JP4084081B2 - ヤトイ、レンズ保持方法およびこの保持方法を用いた眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

ヤトイ、レンズ保持方法およびこの保持方法を用いた眼鏡レンズの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡レンズ等の光学レンズを保持するレンズ保持具に関し、特にプラスチック眼鏡レンズを研磨する研磨装置に用いて好適ヤトイ、レンズ保持方法およびこの保持方法を用いた眼鏡レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学レンズ、特に眼鏡用プラスチックレンズを仕上げ寸法よりも肉厚の厚いレンズ素材(例えば、セミフィニッシュレンズ)から製造する方法としては、NC(数値)制御の研削機(以下、カーブジェネレータという)によってレンズ素材を所定の面形状に切削することにより、砂かけ代や研磨代を見込んだ仕上げ寸法よりも肉厚の僅かに厚いレンズを製作し、このレンズを研磨装置によって研磨することにより製作している。
【0003】
研磨装置としては、例えば一般に市販されているLOH社製の汎用の研磨装置(TORO−X2SL)がレンズを研磨するために用いられている。この研磨装置は、左右方向に移動自在でかつ前後方向に往復回動自在なアームと、垂直な軸線を中心として首振り旋回運動を行う揺動装置を備えており、この研磨装置を使ってレンズの凹面を研磨する場合は、前記アームにレンズをレンズ保持具を介して取付け、前記揺動装置に研磨治具を取付け、この研磨治具の上面に研磨パッドを配設して前記レンズの凹面に押し付け、この状態で前記アームを前後左右方向に往復運動させるとともに、前記揺動装置を首振り旋回運動させることにより、研磨の軌跡が1周毎に少しずつずれる無軌道研磨軌跡で前記レンズの凹面を、前記研磨パッドと研磨剤とによって研磨するようにしたものである。
【0004】
切削工程や研磨工程において、レンズを保持するレンズ保持具は、ヤトイと低融点合金(以下、アロイともいう)とからなり、例えばLOH社製のレイアウトブロッカーと呼ばれる装置によってレンズをレンズ保持具に取付けている。レンズをレンズ保持具に取付けるには、予めレンズの凸面(加工済み面)に傷防止用の保護フィルムを密着させておく。次に、レイアウトブロッカーの取付台にヤトイを嵌着してその周囲をブロッキングリングで取り囲み、このリングの上に前記保護フィルムが密着されたレンズをその凸面を下にして載置する。これにより、ブロッキングリングは上面側内周縁によってレンズの凸面を支持する。そして、レンズ、ヤトイ、ブロッキングリングおよび取付台によって囲まれた空間に溶融したアロイを流し込んで固化させることにより、レンズをヤトイに固定する。
【0005】
セミフィニッシュレンズ(第1屈折面だけを光学的に仕上げたレンズ)の種類としては、大きさによって分類すると直径が例えば80,75,70,65mmの4種類があり、また同径のものであってもレンズの第1屈折面の屈折力(度数)によって数種類ある。
【0006】
眼鏡レンズの屈折力(度数D:ディオプター)は、近似的に第1屈折面(凸面)の屈折力D1 と第2屈折面(凹面)の屈折力D2 との和(D=D1 +D2 )で表される。第1屈折面および第2屈折面の屈折力(面屈折力)は、その面の曲率ρ(単位は1/m、曲率半径R=1/ρ)とレンズの素材の屈折率nとにより、以下の式のように定義される。
面屈折力=(n−1)×ρ=(n−1)/R
なお、第1屈折面の屈折力D1 は特にベースカーブ(以下、BCと略称する)と呼ばれる。
【0007】
従来のレンズ保持具としては、例えばUSP5,421,770号に記載されたものが知られている。このレンズ保持部を図14に示す。同図において、Aはヤトイ、Bはレンズ、Cはアロイである。このヤトイAは、レンズBに対向する面aに凹部Dを有し、この凹部Dの外周には、鋭角に切り立った段差Eが形成されている。また、凹部Dには複数の垂直方向に掘られたくぼみFが設けられている。前記段差EはアロイCに対する抜けを防止する働きをし、前記くぼみFはアロイCに対するヤトイAの回転を防止する働きをすることからヤトイAとアロイCとは強固に結合される。
【0008】
このようなヤトイAとアロイCを用いてレンズBを保持する場合、アロイCの熱やアロイCの固化時における収縮による影響でレンズBが変形することが知られている(特開平7−116950号)。
【0009】
しかしながら、従来はプラスチック眼鏡レンズの材質としては、最も汎用的なプラスチックレンズ材料であるジエチレングリコールビスアリルカーボネート系樹脂(n=1.50)が用いられ、セミフィニッシュレンズの肉厚も厚く設計されているため、アロイでレンズを固化した低融点合金を介してヤトイに固定したときのアロイの熱や収縮の影響は少なかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近ではレンズ素材の高屈折率化とセミフィニッシュレンズの薄形化が進んでいるため、アロイの熱や収縮による影響が大きくなり、レンズ保持具の改良が急務とされてきた。すなわち、レンズ素材として、屈折率1.5のジエチレングリコールビスアリルカーボネート系樹脂の代わりに屈折率1.55〜1.75のウレタン系樹脂やエピチオ系樹脂が用いられ、また、材料コストの低減と、省資源化の要求からセミフィニッシュレンズを薄型化して凹面側の削る量を少なくすると、アロイの熱や収縮による影響が大きくなり、特にマイナスレンズ用のセミフィニッシュレンズの場合、レンズの中心肉厚が薄くなっているため、アロイの熱や収縮による影響を大きく受ける。その上、従来のレンズ保持具はアロイとヤトイの接続強度を強化するための前記したような構造上、中央付近のアロイの量が多くなっているため、アロイの熱や収縮による影響が大きかった。
