JP4089416B2 - カートリッジユニットの組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着されるカートリッジユニットの組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを用いた複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置には、電子写真感光体(以下、単に「感光体」という。)にトナーを付着させる現像器、この現像器へ供給されるトナーを収容したトナーカートリッジ、感光体からのトナー像の転写完了後に残留トナーを回収するクリーニング器、感光体の像担持面を所定電位に帯電する帯電器等のプロセス部品の少なくとも1個が感光体と共に一体的に支持されたプロセスカートリッジを備えたものがある。このようなプロセスカートリッジは、メンテナンスを容易にするため画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着されており、構成部品のうち何れかの耐用期間が経過した場合には、ユーザ、サービスエンジニア等により新しいものに交換される。この画像形成装置から取り外されたプロセスカートリッジは、多くの場合、ユーザからメーカーへ返却され、メーカーにより分解、検査、清掃、耐用期間が経過した部品の交換、再組立等のリサイクル工程を経て、市場へ再出荷される。
【0003】
上記のようなプロセスカートリッジでは、樹脂製のケーシング、シャーシ等の比較的大型の部材(被取付部材)に樹脂、金属等からなる比較的小型の部材(取付部材)を取り付ける際には、被取付部材に円形断面を有する下穴を予め形成しておき、この下穴内に取付部材に係合させたタッピンねじをねじ込むことにより、被取付部材に取付部材をタッピンねじにより締結固定することが多く行われる。このとき、タッピンねじは、その呼び径が下穴の内径に対応するものが用いられ、このタッピンねじを下穴内にねじ込み、所定の締結トルクを発生させることにより、タッピンねじのねじ山(雄ねじ部)により下穴の内周面にねじ山(雌ねじ部)が形成され、これらの雄ねじ部と雌ねじ部との作用によりタッピンねじが安定的に下穴内に固定された状態に保持される。
【0004】
ところで、プロセスカートリッジのリサイクル工程においては、タッピンねじを下穴内から抜き取る際、又は下穴内にタッピンねじをねじ込む際に、最初のねじ込み時に下穴に形成された雌ねじ部が、タッピンねじからの軸方向に沿った荷重(スラスト荷重)及びタッピンねじの回転方向に沿った摩擦力により剪断破壊することがある。このように雌ねじ部が破壊された状態では、タッピンねじを十分に大きな締結トルクで下穴内へねじ込むことができなくなり、下穴内へねじ込まれたタッピンねじの固定状態が不安定になる。このような状態のままプロセスカートリッジがユーザへ出荷されると、プロセスカートリッジの使用中にタッピンねじが緩んでしまい、プロセスカートリッジの動作不良、トナー洩れ等の不具合を生じさせたり、画像形成装置の故障原因になるおそれがある。
【0005】
上記のようにタッピンねじの固定状態が不安定になることを防止するため、例えば、特許文献1には、プロセスカートリッジにおいて、タッピンねじ用下穴を有する樹脂部材を側板や筐体等の樹脂製のケーシング、シャーシ等の構造体に組み込み、この下穴を有する樹脂部材を交換可能としたものが記載されてい。この特許文献1のプロセスカートリッジでは、タッピンねじをねじ込むことで下穴が破壊されると、構造体(被取付部材)から破壊された下穴を有する樹脂部品を取り外し、未使用の下穴を有する新しい樹脂部品を被取付部材に組み込む(嵌挿)することにより、被取付部材全体を廃棄することなく、下穴を新しいものにすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−210969公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メーカ等によるプロセスカートリッジのリサイクル工程では、タッピンねじを下穴内へねじ込む際に、その下穴の雌ねじ部が破壊されているか否かを定量的に判断することは難しく、多くの場合は、タッピンねじが一定回数だけ下穴内にねじ込まれると、安全を見て下穴が形成された被取付部材を新しいものに交換している。このため、リサイクル工程では、実際に下穴が破壊されているか否かが不明でも、ケーシング等の被取付部材を一定回数だけリサイクルすると、被取付部材を廃棄しなければならず、下穴が形成された被取付部材の交換頻度が高くなるという問題がある。また特許文献1のプロセスカートリッジでは、被取付部材における樹脂部品を交換するだけで下穴を新しくできるが、下穴を有する樹脂部品を一定のリサイクル回数ごとに交換する作業が煩瑣であるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、タッピンねじがねじ込まれる下穴の破壊を簡単に判断すると共に、下穴の破壊が判断された場合でも、被取付部材を交換することなく、下穴内でも正常にタッピンねじをねじ込むことを可能とするカートリッジユニットの組立方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカートリッジユニットの組立方法は、画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着されるカートリッジユニットを構成する一の被取付部材にタッピンねじをねじ込み、該タッピンねじにより他の取付部材を被取付部材に締結固定するねじ止め工程を有するカートリッジユニットの組立方法であって、被取付部材に形成された下穴内に、該下穴の初期内径に対応する呼び径を有する第1のタッピンねじをねじ込みつつ、該第1のタッピンねじを前記下穴内へねじ込むためのねじ込みトルクTMを測定し、前記ねじ込みトルクTMが予め設定された目標トルクTTに達すると、前記第1のタッピンねじの前記下穴内へのねじ込みの完了を判断し、前記ねじ込みトルクTMが予め設定されたねじ込み時間S