JP4084213B2 - 電界検出光学装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばウェアラブルコンピュータ(身体につけるコンピュータ)間などのデータ通信のために使用されるトランシーバにおいて送信情報に基づいて生体である電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して電気信号に変換する電界検出光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末の小型化および高性能化によりウェアラブルコンピュータが注目されてきているが、図6はこのようなウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示している。同図に示すように、ウェアラブルコンピュータ1はそれぞれトランシーバ3を介して人間の腕、肩、胴体などに装着されて互いにデータの送受信を行うとともに、更に手足の先端に取り付けられたトランシーバ3a,3bを介して外部に設けられたパソコン(PC)5とケーブルを介して通信を行うようになっている。
【0003】
このようにウェアラブルコンピュータ1はトランシーバ3を介して生体である人間に装着してデータ通信を行うが、このトランシーバ3ではウェアラブルコンピュータ1からの送信データを電界として電界伝達媒体である生体に誘起し、図6において波線で示すように電界として生体の他の部位に伝達し、また生体に誘起され伝達されてくる電界を受信データとしてトランシーバ3で受信してウェアラブルコンピュータ1に送るようになっている。
【0004】
トランシーバ3は、図7に示すように構成され、ウェアラブルコンピュータ1からの送信データを入出力(I/O)回路101を介して受け取ると、この送信データを送信部103を介して送信電極105に供給し、該送信電極105から絶縁膜107を介して電界伝達媒体である生体100に電界を誘起させ、この電界を生体100を介して生体100の他の部位に伝達させる。
【0005】
また、トランシーバ3は、生体100の他の部位に装着された別のトランシーバから生体100に誘起させられて伝達されてくる電界を絶縁膜109を介して受信電極111で受信し、この受信した電界を受信部119の電界検出光学部110に結合して電気信号に変換する。この電気信号は、信号処理回路115で増幅、雑音除去、波形整形などの信号処理を施されてから、入出力回路101を介してウェアラブルコンピュータ1に供給されるようになっている。
【0006】
上記トランシーバ3の電界検出光学部110は、生体100に誘起されて伝達され、絶縁膜109、受信電極111を介して結合される電界を検出し、電気信号に変換して信号処理回路115に出力するように機能するものであるが、詳しくは図8に示すように構成されている。
【0007】
図8に示す電界検出光学部110は、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により電界を検出するものであり、レーザ光源を構成するレーザダイオード21および電気光学結晶からなる電気光学素子23を有する。なお、電気光学素子23は、レーザダイオード21からのレーザ光の進行方向に対して直角方向に結合される電界にのみ感度を有し、この電界強度によって光学特性、すなわち複屈折率が変化し、この複屈折率の変化によりレーザ光の偏光が変化するようになっている。
【0008】
電気光学素子23の図上で上下方向に対向する両側面には第1および第2の電極25,27が光学接着剤などで固定あるいは蒸着により形成されている。なお、この第1および第2の電極25,27は、レーザダイオード21からのレーザ光の電気光学素子23内における進行方向を両側から挟み、レーザ光に対して電界を直角に結合させるようになっている。
【0009】
電界検出光学装置110は、図7に示した受信電極111を構成する信号電極29を有し、この信号電極29は第1の電極25に接続されている。また、第1の電極25に対向する第2の電極27は、グランド電極31に接続され、第1の電極25に対してグランド電極として機能するように構成されている。信号電極29は、生体100に誘起されて伝達されてくる電界を検出すると、この電界を第1の電極25に伝達し、第1の電極25を介して電気光学素子23に結合するようになっている。
【0010】
レーザダイオード21から出力されるレーザ光は、コリメートレンズ33を介して平行光にされ、平行光となったレーザ光は第1の波長板35で偏光状態を調整され、この第1の波長板35に光学接着剤などで取り付けられている電気光学素子23に入射する。電気光学素子23に入射したレーザ光は、電気光学素子23内で第1、第2の電極25,27の間を伝播するが、このレーザ光の伝播中において上述したように信号電極29が生体100に誘起されて伝達されてくる電界を検出し、この電界を第1の電極25を介して電気光学素子23に結合すると、この電界は第1の電極25からグランド電極31に接続されている第2の電極27に向かって形成されて、レーザダイオード21から電気光学素子23に入射したレーザ光の進行方向に直角であるため、電気光学素子23の光学特性である複屈折率が変化し、これによりレーザ光の偏光が変化する。
【0011】
