JP4086215B2 - 車体の修理方法及び修理作業量算出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車輌の修理方法に関し、詳しくは、車輌の外板パネルの損傷を修理する方法、及び修理作業量を算出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等の車輌の外板パネルの凹みを修理するには、損傷部分の裏側からハンマ等によりパネルをたたき出して修理する方法や、あるいは、損傷部分の表面に鋼製のワッシャやピンを電気的に溶植し、このワッシャやピンを工具を用いて外側に引き出すことによりパネルを修正する方法等がある。
【0003】
そして、例えば引き出し修理方法においては、損傷部分の塗膜を剥離した後、損傷部分の表面に多数のワッシャをワッシャ溶植機によって電気溶接し、溶植したワッシャにスライドハンマーの先端フックを引っかけ、スライドハンマーの打撃力によりワッシャ溶植部のパネルを引き出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記引き出し修理方法では、引き出し箇所の設定(ワッシャ溶植箇所)は、作業員の経験則によって行われていた。これは、作業員毎にワッシャの溶植箇所も、ワッシャの溶植数も異なることとなり、作業員に最も修理に適した引き出し箇所の設定を望むのは困難であった。特に経験の少ない作業員にとっては、引き出し箇所の設定は非常に困難であり、ワッシャの溶植数が過大になり易く、作業時間の増大を招くものであった。
【0005】
また、通常の引き出し修理では、損傷箇所の凹みの中心部(最も凹んでいる箇所)をまず引き出し、その後に他の箇所(凹みの端部)を引き出して修理しているが、凹みの中心部をまず引き出すと、後に凹みの端部を引き出した際に、中心部が盛り上がってしまうことがある。これは、先に行った損傷箇所中心部での引き出し作業が過大であったため起こる現象であるが、損傷箇所中心部における引き出し作業の加減は困難であり、結果として修正作業の増加を来すものでもあった。
【0006】
さらに、引き出し作業の前作業として、損傷箇所の塗装を剥離する必要があるが、この塗装剥離は広めに行われる傾向がある。これは、一旦塗膜の剥離作業を終了して引き出し作業に移行した際、さらに塗膜の剥離が必要であると判明した場合には、再び塗膜剥離を行うのは非常に面倒であるため、広めに塗膜の剥離を行っているためである。しかし、塗膜剥離を広めに行うと、剥離作業自体に必要以上の時間を費やすと共に、剥離したパネル表面の復元に、パテや塗料等の復元用材料と修理時間を費やすことになってしまう。
【0007】
そして、以上のように損傷箇所の修理にあたっては、仮に同一の損傷であっても、作業員によって、作業面積・使用材料量・作業時間が異なるため、予め詳細な作業面積や作業時間等の作業量を算出することができなかった。
【0008】
本発明は、前記事項に鑑みなされたものであり、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理を、短時間にて確実に行う修理方法を提供することを技術的課題とする。
また、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理を、経験の浅い作業員であっても容易かつ確実に行える修理方法を提供することを技術的課題とする。
【0009】
また、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理を、低コストにて行える修理方法を提供することを技術的課題とする。
また、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理の作業量を予め算出できる算出方法を提供することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の車体の修理方法及び修理作業量算出方法を発明した。
【0011】
すなわち、第1の発明は、車体のパネル損傷を修理する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、損傷箇所の中心部から外端部に亘って分布するポイントをマークする工程と、(b)前記ポイントのうち外方のポイントから内方のポイントの順に、当該ポイントにてパネルを引き出す工程と、を含むことを特徴とする(請求項1に対応)。
【0012】
第2の発明は、第1の発明にて、前記(a)工程において、前記各ポイントは、損傷箇所の中心部から外端部に向けて段階的に広がる複数の領域のいずれかに属し、前記(B)工程において、外方の領域の各ポイントにてパネルを引き出した後、内方の領域の各ポイントにてパネルを引き出すことを特徴とする(請求項2に対応)。
【0013】
第3の発明は、第2の発明にて、前記(a)工程において、前記各ポイントは、各領域の境界線から所定距離内方に位置することを特徴とする(請求項3に対応)。 第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにて、前記(a)工程において、前記各ポイントを、引き出し作業を必須とする第1ポイントと、補足的に引き出し作業を行うポイントである第2ポイントに分類することを特徴とする(請求項4に対応)。