【0011】
このようなことから上記した特開平7−116950号公報では、ヤトイとレンズとの間の空間に底板を設けることによりアロイの量を少なくして固化時の収縮による変形を防止している。しかし、アロイの使用量を少なくしてもレンズの種類によってアロイの中心部の厚さが異なるため、依然として熱や収縮による影響を解消することができない場合があった。
【0012】
また、従来はアロイによってレンズの中央部分のみを保持しているため、アロイが存在する中央部分と存在しない外側部分とではレンズの強度に差が生じ、このような保持状態で凹面を切削したり研磨すると、凹面でかつ凸面側のアロイが存在する部分と存在しない部分の境部に対応する部分に研磨痕が発生するという問題もあった。
【0013】
そこで、本発明者らはヤトイとブロッキングリングの高さを変えて種々の実験を行なったところ、レンズの大きさ、形状(特にBC)に関係なくアロイの中心厚が略一定になるように、ヤトイとブロッキングリングの高さを設定すると、アロイの熱や収縮による影響を低減でき、レンズ度数の精度、安定性を向上させることができることを見出した。
また、ブロッキングリングの内径をレンズの直径と略等しくし、アロイをレンズの凸面の略全面に固着すると、アロイの存在する部分と存在しない部分との境部に研磨痕が生じなくなり、レンズ全面にわたって歪みのないレンズを製作することができることを見出した。
さらに、ヤトイのレンズと対向する面に形成される穴を開口部が内端より外側となるように傾斜させると、アロイの中央部の肉厚が厚くならず、熱や収縮による影響を軽減できることを見出した。
【0014】
本発明は上記した従来の問題および実験結果に基づいてなされたもので、その目的とするところは、アロイとヤトイの結合強度が大きく、アロイの中央部の肉厚が厚くならず、熱や収縮による影響を軽減できるようにしたヤトイを提供することにある。
また、本発明はレンズを安定かつ確実に保持するレンズ保持方法およびこの保持方法を用いた眼鏡レンズの製造方法を提供することにある。
また、本発明は、レンズの大きさ、形状の違いに拘わらずアロイ中心厚を所定範囲内にすることにより、薄形化されたセミフィニッシュレンズであってもレンズ度数の精度、安定性を向上させるようにしたレンズ保持方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、レンズの凸面が低融点合金を介して固定されるヤトイにおいて、前記ヤトイのレンズ凸面と対向する面に、前記低融点合金の前記ヤトイからの剥離、脱落、回転を防止する穴の方向が異なる複数の穴を有し、この複数の穴は、そこに入り込んで固まった前記低融点合金の収縮による前記レンズの変形を防止するために、開口部が前記ヤトイの外周寄りで内端が前記開口部より前記ヤトイの中心側に位置するように傾斜しているものである。
【0024】
の発明において、傾斜した穴に充填され固化する低融点合金は、低融点合金とヤトイとの結合強度を増大させ、低融点合金の回転、剥離、脱落を防止する。
開口部が内端よりヤトイの中心側に位置する斜めの穴の場合は、穴に充填されている低融点合金の厚さが加えられるため、低融点合金の中心部における厚さが厚くなり、熱や収縮の影響が大きくなる。これに対して、本発明は開口部がヤトイの外周寄りで内端がヤトイの中心側に位置する傾斜した穴であるため、低融点合金の中心部における厚さが厚くならず、熱や収縮の影響を少なくすることができる。
【0028】
第2の発明は、レンズの凸面とヤトイとブロッキングリングとの間の空間に溶融した低融点合金を流し込んで固化させることによって前記レンズを中心厚さが1.90〜3mmの範囲内の固化した低融点合金を介してヤトイに固定するレンズ保持方法において、前記ヤトイは、前記レンズ凸面と対向する面が平坦面であり、設定したい前記固化した低融点合金の中心厚を前記範囲内で所定の範囲に設定し、レンズ凸面と対向させる面の直径が同一で、かつ前記設定した中心厚の所定範囲の上限値と下限値との差以下の間隔で高さが異なるヤトイを含む高さの異なる複数種のヤトイを用意するとともに、同一の直径のレンズに対して一種のブロッキングリングまたは前記設定した中心厚の所定の範囲の上限値と下限値との差より広い間隔で高さが異なる複数種のブロッキングリングを用意し、レンズの直径と凸面のベースカーブに応じて、前記用意したヤトイとブロッキングリングの中から低融点合金の中心厚が前記設定した所定範囲内になるヤトイとブロッキングリングを選択決定し、前記レンズの凸面と前記決定されたヤトイと前記決定されたブロッキングリングとの間の空間に前記低融点合金を流し込んで固化させて前記レンズを前記低融点合金を介してヤトイに固定し、前記複数種のヤトイは、そのヤトイの平坦面に、前記低融点合金の前記ヤトイからの剥離、脱落、回転を防止する穴の方向が異なる複数の穴を有し、この複数の穴は、そこに入り込んで固まった前記低融点合金の収縮による前記レンズの変形を防止するために、開口部が前記ヤトイの外周寄りで内端が前記開口部より前記ヤトイの中心側に位置するように傾斜しているものである。
【0029】