このように電気光学素子23において第1の電極25からの電界によって偏光が変化したレーザ光は、電気光学素子23に光学接着剤などで取り付けられている第2の波長板37で偏光状態を調整され、それから更に第2の波長板37に光学接着剤などで取り付けられている偏光ビームスプリッタ39に入射する。偏光ビームスプリッタ39は、検光子を構成するものであり、偏光子またはポラライザとも称するが、第2の波長板37から入射されたレーザ光をP波およびS波に分離して、光の強度変化に変換する。この偏光ビームスプリッタ39でP波成分およびS波成分に分離されたレーザ光は、それぞれ第1、第2の集光レンズ41a,41bで集光されてから、光電気変換手段を構成する第1、第2のフォトダイオード43a,43bで受光され、第1、第2のフォトダイオード43a,43bにおいてP波光信号とS波光信号をそれぞれの電気信号に変換して出力するようになっている。
【0012】
上述したように第1、第2のフォトダイオード43a,43bから出力される電気信号は、図7に示す信号処理回路115で増幅、雑音除去、波形整形などの信号処理を施されてから、入出力回路101を介してウェアラブルコンピュータ1に供給されることになる。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−352298号公報
【0014】
【特許文献2】
特開2001−298425号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように構成されるトランシーバは実際に動作すると、発熱し、この熱が電界検出光学装置を構成する光学素子に伝達し、その光学的特性を変化させ、場合によっては検出信号強度を低減し、エラーが多くなり、最悪の場合には通信ができなくなるという問題がある。
【0016】
更に詳しくは、電界検出光学装置を構成する第1の波長板35、電気光学素子23、第2の波長板37、偏光ビームスプリッタ39などの光学素子の間および電気光学素子23と第1、第2の電極25,27の間は、上述したように、光学接着剤を使用して互いに接続されているが、この接着剤や電極の熱膨張係数が電気光学素子の膨張係数と異なるため、発熱により電気光学素子に歪みが加わり、電気光学素子の光学的特性が変化するために、上述したように信号強度が低減し、エラーが多くなり、最悪の場合には通信ができなくなるという問題がある。
【0017】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、発熱による歪みの電気光学素子への影響を低減し、通信品質の劣化を防止した電界検出光学装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して電気信号に変換する電界検出光学装置であって、単一波長の光を発生する光源と、この光源からの光を平行光にするコリメートレンズと、該コリメートレンズからの平行光の偏光状態を調整する第1の波長板と、該第1の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第1の波長板からの平行光を入射され、かつ結合される電界に感応して光学特性が変化する電気光学素子と、該電気光学素子に対して間隙をあけて設けられ、電気光学素子を通過した平行光の偏光状態を調整する第2の波長板と、前記電気光学素子内を進行する平行光を挟むように位置する該電気光学素子の対向する両側面に設けられ、電界伝達媒体に誘起された電界を電気光学素子に結合させる第1および第2の電極と、前記第2の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第2の波長板からの平行光をP波とS波に分離し、かつ光の強度変化に変換する検光子と、該検光子で分離されたP波およびS波を電気信号に変換する光電気変換手段とを有し、前記第1および第2の電極は、それぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して直角方向に小さく分割された複数の電極で構成されることを要旨とする。
【0019】
請求項1記載の本発明にあっては、電気光学素子と第1の波長板との間、電気光学素子と第2の波長板の間、および第2の波長板と検光子との間に間隙が設けられ、これらの各光学素子は光学接着剤などを用いて結合されてなく、独立して配設されているため、発熱により他の部材が歪んだとしても、この歪みは光学素子、特に電気光学素子に伝わることがなく、従って光学素子はその光学特性が変化することなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
また、第1および第2の電極がそれぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して直角方向に小さく分割された複数の電極で構成されるため、発熱により複数の第1および第2の電極が歪んだとしても、これらの電極の各々は小さく分割されていて、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子に伝わる歪みが低減し、従って電気光学素子はその光学特性がほとんど変化することがなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0024】
