JP4085903B2 - 充電機能付き直流電源装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、着脱可能な電池パックを電源とするコードレス電動工具(以下単に電動工具という)に着脱可能なアダプタを備えたケーブルを介して直流電圧を供給し、かつ電池パックを充電可能な充電機能付き直流電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動工具は電源ケーブルによる作業上の制約は無く、どのような場所においても作業できるというメリットを有しているが、電池パックの容量が低下すると電池パックを充電するか別の充電済み電池パックと交換しなければならないという問題があった。そこで、作業場所と交流電源設置場所が近く作業中の移動が少ない場合には交流を直流に変換する直流電源を用い、作業場所と交流電源設置場所が遠く作業中の移動が多い場合には電池パックを用い、作業状況に合わせて電動工具の電源として電池パックと直流電源を併用していた。
【0003】
しかし、作業場所に充電器と直流電源を持ち込まなければ効率のよい作業ができないという問題がある。これらの問題を解決ため、電動工具の動作を検出し、電動工具の動作時は充電をせず直流電源を供給し、電動工具の動作が停止している時は電池パックを充電する充電機能付き直流電源装置を特許文献1により提案した。
【0004】
また、電動工具等の電源に用いられるニッケルカドミニウム電池やニッケル水素電池等の電池パックを充電する場合、大きな充電電流で充電すれば短時間で充電できるが、充電時の電池パック内の電池の発熱が大きくなって電池のサイクル寿命が短くなるため、電池の発熱を抑制するように小さい充電電流で時間をかけて充電する充電装置が提案されている。
【0005】
一方、充電装置に設けられた冷却ファンにより電池パックを冷却しながら充電し、充電時の電池パック内の電池の発熱を抑制して大きな充電電流で短時間で充電する充電装置も提案されている。
【0006】
上記2つの充電装置は電池パックが強制冷却に対応できるか否かすなわち冷却ファンからの送風に対して電池パックが風穴等の構造を設けているか否かによってその充電方式が異なる。このように冷却対応電池パックと冷却非対応電池パックとでは充電方式が異なることを考慮し、充電開始時の電池温度勾配が所定値以上であるか以下であるかを判別することにより、冷却ファンによる電池パックへの送風による冷却効果の有無を判別し、その結果に基づいて平均充電電流を定めて充電する充電方法を特許文献2により提案した。
【特許文献1】
特開2000−184614公報
【特許文献2】
特開2000−312440号公報
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の充電機能付き直流電源装置において、電池温度勾配に基づき冷却効果を判別する場合、電動工具作動中は充電が行われないため、冷却効果の有無に拘わらず電池温度勾配が低下する。このため、正確な冷却効果の判別が行えない場合がある。これを図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3はそれぞれの条件における充電中の電池電圧、電池温度、電池温度勾配(A/D変換値)、充電電流の推移を示したグラフである。
【0007】
この例の場合、冷却効果は、冷却効果判別電池温度Pに達するまでの、電池温度勾配により判別する。すなわち、電池温度Pに達するまでの電池温度勾配の最小値が判別値Q以上であれば冷却効果が無いと判別し、充電開始時の比較的大きい電流値Tからより小さい電流値Sに切替え(図2参照)、Q以下であれば冷却効果が有ると判別し、比較的大きい電流値Tのまま充電を行う(図1参照)。
【0008】
図3は、冷却効果が無い場合において電動工具を使用した場合の充電波形である。電動工具使用時は充電が行われないため、電池温度が低下することから、電池温度勾配も低下し、冷却効果の判別値Q以下になってしまう。また、充電再開時においては、電動工具使用時の電池温度の低下に対し、電池温度は相対的に上昇する。よって、例えば電池温度が相対的に上昇するまでの時間内に電池温度が冷却効果判別電池温度Pに達した場合は、電池温度勾配は、冷却効果の判別値Q以下であるため、冷却効果有りと判別してしまい、そのまま大電流で充電を行ってしまう。大電流で充電されるため充電の早切れすなわち充電不足を引き起こす恐れがある。
【0009】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、冷却効果の判別を確実に行うことにより適切な充電を行い、電池の長寿命化が可能な充電機能付き直流電源装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、電動工具を使用し充電が行われていない時及び電動工具使用後の充電再開から所定時間が経過するまでは、電池温度勾配の最小値を更新しないようにすることにより達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を一実施形態を示した図面を参照して説明する。図5は本発明充電機能付き直流電源装置の一実施形態を示す斜視図である。
