JP4083632B2 - バッテリー式電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電池からなるバッテリー式電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば略箱形のバッテリーケース内に、複数の円柱状のバッテリーセルを、各バッテリーセルの中心軸が平行となるように配列した状態で抱持し、各バッテリーセルの中心軸に直交する方向に冷却空気を流通させることで、複数のバッテリーセルを冷却する電池電源の冷却装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電池電源の冷却装置においては、冷却空気の流路となる各バッテリーセル間および各バッテリーセルとバッテリーケースの内壁面との間に、各バッテリーセルの中心軸に平行な方向に伸びる冷却調整用の複数の部材(フィン)が設けられている。これらのフィンは、例えば、冷却空気の流通方向の上流側においてバッテリーセルの表面に冷却空気が直接に吹き付けられることを抑制するようにしてバッテリーセルの表面を遮蔽するフィンと、各バッテリーセルに吹き付けられる冷却空気の流速が冷却空気の流通方向の上流側から下流側に向かい漸次増大するようにして、例えば各フィンの軸方向に対する断面積を上流側から下流側に向かい漸次増大させることで各バッテリーセル間の間隔つまり冷却空気の流路の断面積を上流側から下流側に向かい漸次狭める流路絞り用のフィンとを備えて構成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−270095号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例に係る電池電源の冷却装置においては、各バッテリーセルの中心軸に直交する方向において、冷却空気の流通方向を変更したり、流速を変更するだけであって、例えばバッテリーケースに接続された吸気ダクトからバッテリーケース内に導入される冷却空気の流通方向や、例えばバッテリーケースに接続された吸気ダクトから排気ダクトに向かいバッテリーケース内を流通する冷却空気の流通方向等が、各バッテリーセルの中心軸に直交する方向と同等になっていることがいわば前提とされている。
このため、例えば各ダクトの形状や、例えばバッテリーケースに対する各ダクトの接続状態や、例えばバッテリーケース内における各バッテリーセルの配置状態等に応じて、バッテリーケース内を流通する冷却空気の流通方向が各バッテリーセルの中心軸に直交する方向からずれた場合には、複数のバッテリーセルの温度分布において不均一性が増大してしまう虞がある。特に、複数のバッテリーセルを直列に接続してセルモジュールを形成し、複数のセルモジュールを各セルモジュールの中心軸が平行となるように配列した場合には、各セルモジュールを構成する複数のバッテリーセルの温度分布、さらには、各バッテリーセルの中心軸方向の温度分布において不均一性が増大してしまう虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、複数の単電池が直列に接続されてなる電池構造体の中心軸方向の温度分布や複数の電池構造体の温度分布の均一性を向上させることが可能なバッテリー式電源装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のバッテリー式電源装置は、複数の単電池(例えば、実施の形態での単電池21)を互いの中心軸が同軸となるように直列接続してなる電池構造体(例えば、実施の形態での電池構造体22)と、前記電池構造体を着脱可能に収容するバッテリーボックス(例えば、実施の形態でのバッテリーボックス11)とを備えるバッテリー式電源装置であって、前記バッテリーボックスは、冷却媒体を前記バッテリーボックスの内部に導入する導入口(例えば、実施の形態での導入口20a)および前記冷却媒体を外部に排出する排出口(例えば、実施の形態での排出口20b)を前記中心軸の直交方向に備え、前記バッテリーボックスの内部を前記導入口から前記排出口へと向かい流通する前記冷却媒体の流通方向を、前記電池構造体の中心軸に対して所定の傾斜角度をなす傾斜方向に設定する複数の整流部材(例えば、実施の形態での整流部材32)を前記中心軸と平行な方向に備えることを特徴としている。
【0007】