請求項2記載の本発明は、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して電気信号に変換する電界検出光学装置であって、単一波長の光を発生する光源と、この光源からの光を平行光にするコリメートレンズと、該コリメートレンズからの平行光の偏光状態を調整する第1の波長板と、該第1の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第1の波長板からの平行光を入射され、かつ結合される電界に感応して光学特性が変化する電気光学素子と、該電気光学素子に対して間隙をあけて設けられ、電気光学素子を通過した平行光の偏光状態を調整する第2の波長板と、前記電気光学素子内を進行する平行光を挟むように位置する該電気光学素子の対向する両側面に設けられ、電界伝達媒体に誘起された電界を電気光学素子に結合させる第1および第2の電極と、前記第2の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第2の波長板からの平行光をP波とS波に分離し、かつ光の強度変化に変換する検光子と、該検光子で分離されたP波およびS波を電気信号に変換する光電気変換手段とを有し、前記第1および第2の電極は、それぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して平行であって、平行光が通過する部分に近接するように集中し幅を狭められて配設された複数の細長い電極で構成されることを要旨とする。
【0025】
請求項2記載の本発明にあっては、第1および第2の電極がそれぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して平行であって、平行光が通過する部分に近接するように集中し幅を狭められて配設された複数の細長い電極で構成されるため、発熱により複数の第1および第2の電極が歪んだとしても、第1、第2の電極はレーザ光の通過部分に集中し幅を狭められて細長く複数形成されていて、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子に伝わる歪みが低減し、従って電気光学素子はその光学特性がほとんど変化することがなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
また、電気光学素子と第1の波長板との間、電気光学素子と第2の波長板の間、および第2の波長板と検光子との間に間隙が設けられ、これらの各光学素子は光学接着剤などを用いて結合されてなく、独立して配設されているため、発熱により他の部材が歪んだとしても、この歪みは光学素子、特に電気光学素子に伝わることがなく、従って光学素子はその光学特性が変化することなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0026】
また、請求項3記載の本発明は、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して電気信号に変換する電界検出光学装置であって、単一波長の光を発生する光源と、この光源からの光を平行光にするコリメートレンズと、該コリメートレンズからの平行光の偏光状態を調整する第1の波長板と、該第1の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第1の波長板からの平行光を入射され、かつ結合される電界に感応して光学特性が変化する電気光学素子と、該電気光学素子に対して間隙をあけて設けられ、電気光学素子を通過した平行光の偏光状態を調整する第2の波長板と、前記電気光学素子内を進行する平行光を挟むように位置する該電気光学素子の対向する両側面に設けられ、電界伝達媒体に誘起された電界を電気光学素子に結合させる第1および第2の電極と、前記第2の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第2の波長板からの平行光をP波とS波に分離し、かつ光の強度変化に変換する検光子と、該検光子で分離されたP波およびS波を電気信号に変換する光電気変換手段とを有し、前記第1および第2の電極は、それぞれ電気光学素子内を進行する平行光が通過する部分に近接するように集中して配設された複数の小片電極で構成されることを要旨とする。
【0027】
請求項3記載の本発明にあっては、第1および第2の電極がそれぞれ電気光学素子内を進行する平行光が通過する部分に近接するように集中して配設された複数の小片電極で構成されるため、発熱により複数の第1および第2の小片電極が歪んだとしても、各小片電極は平行光の通過部分に集中するとともに小片に分割されて複数形成されていて、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子に伝わる歪みが低減し、従って電気光学素子はその光学特性がほとんど変化することがなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
また、電気光学素子と第1の波長板との間、電気光学素子と第2の波長板の間、および第2の波長板と検光子との間に間隙が設けられ、これらの各光学素子は光学接着剤などを用いて結合されてなく、独立して配設されているため、発熱により他の部材が歪んだとしても、この歪みは光学素子、特に電気光学素子に伝わることがなく、従って光学素子はその光学特性が変化することなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電界検出光学装置の構成を示す図である。
【0029】
同図に示す電界検出光学装置は、図8で説明した従来の電界検出光学装置において第1の波長板35と電気光学素子23との間、電気光学素子23と第2の波長板37との間、および第2の波長板37と偏光ビームスプリッタ39との間を離して間隙を設けるように構成した点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号が付与されている。
【0030】
すなわち、本実施形態の電界検出光学装置では、第1の波長板35と電気光学素子23との間、電気光学素子23と第2の波長板37との間、および第2の波長板37と偏光ビームスプリッタ39との間がそれぞれ離されて、間隙51,53,55がそれぞれ形成されている。従来は、これらの間は上述したように光学接着剤などを用いて直接結合されていたものであるが、本実施形態では光学接着剤などを用いて直接結合せずに、これらの各光学素子の間に間隙51,53,55をあけて、各光学素子を配設するようにしている。
