JP4088553B2 - 光ファイバの中間素線露出方法およびその装置 - Google Patents

光ファイバの中間素線露出方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバの中間部の被覆を移動させて素線を露出する光ファイバの中間素線露出方法と、光ファイバの中間素線露出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ファイバの中間部の被覆を除去して素線(裸ファイバ)を露出させることが必要な場合がある。
【0003】
例えば、光ファイバを金属気密シール(ハーメチックシール)する場合は、光ファイバの中間部の被覆を除去して素線(裸ファイバ)を露出させ、この素線露出部の表面にスパッタリングまたは無電解メッキで金属被覆を施し、この金属被覆部を金属筐体に貫通させてハンダ固定することが行われている。
【0004】
また、例えば、耐環境性や接着剤からのアウトガスの抑制など高信頼性が要求される光部品や光モジュールの場合は、有機接着剤に代えて、ハンダやYAG溶接による封止や固定が行われている。この場合も、光ファイバの中間部の被覆を除去して素線(裸ファイバ)を露出させ、この素線露出部の表面を清浄にしたのち、スパッタリングや無電解メッキでメタライズ(金属被覆)し、このメタライズ部でハンダ固定するか、または一旦金属パイプに挿入してハンダ固定したのち、この金属パイプと他の金属部品とをYAG溶接する。
【0005】
このように光ファイバの中間部の被覆を除去する方法として、従来は、(1)光ファイバ中間部の被覆層に刃物を入れて光軸方向に切り取る方法(例えば、特許文献1参照)、(2)光ファイバ中間部の除去する被覆層の両端に周方向の切れ込みを入れ、切削刃で光軸方向の被覆を一部除去したのち、残っている被覆を溶剤で溶かして除去する方法(例えば、特許文献2参照)、(3)光ファイバ中間部の除去する所定長さ部分を熱濃硫酸に浸漬して被覆層を溶解する方法(例えば、特許文献3参照)、などがある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−318312号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−90551号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2001−318236号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法において、(1)と(2)は、刃物を使って被覆を除去するものであるため、その刃物で光ファイバ素線(裸ファイバ)に傷をつけて強度を劣化させることが懸念され、また、専用の高精度の被覆除去装置を必要とするという問題がある。また、(3)は、刃物を使って被覆を除去しないため光ファイバ素線(裸ファイバ)の強度を劣化させる虞がなく、また、溶解時間が短いという点で優れているが、危険な熱濃硫酸を使用するものであるため、設備や安全教育など充分な安全対策が必要になるという問題がある。
【0010】
この発明の課題は、上記従来のもののもつ問題点を排除して、光ファイバの中間部の被覆を光軸方向に沿って一方に移動・収縮させて素線を露出したのち、この移動・収縮した被覆が後工程で加熱されても伸長しないように工夫することで、安全かつ迅速に光ファイバ中間部の素線を露出することのできる光ファイバの中間素線露出方法およびその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するものであり、請求項1に係る発明は、光ファイバの中間部の被覆を移動させて素線を露出する方法であって、光ファイバの中間部の被覆を所定長さ加熱して軟化被覆部を形成する工程と、前記軟化被覆部の一端に素線に接触しない深さの切れ目を入れる工程と、前記軟化被覆部が前記切れ目から他端に向けて収縮して収縮被覆部を形成するように、光ファイバと当該軟化被覆部とを相対的に移動させる工程と、前記収縮被覆部を加熱し光ファイバの断面方向に圧縮することで当該収縮被覆部の長さを固定化する工程とを含む光ファイバの中間素線露出方法である。
