JP4087341B2 - 移動通信システム、ユーザ端末、中継端末、および中継専用端末 - Google Patents

移動通信システム、ユーザ端末、中継端末、および中継専用端末 Download PDF

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本発明は、複数の基地局およびユーザ端末を含む移動通信システムにおいて、基地局におけるトラヒックの分散を図った移動通信システム、ユーザ端末、中継端末、および中継専用端末に関する。
複数の基地局および複数のユーザ端末(移動局)を含む移動通信システムにおいては、各基地局がユーザ端末と通信を行うことができる領域(在圏エリア)は限られており、原則的にはユーザ端末は、自端末が位置する場所を在圏エリアとする基地局との間で通信を行う。ただし、ユーザ端末が通信不可能となる場所をなくすために、各基地局がユーザ端末と通信を行うことができる領域は広く設定されており、各基地局の通信範囲はある程度の重なりを持っているため、実際には一つのユーザ端末が複数の基地局と通信を行うことができる領域が存在している。なお、これ以降、ある場所に位置するユーザ端末が通常、発着信を行う際に通信を行う基地局を所属基地局と呼ぶことにする。
上記の通信システムにおいて、基地局の在圏エリア内のトラヒック量が多く、このトラヒック量が基地局の収容量を超える場合、この基地局に所属するユーザ端末が新たに発信動作または着信動作を行おうとしても、通信不可能となることがある。この対策として、トラヒック量が収容量を超える基地局に所属するユーザ端末が発信動作または着信動作を行う場合に、周辺の接続可能な他の基地局に接続させる選択通信接続処理がある。(例えば非特許文献1参照)
この選択通信接続処理においては、以下のような処理が行われる。ユーザ端末は周辺基地局の受信強度を検出しており、発信時または着信時に在圏エリアの基地局に対して、これら周辺基地局の受信強度を伝える。このとき、ユーザ端末が所属する基地局のトラヒック収容量に空きがない場合、基地局網側ではユーザ端末から報告された受信強度に基づいて、ユーザ端末が接続可能な他の基地局のトラヒック収容量に空きがあるかどうかの問い合わせが行われる。問い合わせを受けた他の基地局のトラヒック収容量に空きがある場合、ユーザ端末は、所属する本来接続すべき基地局とは異なる基地局に接続し、通信を行う。以上のようにして、トラヒックの集中している基地局に対してトラヒックの分散が行われる。
また、トラヒックが集中する基地局のトラヒックを分散する他の方法が特許文献1に記載されている。基地局に接続されている基地局上位装置が呼接続制御を行うときに、発信元および着信先の各ユーザ端末の在圏エリアが同一である、または隣接する場合、所属する基地局へのトラヒック集中度合などに関する条件に応じて、基地局がユーザ端末に対して、端末間で直接通信することを指示する制御信号を送信する。発信元および着信先の各ユーザ端末はその制御信号に従って、基地局を介さず端末間通信により通信を行う。これにより、収容トラヒックが増大した基地局に対してトラヒック分散が行われる。
特開2002−84566号公報 「デジタル方式自動車電話システム 標準規格 RCR STD−27D」、財団法人電波システム開発センター、平成3年4月30日、第1分冊、p537
しかし、非特許文献1に記載される方法においては、ユーザ端末が複数の基地局の在圏エリアが重なる場所に位置し、該当ユーザ端末が所属する基地局以外に他の基地局からも信号を得ていないと、トラヒックを分散させることができないという問題があった。また、ユーザ端末は本来通信を行うべき所属基地局とは異なる基地局に接続して通信を行うため、通信状態が良くないことが考えられる。そして、ユーザ端末は本来接続すべき所属基地局とは異なる基地局と接続して通信を行うので、その接続を行う基地局から電波を受信していたとしても、ユーザ端末の位置はその基地局の在圏エリアの境界付近であることが考えられる。その場合、ユーザ端末が移動してしまうとすぐに圏外となり、接続後にすぐにハンドオーバを行う必要性や通信不能となる可能性があるという問題があった。
また、特許文献1に記載される方法においては、トラヒックが集中している基地局のトラヒックを端末間通信によって分散させることができるのは、発信元のユーザ端末と着信先のユーザ端末とが、端末間通信が可能な範囲内に存在している場合のみである。したがって、たとえ同一基地局の在圏エリア内に発信元のユーザ端末と着信先のユーザ端末とが存在していたとしても、両端末が端末間通信の可能な範囲内に存在していなければ、結局従来の基地局を介した通信を行うことになり、トラヒックを分散させることができないという問題があった。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、トラヒックが集中している基地局のトラヒックを分散させることができ、かつユーザ端末が安定した通信を行うことができる移動通信システム、ユーザ端末、中継端末、および中継専用端末を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、トラヒックの集中している基地局に属するユーザ端末が、1以上の中継端末または固定設置された中継専用端末を介して、前記基地局以外の他基地局と通信を行う移動通信システムにおいて、前記基地局は、監視中のトラヒック量が所定量を超えた場合に、在圏エリア内の端末にトラヒックの集中を報知する報知手段を具備し、前記ユーザ端末は、前記報知手段による報知を受け、経路探索用の第1の経路情報を含む経路探索情報をブロードキャストする第1の送信手段と、通信経路を示す第2の経路情報を含む探索終了情報を受信し、該第2の経路情報に基づいて、1以上の前記中継端末または前記中継専用端末を介して、前記他基地局と通信を行う通信手段とを具備し、前記中継端末は、前記経路探索情報を受信する第1の受信手段と、該経路探索情報が示す基地局と所属基地局とが同一の場合には、前記第1の経路情報を更新した前記経路探索情報をブロードキャストし、同一でない場合には、前記経路探索情報に基づいた前記探索終了情報を、前記第1の経路情報が示す通信相手へ送信する第2の送信手段と、前記探索終了情報および前記ユーザ端末と前記他基地局との間の情報を、前記第2の経路情報に基づいて中継する中継手段と、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でない場合に、所定時間以内に受信された前記経路探索情報および前記探索終了情報を消去する制御手段とを具備し、前記中継専用端末は、前記経路探索情報が示す基地局と所属基地局とが同一の場合には、前記第1の経路情報を更新した前記経路探索情報をブロードキャストし、同一でない場合には、前記経路探索情報に基づいた前記探索終了情報をブロードキャストする第3の送信手段と、前記第1の受信手段と、前記中継手段とを具備することを特徴とする移動通信システムである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動通信システムにおいて、前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でない場合に、送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報を消去すると共に、所定時間以内に受信された前記経路探索情報および前記探索終了情報を消去することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の移動通信システムにおいて、前記第1の送信手段はさらに、同時に送信する複数の前記経路探索情報に同一の識別子を付加し、前記第2の送信手段はさらに、前記探索終了信号に対して、該探索終了信号に対応した前記経路探索情報と同一の識別子を付加し、前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でないと判定した場合であって、該判定の時点以後の所定時間以内に前記第1の受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に、前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の移動通信システムにおいて、前記第1の送信手段はさらに、同時に送信する複数の前記経路探索情報に同一の識別子を付加し、前記第2の送信手段はさらに、前記探索終了信号に対して、該探索終了信号に対応した前記経路探索情報と同一の識別子を付加し、前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でないと判定した場合に、送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報の処理を所定時間遅らせると共に、前記判定の時点以後の所定時間以内に前記第1の受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に、前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の移動通信システムにおいて、前記第1の送信手段はさらに、同時に送信する複数の前記経路探索情報に同一の識別子を付加し、前記第2の送信手段はさらに、前記探索終了信号に対して、該探索終了信号に対応した前記経路探索情報と同一の識別子を付加し、前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でなく、前記第1の受信手段によって受信された前記経路探索情報の識別子と送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報の識別子とが同一である場合に、前記送信予定の前記経路探索情報が示す経路または前記探索終了情報が示す経路に前記中継専用端末が含まれているかどうか判定し、該中継専用端末が含まれていないと判定した場合には、前記送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報を消去すると共に、前記判定の時点以後の所定時間以内に前記第1の受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に、前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の移動通信システムにおいて、前記ユーザ端末はさらに、前記中継専用端末から存在情報を受信する第2の受信手段を具備し、前記第1の送信手段はさらに、前記第2の受信手段によって前記存在情報が受信されると共に、前記報知手段による報知を受けた場合に、前記経路探索情報を、前記存在情報の送信元である前記中継専用端末へ送信し、前記中継専用端末の前記第3の送信手段はさらに、所属基地局からトラヒック集中の報知を受けた場合に、自端末の存在を周囲の前記ユーザ端末へ報知する前記存