T を経過しても目標トルクTT に達しない場合には、前記第1のタッピンねじを前記下穴内から抜き取り、該第1のタッピンねじに代えて呼び径が0.1mm〜1.0mm大きい第2のタッピンねじを前記下穴内へねじ込むねじ止め工程を有し、前記目標トルクTTを、前記第1のタッピンねじの座面が取付部材又は被取付部材に着座した時の着座トルクをTI、前記第1のタッピンねじの雄ねじ部により下穴に形成された雌ねじ部が破壊される時の破壊トルクをTSとした場合に、TT=TI+(TS−TI)×K1(K1は0.3以上、0.5以下の範囲内で任意に選択された小数)により演算される値に設定することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るカートリッジユニットの組立方法では、ねじ止め工程において、被取付部材に形成された下穴内に、この下穴の初期内径に対応する呼び径を有する第1のタッピンねじをねじ込みつつ、この第1のタッピンねじを下穴内へねじ込むためのねじ込みトルクTMを測定し、第1のタッピンねじに生じるねじ込みトルクTMが予め設定された目標トルクTTに達すると、第1のタッピンねじの前記下穴内へのねじ込みの完了を判断し、また、ねじ込みトルクTMが予め設定されたねじ込み時間S T を経過しても目標トルクTT に達しない場合には、第1のタッピンねじを前記下穴内から抜き取り、該第1のタッピンねじに代えて呼び径が0.1mm〜1.0mm大きい第2のタッピンねじを前記下穴内へねじ込む。
【0013】
このとき、目標トルクTTを、第1のタッピンねじの座面が取付部材又は被取付部材に着座した時の着座トルクをTI、第1のタッピンねじの雄ねじ部により下穴に形成された雌ねじ部が破壊される時の破壊トルクをTSとした場合に、TT=TI+(TS−TI)×K1(K1は0.3以上、0.5以下の範囲内で任意に選択された小数)により演算される値に設定することにより、第1のタッピンねじのねじ込みトルクTMが所定時間内に目標トルクTTに達した場合には、下穴の雌ねじ部が破壊されておらず、第1のタッピンねじが正常に下穴内にねじ込まれと判断でき、また第1のタッピンねじのねじ込みトルクTMが所定時間内に目標トルクTTに達しない場合には、下穴の雌ねじ部が破壊されており、第1のタッピンねじを正常に下穴内にねじ込むことができないと判断できるので、被取付部材に形成された下穴が破壊されているか否かを定量的に、かつ簡単に判断できる。
【0014】
また下穴の雌ねじ部が破壊されていると判断された場合には、第1のタッピンねじにおけるねじ山の高さに対応する寸法だけ実質的に下穴の内径が初期内径よりも拡大されていると見なせ、このように拡大された下穴内に第1のタッピンねじに代えて呼び径が0.1mm〜1.0mm大きい第2のタッピンねじを下穴内へねじ込むことにより、第2のタッピンねじの雄ねじ部により内径が拡大した下穴の内周面に新たに雌ねじ部を形成することができるので、被取付部材又は、被取付部材における下穴が形成された部品を新しいものに交換しなくても、タッピンねじ(第2のタッピンねじ)を下穴内に正常にねじ込み、このタッピンねじにより取付部材を被取付部材へ締結固定できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジ及びその組立方法について図面を参照して説明する。
【0020】
(プロセスカートリッジの構成及び組立方法)
図1には、本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジが示されている。このプロセスカートリッジ10は、公知の電子写真プロセスにより画像を形成するレーザプリンタ等の画像形成装置に着脱可能に装着されるものである。この画像形成装置は、外部装置から入力した画像情報に基づいて電子写真感光体上に画像(トナー像)を形成し、このトナー像を記録紙等に記録するものである。ここで、電子写真プロセスとは、電子写真感光体に対する帯電、レーザー露光による静電潜像の形成、トナーによる静電潜像の現像を経て電子者写真感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写し、これを加熱定着することで記録材に画像を記録する一連のプロセスを言い、本実施形態では、特に、この電子写真プロセス及び電子写真プロセスに直接的に関係する電子写真感光体等の部品をプロセス部品という。
【0021】
プロセスカートリッジ10は、画像形成装置に設けられた装着部(図示省略)へ着脱可能に装着されることで、他の部品と共に画像形成装置を構成する。図1に示されるように、プロセスカートリッジ10には、画像形成装置の外装部の一部を構成する外装パネル部12が設けられると共に、外装パネル部12と一体的に筐体部14が設けられ、これらの外装パネル部12及び筐体14は、プロセスカートリッジ10における各種のプロセス部品を支持するための支持フレーム16を構成している。
【0022】
