfu/ml)とした。菌の接種は、接種用菌液10μl(約10 cfu)を分注器にてMIC測定用培地上に滴下して行った。菌を接種したMIC測定用培地は、前培養と同条件下で7日間培養し、培養終了後に菌の生育の無有を判定した。
【0044】
<判定基準>
HPのコロニーを認めないか、認めても数個(5個以内)の被験薬物の最小濃度をMIC値(μg/ml)として数値で表示した。
【0045】
MTT:細胞障害・保護作用試験
<意義>
細胞レベルでの毒性がないことを確認する。細胞レベルでの毒性があるものも、抗潰瘍剤としては不適当である。また、他の細胞レベルの試験における被験薬物の作用が毒性によるものではないことを確認することができる。
【0046】
<方法>
雄性日本白色種家兎(2.5〜3kg)をネンブタールTMで麻酔死させ、直ちに胃を摘出した。胃大彎を切開して胃内容物を除去し、粘膜表面をHBSS(Hanks'balanced salt solution)で洗浄したのち、氷冷したHBSS中で実験室へ運搬した。幽門前庭部を取り除き、胃体部粘膜をスパチラではがし、BME(Basal Medium Eagle)中で2〜3mmに細切した後、ディスパーゼ280U/ml及びコラゲナーゼ30〜50U/ml(メディウム:BME60ml)にて37℃で15分間120〜130回/分振盪した。なお、コラゲナーゼ濃度はロットが変わるごとに、細胞の状態を見て適宜変更した。1mMEDTA含有EBSS(Earle's Balanced Salt Solution)で2回洗浄した後、1mMEDTA含有MEM(Minimum Essential Medium)で5分間37℃で振盪した。次に、前述と同濃度のディスパーゼ・コラゲナーゼで15分振盪させて上清を除去し、さらに50〜60分間、37℃・120〜130回/分振盪した。その後、HBSSで2回洗浄した後、2%Ultrocer GTMを含むHam F12にて1×10Cells/mlとし、96穴プレートに200μlづつ分注した。37℃・5%CO・95%airで3日間インキュベートしてコンフルエントに達した状態で、MTTアッセイに用いた。
【0047】
被験薬物は10-2MとなるようにDMSOに溶解し、最終濃度10-4Mとなるように2%Ultrocer GTM含有HBSSで希釈した。8well/群とし、メディウム100μlと交換後直ちにMTT試薬10μlを加えた。37℃・5%CO2・95%airで4時間インキュベート後、遠心して上清を捨て、100%エタノール100μlを加えてMTTホルマザンを溶解し、マイクロプレートリーダーで吸光度(OD570−630)を測定した。これは生細胞のミトコンドリアのみによってMTTがMTTホルマザンに変化し、色が変わる現象を利用した方法である。
【0048】
<判定基準>
最終濃度10-4Mにおける被験薬物の細胞障害作用または細胞保護作用を細胞障害率(%)として表した。
細胞障害率(%)=(1-(被験薬物群の吸光度/対照群の吸光度))×100
従って、数字が小さい方が好ましい。
【0049】
以上の効果試験及び安全性試験に基づき、下記の化合物を試験した。
【0050】
[実施例1]
【化3】
Figure 0004090087
[実施例2]
【化4】
Figure 0004090087
【0051】
【表1】
Figure 0004090087
【0052】
上記表1より明らかなように、本発明にかかる化合物は優れた抗潰瘍作用、酸分泌抑制作用、ヘリコバクター・ピコリに対する高い抗菌性を有する。また、安全性も高いことが理解される。
【0053】
【実施例】
以下に本発明の実施例の製造方法を示す。
まず、本発明の化合物を合成するために用いられた原料化合物の合成法を参考例1〜3として示す。
【0054】
参考例1
4−ゲラニルオキシ安息香酸の合成
4−ヒドロキシ安息香酸メチル 7.61g のアセトン溶液 80ml に、ゲラニルブロマイド 10.9g および炭酸カリウム 13.8g を加えて、6時間加熱還流した。反応終了後、水 150mlを加えクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製して、4−ゲラニルオキシ安息香酸メチル 13.00gを得た。
4−ゲラニルオキシ安息香酸メチル 13.00g のメタノール溶液 50ml に、水酸化カリウム 3.90g の水溶液 10ml を加えた。室温で一晩攪拌した後、1時間加熱還流した。反応液に濃塩酸を加えて溶液を酸性としたのち、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた固体をヘキサン−酢酸エチルから再結晶して標題化合物 9.77g(71%)を得た。
【0055】
参考例2
4-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸エチルの合成
4-ヒドロキシ-3-メタリル安息香酸エチル25.5gをエタノール250mlに溶かし、10%パラジウムチャコール2.6gを加え、水素ガス雰囲気下、室温で41時間攪拌した。反応液を濾過後、濾液を減圧濃縮し、油状の標題化合物25.6gを得た。
【0056】
参考例3
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチル安息香酸の合成
4-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸エチル25.6g、炭酸カリウム31.8g、4-フルオロベンジルブロマイド26.1gをアセトン150ml中で4時間攪拌還流した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧濃縮して得られた残さに水50ml、水酸化カリウム12.9g、エタノール100mlを加え、2時間攪拌還流した。反応液に水を加え塩酸で中和した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を10%塩酸及び水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体を再結晶(n-ヘキサン-エタノール)することにより、標題化合物30.8gを得た。
