JP4085346B2 - マイカ基材シート状体及び絶縁コイル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気用品、特に発電機等の電気機器におけるコイル、特に高電圧コイルの絶縁層を形成する際に用いるマイカ基材シート状体及びこれを用いた絶縁コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
発電機等の電気機器における回転子や固定子に用いられるコイルの巻線の束を絶縁するために絶縁特性のよいマイカ材料を用いることが行われている。この場合、マイカを主成分として抄造した絶縁紙をコイルの絶縁用に用いると、その絶縁紙の熱伝導性が悪く、動作中のコイルにより発生した熱を放熱し難いためコイルは蓄熱し易く、コイルの電気特性に悪影響を与え、電気機器としての性能を維持する上では問題がある。特に最近は小型で、高性能の電気機器の出現が要望されているのでその問題が大きくなりつつある。
この問題を解決するために、特公昭56−38006号公報に記載されているように、マイカと合成繊維フィブリッドを混抄する際にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有させたマイカ基材シートをコイルに巻き付け、その後樹脂を含浸させるか、特開昭63−110929号公報に記載されているようにガラス繊維織布にポリエチレングリコールテレフタレート膜によりマイカテープを接着させた絶縁テープをコイルに巻付けた後、マイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有させた樹脂を含浸させ、いずれの場合も絶縁層の熱伝導性を改善することが提案されている。
【0003】
しかしながら、前者は、マイカより熱伝導性の良い無機質粉末の粒径が30μmより小さいと、合成繊維フィブリッドとマイカとともに抄造する際に抄き網から抜け落ち、その抄造歩留まりが悪いということがあるため、その粒径は30μm〜100μmに限定され、合成繊維フィブリッドとマイカの混合層の小さい隙間を十分に埋めることができず、その隙間の空気の存在により熱伝導性を十分に向上させることができないという問題があった。また、後者は、その粒径を0.1μm〜15μmのように逆に小さくしているが、樹脂とともに含浸されるので絶縁テープの隙間に浸透するその流通抵抗が大きく、特に奥の細かい隙間には樹脂だけが浸透し無機質粒子は表面側に引っ掛かって奥まで浸透できず、その含浸層が不均一になり易く、その浸透にも時間がかかり生産性が良くないという問題や、さらには無機質粉末を含浸用樹脂液に混ぜる作業が必要になり、通常は絶縁材料を提供する側と、これを使用する側は異なるので、その使用者側にその負担を強いることは生産性の点で好ましくなく、一方絶縁材料の供給者と含浸用樹脂の供給者は異なる場合が多いので、これらのどちら側でその作業を行う場合にも余分な負担になり生産性を害するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、特願平7−213971号明細書において、マイカ層と裏打ち材との間の接着層に熱伝導性の良い無機質粉末を含有させたマイカ基材シート状体を提案したが、裏打ち材にガラスクロスを使用したその具体的製品のマイカテープをコイルの絶縁材に使用するときは、テープをコイルに巻回するときに斜めに重ね巻きしていくので、そのテープに剪断力がかかり、そのテープが側端から裂けることがあり、その裂けることを起き難くする、いわゆる端裂抵抗を高めることが求められている。このテープが裂けると巻回作業を停止し、再度その作業をやり直したり、修復作業を行うなど作業性を悪くし、生産性を悪くするという問題があるからである。
その対策として、ガラスクロスのガラス糸を太くしたり、縦横の糸の本数を多くすることも考えられるが、あまり糸を太くするとマイカ基材シート状体の厚さ方向の割合が多くなり、コイルの耐電圧を低下させることになり、糸の本数を多くし過ぎると裏打ち材を通しての樹脂の浸透が良く行われず、マイカ層と裏打ち材の接着性に問題が生じ、マイカ基材シート状体をコイルの絶縁部に巻回するときに両者の剥離が生じ、巻回作業性を害し、その出来上がりも良くなく、所定の絶縁性が得られないことがある。
本発明の第1の目的は、熱伝導性が比較的均一であり、放熱が比較的均一に行われ、特にコイル用絶縁材料に使用した場合蓄熱し難く、かつ端裂抵抗の大きいマイカ基材シート状体及びこれを用いた絶縁コイルを提供することにある。
本発明の第2の目的は、特に最近の小型化、高性能化のコイルに適するマイカ基材シート状体及びこれを用いた絶縁コイルを提供することにある。
本発明の第3の目的は、コイル製造業者においてマイカ基材シート状体を使用する際に巻回作業性を高め、生産性を向上することにある。
本発明の第4の目的は、絶縁材料提供者、含浸用樹脂提供者、これらの使用者において従来の生産工程の大幅な変更をすることなく、生産性を害することがないようにすることにある。