プロセスカートリッジ10の支持フレーム16には、幅方向(矢印W方向)に沿って一端側(図1の右側)に略円筒状のトナータンク18が設けられ、他端側に略角柱状の作像ケーシング20が設けられている。作像ケーシング20内には、電子写真感光体である感光体ドラムが配置されると共に、この感光体ドラムの外周側に隣接して帯電器、現像器、除電器、クリーング器等のそれぞれユニット化されたプロセス部品が配置されている。またトナータンク18内には、トナーが充填されると共に、このトナーを攪拌しつつ現像器へ所定の供給速度で供給するためのアジテータ等が取り付けられている。これらの支持フレーム16に取り付けられた部品については、何れも公知のものであるので説明を省略する。
【0023】
ここで、支持フレーム16における作像ケーシング20及びトナータンク18は、それぞれABS(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、ポリスチレン樹脂等の樹脂材料を素材として一体的にモールド成形されている。なお、プロセスカートリッジ10を構成するプロセス部品としては、上記のものに限定されるものではなく、例えば、画像形成装置の構成に応じて追加、省略される場合があり、例えば、トナータンク18に相当する部分がプロセスカートリッジ10から省略され、この部分が画像形成装置に独立して着脱可能とされたカートリッジユニット(トナーカートリッジ)とされる場合もある。
【0024】
上記のように構成されたプロセスカートリッジ10は、例えば、トナータンク18内から全てのトナーが現像器へ供給された場合や、構成部品のうち何れか、例えば、感光体ドラムの耐用期間が経過した場合に、ユーザ、サービスエンジニア等により新しいものに交換される。この画像形成装置から取り外された使用済みのプロセスカートリッジ10は、通常、ユーザからメーカーへ返却され、メーカにより所定のリサイクル処理(図4参照)が行われてリサイクル品として市場(ユーザ)へ再出荷される。
【0025】
図4に示されるように、市場からメーカへ回収された使用済みのプロセスカートリッジ10はリサイクルラインへ集められ、このリサイクルラインにて、先ず、プロセスカートリッジ10単体として再生可能な良品と再生できない不良品とに選別される(ステップ102の)。ここで、不良品として選別されたプロセスカートリッジ10は、原料、部品等を回収するためのスクラップ品とされる。また良品として選別されたプロセスカートリッジ10は、分解工程にて支持フレーム16から感光体ドラム、現像器、クリーニング器、除電器、アジテータ等が取り外されると共に、トナー洩れを防止するためのシール材等の消耗部品が取り外される(ステップ104)。
【0026】
ステップ104の分解工程にて、支持フレーム16から取り外されたプロセス部品等及び支持フレーム16は、ステップ106の洗浄工程にてトナー、異物等の汚れが除去された後、ステップ108の検査工程にて部品単位で品質検査が行われ、再使用が可能な良品か再使用ができない不良品と選別される。ここで、不良品とされた部品については、原料、部品等を回収するためのスクラップ品とされる。また良品として選別された部品は、ステップ110の組立工程へ送られ、この組立工程にて、必要に応じて消耗部品の交換等が行われた後、支持フレーム16に感光体ドラム、現像器、クリーニング器、除電器、アジテータ等が取り付けられて、プロセスカートリッジ10として再び組み立てられる。この組立工程では、リサイクル品のみを使用してプロセスカートリッジ10を組み立てる必要は無く、支持フレーム16を含め未使用の部品とリサイクル品とを混在させてプロセスカートリッジ10を組み立てる。
【0027】
ステップ110の組立工程にて組み立てられたプロセスカートリッジ10は、ステップ112の品質検査工程へ送られ、この品質検査工程にてプロセスカートリッジ10単体としての最終的な品質検査が行われる。ここで、品質検査に不合格になったものは、その不具合の内容に応じてスクラップ品とされるか、組立工程(ステップ110)へ戻され、不具合の原因となった部品の交換等の手直し作業が行われる。また品質検査に合格したプロセスカートリッジ10は梱包され、市場に再出荷される(ステップ114〜116)。
【0028】
次に、図4に示されるリサイクル処理における分解工程(ステップ104)及び組立工程(ステップ110)について図1及び図2を参照して詳細に説明する。
【0029】
先ず、分解工程にて、作像ケーシング20内から各種のプロセス部品を取り外す際には、図1に示されるように、作像ケーシング20の側面部21に形成された複数の下穴28(図2参照)にそれぞれねじ込まれた複数本のタッピンねじ23を電動ドライバ等の工具により抜き取る。これらのタッピンねじ23は、図2に示されるように、例えば、1個乃至複数個の帯電器等のプロセス部品30を作像ケーシング20の側面部21に直接的に締結固定すると共に、プレート状のカバープレート25を作像ケーシング20の側面部21に締結固定している。このとき、カバープレート25は、図2に示されるようにカバープレート25に穿設された取付穴26に挿通した状態で下穴28内にねじ込まれている。
【0030】
作像ケーシング20の側面部21から全てのタッピンねじ23を抜き取ることにより、タッピンねじ23により直接的に側面部21に締結固定されたプロセス部品30を作像ケーシング20内から抜き取ることが可能になると共に、カバープレート25を側面部21から取り外すことが可能になる。このとき、カバープレート25を作像ケーシング20から取り外すと、側面部21に開口した開口部(図示省略)を通して、作像ケーシング20内から感光体ドラム、クリーニング器等の主要なプロセス部品を取り外すことが可能になる。
