JP4086995B2 - ポリマー碍子装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリマー碍子装置に関し、特に高電界下で使用されるポリマー碍子の劣化を防止するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来送電線の相間短絡を防止する相間スペーサ等は絶縁耐力、耐候性、機械的強度の優れている磁器製の碍子が用いられていたが、この磁器製碍子は重量が大きいという難点があり、最近はこれらの磁器製碍子に代わって、軽量なポリマーで形成したポリマー碍子が使用されるようになってきている。
【0003】
図4は従来のポリマー碍子装置の一例を示す図で、1はポリマー碍子で、該ポリマー碍子は、例えばシリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等の樹脂で成形されている。なお、図中2はポリマー碍子の傘部分を示している。4はポリマー碍子1の両端に取り付けた端末金具で、該端末金具4の基部はポリマー碍子1を成形するときに碍子1に埋め込んで一体に取り付けられ、先端側には電線をクランプする電線クランプ10を取り付けるためのフランジ9が設けられ、該フランジ9に電線クランプ10が取り付けられている。
【0004】
ところで、ポリマー碍子装置は、軽量であるために施工性がよく、また軽量なため送電線に取り付けても電線に大きな加重を負荷しないので、該ポリマー碍子装置を送電線に取り付けても弛度張力に与える影響が少ない、という利点がある。しかしながら、絶縁体である碍子1と導電体である端末金具4との接合部7付近では電気傾度が高くなり、この電位傾度が高い状態ではポリマー碍子1に有機材料特有のシンチレーション等による劣化現象であるエロージョン、トラッキング、コロナカッティング等が発生して急速に劣化が進行し、ポリマー碍子の絶縁強度を低下させるという問題が生じる。
そこで電気傾度が高くなる、即ち電界が集中する部分のポリマー碍子1の劣化を防ぐために、ポリマー碍子1と端末金具4との接合部7付近にシールドリング6を取り付けて電界を緩和し、有機材料(ポリマー碍子)特有の劣化現象の発生を抑制するようにしている。
【0005】
このシールドリング6はアルミ、鉄等の金属製中空パイプで円形に成形し、あるいは該中空パイプを半円形に成形してこれを円環状になるように組み合わせて組み立てる2つ割りのものが使用されている。これらのシールドリング6には円周方向に所定間隔で取付杆5が設けられ、該取付杆5の他端を端末金具4のフランジ部9にボルト11・ナット12で固定することによりポリマー碍子と端末金具の接合点近傍に取り付けられ、接合点近傍の電界集中を緩和している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したようにポリマー碍子1と端末金具4の接合点近傍に電界集中を緩和するシールドリング6を設けても、ポリマー碍子1と端末金具4との接合部7並びにその近傍(以下接合部近傍7という)が汚損されるとその部分に漏れ電流が集中して、絶縁破壊の原因となり、また、ポリマー碍子1の劣化に伴って汚損物質の付着量が多くなり耐電圧が低下してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、大気中の汚損物質が電界の厳しいポリマー碍子1と端末金具4との接合部近傍7に付着するのを防止したポリマー碍子装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明においては、ポリマー碍子と該ポリマー碍子の両端に設けた端末金具と、該端末金具に固定されたシールドリングとからなるポリマー碍子装置において、前記ポリマー碍子と端末金具との少なくとも下端の接合部付近を、底部に水抜き機構を有する防塵用カバーで覆ってなることを特徴とするポリマー碍子装置が提供される。本発明における前記防塵用カバーはシールドリングに取り付けるか、端末金具に取り付けてもよい。
【0009】
本発明のポリマー碍子装置は、シールドリングまたはポリマー碍子の先端に設けた端末金具に防塵用カバーを設け、該カバーでポリマー碍子と端末金具の接合部付近をカバーし、地上から吹き付けられたり、上空から降り積もるほこりなど空気中を浮遊する汚損物質(塵埃)がポリマー碍子と端末金具との接合部近傍に付着しにくい構造としたことにより、ポリマー碍子の劣化を抑制することができるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を図示した実施形態につき説明する。
図1乃至図3は本発明の第1乃至第3の実施形態で、図4と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図1は本発明の第1の実施形態で、図1(イ)はポリマー碍子装置の下側部分を示したもので、ポリマー碍子装置のシールドリング6には防塵用カバー30が取付けられている。図1(ロ)は防塵用カバー30の平面図で、該防塵用カバー30はシールドリング6に設けた取付杆5に沿った形状、即ち裁頭円錐形状に形成されており、裁頭部分は内側に直角に折り返えされ、ボルト挿通孔11が設けられている。
【0011】
