JP4083974B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、温度などの環境が変化した場合であっても、画像濃度の変化等を防止して高品質な画像を形成するのに適した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置としては、帯電手段によって一様帯電した像担持体表面を光書込手段で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置から供給されるトナーによって現像し、現像によって得られたトナー像を転写手段で転写材上に転写し、転写材に転写したトナー像を定着することによって画像形成を行うものが知られている。そして、上記帯電手段や転写手段として、帯電ローラや転写ローラを用いたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記帯電ローラや転写ローラを用いた画像形成装置では、温度などの環境の変化によって、画像濃度が変化したり、画像濃度ムラが生じたり、地肌汚れが生じたりする場合があった。そこで、これらの原因について、本発明者らが鋭意検討したところ、次のようなことが判った。
【0004】
まず、温度による環境変化で帯電特性が変化することによって、画像濃度の変化や、地肌汚れが生じることが判った。
帯電ローラは一般的に、金属製の芯金外周にゴム層を設けた構成となっている。このゴム層の材質としては、例えばウレタンゴムが用いられる。そして、帯電ローラの抵抗構成、即ちゴム層の抵抗構成は、主にイオン導電タイプとカーボン導電タイプがある。イオン導電タイプは、ゴム層内の抵抗値のバラツキが小さくローラ外周全面で均一な抵抗値を得ることができるが、温度等の環境による抵抗値の変動が大きい。具体的には、低温側では抵抗値が上昇し、高温側では抵抗値が低下する。この結果、例えば低温環境下と高温環境下とでは、抵抗値が1オーダー以上異なってしまう場合がほとんどである。一方、カーボン導電タイプは、温度等の環境による抵抗値の変動は小さいが、カーボンの均一な分散が難しく、ゴム層内の抵抗値のバラツキが大きくてローラ外周全面で均一な抵抗値が得られない。このため、近年は、ローラ外周全面で均一な抵抗値を得ることができるイオン導電タイプが主流となっている。
【0005】
上記帯電ローラの芯金に所定の電圧(例えば、−1.6KV)を印加すると、帯電ローラと像担持体との間の微小ギャップで放電が起こり、像担持体表面が一様に帯電する。このように放電現象を利用して像担持体表面を一様帯電させるため、帯電ローラの抵抗値によって、一様帯電電位が大きく影響されてしまう。従って、上記イオン導電性タイプの帯電ローラを用いた場合には、図9の下側のグラフに示すように、帯電ローラの抵抗値が温度によって変化するため、図中の上側のグラフに示すように像担持体の一様帯電電位も温度によって変化してしまう。図10は、高温高湿、常温、低温低湿の3つの環境下において、帯電ローラの印加電圧と像担持体の一様帯電電位の関係を示したグラフである。図10に示すように、同じ印加電圧であれば温度が高くなるにしたがって帯電電位が上昇する。その上昇量は傾きが1に近いため、ほぼ帯電開始電圧の差に等しくなる。
【0006】
より具体的には、図9において、温度30℃、相対湿度50%の高温環境下では、帯電ローラの抵抗値が小さく(107.5Ω)なり、帯電ローラの芯金に所定の電圧(−1.6KV)を印加したときに像担持体上の一様帯電電位が上昇(−950V)してしまう。この結果、露光後電位も上昇し、露光後電位と現像バイアスとの差(以下、「現像ポテンシャル」という)が小さくなって、現像装置から文字部(露光部)にトナーが付着しにくくなり画像濃度が薄くなってしまう(図15(a)参照)。これに対して、温度10℃、相対湿度50%の低温環境下では、帯電ローラの抵抗値が大きく(108.5Ω)なり、帯電ローラの芯金に所定の電圧(−1.6KV)を印加したときに像担持体上の一様帯電電位が低下(−850V)してしまう。この結果、露光後電位も低下し、現像ポテンシャルが大きくなって、現像装置から文字部(露光部)にトナーが付着しやすくなり画像濃度が濃くなったり、地肌部にトナーが付着して地肌汚れが生じたりしてしまう。
【0007】
次に、温度による環境変化で転写特性が変化することによって、画像濃度ムラが生じることが判った。