【0031】
このように光学接着剤などを用いずに間隙をあけて配設した結果、電界検出光学装置および該装置を実装したトランシーバなどの装置内での発熱により光学接着剤や他の部材などが歪んだとしても、この歪みは光学素子、特に電気光学素子23に伝わることがないため、光学素子はその光学特性が変化することがない。従って、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0032】
次に、図2を参照して、本発明の他の実施形態に係る電界検出光学装置について説明する。
【0033】
同図に示す電界検出光学装置は、図8で説明した従来の電界検出光学装置において第1および第2の電極25,27がそれぞれ複数の第1の電極25a,25b,25c,25d,25eと複数の第2の電極27a,27b,27c,27d,27eに小さく分割されて構成されている点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号が付与されている。
【0034】
すなわち、本実施形態の電界検出光学装置では、第1および第2の電極がそれぞれ電気光学素子23内を進行するレーザ光の進行方向に対して直角方向に小さく分割された複数の第1の電極25a,25b,25c,25d,25eと複数の第2の電極27a,27b,27c,27d,27eで構成されている。このように電極を分割して構成することにより、電界検出光学装置および該装置を実装したトランシーバなどの装置内での発熱により複数の第1の電極25a,25b,25c,25d,25eおよび複数の第2の電極27a,27b,27c,27d,27eが歪んだとしても、これらの電極の各々は小さく分割されているものであるため、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子23に伝わる歪みが低減し、電気光学素子23はその光学特性がほとんど変化することがない。従って、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0035】
次に、図3を参照して、本発明の別の実施形態に係る電界検出光学装置について説明する。
【0036】
同図に示す電界検出光学装置は、図8で説明した従来の電界検出光学装置において第1および第2の電極25,27がそれぞれ電気光学素子23内でレーザ光が通過する部分に限定して配設された幅の狭められた第1および第2の電極25g,27gで構成されている点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号が付与されている。
【0037】
すなわち、本実施形態の電界検出光学装置の第1および第2の電極25g,27gは、それぞれ電気光学素子23内を進行するレーザ光の進行方向に対して平行であって、レーザ光が通過する部分に近接するように限定され、幅を狭められて細長く構成されている。このように電極を構成することにより、電界検出光学装置および該装置を実装したトランシーバなどの装置内での発熱により第1および第2の電極25g,27gが歪んだとしても、第1、第2の電極はレーザ光の通過部分に限定し幅を狭められて細長く形成されているものであるため、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子23に伝わる歪みが低減し、電気光学素子23はその光学特性がほとんど変化することがない。従って、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0038】
次に、図4を参照して、本発明の更に他の実施形態に係る電界検出光学装置について説明する。
【0039】
同図に示す電界検出光学装置は、図8で説明した従来の電界検出光学装置において第1および第2の電極25,27がそれぞれ電気光学素子23内でレーザ光が通過する部分に集中し幅を狭められて配設された複数の細長い第1および第2の電極25h,27hで構成されている点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号が付与されている。
【0040】
すなわち、本実施形態の電界検出光学装置の第1、第2の電極は、それぞれ電気光学素子23内を進行するレーザ光の進行方向に対して平行であって、レーザ光が通過する部分に近接するように集中し幅を狭められて配設された複数の細長い第1および第2の電極25h,27hで構成されている。このように電極を構成することにより、電界検出光学装置および該装置を実装したトランシーバなどの装置内での発熱により複数の第1および第2の電極25h,27hが歪んだとしても、第1、第2の電極はレーザ光の通過部分に集中し幅を狭められて細長く複数形成されているものであるため、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子23に伝わる歪みが低減し、電気光学素子23はその光学特性がほとんど変化することがない。従って、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0041】
次に、図5を参照して、本発明の更に別の実施形態に係る電界検出光学装置について説明する。
【0042】
同図に示す電界検出光学装置は、図8で説明した従来の電界検出光学装置において第1および第2の電極25,27がそれぞれ第1および第2の電極は、それぞれ電気光学素子23内でレーザ光が通過する部分に集中して配設された複数の小片電極で構成されている点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号が付与されている。
