JP4086870B2 - プリント回路基板設計支援装置、方法およびプログラム - Google Patents

プリント回路基板設計支援装置、方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、プリント回路基板設計支援装置、方法およびプログラムに関し、特にプリント回路基板、部品および配線に関するプリント回路基板の設計情報を基にしてそのプリント回路基板の配線からの電磁放射の放射量を計算することにより、不要電磁放射を抑えたプリント回路基板の設計を支援するプリント回路基板の設計支援装置、方法およびプログラムに関するものである。
電子機器から放射される不要な電磁波が公共の放送や通信に障害を与えないために、電子機器および電子機器に搭載したプリント回路基板からの不要な電磁放射を抑えることが必要となっている。しかし、この電磁放射を抑えることはその原因を突き止めることが難しいことから容易ではない。また、この電磁放射を抑えるために、機器のケーブルの根元にフェライトコアを取り付ける場合や、プリント回路基板の高速信号配線にフェライトビーズやダンピング抵抗、各種フィルタなどを挿入する場合があり、製品のコストアップの原因となっている。さらに、上記対策でも不十分な場合には、基板を再設計や再製作することもあり、出荷遅れの原因にもなっている。
コストアップや出荷遅れなしに電磁放射を抑えるには、プリント回路基板の設計段階で電磁放射を抑えるための設計手法を盛り込むことが望ましい。設計および開発の上流であるほど、修正にかかるコストが低く抑えられるためである。
このような背景から、従来、不要な電磁放射を抑えたプリント回路基板の設計を支援するための装置や設計支援方法、設計を支援するためのプログラムを記憶した記憶媒体などが提案されている。例えば、特許文献1に記載された「プリント基板CAD装置」、特許文献2に記載された「回路基板設計方法および記憶媒体」、特許文献3に記載された「設計支援装置」などがそれに相当する。
図22に、特許文献1に記載された「プリント基板CAD装置」の実施形態における概念図を示す。この発明では、基板面をメッシュに分割し、分割したメッシュ要素毎に含まれる信号路の電流値を計算する。この電流値もしくはこの電流値を基にしてさらに計算したメッシュ要素毎の放射ノイズの予測量、の高低に応じてメッシュの視覚属性を決定している。この発明により、プリント回路基板の設計者は、升目に示された電流値および放射ノイズの予想量の高低によって直感的に放射ノイズ量の高低を理解することができる。また、設計者は表示レベルが局所的に高くならないように配線していけば、基板上のノイズ量は自ずと分散させることができる。
図23に、特許文献2に記載された「回路基板設計方法および記憶媒体」のフローチャートを示す。この発明では、S22〜S24で、仮想断面記述テーブルから読み出した仮想断面にて各信号線を仮想配線し、その不要輻射量Xを算出する。さらに、S27で不要輻射量Xが許容値Aを越えていた信号配線に対して、仮想断面の改善を実施した改善解N1と、対策部品を挿入した改善N2を算出する。S28において、両改善解N1・N2は、層構成記述テーブルより読み出した各層構造へ割り付けられる。さらに、S29およびS30では、改善解N1・N2と各層構造との組み合わせの中から実施可能解Pを抽出し、その中から、製造コストと不要輻射量とに基づいて、最適解Qを選択する。S31では、最適解Qにより決定される層構造へ各信号線を自動配線する。この発明により、基板設計の早い段階での放射ノイズの評価およびノイズ対策が行なえる。
図24に、特許文献3に記載された「設計支援装置」の全体構成図を示す。この発明では、基板、部品およびネットに関する設計情報を格納する手段(設計データ格納手段107)と、配置対象となる部品を選択する手段(配置対象部品選択手段110)と、配置対象部品に接続する高速ネットを設計データ格納手段から検索する手段(高速ネット検索手段111)と、高速ネット検索手段で検索した高速ネットを仮想的に配線する経路を決定する手段(仮想配線経路決定手段940)と、仮想配線経路に配線された高速ネットの放射ノイズを算出する手段(放射ノイズ算出手段950)と、放射ノイズを表示する情報を生成する手段(放射ノイズ表示情報生成手段115)とを備えることを特徴とする。この発明により、部品配置時に放射ノイズシミュレーションを行い、配置対象となる部品(配置対象部品)と接続する高速ネットに対する放射ノイズ量を設計者に様々な表示パターンで表示することができるため、配置対象部品の適切な配置位置がわかり、放射ノイズ特性のよい配線設計が可能となる。
特開平5−67176号公報 特開平10−49568号公報 特開2001−134626号公報 R. Dockey, "Asymmetrical Mode Radiation from Multi-layer Printed Circuit Boards" EMC/ESD International Symposium, 1992, pp.247-251. B. Archambeault, "Modeling of EMI Emissions from Microstrip Structures with Imperfect Reference Planes" IEEE International Symposium on Electromagnetic Compatibility, Austin, 1997, pp. 456-461.
