JP4086719B2 - 空気調和装置及び空気調和装置の制御方法 - Google Patents

空気調和装置及び空気調和装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数台の室外熱交換器を有する室外ユニットを備えた空気調和装置及び空気調和装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧縮機及び並列接続された複数台の室外熱交換器を有する室外ユニットと、室内熱交換器を有する複数台の室内ユニットとがユニット間配管で接続され、前記室内ユニットを冷房運転或いは暖房運転を行えるように構成された空気調和装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
そして、室内ユニット側の空調負荷に応じて室外熱交換器の運転台数を制御する熱交換器の容量制御を行っている。この熱交換器の容量制御において、複数台の室外熱交換器の内、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器を休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させるように切替制御するものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2765970号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数台の室外熱交換器の内、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器を休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させる切替制御をダイレクトに行った場合、冷媒の流れが急激に変化するため、圧縮機の吐出冷媒圧力が、全ての圧縮機を停止させる制御を行う圧縮機停止の圧力(例えば、2.8MPa)にまで上昇することがあるという問題がある。
【0006】
このように、圧縮機の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力以上となった場合、圧縮機を保護するために、全ての圧縮機を所定時間(例えば、3分間)停止させる制御を行っているが、この全ての圧縮機を停止させている所定時間内は、空調運転ができなくなってしまい、空調性が低いものとなってしまうという問題がある。更に、所定時間経過後、圧縮機の運転が再開されても、再び、冷媒回路における最適な熱バランスを実現するまでに時間がかかってしまい、空調性が低いものとなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、休止状態の室外熱交換器を凝縮器として機能させ、且つ、凝縮器として機能している室外熱交換器を休止状態にさせる際に、圧縮機の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力にまで上昇するのを回避し、空調性を確保することができる空気調和装置及び空気調和装置の制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、圧縮機及び並列接続された複数台の室外熱交換器を有する室外ユニットと、室内熱交換器を有する複数台の室内ユニットとが高圧ガス管、低圧ガス管及び液管を有するユニット間配管で接続され、室内ユニット毎に冷房運転或いは暖房運転を行えるように構成されるとともに、前記圧縮機の冷媒吐出圧力が圧縮機停止の所定圧力以上になった場合に前記圧縮機が停止される空気調和装置において、前記複数台の室内ユニットの内、冷房運転を行っている室内ユニットの冷房負荷と、暖房運転を行っている室内ユニットの暖房負荷との差に基づく空調負荷に応じて、複数台の室外熱交換器のうち、第1の室外熱交換器と前記第1の室外熱交換器よりも熱交換容量の小さい第2の室外熱交換器との間で凝縮器として機能させる室外熱交換器を切り替える制御手段を備え、前記制御手段は、凝縮器として機能している前記第1の室外熱交換器を休止状態にさせ、且つ、休止状態である前記第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させる場合には、前記第1の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、休止状態である前記第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させ、このときに、前記圧縮機を前記空調負荷に応じた容量で運転されている状態とし、前記第1及び前記第2の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、前記第1の室外熱交換器を休止状態にすることを特徴とするものである。
【0012】