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、(1)、裏打ち材と、マイカを含有するマイカ層とを接着層を介して接合し、少なくとも樹脂とマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有し該裏打ち材側から塗布により形成された上記接着層に融合する熱伝導層を有するマイカ基材シート状体であって、上記裏打ち材に該マイカ基材シート状体の端裂抵抗が上記裏打ち材にガラスクロスのみを用いた場合より大きい裏打ち材として有機系材料からなる糸を全部又は縦糸に用いて得られるクロスを用いるマイカ基材シート状体、(2)、マイカ層と接着層の内少なくとも接着層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有する上記(1)のマイカ基材シート状体、(3)、有機系材料からなる糸がポリアミドからなる糸又はポリエステルからなる糸である上記(1)又は(2)のマイカ基材シート状体、(4)、熱伝導層に含有されるマイカより熱伝導性の良い無機質粉末の粒径は0.1μm〜50μmである上記(1)ないし(3)のいずれかのマイカ基材シート状体、(5)、マイカ層は集成マイカと、この集成マイカ100重量部に対し5〜50重量部の合成繊維フィブリッドと、上記集成マイカ100重量部に対して5〜50重量部の上記集成マイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有し、かつ該マイカ層に含有させる熱伝導性の良い無機質粉末の粒径は5μm〜50μmである上記(1)ないし(4)のいずれかのマイカ基材シート状体、(6)、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が5〜15重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が25〜55量%であり、該熱伝導層は75〜95重量%のマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含む上記(1)ないし(5)のいずれかのマイカ基材シート状体、(7)、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が25〜50重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が20〜50重量%であり、該熱伝導層は65〜85重量%のマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含む上記(1)ないし(5)のいずれかのマイカ基材シート状体、(8)、コイルの絶縁部に上記(6)のマイカ基材シート状体及び含浸樹脂の硬化層により絶縁層を形成した絶縁コイル、(9)、含浸樹脂層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有させ、かつ該無機質粉末の粒径を0.1〜15μmとする上記(8)の絶縁コイル、(10)、コイルの絶縁部に上記(7)のマイカ基材シート状体及びその含有した接着層及び熱伝導層の熱硬化層により絶縁層を形成した絶縁コイルを提供するものである。
なお、「本発明は、上記目的を達成するために、(1)、裏打ち材と、マイカを含有するマイカ層とを接着層を介して接合し、少なくとも樹脂とマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有し該裏打ち材側から塗布により形成された上記接着層に融合する熱伝導層を有するマイカ基材シート状体であって、上記裏打ち材に該マイカ基材シート状体の端裂抵抗が上記裏打ち材にガラスクロスのみを用いた場合より大きい裏打ち材を用いたマイカ基材シート状体、(2)、マイカ層と接着層の内少なくとも接着層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有する上記(1)のマイカ基材シート状体、(3)、裏打ち材が有機系材料からなる糸を全部又は一部用いて得られるクロスである上記(1)又は(2)のマイカ基材シート状体、(4)、有機系材料からなる糸がポリアミドからなる糸又はポリエステルからなる糸である上記(3)のマイカ基材シート状体、(5)、熱伝導層に含有されるマイカより熱伝導性の良い無機質粉末の粒径は0.1μm〜50μmである上記(1)ないし(4)のいずれかのマイカ基材シート状体、(6)、マイカ層は集成マイカと、この集成マイカ100重量部に対し5〜50重量部の合成繊維フィブリッドと、上記集成マイカ100重量部に対して5〜50重量部の上記集成マイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有し、かつ該マイカ層に含有させる熱伝導