【0012】
1はACコード組、2は充電機能付き直流電源装置本体(以下単に電源装置本体という)、3はアダプタ組であり、一端に電動工具4に接続するアダプタプラグ、他端に電源装置本体2に接続する出力ケーブルとを有する。アダプタプラグは、上部が電池パック5の挿入部と同じ形状をしており、電池パック5と同様に電動工具4に着脱可能となっている。
【0013】
図6は充電機能付き直流電源装置の一実施形態を示すブロック図である。ACコード組1はAC100Vの商用交流電源に接続される。アダプタ組3は複数の電動工具4に対し、各々の定格電圧に対応する電圧を出力させるための出力電圧設定手段3aを備えている。電動工具4は、DCモータ4a及び直列に接続された電源スイッチ4bを内蔵し、電源スイッチ4bがオンされた時、アダプタ組3を介して、電源装置本体2から直流電源が供給される。電動工具4に装着可能な電池パック5は、充電可能な蓄電池5a及び蓄電池5aの近傍または接触されて取り付けられる温度素子5b(例えばサーミスタ等)から構成される。
【0014】
10は種々の駆動電圧の電動工具4に対応する所定の駆動電圧及び電池電圧が異なる種々の電池パック5を充電可能な如く所定の充電電流を出力可能なスイッチング電源で、第一整流平滑回路11、高周波トランス12、第二整流平滑回路13、スイッチング素子14、スイッチング制御回路15から構成され、スイッチング制御回路15はスイッチング素子14の駆動パルス幅を変えて第二整流平滑回路13の出力電圧及び出力電流を調整する。
【0015】
電源出力制御手段20は、電源スイッチ4bのオン時に電動工具4の駆動電圧を制御し、電源スイッチ4bのオフ時で電池パック5が充電可能な場合に充電電流を制御する電圧・電流制御回路21、駆動電圧及び充電電流の値を設定する電圧・電流設定回路22から構成される。電動工具4が駆動している時は、電圧検出回路42の信号に基づきスイッチング制御回路15に帰還をかけスイッチング素子14のスイッチングデューティを制御し、同時に出力電流検出回路41からの信号に基づきアダプタ組3のケーブルにおける電圧降下分を補正する機能を有する。また電源スイッチ4bのオフ時で電池パック5が充電可能な場合は、出力電流検出回路41からの信号に基づきスイッチング制御回路15に帰還をかけ、スイッチング素子14のスイッチングデューティを制御し、電池パック5への充電電流を後述する電池状態検出手段50の出力に基づいて制御する。
【0016】
電源出力切り換え手段30は、電源スイッチ4bのオン時に電源出力を電動工具4に供給する電源出力スイッチ回路31、電動工具4の未使用時に電池パック5への充電を可能にする充電出力スイッチ回路32から構成される。充電出力スイッチ回路32は、例えば上記した如くまた特願2001−111023で提案した如く、リレー回路から構成される。
【0017】
電源出力検出手段40は、電源スイッチ4bのオン時に電動工具4に供給される電流または電源スイッチ4bのオフ時に電池パック5に供給される充電電流を検出する出力電流検出回路41、第二整流平滑回路13の出力電圧を検出する電圧検出回路42、電源スイッチ4bがオンされたことを検出し、その瞬間に充電不許可信号及び電動工具4への電源供給を許可する信号を出力するトリガ検出回路43、アダプタ組3の出力電圧設定手段3aの設定電圧を検出する出力電圧設定検出回路44等から構成される。
【0018】
電池状態検出手段50は、電池パック5の電池電圧を検出する電池電圧検出回路51、電池パック5内の温度素子5bの特性に応じて電池温度を検出する電池温度検出回路52から構成される。
【0019】
本発明制御手段を構成するマイコン60は、電源出力検出手段40及び電池状態検出手段50の出力に基づいて、電動工具4使用時の駆動電圧及び電動工具4未使用時における電池パック5の充電電流の設定を行うと共に、電動工具4の未使用すなわち電源スイッチ4bのオフと電池状態検出手段50の出力に基づき充電可能か否かを判別し、電池パック5が充電可能な時はトリガ検出回路43を介して充電出力スイッチ回路32に充電許可信号を出力する等の機能及び最新の電池温度と所定サンプリング前の電池温度から電池温度勾配と最新の電池電圧と所定サンプリング前の電池電圧から電池電圧勾配を演算する機能を有し、更に電池温度Tin、電池電圧Vin、電池温度勾配dT/dt、電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)等を記憶するRAMを有する。
【0020】
例えばLED等から構成される表示回路70は、マイコン60の出力に基づいて、電動工具4が使用中、電動工具4が使用可能か否かの表示、または電池パック5が充電中であること等を表示する。補助電源回路80は、マイコン60等の電源及び電源出力制御手段20、電源出力検出手段40及び電池状態検出手段50等の基準電圧Vccを供給する。冷却ファン制御回路90は冷却ファン91のオン・オフを制御する。