【0031】
また、トナータンク18内からアジテータ等の部品を取り外す際にも、作像ケーシング20の場合と同様に、トナータンク18の側面部19に形成された下穴28(図2参照)にそれぞれねじ込まれ、蓋部材27を側面部19に締結固定した複数本のタッピンねじ23をそれぞれ下穴28内から抜き取る。これにより、蓋部材27を側面部19から取り外すことが可能になり、蓋部材27を取り外すことにより、側面部19に開口した開口部(図示省略)を通してトナータンク18内からアジテータ等の構成部品を抜き取ることが可能になる。
【0032】
一方、組立工程にて、プロセス部品を作像ケーシング20内へ取り付ける際には、分解工程とは逆の手順で、側面部21の開口部を通してプロセス部品を作像ケーシング20内の所定の部位へ装着した後、カバープレート25の取付穴26を挿通したタッピンねじ23を下穴28内に電動ドライバによりねじ込むと共に、側面部21に直接的に取り付けられるプロセス部品30の取付穴を挿通したタッピンねじ23を下穴28内へねじ込む。これにより、作像ケーシング20へのプロセス部品の取り付けが完了する。またトナータンク18内へアジテータ等の部品を取り付ける際にも、作像ケーシング20の場合と同様に、アジテータ等の部品を側面部19の開口部を通してトナータンク18内の所定の部位へ装着した後、蓋部材27の取付穴を挿通したタッピンねじ23を下穴28内に電動ドライバによりねじ込む。これにより、トナータンク18へのアジテータ等の部品の取り付けが完了する。
【0033】
但し、上記の組立工程では、カバープレート25、蓋部材27等を作像ケーシング20及びトナータンク18へ複数本のタッピンねじ23により締結固定する際に、各タッピンねじ23に発生するねじ込みトルクTMを測定し、このねじ込みトルクTMが所定の時間(ねじ込み時間)ST以内に予め設定された目標トルクTT以上になった場合のみ、タッピンねじ23が正常に下穴28内へねじ込まれたと判断し、ねじ込みトルクTMがねじ込み時間STを経過しても目標トルクTTに達しない場合には、そのタッピンねじ23の下穴28内へのねじ込み不良を判断するねじ込みチェックが行われる。このとき、ねじ込み時間STは0.5〜2.0(秒)の範囲内で設定される。
【0034】
このとき、ねじ込みチェックにより全てのタッピンねじ23が下穴28内へ正常にねじ込まれた判断された場合には、これらのタッピンねじ23により組み立てられたプロセスカートリッジ10は、検査工程(図3のステップ110)へ送られる。一方、ねじ込みチェックにより何れかのタッピンねじ23のねじ込み不良が判断された場合には、このタッピンねじ23が下穴28内へねじ込まれたプロセスカートリッジ10に対しては所定の手直し作業が行われる。
【0035】
手直し作業では、先ず、ねじ込み不良と判断された下穴28内へねじ込まれたタッピンねじ23(これを他のタッピンねじ23と、区別する必要がある場合には、「タッピンねじ23S」と表記する。)を下穴28内から抜き取り、タッピンねじ23Sよりも呼び径が1サイズだけ大きいタッピンねじ(これを他のタッピンねじと、区別する必要がある場合には、「タッピンねじ23L」と表記する。)を下穴28内へ電動ドライバによりねじ込む。この際にも、タッピンねじ23Lに発生するねじ込みトルクTMがねじ込み時間ST以内に予め設定された目標トルクTT以上になった場合のみ、タッピンねじ23Lが正常に下穴28内へねじ込まれたと判断し、ねじ込みトルクTMがねじ込み時間STを経過しても目標トルクTTに達しない場合には、タッピンねじ23Lのねじ込み不良を判断するねじ込みチェックが行われる。なお、本実施形態では、組立工程の管理を簡単、かつ間違い無く行うために、タッピンねじ23Lの頭部が塗料等により着色され、タッピンねじ23Sの頭部とは異なる色になっている。
【0036】
2回目のねじ込みチェックにより全てのタッピンねじ23Lが正常に下穴28にねじ込まれた判断された場合には、これらのタッピンねじ23Lを含むタッピンねじ23により組み立てられたプロセスカートリッジ10は、検査工程(図3のステップ110)へ送られる。一方、ねじ込みチェックにより何れかのタッピンねじ23Lのねじ込み不良が再び判断された場合には、下穴28内からタッピンねじ23Lを抜き取り、タッピンねじ23Lよりも更に1サイズ大きいタッピンねじ23をねじ込むようにしても、あるいはタッピンねじ23Lが下穴28内へねじ込まれたプロセスカートリッジ10をスクラップ品としてリサイクル処理の工程からラインアウトするようにしても良い。
【0037】
なお、本実施形態に係る組立工程において、下穴28にねじ込まれ、上記のねじ込みチェックが行われるタッピンねじ23としては、JIS B 1122に規定された2種のものを用いている。但し、下穴28内へねじ込むタッピンねじ23としては、先端部が尖っていない形状のものであれば、他の種類のタッピンねじでも使用可能であることから、2種のタッピンねじに代えて4種のタッピンねじを使用しても良い。
【0038】
また、目標トルクTTは、タッピンねじ23のサイズ毎に、下記(1)式に基づいて設定される。なお、(1)式において、TIは、タッピンねじ23における頭部32の座面33(図3参照)がカバープレート25等へ密着(着座)した時のねじ込みトルクである着座トルク、TSは、タッピンねじ23のタッピンねじの雄ねじ部34により下穴28に形成された雌ねじ部36(図7(C)参照)が破壊(剪断破壊)された時のねじ込みトルクである破壊トルクをそれぞれ示し、また定数K1は、0.3以上、0.5以下の範囲内で任意に選択された小数である。着座トルクTI、破壊トルクTS及び定数K1の設定方法については、後述の(着座トルクTI、破壊トルクTS及び定数K1の設定方法)の欄にて詳細に説明する。