第2の発明においては、固化した低融点合金の中心厚が所定の範囲内になるように、予め直径とベースカーブの異なるレンズの種類に応じて選択されるヤトイとブロッキングリングを決定する工程を備えているので、レンズを安定した状態で保持することができる。また、傾斜した穴に充填され固化する低融点合金は、低融点合金とヤトイとの結合強度を増大させ、低融点合金の回転、剥離、脱落を防止する。
開口部が内端よりヤトイの中心側に位置する斜めの穴の場合は、穴に充填されている低融点合金の厚さが加えられるため、低融点合金の中心部における厚さが厚くなり、熱や収縮の影響が大きくなる。これに対して、本発明は開口部がヤトイの外周寄りで内端がヤトイの中心側に位置する傾斜した穴であるため、低融点合金の中心部における厚さが厚くならず、熱や収縮の影響を少なくすることができる。
【0033】
の発明に係る眼鏡レンズの製造方法は、第2の発明によるレンズ保持方法により眼鏡レンズを保持した状態で、この眼鏡レンズの保持された側とは反対側の面を切削または研磨する工程を含むものである。
【0034】
の発明においては、レンズを第2の発明によるレンズ保持方法によって保持しているので、レンズの保持側とは反対側の面を良好かつ確実に切削または研磨することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るヤトイを用いた研磨装置の概略構成図、図2はレンズにレンズ保持体を取付けた状態を示す断面図、図3はレイアウトブロッカーでレンズにレンズ保持体を取付けるときの状態を示す断面図、図4(a)、(b)、(c)はヤトイの平面図、断面図および底面図、図5(a)、(b)はブロッキングリングの平面図およびA−A線断面図である。図6(a)〜(d)はレンズ、ブロッキングリングおよびヤトイの種類と、レンズ中央とヤトイとの隙間の関係を示す図、図7は研磨治具の平面図、図8は図7のVIII−VIII線断面図、図9はバルブの断面図、図10は研磨パッドの平面図、図11は研磨パッドの締付部材の斜視図、図12(a)、(b)はそれぞれ研磨装置の無軌道研磨軌跡を示す概念図である。
【0036】
本実施の形態においては、乱視矯正用のプラスチック眼鏡レンズのトーリック面からなる凹面を切削、研磨する場合に適用した例を示す。また、切削、研磨するレンズ5としては、高屈折率(n=1.55〜1.75)からなるウレタン系またはエピチオ系の樹脂からなる凸面だけが仕上げられたセミフィニッシュレンズを使用した。
【0037】
レンズの製造は、最初にレンズ5の凸面5aにレンズ保持具7を取付け、このレンズ保持具7を介してレンズ5をカーブジェネレータに取付け、レンズ5の凹面5bを所定の形状に切削した後、同様にレンズ保持具7を介してレンズ5を研磨装置に取付け、切削された面を研磨することにより行う。
【0038】
レンズ5をレンズ保持具7に取付けるには、図2に示すように予めレンズ5の凸面5aに傷防止用の保護フィルム12を密着させておき、その上に例えばLOH社製のレイアウトブロッカーと呼ばれる装置によって前記レンズ保持具7を取付ける。レンズ5の種類としては、直径(φ)が80,75,70,65mmの4種類が用いられる。
【0039】
図2〜図5において、前記レンズ保持具7は、ヤトイ13と低融点合金(以下、アロイともいう)16とからなり、レイアウトブロッカーの取付台15に前記ヤトイ13と、このヤトイ13の外周を取り囲むブロッキングリング14を嵌着し、このブロッキングリング14の上に前記保護フィルム12が密着されたレンズ5を凸面5aを下にして載置し、レンズ5、ヤトイ13、ブロッキングリング14および取付台15によって囲まれた空間に溶融したアロイ16を充填して固化させる。次に、レンズ5、ヤトイ13、ブロッキングリング14およびアロイ16からなる一体物を取付台15から取外し、さらにブロッキングリング14を取外す。これにより、レンズ5がヤトイ13とアロイ16とからなるレンズ保持具7によって保持される。なお、ヤトイ13が嵌着される前記取付台15は、アロイ16を流れ易くするために、40〜45°の角度をもって前下がりに傾斜している。
【0040】
前記ヤトイ13とブロッキングリング14の構造を図4および図5に基づいてさらに詳述する。
図4において、ヤトイ13は、SUS303等によってカップ状に形成されることにより、円板部13Aと、この円板部13Aの下面外周部に一体に突設された断面台形状の環状突起13Bとで構成されている。円板部13Aの上面は平坦面を形成している。環状突起13Bは、内側に凹陥部18を有し、またこの環状突起13の周壁には2つの位置決め用凹部19が周方向に180°離間して形成されており、前記取付台15の上面に形成した環状凹部20(図3)に嵌合される。環状凹部20の中央には前記凹陥部18に嵌合する截頭円錐形の突起部21が一体に突設され、さらに前記環状凹部20の溝底には前記位置決め用凹部19に嵌合する2つの位置決め部(図示せず)が一体に突設されている。
【0041】
このようなヤトイ13は、前記アロイ16の中心厚M(図2)がある定められた範囲内に収まるように高さHが異なる複数種を有している。本実施の形態においては、後述する図6に示すように高さHが異なる7種類のヤトイ13が用いられる。
【0042】