転写ローラは、通常、定電流制御あるいは定電圧制御が行われる。特に、定電流制御の場合には、電流値が一定のため電圧は抵抗値によって決まり、定電圧制御に比べて転写ローラの抵抗値によって転写バイアスが大きく左右される。
上記イオン導電性タイプのゴム層を有する転写ローラを用いる場合には、図11に示すように、例えば温度10℃、相対湿度50%の低温環境下では、転写ローラの抵抗値が大きく(107.7Ω)なってしまう。そして、この転写ローラの芯金に定電流を流すと、図12中の上側のグラフに示すように、低温環境下では転写ローラの抵抗値が大きくなり、これに比例して転写バイアスも大きくなってしまう。図13は、転写後電位と感光体上の帯電電位、露光後電位の関係を示したものである。感光体の地肌部は帯電電位そのものであるため転写材裏面から転写電圧が印加されても通常マイナスのまま保持する。しかし、受光部は露光後電位となるために転写電圧の影響を受けやすく、転写電圧の大きさによってはプラス側になる。このため、図13中の点線で示すように、文字部(露光部)では転写後電位がプラス側の大きな値(+100V程度)となってしまう場合がある。転写後電位がプラス側の大きな値となると、除電後電位もプラス側となってしまい、図14に示すように、一様帯電後の帯電電位が低くなり、像担持体表面で均一な電位の一様帯電が得られなくなってしまう。この結果、帯電電位の低い部分では、画像濃度が濃くなって画像濃度ムラを生じたり、地肌汚れが生じたりしてしまう。なお、除電後電位がマイナスで残っている場合には、ほぼ安定した帯電電位が得られ影響は少ない。
【0008】
また、温度による環境変化で画像濃度が変化する原因として、上記帯電特性の変化のみならず、現像特性が変化することも原因であることが判った。
図15(a)は、感光体表面電位を主走査方向で模式的にあらわしたグラフである。一様に帯電された感光体表面が露光されると電位が下がり露光後電位となる。露光後電位は現像バイアスより低くなっているため現像スリーブ上に載ったマイナス帯電のトナーは露光後電位の部分に向けて感光体上に選択的に付着する。図15(a)中の領域(イ)の部分が文字部で、領域(ア)の部分が地肌部となる。この結果、図15(b)に示すような画像が得られる。
しかし、現像部はトナーの帯電量という環境変動しやすい要因を有している。図16は、低温低湿環境と高温高湿環境とにおいて、ランニングでのトナー帯電量の変化を示したグラフである。ランニングによりトナーの抵抗やキャリアの抵抗が上がることなどにより、トナー帯電量が変化する。低温低湿の環境と高温高湿の環境とでは、初期的にはトナー帯電量が同じであるが、ランニングしていくと低温低湿環境でトナー帯電量の上昇が著しくなり高温高湿環境と比べ大きく変化していく。
【0009】
この結果、実際の現像特性にも変化が起こる。図17は、感光体表面電位と現像バイアスとの差(現像ポテンシャル)を振って画像濃度を測定したグラフである。縦軸の画像濃度は画像濃度計(例えば、マクベス画像濃度計)で測定した数値であり、1.4程度が望ましい。現像バイアスが−600Vで露光後電位が−150Vとすると現像ポテンシャルは450Vの値となる。図中実線で示す高温高湿環境下ではこの値で十分な画像濃度(1.4)を確保することができる。しかし、図16で示したような低温低湿環境下のランニングでトナー帯電量が上がったトナーで現像した場合、図17中の点線で示すように、現像ポテンシャルが450Vの値では、画像濃度が1.2程度になってしまい、狙いとする画像濃度1.4程度の濃度の画像が得られなくなってしまう。
【0010】
以上説明したように、環境変化により帯電特性、転写特性、現像特性が変化してしまう。従来これらの特性がそれぞれ独立して変化していたため、画像濃度の変化や、画像濃度ムラや、地肌汚れが生じて不安定な画像となり、高品質な画像が得られなかった。
【0011】