【0014】
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにて、前記(a)工程と(b)工程の間に、(c)最も外方の各ポイントを結ぶ外周線により囲繞される範囲の塗膜を剥離する工程を含むことを特徴とする(請求項5に対応)。
【0015】
第6の発明は、車体のパネル損傷を修理する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、損傷箇所の最深部から最浅部に亘るポイントをマークする工程と、(b)前記ポイントのうち最浅部のポイントから最深部のポイントの順に、当該ポイントにてパネルを引き出す工程と、を含むことを特徴とする(請求項6に対応)。
【0016】
第7の発明は、車体の修理作業時間を算出する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、損傷箇所における引き出しポイントを所定間隔にてマークする工程と、(b)前記(a)工程にてマークしたポイントを計数する工程と、(c)前記(b)工程にて計数したポイントに、所定時間を乗じて当該損傷箇所における修理作業時間を算出する工程と、を含むことを特徴とする(請求項7に対応)。第8の発明は、車体の修理作業面積を算出する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、損傷箇所における引き出しポイントを所定間隔にてマークする工程と、(b)前記(a)工程にてマークしたポイントを計数する工程と、(c)前記(b)工程にて計数したポイントに、所定面積を乗じて当該損傷箇所における修理作業面積を算出する工程と、を含むことを特徴とする(請求項8に対応)。
損傷箇所へのポイントのマークにあたっては、例えば、▲1▼透明または半透明のシートに予めポイントを印刷しておき、このポイント付きのシートを車体の損傷箇所に張り付けることにより行うことができる。なお、車体の損傷箇所へのシートの固定は、接着剤によりシートを車体に貼着するようにしてもよいし、または、磁石を用いて、磁石と車体の間にシートを挟むようにしてもよい。
【0017】
あるいは、▲2▼ポイントを打ち抜いたシートを用意し、このシートを損傷箇所に当てながらシート表面を塗装(例えばスプレー塗装)することにより、損傷箇所にポイントのマークをすることができる。さらに、▲3▼損傷箇所のポイントをマークすべきところにライトを照射するようにしてもよい。
【0018】
そして、前記▲1▼のポイントマークとしては、例えば図1〜図6に示すようなシート50を採用することができる。このシート50は、合成樹脂製の透明シートに、ポイントや領域の境界線が印刷されている。すなわち、シート50Aには、中心点Pを基点として、放射状に広がる4つの領域が形成されている。この4つの領域とは、外側から、第1境界線(円周線)31と第2境界線32間の第1領域21、第2境界線32と第3境界線33間の第2領域22、第3境界線33と第4境界線34間の第3領域23、第4境界線34内の第4領域24である。なお、前記各境界線31、32、33、34は、Pを中心とする同心円となっている。
【0019】
そして、各領域21、22、23、24には多数のポイントが印刷されているが、これらのポイントは、2種類に分かれている。すなわち、各境界線31、32、33、34から第1の所定距離(例えば5mm)内方に位置する第1ポイント10aと、各境界線31、32、33から第2の所定距離(例えば20mm)内方に位置する第2ポイント10bとの2種類である。
【0020】
前記第1ポイント10aは、周方向において隣接する他の第1ポイント10aと、等間隔(例えば直線間隔にて15mm)にて配置されている。また、前記第2ポイント10bは、周方向において隣接する他の第2ポイント10bと、第1ポイント10a同士よりは広めの等間隔(例えば直線間隔にて25mm)にて配置されている。
【0021】
そして、第1ポイント10aは、作業員が引き出し作業を必ず行うべきポイントを示しており、第2ポイント10bは、作業員が引き出し作業の進捗状況によって、選択的に引き出し作業を行うポイントを示している。
【0022】
また、シート50には、各境界線に対応するコーナー部がそれぞれ4つ表示されている。そして、第1境界線31に対応する第1コーナー部41、41、41、41の内側は、例えば4dm2 (1dm2 =10cm×10cm)を示し、第2境界線32に対応する第2コーナー部42、42、42、42の内側は、例えば2.25dm2を示し、第3境界線33に対応する第3コーナー部43、43、43、43の内側は、例えば1dm2 を示し、第4境界線34に対応する第4コーナー部44、44、44、44の内側は、例えば0.25dm2を示すように設定することができる。
なお、シート50の厚さは特に制限なく適用できるが、作業の性質上、薄い方がよい。また、シート50の材質としては、プラスチックフィルム、あるいはセロハン紙(好ましくは防湿セロハン)が好適であるが、化学パルプと機械パルプを配合した紙(上質紙、中質紙等)を用いてもよい。そして、プラスチックフィルム等のシートに各ポイントや境界線等を印刷してシート50を成形する。