ヤトイ13の直径D1 は、レンズ5の直径、BCの違いに拘わらず一定で、例えば43mmに設定されている。ヤトイ13の下面中央に設けられる凹陥部18は、前記取付台15の突起部21に適合するように全てのヤトイについて同一の大きさと深さを有するように形成されている(例えば、深さd=15mm)。さらに、ヤトイ13の上面外周寄りには、直径4mm、深さ7mm程度の穴22が周方向に等間隔をおいて4個形成されている。これら4個の穴22は、開口部22aがヤトイ13の外周寄りで内端22bがヤトイ13の中心側に位置するように、ヤトイ13の径方向に60°程度傾斜した不貫通穴からなる。このように形成された穴22は、その穴の方向がすべて異なっており、この穴22に入り込んで固まったアロイ16とヤトイ13との嵌合は、あらゆる方向に対して結合力が強いため、アロイ16のヤトイ13からの剥離、脱落、回転を防止することができる。また、開口部22aがヤトイ13の外周寄りにあることから、ヤトイ中央のアロイ16の量が少ないため、アロイ16の収縮によるレンズ5の変形を少なくすることができる。
【0043】
図5において、前記ブロッキングリング14はヤトイ13と同様にSUS303等によって形成され、レンズ5の直径、BCに対応させた所定の内径と高さを有するものが用いられる。ブロッキングリング14の外径Daは、直径が異なるレンズ5毎にその直径より大きく、内径Dbがレンズ5の直径と略等しく設定され(厳密にはレンズ径より2mm程度小さい)、高さH0 がレンズ5のBCに対応して異なっている。このため、本実施の形態においては、内径Db(4種類)と高さH0 (2種類)が異なる6種類(80φと75φレンズに対してはそれぞれ高さが1種類)のブロッキングリング14が用いられる。
【0044】
前記ブロッキングリング14には、2つの位置決め用孔23と、アロイ用流通路24およびアロイ流入口25が形成されている。2つの位置決め用孔23はブロッキングリング14の上下面に開口する貫通孔からなり、ブロッキングリング14の周方向に等間隔離間して設けられている。アロイ用流通路24は、前記ブロッキングリング14の上面で前記2つの位置決め用孔23から等距離離間した位置に形成された半径方向の溝からなり、外端が前記アロイ流入口25に連通し、内端がブロッキングリング14の中心孔26に連通している。アロイ流入口25は、ブロッキングリング14の外周に形成された凹部で構成されている。
【0045】
このようなブロッキングリング14は、前記ヤトイ13が取付台15上に設置されると、前記位置決め用孔23と前記取付台15の上面に突設した位置ピン27(図3)との嵌合によって前記取付台15に位置決めされて設置されるとともにボルト等の固定具28により固定されると、アロイ流入口25がレイアウトブロッカーのアロイ供給口に接続され、前記ヤトイ13の周囲を取り囲む。そして、ブロッキングリング14の上にレンズ5を凸面5aを下にして設置し、レンズ5を適宜な押圧部材によってブロッキングリング14に押し付ける。そして、この状態で溶融したアロイ16を前記アロイ流入口25に供給すると、アロイ16は、取付台15が前下がりに傾斜していることから、アロイ用流通路24を通ってブロッキングリング14の中心孔26に流入してヤトイ13の上面および外周に供給され、冷却固化することによりレンズ5をヤトイ13に固定する。使用するヤトイ13とブロッキングリング14は、レンズ5の直径およびBCに応じて適宜選択する。本実施の形態においては、図6にしたがって選択した。例えば、直径が70mmで、BCが3.0のレンズ5の研磨を行う場合は、図6(c)図にしたがって高さ18.5mmのヤトイ13と、内径68mm、高さ7mmのブロッキングリング14を選択する。
【0046】
図6(a)〜(d)にレンズ、ブロッキングリングおよびヤトイの種類と、レンズ中央とヤトイとの隙間(=アロイの中心厚)の寸法関係を示す。
同図(a)は直径が80mmで、BCがそれぞれ1.5,1.0,0.9,0.8,0.7,0.6からなる6種類のレンズに用いられるブロッキングリングの内径と高さ、ヤトイの高さおよびレンズ中央とヤトイの上面との隙間(=アロイの中心厚)を示す。
【0047】
ブロッキングリング14は、レンズのBCに関係なく内径が全て78mm、高さが全て10mmのものが用いられる。したがって、ブロッキングリング14は、直径80mmのレンズに対しては1種類である。一方、ヤトイ13は、高さが225.mmと23.5mmの2種類が用いられる。レンズ5とヤトイ13の中央における隙間は、最大で2.88mm、最小で2.34mmである。
【0048】
同図(b)は直径が75mmで、BCがそれぞれ2.0,1.75,0.5,0.4,0.3からなる5種類のレンズに用いられるブロッキングリングの内径と高さ、ヤトイの高さおよびレンズ中央とヤトイとの隙間を示す。ブロッキングリング14は、レンズのBCに関係なく内径が全て73mm、高さが全て7mmのものが用いられる。したがって、ブロッキングリング14は、直径75mmのレンズに対しては1種類である。一方、ヤトイ13は、高さが19.5mmと20.5mmの2種類が用いられる。レンズ5とヤトイ13の中央における隙間は、最大で2.80mm、最小で1.90mmである。
【0049】
同図(c)は直径が70mmで、BCがそれぞれ4.5,3.75,3.0,2.5,0.2,0.1からなる6種類のレンズに用いられるブロッキングリングの内径と高さ、ヤトイの高さおよびレンズ中央とヤトイとの隙間を示す。
ブロッキングリング14は、レンズのBCに関係なく内径が全て68mmで、高さが10mmと7mmの2種類が用いられる。ヤトイ13は、高さが18.5mm、19.5mm、20.5mmの3種類が用いられる。レンズ5とヤトイ13の中央における隙間は、最大で2.89mm、最小で2.01mmである。
【0050】