【0039】
TT=TI+(TS−TI)×K1・・・(1)
図3には、本実施形態に係るJIS B 1122に規定された2種のタッピンねじが模式的に示され、また下記の(表1)には、本実施形態に係るタッピンねじ23として適用可能なタッピンねじの呼び径D並びに、その山径の最大値DTMAX、最小値DTMIN及び谷径の最大値DVMAX及び最小値DVMINがそれぞれ示されている。
【0040】
【表1】
本実施形態に係るプロセスカートリッジ10の組立に用いられるタッピンねじ23は、一般に市販されている規格サイズ(JIS)から選んだ場合には、上記(表1)のものが使用可能である。例えば、タッピンねじ23Sとして呼び径Dが3.0mmのものを用いた場合には、1サイズ大きいタッピンねじ23Lとして呼び径3.5mmのものが選択される。
【0041】
本実施形態に係るプロセスカートリッジ10の組立に用いられるタッピンねじ23は、必ずしも規格サイズのものである必要はなく、タッピンねじ23Sに対してタッピンねじ23Lが下記(2)式及び(3)式の関係を満たせば、(表1)に示されている規格サイズに限定されることなく、すなわち規格外のサイズのものも使用可能である。これら(2)式及び(3)式において、D1はタッピンねじ23Sの呼び径、DT2はタッピンねじ23Lの山径、DV2はタッピンねじ23Lの谷径であり、また定数K2は1.08以上、1.25以下の範囲内で任意に選択された小数、定数K3は0.78以上、0.95以下の範囲内で任意に選択された小数である。
【0042】
DT2=D1×K2・・・(2)
DV2=D1×K3・・・(3)
上記(2)式及び(3)式における定数K2は、(表1)に示される(タッピンねじ23Lの山径DT)/(タッピンねじ23Sの呼び径D)の最小値から最大値までの範囲を含むように設定したものであり、また定数K3は、(表1)に示される(タッピンねじ23Lの谷径DV)/(タッピンねじ23Sの呼び径D)の最小値から最大値までの範囲を含むように設定したものである。
【0043】
また、本実施形態に係るタッピンねじ23Sは、下穴28の初期内径DH(図2参照)に適合する呼び径Dを有するものが選択される。ここで、初期内径DH(図2参照)に適合するタッピンねじ23Sとしては、その山径DTMINが内径DH以上であって、かつ谷径DVMINが内径DH以下であれば、適合するものとして使用可能である。また下穴28ついては、モールド成形時のモールド(インサートコア)からの抜け性を良くするため、入口側から奥側へ向って先細りのテーパを付けるようにしても良い。
【0044】
(着座トルクTI、破壊トルクTS及び定数K1の設定方法)
次に、目標トルクTTを演算するために必要となる着座トルクTI、破壊トルクTS及び定数K1の設定方法について説明する。
【0045】
図5には、着座トルクTI、破壊トルクTSを設定するためのトルク測定装置40が示されている。このトルク測定装置40には、支持基台42が設けられると共に、この支持基台42上にトルク変換器54が固定されている。トルク変換器54は、一対のフレキシブルカップリング44,46間に生じるトルクを測定し、この測定トルクTMを電気信号としてアンプ56及びオシロスコープ58からなるデータ記録部60へ出力するものである。
【0046】
トルク測定装置40では、一方のフレキシブルカップリング44にタッピンねじ23のねじ込みに用いられる電動ドライバ48が連結され、他方のフレキシブルカップリング46にタッピンねじ23の十字穴に適合する先端部51を有するビット50が軸受53を介して連結されている。このビット50の先端部51は、樹脂製の試験片52に形成された下穴28に挿入されたタッピンねじ23の十字穴に嵌合している。試験片52は、支持基台42上に配置されたクランパ(図示省略)によりクランプされており、このクランパは、試験片52を一定の押圧力でビット50側へ加圧する加圧機構を有している。
【0047】
ここで、試験片52はそれぞれ樹脂材料の種類及び下穴28の内径DHがそれぞれ異なる複数種類のものが用意されており、本実施形態では、これらの試験片52が順次、トルク測定装置40による試験に供される。具体的には、試験片52は、本実施形態のプロセスカートリッジ10と同一のポリスチレン樹脂、ABS等により成形されたものを用い、下穴28の内径DHとしては、3.0mm、3.5mm及び4.0mmの何れかを選択した。
【0048】
図6には、図5に示されるトルク測定装置40により測定された測定トルクTMと、下穴28に対するタッピンねじ23のねじ込み量RVとの関係が示されている。なお、図6で、細線で示されているトルクは、オシロスコープ58により記録された実データDTであり、太線で示されているトルクは、実データDTを規格化処理した測定トルクTMである。また図7(A)にはタッピンねじ23がねじ込まれる前の下穴28が示され、図7(B)〜(F)にはタッピンねじ23のねじ込み回数の増加に伴う下穴28の形状変化が示されている。
【0049】
図6において、TIはタッピンねじ23の座面33が試験片52に当接した時のねじ込みトルクである着座トルク、またTSはタッピンねじ23の雄ねじ部34により下穴28に形成された雌ねじ部36(図7(B)参照)が剪断破壊した時のねじ込みトルクである破壊トルクである。
【0050】