このような従来の手法では、プリント回路基板からの電磁放射として、信号配線からの電磁放射(ディファレンシャルモード放射、差動モード放射もしくはノーマルモード放射と呼ばれる電磁放射)のみを扱っている。
ディファレンシャルモード放射とは、信号配線が作る閉回路がループアンテナと同じように働き、放射するものである。例えば、一般的な例として、送信側ICと受信側ICが配線パターンとグランドプレーンとで構成されるマイクロストリップ線路でつながっている場合には、この配線パターンを流れる電流とグランドプレーンを中心とした配線パターンの鏡像電流とが閉ループの電流として流れ、これがループアンテナと同じような放射を起こすものである。例えば、IEICE TRAN. COMMUN.,VOL.E78-B, NO.2 FEBRUARY 1995 ”Prediction of Peak Frequencies on Electromagnetic Emission from a Signal Line on a Printed Circuit Board”にその詳細が述べられている。
プリント回路基板からの電磁放射は、この信号配線からの放射以外に、信号配線に対向するグランドプレーンからの放射(コモンモード放射、共通モード放射、もしくはAsymmetrical mode Radiationと呼ばれる電磁放射)があり、基板によっては、このコモンモード放射の方が支配的になることが報告されている。例えば、非特許文献1では、信号配線を流れる電流によってグランドプレーンはダイポールアンテナと同じように働き、グランドプレーン全体が共振を起こし、強い電磁放射を引き起こすこと、この放射量はグランドプレーンの幅によって変わることが報告されている。
また、非特許文献2では、信号配線をグランドプレーンの端部に寄せるほど、プリント回路基板からの電磁放射量が増えることが報告されている。これらの報告から、電磁放射を抑えたプリント回路基板を設計するには、信号配線からのディファレンシャルモード放射を考えるとともに、放射量がグランドプレーンの大きさや信号配線の位置によって大きく変わる、グランドプレーンからのコモンモード放射についても考慮すべきことがわかる。
したがって、信号配線からの電磁放射の放射量を計算する際、従来の手法で得られるディファレンシャルモード放射の放射量に加えて、コモンモード放射の放射量を計算するには、上記非特許文献2のように電磁界シミュレーションを用いる方法が考えられる。
しかしながら、このような電磁界シミュレータで多数の信号配線を持つ大規模なプリント回路基板の放射量を計算する場合、大きなメモリーを用意しなければならず、かつ、計算時間も非常にかかるため、基板設計と並行に電磁界シミュレーションを行うことは現状非常に難しい。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、電磁界シミュレーションを行わずに、プリント回路基板の配線に起因して生ずる電磁放射の放射量を容易に計算でき、各配線の電磁放射の放射量を容易かつ正確に把握できるプリント回路基板設計支援装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明にかかるプリント回路基板設計支援装置は、プリント回路基板に形成されている配線に起因して生ずる電磁放射の放射量を算出することによりプリント回路基板の設計を支援するプリント回路基板設計支援装置であって、プリント基板に形成されているグランドプレーンと配線に関する第1の設計情報を入力する入力手段と、入力手段により入力された第1の設計情報を記憶する第1の記憶手段と、第1の設計情報から所望の配線に関する第2の設計情報を抽出する抽出手段と、抽出手段で抽出した第2の設計情報を記憶する第2の記憶手段と、第2の記憶手段から第2の設計情報を読み出し、この設計情報に基づいて配線から生ずる電磁放射のディファレンシャルモード(DM)放射量の最大値と配線に対応してグランドプレーンから生ずるコモンモード(CM)放射量の最大値との和に相当する放射量を主(MAJ)放射量として算出する演算手段とを備えている。
この際、主(MAJ)放射量を算出する具体的構成として、演算手段に、第2の設計情報に基づき配線のディファレンシャルモード(DM)放射量を算出するDM放射量算出手段と、第2の設計情報に基づき配線のコモンモード(CM)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すCM放射量比を算出するCM放射量比算出手段と、このCM放射量比算出手段で算出されたCM放射量比に基づいて配線の主(MAJ)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すMAJ放射量比を算出するMAJ放射量比算出手段と、MAJ放射量比算出手段で算出されたMAJ放射量比とDM放射量算出手段で算出されたディファレンシャルモード(DM)放射量とに基づいて配線の主(MAJ)放射量を算出するMAJ放射量算出手段とを設けてもよい。
また、本発明にかかるプリント回路基板設計支援方法は、
プリント回路基板に形成されている配線に起因して生ずる電磁放射の放射量を算出することによりプリント回路基板の設計を支援するプリント回路基板設計支援装置で用いられるプリント回路基板設計支援方法であって、入力手段により、プリント基板に形成されているグランドプレーンと配線に関する第1の設計情報を入力し、第1の記憶手段により、入力手段で入力された第1の設計情報を記憶し、抽出手段により、第1の設計情報から所望の配線に関する第2の設計情報を抽出し、第2の記憶手段により、抽出手段で抽出した第2の設計情報を記憶し、演算手段により、第2の記憶手段から第2の設計情報を読み出し、この第2の設計情報に基づいて配線から生ずる電磁放射のディファレンシャルモード(DM)放射量を算出し、第2の設計情報に基づいて配線に対応してグランドプレーンから生ずるコモンモード(CM)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すCM放射量比を算出し、このCM放射量比に基づいて配線に起因して生ずる電磁放射全体の主な放射量を示す主(MAJ)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すMAJ放射量比を算出し、このMAJ放射量比とディファレンシャルモード(DM)放射量とに基づいて主(MAJ)放射量を算出するようにしたものである。