性の良い無機質粉末の粒径は5μm〜50μmである上記(1)ないし(5)のいずれかのマイカ基材シート状体、(7)、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が5〜15重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が25〜55量%であり、該熱伝導層は75〜95重量%のマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含む上記(1)ないし(6)のいずれかのマイカ基材シート状体、(8)、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が25〜50重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が20〜50重量%であり、該熱伝導層は65〜85重量%のマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含む上記(1)ないし(6)のいずれかのマイカ基材シート状体、(9)、コイルの絶縁部に上記(7)のマイカ基材シート状体及び含浸樹脂の硬化層により絶縁層を形成した絶縁コイル、(10)、含浸樹脂層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有させ、かつ該無機質粉末の粒径を0.1〜15μmとする上記(9)の絶縁コイル、(11)、コイルの絶縁部に上記(8)のマイカ基材シート状体及びその含有した接着層及び熱伝導層の熱硬化層により絶縁層を形成した絶縁コイルを提供するものである。」とすることもできる。
【0006】
本発明のマイカ基材シート状体は、マイカを含有するマイカ層と、裏打ち材と、これらマイカ層と裏打ち材を接合する接着層と、熱伝導層を有し、少なくとも熱伝導層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有するが、この裏打ち材には、マイカ基材シート状体の端裂抵抗(側端からの引裂抵抗)が裏打ち材にガラスクロスを用いた場合より大きくなる裏打ち材を用いる。このような裏打ち材としては、有機系材料からなる糸を全部又は一部用いて得られるクロスを用いてもよいが、その有機系材料としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、その他の有機系高分子系材料が挙げられる。有機系材料からなる糸を一部用いる場合には、縦糸、横糸あるいはその両方を用いてもよい。他の繊維としてはガラス繊維等の無機系繊維からなる糸を用いてもよい。ガラスクロスと有機系高分子フィルムを併用してもよい。ポリアミドからなる糸を使用したクロスはガラスクロスより引っ張り強度が大きく、端裂抵抗も大きく、耐熱性があり、大型の発電機のコイル等に用いるるマイカ基材シート状体の裏打ち材として好ましい。また、ポリエステルからなる糸を使用したクロスはある程度伸縮するため、応力に強く、比較的小型のコイル等に用いるマイカ基材シート状体の裏打ち材として好ましい。
概して言えば、本発明で用いる上記のいずれのクロスの場合も、マイカ層を裏打ち材に接着する接着層や熱伝導層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有させた場合には、この構成からなるマイカ基材シート状体の端裂抵抗は裏打ち材のみの端裂抵抗よりは低下するが、裏打ち材にガラスクロスのみを用いた場合に比べて、裏打ち材のみの端裂抵抗が大きい場合は勿論のこと、小さい場合でも、その低下する程度が小さく、結果的にはそのマイカ基材シート状体の端裂抵抗の大きさも大きくすることができる。
【0007】
本発明のマイカ基材シート状体は、熱伝導層には必ず、マイカを含有するマイカ層と裏打ち材とを接合する接着層には選択的に、マイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有させるが、このようにすると接着剤に無機質粉末をロールミル等のミリング手段により細かく、しかも均一に含有させることができ、その塗布層も任意の均一な厚さに形成できるので、その熱伝導層や接着層は組成が均一になり、厚さも均一で熱伝導性も均一にすることができる。このように熱伝導性が均一な熱伝導層、接着層が介在すると、この層を通って放熱がこの層の各部分において比較的均一に行われ、全体の放熱を促進することができる。
上記マイカより熱伝導性の良い無機質粉末とは、マイカの熱伝導率約0.6W/m・Kよりも大きければ良く、その充填性から粒状のものが好ましい。具体的には、例えば窒化ホウ素(熱伝導率約84W/m・K、以下括弧内熱伝導率)、アルミナ(酸化アルミニウム)(約33W/m・K)、酸化マグネシウム(約38W/m・K)、酸化ベリリウム(約377W/m・K)、炭化ケイ素(約42W/m・K)等の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