また、前記各領域は、複数領域であれば、幾つ形成してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の車体の修理方法について、ここでは、外板パネルにおいて円形に近い状態の凹みが生じた場合の例を中心に説明する。
【0024】
図8に示すように、ドアパネル90には損傷80bが生じている。そして、この損傷80bは、円形に近い損傷形状であるので、円形損傷用の引き出し作業ポイント指示シートであるシート50A(図1)を用意する。
【0025】
<シートの構成>
このシート50Aは、合成樹脂製の透明シートに、ポイントや領域の境界線が印刷されている。すなわち、シート50Aには、中心点Pを基点として、放射状に広がる4つの領域が形成されている。この4つの領域とは、外側から、第1境界線(円周線)31と第2境界線32間の第1領域21、第2境界線32と第3境界線33間の第2領域22、第3境界線33と第4境界線34間の第3領域23、第4境界線34内の第4領域24である。なお、前記各境界線31、32、33、34は、Pを中心とする同心円となっている。
【0026】
そして、各領域21、22、23、24には多数のポイントが印刷されているが、これらのポイントは、2種類に分かれている。すなわち、各境界線31、32、33、34から第1の所定距離(5mm)内方に位置する第1ポイント10aと、各境界線31、32、33から第2の所定距離(20mm)内方に位置する第2ポイント10bとの2種類である。
【0027】
前記第1ポイント10aは、周方向において隣接する他の第1ポイント10aと、等間隔(15mm)にて配置されている。また、前記第2ポイント10bは、周方向において隣接する他の第2ポイント10bと、第1ポイント10a同士よりは広めの等間隔(25mm)にて配置されている。
【0028】
そして、第1ポイント10aは、作業員が引き出し作業を必ず行うべきポイントを示しており、第2ポイント10bは、作業員が引き出し作業の進捗状況によって、選択的に引き出し作業を行うポイントを示している。
【0029】
また、シート50Aには、各境界線に対応するコーナー部がそれぞれ4つ表示されている。そして、第1境界線31に対応する第1コーナー部41、41、41、41の内側は、4dm2 を示し、第2境界線32に対応する第2コーナー部42、42、42、42の内側は、2.25dm2を示し、第3境界線33に対応する第3コーナー部43、43、43、43の内側は、1dm2 を示し、第4境界線34に対応する第4コーナー部44、44、44、44の内側は、0.25dm2 を示している。
【0030】
シート50Aは、損傷箇所が円形に近い形状の場合に適しているが、シート50はその他、損傷箇所が四角形に近い形状の場合に適用するためのシート50B(図2)、損傷箇所が楕円形に近い形状の場合に適用するシート50C(図3)を例示することができる。前記シート50Bは、第1〜第4境界線31、32、33、34が四角形の角部に丸みをもたせた形状となっており、また、第4領域24内のポイント10aは、第4境界線34から10mm内方に位置している。シート50Bのその他の構成はシート50Aと同様である。シート50Cは、第1〜第4境界線31、32、33、34が楕円形をしており、また、第4領域24内のポイント10aは、第4境界線34から7mm〜10mm内方に位置している。シート50Cのその他の構成はシート50Aと同様である。
【0031】
また、シート50は、外板パネルのプレスラインを施してある部分に損傷箇所が及んだ場合、及び、線傷に適用するシート50D(図4)、シート50E(図5)、シート50F(図6)を例示することができる。シート50Dは、シート50Aとほぼ同様な構成となっているが、シート50Dには、中心点Pを通り中心点Pから第1境界線31、31に至る中心線(破線)37が形成されている。また、この中心線37と平行に、中心線37の上下(外方)2mmに第6境界線36a、36bが形成されている。さらに、この第6境界線36a、36bと平行に、第6境界線36a、36bの上下(外方)10mmに、第5境界線35a、35bが形成されている。前記第5境界線35aと第6境界線36a間が第5領域25aを構成し、第5境界線35bと第6境界線36b間が第5領域25bを構成している。また、第6境界線36aと第6境界線36b間は、第6領域26となっている。これら第5領域25a、25b及び第6領域26と、第1〜第4領域21、22、23、24は、重複して存在することとなる。
【0032】
そして、前記第6境界線36a、36b上(第6領域26)には、第1ポイント10aが所定間隔(10mm)毎に配置されている。また、第5領域25a、25bには、第5境界線35a、35bから所定距離(5mm)内方にて、所定間隔(20mm)毎に第1ポイント10aが配置されている。
【0033】
一方、シート50Eは、シート50Bとほぼ同様な構成であり、シート50Dの第5領域25a、25b及び第6領域26の構成をさらに備えるものである。さらに、シート50Fは、シート50Cとほぼ同様な構成であり、シート50Dの第5領域25a、25b及び第6領域26の構成をさらに備えるものである。