請求項記載の発明は、圧縮機及び並列接続された複数台の室外熱交換器を有する室外ユニットと、室内熱交換器を有する複数台の室内ユニットとが高圧ガス管、低圧ガス管及び液管を有するユニット間配管で接続され、室内ユニット毎に冷房運転或いは暖房運転を行えるように構成されるとともに、前記圧縮機の冷媒吐出圧力が圧縮機停止の所定圧力以上になった場合に前記圧縮機が停止される空気調和装置の制御方法において、前記複数台の室内ユニットの内、前記複数台の室内ユニットの内、冷房運転を行っている室内ユニットの冷房負荷と、暖房運転を行っている室内ユニットの暖房負荷との差に基づく空調負荷に応じて、複数台の室外熱交換器のうち、第1の室外熱交換器と前記第1の室外熱交換器よりも熱交換容量の小さい第2の室外熱交換器との間で凝縮器として機能させる室外熱交換器を切り替える制御過程において、凝縮器として機能している前記第1の室外熱交換器を休止状態にさせ、且つ、前記第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させる場合に、前記第1の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、休止状態である前記第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させ、このときに、前記圧縮機を前記空調負荷に応じた容量で運転されている状態する第1の制御過程と、前記第1及び前記第2の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、前記第1の室外熱交換器を休止状態にする第2の制御過程とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る空気調和装置の実施の形態を示す冷媒回路図等である。この空気調和装置50は、室外ユニット1と複数台(本実施の形態では、2台)の室内ユニット2a,2bとを有して構成される。
【0015】
室外ユニット1は、圧縮機3及び室外熱交換器4を備えている。圧縮機3は、図2に示すように、並列に接続された複数台(本実施の形態では、2台)の圧縮機(第1の圧縮機3a及び第2の圧縮機3b)を備えている。本実施の形態では、圧縮機3は、第1の圧縮機3a及び第2の圧縮機3bから成るツインコンプレッサである。第1の圧縮機3aと第2の圧縮機3bとは、最大容量(定格容量)が同じものである。
【0016】
圧縮機3a,3bは、ガスエンジン(エンジン)30を駆動源としている。第1の圧縮機3aは、ガスエンジン30に直結される。また、第2の圧縮機3bは、ガスエンジンにクラッチ31を介して接離される。具体的に説明すると、ガスエンジン30には、エンジンプーリ32が接続され、第1の圧縮機3aには、第1のプーリ33が接続され、第2の圧縮機3bには、クラッチ31を介して第2のプーリ34が接続される。そして、エンジンプーリ32、第1のプーリ33及び第2のプーリ34にはベルト35が巻回されている。
【0017】
第1の圧縮機3aは、空気調和装置50の運転動作時は、常時、ガスエンジン30により駆動される。また、第2の圧縮機3bは、クラッチ31がオン状態(入り状態)のときのみガスエンジン30により駆動される。つまり、クラッチ31がオン状態(入り状態)のとき、第1の圧縮機3a及び第2の圧縮機3bの2台がガスエンジン30により駆動され、クラッチ31がオフ状態(切り状態)のとき、第1の圧縮機3aの1台のみがガスエンジン30により駆動される。
【0018】
室外熱交換器4には、図1に示すように、室外ファン5が隣接して配置されている。室外熱交換器4は、複数台(本実施の形態では、2台)の室外熱交換器4a,4bから成り、第1の室外熱交換器4aと第2の室外熱交換器4bは、並列接続されている。本実施の形態では、第1の室外熱交換器4aと第2の室外熱交換器4bとは、熱交換容量(定格熱交換容量)が異なる。つまり、第2の室外熱交換器4bは、第1の室外熱交換器4aよりも熱交換容量(定格熱交換容量)が小さい。ここで、定格熱交換容量とは、熱交換器の最大熱交換容量のことである。
【0019】
また、室内ユニット2a,2bは、室内熱交換器6a,6b及び室内電子膨張弁18a,18bを備えている。室内熱交換器6a,6bのそれぞれには、室内ファン9a,9bのそれぞれが隣接して配置される。
【0020】
そして、室外ユニット1と室内ユニット2a,2bとが、高圧ガス管11、低圧ガス管12及び液管13を有するユニット間配管10により接続されて、空気調和装置50は、室内ユニット2a,2bを同時に冷房運転もしくは暖房運転可能とし、または、冷房運転と暖房運転とを混在して実施可能とする。つまり、室内ユニット2a,2b毎に冷房運転或いは暖房運転を行えるように構成されている。
【0021】
室外ユニット1では、室外熱交換器4の一端が、圧縮機3の冷媒吐出管7と冷媒吸込管8とに、択一に分岐して接続されている。
【0022】