図6から明らかなように、測定トルクTMは、タッピンねじ23のねじ込み開始から着座するまでは比較的低い増加率で増加する。このとき、内径が略一定であった下穴28(図2(A)及び図7(A)参照)には、図7(B)に示されるように、タッピンねじ23の雄ねじ部34により雌ねじ部36が切削形成される。
【0051】
タッピンねじ23を着座後も更に下穴28内へねじ込み続けると、測定トルクTMが急激に増加する。このときの測定トルクTMをクラピングトルクといい、このクラピングトルクは軸方向に沿った締結力に変換され、タッピンねじ23により取付部材を被取付部材に固定するための有効な力として作用する。従って、クラピングトルクの絶対値が大きい方が、タッピンねじ23による締結力も大きいものになる。
【0052】
タッピンねじ23を更に下穴28内へねじ込み、クラピングトルクが試験片52の剪断強度に対応する値よりも大きくなると、下穴28の内周面に形成された雌ねじ部36が軸方向に沿った締結力に耐えきれなくなり、雌ねじ部36を構成する各ねじ山が根元部から破断する、所謂「ねじばか」と言われる破壊現象が発生する。図7(F)には「ねじばか」の破壊現象が生じた下穴28の状態が模式的に示されている。この図から明らかなように、破壊現象後の下穴28はタッピンねじ23の山径よりも僅かに大径とされた穴となる。
【0053】
下穴28の剪断破壊後も、タッピンねじ23を更に下穴28内へねじ込むと、測定トルクTMが急激に低下してクラピングトルクが減少する。従って、破壊トルクTSに達した後に、タッピンねじ23を更に下穴28内へねじ込むと、タッピンねじ23による締結力が著しく不安定になって、取付部材の脱落等の原因となり得る。
【0054】
また、図8には、呼び径一定(例えば、3.5mm)のタッピンねじ23を下穴28内へねじ込む際における、着座トルクTI及び破壊トルクTSと下穴28の初期内径DHとの関係が示されている。
【0055】
ここで、図8に示される下穴26の内径の中心値CPは以下のような意味を有する。下穴28の内径が中心値CPに対して減少するに従って、着座トルクTIが徐々に増加するが、破壊トルクTSは急激に減少する。これは、内径DHが減少するに従って雌ねじ部36が形成される時に生じる摩擦熱量が増加することから、熱影響により下穴28の剪断強度が低下することにより生じるものである。また下穴28の内径が中心値CPに対して増加するに従って、着座トルクTIが徐々に減少するが、この場合にも、破壊トルクTSは急激に減少する。これは、内径DHが増加するに従って、タッピンねじ23の雄ねじ部34と下穴28内に形成される雌ねじ部36との掛かり代が減少することから、雌ねじ部36における軸方向に沿った締結力を受ける有効面積が減少するために生じるものである。これらの点を考慮すると、下穴28の内径DHは、中心値±10%の範囲(安定領域SA)内の値に設定することが望ましい。
【0056】
従って、タッピンねじ23によりカバープレート25等の取付部材を作像ケーシング20等の被取付部材に安定的に締結固定するためには、着座トルクTIと破壊トルクTSとの差が大きいほうが好ましい。このため、下穴28の内径DHは、タッピンねじ23の谷径の平均値と略等しい値に設定することが必要となる。
【0057】
また下穴28に形成された雌ねじ部36の剪断破壊を防止するためには、経験的に、タッピンねじ23のねじ込みトルクTMを、着座トルクTIよりも十分に大きく、かつ着座トルクTIと破壊トルクTSとの平均値よりも下の領域に設定することが有効である。このことから、本実施形態では、既に説明したように、タッピンねじ23のねじ込みトルクTMが、TT=TI+(TS−TI)×K1(K1は0.3以上、0.5以下の範囲内で任意に選択された小数)により演算された値に設定される。なお、図8には、本実施形態において、ねじ込みトルクの目標トルクTTとして設定される領域が安定領域SAとして示されている。
【0058】
図9には、呼び径3.0、3.5及び4.0の3種類のタッピンねじ23をABS製の試験片52に形成された下穴28にねじ込んだ際における、着座トルクTI及び破壊トルクTSと下穴28の内径DHとの関係が示されている。この図9において、DU3.0、DU3.5及びDU4.0は、下穴28の内径として設定可能な着座トルクTIと破壊トルクTSとの差が十分に大きい範囲を示しており、実際の内径DHは、着座トルクTIと破壊トルクTSとの差が最も大きい付近に設定される。またDT3.0、DT3.5及びDT4.0は、タッピンねじ23の山径DTの平均値であり、剪断破壊後の下穴28の内径よりも僅かに小径となる値である。
【0059】
図9から明らかなように、呼び径3.0のタッピンねじ23のDT3.0、DT3.5及びDT4.0は、それぞれ1サイズ大きいタッピンねじ23のDU3.0、DU3.5及びDU4.0の中心値に近似する値となっており、このことからも、タッピンねじ23Sにより下穴28に剪断破壊が生じた場合に、タッピンねじ23Sに代えて1サイズ大きいタッピンねじ23Lを下穴28にねじ込むことにより、タッピンねじ23Lにより十分に大きな締結力を安定的に発生できることが解る。
【0060】
次に、図2、図7及び図10を参照してタッピンねじ23を複数回に亘って下穴28へ着脱した際における、タッピンねじ23の着脱回数の増加に伴う下穴28の形状変化について説明する。
【0061】