【0057】
実施例1
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3- イソブチル安息香酸1.42gをクロロホルム50ml、トリエチルアミン1.30mlに溶解し、氷冷下ジフェニルフォスフィニッククロライド0.90mlを加えた。1時間攪拌後、3-[3-(ピペリジノメチル)フェノキシ]プロピルアミン 1.17gを加え、室温で15時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製することにより、アミド化合物2.71gを得た。
本アミド化合物をジエチルエーテル50mlに溶解し、1N-塩化水素エーテル溶液10mlを加えた。5分間室温で攪拌した後、析出した結晶を濾取し、標題化合物2.62g(98%)を得た。
【0058】
m.p. 73.8-75.8℃
1H-NMR (CDCl3)δ: 11.95(1H, s), 7.86-7.48(3H, m), 7.38(2H, d, J=8.3Hz), 7.07(2H, d, J=8.3Hz), 7.05-6.86(4H, m), 5.06(2H, s), 4.30-3.90(4H, m), 3.74-3.30(4H, m), 3.15-2.47((3H, m), 2.55(2H, d, J=6.8Hz), 2.38-2.05(4H, m), 2.01-1.30(5H, m), 0.89(6H, d, J=6.8Hz).
【0059】
実施例2
4-ゲラニルオキシ安息香酸1.50gをクロロホルム100ml、トリエチルアミン1.52mlに溶解し、氷冷下ジフェニルフォスフィニッククロライド1.04mlを加えた。1時間撹拌後、3-[3-(ピペリジノメチル)フェノキシ]プロピルアミン 1.49gを加え、室温で一晩撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製した。得られた固体を再結晶(n−ヘキサン/酢酸エチル)することにより、標題化合物2.07gを得た。
【0060】
m.p. 74.7-75.6℃
1H-NMR (CDCl3)δ: 7.73(2H, d, J=8.6Hz), 7.20(1H, t, J=7.9Hz), 6.98-6.86(4H, m), 6.83-6.76(1H, m), 6.58(1H, m), 5.48(1H, t, J=6.4Hz), 5.14-5.05(1H, m), 4.58(2H, d, J=6.4Hz), 4.12(2H, t, J=6.4Hz), 3.57(2H, q, J=4.9Hz), 3.43(2H, s), 2.37(4H, m), 2.19-2.02(6H, m), 1.74(3H, s), 1.68(3H, s), 1.66-1.49(7H, m), 1.49-1.35(2H, m).
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかるベンズアミド誘導体は、優れた抗潰瘍効果及びヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用と、高い安全性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるベンズアミド誘導体の製造行程の一例を示す説明図である。
【図2】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合物の製造行程の一例を示す説明図である。
【図3】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合物の製造行程の一例を示す説明図である。
【図4】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合物の製造行程の一例を示す説明図である。
【図5】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合物の製造行程の一例を示す説明図である。
【図6】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合物の製造行程の一例を示す説明図である。

Claims (8)

  1. 下記一般式化1で示されることを特徴とするベンズアミド誘導体又はその塩。
    Figure 0004090087
    (化1中、Rは水素原子又は低級アルキル基であり、Rはベンジル基又はアルケニル基である。nは1〜6の整数である。)
  2. 請求項1記載の化合物において、nが3であることを特徴とするベンズアミド誘導体又はその塩。
  3. 請求項1又は2記載の化合物において、Rが低級アルキル基であり、且つRがベンジル基であることを特徴とするベンズアミド誘導体又はその塩。
  4. 請求項3記載の化合物において、Rがイソブチル基であり、且つRが4−フルオロベンジル基であることを特徴とするベンズアミド誘導体又はその塩。
  5. 請求項1又は2記載の化合物において、Rが水素原子であり、且つRがアルケニル基であることを特徴とするベンズアミド誘導体又はその塩。
  6. 請求項5記載の化合物において、Rがゲラニル基であることを特徴とするベンズアミド誘導体又はその塩。
  7. 請求項1〜6何れかに記載のベンズアミド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分とする抗潰瘍剤。
  8. 請求項1〜6の何れかに記載のベンズアミド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分とするヘリコバクター・ピロリに対する抗菌剤。
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