具体的には、第1の室外熱交換器4aの一端が、圧縮機3の冷媒吐出管7に吐出側電磁弁21aを介して接続されるとともに、圧縮機3の冷媒吸込管8に吸込側電磁弁22aを介して接続される。また、第2の室外熱交換器4bの一端が、圧縮機3の冷媒吐出管7に吐出側電磁弁21bを介して接続されるとともに、圧縮機3の冷媒吸込管8に吸込側電磁弁22bを介して接続される。
【0023】
そして、ユニット間配管10の高圧ガス管11は、圧縮機3の冷媒吐出管7に接続される。また、低圧ガス管12は、圧縮機3の冷媒吸込管8に接続される。また、液管13は、室外電子膨張弁27a,27bのそれぞれを介して室外熱交換器4a,4bのそれぞれの他端に接続される。
【0024】
冷媒吸込管8には、アキュムレータ24が配設され、冷媒吐出管7には、オイルセパレータ25が配設されている。また、冷媒吐出管7と冷媒吸込管8とをバイパスする高低圧バイパス弁(電動弁)23が設けられている。また、液管13には、レシーバタンク26が配設されている。
【0025】
上記室内ユニット2aの室内熱交換器6aは、その一端が、高圧ガス分岐管14aを介して高圧ガス管11に接続されるとともに、低圧ガス分岐管15aを介して低圧ガス管12に接続される。また、室内ユニット2bの室内熱交換器6bは、その一端が、高圧ガス分岐管14bを介して高圧ガス管11に接続されるとともに、低圧ガス分岐管15bを介して低圧ガス管12に接続される。
【0026】
高圧ガス分岐管14a,14bのそれぞれに、第1開閉弁(第1電磁開閉弁)16a,16bが配設される。また、低圧ガス分岐管15a,15bのそれぞれに、第2開閉弁(第2電磁開閉弁)17a,17bが配設される。
【0027】
また、上記室内ユニット2a,2bのそれぞれの室内熱交換器6a,6bは、それらの他端が、室内電子膨張弁18aを配設した液分岐管19a、室内電子膨張弁18bを配設した液分岐管19bを介して液管13にそれぞれ接続される。
【0028】
第1開閉弁16a,16b、第2開閉弁17a,17bのそれぞれは、電磁弁ユニット20a,20bのそれぞれに格納されている。
【0029】
圧縮機3の冷媒吐出管7には、圧縮機3の吐出冷媒圧力を検出するための圧力センサ41が設けられている。
【0030】
室外ユニット1には、空気調和装置50全体を制御する制御装置40が備えられている。
【0031】
具体的には、制御装置40は、圧縮機3の容量、室外電子膨張弁27a,27bの弁開度、吐出側電磁弁21a,21bの弁開閉、吸込側電磁弁22a,22bの弁開閉、室外ファン5の回転数、及び高低圧バイパス弁23の開度等を制御する。また、制御装置40は、室内電子膨張弁18a,18bの弁開度、電磁弁ユニット20a,20bの各電磁弁の弁開閉及び室内ファン9a,9bの回転数等を制御する。
【0032】
図1中、室外電子膨張弁27a,27bおよび室内電子膨張弁18a,18bは、例えば不図示のステッピングモータによって弁開度が調整される。そして、例えば、ステッピングモータへ入力されるパルス(ステップ)が、例えば、20ステップのときが全閉、480ステップのときが全開となるように設定されている。
【0033】
また、制御装置40は、冷媒吐出管7の吐出冷媒圧力を検出する(吐出冷媒圧力検出手段)。具体的には、制御装置40は、圧力センサ41により冷媒吐出管7の吐出冷媒圧力を検出している。
【0034】
そして、制御装置40は、この検出した吐出冷媒圧力が圧縮機3を停止させる圧力(圧縮機停止の圧力)以上となる場合、圧縮機3を所定時間(例えば、3分間)停止させる制御を行っている。つまり、冷媒吐出管7の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力以上となる状態のまま圧縮機3の運転を継続した場合、空気調和装置50を構成する各種機器(特に、圧縮機3)が破損する恐れがあるためである。圧縮機停止の圧力は、例えば、2.8MPaである。このように、吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力以上となる場合、圧縮機3が所定時間に亘って停止するので、空気調和装置50を構成する各種機器(特に、圧縮機3)が破損するのを回避することができる。
【0035】
さて、全室内ユニット2a,2bを同時に冷房運転する場合、或いは例えば室内ユニット2aを冷房運転し、室内ユニット2bを暖房運転する場合において、室内ユニット2a,2b側の冷房負荷Qcと暖房負荷Qhとの差(Qc−Qh)が第1のしきい値を下回る場合、制御装置40は、第1の室外熱交換器4aを凝縮器に機能させ、且つ、第2の室外熱交換器4bを休止状態にする制御を行う。
【0036】