上記構成のバッテリー式電源装置によれば、整流部材によって冷却媒体の流通方向が、電池構造体の中心軸に対して所定の傾斜角度をなす傾斜方向に設定されることで、例えば流通方向が電池構造体の中心軸に直交する方向に設定される場合に比べて、電池構造体の中心軸に沿った方向での冷却媒体による冷却作用を適切に制御することができ、電池構造体の中心軸に沿った方向での温度分布の均一性を向上させることができる。
すなわち、冷却媒体の流通方向が電池構造体の中心軸に対する傾斜方向に設定されることで、電池構造体の中心軸に沿った方向において局所的に冷却媒体が電池構造体に接触してしまうことを防止すると共に、例えば流通方向が電池構造体の中心軸に直交する方向に設定される場合に比べて、相対的に熱交換効率を低下させ、局所的に過剰な冷却が行われてしまうことを防止することができる。
しかも、整流部材を備えることによって、例えば導入口および排出口の形状や配置位置、さらには導入口および排出口に接続される流通管の形状や接続状態等に関わらず、バッテリーボックスの内部における冷却媒体の流通方向を所望の方向に設定することができる。
【0008】
さらに、請求項2に記載の本発明のバッテリー式電源装置では、前記バッテリーボックスは、複数の前記電池構造体を互いの中心軸が平行となるように配置しており、前記流通方向の上流側に配置された前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜方向と、前記流通方向の下流側に配置された前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜方向とが、前記電池構造体の中心軸に沿った方向に対して互いに異なる方向に向かう異方向となるように設定されてなることを特徴としている。
【0009】
上記構成のバッテリー式電源装置によれば、冷却媒体の流通方向に沿って隣り合う複数の電池構造体間において、電池構造体の中心軸に沿った方向での温度分布に過剰な差異が生じてしまうことを防止することができる。
【0010】
さらに、請求項3に記載の本発明のバッテリー式電源装置では、前記バッテリーボックスは、少なくとも3つ以上の前記電池構造体を互いの中心軸が平行となるように配置しており、任意の自然数nに対し、前記流通方向に沿ったn番目の前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜方向と、前記流通方向に沿った(n+2)番目の前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜方向とが、前記電池構造体の中心軸に沿った方向に対して互いに同じ方向に向かう同方向となるように設定されてなることを特徴としている。
【0011】
上記構成のバッテリー式電源装置によれば、冷却媒体の流通方向に沿って隣り合う複数の電池構造体間において、電池構造体の中心軸に沿った方向での温度分布に過剰な差異が生じてしまうことを防止することができる。
【0012】
さらに、請求項4に記載の本発明のバッテリー式電源装置では、前記バッテリーボックスは、複数の前記電池構造体を互いの中心軸が平行となるように配置しており、前記流通方向の下流側に配置された前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜角度が、前記流通方向の上流側に配置された前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜角度よりも大きくなるように設定されてなることを特徴としている。
【0013】
上記構成のバッテリー式電源装置によれば、冷却媒体が流通方向の上流部から下流部に向かうに従い、電池構造体の中心軸に対する傾斜角度が徐々に大きくなるように変更され、これに伴い、冷却媒体による熱交換効率が徐々に増大するようになる。
これにより、冷却媒体の流通方向の上流側において電池構造体が過剰に低温になったり、流通方向の下流側において冷却媒体の温度が過剰に高温になって冷却能力が低下してしまうことを抑制することができ、しかも、上流側の電池構造体との熱交換によって相対的に高温となった冷却媒体であっても、下流側の電池構造体に対して所望の冷却を行うことができる。
【0014】
さらに、請求項5に記載の本発明のバッテリー式電源装置は、複数の前記整流部材が前記中心軸に平行な方向に沿って所定の間隔をおいて配置され、前記流通方向の下流側に配置された前記整流部材に対する前記間隔が、前記流通方向の上流側に配置された前記整流部材に対する前記間隔よりも大きくなるように設定されてなることを特徴としている。