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、環境変化に応じて帯電特性と転写特性の少なくともいずれか一方を制御することにより、画像濃度の変化、画像濃度ムラ及び地肌汚れを防いで、高品質な画像を形成することができる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体上での潜像形成のための一様帯電を行う、電源に接続された一様帯電のための電界用形成部材と、像担持体上に形成されたトナー像の転写材への転写を行う、電源に接続された転写のための電界形成用部材とを備える画像形成装置において、上記一様帯電のための電界用形成部材および上記転写のための電界形成用部材を抵抗構成がイオン導電タイプの材料を用いて構成し、装置内部の温度を検知するための温度検知手段と、該温度検知手段の検知結果に基づいて、常温に比べ温度が上昇したことを検知した場合に、上記転写のための電源出力電流を上げ、常温に比べ温度が低下したことを検知した場合に、上記転写のための電源出力電流を下げるように上記電源出力を制御するとともに、上記温度検知手段が、常温に比べ温度が上昇したことを検知した場合に、上記一様帯電のための電源出力を下げ、該温度検知手段が常温に比べ温度が低下したことを検知した場合に、上記一様帯電のための電源出力を上げるように上記一様帯電のための電源出力を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
【0013】
像担持体を一様帯電するための電界形成用部材として、例えば良導電体の金属芯金の外周にゴム弾性層を有する帯電ローラが用いられている。ゴム弾性層は電気抵抗を有しているため、金属芯金に例えば定電圧を印加した場合、ゴム弾性層の電気抵抗によって、金属芯金に印加した電圧に比べ、ゴム弾性層表面では電圧が降下する。従って、このゴム弾性層での電圧降下を考慮して印加電圧が決められ、像担持体表面を所定の電位となるように一様帯電している。ところが、ゴム弾性層の抵抗値が温度等の環境変化によって変化すると、ゴム弾性層での電圧降下も変化し、一様帯電で行われる電圧が所望の電圧とは異なるものになってしまう。また、転写電界を形成する電界形成用部材として、良導電体の金属芯金の外周にゴム弾性層を有する帯電ローラが用いられている。この転写ローラの金属芯金に例えば定電流を流した場合、ゴム弾性層の抵抗値が温度等の環境変化によって変化すると、ゴム弾性層の表面電位が変化し、像担持体との間の転写電界を所定の値に維持できなくなってしまう。この画像形成装置においては、上記温度検知手段の検知結果に基づいて、上記一様帯電するための電界形成用部材および上記転写のための電界形成用部材への電源出力を制御し、上記一様帯電電界と転写電界とを所定の範囲内になるようにする。よって、一様帯電電界の変化に起因する画像濃度の変化や、地肌汚れを防ぐことができる。また、転写電界の変化に起因する画像濃度ムラや、地肌汚れを防ぐことができる。
【0014】
具体的には、上記一様帯電するための電界形成用部材および上記転写のための電界形成用部材を抵抗構成がイオン導電タイプの材料を用いて構成し、上記温度検知手段が、常温に比べ温度が上昇したことを検知した場合に、上記一様帯電のための電源出力を下げる制御と、上記転写のための電源出力を上げる制御とを行い、該温度検知手段が常温に比べ温度が低下したことを検知した場合に、該一様帯電のための電源出力を上げる制御と、該転写のための電源出力を下げる制御とを行うことを特徴とするものである。
【0015】
イオン導電タイプの材料は温度による抵抗値の変化が、例えば、カーボン導電タイプの材料に比べて大きい。具体的には、温度が上昇すると抵抗値が低下し、温度が低下すると抵抗値が上昇する。一様帯電のための電界形成用部材をイオン導電タイプの材料を用いて構成し、例えば電圧制御する場合には、温度が上昇すると抵抗値が低下して電圧降下が小さくなり、逆に温度が低下すると抵抗値が上昇して電圧降下が大きくなる。よって、温度が上昇したときに印加電圧を下げ、温度が低下したときに印加電圧を上げることによって、一様帯電のための電界形成用部材での電圧降下をほぼ一定にすることができ、該電界形成部材表面の電圧を所望の範囲内にすることができる。よって、一様帯電のための電界形成用部材と像担持体との間の一様帯電電界を所定の範囲内にすることができ、該像担持体を所定の電位で一様帯電することが可能となる。また、転写のための電界形成用部材をイオン導電タイプの材料を用いて構成し、例えば電流制御する場合には、温度が上昇すると抵抗値が低下して該電界形成用部材の表面電位が所定電位より小さくなり、逆に温度が低下すると抵抗値が上昇して表面電位が所定電位より大きくなる。よって、温度が上昇したときに電流値を上げ、温度が低下したときに電流値を下げることによって、電界形成用部材の表面電圧をほぼ一定にすることができる。これにより、転写のための電界形成用部材と像担持体との間の転写電界を所望の範囲内に維持することが可能となる。