【0012】
請求項2に係る発明は、光ファイバの中間部の被覆を移動させて素線を露出する装置であって、機台に固着された固定手段と、機台に前記固定手段との間隔を拡げる方向に移動可能に装着された移動手段とを備え、前記固定手段または前記移動手段のいずれか一方の手段に、移動手段の移動方向に沿って光ファイバを保持する保持部材を設け、他方の手段に、光ファイバの被覆を所定長さ加熱する加熱部材と、この加熱部材によって加熱される被覆の前記一方の手段寄りの端部において当該被覆に素線に接触しない深さの切れ目を入れて、移動手段の移動中この深さ位置を維持する切り込み部材とを設け、さらに、前記移動手段の移動により前記一方の手段とは反対寄りに収縮した部分の被覆を前記加熱部材との間に挟んで押圧することで、光ファイバの断面方向に圧縮する押圧部材を備えた光ファイバの中間素線露出装置である。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の発明において、前記保持部材は前記移動手段に着脱可能に設置され、前記加熱部材および前記切り込み部材は前記固定手段に設置される光ファイバの中間素線露出装置である。
【0015】
請求項に係る発明は、請求項2記載の発明において、前記移動手段の移動量を調整しながら移動させる操作部材と、前記移動手段の移動距離を表示する移動距離表示部材とを備えた光ファイバの中間素線露出装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明による光ファイバの中間素線露出装置の一実施の形態を示す蓋を開けた状態の平面図、図2は蓋を閉めた状態の正面図、図3は移動手段を移動させた状態の正面図であり、この光ファイバの中間素線露出装置10は、光ファイバの中間部の被覆を移動させて素線を露出するものである。そのため、この光ファイバの中間素線露出装置10は、機台11に固着された固定手段20と、機台11に固定手段20との間隔を拡げる方向に移動可能に装着された移動手段30とを備え、移動手段30には、移動手段30の移動方向に沿って光ファイバ1を保持する保持部材(ファイバホルダ)40が着脱可能に装着されるものである。
【0017】
固定手段20は、機台11に固着された本体21と、本体21に蝶番25を介して開閉可能に取り付けられた蓋体26とで構成される。本体21には、光ファイバ1を載せる例えばシリコンゴム製のファイバ支持部材22が設けられる一方、蓋体26には、ファイバ支持部材22に対向して光ファイバ1の被覆3を所定長さ加熱する加熱部材27が設けられる。また、本体21および蓋体26には、移動手段30寄りの端部(すなわち前端)に互いに対向して配置された下ブレード23および上ブレード28がそれぞれ設けられ、この下ブレード23および上ブレード28は、光ファイバ1の被覆3に素線2に接触しない深さの切れ目を入れて、移動手段30の移動中この深さ位置を維持する切り込み部材を構成している。そして、本体21と蓋体26とは、蓋体26を閉めた状態でフック24によって一体に留められるようになっている。
【0018】
移動手段30は、固定手段20から平行に延びた案内ロッド12a,12bに沿って移動可能に装着された本体31と、本体31に蝶番35を介して開閉可能に取り付けられた蓋体36とで構成される。本体31には、保持部材(ファイバホルダ)40を収容する収容部32が形成される一方、蓋体36には、収容部32に収容された保持部材(ファイバホルダ)40を押さえて固定する例えばゴム製のホルダ固定部材37が設けられる。そして、本体31と蓋体36とは、蓋体36を閉めた状態で本体31に取り付けたマグネット34によって一体に固定されるようになっている。
【0019】
また、移動手段30の本体31には、操作部材(スライドネジ)38の後端が回転可能に取り付けられ、操作部材(スライドネジ)38の中間部には機台11に設けたネジと螺合するネジが形成されていて、この操作部材(スライドネジ)38を回転操作することで、移動手段30の移動量を調整しながら移動させることができるようになっている。さらに、本体31にはスケール39が取り付けられ、移動手段30の移動に応じてこのスケール39が固定手段20の前端側縁位置から移動していくことで、移動手段30の移動距離を表示できるようになっている。