そして、室内ユニット2a,2b側の冷房負荷と暖房負荷との差が第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値を下回る場合、制御装置40は、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器4aを休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させる制御を行う。但し、差(Qc−Qh)は正の値、つまり、Qc>Qhであるものとする。尚、全室内ユニット2a,2bを同時に冷房運転する場合、暖房負荷Qhは0である。
【0037】
第1の室外熱交換器4aを休止させる場合、制御装置40は、室外電子膨張弁27aを略全閉(全閉を含む。)に制御するとともに、吐出側電磁弁21a及び吸込側電磁弁22aを閉弁する制御を行う。また、第2の室外熱交換器4bを休止させる場合、制御装置40は、室外電子膨張弁27bを略全閉(全閉を含む。)に制御するとともに、吐出側電磁弁21b及び吸込側電磁弁22bを閉弁する制御を行う。
【0038】
ところで、上記空気調和装置50の運転状態において、仮に、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器4aを休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させる切替制御をダイレクトに行うと、室外熱交換器4において冷媒の流れが急激に変化するため、圧縮機3の吐出冷媒圧力が上昇して圧縮機3の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力(例えば、2.8MPa)に至り、圧縮機3を所定時間(例えば、3分間)停止させる制御に移行してしまうことがある。
【0039】
特に、第2の室外熱交換器4bは、第1の室外熱交換器4aよりも熱交換容量が小さい、つまり、第2の室外熱交換器4bは、第1の室外熱交換器4aよりも小型であるので、仮に、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器4aを休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させる切替制御をダイレクトに行うと、圧縮機3の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力(例えば、2.8MPa)に至り易い。
【0040】
本実施の形態では、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器4aを休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させる際、圧縮機3の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力(例えば、2.8MPa)に至らないように、室外熱交換器4の冷媒の流れを制御するものである。
【0041】
以下、制御装置40の制御動作について図3の室外熱交換器4の動作状況を示す説明図を参照しながら具体的に説明する。
【0042】
まず、室内ユニット2a,2b側の冷房負荷Qcと暖房負荷Qhとの差(Qc−Qh)が、第1のしきい値を下回り、且つ、第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値を上回る場合、制御装置40(図1)は、第1の室外熱交換器4aを凝縮器として機能させ、第2の室外熱交換器4bを休止状態にさせる制御を行う(ステップS1)。具体的には、第1の室外熱交換器4aを凝縮器として機能させるために、制御装置40は、吐出側電磁弁21aを開弁制御、吸込側電磁弁22aを閉弁制御し、室外電子膨張弁27aを略全開(全開を含む。)に制御する。更に、制御装置40は、第2の室外熱交換器4bを休止状態にさせるために、吐出側電磁弁21bを閉弁制御、吸込側電磁弁22bを閉弁制御し、室外電子膨張弁27bを略全閉(全閉を含む。)に制御する。ここで、本実施の形態では、室外熱交換器4は、第1の室外熱交換器4aが1台と、第2の室外熱交換器4bが1台とで構成されているので、圧縮機3から吐出された冷媒は、室外熱交換器4の内、第1の室外熱交換器4aにのみ流れる。
【0043】
このステップS1における状態で、室内ユニット2a,2b側の冷房負荷Qcと暖房負荷Qhとの差(Qc−Qh)が第2のしきい値を下回る場合、制御装置40は、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器4aを休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させるに先立って、第1の室外熱交換器4aが凝縮器として機能している状態で、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させる制御を行う(ステップS2)。
【0044】