この画像形成装置では、上記電界形成用部材をイオン導電タイプの材料を用いて構成したときに、上記制御を行うことによって、一様帯電電界と転写電界とを所望の範囲内に制御することが可能となる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、電源に接続され、像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成するための現像剤担持体を備え、上記温度検知手段が常温に比べ温度が低下したことを検知した場合に、該現像剤担持体への電源出力を上げる制御を行うことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を画像形成装置である電子写真複写機(以下、プリンタという)に適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るプリンタ全体の構成及び動作について説明する。
【0021】
図1はプリンタ全体の概略構成図である。図2は、プリンタ本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジの構成を示す概略構成図である。図1において、潜像担持体としての感光体1の周面は、所定の周速度で回転駆動されながら、帯電ローラ2によって負の所定電位に一様に帯電せしめられた後、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光装置3によって画像情報に基づいた走査露光処理がなされて静電潜像が形成される。感光体1上に形成された静電潜像は、現像装置4によって現像されてトナー像となる。感光体1上に形成されたトナー像は、給紙カセット5からレジストローラ6、搬送ガイド板7上を通過して感光体1と転写ローラ8との間に感光体1の回転と同期して給送された転写材上に、転写ローラ8によって転写される。このようにして、トナー像が転写された転写材は、感光体1の周面から分離されて像定着装置9に送り出され、ここでトナー像が定着せしめられた後、複写物(コピー)としてとして装置外に排出される。なお、像転写後の感光体1上の表面は、クリーニング装置10によって転写残トナーが除去されて清浄面化され、図示しない除電装置により除電され、次の画像形成に使用される。
【0022】
そして、図1及び図2に示すように、上述した感光体1、帯電ローラ2、現像装置4、クリーニング装置10の各構成要素は、一体に構成されたプロセスカートリッジ11としてプリンタ本体に着脱可能に支持されている。
【0023】
上記現像装置4は、図2において、感光体1の側方に配設され、感光体1に向けて開口部が形成された現像容器としてのケーシング12、該開口部から一部が露出させ、トナー13a及び磁性キャリアとを含む二成分現像剤(以下「現像剤」という。)13を表面に担持する現像剤担持体としての非磁性材質からなる現像スリーブ14、現像スリーブ14の内部に固定配置された磁界発生手段としての固定磁石群からなるマグネットローラ15等を備えている。この構成の現像装置4では、現像剤滞留部16における現像剤13の内圧により、現像スリーブ14上の現像剤13中のトナー13aを帯電することができるので、パドルやスクリュウなどの現像剤を帯電或いは攪拌するための複雑な攪拌搬送機構が不要となる。また、トナー濃度をほぼ一定範囲内にコントロールできるので、トナー濃度センサ等のトナー濃度制御機構が不要となる。
【0024】
図1において、上記帯電ローラ2と転写ローラ8とは、金属製の芯金外周にウレタンゴム層を設けた構成となっており、ウレタンゴム層の抵抗構成はイオン導電タイプとなっている。このため、上述したように、ウレタンゴム層内の抵抗値のバラツキが小さくローラ外周全面で均一な抵抗値を得ることができるが、温度等の環境による抵抗値の変動が大きい。具体的には、低温側では抵抗値が上昇し、高温側では抵抗値が低下してしまう。このように温度等の環境による抵抗値の変動が大きいので、高温環境下において帯電ローラ2で感光体1を一様帯電したときに、帯電電位が上昇し、現像ポテンシャルが小さくなって画像濃度が薄くなってしまう。一方、低温環境下においては感光体1の帯電電位が低下し、現像ポテンシャルが大きくなって画像濃度が濃くなったり、地肌汚れが生じたりしてしまう。また、低温環境下において転写ローラ8で転写を行うと、転写バイアスが大きくなるため、文字部では転写後電位がプラスとなり、除電後電位もプラスとなる部分が生じる。このように除電後電位がプラスの部分があると、帯電ローラ2で感光体表面を一様帯電したときに、均一な一様帯電ができなくなり、画像濃度ムラや地肌汚れが生じてしまう。