【0021】
次に、図7〜図8のフローチャートを参照して本発明充電機能付き電源装置の動作を説明する。ACコード組1をAC100Vの商用交流電源に接続すると、補助電源回路80が起動し、マイコン60及び電源出力制御手段20等に基準電圧Vccを供給する。次に、マイコン60は記憶手段であるRAM内の電池パックフラグ、充電完了フラグ、充電中フラグ、電流切換え終了フラグ、充電初期設定終了フラグ、電流切換え終了フラグ、冷却効果有りフラグ、負荷電流カウンタ及びマイコン60における記憶デ−タである36サンプリング前までの電池温度Ti-36、Ti-35、……、Ti-01及び電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)をイニシャルリセットし、充電出力スイッチ回路32をオフする(ステップ701)。
【0022】
続いて、スイッチング制御回路15にスイッチング電源10が起動する信号を出力し(ステップ702)、電動工具4の電源スイッチ4bがオンした時は、電源出力検出手段40のトリガ検出回路43が電源出力切り換え手段30の電源出力スイッチ回路31をオンさせ、電動工具4の定格電圧に対応する所定の駆動電圧を供給する。
【0023】
電池状態検出手段50の電池電圧検出回路51及び電池温度検出回路52の出力に基づいて、電池パック5が電源装置本体2に挿入されているか否かを判別し(ステップ703)、電池パック5が挿入されていると判別した時は、電池パックフラグをセットし(ステップ706)、ステップ707にジャンプする。電池パック5が挿入されていない時は、冷却ファン91を停止し(ステップ704)、ステップ701と同じイニシャルリセットを行うと共に充電出力スイッチ回路32をオフする(ステップ705)。
【0024】
続いて、電源スイッチ4bがオフされたか否かを判別するため、出力電流検出回路41の出力に基づいて、負荷電流が零か否かを判別する(ステップ707)。負荷電流が零の場合、電池パックフラグがセットされているか否かを判別し(ステップ708)、電池パックフラグがセットされてない場合はステップ730にジャンプする。ステップ708において電池パックフラグがセットされている時は、電池パック5が充電完了しているか否かすなわち充電完了フラグがセットされているか否かを判別し(ステップ709)、充電完了すなわちセットされている時はステップ730にジャンプする。
【0025】
ステップ709において電池パック5が充電完了状態でない場合すなわち充電完了フラグがセットされていない場合は、電池パック5が充電中であるか否かすなわち充電中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップ710)、充電中でない場合は、トリガ検出回路43の出力に基づいて電源スイッチ4bがオンされたか否かを監視し(ステップ711)、電源スイッチ4bがオンされていない場合は、充電出力スイッチ回路32に充電許可信号を出力し(ステップ712)、電源出力スイッチ回路31をオフさせると同時に充電出力スイッチ回路32をオンさせて充電を開始し、充電中フラグをセットし(ステップ713)、ステップ730にジャンプする。
【0026】
ステップ707において負荷電流が零でない場合は、負荷電流零カウンタをクリアし(ステップ714)、引き続きトリガ検出回路43の出力に基づいて電源スイッチ4bがオンされたか否かを監視する(ステップ715)。電源スイッチ4bがオンされている場合は充電中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップ716)、充電中フラグがセットされている場合はステップ711にジャンプする。充電中フラグがセットされていない場合はステップ708に戻る。
【0027】
ステップ715において、電源スイッチ4bがオンされてない場合はステップ717にジャンプして充電完了フラグが有るか否かを判別する。充電完了フラグが有る場合は、ステップ730にジャンプする。充電完了フラグが無い場合は、電池パック5の電池電圧検出による満充電判別を行う(ステップ718)。満充電判別は電池電圧を電池電圧検出回路51を介してマイコン60に入力することにより行われる。電池電圧検出による満充電判別としては、周知の如く、ピーク検出、−ΔV検出等がある。電池パック5が満充電の場合は充電中フラグをリセットし(ステップ727)、充電完了フラグをセットし(ステップ728)、充電出力スイッチ回路32をオフして(ステップ729)ステップ730にジャンプする。
【0028】