また、本発明にかかるプログラムは、前述した本発明にかかるプリント回路基板設計支援方法の各手順をプリント回路基板設計支援装置に設けられたコンピュータで実行させるためのものである。なお、プログラムの各ステップについては、前述した本発明にかかるプリント回路基板設計支援方法の各手順と同一であり、ここでの説明は省略する。
上記のとおりの本発明においては、以下のような作用により上述の課題が解決される。
まず、プリント回路基板からの電磁放射が信号配線からのディファレンシャルモード(DM)放射とグランドプレーンからのコモンモード(CM)放射の合成であることを、図を参照して説明する。
図13にプリント回路基板の一例を示す。本基板30は、信号層−グランド層−電源層−信号層で構成した4層プリント回路基板で、その大きさは210mm(横)×100mm(縦)×1.6mm(厚さ)である。第1層の信号層に水晶発振器31、LSI32、負荷容量33およびそれらをつなぐ信号配線34を設け、水晶発振器31からLSI32に40MHzのクロック信号を入力し、LSI32から16個ある7pF(ピコファラッド)の負荷容量33に20MHzの矩形波信号を出力する回路構成となっている。この他、第1層の信号層には、LSI32の隣接領域に初期化回路35が設けられている。
本基板30からの放射は、平行に並んだ16本の信号配線34が同時動作することから、これらの信号配線34からの放射と本基板30内層のグランドプレーン(図示せず)からの放射の合成と考えられる。不要な電磁放射で問題とする30MHz〜1GHzの範囲では、この信号配線34の長さが約3cmと1GHzの1/10波長に相当するため、この信号配線34は微小ループアンテナとして働く。この微小ループアンテナからの放射がDM放射である。
一方、グランドプレーンは信号配線に沿った方向に励振されるため、グランドプレーン長辺がダイポールアンテナとして働く。このダイポールアンテナによる放射がCM放射である。これら2つのアンテナからの放射が合成されることで、プリント回路基板からの最大放射が決まる。
図14〜16に本基板の放射パターンの測定結果を示す。本結果は床面にも電波吸収体を敷き詰めた6面電波暗室内に基板を配置して測定した電界強度の放射パターンである。基板と測定アンテナとの距離を3m、基板と測定アンテナの高さをともに1.5mとし、基板を床面と平行な面内で360度回転させながら測定した。図14は基板面を床面に水平に配置した場合、図15は基板長辺を床面に垂直に配置した場合、図16は基板短辺を床面と垂直に配置した場合の結果である。各図14〜16中には、DM放射、CM放射それぞれの放射パターン概念図がともに示されている。放射レベルの最も高い520MHz成分の結果である。実線は水平偏波成分、破線は垂直偏波成分を示す。図14の場合、DM放射の主偏波は垂直偏波、CM放射の主偏波は水平偏波となる。測定結果も形状、偏波ともDM放射、CM放射の概念図と一致している。そのため、この観測面の水平偏波および垂直偏波の最大値が、CM放射の最大値およびDM放射の最大値を示すことになる。
図15の場合、DM放射、CM放射とも主偏波は垂直偏波となる。そのため、測定結果も主偏波が垂直偏波となる。そのため、測定結果も主偏波が垂直偏波となり、θ=0゜ではDM放射の最大値とCM放射の最大値の合成となり、最もレベルが高くなっている。また、図16の場合、DM放射、CM放射とも主偏波は水平偏波となる。そのため、測定結果も主偏波が水平偏波となり、φ=0゜ではDM放射の最大値とCM放射の最大値の合成となり、最もレベルが高くなっている。
ここで測定している電磁波(30MHz〜1GHz)では、より波長の短い光とは異なり、特定の位置でそのレベルが急激に大きくなることはほとんどない。そのため、この3つの直交する観測面を見ることで、本基板からの最大放射レベルは抜けなく観測されることになる。また図15の観測面θ=0゜における垂直偏波(Eφ)と図16の観測面φ=0゜における水平偏波(Eφ)は、ちょうど同じ位置の同じ偏波である。この位置に図15および図16の最もレベルの高い位置がくるので、これらが本基板からの最大放射を示すことになる。
以上をまとめると、図14の垂直偏波はDM放射、水平偏波はCM放射、図15の垂直偏波と図16の水平偏波はDM放射とCM放射の合成を表現していることがわかる。さらに、DM放射とCM放射が合成される観測面での最大値が本プリント回路基板からの最大放射となっている。
以上の考察から、本発明者は、十分短い信号配線を扱う場合には、プリント回路基板のからの電磁放射の偏波特性によってDM放射、CM放射、DM放射とCM放射の合成による最大放射、すなわち、当該信号配線に起因して生ずる電磁放射の主な放射量を示す主(MAJ)放射量とが分離できることを見出した。図17、図18、図19は、この考えに基づき、DM放射量に対するCM放射量の比率(CM/DM)、DM放射量に対する主放射量の比率(MAJ/DM)を示した結果である。測定条件は図14と図17、図15と図18、図16と図19に対応する。
図中、「■」(四角(黒))は放射電界の測定結果から上記係数を求めた結果、実線は市販のFDTD(Finite Difference Time Domain)電磁界シミュレータによって求めた結果である。