在情報を送信することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の移動通信システムにおいて、前記第3の送信手段による前記存在情報の送信周期は、前記ユーザ端末が前記中継専用端末の通信可能範囲に入ってから、該通信可能範囲から出て行くまでの平均時間であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかの項に記載の移動通信システムにおいて、前記中継専用端末は、前記通信経路において、複数の前記中継専用端末が隣り合っている場合に、隣り合う前記中継専用端末同士の経路を記憶する記憶手段をさらに具備し、前記中継専用端末の前記中継手段は、前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記経路および前記経路探索情報が示す経路に基づいて、前記探索終了情報および前記ユーザ端末と前記他基地局との間の情報を中継することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、中継専用端末から該中継専用端末の存在を報知する存在情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって前記存在情報が受信されると共に、所属基地局によるトラヒック集中の報知を受けた場合に、経路探索用の第1の経路情報を含む経路探索情報を、前記存在情報の送信元である前記中継専用端末へ送信する送信手段と、通信経路を示す第2の経路情報を含む探索終了情報を受信し、該第2の経路情報に基づいて、1以上の中継端末または前記中継専用端末を介して、前記他基地局と通信を行う通信手段とを具備することを特徴とするユーザ端末である。
請求項10に記載の発明は、経路探索用の第1の経路情報を含む経路探索情報を受信する受信手段と、該経路探索情報が示す基地局と所属基地局とが同一の場合には、前記第1の経路情報を更新した前記経路探索情報をブロードキャストし、同一でない場合には、前記第1の経路情報に基づいた通信経路を示す第2の経路情報を含む探索終了情報を、該第2の経路情報が示す通信相手へ送信する送信手段と、前記探索終了情報およびユーザ端末と基地局との間の情報を、前記第2の経路情報に基づいて中継する中継手段と、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でない場合に、所定時間以内に受信された前記経路探索情報および前記探索終了情報を消去する制御手段とを具備することを特徴とする中継端末である。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の中継端末において、前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でない場合に、送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報を消去すると共に、所定時間以内に受信された前記経路探索情報および前記探索終了情報を消去することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の中継端末において、送信元のユーザ端末によって同時に送信された前記経路探索情報には、同一の識別子が付加され、前記探索終了情報には、該探索終了情報に対応した前記経路探索情報と同一の識別子が付加され、前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でないと判定した場合であって、該判定の時点以後の所定時間以内に前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に、前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の中継端末において、送信元のユーザ端末によって同時に送信された前記経路探索情報には、同一の識別子が付加され、前記探索終了情報には、該探索終了情報に対応した前記経路探索情報と同一の識別子が付加され、前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でないと判定した場合に、送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報の処理を所定時間遅らせると共に、前記判定の時点以後の所定時間以内に前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に、前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項10に記載の中継端末において、送信元のユーザ端末によって同時に送信された前記経路探索情報には、同一の識別子が付加され、前記探索終了情報には、該探索終了情報に対応した前記経路探索情報と同一の識別子が付加され、前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でなく、前記受信手段によって受信された前記経路探索情報の識別子と送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報の識別子とが同一である場合に、前記送信予定の前記経路探索情報が示す経路または前記探索終了情報が示す経路に前記中継専用端末が含まれているかどうか判定し、該中継専用端末が含まれていないと判定した場合には、前記送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報を消去すると共に、前記判定の時点以後の所定時間以内に前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に、前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去することを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、経路探索用の第1の経路情報を含む経路探索情報を受信する受信手段と、該経路探索情報が示す基地局と所属基地局とが同一の場合には、前記第1の経路情報を更新した前記経路探索情報をブロードキャストし、同一でない場合には、前記第1の経路情報に基づいた通信経路を示す第2の経路情報を含む探索終了情報をブロードキャストする送信手段と、前記探索終了情報およびユーザ端末と基地局との間の情報を、前記第2の経路情報に基づいて中継する中継手段とを具備し、固定設置されていることを特徴とする中継専用端末である。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の中継専用端末において、前記通信経路において、複数の前記中継専用端末が隣り合っている場合に、隣り合う前記中継専用端末同士の経路を記憶する記憶手段をさらに具備し、前記中継手段は、前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記経路および前記経路探索情報が示す経路に基づいて、前記探索終了情報および前記ユーザ端末と前記他基地局との間の情報を中継することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項15または請求項16に記載の中継専用端末において、前記送信手段はさらに、所属基地局からトラヒック集中の報知を受けた場合に、自端末の存在を周囲の前記ユーザ端末へ報知する存在情報を送信することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項15〜請求項17のいずれかの項に記載の中継専用端末において、前記送信手段による前記存在情報の送信周期は、前記ユーザ端末が前記中継専用端末の通信可能範囲に入ってから、該通信可能範囲から出て行くまでの平均時間であることを特徴とする。
本発明によれば、トラヒックが集中している基地局に属するユーザ端末が発信を行う場合に、他のユーザ端末または中継専用端末を介したマルチホップ接続により、トラヒックが集中していない基地局へ接続して通信を行うようにしたので、トラヒックが集中している基地局のトラヒックを分散させることができるという効果が得られる。また、中継端末としてユーザ端末よりも固定設置の中継専用端末を優先的に使用するようにしたので、ユーザ端末のみで構成される経路に比べて、経路を長く使用することができ、安定した通信品質を得ることができるという効果も得られる。
以下、図面を参照し、この発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、この発明の第1の実施形態による移動通信システムの構成を示す概略構成図である。図において、1は基地局である。2はユーザ端末であり、携帯電話、PHS(登録商標)、PDA(Personal Digital Assistance)などの無線通信機能を有する端末である。3は情報の中継を行う中継専用端末である。図1には、基地局1として基地局1Aおよび基地局1B、中継専用端末3として中継専用端末3x〜3zが示されている。また、ユーザ端末2の中で、以下の説明の都合上、特に識別が必要なものについては2a〜2eの符号を付与している。
図1には基地局1Aおよび基地局1Bの在圏エリアが示されており、それぞれの在圏エリアは重なっていないものとする。また、基地局1Aはトラヒックが集中しており、基地局1Bはトラヒックが集中していないものとする。これは、例えば基地局1Aの在圏エリアにおいてある催し物が開催され、一箇所に多数のユーザが集中しているような状態を想定している。中継専用端末3は半固定型であり、基地局1の在圏エリアの境界付近に設置される。例えば、ある催し物の開催等により、一箇所に多数のユーザが集中することが予想される場合、事業者は中継専用端末3を所定の場所に設置する。設置場所としては、電源を供給することができる自動販売機などが想定される。中継専用端末3は、所属基地局には直接通信により接続することができるが、ユーザ端末2と端末間直接通信を行うことができる範囲は限られている。図1には中継専用端末3zの端末間通信可能範囲が示されている。なお、ユーザ端末2および中継専用端末3の数は図1に示される限りではない。
トラヒックが集中している基地局1Aは、総トラヒック量が所定量を超えた場合に、在圏エリア内のユーザ端末2に対してトラヒック集中を報知するトラヒック集中報知信号を送信する。基地局1Aからトラヒック集中報知信号を受信したユーザ端末2が音声通話およびデータ通信に係る発信動作を行う場合、ユーザ端末2は中継端末(他のユーザ端末2および中継専用端末3)を介したマルチホップ接続により、所属している基地局1A以外の基地局1Bと接続する。マルチホップとは、携帯電話網などの無線ネットワークにおいて、基地局と直接通信できない端末がある場合に、基地局から端末へ送信される情報または端末から基地局へ送信される情報を他の端末が中継することにより、基地局の通信範囲を拡大させる接続方式である。