この無機質粉末の粒径及びその配合量としては、接着剤に混合でき、その混合物がロールコータ等の塗布手段により塗布でき、しかも接着層の場合には接着剤の機能を損なわないものであれば良いが、粒径としては例えば0.1μm〜50μmの範囲のものが例示できる。その配合量としては、マイカ基材シート状体の種類により異なり、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が5〜15重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が25〜55重量%である、いわゆるドライマイカテープの場合には、接着層全体に占める割合は0〜70重量%、熱伝導層全体に占める割合は75〜95重量%が好ましく、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が25〜50重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が20〜50重量%である、いわゆるプリプレグマイカテープの場合には、接着層全体に占める割合は0〜40重量%、熱伝導層全体に占める割合は65〜85重量%が好ましい。
熱伝導層における配合量がこれより少ないと熱伝導性があまり向上せず、接着層における配合量がこれより多いと接着剤としての効果が十分でないことがある。
上記接着層、熱伝導層に使用できる接着剤としては、例えばエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性接着剤が好ましく、熱風、赤外線照射等により熱硬化されることが好ましい。
【0008】
本発明に用いるマイカを含有するマイカ層は、マイカとしては天然の軟質、硬質、はがしマイカのいずれも使用でき、合成マイカも使用でき、さらには集成マイカも使用でき、これらは単独又は複数使用でき、マイカのみあるいは他の後述の材料、さらにはポリエチレンオキサイドなどの分散剤の少なくとも1種とともに水中に分散させ、その分散液を長網式抄紙機等により抄造し、シート状に形成することが好ましい。なお、集成マイカは、合成マイカや天然マイカを集成したもので、天然マイカについては硬質あるいは軟質マイカを叩解し、微細なりん片(例えば厚さ約0.1〜10μm、大きさ0.005〜5mm2 )を集成したもので、そのなかでも焼成集成マイカを用いることが好ましい。この焼成集成マイカのマイカは、焼成処理した硬質マイカを酸及びアルカリで処理した後、叩解し、微細りん片としたもので、焼成処理によりマイカは結晶水の一部を放出し、結晶面にしわを生じ、へき開層間を拡大し、このため沈降速度が遅く、後述の合成繊維フィブリッドとのからみ合いが生じ易く、これによりシートとしたとき、地合の均一な強度の優れたものにすることができる。
このマイカ層には、上記マイカより熱伝導性の良い無機質粉末を混合させることが好ましく、その配合量としては上記マイカ100重量部に対して5ないし50重量部が好ましく、これより少ないと、熱伝導性がマイカ単独の場合に比べて向上する効果が少なく、これより多いとシート状にしたときその機械的強度を低下させる傾向がある。また、この無機質粉末の粒径としては、5μm以上50μm以下が好ましく、これより小さいと抄造の際、抄き網から抜け落ちて歩留まりが悪くなる傾向があり、また、大き過ぎるとマイカ層をシート状に形成した際強度を低下させる原因になることがある。
また、マイカ層には合成繊維フィブリッドを混合することが、抄いたときにこれによりマイカ、上記無機質粉末を包むようにして自らを絡ませることができ、機械的強度を向上できる点で好ましいが、これが多すぎるとマイカ層の熱伝導率を低下させるので、マイカ層を抄造により形成したときシート状に維持でき、裏打ち材と接着剤により接合できるものであればよく、その配合量はマイカ100重量部に対して5〜50重量部が好ましい。
【0009】
上記裏打ち材と上記マイカ層は上記接着層により接合され、熱伝導層が形成されることによりマイカ基材シート状体が得られるが、そのままテープ状に裁断し、上述したドライマイカテープの場合には、そのテープをコイルの絶縁部に巻回し、空気を抜く真空処理をした後、その巻回層に樹脂を含浸させ、小型コイルの場合には熱風硬化させ、大型コイルの場合には加熱・加圧硬化させて絶縁層を形成することができる。その含浸用樹脂としては、例えばエポキシ−酸無水物系樹脂、ボリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が用いられる。これらの樹脂の熱伝導率は空気よりは良く、一般にマイカよりは悪いが、裏打ち材とマイカ層を接合する接着層や熱伝導層の少なくとも熱伝導層にはマイカより熱伝導率の良い無機質粉末が含まれているので、熱伝導率が良くかつその熱伝導性が均一であることによりコイルの動作で発生した熱を外部に放熱する伝熱を促進し、放熱を促進することができる。