具体的には、制御装置40は、第1の室外熱交換器4aを凝縮器として機能させる状態を継続するために、制御装置40は、吐出側電磁弁21aを開弁制御、吸込側電磁弁22aを閉弁制御し、室外電子膨張弁27aを略全開(全開を含む。)にする制御を継続しつつ、更に、第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させるために、吐出側電磁弁21bを開弁制御、吸込側電磁弁22bを閉弁制御し、室外電子膨張弁27bを略全開(全開を含む。)に制御する。このとき、圧縮機3は、空調負荷(冷房負荷Qcと暖房負荷Qhとの差)に応じた容量で運転されている。これによって、第1の室外熱交換器4a及び第2の室外熱交換器4bに冷媒が流れることになる。
【0045】
このステップS2において、第1及び第2の室外熱交換器4a,4bを凝縮器として機能させる制御は、第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させてから予め設定した時間(例えば、20秒)に亘って行われる。
【0046】
次いで、制御装置40は、ステップS2において、予め設定した時間(例えば、20秒)経過後、第1及び第2の室外熱交換器4a,4bを凝縮器として機能させている状態から、第1の室外熱交換器4bを休止状態にする制御を行う(ステップS3)。
【0047】
具体的には、制御装置40は、第1の室外熱交換器4aを休止状態にするために、吐出側電磁弁21a及び吸込側電磁弁22aを閉弁制御し、室外電子膨張弁27aを略全閉(全閉を含む。)にする制御を行う。
【0048】
このように、第1の室外熱交換器4aを休止状態にした直後、圧縮機3の吐出冷媒圧力は、第1の室外熱交換器4aを休止状態にする直前よりも上昇することとなるが、圧縮機停止の圧力(例えば、2.8MPa)にまで上昇することはない。つまり、ステップS1からステップS2を経てステップS3に切り替えるようにしたことで、圧縮機3の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力(例えば、2.8MPa)にまで急激に上昇するのを回避することができる。
【0049】
特に、第2の室外熱交換器4bは、第1の室外熱交換器4aよりも熱交換容量が小さい、つまり、第2の室外熱交換器4bは、第1の室外熱交換器4aよりも小型であるので、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器4aを休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させる際、圧縮機3の吐出冷媒圧力は、圧縮機停止の圧力にまで上昇するのをより効果的に回避することができる。
【0050】
このように、圧縮機3の吐出冷媒圧力は、圧縮機停止の圧力にまで上昇することはないので、圧縮機3が停止する制御に移行することはない。従って、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器4aを休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させる制御を行った後に、速やかに冷媒の熱バランスを安定させることができるので、空調性を確保することができる。
【0051】
さて、以下に本実施形態における空気調和装置50の空調運転動作について詳細に説明する。
【0052】
まず、全室内ユニット2a,2bを同時に冷房運転する場合は、高圧ガス管11が休止状態におかれる。
【0053】
この場合、制御装置40は、吐出側電磁弁21a,21bを開くとともに吸込側電磁弁22a,22bを閉じ、且つ電磁弁ユニット20a,20bの第1開閉弁16a,16bを閉じるとともに、第2開閉弁17a,17bを開く。更に、制御装置40は、室外電子膨張弁27a,27bを略全開(全開を含む)に制御するとともに、室内電子膨張弁18a,18bの開度を制御する。つまり、室外熱交換器4a,4bを凝縮器として機能させるとともに、室内熱交換器6a,6bを蒸発器として機能させている。
【0054】
これにより、圧縮機3から吐出された冷媒は、冷媒吐出管7、オイルセパレータ25、吐出側電磁弁21a,21b、室外熱交換器4a,4bへと順次流れ、室外熱交換器4a,4bで凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は、室外電子膨張弁27a,27b及びレシーバタンク26を通過し、液管13と液分岐管19a,19bを経て各室ユニット2a,2bの室内電子膨張弁18a,18bに分配され、ここで減圧される。
【0055】
しかる後、室内電子膨張弁18a,18bで減圧された冷媒は、各室内熱交換器6a,6bで蒸発気化した後、それぞれ第2開閉弁17a,17bを流れ、低圧ガス管12、冷媒吸込管8、アキュムレータ24を順次経て圧縮機3に吸入される。
【0056】
このように、蒸発器として機能する各室内熱交換器6a,6bで全室内ユニット2a,2bが同時に冷房運転される。
【0057】
また、全室内ユニット2a,2bを同時に暖房運転する場合は、低圧ガス管12が休止状態におかれる。