図2は基地局1の構成を示すブロック図である。図において、10はユーザ端末2および中継専用端末3との情報の送受信用のアンテナである。11は送受信部であり、変調・復調や符号化処理など信号の送受信処理を行う。12は制御情報/データ処理部であり、通信における制御情報やデータの処理を行う。13はトラヒック監視部であり、送受信部11から制御情報/データ処理部12へ出力される受信データの流れを監視することにより、基地局1の総トラヒック量を監視し、総トラヒック量が予め定められた量を超えた場合に、トラヒック集中報知信号作成部14にトラヒック集中報知信号の作成を指示する。
トラヒック集中報知信号作成部14は、トラヒック監視部13からのトラヒック集中報知信号の作成指示に基づいて、トラヒック集中報知信号を作成すると共に、これを送受信部11およびアンテナ10を介してユーザ端末2に送信することにより、在圏エリアに位置するユーザ端末2に対してトラヒック集中の報知を行う。15は上記各部を制御する主制御部である。
トラヒック集中報知信号は、トラヒック集中報知信号を送信した基地局1の識別子を含んでいる。なお、トラヒック集中報知信号作成部14がユーザ端末2に対してトラヒック集中の報知を行うにあたっては、基地局1の総トラヒック量が予め定められた値を超えるごとに1回だけ報知を行うようにしてもよいし、基地局1の総トラヒック量が予め定められた値を超えている間は定期的に報知を行うようにしてもよい。また、トラヒック監視部13がトラヒック集中報知信号作成部14に対してトラヒック集中報知信号の作成を指示するかどうか判断するときに用いるしきい値は、基地局1のトラヒック収容量の最大値とはせず、例えば、トラヒック収容量の最大値の8割の値などとする。
図3はユーザ端末2の構成を示すブロック図である。図において、20は基地局1、他のユーザ端末2、または中継専用端末3と情報の送受信を行うアンテナである。21は送信部であり、ユーザ端末2が送信する送信データや制御情報の変調などの送信処理を行う。22は受信部であり、ユーザ端末2が受信する受信データや制御情報の復調などの受信処理を行う。また、受信部22はアンテナ10を介して信号を受信した際にその信号の受信特性を示す値を測定する。以下の全ての実施形態において、受信部22は信号の受信特性を示す値の一例として、受信強度を測定することにする。23は受信信号振分部であり、受信部22が受信した信号の種類に応じて、その信号を基地局通信処理部24〜トラヒック集中報知信号処理部27のいずれかに出力する。
受信信号振分部23は、受信部22がトラヒック集中報知信号を除く基地局1からの信号を受信した場合、その信号を受信部22から受け取り、基地局通信処理部24へ出力する。また、受信部22がユーザ端末2あるいは中継専用端末3からのデータを受信した場合、受信信号振分部23はそのデータを端末間通信データ処理部25へ出力する。同様に、受信部22がユーザ端末2からの制御情報を受信した場合、受信信号振分部23はその制御情報を端末間通信制御情報処理部26へ出力する。また、受信部22が基地局1からのトラヒック集中報知信号を受信した場合、受信信号振分部23はその信号をトラヒック集中報知信号処理部27へ出力する。
基地局通信処理部24は、トラヒック集中報知信号に係る処理を除く基地局1とユーザ端末2との通信の処理を主制御部29と連携して行う。端末間通信データ処理部25は、主制御部29と連携して端末間通信におけるデータ処理を行う。端末間通信制御情報処理部26は主制御部29と連携し、端末間通信における経路決定処理や、信号の送受信を行う通信相手の登録など端末間通信における制御情報の処理を行う。特に、端末間通信制御情報処理部26は、後述するルート探索信号およびルート探索終了信号に関する処理を行う。
トラヒック集中報知信号処理部27は、受信信号振分部23からトラヒック集中報知信号が出力された場合に、主制御部29と連携してトラヒック集中報知信号に関する処理を行う。記憶部28は経路決定処理に伴う情報や、トラヒック集中報知信号に付加されている情報、ユーザ端末2の識別子、情報の送受信を行う相手中継端末の識別子、後述するルート探索信号を特定するための特定番号などを記憶する。主制御部29は上記の基地局通信処理部24〜トラヒック集中報知信号処理部27と連携して各種の処理を行う。
図4は中継専用端末3の構成を示すブロック図である。図において、30はデータ送受信用のアンテナである。31は送受信部であり、基地局1やユーザ端末2、他の中継専用端末3との信号の変調・復調や符号化処理などの送受信処理を行う。32は中継ユーザデータ処理部であり、主制御部34と連携してユーザ端末2からのユーザデータの中継処理を行う。33は中継制御情報処理部であり、マルチホップ接続を行うための経路決定などに使用されるルート探索信号やルート探索終了信号などの制御情報を処理する。また、中継制御情報処理部33は必要に応じて、記憶部35に対して情報の記録および読み出しを行う。記憶部35は自端末が所属している基地局の識別子を記憶する。なお、図9においてアンテナは1本であるとしているが、基地局との通信用およびユーザデータの中継用とで異なるアンテナを用いる構成であってもよい。
ルート探索信号は、マルチホップ接続における情報の中継経路を決定するために用いられる信号である。ルート探索信号は、発信端末識別子フィールド、基地局識別子フィールド、特定番号フィールド、および経路格納フィールドから構成されている。発信端末識別子フィールドにはルート探索信号を作成して発信した発信元のユーザ端末2の識別子が格納される。基地局識別子フィールドにはルート探索信号の発信元であるユーザ端末2が所属する基地局1を表す識別子が格納される。特定番号フィールドにはルート探索信号を一意に特定するための番号(以下、特定番号と記す)が格納される。経路格納フィールドにはルート探索信号を中継した中継端末の識別子が順番に格納される。なお、中継端末の識別子は、中継を行ったユーザ端末2および中継専用端末3の識別子である。中継専用端末3の識別子に関しては、一意に端末を識別するだけでなく、その端末が中継専用端末であることをも識別することができるものであるとする。
ルート探索終了信号は、ルート探索信号の中継によって決定された経路を、ルート探索信号の発信元であるユーザ端末2へ知らせるために返信される信号である。ルート探索終了信号は、送信端末識別子フィールド、宛先端末識別子フィールド、特定番号フィールド、および決定経路格納フィールドから構成される。送信端末識別子フィールドにはルート探索終了信号を送信した中継端末の識別子が格納される。宛先端末識別子フィールドにはルート探索終了信号の送信先の端末の識別子が格納される。特定番号フィールドにはルート探索終了信号を一意に特定するための特定番号が格納される。決定経路格納フィールドにはルート探索信号を中継した中継端末によって決定された経路を示す中継端末の識別子列が格納される。
次に、第1の実施形態における第1の動作例を説明する。図5は、ユーザ端末2が発信を行う場合の動作を示すフローチャートである。基地局1の総トラヒック量が予め定められた値を超え、基地局1がトラヒック集中報知信号を作成し、在圏エリアのユーザ端末2に対してトラヒック集中報知信号を送信したとする。ユーザ端末2はトラヒック集中報知信号を受信し、そのトラヒック集中報知信号に付加される情報を一定時間だけ記憶部28に保存する。なお、記憶時間が一定時間を超えた情報は破棄される。
基地局1に所属するユーザ端末2が発信を行おうとする場合、トラヒック集中報知信号処理部27は、現在所属している基地局1からトラヒック集中報知信号を受信したかどうか(基地局1からのトラヒック集中報知信号に関する情報が記憶部28に格納されているかどうか)を判定する(ステップS500)。ステップS500においてYESと判定された場合にはステップS501へ進み、NOと判定された場合には、トラヒック集中報知信号処理部27は、現在所属している基地局1へ接続するよう基地局通信処理部24に指示する。
ステップS501において、基地局通信処理部24は受信信号振分部23から出力される信号を監視し、所属基地局以外の基地局から信号(パイロット信号)を受信しているかどうか判定する。ステップS501においてYESと判定された場合はステップS502へ進み、NOと判定された場合はステップS503へ進む。ステップS502において基地局通信処理部24は、所属基地局以外の基地局からの受信特性を示す値、この例では受信強度がしきい値を超えているかどうか判定する。ステップS502においてYESと判定された場合は、ユーザ端末2は信号の受信強度がしきい値を超えている、基地局1以外の基地局のうち、最も受信強度の大きな基地局へ直接接続して通信を行い、ステップS502においてNOと判定された場合は、ステップS503へ進む。
ユーザ端末2が所属基地局以外の基地局から信号を受信していない場合(ステップS501においてNOと判定された場合)、あるいは所属基地局以外の基地局から信号を受信しているが、その受信強度が予め定められたしきい値を超えない場合(ステップS502においてNOと判定された場合)、ユーザ端末2はマルチホップ接続により、他のユーザ端末2あるいは中継専用端末3を介して所属基地局以外の基地局へ接続する。この場合、ユーザ端末2の端末間通信制御情報処理部26はルート探索信号を作成し、送信部21へ出力する。このとき、端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索信号中の発信端末識別子フィールドに自端末の識別子を書き込み、基地局識別子フィールドに所属基地局の識別子を書き込む。このルート探索信号は送信部21およびアンテナ20を介して他のユーザ端末2あるいは中継専用端末3へブロードキャストされる(ステップS503)。
続いて、端末間通信制御情報処理部26は主制御部29と連携し、ルート探索信号のブロードキャストを行ってからある一定時間内にルート探索終了信号を受信するかどうか判定する(ステップS504)。ステップS504においてYESと判定された場合はステップS505へ進み、NOと判定された場合は、端末間通信制御情報処理部26は現在所属している基地局1へ接続するよう基地局通信処理部24に指示する。なお、ユーザ端末2が受信したルート探索終了信号は端末間通信制御情報処理部26によって記憶部28に格納される。
ステップS505において、端末間通信制御情報処理部26は記憶部28からルート探索終了信号を読み出し、その決定経路格納フィールド中の識別子列を参照し、識別子列の中に中継専用端末3の識別子があるかどうか確認する。端末間通信制御情報処理部26は記憶部28に格納されている全てのルート探索終了信号について上述した確認を行い、決定経路を示す識別子列の中に中継専用端末3の識別子が含まれているものがあるかどうか判定する。ステップS505においてYESと判定された場合にはステップS506に進み、NOと判定された場合にはステップS507に進む。