<シートの固定>
そして、前記シート50Aを、図9及び図7に示すように、シート50Aの中心部(中心点P)が損傷80bの中心部(最も凹みが深い部分)上となるようにドアパネル90に固定する。なお、最も深い傷の部分が、損傷80bの中心でない場合は、シート50Aの中心部を損傷の最深部に合わせて固定するとよい。また、特に円形用以外のシート50(シート50B、シート50C等)を使用する場合は、損傷の方向性も考慮して、シート50を適宜傾けながらドアパネル90(車体パネル)に固定するとよい。なお、シート50は、予め裏面に接着剤を塗布するとともに、接着剤塗布面に保護シートが貼着されているので、この保護シートを外して、シート50を車体パネルに張り付けることができるようになっている。また、前記接着剤は、シート50裏面の全面に塗布されている必要はない。そして、シート50の車体パネルへの固定は、マグネットを利用して、マグネットと車体パネルとの間にシート50を挟むようにして行ってもよい。
【0034】
また、プレスラインや線傷用のシート50D、50E、50Fを使用する場合は、例えば、車体に成形されたプレスラインや線傷上にシート50Dの中心線37を合わせて、シート50Dを車体パネルに固定する。
【0035】
<作業量の算出>
次に、透明のシート50Aを透過して見える損傷80b内に、シート50A上の第1ポイント10aが幾つあるかを数える。そして、その第1ポイント10aの数に、ポイント1箇所における作業面積(例えば3.14cm2)を乗じ、全体の作業面積を算出する。このとき、損傷80b内の第2ポイント10bの数も計数し、第1ポイント10aと第2ポイント10bの加算数にポイント1箇所における作業面積を乗じて、全体の作業面積を算出してもよい。また、隣接する各ポイントの修正部位が重複するのを考慮して、ポイント1箇所あたりの作業面積を設定しておくようにしてもよい。なお、第2ポイント10bを含めて計算するか否か(第2ポイント10bにおける作業を選択するか否か)の判断基準については後述する。
【0036】
そして、得られた全体の作業面積を基に、必要な修理用材料等を把握することができる。
さらに、損傷80b内に位置する第1ポイント10aの数に、ポイント1箇所における作業時間(作業準備時間等を考慮して設定し、例えば30秒)を乗じ、全体の作業時間を算出する。このときも、損傷80b内の第2ポイント10bの数も計数し、第1ポイント10aと第2ポイント10bの加算数にポイント1箇所における作業時間を乗じて、全体の作業時間を算出してもよい。
【0037】
そして、得られた全体の作業時間を基に、修理費の算出をすることができる。例えば、単位時間あたりの作業工賃に全体の作業時間を乗じ、必要な作業工賃を求めることができる。また、前記全体の作業時間を基に、修理スケジュールの作成や、作業員の管理を容易に行うこともできる。
【0038】
また、作業量の算出は、次のように行うこともできる。すなわち、損傷80bの外形線が、シート50Aのどの境界線に近似するかを判断する。例えば、損傷80bの外形線が第3境界線33付近であれば、損傷80bの面積は、第3領域23に対応するので、約1dm2 であることが分かる。そして、この第3領域23内(第3領域23と第4領域24)における、予め設定されている作業面積を別途作成した対応表等から読取り、求めるというものである。同様に、作業時間も、損傷80bに対応する領域において予め設定されている作業時間を対応表等から読取り、求めることができる。
【0039】
<塗膜剥離作業>
損傷80bの引き出し修正作業の前段階として、損傷80bにおける塗膜の剥離を行う。
【0040】
塗膜の剥離は、損傷80bの外形線内に位置する第1ポイント10aのそれぞれについて、ベルトサンダー等にて1箇所ずつ剥離する。このとき、ベルトサンダーを第1ポイント10a上からドアパネル90(損傷80b)に当接し、当接した箇所のシート50A部分(第1ポイント10a)と共に塗膜を剥離する。すなわち、シート50Aは損傷80b内の各第1ポイント10a部分に穴が開いた状態となり、塗膜の剥離はポイント毎に行われることとなる。したがって、従来の修理方法とは異なり、損傷80b内の全ての塗膜剥離は行わない。すなわち、従来は最低限でも損傷80bの外形線内の塗膜剥離を行っていたのが、本発明では、損傷80bの外形線よりも内方で、しかも各ポイント10のみの剥離を行えばよいこととなる。
【0041】
なお、損傷80b内の第2ポイント10bにおいても、塗膜の剥離を行うようにしてもよい。
【0042】
<引き出し作業>
次に、塗膜剥離したそれぞれの箇所(第1ポイント10a部分)にて、損傷80bの引き出し修正を行う。
【0043】
この引き出し修正にあたっては、図10〜図13に示すプラー60を用いる。