【0058】
この場合、制御装置40は、吐出側電磁弁21a,21bを閉じるとともに、吸込側電磁弁22a,22bを開き、且つ電磁弁ユニット20a,20bの第1開閉弁16a,16bを開くとともに、第2開閉弁17a,17bを閉じる。更に、制御装置40は、室内電子膨張弁18a,18bを略全開(全開を含む)に制御するとともに、室外電子膨張弁27a,27bの開度を制御する。つまり、室外熱交換器4a,4bを蒸発器として機能させるとともに、室内熱交換器6a,6bを凝縮器として機能させている。
【0059】
これにより、圧縮機3から吐出された冷媒は、冷媒吐出管7、オイルセパレータ25、高圧ガス管11を順次経て高圧ガス分岐管14a,14bに分配された後、第1開閉弁16a,16b、室内熱交換器6a,6bへと流れ、ここでそれぞれ凝縮液化する。
【0060】
凝縮液化した冷媒は、液分岐管19a,19bを経て液管13で合流される。
【0061】
しかる後、液管13の液冷媒は、レシーバタンク26を通過し、各室外電子膨張弁27a,27bで減圧された後、各室外熱交換器4a,4bで蒸発気化する。この蒸発気化した冷媒は、吸込側電磁弁22a,22b、冷媒吸込管8、アキュムレータ24を順次経て圧縮機3に吸入される。このように凝縮器として機能する各室内熱交換器6a,6bで、全室内ユニット2a,2bが同時に暖房運転される。
【0062】
次に、例えば室内ユニット2aを冷房運転し、室内ユニット2bを暖房運転する場合は、ユニット間配管10のうち、全ての冷媒管11,12,13が使用される。まず、室内ユニット2a側の冷房負荷が室内ユニット2b側の暖房負荷よりも大きい場合について説明する。
【0063】
この場合、制御装置40は、吐出側電磁弁21a,21bを開くとともに吸込側電磁弁22a,22bを閉じ、且つ、冷房運転する室内ユニット2aの電磁弁ユニット20aにおける第1開閉弁16aを閉じるとともに、第2開閉弁17aを開き、且つ暖房運転する室内ユニット2bの電磁弁ユニット20bにおける第1開閉弁16bを開くとともに、第2開閉弁17bとを閉じる。更に、制御装置40は、室外電子膨張弁27a,27b及び室内電子膨張弁18bを略全開(全開を含む)に制御するとともに、室内電子膨張弁18aの開度を制御する。つまり、室外熱交換器4a,4b及び室内熱交換器6bを凝縮器として機能させるとともに、室内熱交換器6aを蒸発器として機能させている。
【0064】
すると、圧縮機3から吐出され、冷媒吐出管7及びオイルセパレータ25を通過した冷媒の一部が、吐出側電磁弁21a,21bを経て室外熱交換器4a,4bに流れるとともに、残りの冷媒が高圧ガス管11を経て暖房運転する室内ユニット2bの電磁弁ユニット20bにおける第1開閉弁16b、室内熱交換器6bへと流れる。これによって、冷媒が室外熱交換器4a,4b及び室内熱交換器6bで凝縮液化される。
【0065】
そして、室外熱交換器4a,4b及び室内熱交換器6bで凝縮液化された冷媒は、液管13を経て室内ユニット2aの室内電子膨張弁18aで減圧された後、室内熱交換器6aで蒸発気化される。しかる後、冷媒は、第2開閉弁17aを流れて低圧ガス管12、冷媒吸込管8、アキュムレータ24を順次経て圧縮機3に吸入される。このように、凝縮器として機能する室内熱交換器6bで室内ユニット2bが暖房運転され、蒸発器として機能する室内熱交換器6aで室内ユニット2aが冷房運転される。
【0066】
次に、室内ユニット2b側の暖房負荷が室内ユニット2a側の冷房負荷よりも大きい場合について説明する。
【0067】
この場合、制御装置40は、吐出側電磁弁21a,21bを閉じるとともに吸込側電磁弁22a,22bを開き、且つ冷房運転する室内ユニット2aの電磁弁ユニット20aにおける第1開閉弁16aを閉じるとともに、第2開閉弁17aを開き、且つ暖房運転する室内ユニット2bの電磁弁ユニット20bにおける第1開閉弁16bを開くとともに、第2開閉弁17bを閉じる。更に、制御装置40は、室内電子膨張弁18bを略全開(全開を含む)に制御するとともに、室外電子膨張弁27a,27b及び室内電子膨張弁18aの開度を制御する。つまり、室内熱交換器6bを凝縮器として機能させるとともに、室外熱交換器4a,4b及び室内熱交換器6aを蒸発器として機能させている。
【0068】
すると、圧縮機3から吐出された冷媒は、冷媒吐出管7、高圧ガス管11を順次経て第1開閉弁16bを通過して室内熱交換器6bで凝縮液化される。
【0069】
そして、この液化された冷媒は、略全開された室内電子膨張弁18bを経て液管13に流れる。この液管中の液冷媒の一部が、室内電子膨張弁18aで減圧された後に室内熱交換器6bで、且つ、残りの液冷媒が室外電子膨張弁27a,27bで減圧された後に室外熱交換器4a,4bでそれぞれ蒸発気化され、冷媒吸込管8、アキュムレータ24を順次経て圧縮機3に吸入される。このように、凝縮器として機能する室内熱交換器6bで室内ユニット2bが暖房運転され、蒸発器として機能する室内熱交換器6aで室内ユニット2aが冷房運転される。