ステップS506においては、中継専用端末3の識別子が決定経路中に含まれているルート探索終了信号のうち、最初に受信したルート探索終了信号が示す決定経路を端末間通信制御情報処理部26が選択する。そしてユーザ端末2はその決定経路に従って所属基地局以外の基地局にマルチホップ接続により接続し、通信を開始する。ステップS507においては、端末間通信制御情報処理部26が複数のルート探索終了信号を受信した場合、それらの中から最初に受信したルート探索終了信号中の決定経路を選択する。そして、ユーザ端末2はその決定経路に従って所属基地局以外の基地局に接続し、通信を開始する。なお、発信を行うユーザ端末2が、自端末を発信元とするルート探索信号を受信した場合は、そのルート探索信号を破棄する。
次に、図6のフローチャートを参照して、ルート探索信号を受信したユーザ端末2(中継端末)の動作を説明する。中継端末としての動作を行うユーザ端末2がルート探索信号を受信した場合、ルート探索信号は受信信号振分部23によって端末間通信制御情報処理部26へ出力される。端末間通信制御情報処理部26は主制御部29と連携し、ルート探索信号中の格納フィールドに、自端末の識別子が格納されているかどうか判定する(ステップS600)。格納フィールドに自端末の識別子が格納されている場合、過去に同一のルート探索信号を受信したことがあるので、端末間通信制御情報処理部26はそのルート探索信号を破棄する。これにより、ルート探索信号がループすることを防ぎ、不必要なトラヒックの発生を抑えることができる。
また、ステップS600におけるユーザ端末2の処理は以下のものでもよい。ステップS601の動作で後述するが、ユーザ端末2がルート探索信号を中継した場合、記憶部28にはそのルート探索信号の特定番号が格納されている。ステップS600において端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索信号を特定する特定番号が記憶部28に格納されているかどうか判定する。この判定においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26はそのルート探索信号を破棄する。これにより、同一のユーザ端末2から発信され、異なる経路をたどり受信された同一特定番号のルート探索信号の処理を行わないため、同一の中継端末を含む複数の経路候補の作成を抑制することができる。また、前述した処理と同様に、ルート探索信号がループすることを防ぎ、不必要なトラヒックの発生を抑えることもできる。
ステップS600においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26はルート探索信号中の特定番号を記憶部28に格納する(ステップS601)。続いて、端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索信号中の基地局の識別子と現在所属している基地局の識別子とが同一であるかどうか判定する(ステップS602)。
ステップS602においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26はルート探索信号の格納フィールドに格納されている中継端末の識別子列の最後尾に自端末の識別子を追加し(ステップS603)、送信部21およびアンテナ20を介して、ルート探索信号をブロードキャストする。一方、ステップS603においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は自端末が所属する基地局1の識別子と、ルート探索信号の格納フィールド中の中継端末の識別子列で示される、自端末の一つ前にルート探索信号を中継した端末の識別子とを記憶部28に通信相手として登録する(ステップS604)。
続いて、端末間通信制御情報処理部26はルート探索終了信号を作成する(ステップS605)。このとき、端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索信号に基づいて決定された決定経路をルート探索終了信号中の決定経路格納フィールドに格納する。決定経路格納フィールドに格納される決定経路は以下のようにして決定される。まず、ルート探索信号の格納フィールドに格納されている中継端末の識別子列の先頭に、発信端末識別子フィールドに格納されているルート探索信号の発信元のユーザ端末2の識別子が加えられる。そして、自端末の識別子が識別子列の最後尾に加えられ、完成した識別子列が逆順に並べられる。識別子列を逆順とするのは、自端末からルート探索信号の発信元のユーザ端末2への帰路経路を示すためである。
また、端末間通信制御情報処理部26はルート探索終了信号の送信端末識別子フィールドに自端末の識別子を書き込み、宛先端末識別子フィールドに、記憶部28に登録されている通信相手の端末の識別子を書き込むと共に、特定番号フィールドにルート探索信号と同一の特定番号を書き込む。そして、端末間通信制御情報処理部26はルート探索終了信号を送信部21およびアンテナ20を介して通信相手の端末へ送信する(ステップS606)。
続いて、端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索終了信号の送信を行ってからある一定時間内に、決定経路における通信相手の端末から中継データを受信するかどうか判定する(ステップS607)。ステップS607においてYESと判定された場合、このユーザ端末2は決定経路を用いたデータの中継を開始する。また、ステップS607においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、この経路を発信元のユーザ端末2が使用しなかったと判断し、記憶部28に登録した通信相手の端末に関する情報を削除する。
次に、図7のフローチャートを参照して、ルート探索信号を受信した中継専用端末3の動作を説明する。ステップS700〜ステップS705の動作は図6のステップS600〜ステップS605の動作と同様であるので説明を省略する。ただし、端末内の各部の動作に関してはユーザ端末2の各構成に中継専用端末3の各構成が対応するものとする。例えば、端末間通信データ処理部25に対応して中継ユーザデータ処理部32が動作し、端末間通信制御情報処理部26に対応して中継制御情報処理部33が動作するものとする。
ステップS706において、中継制御情報処理部33は、送受信部31およびアンテナ30を介してルート探索終了信号をブロードキャストする。続いて、中継制御情報処理部33は、ルート探索終了信号の送信を行ってからある一定時間内に、決定経路における通信相手の端末から中継データを受信するかどうか判定する(ステップS707)。ステップS707においてYESと判定された場合、この中継専用端末3は決定経路を用いたデータの中継を開始する。また、ステップS707においてNOと判定された場合、中継制御情報処理部33は、この経路を発信元のユーザ端末2が使用しなかったと判断し、記憶部35に登録した通信相手の端末に関する情報を削除する。
次に、図8のフローチャートを参照して、ルート探索終了信号を受信したユーザ端末2の動作を説明する。ユーザ端末2がルート探索終了信号を受信した場合、ルート探索終了信号は受信信号振分部23によって端末間通信制御情報処理部26へ出力される。端末間通信制御情報処理部26はルート探索終了信号の宛先端末識別子フィールド中の宛先端末識別子を参照し、ルート探索終了信号の宛先が自端末であるかどうか判定する(ステップS800)。なお、端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索終了信号の決定経路格納フィールド中の決定経路に自端末の識別子が含まれているかどうかにより、この判定を行ってもよい。
ステップS800においてYESと判定された場合、通信制御情報処理部26はルート探索終了信号の決定経路格納フィールド中の決定経路を参照し、この決定経路から通信相手の端末を特定し、記憶部28に登録する(ステップS801)。続いて、通信制御情報処理部26は、宛先端末識別子フィールド中の宛先端末識別子を、決定経路から特定される次の通信相手の端末の識別子に書き換え、ルート探索終了信号の送信端末識別子フィールド中の送信端末識別子を自端末の識別子に書き換える(ステップS802)。
続いて、通信制御情報処理部26は、ルート探索終了信号を送信部21およびアンテナ20を介して次の通信相手の端末へ送信する(ステップS803)。送信後、端末間通信制御情報処理部26は、このルート探索終了信号の送信を行ってからある一定時間内に、決定経路における通信相手の端末から中継データを受信するかどうか判定する(ステップS804)。ステップS804においてYESと判定された場合、端末間通信データ処理部25はデータの中継を開始する。一方、ステップS804においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、この経路を発信元のユーザ端末2が使用しなかったと判断し、記憶部28に登録した通信相手の端末に関する情報を削除する。
図9は図8のステップS800においてNOと判定された場合のユーザ端末2の動作を示すフローチャートである。端末間通信制御情報処理部26はルート探索終了信号の送信端末識別子フィールド中の送信端末識別子を参照し、このルート探索終了信号の送信端末が中継専用端末3であるかどうか判定する(ステップS900)。中継専用端末3の識別子からは端末を識別するだけでなく、その端末が中継専用端末3であることも識別することができるので、端末間通信制御情報処理部26は上記の動作を行うことができる。ステップS900においてNOと判定された場合、このルート探索終了信号の処理を行う必要はなく、端末間通信制御情報処理部26は受信したルート探索終了信号を破棄する。
ステップS900においてYESと判定された場合、このユーザ端末2は中継専用端末3の近くに位置することになる。この場合、ユーザ端末2は以下の動作によって、ルート探索信号およびルート探索終了信号に関する処理が近くの中継専用端末3によって優先的に行われるようにする。まず、端末間通信制御情報処理部26は送信予定のルート探索信号またはルート探索終了信号があるかどうか判定する(ステップS901)。
ステップS901においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は受信したルート探索終了信号と、送信予定のルート探索信号またはルート探索終了信号とを破棄する(ステップS902)。続いて、端末間通信制御情報処理部26はその後一定時間内に受信するルート探索信号およびルート探索終了信号を破棄する。これにより、送信部21からのルート探索信号またはルート探索終了信号の送信は一定時間停止される。ステップS900における判定の結果、このユーザ端末2は中継専用端末3の近くに位置していることを認識しているので、ステップS902以後の処理によって、これらの信号の処理が近くの中継専用端末3によって優先的に行われるようになる。