ここで、プラー60について説明する。プラー60は、棒状の本体部61と、この本体部61に、連結部66を介して連結されるカウンタープレート63とから構成されている。本体部61には、電極アタッチメント67が設けられており、溶接機70側と接続できるようになっている。また、本体部61の下部には、前記溶接機70からの電流が流れる電極チップ65が設けられている。なお、前記連結部66と前記カウンタープレート63とは、電極チップ65と連結部66を結ぶ軸線方向にて、回動可能に連結されている。また、連結部66及びカウンタープレート63と、電極チップ65との間隔は、ノブ68をスライド溝69内を摺動させることにより、変更できるようになっている。また、本体部61の上部には、作業者が把持し易いように、グリップ62が設けられている。さらに、本体部61は、ハンマー68を嵌合することにより、スライドハンマーとしての機能を備えられる。
【0044】
このように構成されたプラー60を用いた引き出し修正の原理を説明する。すなわち、図11に示すように、損傷したパネル80bを、パネル80aのように復元するには、電極チップ65を引き出したい損傷箇所に当接し、通電して電極チップ65の先端と損傷80bとを溶着する。この状態で、カウンタープレー63部にては下方(矢印A方向)に押圧しながら、本体部61を手前(矢印B方向)に引く。すると、電極チップ65は上方(矢印C方向)に引き上げられ、電極チップ65とともに損傷80bも引き出される(図12)。なお、ノブ68のスライド溝69内の固定位置を変更すれば、一度の引き出し作業にて修復される損傷80bの面積を変更することができる。
【0045】
そして、シート50Aでの引き出し作業は、損傷80b内における、外方の領域内に位置する第1ポイント10aから、内方の領域内に位置する第1ポイント10aの順に、プラー60によってパネルの引き出しが行われる。これを図13により説明すると、電極チップ65の溶着箇所(引き出し作業箇所)は、ポイント▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼→▲5▼の順番にて移行することになる。すなわち、損傷の浅い外方部分から、損傷の深い内方部分に向けて、順に引き出し作業が行われる。このように浅い損傷箇所から引き出し修正を行うことにより、修復作業を完了するまでの間、各引き出しポイントにおいては、常に浅い損傷を引き出すこととなる。例えば、ポイント▲1▼にて引き出し修復をすると、ポイント▲1▼より内方のポイント▲3▼の位置も引き上げられているので、引き出し作業は全ての箇所において、少しずつの簡単な引き出し作業にて足りることになる。
【0046】
なお、引き出し作業は、同一の領域内であれば、各第1ポイント10aにおける引き出しはどの順番にて行ってもよいが、好ましくは、隣接する第1ポイント10aを順次引き出しながら、渦状の線を描くように行うとよい。また、中心点Pにても、引き出し作業を行うようにしてもよい。
【0047】
ここで、第2ポイント10bにおける引き出し作業の適否の判断について説明する。第2ポイント10bは、第1ポイント10aにての引き出し作業だけでは、充分な修正が行いきれない場合に、補足的に引き出し作業を行う場所を示すものである。引き出し作業は、損傷80b内の全ての第1ポイント10aと、第2ポイント10bを、外側(凹みの浅い側)から内側(凹みの深い側)の順に引き出し作業を行えば、熟練していない作業員であっても、精度よく修正を成すことができる。しかし、より一層引き出し作業を早く行うために、第1ポイント10aにての引き出し修正がより良く行えた場合は、第2ポイント10bの引き出し作業を省略する選択をもたせたのである。
【0048】
すなわち、例えば外側(例えば第1領域21内)の第1ポイント10aにて引き出し作業を終えた後、第1領域21内の第2ポイント10bにて引き出し作業を行い、さらに第2領域22内の第1ポイント10a、第2領域22内の第2ポイント10bというように作業をすることができる。あるいは、第1領域21内の第1ポイント10aにて引き出し作業を終えた後、第2領域22内の第1ポイント10aにて引き出し作業を行い、その後、第1領域21内の第2ポイント10bにて引き出し作業を行うようにしてもよい。
【0049】
ここで、第1ポイント10a及び第2ポイント10bにての引き出し作業に伴う修正面積の関係について、図14に基づきさらに詳細に説明する。なお、図14中の右側は、車体パネルの損傷箇所にシート50を張った状態の一部を表すものであり、図14中の左側は、右側に対応する損傷の深さを表すものである。
【0050】
仮に、プラー60を利用して第2領域22内の第1ポイント10aにおいて(車体パネルの100aにおいて)引き出し作業を行ったとすると、円90a内の引き出しが行われることになる。なお、このとき、プラー60のノブ68は、引き出し作業面積である前記円90aの半径が、1cmになるように設定されているものとすると、引き出し作業面積は、約3.14cm2となる。
【0051】
そして、第2領域22における第1ポイント10aでの引き出し作業を終えた際、第2領域22の範囲105の凹みが未だ大きい場合は、第2領域22内の第2ポイント10bにて(車体パネルの100bにて)引き出し作業を行った後(円90b内の引き出し)、第3領域23の第1ポイント10aの引き出し作業に移行すると、第2領域22の範囲105も良好に修正することができる。あるいは、第2領域22の第1ポイント10aでの引き出し作業の後、第3領域23の第1ポイント10aにての引き出し作業を行い、その結果第2領域22の範囲105が未だ良好に修正されていない場合に、第2領域22の第2ポイント10bにて引き出し作業を行うようにしてもよい。