【0070】
以上の如く、冷房運転する室内ユニット2a側の冷房負荷が、暖房運転する室内ユニット2b側の暖房負荷よりも大きいときは、室外熱交換器4a,4bを凝縮器として機能させる。一方、冷房する室内ユニット2a側の冷房負荷が、暖房する室内ユニット2b側の暖房負荷よりも小さいときは、室外熱交換器4a,4bを蒸発器として機能させる。従って、任意の室内ユニット2a,2bを自由に冷暖房することができる。
【0071】
更に、室内ユニット2a,2bの冷房負荷と暖房負荷とが同じ場合、制御装置40は、第1の室外熱交換器4a及び第2の室外熱交換器4bを休止させる。つまり、制御装置40は、室外電子膨張弁27a及び27bを略全閉(全閉を含む。)に制御するとともに、吐出側電磁弁21a,21b及び吸込側電磁弁22a、22bを閉弁する制御を行う。
【0072】
以上、本実施の形態によれば、複数台の室外熱交換器4a,4bの内、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器4aを休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させる際に、第1の室外熱交換器4aが凝縮器として機能している状態で、休止状態である第2の室外熱交換器4bを凝縮器として機能させるようにしたことから、圧縮機3の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力に至るのを回避することができ、圧縮機3が停止することはないので、空調性を確保することができる。
【0073】
特に、第2の室外熱交換器4bが、第1の室外熱交換器4aよりも小さい場合、より効果的に圧縮機3の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力に至るのを回避することができる。
【0074】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0075】
例えば、上記実施の形態では、冷媒吐出管に圧力センサを設け、吐出冷媒圧力を検出する場合について説明したが、冷媒吐出管に温度センサを設け、この温度センサによる温度検出結果に基づいて吐出冷媒圧力を算出するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、圧縮機が複数台の場合について説明したが、圧縮機が1台の場合であってもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、圧縮機がエンジンとしてのガスエンジンにより駆動される場合について説明したが、これに限るものではなく、圧縮機が電動モータ(例えば、ブラシレスDCモータ)を内蔵し、このモータがインバータ装置等を介して電力供給されることで、圧縮機が駆動されるものでもよい。
【0078】
また、上記実施の形態では、第2の室外熱交換器は第1の室外熱交換器よりも熱交換容量が小さい、つまり、第2の室外熱交換器は第1の室外熱交換器よりも小型である場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、第2の室外熱交換器は第1の室外熱交換器よりも熱交換容量が大きい、つまり、第2の室外熱交換器は第1の室外熱交換器よりも大型である場合であってもよいし、第1の室外熱交換器及び第2の室外熱交換器の熱交換容量が同じ、つまり、第1の室外熱交換器及び第2の室外熱交換器が同型であってもよい。
【0079】
そして、第1の室外熱交換器及び第2の室外熱交換器の熱交換容量が同じ、つまり、第1の室外熱交換器及び第2の室外熱交換器が同型である場合においては、休止状態の第2の室外熱交換器に冷媒が過剰に寝込んだとき、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器を休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させることで、冷媒のガス欠の防止を図ることができる。このようにガス欠防止制御を行う場合であっても、凝縮器として機能している第1の室外熱交換器を休止状態にさせ、且つ、休止状態である第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させる際に、第1の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、休止状態である第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させるようにしたことから、圧縮機の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力に至るのを回避することができ、圧縮機が停止することはないので、空調性を確保することができる。
【0080】