【0015】
上記構成のバッテリー式電源装置によれば、冷却媒体が流通方向の上流部から下流部に向かうに従い、整流部材による整流作用が弱くなることで、電池構造体の中心軸に対する冷却媒体の流通方向の傾斜角度が徐々に大きくなるように変更され、これに伴い、冷却媒体による熱交換効率が徐々に増大するようになる。
これにより、冷却媒体の流通方向の上流側において電池構造体が過剰に低温になったり、流通方向の下流側において冷却媒体の温度が過剰に高温になって冷却能力が低下してしまうことを抑制することができ、しかも、上流側の電池構造体との熱交換によって相対的に高温となった冷却媒体であっても、下流側の電池構造体に対して所望の冷却を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るバッテリー式電源装置について添付図面を参照しながら説明する。
【0017】
本実施の形態によるバッテリー式電源装置10は、例えばハイブリッド車両等の車両に搭載される蓄電装置とされ、例えば図1および図2に示すように、解体可能な箱型のバッテリーボックス11と、バッテリーボックス11内に着脱可能に設けられた複数のバッテリー保持部材12,…,12と、複数のバッテリー保持部材12,…,12によって保持される複数の電池モジュール13,…,13と、複数の電池モジュール13,…,13を電気的に直列に接続するバスバープレート14と、複数のセパレータ15,…,15とを備えて構成されている。
【0018】
バッテリーボックス11は、例えば図1に示すように、上下方向(例えば図1のZ方向)の上部および横方向(例えば図1のY方向)の一方の側部が開口した略箱型のバッテリーカバー16と、バッテリーカバー16の開口した上部を閉塞する略板状のベースプレート17と、バッテリーカバー16の開口した側部を閉塞する略板状のサイドカバー18とを備えて構成されている。
【0019】
そして、例えばバッテリーカバー16の前後方向(図1のX方向)の前部において下部側にずれた位置には、バッテリーボックス11の内部空間に外部から冷却空気を導入するための導入口20aが設けられ、バッテリーカバー16の前後方向の後部において上部側にずれた位置には、バッテリーボックス11の内部空間に導入された冷却空気を外部に排出するための排出口20bが設けられ、バッテリーボックス11の内部空間は冷却空気が流通する通路とされている。これにより、バッテリーボックス11の内部空間に導入される冷却空気は、バッテリーボックス11の内部空間で複数のバッテリー保持部材12,…,12によって保持された各電池モジュール13,…,13と熱交換を行い、各電池モジュール13,…,13を冷却する。
【0020】
電池モジュール13は、例えば図3に示すように、円柱状の複数(例えば、6個)の単電池21,…,21を互いの中心軸が同軸となるように一体に直列接続してなる電池構造体22に対し、隣り合う2つの電池構造体22,22を互いの中心軸が所定間隔をおいて平行となるように、かつ、互いの正負の極性が反転するように配置した状態で保持する保持部材23と、電池モジュール13の一方の端部おいて隣り合う2つの電池構造体22,22の正極と負極とを短絡する短絡部材24と、電池モジュール13の他方の端部において隣り合う2つの電池構造体22,22の正極および負極に接続される正極端子25aおよび負極端子25bを有するキャップ部材25と、各電池構造体22,22の外周面上の適宜の位置に配置されたサーミスタ等からなる温度センサ26,26とを備えて構成されている。
【0021】
略板状のキャップ部材25において、正極端子25aおよび負極端子25bは、例えば電池構造体22の中心軸に沿った方向にキャップ部材25の内部を貫通するようにして設けられ、電池構造体22,22の各端部に対向するキャップ部材25の裏面25A側において電池構造体22,22の正極および負極に当接すると共に、キャップ部材25の表面25B上から電池構造体22,22の各中心軸に沿った方向に突出し、バスバープレート14に具備される互いに異なるバスバー(図示略)に当接するようになっている。
これにより、先ず、電池モジュール13を構成する2つの電池構造体22,22が短絡部材24によって電気的に直列に接続され、さらに、複数の電池モジュール13,…,13がバスバープレート14によって電気的に直列に接続される。
【0022】