【0020】
保持部材(ファイバホルダ)40は、図4に示すように、本体41と、本体41に蝶番45を介して開閉可能に取り付けられた蓋体46とで構成される。本体41には、中央に両端間を延びて光ファイバ1を収容する収容部42が形成される一方、蓋体46には、収容部42に収容された光ファイバ1を押さえて固定する例えばゴム製のファイバ固定部材47が設けられる。そして、本体41と蓋体46とは、蓋体46を閉めた状態で本体41に取り付けたマグネット44によって一体に固定されるようになっている。
【0021】
さらに、この光ファイバの中間素線露出装置10は、移動手段30の移動により移動手段30とは反対寄りに収縮した部分の被覆(収縮被覆部)3bを光ファイバ1の断面方向に圧縮する例えばテフロン(登録商標)製の押圧部材50を備え、この押圧部材50は、図5(d)に示すように、収縮した部分の被覆(収縮被覆部)3bを加熱部材27との間に挟んで押圧するものである。
【0022】
次に、上記の実施の形態の作用について説明する。
まず、保持部材(ファイバホルダ)40の収容部42に光ファイバ1を収容し蓋体46を閉めてマグネット44で固定する。つぎに、移動手段30の収容部32にこの保持部材(ファイバホルダ)40を収容するとともに、光ファイバ1の素線2を露出させる部分の被覆3を固定手段20のファイバ支持部材22に載せる。そして、蓋体36を閉めて保持部材(ファイバホルダ)40を移動手段30にマグネット34で固定するとともに、蓋体26を閉めてあらかじめ加熱してある加熱部材27を露出させる部分の被覆3に密着させてフック24で留める。これにより、下ブレード23と上ブレード28とが、露出させる部分の被覆3の前端位置で、光ファイバ1の被覆3に素線2に接触しない深さの切れ目を入れる。この状態で加熱部材27を80〜85℃に加熱して数秒間放置すると、露出させる部分の被覆3が軟化して軟化被覆部3a(図5a参照)となる。
【0023】
つぎに、操作部材(スライドネジ)38を回転操作して、移動手段30をその移動量を調整しながら移動させる。このとき、スケール39と固定手段20の前端側縁位置との関係から表示される移動手段30の移動距離を見ることで、露出させる部分の被覆3の長さだけ正確に移動させることができる。このようにして移動手段30が移動されるとき、移動手段30に固定された保持部材(ファイバホルダ)40にさらに固定された光ファイバ1は、移動手段30とともに移動される。この光ファイバ1の移動中、固定手段20の下ブレード23と上ブレード28とが、光ファイバ1の被覆3に素線2に接触しない深さの切れ目を入れた深さ位置に維持されるため、軟化被覆部3aの素線(裸ファイバ)2は下ブレード23と上ブレード28との間隙から固定手段20前方に露出していく一方、この露出していく素線(裸ファイバ)2の長さに相当する被覆(軟化被覆部)3aは、凹凸状の皺となって収縮しながら固定手段20側に残されて収縮被覆部3b(図5b参照)となる。
【0024】
このようにして所定長さ露出した光ファイバ1の素線(裸ファイバ)2は、洗浄された後、スパッタリングや無電解メッキなどでメタライズされるが、そのメタライズ工程で70〜80℃に加熱されるとき、収縮被覆部3bの先端部が伸長してしまう。すなわち、図5cに示すように、当初Lだけ露出した素線(裸ファイバ)2は、メタライズ工程の加熱により収縮被覆部3bの先端部がΔLだけ伸長することで、実質的なメタライズ長はL1(L1=L−ΔL)となり、メタライズ部分の長さにばらつきが生じてしまう。そこで、このような収縮被覆部3bの先端部の伸長を抑えるため、上記のようにして所定長の素線(裸ファイバ)2を露出させたのち、固定手段20および移動手段30の蓋体26,36を開け収縮被覆部3bを加熱部材27に載せて数秒間加熱し、その上から押圧部材50で収縮被覆部3bを加熱部材27との間に挟んで押圧することで、収縮被覆部3bの高さが被覆3の高さとほぼ同等程度まで変形するように圧縮する(図5d参照)。
【0025】