ステップ718において満充電でない場合は、電池パック5が充電すべきでない高温か否かの判別を、電池温度検出回路52の出力に基づいて行い(ステップ719)、電池パック5が高温の時は、前述と同様に再度ステップ727以降の処理を行う。電池パック5が高温でない場合は、引き続き電池パック5に内蔵されている温度素子5bの特性から電池温度検出回路52の出力に基づいて所定サンプリング幅の電池温度勾配を演算し、その温度勾配が所定値以上の場合は満充電と判別する周知のdT/dt検出による満充電判別を行う(ステップ720)。電池パック5の温度勾配が所定値以下の場合はステップ730にジャンプする。所定値以上の温度勾配を検出した場合電池パック5は満充電と判別し、前述と同様に再度ステップ727以降の処理を行う。
【0029】
ステップ710において、電池パック5が充電中すなわち充電中フラグが有りと判断した場合、すなわちここでは、充電中に電源スイッチ4bが一度オンされ、その後電源スイッチ4bがオフされた時、負荷電流零カウンタをスタートし(ステップ721)、次いで負荷電流零の状態が連続してすなわち電動工具4の連続未使用時間が所定時間経過したか否かを判別すなわち連続で電源スイッチ4bがオフされているか否かを判別し(ステップ722)、所定時間経過した時は、電池パック5の充電を再開すべく、ステップ711にジャンプする。なおこの所定時間は、例えば満充電判別のための電池電圧や電池温度のサンプリング時間または電動工具4の実際の使用形態を考慮して設定するのが望ましく、一例を挙げれば1分である。
【0030】
ステップ722において、負荷電流零の状態が連続で所定時間経過していない場合は、充電出力スイッチ回路32に充電不許可信号を出力し(ステップ723)、次いで電池パックフラグが有るか否かを判別し(ステップ724)、フラグがない場合はステップ730にジャンプし、電池パックフラグが有る時は、充電中に電源スイッチ4bが一度オンされ、充電を行っていない状態でも連続的に満充電判別をすべく、電池パック5が充電すべきでない高温か否かの判別を電池温度検出回路52の出力に基づいて行い(ステップ725)、電池パック5が高温の時は、前述と同様に再度ステップ727以降の処理を行う。電池パック5が高温でない場合は、引き続き電池パック5に内蔵されている温度素子5bの特性から電池温度検出回路52の出力に基づいて所定サンプリング幅の電池温度勾配を演算し、その温度勾配が所定値以上の場合は満充電と判別するdT/dt検出による満充電判別を行う(ステップ726)。ステップ726において電池パック5の温度勾配が所定値K以下の場合は、ステップ730にジャンプする。所定値K以上の温度勾配を検出した場合は、電池パック5は満充電と判別し、前述と同様に再度ステップ727以降の処理を行う。
【0031】
ステップ730において、記憶データである36サンプリング前までの電池温度Ti-36、Ti-35、……、Ti-01を、Ti-35→Ti-36、Ti-34→Ti-35、………、Tin→Ti-01にそれぞれの記憶データを1サンプリング前の記憶エリアに移し替え、充電中フラグが有るか否かを判別し、無い場合はステップ703に戻る。ステップ703において充電中フラグが有る場合は、充電初期設定終了フラグが有るか否かを判別し(ステップ732)、有る場合はステップ737にジャンプする。ステップ732において、充電初期設定終了フラグが1でない場合は、冷却ファン制御回路90により冷却ファン91を作動させ(ステップ733)、所定の充電電流Tに制御すべく、電圧・電流設定回路22に信号を出力し(ステップ734)、充電初期設定終了フラグをセットし(ステップ735)、サンプリングタイマをスタート(ステップ736)させる。
【0032】
サンプリング時間経過したか否かを判別し(ステップ737)、サンプリング時間経過した場合は再度サンプリングタイマをスタートさせる(ステップ378)。続いて現在の電池温度Tinを電池温度検出回路52より検出し(ステップ739)、現在の電池温度Tinから36サンプリング前の電池温度Ti−36を引いた値を電池温度勾配dT/dt(in)として演算・記憶する(ステップ740)。次にdT/dt(in)が負であるか否かを判別し(ステップ741)、負である場合は、まだ36サンプリングの時間が経過していない(ステップ701又は705におけるイニシャルセット時にはTi−36←∞であるので、36サンプリング経過していない時は、Tin−Ti−36の演算は負となる)ので、次の処理をスキップしステップ745にジャンプする。ステップ741において電池温度勾配が負でない場合は、電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)が現在の電池温度勾配dT/dt(in)より大きいか否かを判別する(ステップ742)。
【0033】