また、例えば図4に示すように、単電池21の外周面上で中心軸に平行な方向に沿って正極側にずれた位置には、周方向に沿って外周面上から突出する突出部21aが形成されている。そして、キャップ部材25には、裏面25A上で単電池21の突出部21aに臨む位置から電池構造体22の中心軸に平行な方向に突出し、電池構造体22の径方向内方に向かい屈曲する略鉤状の爪部25cが設けられ、この爪部25cが、正極端子25aと当接する正極を有する単電池21の突出部21aに係合するようになっている。
すなわち、キャップ部材25を隣り合う2つの電池構造体22,22の各端部に装着する際に、キャップ部材25の各正極端子25aおよび負極端子25bを、一方の電池構造体22の正極(つまり単電池21の正極)および他方の電池構造体22の負極(つまり単電池21の負極)に対向するように配置した状態で、キャップ部材25を電池構造体22,22の各中心軸に平行な方向に沿って電池構造体22,22の各端部に近接するように移動させると、先ず、キャップ部材25の爪部25cが一方の電池構造体22の端部に配置された単電池21の突出部21aに当接する。
【0023】
さらに、キャップ部材25を電池構造体22,22の各中心軸に平行な方向に沿って移動させると、略鉤状の爪部25cが単電池21の突出部21aを乗り越えるようにして単電池21の負極側に向かい移動し、キャップ部材25の各正極端子25aおよび負極端子25bが電池構造体22,22の各正極および負極に当接した状態で固定される。
このため、キャップ部材25の各正極端子25aおよび負極端子25bが、一方の電池構造体22の正極(つまり単電池21の正極)および他方の電池構造体22の負極(つまり単電池21の負極)に対向していない状態、例えばキャップ部材25の正極端子25aと他方の電池構造体22の負極が対向配置される状態では、キャップ部材25を電池構造体22,22に対して装着および固定することができないようになっている。
【0024】
また、電池構造体22の外周面上の適宜の位置には、例えばサーミスタ等からなる温度センサ26が配置され、隣り合う2つの電池構造体22,22に具備される各温度センサ26,26の各検出信号を伝達する各検出線26a,26aに接続される各検出端子25d,25dが、キャップ部材25の表面25B上で中心位置に対して点非対称となる位置から、電池構造体22,22の各中心軸に平行な方向に正極端子25aおよび負極端子25bよりも突出するように設けられている。そして、バスバープレート14には、キャップ部材25の各検出端子25d,25dを装着可能な各嵌合孔(図示略)がバスバー(図示略)の配置に応じた所定位置に形成されている。
すなわち、電池モジュール13とバスバープレート14とが当接する際には、先ず、バスバープレート14の所定位置に設けられた2つの嵌合孔にキャップ部材25の表面25B上から突出する2つの検出端子25d,25dが装着され、次に、電池モジュール13の正極および負極、つまりキャップ部材25の正極端子25aおよび負極端子25bが各バスバーに当接するようになっている。これにより、バスバープレート14の適宜のバスバーに対して、例えば、正極端子25aと負極端子25bとが入れ替わって当接してしまうことがないように設定されている。
【0025】
さらに、キャップ部材25の表面25B上で中心位置からずれた適宜の位置には、電池構造体22,22の各中心軸に平行な方向に正極端子25aおよび負極端子25bよりも突出する突出部25eが設けられ、バスバープレート14には、キャップ部材25の突出部25eを装着可能な嵌合凹部(図示略)がバスバー(図示略)の配置に応じた所定位置に形成されている。
すなわち、電池モジュール13とバスバープレート14とが当接する際には、先ず、バスバープレート14の所定位置に設けられた嵌合凹部にキャップ部材25の表面25B上から突出する突出部25eが装着され、次に、電池モジュール13の正極および負極、つまりキャップ部材25の正極端子25aおよび負極端子25bが各バスバーに当接するようになっている。これにより、バスバープレート14の適宜のバスバーに対して、例えば、正極端子25aと負極端子25bとが入れ替わって当接してしまうことがないように設定されている。
【0026】
バッテリーボックス11内に配置されたバッテリー保持部材12,…,12は、例えば図1および図2に示すように、円柱状の複数の電池構造体22,…,22の各中心軸Pがバッテリーボックス11の前後方向(例えば図1のX方向)と直交する横方向(例えば図1に示すY方向)に対して平行となるように、かつ、この横方向に対する断面(例えば図1に示すZ−X平面)において各中心軸Pが所定格子配列の格子点位置に配置されるようにして、複数の電池モジュール13,…,13を保持する。