この圧縮による収縮被覆部3bの伸長抑止効果を確認するため、光ファイバテープおよび単心光ファイバについて、図5bに示すようなサンプルを複数作ってそれを圧縮しないグループと圧縮したグループとに分けた後、80℃で2時間加熱して伸長量ΔLを調べた。その結果、光ファイバテープおよび単心光ファイバいずれについても、圧縮しないグループの伸長量ΔLは数mmのオーダで観察されたが、圧縮したグループの伸長量ΔLは0〜0.3mm程度であり、実用上問題のないレベルまで圧縮による伸長抑止効果の得られることが確認された。この伸長抑止効果の原因については、つぎのように考えられる。すなわち、光ファイバの被覆層は、一般に、マイクロベンドを考慮したヤング率の低い樹脂(プライマリコート)と、光ファイバの保護を目的としたヤング率の高い樹脂(バッファコート)とから構成される。素線(裸ファイバ)を露出することによってプライマリコート用樹脂と素線(ガラスファイバ)表面の接着(シランカップリング)が順次破壊され、被覆層は収縮しながら素線露出側と反対側に溜まる。圧縮しない場合は、シランカップリングが破壊されていること、収縮部分に収縮歪みが存在することで、加熱したときに樹脂が膨張して容易に伸長する。これに対し、圧縮した場合は、収縮部分の凹凸状の皺が圧縮方向で平坦化されて収縮歪みが半減する(横方向は存在する)のと、加熱圧縮によりカップリング反応が再形成されることで、伸長が発生しないものと考えられる。
【0026】
以上のように、この光ファイバの中間素線露出装置10は、従来のように刃物を使って被覆を除去するものではないため、その刃物で光ファイバ素線(裸ファイバ)に傷をつけて強度を劣化させる心配がなく、また、専用の高精度の被覆除去装置も必要としない。また、従来のように危険な熱濃硫酸を使用するものでもないため、設備や安全教育など充分な安全対策が必要になることもない。したがって、刃物によるファイバ劣化の心配やそのための特別な装置を使用せずに、また、熱濃硫酸のような危険な薬品を用いずに、安全、迅速に作業ができる。さらに、設備費、歩留まり、作業時間を含めてコスト低減を図ることができる。
【0027】
<第1実施例>
クラッド径が125μmでウレタンアクリレートを外径400μmに被覆したシングルモードファイバを長さ1mに切断したサンプルを6本用意し、このファイバの中間部分を0.4φ単心用ファイバホルダにセットしたのち、光ファイバの中間素線露出装置10を用いて5.4〜9.4mmの長さにわたって被覆層を収縮させて素線(裸ファイバ)を露出し、その露出長を測定した。
【0028】
一方、前記のシングルモードファイバを長さ1mに切断したサンプルを6本用意し、同様にして3.8〜8.1mmの長さにわたって被覆層を収縮させて裸ファイバを露出したのち、収縮被覆部をヒータで加熱して、直径6mmで先端を平面に研磨したテフロン(登録商標)製の棒材を用いて圧縮し、素線(裸ファイバ)の露出長を測定した。
【0029】
上記の圧縮しないサンプル6本と圧縮したサンプル6本とをまとめてオーブンに入れ、80℃で2時間加熱した。その後、オーブンから取り出して室温まで冷却したのち、素線(裸ファイバ)の長さを再度測定した。圧縮の有無と加熱による収縮被覆部の伸長量とを比較することで圧縮効果を調べた。その結果を図6に示す。
【0030】
図6から明らかなように、圧縮しないサンプルの場合は、裸ファイバの長さが長くなるにつれて加熱後の収縮被覆部の伸長も長くなる傾向にあり、その割合は20〜35%程度であった。
【0031】
一方、圧縮したサンプルの場合は、加熱後の伸長は0.5mm以下と微量であり、また裸ファイバの長さにも依存しないことから、圧縮効果を確認した。
【0032】
つぎに、圧縮したサンプルについて裸ファイバ部を有機溶剤で清浄にしたのち、ニッケル−金の順でスパッタリングしメタライズを施し、その表面を顕微鏡で観察した。その結果、表面にボイドや変色などの異常は認められなかった。また、メタライズ前後の裸ファイバ−メタライズ長を測定したが、収縮被覆部の伸長も同様に認められなかった。
【0033】
<第2実施例>