【0052】
以上のようにして、損傷80bの引き出し修正作業は未熟な作業員であっても、容易に行うことができる。そして、熟練した作業員であれば、補足的な第2ポイント10bにての引き出し作業はなるべく割愛して、より早く損傷80bの修復を行うことができる。
【0053】
また、各ポイント10における引き出し作業は、ワッシャやピンを車体パネルに溶着した後、このワッシャやピンを引き出し工具にて引き出すことにより行うようにしてもよい。
【0054】
なお、ここで、プレスラインや線傷に適した引き出し作業について説明する。例えば、車体に成形されたプレスラインや線傷上に、中心線37を合わせて固定されたシート50Dにおいて、第5領域25a、25b内の第1ポイント10aにて引き出し作業を行った後、第6領域26の第1ポイント10a(第6境界線36a、36b上の第1ポイント10a)にて引き出し作業を行う。
【0055】
この第5領域25a、25b及び第6領域26における引き出し作業は、線傷の場合であれば、どの位置の第1ポイント10aから引き出し作業を行ってもよい(好ましくは一端側から他端側へ順々に行うと良い)。但し、プレスラインに対応した引き出し作業の場合(すなわち広範囲に亘って深度の異なる凹みがある場合)は、引き出し作業位置の優先順位としては、第1領域21→第2領域22→第3領域23→第4領域24→第5領域25a、25b→第6領域26の順にて、各ポイント10での引き出し作業を行うとよい。つまりこの場合、第1領域21と第5領域25a、25bが重なる箇所の第1ポイント10aは、第2領域22の第1ポイント10aよりも優先して引き出し作業が行われることとなる。
そして、特に第6領域26における各第1ポイント10aの間隔が短いのは、プレスラインを確実に修正するため(ライン出しを容易に行うため)と、線傷は損傷深度が深い場合が多いので、狭い範囲における深い傷を確実に修正するためである。
【0056】
<パテ作業>
前記した引き出し作業の後には、パテ作業を行うが、パテ作業の前段階として、シート50Aにおける損傷80bに対応する箇所のみを剥がし、シート50Aのその他の箇所(車体パネルの80a部分に対応する箇所)は車体パネル上に残しておくようにする。これは、損傷していない部分をその後の作業により傷めないよう保護するためである。例えば、シート50Aの各境界線に破断線(ミシン目)を形成しておき、損傷80bを包含する境界線にて、その内側部分の領域を引き離すようにするとよい。
【0057】
そして、必要に応じて損傷80bに、紫外線重合性組成物からなるパテ原料を埋め込み、前記原料を紫外線硬化させることにより前記損傷80bにパテを充填する。
【0058】
パテ原料として用いられる紫外線重合性組成物としては、自動車等のパテ用原料として一般に用いられる紫外線重合性組成物と同様の組成物が特に制限なく用いられる。この様なパテ原料として一般に用いられる紫外線重合性組成物は、必須成分として紫外線重合性プレポリマー、紫外線重合性モノマー、紫外線重合開始剤を含有し、任意成分として、増感剤、顔料、充填剤、消泡剤、表面改質剤、溶剤等を含有するものである。
【0059】
そして、パテ原料の埋め込みは、従来と同様の方法で行うことが可能である。好ましい方法においては、充填されるべき容積よりも少し多めの量をパテ原料の充填量として、これを数回に分けて埋め込む。最初の1回は、充填量のうちの適当量をプラスチックベラで前記損傷部位にしごき付ける様にして埋め込む。さらに、この上から充填量の残りを適当な量ずつに分けて、プラスチックベラで空気を巻き込まないようにして塗り重ねる。パテ原料埋め込み後は、旧塗膜面よりパテ原料埋め込み部がやや盛り上がった仕上がりとなり、パテ埋め込み部分のパテ原料厚さは、旧塗膜の厚さよりも0.1〜1mm程度厚いものとなる。したがって、このパテ原料の埋め込み部の厚さは、旧塗膜の厚さにもよるが、概ね0.4〜3mmである。
【0060】
パテ原料の埋め込み終了後、埋め込み部分に紫外線を照射して紫外線重合性組成物であるパテ原料を硬化させる。紫外線の照射は、紫外線を含む光を発生する装置、例えば、UVランプ等を用いて行うことができる。紫外線重合性組成物を硬化させるために要する紫外線照射時間は、例えば、パテ原料として上記本発明において好ましい組成物を用い、埋め込み厚さを上記範囲内にして、十分な紫外線量を照射すれば、概ね30秒から60秒とすることができる。
【0061】
上記紫外線照射によりパテ原料は硬化し、上記必要に応じて前処理が施された損傷部はパテで充填される。ここで、硬化によりパテ原料の体積が多少減少すると、旧塗膜面からのパテの盛り上がりも、硬化前に比べて多少減少したものとなる場合がある。
【0062】
その後、旧塗膜面より盛り上がったパテ表面は、ダブルアクションサンダー、オービタルサンダー等を用いて、旧塗膜面のレベルまで研磨される。パテ充填工程はこれで終了するが、上記1回のパテ充填工程後、十分に平滑な面が出ない場合等には、さらに、1回目に充填されたパテの上に2回目のパテ充填を上記同様に行うことができる。
【0063】
<プライマサーフェサ層の形成>