電磁界シミュレーションでは、プリント回路基板のグランドプレーンを、その平面の大きさは同じで厚さが無限小の完全導体板、LSIと負荷容量とをつなぐ配線部分を太さ無限小の完全導体棒、LSIの半導体チップを電圧源、負荷容量をその抵抗分として1オームとしてモデル化した。それ以外の例えば基板材である薄い誘電体などは無視して計算した。また、シミュレーション条件として、吸収境界条件には、10層のPML(Perfect Matched Layer)を用いた。また、入力パルスとしてはガウシアンパルスを用いた。これらの条件のもと、20MHzピッチで200MHzから1GHzまで放射パターンを計算し、その偏波特性からDM放射成分、CM放射成分、この両者の和である最大放射成分を抽出し、CM/DMの比率、MAJ/DMの比率を求めた結果である。両者のエンベロープが広帯域で良く一致しており、上記考えが広帯域で適用できることが確認できる。
DM放射量は、信号配線の形状や流れる電流値によって決まるため、信号配線の位置には依存しない。これに対し、CM放射量やCM放射量を含む主放射量は信号配線の位置に大きく依存する。そのため、CM/DM特性やMAJ/DM特性は、CM放射量もしくは主放射量の位置依存性を表す係数となる。図20は、長さ10mmの信号配線を210mm×100mmのグランドプレーン上の中央に配置した場合と、長辺方向に対しては中心位置でかつこの配線と平行なグランドプレーン端からは5mmの位置に配置した場合のCM/DM特性である。先と同じ方法で電磁界シミュレーションにより求めた結果である。前述した文献2にあるように、信号配線がグランドプレーン端に近づくほど、広帯域でCM放射が増えることを表している。ただし、信号配線の位置が変わってもピーク周波数は変わらない。これはグランドプレーンの形状が決まると自ずとグランドプレーンによる放射のピーク周波数が決まることを意味する。
図21は、同じく電磁界シミュレーションによって求めた結果であるが、CM/DM特性のピーク周波数において、信号配線のグランドプレーン幅方向の位置とCM/DM特性の関係を計算した結果である。信号配線がグランドプレーン端に近づくにつれてCM/DMの値が指数関数的に増加している。
本発明者は、プリント回路基板のグランドプレーンの形状、配線の位置を変えながら、上記と同様の測定や計算を繰り返し、グランドプレーンの大きさや配線の位置を変えた場合に、CM/DM特性およびMAJ/DM特性がどのように変化するか詳細に調べた。その結果、グランドプレーンの大きさが決まると、その縦横の長さa,bと信号配線のグランドプレーン端からの距離dによってCM/DM特性、およびMAJ/DM特性が簡単な計算式で表現できることを見出した。そして、この計算式を用いれば、いかなる大きさの矩形グランドプレーンであっても、信号配線の位置が決まると、その位置におけるCM/DM特性およびMAJ/DM特性が求まることを発見した。
一方、DM放射量は、信号配線の形状と流れる電流値が決まれば、簡単な理論式によって求められることが知られている。
したがって、この計算式を用いてグランドプレーンの形状と信号配線の位置との関係から、CM/DM特性およびMAJ/DM特性を求め、別途、信号配線のDM放射量を求めれば、この両者によりその信号配線に対応して生ずるグランドプレーンからのCM放射量およびその信号配線に起因して生ずる電磁放射全体の主放射量を容易かつ短時間で算出できる。例えば、図17から図19に示した電磁界シミュレーションによるCM/DMの比率やMAJ/DMの比率の計算結果では、Intel製CPUのPentiumIII(商標登録)、クロック周波数1GHzのパーソナルコンピュータを用いて約48時間かかった。これに対し、この式を用いれば、ピーク周波数での値だけであるが、1秒以下で求めることができた。
上記考えに基づいて放射量を計算すれば、基板の設計段階において、信号配線の位置に依存した、プリント回路基板からの放射量を把握することができる。また、信号配線からのDM放射だけを考慮した従来方法に比べ、プリント回路基板からの放射量をより正確に予測することができる。また、より正確に求めた放射量により、電磁放射を抑えたプリント回路基板をより正確に設計することが可能となる。
本発明によれば、プリント回路基板の配線に起因して生ずる電磁放射全体の主な放射量を示す主(MAJ)放射量として、ディファレンシャルモード(DM)放射量とコモンモード(CM)放射量との和に相当する放射量を算出するようにしたので、従来のようにディファレンシャルモード(DM)放射量のみを扱う場合と比較して、各配線ごとにその電磁放射の放射量を正確に計算できる。したがって、電磁放射を抑えた配線設計を容易かつ短時間で行うことが可能となる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態にかかるプリント回路基板設計支援装置の構成を示すブロック図である。
プリント回路基板設計支援装置1は、グランドプレーンを有するプリント回路基板、このプリント回路基板に形成された配線、およびこのプリント回路基板に実装される部品のそれぞれに関する設計情報を基にして、そのプリント回路基板の配線に起因して生ずる電磁放射の放射量を算出することによりプリント回路基板の設計を支援する装置である。このプリント回路基板設計支援装置1は、入力装置2、記憶装置3、データ処理装置4、出力装置5およびプログラム4aから構成されている。
入力装置2は、上記放射量を算出するのに必要な各種情報を入力するための装置である。この入力装置2には、プリント回路基板の外形寸法、層構成、部品や配線の形状や位置や電気定数などの、基板、部品および配線に関する設計情報を入力する入力手段a6、電磁放射量を計算する配線を指定するためにその配線名を入力する入力手段b7、および各配線によって生ずる主放射量の限度を示す、各配線で共通の限度値を入力する入力手段c8が設けられている。
記憶装置3は、上記放射量を算出するのに必要な各種情報を記憶するための装置である。この記憶装置3には、入力手段a6によって入力された基板、部品および配線に関する設計情報を記憶する記憶手段a9、後述する抽出手段13が入力手段b7で入力した配線名に基づいて記憶手段a9より抽出した、電磁放射量を計算する配線に関する設計情報を記憶する記憶手段b10、後述する演算手段14の計算結果である主放射量、CM放射量、DM放射量を記憶する記憶手段c11、および入力手段c8によって入力した各配線によって生ずる主放射量の限度値を記憶する記憶手段d12が設けられている。