同図(d)は直径が65mmで、BCがそれぞれ7.5,6.75,6.0,5.25,0からなる5種類のレンズに用いられるブロッキングリングの内径と高さ、ヤトイの高さおよびレンズ中央とヤトイとの隙間を示す。
ブロッキングリング14は、レンズのBCに関係なく内径が全て63mmで高さが10mmと7mmの2種類が用いられる。ヤトイ13は、高さが17.5mm、18.5mm、19.5mm、21.5mmの4種類が用いられる。レンズ5とヤトイ13の中央における隙間は、最大で2.66mm、最小で1.95mmである。
【0051】
本実施の形態においては、ヤトイ13を7種類、ブロッキングリング14を6種類(高さ2種類)としたが、これに限らず適宜増減してもよいことは勿論である。
【0052】
また、直径の異なるレンズ種毎に用いられるブロッキングリング14の種類としては、1〜2種類程度が望ましく、それ以上であると保管管理が煩雑になるため好ましくない。
【0053】
なお、ヤトイ13の高さの種類を、ブロッキングリング14の高さの種類よりも多くなるようにして、低融点金属の中心厚を所定の範囲内に設定するようにするとより好ましい。ブロッキングリング14はその取付け、取外しに手間がかかり、またその製造コストも高いことから、取外しが容易で製造コストが安いヤトイの種類を多くすることにより作業性、製造コストの面でより良い。
【0054】
複数種のヤトイ13の高さは次ぎのように設定するとより好ましい。初めに設定したいアロイの中心厚を1.90〜3.00mmの範囲内で設定する。そして、設定した範囲の上限値と下限値との差(以下、範囲幅と記す)以下の間隔でヤトイの高さを設定する。この間隔を一定にすると管理が容易であるのでより好ましい。例えば、本実施の形態のように、アロイの中心厚を1.90〜3.00mmの範囲に設定した場合は、その設定した範囲の範囲幅は1.10mmなので、これ以下の間隔で高さの異なるヤトイを設ける。本実施の形態では1.00mmの一定の間隔で7種類のヤトイを製作し、前記範囲幅より広い間隔(3mm)で高さの異なるブロッキングリングに対して使用した。また同様に、アロイの中心厚を1.90〜2.50mmの範囲に設定した場合は、その範囲幅は0.6mmなのでそれ以下の間隔で高さの異なるヤトイを設定すると良い。
【0055】
上記のように範囲幅以下の間隔で高さを設定した複数のヤトイを、適当な高さと直径のブロッキングリングと組合わせることにより、どのような直径とBCのレンズに対してもアロイの中心厚を設定範囲内に設定することができるので好ましい。そして、このように高さを設定したヤトイの種類をブロッキングリングの高さの種類より多くすることにより、少ないブロッキングリングで中心厚を設定範囲内に設定することができるのでより好ましい。なお、ヤトイは、レンズ保持具を取付けたいレンズの直径とBCの種類に合わせて必要な種類だけを用意すればよいので、必ずしも全てのヤトイの高さの間隔が設定範囲幅以下になっている必要はない。
【0056】
このように本発明においては、直径が異なる4種類のレンズ5の凹面の切削、研磨に当たって、7種類からなるヤトイ13と、6種類(高さ2種類)からなるブロッキングリング14を用意し、レンズ5の直径とBCに対応させて選択して使用することにより、レンズ5の凸面5aの中央とヤトイ13の上面との間隔、言い換えればアロイ16の中心厚Mを略一定の値、具体的には上記したとおり1.90〜3.00mmの範囲内に設定した。隙間が1.9以下であると、溶融したアロイ16がレンズ5とヤトイ13との隙間に流れ込まない場合があり、レンズ面にアロイ16が不均一に固着して度数不良の原因となるため好ましくない。隙間が3.00以上であると、アロイ16の使用量が増加してアロイ16の熱や収縮による影響が大きくなりレンズ5の度数が不安定になり、凹面5bの形状誤差も大きくなる。なお、1.9〜2.5mmとするとより好ましい。
【0057】
上述のようにしてレンズ保持具7が取付けられたレンズ5は、3次元NC制御を行うカーブジェネレータに前記レンズ保持具7を介して取付けられ、凹面5bを所定の面形状に切削加工される(加工精度3μm以内:50φ、表面粗さRy0.3〜0.5μm)。
【0058】
切削加工されたレンズ5はその切削加工された面を研磨装置により研磨される。以下、本発明に係るヤトイ13を用した研磨装置の概略構成について説明する。
図1において、全体を符号1で示す眼鏡レンズの研磨装置は、床面に設置された装置本体2と、この装置本体2に紙面において左右方向に移動自在でかつ水平な軸3を中心として紙面と直交する方向に回動自在に配設されたアーム4と、このアーム4を左右方向に往復移動させるとともに紙面と直交する方向に回動させる図示しない駆動装置と、前記アーム4に設けられたレンズ取付部6と、前記レンズ取付部6の下方に位置するように前記装置本体2に配設され、図示しない駆動装置により垂直な軸線Kを中心として首振り旋回運動(自転はしない)を行う揺動装置8等を備えている。また、前記揺動装置8上に着脱自在に設けられた研磨治具9、この研磨治具9に着脱自在に取付けられた研磨パッド10、前記レンズ取付部6を昇降させる昇降装置11等を備えている。切削加工されたレンズ5は、前記レンズ保持具7(図2)を介して前記レンズ取付部6に装着される。
【0059】
このような研磨装置1は前記レンズ保持具7および研磨治具9の構造が新しい点を除いて従来から広く使用されているもので、例えば一般に市販されているLOH社製の汎用の球面研磨装置(TORO−X2SL)がレンズ5を研磨するために用いられている。