また、上記実施の形態では、複数台の室外熱交換器として、1台の第1の室外熱交換器と1台の第2の室外熱交換器から成る2台の室外熱交換器の場合について説明したが、これに限るものではなく、第1の室外熱交換器が複数台の場合であってもよいし、第2の室外熱交換器が複数台の場合であってもよい。また、第1、第2の室外熱交換器のほかに、これら第1、第2の室外熱交換器に並列に接続される他の室外熱交換器があってもよい。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、休止状態の室外熱交換器を凝縮器として機能させ、且つ、凝縮器として機能している室外熱交換器を休止状態にさせる際に、圧縮機の吐出冷媒圧力が圧縮機停止の圧力にまで上昇するのを回避し、空調性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和装置の一実施の形態を示す冷媒回路図等である。
【図2】圧縮機の駆動系を示すブロック図である。
【図3】室外熱交換器の動作状況を示す説明図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット
2a,2b 室内ユニット
3 圧縮機
4 室外熱交換器
4a 第1の室外熱交換器
4b 第2の室外熱交換器
10 ユニット間配管
11 高圧ガス管
12 低圧ガス管
13 液管
30 ガスエンジン(エンジン)
40 制御装置(第1の制御手段、第2の制御手段)
50 空気調和装置

Claims (2)

  1. 圧縮機及び並列接続された複数台の室外熱交換器を有する室外ユニットと、室内熱交換器を有する複数台の室内ユニットとが高圧ガス管、低圧ガス管及び液管を有するユニット間配管で接続され、室内ユニット毎に冷房運転或いは暖房運転を行えるように構成されるとともに、前記圧縮機の冷媒吐出圧力が圧縮機停止の所定圧力以上になった場合に前記圧縮機が停止される空気調和装置において、
    前記複数台の室内ユニットの内、冷房運転を行っている室内ユニットの冷房負荷と、暖房運転を行っている室内ユニットの暖房負荷との差に基づく空調負荷に応じて、複数台の室外熱交換器のうち、第1の室外熱交換器と前記第1の室外熱交換器よりも熱交換容量の小さい第2の室外熱交換器との間で凝縮器として機能させる室外熱交換器を切り替える制御手段を備え、
    前記制御手段は、凝縮器として機能している前記第1の室外熱交換器を休止状態にさせ、且つ、休止状態である前記第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させる場合には、前記第1の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、休止状態である前記第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させ、このときに、前記圧縮機を前記空調負荷に応じた容量で運転されている状態とし、
    前記第1及び前記第2の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、前記第1の室外熱交換器を休止状態にすることを特徴とする空気調和装置。
  2. 圧縮機及び並列接続された複数台の室外熱交換器を有する室外ユニットと、室内熱交換器を有する複数台の室内ユニットとが高圧ガス管、低圧ガス管及び液管を有するユニット間配管で接続され、室内ユニット毎に冷房運転或いは暖房運転を行えるように構成されるとともに、前記圧縮機の冷媒吐出圧力が圧縮機停止の所定圧力以上になった場合に前記圧縮機が停止される空気調和装置の制御方法において、
    前記複数台の室内ユニットの内、前記複数台の室内ユニットの内、冷房運転を行っている室内ユニットの冷房負荷と、暖房運転を行っている室内ユニットの暖房負荷との差に基づく空調負荷に応じて、複数台の室外熱交換器のうち、第1の室外熱交換器と前記第1の室外熱交換器よりも熱交換容量の小さい第2の室外熱交換器との間で凝縮器として機能させる室外熱交換器を切り替える制御過程において、
    凝縮器として機能している前記第1の室外熱交換器を休止状態にさせ、且つ、前記第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させる場合に、前記第1の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、休止状態である前記第2の室外熱交換器を凝縮器として機能させ、このときに、前記圧縮機を前記空調負荷に応じた容量で運転されている状態とする第1の制御過程と、
    前記第1及び前記第2の室外熱交換器が凝縮器として機能している状態で、前記第1の室外熱交換器を休止状態にする第2の制御過程とを備えたことを特徴とする空気調和装置の制御方法。
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