データ処理装置4は、全体としてコンピュータからなり、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなるハードウェア資源と、プログラム4aとを協働させることにより、入力装置2により入力された各種情報や記憶装置3に記憶されている各種情報に基づき所望の放射量を算出する。このデータ処理装置4には、記憶手段a9に記憶された設計情報の中から、入力手段b7より指定された配線名に基づいて、電磁放射量を計算する配線の情報を抽出し、その結果を記憶手段b10に出力する抽出手段13、記憶手段b10に記憶した配線情報を基に、これらの配線の主放射量、CM放射量、DM放射量を算出し、それらの結果を記憶手段c11に出力する演算手段14、および記憶手段c11に記憶した演算結果と記憶手段d12に記憶した主放射量の限度値とを比較し、その比較結果を後述する出力装置5に出力する比較手段15が設けられている。
出力装置5は、比較手段15の結果を出力することにより、当該プリント回路基板からの電磁放射の放射量が所望の限度値を満足しているかどうかを報知するための装置である。
プログラム4aは、データ処理装置4に読み込まれ、そのコンピュータで所望の放射量の算出処理を実行させるためのプログラムである。このプログラム4aは、CD−ROMやフレキシブルディスクなどの記録媒体に格納されており、必要に応じてデータ処理装置4に接続された記憶装置3やハードディスクなどのデータ蓄積装置(図示せず)に予め転送し、ここからデータ処理装置4へ読み込むようにしてもよい。
データ処理装置4の演算手段14には、所望の放射量を算出するための機能手段が設けられており、これら機能手段は上記ハードウェア資源とプログラム4aとが協働して実現される。
これら機能手段としては、プリント回路基板に形成されている配線から生ずる電磁放射のディファレンシャルモード放射量(以下、DM放射量という)を算出するDM放射量算出手段16、配線に対応してプリント回路基板のグランドプレーンから生ずる電磁放射のコモンモード放射量(以下、CM放射量という)とDM放射量との比を示すCM放射量比(CM/DM)を算出するCM放射量比算出手段17、配線に起因して生ずる電磁放射全体の主な放射量を示す主放射量(以下、MAJ放射量という)とDM放射量との比を示すMAJ放射量比(MAJ/DM)を算出する,MAJ放射量比算出手段18、CM放射量比とDM放射量とからCM放射量を算出するCM放射量算出手段19、およびMAJ放射量比とDM放射量とからMAJ放射量を算出するMAJ放射量算出手段20が設けられている。
次に、図2を参照して、本実施の形態にかかるプリント回路基板支援装置の動作について説明する。図2は本実施の形態にかかるプリント回路基板支援装置の動作を示すフローチャートである。
(S1)まず、入力手段a6によって、基板、部品および配線に関する設計情報を本装置1に取り込む。
(S2)記憶手段a9によって、上記情報を記憶する。
(S3)入力手段b7によって、電磁放射を計算する配線名を入力する。
(S4)抽出手段13によって、上記配線名に対応した配線情報およびその配線と関係する基板、部品情報を記憶手段a9から抽出する。
(S5)記憶手段b10によって、上記抽出結果を記憶する。
(S6)演算手段14によって、記憶手段b10に記憶された情報をもとにこの対象としている配線による主放射量、CM放射量、DM放射量を計算する。
(S7)記憶手段c11によって、計算した各放射量を記憶する。
(S8)入力手段c8によって、各配線で共通な主放射量の限度値を入力し、その値を記憶手段d12に記憶する。
(S9)比較手段15によって、記憶手段c11に記憶した主放射量の計算結果と、記憶手段d12に記憶した主放射量の限度値との大小を比較する。
(S10)上記比較結果と各配線の主放射量、CM放射量、DM放射量を出力装置5に出力し、本動作が終了する。
(S1)で取り込む設計情報とは、具体的には、基板、部品および配線の外形寸法、層構成、位置の情報や、基板材の情報や、部品の電気回路情報などである。基板、部品および配線の外形寸法、層構成、位置の情報としては、その名前と対象物の各頂点でのX,Y,Z座標データなどを取り込む。これによりグランドプレーンの大きさについても取り込まれる。基板材の情報としては、その材料名とその材料の比誘電率、比透磁率、導電率の値などを取り込む。
パッシブ部品の電気回路情報としては、その部品名と端子名と端子間の抵抗値、インダクタンス値、キャパシタンス値、コンダクタンス値などを取り込む。アクティブ部品の電気回路情報としては、その部品名と端子名とその端子における電流−電圧特性、出力波形の立ち上がり/立ち下がり時間、振幅、パルス幅、デューティー比などを取り込む。
(S3)と(S4)において、電磁放射を計算する配線の情報およびこの配線に関係する基板や部品の情報を抽出する具体的な方法としては、例えば、入力手段b7としてキーボード用い、このキーボードより計算する配線名を入力し、抽出手段13により、この配線に関係する基板、部品、配線情報を記憶手段a9より抽出してもよい。または、抽出手段13に検索機能を用意し、記憶手段a9に記憶された配線情報の中から、「CLK」などの文字列を含む配線名を検索して、その配線に関係する設計情報を抽出してもよい。または、入力装置として表示装置とマウスを用い、記憶手段a9に記憶した設計情報を2次元もしくは3次元の図面としてこの表示装置に表示し、その中で計算させたい配線をマウスで指定することで、計算させたい配線名を入力し、その配線に関係する設計情報を記憶手段a9から抽出してもよい。または、上記方法の組み合わせでもよい。
次に、図3および図4を参照して、(S6)における主放射量の計算処理について詳細に説明する。図3は(S6)内の詳細な動作を示すフローチャートである。図4〜10は(S6)の動作を示す概念図である。