このように、マイカ基材シート状体は樹脂を含浸させずに供給することもできるが、上述したプリプレグマイカテープの場合には、接着層及び熱伝導層の樹脂を半硬化状態にしておくこともでき、その場合にはコイルの絶縁部に巻回させた後、樹脂を含浸することなく、加熱・加圧硬化したり、上記と同様に真空処理をした後に加熱・加圧硬化することによりその樹脂を硬化させ、絶縁層を形成することができる。
【0010】
ドライマイカテープの場合には、その含浸樹脂に上記マイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有させることもでき、その際にはその無機質粉末の粒径は0.1μm〜15μmであることがその混合物を含浸させる流通抵抗を小さくする点、絶縁破壊電圧を大きくできる点で好ましく、その樹脂との混合割合は両者の固形分合計に対して5〜50重量%であることが好ましく、これより少ないと熱伝導性の向上効果が少なく、これより多いと含浸樹脂液の粘度が増し含浸性を悪くする傾向がある。
【0011】
マイカ基材シート状体に樹脂を半硬化状態で含浸させた場合、あるいはコイルに巻いたマイカ基材シート状体にその含浸を行なう場合のいずれも、熱伝導層に必ず、接着層には選択的に、マイカより熱伝導率の良い無機質粉末を含有させるが、その厚さはその無機質粉末をマイカ層、含浸樹脂に含有させない場合は厚く、含有させる場合は薄くすることが好ましい。
【0012】
このようにして本発明のマイカ基材シート状体、これを用いた絶縁コイルが得られるが、熱伝導層、接着層にマイカより熱伝導率の良い無機質粉末を含有させることにより、▲1▼ その無機質粉末の粒径を広くとることができ、それだけ粒径を選別する手間が省け、▲2▼ その接着剤との混合手段も簡単に行なうことができ、▲3▼ 熱伝導層、接着層は例えばマイカ層の隙間に樹脂を含浸させる場合のように隙間に樹脂を浸透させる必要がないから組成及び厚さを均一にでき、その塗布作業も容易であり、▲4▼ 熱伝導率を良くすることにより放熱を促進できるという効果を有し、さらにマイカ層やその含浸樹脂にマイカより熱伝導率の良い無機質粉末を含有させることにより、その放熱効果を高めることができ、最近の小型化、高性能化の電気機器の特に高電圧用コイル用絶縁材料としての要求を満たすことができる。このように電気機器の絶縁特性を高性能に維持できると、その電気機器の動作特性を損なわないようにできる。このことから、上記発明において、「マイカ基材シート状体」を「コイル用マイカ基材絶縁シート状体」とすることもでき、さらに「コイル」を「小型コイル」、「小型化・高性能化コイル」とすることもできる。また、これら発明において、これら及び絶縁コイル(小型絶縁コイル又は小型化・高性能化絶縁コイル)の製造方法とし、これらに準用できる。
また、本発明のマイカ基材シート状体は耐熱電気絶縁放熱スペーサーとして、例えばパワートランジスタ放熱用絶縁板などにおいて放熱性を向上した材料としても使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。
裏打ち材として縦糸のみにポリアミドからなる糸又はポリエステルからなる糸を用い、横糸にガラス繊維からなる糸を用いた厚さ0.03mm〜0.08mmの混紡クロスを使用し、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が7〜9重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が35〜45量%であり、該熱伝導層は80〜90重量%のアルミナを含むドライマイカテープと、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が30〜40重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が30〜40重量%であり、該熱伝導層は70〜80重量%のアルミナを含むプリプレグマイカテープを作成する。
その際、マイカ層は下記3種類のそれぞれの集成マイカ基材箔を使用し、熱伝導層と接着層にはエポキシ−アミン系の熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を使用し、その接着剤に混ぜて使用するアルミナ粉末は粒径約0.1μm〜30μmを使用し、接着層はマイカ層と裏打ち材を重ねて裏打ち材を下側にして裏打ち材側からロールコータで塗布して形成し、熱伝導層はその後塗布して形成する。この場合、熱伝導層は接着層に融合するが、アルミナ粉末がその融合とともに接着層にも移行し、含有されることになる場合も、本発明において、接着層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有する場合に含める。