また、ステップS901においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26はこのルート探索終了信号を破棄し(ステップS903)、その後一定時間の間、受信信号振分部23から出力されるルート探索信号およびルート探索終了信号を破棄する。この一定時間は、例えば、ユーザ端末2の移動速度として平均的な移動速度(歩行速度など)を想定した場合に、中継専用端末3からのルート探索終了信号が届くエリアをユーザ端末2が通過するのに要する時間などとする。
次に、図10のフローチャートを参照して、ルート探索終了信号を受信した中継専用端末3の動作を説明する。図10における中継専用端末3の動作は図8におけるユーザ端末2の動作とほぼ同様である。ただし、端末内の各部の動作に関してはユーザ端末2の各構成に中継専用端末3の各構成が対応するものとする。ステップS1000における動作は図8のステップS800における動作と同様である。ただし、ステップS1000においてNOと判定された場合、中継制御情報処理部33は、受信したルート探索終了信号を破棄する。ステップS1001〜ステップS1004の動作は図8におけるステップS801〜ステップS804の動作と同様であるので説明を省略する。
次に、上述したユーザ端末2および中継専用端末3の動作の具体例を図1を用いて説明する。第1の例として、基地局1Aからのトラヒック集中報知信号を受信したユーザ端末2aが発信動作を行うため、ルート探索信号をブロードキャストし、予め定められた時間内に2つのルート探索終了信号を受信したとする。2つのうち一方のルート探索終了信号が示す決定経路がユーザ端末2a−中継専用端末3z−基地局1B(経路α)であり、他方のルート探索終了信号が示す決定経路がユーザ端末2a−ユーザ端末2c−基地局1B(経路β)である場合、ユーザ端末2aは、図5で示される動作に従い、中継専用端末3zが含まれている経路αを選択する。
また、第2の例として、ユーザ端末2aによるルート探索信号のブロードキャストよりも前に、ユーザ端末2bが発信動作を行うため、ルート探索信号をブロードキャストしていたとする。このルート探索信号を受信した中継専用端末3zは、図7で示される動作に従い、ルート探索終了信号をブロードキャストする。中継専用端末3zの端末間通信可能範囲内に存在するユーザ端末2cはこのルート探索終了信号を受信するが、そのルート探索終了信号は自端末宛てでないため、図8および図9の動作に従い、一定時間の間に受信するルート探索信号およびルート探索終了信号を破棄する。このとき、ユーザ端末2aが発信を行うため、ルート探索信号をブロードキャストすると、ユーザ端末2cはそのルート探索信号を受信して破棄する。これにより、ユーザ端末2aが得ることのできる経路は経路αのみとなり、中継専用端末3zが含まれる経路を使用することになる。
以上のように、中継専用端末3の付近に位置するユーザ端末2が、一定時間ルート探索信号およびルート探索終了信号を破棄することにより、ルート探索信号およびルート探索終了信号に関する処理が近くの中継専用端末3によって代わりに行われるようになるので、中継端末として中継専用端末3が優先的に使用される経路が作成される。また、中継端末として中継専用端末3を用いない経路の作成が抑制される。さらに、発信を行うユーザ端末2は、中継専用端末3を含む経路を優先的に選択する。中継専用端末3は固定設置であると共に、安定した電源が供給されるので、発信を行うユーザ端末2は一度確立した通信経路を長く使用することができる。また、中継専用端末3が中継端末として含まれる経路が優先的に使用されることにより、他のユーザ端末2が中継端末となることが抑制され、データの中継による他のユーザ端末2のリソースの消費を軽減することができる。
次に、中継専用端末3が中継端末として優先的に使用されるような他の例を説明する。あるユーザ端末2が発信を行う場合に、その経路(の一部)として、トラヒックの集中している基地局1に属する中継専用端末3と、トラヒックの集中していない別の基地局1に属する別の中継専用端末3とが接続された経路を使用して通信を行ったとする。この場合、その経路上の中継専用端末3は、このユーザ端末2による通信の終了後、2つの中継専用端末間の経路情報を記憶部35に保存する。
トラヒックが集中した基地局1に属する中継専用端末3が、同じ基地局1の在圏エリア内に位置する他のユーザ端末2からのルート探索信号を受信した場合、この中継専用端末3は、記憶部35に保存された経路情報を用い、経路情報が示す別の中継専用端末3へ中継可能かどうか問い合わせ、中継が可能である場合には、ルート探索信号が示す経路(識別子列)に、経路情報が示す情報(2つの中継専用端末3の識別子)を加えたルート探索終了信号を作成し、ブロードキャストする。
上記の他のユーザ端末2は、このルート探索終了信号を受信し、決定経路格納フィールド中の決定経路を用いて通信を開始する。2つの中継専用端末3は、決定経路に従って情報の中継を開始する。この場合、トラヒックの集中していない基地局1に属する中継専用端末3はユーザ端末2からのルート探索信号を受信しないが、記憶部35中の経路情報を参照することにより、通信相手として、トラヒックの集中している基地局1に属する中継専用端末3を認識することができる。なお、トラヒックの集中している基地局1に属する中継専用端末3は、作成したルート探索終了信号をブロードキャストする代わりに、経路情報が示す通信相手のユーザ端末2へ向けてユニキャストするようにしてもよい。
この動作の具体例を図1を用いて説明する。ユーザ端末2dがユーザ端末2d−中継専用端末3y−中継専用端末3x−基地局1Bの経路で通信を行ったとする。この通信の終了後、中継専用端末3xおよび3yは、中継専用端末3y−中継専用端末3xの経路情報をそれぞれ記憶部35に保存する。ユーザ端末2eが発信動作を行うため、ルート探索信号をブロードキャストしたとすると、中継専用端末3yはそのルート探索信号を受信する。中継専用端末3yは記憶部35に保存された経路情報を参照し、ルート探索信号が示す経路に、経路情報が示す情報を加えたルート探索終了信号を作成し、ブロードキャストする。これを受信したユーザ端末2eは、ユーザ端末2e―中継専用端末3y−中継専用端末3x−基地局1Bの経路を使用して通信を開始する。
なお、前述した第1の動作例において、発信を行うユーザ端末2が自端末の所属基地局からトラヒック集中報知信号を受信していない場合は、通常通り、所属基地局へ接続し、通信を行う。また、第1の動作例においては、2つの基地局の在圏エリアが重なっていない場合を示したが、これに限られる訳ではない。また、基地局が2つの場合を示したが、基地局の数もこれに限られる訳ではない。
次に、第1の実施形態における第2の動作例を説明する。第2の動作例においては、発信を行うユーザ端末2の動作、ルート探索信号およびルート探索終了信号を受信した中継専用端末3の動作は第1の動作例と同様である。ただし、ルート探索信号およびルート探索終了信号を受信したユーザ端末2の動作は第1の動作例と異なる。
ルート探索終了信号を受信した場合のユーザ端末2の動作は図8の動作に従う。ただし、図8のステップS800においてNOと判定された場合、その後の動作は図11のようになる。ステップS1100〜ステップS1101の動作は図9のステップS900〜ステップS901の動作と同様であるので説明を省略する。ステップS1101においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は当該ルート探索終了信号よりも前に受信し、処理中である送信予定のルート探索信号およびルート探索終了信号の送信を予め定められた時間だけ遅らせる(ステップS1102)。
続いて、端末間通信制御情報処理部26は、ステップS1102において送信を遅らせた送信予定のルート探索信号およびルート探索終了信号を送信すると共に、受信したルート探索終了信号を破棄し(ステップS1103)、中継専用端末優先処理を開始する。中継専用端末優先処理の開始とは、記憶部28に中継専用端末優先処理を示すフラグを格納すること等を意味する。また、ステップS1101においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、受信したルート探索終了信号を破棄し(ステップS1104)、中継専用端末優先処理を開始する。
次に、図12のフローチャートを参照して、ルート探索信号を受信したユーザ端末2の動作を説明する。ステップS1200〜ステップS1201の動作は図6のステップS600〜ステップS601の動作と同様であるので、説明を省略する。続いて、端末間通信制御情報処理部26は、中継専用端末優先処理が動作中であるかどうか判定する(ステップS1202)。
ステップS1202においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、受信信号振分部23から出力されるルート探索終了信号の特定番号を参照し、同じ特定番号が記憶部28に記録されているかどうかを判定すると共に、ルート探索終了信号の送信端末識別子フィールド中の送信端末識別子を参照し、その識別子が中継専用端末3の識別子であるかどうか判定する(ステップS1203)。ステップS1203においてYESと判定された場合(2つの判定条件が共にYESの場合)、端末間通信制御情報処理部26は、受信したルート探索信号を破棄する。
ステップS1202においてNOと判定された場合、およびステップS1203においてNOと判定された場合(2つの判定条件のうち少なくとも一方がNOの場合)はステップS1204へ進む。ステップS1204〜ステップS1209の動作は図6のステップS602〜ステップS607の動作と同様であるので、説明を省略する。
なお、端末間通信制御情報処理部26は、中継専用端末優先処理を開始してから一定時間が経過したら、中継専用端末優先処理を終了する。この一定時間は、第1の動作例において、ユーザ端末2がルート探索信号およびルート探索終了信号の中継処理を行わない時間と同様であるとする。例えば、ユーザの移動を歩行と仮定し、ユーザ端末2が一般的な歩行速度により、中継専用端末3からのルート探索終了信号の受信が可能なエリアを通過するのに要する時間とする。
以上の動作により、中継専用端末3の近くに位置するユーザ端末2(中継端末)は、中継専用端末3からのルート探索終了信号を受信した場合、処理中であったルート探索信号やルート探索終了信号の処理を一定時間遅らせる(図11のステップS1102を参照)ため、このユーザ端末2からのルート探索終了信号は、発信を行うユーザ端末2への到着が遅くなる。よって、発信を行うユーザ端末2は、中継専用端末3を含む決定経路が格納されているルート探索終了信号をより早く受信するようになり、経路の選択がより容易になる。また、後述するように、端末間通信における通信距離の制約により、端末間通信可能な周囲の端末が限られている端末との経路も確実に確立することができる。