【0043】
すなわち、本実施形態の電界検出光学装置の第1、第2の電極は、それぞれ電気光学素子23内でレーザ光が通過する部分に近接するように集中して配設された複数の第1および第2の小片電極25j,27jで構成されている。このように電極を構成することにより、電界検出光学装置および該装置を実装したトランシーバなどの装置内での発熱により複数の第1および第2の小片電極25j,27jが歪んだとしても、各小片電極はレーザ光の通過部分に集中するとともに、小片に分割されているものであるため、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子23に伝わる歪みが低減し、電気光学素子23はその光学特性がほとんど変化することがない。従って、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0044】
なお、本実施形態において、複数の第1および第2の小片電極25j,27jから図1で説明したように信号電極29およびグランド電極31にそれぞれ接続するために、各小片電極からそれぞれリード線を介して接続すると、リード線の数が多くなってしまうので、複数の第1および第2の小片電極において複数の小片電極をメッシュ化したパターンで接続し、このパターンから代表して1本のリード線を信号電極およびグランド電極に接続するように構成することによりリード線の数を低減することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電気光学素子と第1の波長板との間、電気光学素子と第2の波長板の間、および第2の波長板と検光子との間に間隙が設けられ、これらの各光学素子は光学接着剤などを用いて結合されてなく、独立して配設されているので、発熱により他の部材が歪んだとしても、この歪みは光学素子、特に電気光学素子に伝わることがなく、従って光学素子はその光学特性が変化することなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0046】
また、本発明によれば、第1および第2の電極がそれぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して直角方向に小さく分割された複数の電極で構成されるので、発熱により複数の第1および第2の電極が歪んだとしても、これらの電極の各々は小さく分割されていて、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子に伝わる歪みが低減し、従って電気光学素子はその光学特性がほとんど変化することがなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0047】
更に、本発明によれば、第1および第2の電極がそれぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して平行であって、平行光が通過する部分に近接するように限定され幅を狭められて配設された細長い電極で構成されるので、発熱により複数の第1および第2の電極が歪んだとしても、これらの電極は平行光の通過部分に限定し幅を狭められて細長く形成されていて、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子に伝わる歪みが低減し、従って電気光学素子はその光学特性がほとんど変化することがなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0048】
本発明によれば、第1および第2の電極がそれぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して平行であって、平行光が通過する部分に近接するように集中し幅を狭められて配設された複数の細長い電極で構成されるので、発熱により複数の第1および第2の電極が歪んだとしても、第1、第2の電極はレーザ光の通過部分に集中し幅を狭められて細長く複数形成されていて、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子に伝わる歪みが低減し、従って電気光学素子はその光学特性がほとんど変化することがなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【0049】
また、本発明によれば、第1および第2の電極はそれぞれ電気光学素子内を進行する平行光が通過する部分に近接するように集中して配設された複数の小片電極で構成されるので、発熱により複数の第1および第2の小片電極が歪んだとしても、各小片電極は平行光の通過部分に集中するとともに小片に分割されて複数形成されていて、各電極の歪みを小さくでき、電気光学素子に伝わる歪みが低減し、従って電気光学素子はその光学特性がほとんど変化することがなく、従来のように熱により検出信号強度が低減し、エラーが多くなり、通信ができなくなるというような通信品質の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電界検出光学装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る電界検出光学装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係る電界検出光学装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態に係る電界検出光学装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の更に別の実施形態に係る電界検出光学装置の構成を示す図である。