集成マイカ基材箔の種類としては、マイカを含有するマイカ層として焼成集成マイカのみ、あるいは焼成集成マイカ100重量部に対して芳香族ポリアミドフィブリット(濾水度60°SR)10〜30重量部、あるいはさらに焼成集成マイカ100重量部に対してアルミナ(粒径約20μm〜40μm)20〜40重量部を水中に分散し、その分散液を長網式抄紙機にて抄造し、厚さ0.08〜0.16mmのそれぞれに対応する3種類の集成マイカ基材箔を作製した。
このようにして、3種類のドライマイカテープと、3種類のプリプレグマイカテープを作製し、コイル導体上に半掛け3回巻き(幅の半分を重ねながら巻く巻き方)した後、前者の3種類のドライマイカテープについては、真空度約1mmHg、温度約90℃で乾燥し水分などの揮発成分を除いた後、エポキシ−酸無水物系熱硬化性樹脂を主成分とする含浸用樹脂組成物を真空含浸させ、100℃より180℃まで段階的に昇温させて樹脂を完全硬化させ、後者の3種類については100℃より180℃まで段階的に昇温させ樹脂を完全硬化させ、それぞれの絶縁コイルを作製した。
このようにすると、いずれのドライマイカテープ、プリプレグマイカテープとも、有機系材料からなる糸を縦糸に使用している混紡クロスを用いているので、端裂抵抗が大きく、巻回作業時にテープが切れることがなく、また、絶縁コイルは接着層を媒介してコイル導体に発生した熱が放熱され、接着層は組成が均一、厚さが均一であるのでその放熱の効率が良く、その促進をすることができる。
【0014 】
【実施例】
次に本発明の実施例を説明する。
実施例1
裏打ち材に縦糸にケブラー( デュポン社製のポリアミドからなる糸(195デニール))を40本/インチ、横糸にガラス繊維からなる糸(D450 1/0)を30本/インチの割合で混紡したポリアミド・ガラス混紡クロス(37g/m2 、厚さ0.067mm、ユニチカ社製)を使用する。
焼成集成マイカ100部を水中に分散し、その分散液を長網式抄紙機にて抄造し、厚さ0.08mmのマイカ層としての集成マイカ基材箔を作製した。
この集成マイカ基材箔を上側にして上記ポリアミド・ガラス混紡クロスを重ね、このクロス側からエポキシ−アミン系の熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤(エピコート828(油化シエルエポキシ社製エポキシ樹脂)100重量部とBF3 モノエチルアミン3重量部からなる)をロールコータにより塗布し、乾燥して接着層(マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層(固形分)の割合が8重量%)を形成し、さらに上記接着剤にアルミナAL−43−L(昭和電工社製の酸化アルミニウム(平均粒径1μm))を全固形分中85重量%になるように混合したアルミナ含有接着剤を塗布し、乾燥して熱伝導層(マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が40重量%)を形成した。
このようにして得られたドライマイカテープを導体上に半掛け3回巻きした後、真空度約1mmHg、温度約90℃で乾燥し水分などの揮発成分を除いた後、エポキシ−酸無水物系の熱硬化性樹脂を主成分とする含浸用樹脂組成物(エピコート828(油化シエルエポキシ社製エポキシ樹脂)100重量部とカヤハードMCD(日本化薬株式会社製酸無水物)90重量部を主成分とする含浸用樹脂組成物)を含浸させ、100℃より180℃まで段階的に昇温させて樹脂を完全硬化させ、導体上に絶縁層を形成した絶縁コイルを作製した。
上記ドライマイカテープ(アルミナ含有マイカ基材シート状体)と、接着剤にアルミナを含有させなかった以外は同様にして形成したドライマイカテープ(マイカ基材シート状体)について、端裂抵抗、引っ張り強度を測定した結果を表1に示し、上記ドライマイカテープ(アルミナ含有マイカ基材シート状体)について、含浸性、破壊電圧を測定した結果を表2に示す。また、導体上に形成された絶縁層を切り取り、表面を研磨した後、破壊電圧と熱伝導率を測定した結果を表2に示す。
なお、端裂抵抗、引っ張り強度は、ドライマイカテープを15mm幅に切断してそれぞれの試験において各5個の試験片を作成し、(株)島津製作所製万能試験器AGS−500Aを使用して測定した。試験時の試験片に対する負荷のスピードは端裂抵抗試験の場合、50mm/分、引っ張り強度試験の場合、200mm/分とした。
また、破壊電圧はJIS C2116の方法、熱伝導率は定常状態における低沸点液体の蒸発量から通過熱量を求める方法(柴山科学器械製作所製熱伝導率測定装置)により求めた。また、含浸性は官能テストにより100×100mmの大きさの試験片の上にヒマシ油60部、トルエン40部からなる混合液を0.02ml滴下し、液が浸透拡散する状態を観察し、3段階評価を行い、不良、良好、優良とした。
【0014】
実施例2