【0060】
前記揺動装置8は、垂直な回転軸31に揺動角度α(例えば、5°)で首振り旋回運動するように傾斜して取付けられ、上面に前記研磨治具9が取付けられている。
【0061】
図7〜図11において、前記研磨治具9は、弾性材料である天然ゴム、合成ゴムまたはゴム状樹脂によってカップ状に形成された背面側が開放するバルーン部材31と、このバルーン部材31の背面側開口部を閉塞し内部を気密に保持する固定具32と、前記バルーン部材31の内部に圧縮空気を供給するバルブ33とで構成されている。
【0062】
前記バルーン部材31は、略楕円形で表面が扁平または緩やかな凸曲面からなるドーム部31Aと、このドーム部31Aの下面外周に一体に延設された略楕円形の筒部31Bと、筒部31Bの後端に一体に延設された環状の内フランジ31Cとで構成されている。バルーン部材31の材質としては、例えば硬度が20〜50度(JIS)の天然ゴムに近い合成ゴム(例えば、IIR)または天然ゴムが用いられる。バルーン部材31の厚さTは全体にわたって略均一で、約0.5〜2mm(通常1mm程度の等厚)である。バルーン部材31の大きさは、研磨するレンズ5の大きさや研磨したい面の形状に応じて複数種類用意することが好ましい。
【0063】
前記固定具32は、内側固定具34と外側固定具35の2部材からなり、これらによってバルーン部材31の前記筒部31Bの下端部と内フランジ31Cを内側と外側から挟持することにより、バルーン部材31の背面側開口部を気密に封止している。内側固定具34は、バルーン部材31の筒部31Bの内側の形状と略同一の大きさの楕円板からなり、前記バルーン部材31のドーム部31Aとともに密閉空間38を形成している。
【0064】
前記外側固定具35は、上方に開放する楕円形のカップ状に形成されることにより、前記内側固定具34が前記バルーン部材31の筒部35Bとともに嵌挿される凹陥部40を有し、複数個の止めねじ41によって前記内側固定具34が固定されることにより、バルーン部材31の内フランジ35Cを凹陥部40の底面に押し付けている。この結果、バルーン部材31の密閉空間38は気密に保持されている。このような外側固定具35は、底面に設けた係合凹部42と揺動装置8の上面に設けた図示しない係合部との係合によって位置決め固定される。
【0065】
図9において、前記バルブ33は、上端部が前記内側固定具34に螺合によって取付けられ、下端部が前記外側固定具35に形成した貫通孔52内に位置するバルブ本体53を備え、このバルブ本体53内にボール53、円錐コイルばね54,55、排気用ピン56、受座57およびEリング58が組み込まれている。
【0066】
前記バルブ本体53の内部は、仕切壁60によって上下2つの室61a,61bに仕切られており、これら両室を仕切壁60に設けた中心孔62によって連通させている。前記ボール53は、上側の室61aに収納され、円錐コイルばね54によって下方に付勢されることにより、通常前記中心孔62を閉塞している。
【0067】
前記排気用ピン56は、前記下側の室61bに上下動自在に配設され、前記円錐コイルばね55によって下方に付勢されることにより通常前記受座57に押し付けられている。排気用ピン56の上端は、前記中心孔62内に挿入されて前記ボール53と近接して対向し、下端部が前記バルブ本体53の下方に突出している。
【0068】
前記外側固定部材35の前記貫通孔52は、バルーン部材31の密閉空間38への圧縮空気の供給時に供給口形成部材71にOリング72を介して接続される。供給口形成部材71は、図示しない空気供給装置に接続されている。貫通孔52を供給口形成部材71に接続し、空気供給装置からの圧縮空気Aを前記貫通孔52に供給すると、貫通孔52およびバルブ33の下側の室61b内の圧力が徐々に高くなり、その圧力でボール53を円錐コイルばね54に抗して押し上げる。これによりバルブ33が開き、圧縮空気Aがバルブ33を通ってバルーン部材31の密閉空間38に供給され、ドーム部31Aを膨張させる。ドーム部31Aの中央の高さが所望の高さになると圧縮空気の供給を停止させる。これにより下側の室61b内の圧力が低下し大気圧となるため、ボール53が円錐コイルばね54の力により下降して中心孔62を閉塞する。しかる後、流体供給口形成部材71を貫通孔52から抜き取ることにより、バルーン部材31への圧縮空気の供給を終了する。なお、バルーン部材31内の圧縮空気を抜くときは、排気用ピン56を円錐コイルばね55に抗して押し上げてボール53を仕切壁60の着座面から浮き上がらせ、中心孔62を開放させればよい。
【0069】
前記バルーン部材31の密閉空間38に圧縮空気を供給し、前記ドーム部31Aを膨張させると、ドーム部31Aの中心軸を含む断面の曲率半径が楕円の短軸方向で最小となり、長軸方向で最大となるトーリック面に近い形状が形成される。この場合、ドーム部31Aの曲率半径は、ドーム部31Aの中央高さ(頂点高さ)に応じて変化するため、適宜な装置によってドーム中央の高さを測定し調整することにより、ドーム部31Aの曲率半径をレンズ5の凹面5bの形状に近い形状にすることができるが、より正確に形状を合わせるには長軸、短軸の寸法またはその比率を変えたものを複数種用意しておき、レンズ5の凹面形状に近いものを選択して使用することが好ましい。
【0070】