【0025】
そこで、本実施形態に係るプリンタでは、温度検知手段を設け、この温度検知結果に基づいて、上記帯電ローラ2に印加する印加電圧と、転写ローラ8に供給する電流とを制御する構成とした。図3は、本プリンタの制御系統の概略構成図である。
図3において、温度検知手段として温度検知用サーミスタ17がコントローラ18に接続されており、温度検知用サーミスタ17の温度検知結果に基づいて、コントローラ18がパワーパック19を制御する。パワーパック19はコントローラ18からの制御信号に基づいて帯電ローラ2の芯金2aに所定の電圧を印加し、転写ローラ8の芯金8aに所定の電流を流すようになっている。下記の表1は、帯電ローラ2の印加電圧と転写ローラ8の転写電流の制御の一例を示す表である。なお、上記温度検知用サーミスタ17は機内の温度を正確に検知するため、図1において、現像装置4の上部付近に配設されている。
【表1】
【0026】
帯電ローラ2は、常温(20℃)において、その芯金2aに−1600Vの電圧が印加される。この帯電ローラ2は高温で抵抗値が小さくなるので、高温(30℃)で芯金2aに−1600Vを印加すると、感光体1の一様帯電電位が上昇してしまう。このため、高温の場合には、印加電圧を常温の場合に比べて下げる補正を行う。具体的には、−1550Vの電圧を印加するようにパワーパック19を制御する。一方、帯電ローラ2は低温で抵抗値が大きくなるので、低温(10℃)で芯金2aに−1600Vを印加すると、感光体1の一様帯電電位が低下してしまう。このため、低温の場合には、印加電圧を常温の場合に比べて上げる補正を行う。具体的には、−1650Vの電圧を印加するようにパワーパック19を制御する。
【0027】
図4は、帯電ローラ2の芯金2aに印加する帯電印加電圧と環境(温度)との関係を示すグラフである。帯電印加電圧を温度によって、図中実線Aで示すように無段階に変化するように制御する。あるいは、図中一点鎖線Bで示すように、高温と常温・低温との二段階で変化するように制御してもよい。なお、これ以外の制御パターンも可能であることは、もちろんである。
このように、温度検知用サーミスタ17の検知結果に基づいて帯電ローラ2の芯金2aに印加する電圧を制御することで、帯電ローラ2の表面を所望の電圧にすることができ、感光体1の一様帯電電位を所定の値に保つことができる。これにより、温度によって画像濃度が変化したり、地肌汚れが生じたりすることを防止できる。
【0028】
また、表1に示したように、転写ローラ8は、常温(20℃)において、その芯金8aに+10μAの電流が流される。この転写ローラ8は低温で抵抗値が大きくなるので、低温(10℃)で芯金に+10μAを流すと、転写バイアスが上昇してしまい、文字部で転写後電位がプラスになる部分が生じる。このため、低温の場合には、電流値を下げる補正を行う。具体的には、+8μAの電流を流すようにパワーパック19を制御する。一方、高温(30℃)の場合には、電流値を上げる補正を行う。具体的には、+12μAの電流を流すようにパワーパック19を制御する。このとき、転写バイアスが低下し、除電後電位がマイナスになる部分が生じることがあるが、この場合には帯電ローラ2による一様帯電で感光体1上にほぼ安定した帯電電位が得られ影響は少ない。
図5は、転写ローラ8の芯金8aに流す転写電流と環境(温度)との関係を示すグラフである。転写電流を温度によって、図中実線Dで示すように、低温と常温・高温との二段階で変化するように制御する。あるいは、図中点線Cで示すように、無段階に変化するように制御してもよい。なお、これ以外の制御パターンも可能であることは、もちろんである。
このように、温度検知用サーミスタ17の検知結果に基づいて転写ローラ8の芯金8aに流す転写電流を制御することで、転写バイアスが過大になることを防ぎ、感光体1上の文字部の転写後電位がプラスになることを防ぐことができる。よって、その後の帯電ローラ8による一様帯電で感光体1表面に均一な一様帯電が得られ、画像濃度ムラや地肌汚れを防止することができる。
【0029】