実施例1において、焼成集成マイカ100部の代わりに、焼成集成マイカ100重量部、芳香族ポリアミドフィブリット(濾水度60°SR)20重量部を用いた以外は同様にしてドライマイカテープ、絶縁コイルを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表1、2に示す。
【0015】
実施例3
実施例1において、焼成集成マイカ100部の代わりに、焼成集成マイカ100重量部、芳香族ポリアミドフィブリット(濾水度60°SR)20重量部及び実施例1で使用したと同類のアルミナ(平均粒径30μm)30重量部を用いた以外は同様にしてドライマイカテープ、絶縁コイルを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表1、2に示す。
【0016】
実施例4〜6
実施例1〜3において、マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層(固形分)の割合を35重量%にし、アルミナAL−43−L(昭和電工社製の酸化アルミニウム(平均粒径1μm))を全固形分中75重量%になるように混合したアルミナ含有接着剤を用いて熱伝導層を形成し、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合を35重量%としたこと以外は同様にして、実施例4〜6(実施例1〜3に順次対応)のプリプレグマイカテープを作製し、実施例1と同様に導体に巻回し、100℃より180℃まで段階的に昇温させて樹脂を完全硬化させ、導体上に絶縁層を形成した絶縁コイルを作製した。
得られたプリプレグマイカテープ(アルミナ含有マイカ基材シート状体)と、接着剤にアルミナを含有させなかった以外は同様にして形成したプリプレグマイカテープ(マイカ基材シート状体)、絶縁コイルについて実施例1と同様に試験した結果を表1、2に示す。
【0017】
実施例7〜12
上記実施例1〜6のそれぞれにおいて、裏打ち材として(株)有沢製作所製TG0.07(縦糸テトロン(ポリエステルの糸の商品名)53本/インチ(50デニール)、横糸ガラス繊維の糸48本/インチ(D450 1/0)、重量:35g/m2 、厚さ:0.073mmのポリエステル・ガラス混紡)を使用したこと以外は同様にしてドライマイカテープ、プリプレグマイカテープ、絶縁コイルを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表3、4に示す。
【0018】
比較例1〜3
実施例1〜3において、裏打ち材に(株)有沢製作所製ガラスクロスM0.04(縦60本/インチ(D450 1/0)、横34本/インチ(D900 1/0)の厚さ0.046mmのガラスクロス)を用いたこと以外は同様にしてそれぞれ比較例1〜3のドライマイカテープ、絶縁コイルを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表1〜4に示す。
【0019】
比較例4〜6
実施例4〜6において、裏打ち材に比較例1〜3で使用のガラスクロスを用いたこと以外は同様にしてそれぞれ比較例4〜6のプリプレグマイカテープ、絶縁コイルを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表1〜4に示す。
なお、表3、4には比較例7〜12が示されているが、比較例7は比較例1と同じであるように、比較例7〜12は順次比較例1〜6に対応するものであり、対応するもの同士は同じものであり、便宜的に比較例7〜12としたものである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
これら表の結果から、接着剤にアルミナを含有させたものと含有させないもののドライマイカテープ、プリプレグマイカテープとの比較では、実施例1〜6、比較例1〜6では端裂抵抗の大きな低下が見られるが、これはアルミナを含有した熱伝導層に裏打ち材の糸が固着され、しかも熱伝導層はアルミナの混入により柔軟性が低下したためと考えられる。しかし、実施例1〜6はその低下の程度が平均1/2.30であるのに対し、比較例1〜6は平均1/2.52であり、前者の方がその低下の程度は約9%低いことが分かる。実施例7〜12ではさらにその低下の程度は低く、平均1/1.05であり、比較例1〜6に対しては2倍以上低い。このことから、低下の程度をガラスクロスに対して少なくとも9%良くすることができ、好ましくは2倍以上(少なくとも2倍)良くすることができる、とすることができる。
また、実施例1〜6のドライマイカテープ、プリプレグマイカテープは、比較例1〜6に使用した裏打ち材のガラスクロスの場合より端裂抵抗が大きく、コイルを絶縁する際の巻回作業においてテープが裂ける危険はほとんどないといってよい。