さらに、中継専用端末3の近くに位置するユーザ端末2は、中継専用端末3からの自端末宛でないルート探索終了信号を受信した場合に中継専用端末優先処理を開始する。そして、中継専用端末優先処理中に新たに受信したルート探索信号に対して、ある一定時間内に同一特定番号のルート探索終了信号を中継専用端末3から受信した場合、ユーザ端末2はそのルート探索信号を破棄する(図12のステップS1203を参照)。これにより、同一の特定番号を持つルート探索信号の処理は中継専用端末3によって優先的に行われるようになる。
以上の動作の具体例を図1を用いて説明する。発信を行うユーザ端末2aがユーザ端末2cとのみ端末間通信を行うことができる場合、中継専用端末3zからのルート探索終了信号を受信したユーザ端末2cが、図9のようにルート探索信号の処理を無視ししてしまうと、ユーザ端末2aと基地局1Bとの間の経路を確立することができない。この場合、ユーザ端末2aは基地局1Bに接続することができず、基地局1Aのトラヒック分散を行うことができない。しかし、第2の動作例によれば、図11のステップS1102〜ステップS1103の処理により、ユーザ端末2cはユーザ端末2aからのルート探索信号の処理を行うので、ユーザ端末2cを中継端末として使用する経路は破棄されない。したがって、ユーザ端末2aは基地局1Bに接続して通信を行うことができ、基地局1Aのトラヒックを分散することができる。
次に、第1の実施形態における第3の動作例を説明する。第3の動作例においては、発信を行うユーザ端末2の動作、ルート探索信号を受信したユーザ端末2の動作、ルート探索信号およびルート探索終了信号を受信した中継専用端末3の動作は第2の動作例と同様である。ただし、ルート探索終了信号を受信したユーザ端末2の動作は第2の動作例と異なる。
ルート探索終了信号を受信した場合のユーザ端末2の動作は図8の動作に従う。ただし、図8のステップS800においてNOと判定された場合、その後の動作は図13のようになる。ステップS1300において端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索終了信号中の送信端末識別子を参照し、その識別子が中継専用端末3の識別子であるかどうか判定する(ステップS1300)。ステップS1300においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、受信したルート探索終了信号を破棄する。
一方、ステップS1300においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は送信予定のルート探索信号およびルート探索終了信号があるかどうか判定する(ステップS1301)。ステップS1301においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、受信したルート探索終了信号を破棄する(ステップS1302)。また、ステップS1301においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、送信予定のルート探索信号またはルート探索終了信号の特定番号と、受信したルート探索終了信号の特定番号とが同じであるかどうか判定する(ステップS1303)。
ステップS1303においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、送信予定のルート探索信号中の経路格納フィールドまたはルート探索終了信号中の決定経路格納フィールドに中継専用端末3の識別子が格納されているかどうか判定する(ステップS1304)。ステップS1304においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、送信予定のルート探索信号またはルート探索終了信号ならびに受信したルート探索終了信号を破棄し(ステップS1305)、第2の動作例と同様に、中継専用端末優先処理を開始する。
ステップS1303においてNOと判定された場合およびステップS1304においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、送信予定のルート探索信号またはルート探索終了信号に関しては送信処理を行い、受信したルート探索終了信号は破棄する(ステップS1306)。続いて、端末間通信制御情報処理部26は、第2の動作例と同様に、中継専用端末優先処理を開始する。
以上のように、第3の動作例においては、受信したルート探索信号と同一特定番号の送信予定ルート探索信号またはルート探索終了信号のうち、中継専用端末の識別子が経路に関する情報に含まれていないものは破棄される(図13のステップS1305を参照)ので、発信を行うユーザ端末は、中継端末として中継専用端末が含まれる経路を優先的に使用することができる。また、発信を行うユーザ端末に届く経路候補を削減することができ、発信を行うユーザ端末の処理を軽減することができる。さらに、受信したルート探索信号と同一特定番号でないルート探索信号およびルート探索終了信号に関する処理は遅れずに行われる(図13のステップS1306を参照)ので、他の発信ユーザ端末に対する影響を低減することができる。
なお、第2および第3の動作例において、第1の動作例で説明したように、トラヒックが集中している基地局に属する中継専用端末とトラヒックが集中していない基地局に属する中継専用端末とが接続された経路が確立された場合に、両中継専用端末がその経路情報を保存し、次の通信にその経路を使用するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図14は第2の実施形態による移動通信システムの構成を示す概略構成図である。図14には、基地局1として基地局1Aおよび基地局1Bが示されている。また、中継専用端末3の中で、以下の説明の都合上、特に識別が必要なものについては、3wの符号を付与している。また、ユーザ端末2についても同様に、特に識別が必要なものについては2f〜2gの符号を付与している。
図15は中継専用端末3の構成を示すブロック図である。図において、図4と同一の構成には同一の符号を付与し、説明を省略する。36はトラヒック集中報知信号処理部であり、主制御部34と連携し、基地局1からのトラヒック集中報知信号に関する処理を行う。送受信部31はアンテナ30を介して、基地局1からのトラヒック集中報知信号を受信した場合に、そのトラヒック集中報知信号をトラヒック集中報知信号処理部36へ出力する。トラヒック集中報知信号処理部36は、そのトラヒック集中報知信号が自端末の所属基地局から送信されたものであるかどうか判断し、もしそうである場合に、存在信号作成部37へ存在信号の作成指示を出力する。この作成指示を受けた存在信号作成部37は主制御部34と連携して存在信号を作成し、送信部21およびアンテナ20を介してブロードキャストする。存在信号には、中継専用端末3の識別子と中継専用端末3が所属する基地局の識別子とが格納される。存在信号によって、中継専用端末3は自身の存在を周囲のユーザ端末2へ通知する。
図16はユーザ端末2の構成を示すブロック図である。図において、図3と同一の構成には同一の符号を付与し、説明を省略する。200は存在信号処理部であり、中継専用端末3からの存在信号に関する処理を行う。受信部22がアンテナ20を介して存在信号を受信すると、存在信号は受信信号振分部23へ出力される。受信信号振分部23は存在信号を存在信号処理部200へ出力する。存在信号処理部200は主制御部29と連携し、存在信号に格納されている中継専用端末3の所属基地局の識別子と記憶部28に格納されているユーザ端末2の所属基地局の識別子とが同一かどうか判定し、同一である場合は、存在信号に格納されている中継専用端末3の識別子を記憶部28に格納する。
次に、本実施形態における動作を説明する。ルート探索信号およびルート探索終了信号を受信したユーザ端末2の動作と、ルート探索信号およびルート探索終了信号を受信した中継専用端末3の動作は第1の実施形態のいずれかにおける動作と同様とする。図14において、基地局1Aの総トラヒック量が予め定められた値を超え、基地局1Aがトラヒック集中報知信号を作成し、在圏エリア内のユーザ端末2および中継専用端末3に対してトラヒック集中報知信号を送信したとする。さらに、基地局1Aに属し、トラヒック集中報知信号を受信した中継専用端末3が存在信号をブロードキャストしたとする。このとき、基地局1Aに属するユーザ端末2が発信を行うとする。
図17は発信を行うユーザ端末2の動作を示すフローチャートである。図において、ステップS1700〜ステップS1702の動作は図5のステップS500〜ステップS502の動作と同様であるので、説明を省略する。ステップS1701またはステップS1702においてNOと判定された場合、ユーザ端末2はマルチホップ接続により他の中継端末を介して所属基地局以外の基地局1Bに接続するための動作を行う。ステップS1703において、存在信号処理部200は中継専用端末3からの存在信号を受信したかどうか(中継専用端末3の識別子が記憶部28に格納されているかどうか)判定する。
ステップS1703においてYESと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、存在信号を送信した中継専用端末3へ向けてのルート探索信号を作成し、送信部21へ出力する。送信部21はアンテナ20を介してこのルート探索信号を中継専用端末3へ送信する(ステップS1704)。続いて、端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索信号の送信を行ってからある一定時間内に、中継専用端末3からルート探索終了信号を受信するかどうか判定する(ステップS1705)。
ステップS1703においてNOと判定された場合、またはステップS1705においてNOと判定された場合、端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索信号を作成し、送信部21およびアンテナ20を介して、他のユーザ端末2または中継専用端末3へブロードキャストする(ステップS1706)。続いて、端末間通信制御情報処理部26は、ルート探索信号の送信を行ってからある一定時間内に、ルート探索終了信号を受信するかどうか判定する(ステップS1707)。ステップS1707においてNOと判定された場合、ユーザ端末2は所属基地局へ接続し、通常の通信を行う。ステップS1705またはステップS1707においてYESと判定された場合は、ステップS1708へ進む。ステップS1708〜ステップS1710の動作は図5のステップS505〜ステップS507の動作と同様であるので、説明を省略する。