図2(A)及び図7(A)には、それぞれタッピンねじ23をねじ込む前の下穴28が示されている。実際の下穴28は、図7(A)に示されるように、モールド成形によるひけの影響により深さ方向に沿った中間部がやや膨らんだ形状となっているが、略一定の内径DHのものになっている。また図2(B)及び図7(B)には、1回目にタッピンねじ23Sがねじ込まれた時の下穴28が示されており、図7(C)、(D)及び(E)には、1回目、2回目及び3回目にタッピンねじ23Sがねじ込まれ、このタッピンねじ23Sが抜き取られた後の下穴28がそれぞれ示されている。また図2(C)及び図7(F)には、タッピンねじ23Sを下穴28の雌ねじ部36が剪断破壊されるまで繰返しねじ込んだ後の下穴28が示されている。
【0062】
図7(B)〜(E)から明かなように、下穴28は、タッピンねじ23の着脱回数の増加に伴って雌ねじ部36の谷幅が徐々に広がると共に、谷間の部分に凹凸が形成されるように形状変化して行く。これにより、雌ねじ部36のねじ山における軸方向に沿った締結力を受ける部分の面積が減少し、最終的には締結力によりねじ山が根元から破断し、図2(C)及び図7(F)に示すようにタッピンねじ23Sの山径DTと等しい内径を有する下穴28が形成される。
【0063】
また、図10(A)及び(B)には、タッピンねじ23により剪断破壊された下穴28及び、この下穴28にタッピンねじ23Sよりも1サイズ大きいタッピンねじ23Lを着脱した後の下穴28がそれぞれ示されている。図2(D)に示されるように、タッピンねじ23Sにより剪断破壊された下穴28内へ1サイズ大きいタッピンねじ23Lをねじ込むことにより、図10(B)に示されるように、拡大した下穴28にタッピンねじ23Lの雄ねじ部34に対応する雌ねじ部37を新たに形成できる。従って、タッピンねじ23Lをタッピンねじ23Sに代えて下穴28内へ所定の目標トルクTTでねじ込むようにすれば、タッピンねじ23Sにより下穴28が剪断破壊された後であっても、タッピンねじ23Lにより十分大きな締結力を発生できるので、タッピンねじ23Lによりカバープレート25等の取付部材を作像ケーシング20等の被取付部材へ安定的に取り付けることができる。
【0064】
以上説明した本実施形態に係るプロセスカートリッジ10の組立方法では、ねじ止め作業を含むプロセスカートリッジ10の組立工程において、支持フレーム16に形成された下穴28内に、この下穴の初期内径DHに対応する呼び径を有するタッピンねじ23Sをねじ込みつつ、このタッピンねじ23Sを下穴28内へねじ込むためのねじ込みトルクTMを測定し、タッピンねじ23Sに生じるねじ込みトルクTMが予め設定された目標トルクTTに達すると、タッピンねじ23Sの下穴28内へのねじ込みの完了を判断し、またねじ込みトルクTMが予め設定された目標トルクTT未満に維持される場合には、タッピンねじ23Sを下穴28内から抜き取り、このタッピンねじ23Sに代えて呼び径が1サイズ大きいタッピンねじ23Lを下穴28内へねじ込む。
【0065】
このとき、目標トルクTTを、タッピンねじ23Sの座面33が着座した時の着座トルクをTI、タッピンねじ23Sの雄ねじ部34により下穴28に形成された雌ねじ部36が剪断破壊される時の破壊トルクをTSとした場合に、TT=TI+(TS−TI)×K1(K1は0.3以上、0.5以下の範囲内で任意に選択された小数)により演算される値に設定することにより、タッピンねじ23Sのねじ込みトルクTMが所定時間内に目標トルクTTに達した場合には、下穴28の雌ねじ部36が破壊されておらず、タッピンねじ23Sが正常に下穴28内にねじ込まれたと判断でき、またタッピンねじ23Sのねじ込みトルクTMが所定時間内に目標トルクTTに達しない場合には、下穴28の雌ねじ部36が破壊されており、タッピンねじ23を正常に下穴28内にねじ込むことができないと判断できるので、下穴28が破壊されているか否かを定量的に、かつ簡単に判断できる。このタッピンねじ23をねじ込む際のねじ込みトルクTMは、図5に示される電動ドライバ48に対して予めプリセットしておくことが可能であり、目標トルクTTをプリセットしておくことにより、電動ドライバ48をねじ込みトルクTMが目標トルクTTに達すると、これに同期して自動停止するように作動する。
【0066】
また下穴28の雌ねじ部36が破壊されていると判断された場合には、下穴28内にタッピンねじ23Sに代えて呼び径が1サイズ大きいタッピンねじ23Lを下穴内へねじ込むことにより、第2のタッピンねじの雄ねじ部により内径が拡大した下穴28に新たに雌ねじ部37を形成することができるので、下穴28が形成された支持フレーム16等の部材を新しいものに交換しなくても、タッピンねじ23Lを下穴28内に正常にねじ込み、このタッピンねじ23Lによりカバープレート25等の取付部材を作像ケーシング20等の被取付部材へ確実に締結固定できる。
【0067】
従って、本実施形態に係るプロセスカートリッジ10は、上記した本実施形態に係る組立方法を用いて、カバープレート25等の各種の取付部材を支持フレーム16等の被取付部材にタッピンねじ23により締結固定したことにより、プロセスカートリッジが1回乃至複数回のリサイクルを経た後でも、タッピンねじ23が被取付部材に形成された下穴28内に正常にねじ込まれ、下穴28内にねじ込まれたタッピンねじの緩みが確実に防止されるので、このタッピンねじ23により取付部材が被取付部材に確実に締結固定される。この結果、プロセスカートリッジ10におけるタッピンねじ23の緩みに起因する取付部材のガタツキ、脱落等の不具合が防止されるので、リサイクルされたプロセスカートリッジ10の信頼性を向上でき、さらにこのプロセスカートリッジ10が装着されるレーザープリンタ等の画像形成装置の信頼性も向上できる。
【0068】
なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ10をリサイクル処理する際の組立工程のみを説明しているが、本発明に係るタッピンねじ23を用いた組立方法は、画像形成装置に着脱可能に装着されるカートリッジユニットであるならば、プロセスカートリッジ10以外の各種のもの、例えば、トナーカートリッジ等へも適用可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るカートリッジユニットの組立方法によれば、タッピンねじがねじ込まれる下穴の破壊を簡単に判断すると共に、下穴の破壊が判断された場合でも、被取付部材を交換することなく、下穴内でも正常にタッピンねじをねじ込むことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの構成を示す斜視図である。
【図2】 (A)は下穴及びこの下穴にねじ込まれるタッピンねじを、(B)は下穴及びこの下穴にねじ込まれたタッピンねじを、(C)はタッピンねじが抜き取られて内径が拡大した下穴を、(D)は内径が拡大した下穴に1サイズ大きいタッピンねじをねじ込んだ状態をそれぞれ示す側面断面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係るタッピンねじを模式的に示す側面図である。
【図4】 本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジのリサイクル処理を説明するための工程フロー図である。
【図5】 着座トルクTI、破壊トルクTSを設定するためのトルク測定装置の構成を示す側面図である。
【図6】 図5に示されるトルク測定装置により測定された測定トルクTMと、下穴に対するタッピンねじ23のねじ込み量RVとの関係を示す特性図である。
【図7】 タッピンねじがねじ込まれる前の下穴及び、タッピンねじのねじ込み回数の増加に伴う下穴の形状変化が示す側面断面図である。
【図8】 呼び径一定のタッピンねじを下穴内へねじ込む際における、着座トルクTI及び破壊トルクTSと下穴28の内径DHとの関係を示す特性図である。
【図9】 呼び径3.0、3.5及び4.0の3種類のタッピンねじを下穴にねじ込んだ際における、着座トルクTI及び破壊トルクTSと下穴28の内径DHとの関係をそれぞれ示す特性図である。
【図10】 (A)はタッピンねじにより剪断破壊された下穴を、(B)は剪断破壊された下穴に1サイズ大きいタッピンねじを着脱した後の下穴をそれぞれ示す側面断面図である。
【符合の説明】
10 プロセスカートリッジ(カートリッジユニット)
18 トナータンク(プロセスカートリッジ)
20 作像ケーシング(プロセスカートリッジ)
23 タッピンねじ
23S タッピンねじ(第1のタッピンねじ)
23L タッピンねじ(第2のタッピンねじ)
28 下穴
30 プロセス部品
32 頭部
33 座面
34 雄ねじ部
36 雌ねじ部
37 雌ねじ部
40 トルク測定装置
52 試験片
Claims (4)
- 画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着されるカートリッジユニットを構成する一の被取付部材にタッピンねじをねじ込み、該タッピンねじにより他の取付部材を被取付部材に締結固定するねじ止め工程を有するカートリッジユニットの組立方法であって、
被取付部材に形成された下穴内に、該下穴の初期内径に対応する呼び径を有する第1のタッピンねじをねじ込みつつ、該第1のタッピンねじを前記下穴内へねじ込むためのねじ込みトルクTMを測定し、
前記ねじ込みトルクTMが予め設定された目標トルクTTに達すると、前記第1のタッピンねじの前記下穴内へのねじ込みの完了を判断し、
前記ねじ込みトルクTMが予め設定されたねじ込み時間S T を経過しても目標トルクTT に達しない場合には、前記第1のタッピンねじを前記下穴内から抜き取り、該第1のタッピンねじに代えて呼び径が0.1mm〜1.0mm大きい第2のタッピンねじを前記下穴内へねじ込むねじ止め工程を有し、
前記目標トルクTTを、前記第1のタッピンねじの座面が取付部材又は被取付部材に着座した時の着座トルクをTI、前記第1のタッピンねじの雄ねじ部により下穴に形成された雌ねじ部が破壊される時の破壊トルクをTSとした場合に、下記(1)により演算される値に設定することを特徴とするカートリッジユニットの組立方法。
TT=TI+(TS−TI)×K1(K1は0.3以上、0.5以下の範囲内で任意に選択された小数)・・・(1) - 前記ねじ込みトルクTMが予め設定された目標トルクTT未満に維持される場合、
前記第2のタッピンねじの山径をDT2及び谷径をDV2、前記第1のタッピンねじの呼び径をD1としたときに、下記(2)式及び(3)式を満たすように設定することを特徴とする請求項1記載のカートリッジユニットの組立方法。
DT2=D1×K2(K2は1.08以上、1.25以下の範囲内で任意に選択された小数)・・・(2)
DV2=D1×K3(K3は0.78以上、0.95以下の範囲内で任意に選択された小数)・・・(3) - 前記第1のタッピンねじの頭部と前記第2のタッピンねじの頭部とをそれぞれ異なる色とすることを特徴とする請求項1又は2記載のカートリッジユニットの組立方法。
- 前記被取付部材として、樹脂材料を素材として成形されたものを用いることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカートリッジユニットの組立方法。
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