また、実施例7〜12では上述した如く、端裂抵抗の低下はほとんど見られなないが、これは裏打ち材が伸びるため応力にある程度は耐えられるからであると解される。実際はテープ破壊の前にマイカ層が破断するが、裏打ち材にガラスクロスのみを用いた場合のものの実際の巻回作業とほぼ同じ条件下でその作業を行い、得られたものを測定した表4の特性は比較例1〜6と比べてほとんど差がないので、テープの破断の危険性がないだけ巻回作業性は優れているといえる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、熱伝導層を設け、これにマイカより熱伝導率の良い無機質粉末を含有させたマイカ基材シート状体において、裏打ち材にガラスクロスのみを用いた場合よりそのマイカ基材シート状体の端裂抵抗を大きくできる裏打ち材として有機系材料からなる糸を全部又は縦糸に用いて得られるクロスを用いたので、例えばコイル等にマイカ基材シート状体を装着する際の巻回作業時にそのマイカ基材シート状体が切れるようなことを少なくして、その装着の生産性を向上することができる。また、熱伝導性が比較的均一であり、放熱が比較的均一に行われ、さらに接着層やマイカ層にもマイカより熱伝導率の良い無機質粉末を含有させることにより一層熱伝導による放熱が速やかに行われ、特にコイル用絶縁材料に使用した場合蓄熱し難く、特に最近の小型化、高性能化のコイルに適するマイカ基材シート状体を提供することができる。
また、このマイカ基材シート状体のうちドライマイカテープを用いて樹脂を含浸させ、熱硬化させた絶縁コイル、あるいはプリプレグマイカテープを用い熱硬化させた絶縁コイルは、放熱性がよくその動作を損なわないようにでき、特に前者の場合その含浸用樹脂にマイカより熱伝導率の良い無機質粉末を含有させることにより一層その放熱性がよくなり、特に最近の小型化、高性能化の要求に応える絶縁コイルを提供することができる。
また、絶縁材料提供者、含浸用樹脂提供者、これらの使用者において従来の生産工程の大幅な変更をすることなく、生産性を害することがないようにすることができる。
Claims (10)
- 裏打ち材と、マイカを含有するマイカ層とを接着層を介して接合し、少なくとも樹脂とマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有し該裏打ち材側から塗布により形成された上記接着層に融合する熱伝導層を有するマイカ基材シート状体であって、上記裏打ち材に該マイカ基材シート状体の端裂抵抗が上記裏打ち材にガラスクロスのみを用いた場合より大きい裏打ち材として有機系材料からなる糸を全部又は縦糸に用いて得られるクロスを用いるマイカ基材シート状体。
- マイカ層と接着層の内少なくとも接着層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有する請求項1記載のマイカ基材シート状体。
- 有機系材料からなる糸がポリアミドからなる糸又はポリエステルからなる糸である請求項1又は2記載のマイカ基材シート状体。
- 熱伝導層に含有されるマイカより熱伝導性の良い無機質粉末の粒径は0.1μm〜50μmである請求項1ないし3のいずれかに記載のマイカ基材シート状体。
- マイカ層は集成マイカと、この集成マイカ100重量部に対し5〜50重量部の合成繊維フィブリッドと、上記集成マイカ100重量部に対して5〜50重量部の上記集成マイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有し、かつ該マイカ層に含有させる熱伝導性の良い無機質粉末の粒径は5μm〜50μmである請求項1ないし4のいずれかに記載のマイカ基材シート状体。
- マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が5〜15重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が25〜55量%であり、該熱伝導層は75〜95重量%のマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含む請求項1ないし5のいずれかに記載のマイカ基材シート状体。
- マイカ層と裏打ち材と接着層の全体に占める接着層の割合が25〜50重量%であり、マイカ層と裏打ち材と接着層と熱伝導層の全体に占める熱伝導層の割合が20〜50重量%であり、該熱伝導層は65〜85重量%のマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含む請求項1ないし5のいずれかに記載のマイカ基材シート状体。
- コイルの絶縁部に請求項6に記載のマイカ基材シート状体及び含浸樹脂の硬化層により絶縁層を形成した絶縁コイル。
- 含浸樹脂層にマイカより熱伝導性の良い無機質粉末を含有させ、かつ該無機質粉末の粒径を0.1〜15μmとする請求項8記載の絶縁コイル。
- コイルの絶縁部に請求項7に記載のマイカ基材シート状体及びその含有した接着層及び熱伝導層の熱硬化層により絶縁層を形成した絶縁コイル。
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