【0027】
例えば、図2に示すように、複数(例えば、7個)の電池モジュール13,…,13は、後述する第1のセパレータ15aを介してバッテリーカバー16の底部に配置された第1のバッテリー保持部材12aと、この第1のバッテリー保持部材12aの上方の位置に配置された第2のバッテリー保持部材12bとによって、バッテリーボックス11の上下方向(例えば図2のZ方向)に沿った両側から挟み込まれるようにして保持されている。ここで、各電池モジュール13は、各電池モジュール13を構成する2つの電池構造体22,22がバッテリーボックス11の上下方向に沿って隣り合うように、かつ、バッテリーボックス11の前後方向(例えば図2のX方向)で電池モジュール13,13の正極同士あるいは負極同士が隣り合うことがないように、つまり隣り合う電池モジュール13,13の正極と負極とが隣り合うように配置されている。
ここで、各電池モジュール13を構成する2つの電池構造体22,22の間には、後述する第2のセパレータ15bが装着され、この第2のセパレータ15bは各電池モジュール13と一体に形成されている。
【0028】
さらに、複数(例えば、3個)の電池モジュール13,13,13は、後述する第3のセパレータ15cを介して第2のバッテリー保持部材12bに載置されるようにして第2のバッテリー保持部材12bの上方の位置に配置された第3のバッテリー保持部材12cと、この第3のバッテリー保持部材12cの上方の位置に配置された第4のバッテリー保持部材12dとによって、バッテリーボックス11の上下方向に沿った両側から挟み込まれるようにして保持されている。
ここで、各電池モジュール13は、各電池モジュール13を構成する2つの電池構造体22,22がバッテリーボックス11の前後方向に沿って隣り合うように、かつ、前後方向および上下方向で隣り合う電池構造体22,22の正極同士あるいは負極同士が隣り合うことがないように、つまり隣り合う電池構造体22,22の正極と負極とが隣り合うように配置されている。そして、第4のバッテリー保持部材12dに載置されるようにして第4のバッテリー保持部材12dの上方の位置に、後述する第4のセパレータ15dが配置されている。
【0029】
第1〜第4のセパレータ15a,15b,15c,15dをなす略板状のセパレータ15は、バッテリーボックス11内にて冷却空気を流通させるための複数の流通孔31,…,31を備え、さらに、セパレータ本体に設けられた各流通孔31の内周面31A上からセパレータ本体に滑らかに連なるようにして、各流通孔31の内方に向かう方向であって電池構造体22の中心軸Pに対して所定の傾斜角度θをなす傾斜方向に向かい突出する整流部材32を備えて構成されている。
複数の流通孔31,…,31は、例えば図5に示すように、板状のセパレータ本体をバッテリーボックス11の上下方向(例えば図5のZ方向)に貫通し、中心軸Pに平行な方向において開口幅Rを有する貫通孔であって、電池構造体22の外周面に臨むようにして、かつ、電池構造体22の中心軸Pに平行な方向(例えば図5のY方向)に沿って所定間隔Lをおいて設けられている。
【0030】
そして、冷却空気の流通方向の上流側に配置された第1のセパレータ15aにおいて、整流部材32は、電池構造体22の中心軸Pが一方の端部に向かう方向、例えばバスバープレート14が配置されるバッテリーボックス11の一方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q1に向かいセパレータ本体から突出している。
そして、冷却空気の流通方向にて第1のセパレータ15aの下流側に配置された第2のセパレータ15bにおいて、整流部材32は、電池構造体22の中心軸Pが他方の端部に向かう方向、例えばバッテリーボックス11の他方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q2に向かいセパレータ本体から突出している。
すなわち、第1のセパレータ15aの整流部材32と第2のセパレータ15bの整流部材32とは、冷却空気の流通方向の上流側に配置された電池構造体22に対する傾斜方向Q1と、下流側に配置された電池構造体22に対する傾斜方向Q2とが、電池構造体22の中心軸Pに沿った方向に対して互いに異なる方向に向かう異方向となるように配置されている。