幅2.1mm、高さ0.37mmの8心テープファイバを長さ1mに切断したサンプルを14本用意し、このテープファイバの中間部分を8心テープファイバ用ファイバホルダにセットしたのち、光ファイバの中間素線露出装置10を用いて2.8〜10.2mmの長さにわたって被覆層を一括収縮させて素線(裸ファイバ)を露出し、その露出長を測定した。
【0034】
一方、前記のテープファイバを長さ1mに切断したサンプルを13本用意し、同様にして4.0〜9.8mmの長さにわたって被覆層を一括収縮させて裸ファイバを露出したのち、収縮被覆部をヒータで加熱して、直径6mmで先端を平面に研磨したテフロン(登録商標)製の棒材を用いて圧縮し、素線(裸ファイバ)の露出長を測定した。
【0035】
上記の圧縮しないサンプル群と圧縮したサンプル群とをまとめてオーブンに入れ、80℃で2時間加熱した。その後、オーブンから取り出して室温まで冷却したのち、素線(裸ファイバ)の長さを再度測定した。圧縮の有無と加熱による収縮被覆部の伸長量とを比較することで圧縮効果を調べた。その結果を図7に示す。
【0036】
図7から明らかなように、圧縮しないサンプルの場合は、裸ファイバの長さが長くなるにつれて加熱後の収縮被覆部の伸長も長くなる傾向にあり、その割合は30〜40%程度であった。単心ファイバに比べてファイバの本数が多い(被覆量が多い)分だけ伸長量は大きい傾向にある。
【0037】
一方、圧縮したサンプルの場合は、加熱後の伸長は0.5mm以下と微量であり、またファイバの本数や裸ファイバの長さにも依存しないことがわかり、テープ心線についても圧縮効果を確認した。
【0038】
つぎに、圧縮したテープファイバのサンプルについて裸ファイバ部を有機溶剤で清浄にしたのち、金の無電解メッキを施し、その表面を顕微鏡で観察した。その結果、表面に非メッキ部分やボイド、変色などの異常は認められなかった。また、メタライズ前後の裸ファイバ−メタライズ長を測定したが、収縮被覆部の伸長も同様に認められなかった。
【0039】
以上の第1実施例および第2実施例の結果から、この発明による光ファイバの中間素線露出方法とその装置は、充分実用に供することができることがわかった。
【0040】
なお、上記の実施の形態では、移動手段30の移動量を調整しながら移動させるために操作部材(スライドネジ)38を設けたが、これに限定するものでなく、例えば、ステッピングモータなどを用いて電動制御することで、移動手段30の移動量をより高精度に制御することが可能である。これとは反対に、移動量の調整が必要なければ、電動制御はもちろん操作部材(スライドネジ)38も用いずに、ただ単に一方の手で固定手段20を押さえながら他方の手で移動手段30を移動させることも可能である。
【0041】
また、上記の実施の形態では、移動手段30を移動させることで所定長の素線(裸ファイバ)2を露出させたのち、固定手段20の蓋体26を開け収縮被覆部3bを加熱部材27に載せて数秒間加熱し、押圧部材50で収縮被覆部3bを加熱部材27との間に挟んで圧縮するように構成したが、これに限定するものでなく、例えば、固定手段20の本体21側に加熱部材27を設け、蓋体26側にファイバ支持部材22を設けるとともに押圧部材50を挿入可能な適宜の穴(開閉可能にすることが可能)を形成しておけば、固定手段20の蓋体26を閉めたまま、押圧部材50で収縮被覆部3bを加熱部材27との間に挟んで圧縮することが可能となる。
【0042】
また、上記の実施の形態では、固定手段20に、加熱部材27および切り込み部材(下ブレード23と上ブレード28)を設ける一方、移動手段30に保持部材(ファイバホルダ)40を設けたが、これに限定するものでなく、例えば、固定手段20に保持部材(ファイバホルダ)40を設ける一方、移動手段30に、加熱部材27および切り込み部材(下ブレード23と上ブレード28)を設けることも可能である。
【0043】
また、上記の実施の形態では、光ファイバ1の中間部の被覆3を移動させて素線2を露出する使い方について説明したが、これはメタライズの用途に限定されず、多様な用途に広く適用することが可能であり、さらに、この発明による光ファイバの中間素線露出装置10は、例えば、光ファイバ1の端部の被覆3を移動させて素線2から抜き取ることも可能である。
【0044】
【発明の効果】