【図6】トランシーバを介してウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示す説明図である。
【図7】ウェアラブルコンピュータを生体に取り付けるためのトランシーバであって、本発明の電界検出光学装置が適用されるトランシーバの回路構成を示すブロック図である。
【図8】従来の電界検出光学装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
21 レーザダイオード
23 電気光学素子
25,25a−25e,25g,25h,25j 第1の電極
27,27a−27e,27g,27h,27j 第2の電極
29 信号電極
31 グランド電極
33 コリメートレンズ
35 第1の波長板
37 第2の波長板
39 偏光ビームスプリッタ
51,53,55 間隙
100 生体(電界伝達媒体)
Claims (3)
- 電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して電気信号に変換する電界検出光学装置であって、
単一波長の光を発生する光源と、
この光源からの光を平行光にするコリメートレンズと、
該コリメートレンズからの平行光の偏光状態を調整する第1の波長板と、
該第1の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第1の波長板からの平行光を入射され、かつ結合される電界に感応して光学特性が変化する電気光学素子と、
該電気光学素子に対して間隙をあけて設けられ、電気光学素子を通過した平行光の偏光状態を調整する第2の波長板と、
前記電気光学素子内を進行する平行光を挟むように位置する該電気光学素子の対向する両側面に設けられ、電界伝達媒体に誘起された電界を電気光学素子に結合させる第1および第2の電極と、
前記第2の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第2の波長板からの平行光をP波とS波に分離し、かつ光の強度変化に変換する検光子と、
該検光子で分離されたP波およびS波を電気信号に変換する光電気変換手段とを有し、
前記第1および第2の電極は、それぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して直角方向に小さく分割された複数の電極で構成されること
を特徴とする電界検出光学装置。 - 電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して電気信号に変換する電界検出光学装置であって、
単一波長の光を発生する光源と、
この光源からの光を平行光にするコリメートレンズと、
該コリメートレンズからの平行光の偏光状態を調整する第1の波長板と、
該第1の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第1の波長板からの平行光を入射され、かつ結合される電界に感応して光学特性が変化する電気光学素子と、
該電気光学素子に対して間隙をあけて設けられ、電気光学素子を通過した平行光の偏光状態を調整する第2の波長板と、
前記電気光学素子内を進行する平行光を挟むように位置する該電気光学素子の対向する両側面に設けられ、電界伝達媒体に誘起された電界を電気光学素子に結合させる第1および第2の電極と、
前記第2の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第2の波長板からの平行光をP波とS波に分離し、かつ光の強度変化に変換する検光子と、
該検光子で分離されたP波およびS波を電気信号に変換する光電気変換手段とを有し、
前記第1および第2の電極は、それぞれ電気光学素子内を進行する平行光の進行方向に対して平行であって、平行光が通過する部分に近接するように集中し幅を狭められて配設された複数の細長い電極で構成されること
を特徴とする電界検出光学装置。 - 電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して電気信号に変換する電界検出光学装置であって、
単一波長の光を発生する光源と、
この光源からの光を平行光にするコリメートレンズと、
該コリメートレンズからの平行光の偏光状態を調整する第1の波長板と、
該第1の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第1の波長板からの平行光を入射され、かつ結合される電界に感応して光学特性が変化する電気光学素子と、
該電気光学素子に対して間隙をあけて設けられ、電気光学素子を通過した平行光の偏光状態を調整する第2の波長板と、
前記電気光学素子内を進行する平行光を挟むように位置する該電気光学素子の対向する両側面に設けられ、電界伝達媒体に誘起された電界を電気光学素子に結合させる第1および第2の電極と、
前記第2の波長板に対して間隙をあけて設けられ、第2の波長板からの平行光をP波とS波に分離し、かつ光の強度変化に変換する検光子と、
該検光子で分離されたP波およびS波を電気信号に変換する光電気変換手段とを有し、
前記第1および第2の電極は、それぞれ電気光学素子内を進行する平行光が通過する部分に近接するように集中して配設された複数の小片電極で構成されること
を特徴とする電界検出光学装置。
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