本実施の形態においては、凹面5bがトーリック面でレンズ径65φ、70φ、75φ、80φ(mm)、凹面5bのベースカーブ0.00〜11.25、乱視範囲0.00〜4.00のレンズの研磨を行なうのに、バルーン部材31の短軸の長軸に対する比率が0.9で、長軸の寸法が65φ、70φ、75φ、80φ、85φ、90φ、95φ、100φ(mm)の8種類と、バルーン部材31が略円形で外径が100mmの1種類の計9種類の研磨治具9を使い分け、かつバルーン部材31のドーム部31Aの高さと研磨条件(圧力、回転速度、研磨時間)を適宜設定して研磨を行った。
【0071】
図7、図8、図10および図11において、前記レンズ5の凹面5bの研磨に用いられる前記研磨パッド10は、例えばポリウレタン、フェルト、または不織布等の繊維性の布や合成樹脂等を材料とするシート材によって形成されたもので、図7に示すように前記バルーン部材31のドーム部31Aの正面視形状と略同一の大きさの楕円形に形成された研磨部80(図10)と、この研磨部80の周縁から外側に伸びる複数本の固定片81とで構成されている。研磨部80は、外周より中心に向かって形成された複数の溝82により放射状に形成された8個の花弁片83で構成されている。前記固定片81は、前記8個の花弁片83のうち、長軸方向と短軸方向に位置する4つの花弁片83の外縁を径方向にそれぞれ延設することにより形成されている。
【0072】
このような研磨パッド10は、ばね材によってリング状に形成された締付部材90(図11)によって前記研磨治具9に着脱自在に取付けられる。研磨パッド10の取付けに際しては、先ず研磨部80をバルーン部材31のドーム部31Aの上に載置する。次に、締付部材90の両端部91a,91bを指先で挟んでその間隔を狭めることにより締付部材90を拡径化し、この状態で締付部材90を研磨パッド10の固定片81を上方から押しつけて下方に折り曲げ外側固定具35の外周に接触させる。そして、両端部91a,91bから指先を離すと、締付部材90は元の形状に復帰して固定片81を締付けて外側固定具35の外周に固定し、もって研磨パッド10の取付けが終了する。
【0073】
このような構造からなる研磨装置1にレンズ5が固定されたレンズ保持具7をアーム4のレンズ取付部6に装着し、研磨パッド10が取付けられた研磨治具9を揺動装置8に取付け、昇降装置11によってレンズ5を下降させて凹面5bを研磨パッド10の表面に押し付ける。この状態で研磨剤を研磨パッド10の表面に供給するとともに、アーム4を左右および前後方向に往復運動させながら揺動装置8を首振り旋回運動させる。これらの運動により、研磨の軌跡が図12(a)または(b)に示すように1周毎に少しずつずれる無軌道研磨軌跡でレンズ5の凹面5bを前記研磨パッド10と研磨剤によって研磨し、所望の面形状に仕上げる。研磨代は5〜9μm程度である。研磨剤としては、例えば酸化アルミナ、酸化セリウム等の研磨材(砥粒)を研磨液に分散させた溶液状のものが用いられる。なお、研磨に当たっては、研磨条件(研磨材の粒径、研磨時間)を変えて2回研磨(荒研磨、仕上げ研磨)することが望ましい。
【0074】
このように本発明おいては、高さが異なる7種類のヤトイ13と、高さと内径が異なる6種類のブロッキングリング14をそれぞれ用意し、直径とBCが異なるレンズ毎にそのレンズに対応した高さを有するヤトイ13とブロッキングリング14を選択して使用し、アロイ16の中心厚が1.90〜3.00mmの範囲内、より好ましくは1.9〜2.5mmの範囲内になるように設定したので、高屈折率のレンズであっても、また凸面カーブの浅いものであってもアロイ16の熱や収縮による影響を軽減することができ、レンズ度数の精度を安定に維持することができる。
【0075】
また、本発明においては、ブロッキングリング14の内径をレンズ5の直径と略等しく設定することで、アロイ16をレンズ5の凸面5aの略全面にわたって固着させるようにしたので、アロイ16が接着している部分と、接着していない部分の境界をレンズ5の外周付近に移動させることができる。したがって、高屈折率レンズでアロイ16が接着している部分と、していない部分の境界に凹面側に研磨痕が生じないため、レンズの形状誤差として残ることがなく、光学性能の優れたレンズを製作することができる。
【0076】
さらに、レンズ中央とヤトイとの隙間が1.90〜3.00mmの範囲内、好ましくは1.9〜2.5mmの範囲内になるように設定しているので、レンズ5の種類によってアロイ16の使用量が大きく変動せず、したがって、熱的影響をより一層軽減することができる。
【0077】
【実施例】
エピチオ系樹脂(屈折率1.71)のセミフィニッシュレンズでは、レンズの中心肉厚が4.5mm程度以下になると、アロイの熱や収縮の影響が特に大きくなる。そこで、中心肉厚4.5mmのセミフィニッシュレンズについてアロイ16の中心肉厚を変え、レンズ5の面屈折力の変化量を測定した。
実験条件
セミフィニッシュレンズ:エピチオ系樹脂(屈折率1.71)
中心肉厚4.5mm
BC=0.80
直径80mm
アロイ16としては、(株)大阪朝日メタル工場製のBi、Pb、Sn、Cd、In合金(融点47°C)を使用した。
測定方法
セミフィニッシュレンズの凸面側にヤトイをアロイを介して取付け、アロイを冷却固化させた後レンズ凹面の面屈折率を測定し、予め測定したヤトイ取付け前のレンズ凹面の面屈折力からの変化率を求めた。
【0078】
図13は、レンズ凹面の面屈折力変化量と、低融点合金の中心肉厚の関係を示す図である。この図13から明らかなように、アロイの中心厚が3mm以下になると、屈折力の変化量が急激に少なくなることが判った。
【0079】