さらに、充填したパテ上に、プライマサーフェサ層を形成する。この際、パテと旧塗膜の境界周辺部分についてもプライマサーフェサ層が形成されることが好ましい。プライマサーフェサ層は、より好ましくは、パテ上およびパテと旧塗膜の境界付近が一定の厚さで最も厚く、境界付近から遠ざかるに従って層の厚さが徐々に薄くなるように形成される。
【0064】
プライマサーフェサ層は、少なくともパテ表出面を含む塗装面に、紫外線重合性組成物からなりスプレー塗布が可能な粘度のプライマサーフェサ原料を均一にスプレー塗布し、得られた原料塗膜を紫外線硬化させることにより得られる。
【0065】
プライマサーフェサ層を形成させる前に、好ましくは、エアーブロー等によりパテ表出面およびその周辺の旧塗膜面を洗浄し、さらに脱脂を行う。
なお、プライマサーフェサ原料として用いられる紫外線重合性組成物としては、均一なスプレー塗布が可能な粘度の紫外線重合性組成物であり、硬化後のプライマサーフェサ層が上記パテやプライマサーフェサ層の上に形成される上塗り塗料との密着性がよいものであれば、特に制限なく用いることができる。
【0066】
<上塗り工程>
上塗り工程の前に、好ましくは、エアーブロー等によりプライマサーフェサ層表面およびその周辺の旧塗膜面を洗浄し、さらに脱脂を行うとよい。
【0067】
上塗り塗装は、車輌等の塗装面の修理において通常行われている上塗り塗装の方法と同様にして行うことができる。例えば、旧塗膜にあわせて、ソリッド塗装、メタリック塗装、3コートマイカ塗装等から適当な塗装方法が選択されて塗装が施される。その後、ポリッシング等により仕上げが行われる。
【0068】
以上のようにして車体パネルの損傷80bを容易かつ短時間にて修理することが可能となった。
なお、実験の結果、損傷面積が2dm2 の鈑金作業は、従来の修理方法による平均作業時間は40分であったが、本発明の修理方法によると、平均作業時間は10分にて行うことができた。また、パテ作業、サーフェサ作業等を含む全体の修理作業時間は、損傷面積が2dm2 において、従来の修理方法による平均作業時間は2時間30分であったが、本発明の修理方法によると、平均作業時間は32分にて行うことができた。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理を、短時間にて確実に行う修理方法を提供することができる。
【0070】
また、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理を、経験の浅い作業員であっても容易かつ確実に行える修理方法を提供することができる。
また、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理を、低コストにて行うことができる。
【0071】
また、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理の作業量を予め算出することができる。
さらに、仕上がりが良好でかつ作業時間の短縮された車輌の外板パネルの修理方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における修理作業に用いるシート(円形損傷対応)を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における修理作業に用いるシート(四角形損傷対応)を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態における修理作業に用いるシート(楕円形損傷対応)を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態における修理作業に用いるシート(円形、プレスライン損傷対応)を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における修理作業に用いるシート(四角形、プレスライン損傷対応)を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における修理作業に用いるシート(楕円形、プレスライン損傷対応)を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態における修理作業に用いるシートを損傷上に固定した状態を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態における修理作業によって修理する車体のドアパネルを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態における修理作業によって修理する車体のドアパネルを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるプラーを示す全体斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態におけるプラーの要部を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態におけるプラーの要部を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態における引き出し作業の説明のための図である。