次に、上述したユーザ端末2および中継専用端末3の動作の具体例を図14を用いて説明する。基地局1Aからトラヒック集中報知信号を受信し、中継専用端末3wから存在信号を受信したユーザ端末2fが発信を行う場合、上述した動作に従って、ユーザ端末2fはルート探索信号を中継専用端末3wへ送信する。これ以降、前述した動作により、ユーザ端末2f−中継専用端末3w−ユーザ端末2gの経路が確立され、ユーザ端末2fはこの経路を用いて基地局1Bに接続し、通信を行う。
以上のように、基地局からトラヒック集中報知信号を受信した中継専用端末が周囲のユーザ端末に対して存在信号により自端末の存在を通知し、通知を受けたユーザ端末が発信を行う場合に、その中継専用端末へルート探索信号を送信する(図17のステップS1704を参照)ことにより、中継端末として中継専用端末が含まれる経路が優先的に使用されるようになる。
また、以上の動作によれば、所属基地局とは異なる基地局に属する他のユーザ端末あるいは中継専用端末と本来1ホップで通信を行うことができる発信ユーザ端末は、一旦、所属基地局に属する中継専用端末に接続することになる。しかし、異なる基地局に属する他のユーザ端末あるいは中継専用端末に1ホップで接続する場合と比べて、通信距離が短くなり、さらに、中継専用端末は固定設置されているため、発信ユーザ端末は安定した通信を行うことができる。
なお、第2の実施形態において、中継専用端末が存在信号を報知する時間間隔(周期)は、ユーザ端末が中継専用端末の通信可能範囲に入り、通信可能範囲から出て行くまでの平均時間等とすればよく、比較的長い時間を設定することになる。
なお、存在信号に有効期限を付加し、ユーザ端末が、期限切れとなった存在信号に関する情報を記憶部28から消去するようにしてもよい。また、第1の実施形態で説明したように、トラヒックが集中している基地局に属する中継専用端末とトラヒックが集中していない基地局に属する中継専用端末とが接続された経路が確立された場合に、両中継専用端末がその経路情報を保存し、次の通信にその経路を使用するようにしてもよい。
なお、第1および第2の実施形態における動作を組み合わせてもよい。例えば、中継専用端末からの存在信号を受信したユーザ端末が、第1の実施形態における中継専用端末から自端末宛でないルート探索終了信号を受信した場合と同じように、ある所定時間内に受信するルート探索信号またはルート探索終了信号を消去したり、一定時間経過した後に送信したりしてもよい。
以上説明したように、第1および第2の実施形態によれば、トラヒックが集中している基地局に属するユーザ端末が発信を行う場合に、他のユーザ端末または中継専用端末を介したマルチホップ接続により、トラヒックが集中していない基地局へ接続して通信を行う。これにより、トラヒックが集中している基地局のトラヒックを確実に分散することができる。
また、中継端末としてユーザ端末よりも中継専用端末を優先的に使用するようになるので、他のユーザが所有するユーザ端末のリソース消費を軽減することができる。中継専用端末は固定設置であるため、中継専用端末を含む経路はユーザ端末のみで構成される経路に比べて、長く使用することが可能であり、安定した通信品質を得ることができる。
また、トラヒックが集中している基地局に属する中継専用端末とトラヒックが集中していない基地局に属する中継専用端末とが接続された経路が確立された場合に、両中継専用端末がその経路情報を保存し、別の新たな通信においてその経路を使用することにより、中継端末として中継専用端末が含まれる経路が優先的に使用されるようになると共に、ルート探索に必要な処理を軽減することができる。
また、第1の実施形態における動作例1によれば、中継専用端末の付近に位置するユーザ端末が一定時間ルート探索信号およびルート探索終了信号を破棄することにより、中継端末として中継専用端末を含む経路が優先的に作成される。よって、中継専用端末の付近に位置するユーザ端末の、中継によるリソースの消費を削減することができる。
また、第1の実施形態における動作例2によれば、中継専用端末の付近に位置するユーザ端末の、中継によるリソース消費を軽減することができる。さらに、中継専用端末の付近に位置するユーザ端末が送信予定のルート探索信号およびルート探索終了信号の送信を一定時間遅らせることにより、中継端末として中継専用端末を含む経路が優先的に作成される。さらに、端末間通信距離が限られているため、中継専用端末は中継を行うことができないが、その中継専用端末の付近に位置するユーザ端末が中継を行うことができる場合でも、トラヒックの集中していない基地局への経路を確立することができる。
また、第1の実施形態における動作例3によれば、中継専用端末の付近に位置するユーザ端末の、中継によるリソース消費を軽減することができる。また、中継専用端末の付近に位置するユーザ端末が、中継専用端末と同一特定番号のルート探索信号またはルート探索終了信号を処理している場合には、ユーザ端末はその処理を中止するので、発信ユーザ端末へ不要な経路情報が送信されるのを防ぐことができる。
また、第2の実施形態によれば、トラヒックの集中する基地局に属する中継専用端末がトラヒック集中報知信号を受信した場合に、同じ基地局に属する周囲のユーザ端末に向けて存在信号をブロードキャストすることにより、周囲のユーザ端末が発信を行う場合に、経路探索における最初の通信相手としてその中継専用端末を特定することができる。さらに、この存在信号の送信周期を、ユーザ端末が中継専用端末の通信可能範囲に入り、通信可能範囲から出て行く平均時間のように比較的長い時間とすることにより、存在信号によって通信が不必要に混雑するのを避けることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の第1の実施形態による移動通信システムの構成を示す概略構成図である。 同実施形態による基地局1の構成を示すブロック図である。 同実施形態によるユーザ端末2の構成を示すブロック図である。 同実施形態による中継専用端末3の構成を示すブロック図である。 同実施形態において、発信を行うユーザ端末2の動作を示すフローチャートである。 同実施形態において、ルート探索信号を受信したユーザ端末2の動作を示すフローチャートである。 同実施形態において、ルート探索信号を受信した中継専用端末3の動作を示すフローチャートである。 同実施形態において、ルート探索終了信号を受信したユーザ端末2の動作を示すフローチャートである。 同実施形態において、ルート探索終了信号を受信したユーザ端末2の動作を示すフローチャートである。 同実施形態において、ルート探索終了信号を受信した中継専用端末3の動作を示すフローチャートである。 同実施形態において、ルート探索終了信号を受信したユーザ端末2の第2の動作を示すフローチャートである。 同実施形態において、ルート探索信号を受信したユーザ端末2の第2の動作を示すフローチャートである。 同実施形態において、ルート探索終了信号を受信したユーザ端末2の第3の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による移動通信システムの構成を示す概略構成図である。 同実施形態による中継専用端末3の構成を示すブロック図である。 同実施形態によるユーザ端末2の構成を示すブロック図である。 同実施形態において、発信を行うユーザ端末2の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・基地局、2・・・ユーザ端末、3・・・中継専用端末、10・・・アンテナ、11・・・送受信部、12・・・制御情報/データ処理部、13・・・トラヒック監視部、14・・・トラヒック集中報知信号作成部、15・・・主制御部、20・・・アンテナ、21・・・送信部、22・・・受信部、23・・・受信信号振分部、24・・・基地局通信処理部、25・・・端末間通信データ処理部、26・・・端末間通信制御情報処理部、27・・・トラヒック集中報知信号処理部、28・・・記憶部、29・・・主制御部、30・・・アンテナ、31・・・送受信部、32・・・中継ユーザデータ処理部、33・・・中継制御情報処理部、34・・・主制御部、35・・・記憶部、36・・・トラヒック集中報知信号処理部、37・・・存在信号作成部、200・・・存在信号処理部。

Claims (18)

  1. トラヒックの集中している基地局に属するユーザ端末が、1以上の中継端末または固定設置された中継専用端末を介して、前記基地局以外の他基地局と通信を行う移動通信システムにおいて、
    前記基地局は、監視中のトラヒック量が所定量を超えた場合に、在圏エリア内の端末にトラヒックの集中を報知する報知手段を具備し、
    前記ユーザ端末は、
    前記報知手段による報知を受け、前記中継端末および前記中継専用端末の識別子が格納される第1の経路情報を含む経路探索情報をブロードキャストする第1の送信手段と、
    前記経路探索情報の中継経路上の前記中継端末および前記中継専用端末の識別子が格納された第2の経路情報を含む探索終了情報を受信し、該第2の経路情報に基づいて、1以上の前記中継端末または前記中継専用端末を介して、前記他基地局と通信を行う通信手段とを具備し、
    前記中継端末は、
    前記経路探索情報を受信する第1の受信手段と、
    該経路探索情報が示す基地局と所属基地局とが同一の場合には、自身の識別子を格納することによって前記第1の経路情報を更新した前記経路探索情報をブロードキャストし、同一でない場合には、前記第1の経路情報に格納されている識別子を格納した前記第2の経路情報を含む前記探索終了情報を、前記第1の経路情報が示す通信相手へ送信する第2の送信手段と、
    前記探索終了情報および前記ユーザ端末と前記他基地局との間の情報を、前記第2の経路情報に基づいて中継する中継手段と、
    前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でない場合に、所定時間以内に受信された前記経路探索情報および前記探索終了情報を消去する制御手段とを具備し、
    前記中継専用端末は、
    前記経路探索情報が示す基地局と所属基地局とが同一の場合には、自身の識別子を格納することによって前記第1の経路情報を更新した前記経路探索情報をブロードキャストし、同一でない場合には、前記第1の経路情報に格納されている識別子を格納した前記第2の経路情報を含む前記探索終了情報をブロードキャストする第3の送信手段と、
    前記第1の受信手段と、前記中継手段とを具備する
    ことを特徴とする移動通信システム。
  2. 前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でない場合に、送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報を消去すると共に、所定時間以内に受信された前記経路探索情報および前記探索終了情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  3. 前記第1の送信手段はさらに、同時に送信する複数の前記経路探索情報に同一の識別子を付加し、