(S6−1)DM放射量算出手段16において、記憶手段b10に記憶した配線情報およびその配線に関係する部品や基板の情報の中から、DM放射量を計算する配線を選ぶ(図4参照)。図4の例では、グランドプレーン21と対向して形成される信号配線22に関する情報が選択されている。
(S6−2)この配線を直交する2方向X,Yに沿って、X、Y各座標成分の要素(NX1、NY1、NX2)に分割する(図5参照)。図5の例は、図4に示した信号配線22をX、Y各座標成分で分割したものである。
(S6−3)各配線要素の長さ(LX1、LY1、LX2)を抽出する(図6参照)。図6の例は、図5に示したX、Y各座標成分の要素NX1、NY1、NX2のそれぞれの長さLX1、LY1、LX2を抽出したものである。
(S6−4)この配線と対向するグランドプレーンの2方向の幅(a、b)を抽出する(図7参照)。図7の例では、図4に示したグランドプレート21のY方向、X方向のそれぞれの幅a、bが示されている。
(S6−5)各配線要素からそれと平行なグランドプレーン端までの距離(dX1、dY1、dX2)を抽出する(図8参照)。図8の例では、信号配線22の要素NX1、NX2からグランドプレーン21の下側(図面に向かって下側)の端までの距離がそれぞれdX1、dX2で示され、信号配線22の要素NY1からグランドプレーン21の左側(図面に向かって左側)の端までの距離がdY1で示されている。
(S6−6)DM放射量算出手段16において、各配線要素によるDM放射量(EDM(LX1)、EDM(LY1)、EDM(LX2))を算出するとともに、配線全体のDM放射量を求める(図9参照)。図9の例では、図5に示したX、Y各座標成分の要素NX1、NY1、NX2についてそれぞれDM放射量(EDM(LX1)、EDM(LY1)、EDM(LX2))を計算している。
(S6−7)CM放射量比算出手段17において、各配線要素におけるCM放射量比(CM/DM)を計算するとともに、MAJ放射量比算出手段18において、各配線要素におけるMAJ放射量比(MAJ/DM)を算出する(図10参照)。図10の例では、図5に示したX、Y各座標成分の要素NX1、NY1、NX2についてそれぞれCM/DMおよびMAJ/DMを算出している。
(S6−8)CM放射量算出手段19において、各配線要素のDM放射量とCM/DMとから各配列要素のCM放射量を算出し、配線全体のCM放射量を求める。また、MAJ放射量計算手段20において、各配線要素のDM放射量とMAJ/DMとから各配列要素のMAJ放射量を算出し、配線全体のMAJ放射量を求める。
(S6−9)他に放射量を計算する配線が残っていれば(S6−1)に戻り、なければ(S6)を終了する。
なお、個別の記載は省略しているが、本発明のDM放射量算出手段16では、各配線要素のDM放射量としてその最大値を求めている。またCM放射量比算出手段17では、CM放射量の最大値とDM放射量の最大値との比をCM放射量比とし、MAJ放射量比算出手段18でも、MAJ放射量の最大値とDM放射量の最大値との比をMAJ放射量比としている。したがって、DM放射量算出手段19およびMAJ放射量算出手段20で算出されるDM放射量および主放射量も、それぞれ最大値を示すことになる。
DM放射量算出手段16では、上記(S6−6)における各配線要素のDM放射量(EDM(L,f))は次式より求める。
Figure 0004086870
………式(1)
ここで、Lは配線要素の長さ、hはグランドプレーンから配線までの高さ、rは放射量の観測距離、I(f)は電流値、fは周波数である。配線長lや配線高さhは基板の設計情報から抽出できる。観測距離rは電磁放射の規格から3mもしくは10mが基本である。この式は公知の式である。例えば、PROCEEDINGS OF 1987 IEEE INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON ELECTROMAGNETIC COMPATIBILITY ”RADIATED EMISSIONS FROM COMMON-MODE CURRENTS”などに紹介されている。電流値I(f)を求める方法としては色々な方法があるが、例えば、信号配線の送信側ICの出力端子での電流として定義し、次式より求める方法がある。
Figure 0004086870
………式(2)
ここで、V(f)は送信側ICの出力電圧スペクトル、Z(f)は送信ICの出力端子から受信側を見た入力インピーダンスである。
送信ICの矩形の出力電圧スペクトルV(f)は次式で定義できる。
Figure 0004086870
………式(3)
ここで、nは整数、f0は電圧波形の基本繰り返し周波数、Vは電圧波形の振幅、dutyは電圧波形のデューティ比、trは電圧波形の立ち上がり/立ち下り時間である。
一方、送信ICの出力端子から受信側を見た入力インピーダンスZ(f)は次式で定義される。
Figure 0004086870
………式(4)
ここで、Zoutは送信ICの出力インピーダンス、Rdampは送信ICに直列につながるダンピング抵抗、Zloadは受信側ICの負荷インピーダンス、Zcは配線の特性インピーダンス、β(f)は信号配線における位相定数である。
これらの関係式を用いることで、送信ICから矩形の電圧波形を入力した場合の配線電流I(f)、およびこの配線電流における距離rでのDM放射量(EDM(L,f))を求めることができる。
MAJ放射量比算出手段18およびCM放射量比算出手段17では、上記(S6−7)の各配線要素におけるMAJ/DMおよびCM/DMは、各配線要素のMAJ/DM特性およびCM/DM特性がピークをとる周波数におけるMAJ/DMおよびCM/DMの値である。MAJ/DMは、各配線要素と対向するグランドプレーンの、配線要素と平行な方向の幅をa、直交する方向の幅をbとすると、このa、bとグランドプレーン端から配線要素までの距離dの関数として、次式より求めることができる。
Figure 0004086870
………式(5)