そして、冷却空気の流通方向にて第2のセパレータ15bの下流側に配置された第3のセパレータ15cにおいて、整流部材32は、第2のセパレータ15bの整流部材32と同じ方向、つまり電池構造体22の中心軸Pが他方の端部に向かう方向に対して所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q2に向かいセパレータ本体から突出している。
さらに、冷却空気の流通方向にて第3のセパレータ15cの下流側に配置された第4のセパレータ15dにおいて、整流部材32は、第3のセパレータ15cの整流部材32と同じ方向、つまり電池構造体22の中心軸Pが他方の端部に向かう方向に対して所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q2に向かいセパレータ本体から突出している。
【0031】
本実施の形態によるバッテリー式電源装置10は上記構成を備えており、次に、このバッテリー式電源装置10のバッテリーボックス11内に冷却空気を流通させ、各電池モジュール13,…,13を冷却する動作について説明する。
【0032】
例えば車両に搭載されるバッテリー式電源装置10においては、車室内空気が冷却空気としてバッテリーカバー16の導入口20aからバッテリーボックス11内に導入される。
導入口20aから導入された冷却空気は、導入口20aから排出口20bに向かい、先ず、各電池構造体22の中心軸Pに直交すると共にバッテリーボックス11の略上下方向に沿って下方から上方に向かって流通する。そして、冷却空気がセパレータ15の複数の流通孔31,…,31を通過する際に、冷却空気の流通方向は、各流通孔31に設けられた整流部材32によって、電池構造体22の中心軸Pに対して所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q1または傾斜方向Q2に変更される。
【0033】
導入口20aから導入された冷却空気の流通方向は、例えば図5に示すように、先ず、第1のセパレータ15aの整流部材32によって、例えばバスバープレート14が配置されるバッテリーボックス11の一方の側部に向かって電池構造体22の中心軸Pが伸びる方向に対して、所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q1になるように設定される。
そして、冷却空気は、各電池モジュール13においてバッテリーボックス11の上下方向(例えば図5のZ方向)に沿って隣り合う2つの電池構造体22,22のうち、先ず、下部側の電池構造体22の外周面に吹き付けられ、さらに、バッテリーボックス11の前後方向(例えば図1のX方向)に沿って隣り合うように配置された2つの電池構造体22,22の間を流通してバッテリーボックス11の下部側から上部側へと流通する過程において、各電池構造体22と熱交換を行う。この結果、各電池構造体22は冷却され、冷却空気は加熱されて若干温度が上昇する。
【0034】
次に、流通方向が傾斜方向Q1とされた冷却空気は、第2のセパレータ15bの複数の流通孔31,…,31を通過する際に、整流部材32によって、流通方向が、例えばバッテリーボックス11の他方の側部に向かって電池構造体22の中心軸Pが伸びる方向に対して所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q2になるように変更される。
そして、冷却空気は、各電池モジュール13においてバッテリーボックス11の上下方向(例えば図5のZ方向)に沿って隣り合う2つの電池構造体22,22のうち、上部側の電池構造体22の外周面に吹き付けられ、さらに、バッテリーボックス11の前後方向(例えば図1のX方向)に沿って隣り合うように配置された2つの電池構造体22,22の間を流通してバッテリーボックス11の下部側から上部側へと流通する過程において、各電池構造体22と熱交換を行う。この結果、各電池構造体22は冷却され、冷却空気は加熱されて、さらに温度が上昇する。
【0035】
次に、流通方向が傾斜方向Q2とされた冷却空気は、第3のセパレータ15cの複数の流通孔31,…,31を通過する際に、例えば、整流部材32によって、流通方向が傾斜方向Q2になるように整流される。