【図14】本発明の一実施形態における、引き出し作業に伴う修正面積の関係について説明するための図である。
【符号の説明】
10 ポイント(引き出し作業指示ポイント)
10a 第1ポイント
10b 第2ポイント
21 第1領域
22 第2領域
23 第3領域
24 第4領域
31 第1境界線
32 第2境界線
33 第3境界線
34 第4境界線
50 シート
60 プラー
65 電極チップ
80b 損傷
P 中心点
Claims (12)
- 車体のパネル損傷を修理する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、中心部のポイント及び前記中心部のポイントから外端部に亘って分布するポイントを有する透明又は半透明のシートを設ける工程と、(b)前記ポイントのうち前記損傷箇所内における外方のポイントから内方のポイントの順に、当該パネルを引き出す工程と、を含むことを特徴とする車体の修理方法。
- 前記(a)行程は、前記中心部のポイントを前記損傷箇所の中心部に合わせることを特徴とする請求項1記載の車体の修理方法。
- 前記各ポイントは、前記中心部のポイントから外端部に亘って段階的に広がる複数の領域のいずれかに属し、前記(b)工程は、外方の領域の各ポイントにてパネルを引き出した後、内方の領域の各ポイントにてパネルを引き出すことを特徴とする請求項1または2記載の車体の修理方法。
- 前記各ポイントは、各領域の境界線から所定距離内方に位置することを特徴とする請求項3記載の車体の修理方法。
- 前記各ポイントを、引き出し作業を必須とする第1ポイントと、補足的に引き出し作業を行うポイントである第2ポイントに分類することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車体の修理方法。
- 前記(a)工程と(b)工程の間に、(c)各ポイントにおける塗膜を剥離する工程を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車体の修理方法。
- 車体のパネル損傷を修理する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、中心部のポイント及び前記中心部のポイントから外端部に亘って分布するポイントを有する透明又は半透明のシートを設ける工程と、(b)前記ポイントのうち前記損傷箇所内における外方のポイントから内方のポイントの順に、当該パネルを引き出す工程と、を含み、
前記(a)行程は、前記中心部のポイントを前記損傷箇所の最深部に合わせることを特徴とする車体の修理方法。 - 前記損傷箇所はプレスライン又は線傷であり、前記シートは、前記中心部のポイントを通る中心線、及び前記中心線上に設けられたポイントを有し、
前記(a)行程は、前記中心線を前記プレスライン又は前記線傷に合わせることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車体の修理方法。 - 車体の修理作業時間を算出する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、中心部のポイント及び前記中心部のポイントから外端部に亘って分布するポイントを有する透明又は半透明のシートを設ける工程と、(b)前記損傷箇所内における前記ポイントを計数する工程と、(c)前記(b)工程にて計数したポイントに、所定時間を乗じて当該損傷箇所における修理作業時間を算出する工程と、を含むことを特徴とする車体の修理作業量算出方法。
- 車体の修理作業面積を算出する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、中心部のポイント及び前記中心部のポイントから外端部に亘って分布するポイントを有する透明又は半透明のシートを設ける工程と、(b)前記損傷箇所内における前記ポイントを計数する工程と、(c)前記(b)工程にて計数したポイントに、所定時間を乗じて当該損傷箇所における修理作業時間を算出する工程と、を含むことを特徴とする車体の修理作業量算出方法。
- 前記(a)行程は、前記中心線を前記プレスライン又は前記線傷に合わせることを特徴とする請求項9又は10に記載の車体の修理作業量算出方法。
- 車体のパネル損傷を修理する方法であって、(a)パネルの損傷箇所に、中心部のポイ ント及び前記中心部のポイントから外端部に亘って分布するポイントを有する透明又は半透明のシートを設ける工程と、(b)前記ポイントのうち前記損傷箇所内における外方のポイントから内方のポイントの順に、当該パネルを引き出す工程と、(d)前記引き出された部分にパテ作業を施す行程と、を含み、
前記シートは、前記中心部のポイントを中心とする複数の領域を形成する破断線によって形成された境界線を有し、
前記(d)行程は、前記シートの前記領域のうち、前記パテ作業を行う部分に対応する前記領域を前記境界線から分離して、前記パネルから剥離することを特徴とする車体の修理方法。
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