この式は、最大(MAJ)放射量がDM放射量とCM放射量の単純な和として表せることを表現している。この関係は、先に説明した図14から図16の結果に基づいたもので、本発明者が見いだしたものである。
また、CM/DM(a,b,d)は次式より求めることができる。
Figure 0004086870
………式(6)
この式は、配線がグランドプレーン端に近づくほど、CM/DMの値が指数関数的に増加することを示している。このように、この関係式を指数関数で表現したのは、先に説明した図21や、後述する図11、図12の電磁界シミュレーション結果にあるように、CM/DMの比率が、配線パターンとグランドプレーン端との距離が近づくほど、指数関数的に増加する結果を、測定および電磁界シミュレーションから得たためである。ここで、10の階乗の式になっているのは、dB(デービー)をリニアに変更するためである。
また、y0(a,b)、t(a,b)は次式で表現できる。
Figure 0004086870
………式(7)
Figure 0004086870
………式(8)
ここで、y0(a,b)はグランドプレーン中央に配線を配置した場合のCM/DM[dB]の値で、グランドプレーンの幅aとbによって決まる。また、t(a,b)は式(6)の指数関数の傾きを決める係数で、これもaとbによって決まる。式(7)、(8)は、後述する図11、図12の結果を元にして作成した。グランドプレーンの縦横比(a/b)が変わらない場合には、グランドプレーン中央でのCM/DMの比率が変わらないことを、本発明者が見いだしたためである。
CM放射量比算出手段19、MAJ放射量算出手段20およびDM放射量算出手段16では、以上の関係式を用いることで、上記(S6−8)における主放射量、CM放射量、DM放射量は次式より求められる。
Figure 0004086870
………式(9)
Figure 0004086870
………式(10)
Figure 0004086870
………式(11)
ここで、放射量EMAJ、ECM、EDMはそれぞれX、Y座標ごとに求める。EDM(L)はEDM(L,f)が最も高くなる周波数fにおける値とした。
次に、(S9)における比較方法について説明する。上記(S6)では、X、Y座標ごとに主放射量を計算したので、その中で値の大きいものと記憶手段d12に記憶した限度値とを比較する。
(S10)での結果の出力方法としては、例えば、表示装置を有する出力装置を用い、各配線に起因して生ずる電磁放射の主放射量、グランドプレーンからのCM放射量、配線自身からのDM放射量の各値を表示する。または、主放射量、CM放射量もしくはDM放射量の大きい順に配線を列挙し、配線ごとに上記3つの放射量を表示する。または、プリント回路基板の基板、部品、配線の位置情報を2次元もしくは3次元の構造として表示装置に表示し、放射量を計算した配線を各放射量の高低によって色分けして表示する。または、これらを組み合わせて表示する。
図11にCM/DMの配線位置依存性を示し、図12にMAJ/DMの配線位置依存性を示す。これらの図の中で、「計算式」とは式(5)〜(8)を用いて計算した結果、「シミュ」とは電磁界シミュレーションによる結果を意味する。電磁界シミュレーションによる計算条件は、先に示した図17から図21と同じである。
グランドプレーンの大きさが300mm×100mm、300mm×200mm、300mm×300mmの場合について計算した結果である。グランドプレーン端の真上では多少差があるが、それ以外の位置においてCM/DM、MAJ/DMとも、計算結果とシミュレーション結果がよく一致していることが確認できる。また、この電磁界シミュレーションによる計算時間は、各点に対して約48時間かかったが、この計算式を用いれば、それが各点に対して1秒以下であった。
本発明の一実施の形態にかかるプリント回路基板設計支援装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すプリント回路基板設計支援装置の動作を説明するためのフローチャート図である。 図2に示すステップS6を詳細に説明するためのフローチャート図である。 図3に示すステップS6−1を詳細に説明するための概念図である。 図3に示すステップS6−2を詳細に説明するための概念図である。 図3に示すステップS6−3を詳細に説明するための概念図である。 図3に示すステップS6−4を詳細に説明するための概念図である。 図3に示すステップS6−5を詳細に説明するための概念図である。 図3に示すステップS6−6を詳細に説明するための概念図である。 図3に示すステップS6−7を詳細に説明するための概念図である。 図1に示すプリント回路基板設計支援装置による計算結果と電磁界シミュレーション結果との比較結果を示す図である。 図1に示すプリント回路基板設計支援装置による計算結果と電磁界シミュレーション結果との比較結果を示す図である。 本発明に適用可能なプリント回路基板の一例を示す模式図である。 基板面を水平に配置した場合の放射パターンの一例を示す模式図である。 基板長辺を垂直に配置した場合の放射パターンの一例を示す模式図である。 基板短辺を垂直に配置した場合の放射パターンの一例を示す模式図である。 CM/DMの周波数特性を示す図である。 MAJ/DMの周波数特性を示す図である。 MAJ/DMの周波数特性を示す図である。 CM/DMの位置依存性を示す図である。 CM/DMの位置依存性を示す図である。 従来技術を説明するための図である。 従来技術を説明するための図である。 従来技術を説明するための図である。
符号の説明
1…プリント回路基板設計支援装置、2…入力装置、3…記憶装置、4…データ処理装置、4a…プログラム、5…出力装置、6…入力手段a、7…入力手段b、8…入力手段c、9…記憶手段a、10…記憶手段b、11…記憶手段c、12…記憶手段d、13…抽出手段、14…演算手段、15…比較手段、16…DM放射量算出手段、17…CM放射量比算出手段、18…MAJ放射量比算出手段、19…CM放射量算出手段、20…MAJ放射量算出手段、21…グランドプレーン、22,34…信号配線、30…プリント回路基板、31…水晶発振器、32…LSI、33…負荷容量、35…初期化回路。