    前記第2の送信手段はさらに、前記探索終了信号に対して、該探索終了信号に対応した前記経路探索情報と同一の識別子を付加し、
    前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でないと判定した場合であって、該判定の時点以後の所定時間以内に前記第1の受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  4. 前記第1の送信手段はさらに、同時に送信する複数の前記経路探索情報に同一の識別子を付加し、
    前記第2の送信手段はさらに、前記探索終了信号に対して、該探索終了信号に対応した前記経路探索情報と同一の識別子を付加し、
    前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でないと判定した場合に、送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報の処理を所定時間遅らせると共に、前記判定の時点以後の所定時間以内に前記第1の受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  5. 前記第1の送信手段はさらに、同時に送信する複数の前記経路探索情報に同一の識別子を付加し、
    前記第2の送信手段はさらに、前記探索終了信号に対して、該探索終了信号に対応した前記経路探索情報と同一の識別子を付加し、
    前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でなく、前記第1の受信手段によって受信された前記経路探索情報の識別子と送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報の識別子とが同一である場合に、前記送信予定の前記経路探索情報が示す経路または前記探索終了情報が示す経路に前記中継専用端末が含まれているかどうか判定し、該中継専用端末が含まれていないと判定した場合には、前記送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報を消去すると共に、前記判定の時点以後の所定時間以内に前記第1の受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  6. 前記ユーザ端末はさらに、前記中継専用端末から存在情報を受信する第2の受信手段を具備し、
    前記第1の送信手段はさらに、前記第2の受信手段によって前記存在情報が受信されると共に、前記報知手段による報知を受けた場合に、前記経路探索情報を、前記存在情報の送信元である前記中継専用端末へ送信し、
    前記中継専用端末の前記第3の送信手段はさらに、所属基地局からトラヒック集中の報知を受けた場合に、自端末の存在を周囲の前記ユーザ端末へ報知する前記存在情報を送信する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の移動通信システム。
  7. 前記第3の送信手段による前記存在情報の送信周期は、前記ユーザ端末が前記中継専用端末の通信可能範囲に入ってから、該通信可能範囲から出て行くまでの平均時間であることを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
  8. 前記中継専用端末は、前記通信経路において、複数の前記中継専用端末が隣り合っている場合に、隣り合う前記中継専用端末同士の経路を記憶する記憶手段をさらに具備し、
    前記中継専用端末の前記中継手段は、前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記経路および前記経路探索情報が示す経路に基づいて、前記探索終了情報および前記ユーザ端末と前記他基地局との間の情報を中継する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかの項に記載の移動通信システム。
  9. 中継専用端末から該中継専用端末の存在を報知する存在情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって前記存在情報が受信されると共に、所属基地局によるトラヒック集中の報知を受けた場合に、中継端末および前記中継専用端末の識別子が格納される第1の経路情報を含む経路探索情報を、前記存在情報の送信元である前記中継専用端末へ送信する送信手段と、
    前記経路探索情報の中継経路上の前記中継端末および前記中継専用端末の識別子が格納された第2の経路情報を含む探索終了情報を受信し、該第2の経路情報に基づいて、1以上の前記中継端末または前記中継専用端末を介して、前記他基地局と通信を行う通信手段と、
    を具備することを特徴とするユーザ端末。
  10. 中継端末および中継専用端末の識別子が格納される第1の経路情報を含む経路探索情報を受信する受信手段と、
    該経路探索情報が示す基地局と所属基地局とが同一の場合には、自身の識別子を格納することによって前記第1の経路情報を更新した前記経路探索情報をブロードキャストし、同一でない場合には、前記第1の経路情報に格納されている識別子を格納した第2の経路情報を含む探索終了情報を、該第2の経路情報が示す通信相手へ送信する送信手段と、
    前記探索終了情報およびユーザ端末と基地局との間の情報を、前記第2の経路情報に基づいて中継する中継手段と、
    前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でない場合に、所定時間以内に受信された前記経路探索情報および前記探索終了情報を消去する制御手段と、
    を具備することを特徴とする中継端末。
  11. 前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でない場合に、送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報を消去すると共に、所定時間以内に受信された前記経路探索情報および前記探索終了情報を消去することを特徴とする請求項10に記載の中継端末。
  12. 送信元のユーザ端末によって同時に送信された前記経路探索情報には、同一の識別子が付加され、
    前記探索終了情報には、該探索終了情報に対応した前記経路探索情報と同一の識別子が付加され、
    前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でないと判定した場合であって、該判定の時点以後の所定時間以内に前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去する
    ことを特徴とする請求項10に記載の中継端末。
  13. 送信元のユーザ端末によって同時に送信された前記経路探索情報には、同一の識別子が付加され、
    前記探索終了情報には、該探索終了情報に対応した前記経路探索情報と同一の識別子が付加され、
    前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でないと判定した場合に、送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報の処理を所定時間遅らせると共に、前記判定の時点以後の所定時間以内に前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に、前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去する
    ことを特徴とする請求項10に記載の中継端末。
  14. 送信元のユーザ端末によって同時に送信された前記経路探索情報には、同一の識別子が付加され、
    前記探索終了情報には、該探索終了情報に対応した前記経路探索情報と同一の識別子が付加され、
    前記制御手段は、前記中継手段によって前記中継専用端末から受信された前記探索終了情報の宛先が自端末でなく、前記受信手段によって受信された前記経路探索情報の識別子と送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報の識別子とが同一である場合に、前記送信予定の前記経路探索情報が示す経路または前記探索終了情報が示す経路に前記中継専用端末が含まれているかどうか判定し、該中継専用端末が含まれていないと判定した場合には、前記送信予定の前記経路探索情報または前記探索終了情報を消去すると共に、前記判定の時点以後の所定時間以内に前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、該受信の時点以後の所定時間以内に、前記経路探索情報の識別子と同一の識別子をもつ前記探索終了情報を前記中継専用端末から受信するかどうか判定し、受信したと判定した場合には、前記経路探索情報を消去する
    ことを特徴とする請求項10に記載の中継端末。
  15. 中継端末および中継専用端末の識別子が格納される第1の経路情報を含む経路探索情報を受信する受信手段と、
    該経路探索情報が示す基地局と所属基地局とが同一の場合には、自身の識別子を格納することによって前記第1の経路情報を更新した前記経路探索情報をブロードキャストし、同一でない場合には、前記第1の経路情報に格納されている識別子を格納した第2の経路情報を含む探索終了情報をブロードキャストする送信手段と、
    前記探索終了情報およびユーザ端末と基地局との間の情報を、前記第2の経路情報に基づいて中継する中継手段と、
    を具備し、固定設置されていることを特徴とする中継専用端末。
  16. 前記通信経路において、複数の前記中継専用端末が隣り合っている場合に、隣り合う前記中継専用端末同士の経路を記憶する記憶手段をさらに具備し、
    前記中継手段は、前記受信手段によって前記経路探索情報が受信された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記経路および前記経路探索情報が示す経路に基づいて、前記探索終了情報および前記ユーザ端末と前記他基地局との間の情報を中継する
    ことを特徴とする請求項15に記載の中継専用端末。
  17. 前記送信手段はさらに、所属基地局からトラヒック集中の報知を受けた場合に、自端末の存在を周囲の前記ユーザ端末へ報知する存在情報を送信することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の中継専用端末。
  18. 前記送信手段による前記存在情報の送信周期は、前記ユーザ端末が前記中継専用端末の通信可能範囲に入ってから、該通信可能範囲から出て行くまでの平均時間であることを特徴とする請求項15〜請求項17のいずれかの項に記載の中継専用端末。
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