この発明は以上のように、光ファイバの中間部の被覆を所定長さ加熱して軟化被覆部を形成し、その軟化被覆部の一端に素線に接触しない深さの切れ目を入れ、軟化被覆部がその切れ目から他端に向けて収縮して収縮被覆部を形成するように、光ファイバと軟化被覆部とを相対的に移動させ、それにより形成された収縮被覆部を加熱し光ファイバの断面方向に圧縮することで収縮被覆部の長さを固定化するように構成したので、安全かつ迅速に光ファイバ中間部の素線を露出することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による光ファイバの中間素線露出装置の一実施の形態を示す蓋を開けた状態の平面図である。
【図2】図1の光ファイバの中間素線露出装置の蓋を閉めた状態の正面図である。
【図3】図2の光ファイバの中間素線露出装置の移動手段を移動させた状態の正面図である。
【図4】ファイバホルダの(a)蓋を開けた状態の平面図、(b)蓋を閉めた状態の正面図である。
【図5】(a)軟化被覆部、(b)収縮被覆部、(c)収縮被覆部の伸長、(d)収縮被覆部の圧縮を示す説明図である。
【図6】圧縮の有無と加熱による収縮被覆部の伸長量との比較の一例を示すグラフである。
【図7】圧縮の有無と加熱による収縮被覆部の伸長量との比較の他の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 素線(裸ファイバ)
3 被覆
3a 被覆(軟化被覆部)
3b 被覆(収縮被覆部)
10 光ファイバの中間素線露出装置
11 機台
12a,12b 案内ロッド
20 固定手段
21 本体
22 ファイバ支持部材
23 下ブレード
24 フック
25 蝶番
26 蓋体
27 加熱部材
28 上ブレード
30 移動手段
31 本体
32 収容部
34 マグネット
35 蝶番
36 蓋体
37 ホルダ固定部材
38 操作部材(スライドネジ)
39 スケール
40 保持部材(ファイバホルダ)
41 本体
42 収容部
44 マグネット
45 蝶番
46 蓋体
47 ファイバ固定部材
50 押圧部材

Claims (4)

  1. 光ファイバの中間部の被覆を移動させて素線を露出する方法であって、
    光ファイバの中間部の被覆を所定長さ加熱して軟化被覆部を形成する工程と、
    前記軟化被覆部の一端に素線に接触しない深さの切れ目を入れる工程と、
    前記軟化被覆部が前記切れ目から他端に向けて収縮して収縮被覆部を形成するように、光ファイバと当該軟化被覆部とを相対的に移動させる工程と、
    前記収縮被覆部を加熱し光ファイバの断面方向に圧縮することで当該収縮被覆部の長さを固定化する工程と、
    を含むことを特徴とする光ファイバの中間素線露出方法。
  2. 光ファイバの中間部の被覆を移動させて素線を露出する装置であって、
    機台に固着された固定手段と、
    機台に前記固定手段との間隔を拡げる方向に移動可能に装着された移動手段とを備え、
    前記固定手段または前記移動手段のいずれか一方の手段に、移動手段の移動方向に沿って光ファイバを保持する保持部材を設け、
    他方の手段に、光ファイバの被覆を所定長さ加熱する加熱部材と、この加熱部材によって加熱される被覆の前記一方の手段寄りの端部において当該被覆に素線に接触しない深さの切れ目を入れて、移動手段の移動中この深さ位置を維持する切り込み部材とを設け、
    さらに、前記移動手段の移動により前記一方の手段とは反対寄りに収縮した部分の被覆を前記加熱部材との間に挟んで押圧することで、光ファイバの断面方向に圧縮する押圧部材を備えた、
    ことを特徴とする光ファイバの中間素線露出装置。
  3. 前記保持部材は前記移動手段に着脱可能に設置され、前記加熱部材および前記切り込み部材は前記固定手段に設置されることを特徴とする請求項2記載の光ファイバの中間素線露出装置。
  4. 前記移動手段の移動量を調整しながら移動させる操作部材と、前記移動手段の移動距離を表示する移動距離表示部材とを備えたことを特徴とする請求項2記載の光ファイバの中間素線露出装置。
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