以上説明したように、温度検知用サーミスタ17の検知結果に基づいて、上記帯電ローラ2の芯金2aに印加する印加電圧と、転写ローラ8の芯金8aに供給する電流とを補正する制御を行うことで、温度変化に起因する画像濃度変化や、画像濃度ムラや、地肌汚れを防止して安定した良好な画像を得ることができる。
【0030】
なお、上記実施形態1では、帯電ローラ2を電圧制御する構成について説明したが、電流制御とすることも可能である。また、転写ローラ8については電流制御する構成について説明したが、電圧制御とすることも可能である。
また、温度検知手段は上記温度検知用サーミスタ17に限らず温度検知ができるセンサであればどのようなタイプのものでもよい。また温度検知手段の設置位置は、現像装置の上部付近に限らず、帯電ローラへの印加電圧と転写ローラの転写電流の補正に適した温度を検知できる位置であれば、機内のどの位置でもよい。
さらに、機内の湿度変化も加味して、上記帯電ローラ2に印加する印加電圧と、転写ローラ8に供給する電流とを補正することで、より安定した良好な画像を得ることが可能になる。
【0031】
さらにまた、上記感光体1、帯電ローラ2、現像装置4、クリーニング装置10の各構成要素は、上述したようにプロセスカートリッジ11を形成している。プリンタ本体に配設された温度検知手段の検知結果に基づいて、帯電ローラ2の印加電圧を制御するので、プロセスカートリッジ11側で帯電ローラ2の温度変化に対する対策を講じなくてもよいというメリットがある。また、プロセスカートリッジ11のトナーが無くなった場合には、新規のカートリッジと交換すればよく、ユーザの取り扱いが簡単で、且つ、カートリッジ交換で常に帯電ローラ2が新しくなるため、より誤差の少ない補正が可能になり、さらに良好な画像を得ることができる。
【0032】
〔実施形態2〕
上記実施形態1では、温度等の環境変化に応じて帯電ローラ2の印加電圧と転写ローラ8の転写電流とを補正する制御を行う構成について説明したが、現像バイアスを補正する制御を行う構成とすることもできる。図6は、本実施形態の制御系統の概略構成図である。
図6において、温度検知用サーミスタ17がコントローラ18に接続されており、温度検知用サーミスタ17の温度検知結果に基づいて、コントローラ18がパワーパック19を制御する。パワーパック19はコントローラ18からの制御信号に基づいて現像スリーブ14の芯金14aに所定の電圧を印加するようになっている。
【0033】
ランニングをしていくと、図16で示したように、低温低湿環境下ではトナー帯電量が高温高湿環境下に比べて上昇してしまう。この結果、図17で示したように、高温高湿環境下と同じ現像ポテンシャルでは、画像濃度が1.2と低くなり、濃度が薄くなってしまう。
そこで、本実施形態に係るプリンタでは、低温低湿環境下で現像バイアスを補正し、所定の現像ポテンシャルを得ることができるようにした。具体的には、温度検知用サーミスタ17の検知結果に基づいて、コントローラ18が低温と判断した場合に、パワーパック19を制御する。そして、図17において、例えば現像バイアスを低温環境下で−700Vとなるように芯金14aへの印加電圧を上げる制御を行う。この結果、現像ポテンシャルが550Vとなり画像濃度1.4を実現できることになる。現像バイアスは、図7中の実線Fで示すように温度変化に応じて無段階に変化させる。あるいは、図中一点鎖線Eに示すように、低温、常温、高温の三段階で変化させてもよい。さらに、他の制御パターンでもよいことは、もちろんである。
【0034】
〔変形例1〕
上記実施形態1の構成と、上記実施形態2の構成とを兼ね備えた構成とすることもできる。図8は、本変形例に係る制御系統の概略構成図である。
図8において、温度検知用サーミスタ17がコントローラ18に接続されており、温度検知用サーミスタ17の温度検知結果に基づいて、コントローラ18がパワーパック19を制御する。パワーパック19はコントローラ18からの制御信号に基づいて帯電ローラ2の芯金2aに所定の電圧を印加し、転写ローラ8の芯金8aに所定の電流を流し、しかも、現像スリーブ14の芯金14aに所定の電圧を印加するようになっている。
このような構成とすることで、帯電ローラ2の印加電圧と転写ローラ8の転写電流との制御、及び、現像スリーブ14の印加電圧の制御のうち、いずれか一方のみの制御を行う場合に比べ、よりきめの細かい温度補正が可能となり、画像濃度変化等の環境変動を防止し、より安定した良好な画像を得ることができる。