図1に示す防塵用カバー30をポリマー碍子装置に取り付けるには、2つ割りのシールドリング6に設けた取付杆5の先端に設けたボルト貫通孔をフランジ9のボルト貫通孔に合わせ、次いで、防塵用カバーをフランジ9の外側から取付杆5に沿って被せてカバーのボルト11の貫通孔をフランジ9のボルト貫通孔に合わせ、最後に電線クランプ10のボルト貫通孔を合わせて全体をボルト11・ナット12で締めつけて、取付けを完了する。
なお、図中31は水抜き孔である。該水抜き孔31は防塵用カバー30をポリマー碍子の下側に取り付けた場合、雨水などが貯まらないようにするためのものである。
上記防塵用カバー30は耐候性に優れたプラスチック等で形成してもよく、また、雨水が溜まらないようにメッシュ状の金属で作製してもよく、これらの組み合わせでもよい。
【0012】
図2は本発明の第2の実施形態を示すもので、(イ)は防塵用カバー33をポリマー碍子装置に取り付けた状態を、(ロ)は防塵用カバー33の平面図を示している。本実施形態の特徴点は、防塵用カバー33を2つ割りとした点である。このように防塵用カバー33を2つ割りにすることにより、シールドリング6の取付杆5の先端に設けたボルト貫通孔と防塵用カバーのボルト貫通孔とを合わせた後にフランジ9に取り付けることも可能となり、また、シールドリング6の取付杆5の内側に配置することも可能となる。
この防塵用カバー33は2つ割りとなっているために、その合わせ目にできる隙間から水が抜けるので、改めて水抜き孔を設ける必要はない。
【0013】
図3は本発明の第3の実施形態を示すもので、(イ)はポリマー碍子装置の下側部分を示し、(ロ)はシールドリング6から下方を見た図である。本実施形態の特徴点は、防塵用カバー35が2つ割りになっており、その先端開口部はシールドリング6の内側に入れ込む大きさになっており、防塵用カバー35の裁頭部には端末金具4を挟み込んでカバー35を端末金具4本体に取り付けるフランジ構造37となっている点である。
該防塵用カバー35も2つ割りとなっているためにその合わせ目にできる隙間から水が抜けるようになっている。
【0014】
図1、図2に示した防塵用カバー30または33はポリマー碍子本体にシールドリング6の取付杆部5と一緒に端末金具4のフランジ部9にボルト11・ナット12で固定するように構成されているため、ボルト11・ナット12の締めつけに特殊な工具を必要とする場合があるが、図3の防塵用カバー35は端末金具4に取り付ける構造となっているため、シールドリング6をポリマー碍子1に取り付ける前に防塵用カバー35を端末金具4に取付け、その後にシールドリング6を取付けられるので、現場における作業性が優れている利点がある。
【0015】
図1乃至図3に示す本発明のポリマー碍子装置では、端末金具とポリマー碍子との接合部近傍に防塵用カバーが設けられているので、地上から吹き上げられ、または空中を浮遊する汚損物質の付着が減少され、高電界下でのポリマー碍子の劣化が抑制される。
なお、上記実施形態の説明では、ポリマー碍子の下側に防塵用カバーを装着する例につき詳述したが、必要によりポリマー碍子の上側にも防塵用カバーを設けてもよく、また、上側のみに設けることもでき、ポリマー碍子装置の設置場所等により適宜選択して取り付ければよい。
また、上側となる端末金具とポリマー碍子との接合部近傍に取り付ける防塵用カバーには水抜き孔を形成する必要は必ずしもない。
【0016】
【発明の効果】
本発明のポリマー碍子は、電位傾度が高くなる端末金具とポリマー碍子との接合部近傍に付着する汚損物質(塵埃)を大幅に減少することができるので従来の防塵用カバーを設けていないポリマー碍子装置を用いた場合に比べて高電界下でのポリマー碍子の劣化を抑制することができる。また、防塵用カバーの底部に水抜き機構を有することで、防塵用カバーをポリマー碍子の下側に取り付けた場合、雨水などが貯まらないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す説明図である。
【図4】従来のポリマー碍子装置の説明図である。
【符号の説明】
1 ポリマー碍子
2 笠部
4 端末金具
5 取付杆
6 シールドリング
9 フランジ部
10 電線クランプ
11 ボルト・ナット
30 防塵用カバー
33 防塵用カバー
35 防塵用カバー
Claims (3)
- ポリマー碍子と該ポリマー碍子の両端に設けた端末金具と、該端末金具に固定されたシールドリングとからなるポリマー碍子装置において、前記ポリマー碍子と端末金具との少なくとも下端の接合部付近を、底部に水抜き機構を有する防塵用カバーで覆ってなることを特徴とするポリマー碍子装置。
- 前記防塵用カバーがシールドリングに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のポリマー碍子装置。
- 前記防塵用カバーが端末金具に取り付けられていることを特徴とする請求項1にポリマー碍子装置。
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- 1999-02-10 JP JP03344399A patent/JP4086995B2/ja not_active Expired - Fee Related
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