電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)が現在の電池温度勾配dT/dt(in)より小さい場合は、電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)を更新せずにステップ745にジャンプする。大きい場合は、負荷電流零または負荷電流検出後所定時間U経過していないか否かを判別する(ステップ743)。ステップ743において負荷電流零または負荷電流検出後所定時間U経過していない場合は、充電中の発熱とは無関係に電池温度勾配が低下するため、冷却効果の無い電池パック5を冷却効果が有ると誤判別してしまう恐れがあるため電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)を更新せずにステップ745にジャンプする。ステップ743において負荷電流零でない場合または負荷電流検出後所定時間U経過している場合は、電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)を更新する(ステップ744)。次いで、電流切換え終了フラグが有るか否かを判別し(ステップ745)、有る場合はステップ703に戻る。無い場合は冷却効果有りフラグが有るか否かを判別し(ステップ746)、有る場合はステップ750にジャンプする。無い場合は現在の電池温度Tinが45℃を超えているか否かを判別し(ステップ747)、45℃未満の場合はステップ703に戻る。45℃を超えている場合は電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)がQを超えているか否かを判別する(ステップ748)。Qを超えている場合は冷却効果が無いと判別し、冷却効果が無い場合に電池パック5の発熱を抑制し充電を無理なく行える所定の充電電流S(T>S)に制御すべく、電圧・電流設定回路22に信号を出力し(ステップ752)、電流切換え終了フラグをセットして(ステップ753)ステップ703に戻る。ステップ748において電池温度勾配最小値dT/dt(MIN)がQ以下の場合は冷却効果あると判別し、冷却効果有りフラグをセットし(ステップ749)、現在の電池温度Tinが50℃を超えているか否かを判別し(ステップ750)、50℃を超えている場合は冷却効果が有る場合に電池パック5の発熱を抑制し充電を無理なく行える所定の充電電流R(T>R>S)に制御すべく、電圧・電流設定回路22に信号を出力し(ステップ751)、電流切換え終了フラグをセットし(ステップ753)、ステップ703に戻る。
【0034】
図4は本発明によって充電された電池パック5の電池電圧、電池温度、電池温度勾配及び充電電流を関係を示すグラフで、電動工具使用後の充電再開から所定時間電池温度勾配値を更新しないようにすることにより、冷却効果有無を正確にの判別できるようになって、上記した充電の早切れを起すことがなくなり、その後の満充電を確実かつ正確に検出して充電を停止していることを示している。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明により、正確な冷却効果の判別を行うことにより適切な充電を行いるようになり、電池パックの長寿命化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明直流電源装置の充電制御説明用グラフ。
【図2】本発明直流電源装置の充電制御説明用グラフ。
【図3】本発明直流電源装置の充電制御説明用グラフ。
【図4】本発明直流電源装置の充電制御説明用グラフ。
【図5】本発明直流電源装置の一実施形態を示す斜視図。
【図6】本発明直流電源装置の一実施形態を示すブロック図
【図7】本発明直流電源装置の動作説明用フローチャート。
【図8】本発明直流電源装置の動作説明用フローチャート。
【符号の説明】
2は電源装置本体、3はアダプタ組、4は電動工具、5は電池パック、10はスイッチング電源、20は電源出力制御手段、30は電源出力切り換え手段、40は電源出力検出手段、43はトリガ検出回路、50は電池状態検出回路、52は電池温度検出回路、60はマイコン、91は冷却ファンである。
Claims (1)
- 着脱可能な電池パックを電源とするコードレス電動工具に着脱可能なアダプタを備えたケーブルを介して直流電圧を供給すると共に、コードレス電動工具未使用時に電池パックを充電するものであって、電池パックを冷却する冷却手段と、電池温度を検出する電池温度検出手段と、電池温度検出手段の出力に基づいて電池温度を記憶する電池温度記憶手段と、電池温度検出手段及び電池温度記憶手段の出力に基づいて電池温度勾配を演算する電池温度勾配演算手段と、電池温度勾配演算手段の出力に基づいて電池温度勾配を記憶する電池温度勾配記憶手段とを有し、前記電池温度が所定の値に達するまでの前記電池温度勾配の最小値により、電池パックの冷却効果の有無を判別して充電電流を設定する充電機能付き直流電源装置であって、
コードレス電動工具を使用して充電が行われていない時及びコードレス電動工具使用後の充電再開から所定時間が経過するまでは、冷却効果を判別するための電池温度勾配の最小値を更新しないことを特徴とする充電機能付き直流電源装置。
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