上記した実施の形態においては、直径が80,75,70,65mmの4種類のレンズ5に用いられるレンズ保持具7に適用した例を示したが、本発明はこれに何ら特定されるのではなく、他のレンズ径のものについても同様に適用することが可能である。
また、レンズ面形状は特に限定せず、球面、トーリック面、非球面、非トーリック面、累進多焦点レンズのような自由曲面形状などであってもよい。また、研磨治具はバルーン部材31で説明したが、これに限らず、例えば金属皿であってもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るヤトイは、レンズ凸面と対向する面に穴の方向が異なる複数の穴を有し、この複数の穴は開口部がヤトイの外周寄りで内端が前記開口部よりヤトイの中心側に位置するように傾斜した穴を設けているので、低融点合金の中心部における厚さが厚くならず熱や収縮の影響が少なくでき、またヤトイと低融点合金の結合強度が大きく、低融点合金がヤトイから剥離して離脱したり回転したりするのを防止することができる。
【0081】
また、本発明に係るレンズ保持方法は、ヤトイの高さとブロッキングリングの内径と高さを直径とBCの異なるレンズ毎に設定し、レンズ中央とヤトイとの間隔を所定の範囲になるようにしたので、レンズ度数の精度および安定性を向上させることができ、特に高屈折率で薄肉化が要求されるレンズの研磨に用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るヤトイを用いた研磨装置の概略構成図である。
【図2】 レンズにレンズ保持体を取付けた状態を示す断面図である。
【図3】 レイアウトブロッカーでレンズにレンズ保持体を取付けるときの状態を示す断面図である。
【図4】 (a)、(b)、(c)はヤトイの平面図、断面図および底面図である。
【図5】 (a)、(b)はブロッキングリングの平面図およびA−A線断面図である。
【図6】 (a)〜(d)はレンズ、ブロッキングリングおよびヤトイの種類と、レンズ中央とヤトイとの隙間の寸法関係を示す図である。
【図7】 研磨治具の平面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】 バルブの断面図である。
【図10】 研磨パッドの平面図である。
【図11】 研磨パッドの締付部材の斜視図である。
【図12】 (a)、(b)はそれぞれ研磨装置の無軌道研磨軌跡を示す概念図である。
【図13】 レンズ凹面の面屈折力変化量と、低融点合金の中心肉厚の関係を示す図である。
【図14】 ヤトイの従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…研磨装置、2…装置本体、5…レンズ、5a…凸面、5b…凹面、7…レンズ保持具、9…研磨治具、10…研磨パッド、13…ヤトイ、14…ブロッキングリング、16…アロイ、23…穴、M…アロイの中心厚。

Claims (3)

  1. レンズの凸面が低融点合金を介して固定されるヤトイにおいて、
    前記ヤトイのレンズ凸面と対向する面に、前記低融点合金の前記ヤトイからの剥離、脱落、回転を防止する穴の方向が異なる複数の穴を有し、この複数の穴は、そこに入り込んで固まった前記低融点合金の収縮による前記レンズの変形を防止するために、開口部が前記ヤトイの外周寄りで内端が前記開口部より前記ヤトイの中心側に位置するように傾斜していることを特徴とするヤトイ。
  2. レンズの凸面とヤトイとブロッキングリングとの間の空間に溶融した低融点合金を流し込んで固化させることによって前記レンズを中心厚さが1.90〜3mmの範囲内の固化した低融点合金を介してヤトイに固定するレンズ保持方法において、
    前記ヤトイは、前記レンズ凸面と対向する面が平坦面であり、
    設定したい前記固化した低融点合金の中心厚を前記範囲内で所定の範囲に設定し、
    レンズ凸面と対向させる面の直径が同一で、かつ前記設定した中心厚の所定範囲の上限値と下限値との差以下の間隔で高さが異なるヤトイを含む高さの異なる複数種のヤトイを用意するとともに、
    同一の直径のレンズに対して一種のブロッキングリングまたは前記設定した中心厚の所定の範囲の上限値と下限値との差より広い間隔で高さが異なる複数種のブロッキングリングを用意し、
    レンズの直径と凸面のベースカーブに応じて、前記用意したヤトイとブロッキングリングの中から低融点合金の中心厚が前記設定した所定範囲内になるヤトイとブロッキングリングを選択決定し、
    前記レンズの凸面と前記決定されたヤトイと前記決定されたブロッキングリングとの間の空間に前記低融点合金を流し込んで固化させて前記レンズを前記低融点合金を介してヤトイに固定し、
    前記複数種のヤトイは、そのヤトイの平坦面に、前記低融点合金の前記ヤトイからの剥離、脱落、回転を防止する穴の方向が異なる複数の穴を有し、この複数の穴は、そこに入り込んで固まった前記低融点合金の収縮による前記レンズの変形を防止するために、開口部が前記ヤトイの外周寄りで内端が前記開口部より前記ヤトイの中心側に位置するように傾斜していることを特徴とするレンズ保持方法。
  3. 請求項2記載のレンズ保持方法により眼鏡レンズを保持した状態で、この眼鏡レンズの保持された側とは反対側の面を切削または研磨する工程を含むことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
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