なお、上記現像スリーブ14を電流制御とすることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
請求項1乃至3の発明によれば、環境変化に応じて帯電特性と転写特性とを制御することにより、画像濃度の変化、画像濃度ムラ及び地肌汚れを防いで、高品質な画像を形成することができるという優れた効果がある。
【0037】
特に、請求項2の発明によれば、低温環境下でランニングを行った場合に、現像剤担持体への電源出力を上げる制御をして現像ポテンシャルを大きくすることで、画像濃度が薄くなることを防止できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成を示す正面図。
【図2】同プリンタのプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図。
【図3】同プリンタの制御系統の概略構成図。
【図4】帯電ローラ2の芯金2aに印加する帯電印加電圧と環境(温度)との関係を示すグラフ。
【図5】転写ローラ8の芯金8aに流す転写電流と環境(温度)との関係を示すグラフ。
【図6】他の実施形態に係るプリンタの制御系統の概略構成図。
【図7】同プリンタにおいて温度変化に応じて現像バイアス制御を行うことを説明するグラフ。
【図8】変形例に係るプリンタの制御系統の概略構成図。
【図9】温度の変化で帯電ローラ抵抗値と帯電電位が変化することを説明するグラフ。
【図10】高温高湿、常温、低温低湿の3つの環境下で帯電電位が変化することを説明するグラフ。
【図11】温度の変化で転写ローラ抵抗値が変化することを説明するグラフ。
【図12】転写ローラの抵抗値で転写バイアスと転写後電位とが変化することを説明するグラフ。
【図13】転写前と転写後の感光体表面電位を説明するためのグラフ。
【図14】除電後電位と帯電電位との関係を説明するためのグラフ。
【図15】(a)、(b)は、露光後の感光体表面電位を説明するためのグラフ。
【図16】低温低湿環境下と高温高湿環境下とでランニングによりトナー帯電量が異なることを説明するためのグラフ。
【図17】低温低湿環境下で帯電したトナーと、高温高湿環境下で帯電したトナーとの、現像ポテンシャルと画像濃度の関係を説明するためのグラフ。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電ローラ
2a 帯電ローラ芯金
4 現像装置
8 転写ローラ
8a 転写ローラ芯金
11 プロセスカートリッジ
13 現像剤
13a トナー
14 現像スリーブ
14a 現像スリーブ芯金
15 マグネットローラ
17 温度検知用サーミスタ
18 コントローラ
19 パワーパック
Claims (2)
- 像担持体上での潜像形成のための一様帯電を行う、電源に接続された一様帯電のための電界用形成部材と、
像担持体上に形成されたトナー像の転写材への転写を行う、電源に接続された転写のための電界形成用部材とを備える画像形成装置において、
上記一様帯電のための電界用形成部材および上記転写のための電界形成用部材を抵抗構成がイオン導電タイプの材料を用いて構成し、
装置内部の温度を検知するための温度検知手段と、
該温度検知手段の検知結果に基づいて、常温に比べ温度が上昇したことを検知した場合に、上記転写のための電源出力電流を上げ、常温に比べ温度が低下したことを検知した場合に、上記転写のための電源出力電流を下げるように上記転写のための電源出力を制御するとともに、
上記温度検知手段が、常温に比べ温度が上昇したことを検知した場合に、上記一様帯電のための電源出力を下げ、該温度検知手段が常温に比べ温度が低下したことを検知した場合に、上記一様帯電のための電源出力を上げるように上記一様帯電のための電源出力を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
電源に接続され、像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成するための現像剤担持体を備え、
上記温度検知手段が常温に比べ温度が低下したことを検知した場合に、該現像剤担持体への電源出力を上げる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
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