Claims (4)

  1. プリント回路基板に形成されている配線に起因して生ずる電磁放射の放射量を算出することにより前記プリント回路基板の設計を支援するプリント回路基板設計支援装置であって、
    プリント基板に形成されているグランドプレーンと配線に関する第1の設計情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された第1の設計情報を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の設計情報から所望の配線に関する第2の設計情報を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段で抽出した前記第2の設計情報を記憶する第2の記憶手段と、
    前記第2の記憶手段から前記第2の設計情報を読み出し、この第2の設計情報に基づいて前記配線から生ずる電磁放射のディファレンシャルモード(DM)放射量の最大値と前記配線に対応して前記グランドプレーンから生ずるコモンモード(CM)放射量の最大値との和に相当する放射量を、前記配線に起因して生ずる電磁放射全体の主な放射量を示す主(MAJ)放射量として算出する演算手段と
    を備えることを特徴とするプリント回路基板設計支援装置。
  2. 請求項1記載のプリント回路基板設計支援装置において、
    前記演算手段は、
    前記第2の設計情報に基づき前記配線のディファレンシャルモード(DM)放射量を算出するDM放射量算出手段と、
    前記第2の設計情報に基づき前記配線のコモンモード(CM)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すCM放射量比を算出するCM放射量比算出手段と、
    このCM放射量比算出手段で算出されたCM放射量比に基づいて前記配線の主(MAJ)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すMAJ放射量比を算出するMAJ放射量比算出手段と、
    前記MAJ放射量比算出手段で算出されたMAJ放射量比と前記DM放射量算出手段で算出されたディファレンシャルモード(DM)放射量とに基づいて前記配線の主(MAJ)放射量を算出するMAJ放射量算出手段と
    を有することを特徴とするプリント回路基板設計支援装置。
  3. プリント回路基板に形成されている配線に起因して生ずる電磁放射の放射量を算出することにより前記プリント回路基板の設計を支援するプリント回路基板設計支援装置で用いられるプリント回路基板設計支援方法であって、
    入力手段により、プリント基板に形成されているグランドプレーンと配線に関する第1の設計情報を入力し、
    第1の記憶手段により、前記入力手段で入力された第1の設計情報を記憶し、
    抽出手段により、前記第1の設計情報から所望の配線に関する第2の設計情報を抽出し、
    第2の記憶手段により、前記抽出手段で抽出した前記第2の設計情報を記憶し、
    演算手段により、前記第2の記憶手段から第2の設計情報を読み出し、この第2の設計情報に基づいて前記配線から生ずる電磁放射のディファレンシャルモード(DM)放射量を算出し、前記第2の設計情報に基づいて前記配線に対応して前記グランドプレーンから生ずるコモンモード(CM)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すCM放射量比を算出し、このCM放射量比に基づいて前記配線に起因して生ずる電磁放射全体の主な放射量を示す配線の主(MAJ)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すMAJ放射量比を算出し、このMAJ放射量比と前記ディファレンシャルモード(DM)放射量とに基づいて前記主(MAJ)放射量を算出する
    ことを特徴とするプリント回路基板設計支援方法。
  4. プリント回路基板に形成されている配線に起因して生ずる電磁放射の放射量を算出することにより前記プリント回路基板の設計を支援するプリント回路基板設計支援装置に設けられたコンピュータに、
    入力手段により、プリント基板に形成されているグランドプレーンと配線に関する第1の設計情報を入力する入力ステップと、
    第1の記憶手段により、前記入力手段で入力された第1の設計情報を記憶する第1の記憶ステップと、
    抽出手段により、前記第1の設計情報から所望の配線に関する第2の設計情報を抽出する抽出ステップと、
    第2の記憶手段により、前記抽出手段で抽出した前記第2の設計情報を記憶する第2の記憶ステップと、
    演算手段により、前記第2の記憶手段から第2の設計情報を読み出すステップと、この第2の設計情報に基づいて前記配線から生ずる電磁放射のディファレンシャルモード(DM)放射量を算出するDM放射量算出ステップと、前記第2の設計情報に基づいて前記配線に対応して前記グランドプレーンから生ずるコモンモード(CM)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すCM放射量比を算出するCM放射量比算出ステップと、このCM放射量比算出ステップで算出されたCM放射量比に基づいて前記配線に起因して生ずる電磁放射全体の主な放射量を示す主(MAJ)放射量とディファレンシャルモード(DM)放射量との比を示すMAJ放射量比を算出するMAJ放射量比算出ステップと、前記MAJ放射量比算出ステップで算出されたMAJ放射量比と前記DM放射量算出ステップで算出されたディファレンシャルモード(DM)放射量とに基づいて前記配線の主(MAJ)放射量を算出するMAJ放射量算出ステップと
    を実行させるためのプログラム。
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