そして、冷却空気は、各電池モジュール13においてバッテリーボックス11の前後方向(例えば図1のX方向)に沿って隣り合う2つの電池構造体22,22の間を流通してバッテリーボックス11の下部側から上部側へと流通する過程において、各電池構造体22と熱交換を行う。この結果、各電池構造体22は冷却され、冷却空気は加熱されて、さらに温度が上昇した状態で、第4のセパレータ15dの複数の流通孔31,…,31を通過する際に、例えば、整流部材32によって、流通方向が傾斜方向Q2になるように整流され、排出口20bから外部に排出される。
【0036】
上述したように、本実施の形態によるバッテリー式電源装置10によれば、複数の電池構造体22,…,22の温度分布に不均一が生じてしまうことを抑制することができる。
すなわち、冷却空気の流通方向が電池構造体22の中心軸Pに対して所定の傾斜角度θをなす傾斜方向に設定されることで、例えば流通方向が電池構造体22の中心軸Pに直交する方向に設定される場合に比べて、電池構造体22の中心軸に沿った方向での温度分布に不均一が生じてしまうことを抑制することができ、しかも、冷却空気と電池構造体22との間の熱交換効率を相対的に低下させ、例えば冷却空気の流通方向の上流側において電池構造体22が過剰に低温になったり、流通方向の下流側において冷却空気の温度が過剰に高温になって冷却能力が低下してしまうことを防止することができる。
【0037】
なお、上述した本実施形態において、整流部材32は、各流通孔31の開口部31aから流通孔31の内方に向かう方向であって電池構造体22の中心軸Pに対して所定の傾斜角度θをなす傾斜方向に向かい突出するとしたが、これに限定されず、例えば図6に示す本実施形態の第1変形例に係るバッテリー式電源装置10のように、整流部材32が、各流通孔31の開口部下端31aからセパレータ本体に滑らかに連なるようにして流通孔31の外方に向かう方向であって電池構造体22の中心軸Pに対して所定の傾斜角度θをなす傾斜方向に向かい突出してもよい。
【0038】
なお、上述した本実施形態においては、第1のセパレータ15aの整流部材32が傾斜方向Q1に向かいセパレータ本体から突出し、第2〜第4のセパレータ15b,15c,15dの各整流部材32が、傾斜方向Q1と異なる方向、つまり傾斜方向Q2に向かいセパレータ本体から突出するとしたが、これに限定されず、例えば図7に示す本実施形態の第2変形例に係るバッテリー式電源装置10のように、バッテリーボックス11の上下方向に沿って隣り合う各セパレータ15の整流部材32が、互いに異なる方向に向かいセパレータ本体から突出するように設定してもよい。
【0039】
すなわち、図7に示す本実施形態の第2変形例に係るバッテリー式電源装置10においては、バッテリーボックス11の上下方向に沿って複数の段状(例えば、3段状)に複数の電池構造体22,…,22が配列され、例えば上下方向の下方から上方に向かい、順次、第1のセパレータ15aと、第1段の複数の電池モジュール13,…,13と、第2のセパレータ15bと、第2段の複数の電池モジュール13,…,13と、第3のセパレータ15cと、第3段の複数の電池モジュール13,…,13と、第4のセパレータ15dとが配列されている。
【0040】
そして、冷却空気の流通方向の上流側に配置された第1のセパレータ15aにおいて、整流部材32は、電池構造体22の中心軸Pが一方の端部に向かう方向、例えばバスバープレート14が配置されるバッテリーボックス11の一方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q1に向かいセパレータ本体から突出している。
また、冷却空気の流通方向にて第1のセパレータ15aの下流側に配置された第2のセパレータ15bにおいて、整流部材32は、電池構造体22の中心軸Pが他方の端部に向かう方向、例えばバッテリーボックス11の他方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q2に向かいセパレータ本体から突出している。
さらに、冷却空気の流通方向にて第2のセパレータ15bの下流側に配置された第3のセパレータ15cにおいて、整流部材32は、第1のセパレータ15aの整流部材32と同様にして、傾斜方向Q1に向かいセパレータ本体から突出している。
さらに、冷却空気の流通方向にて第3のセパレータ15cの下流側に配置された第4のセパレータ15dにおいて、整流部材32は、第2のセパレータ15bの整流部材32と同様にして、傾斜方向Q2に向かいセパレータ本体から突出している。
【0041】
すなわち、冷却空気の流通方向に沿って隣り合う上流側のセパレータ15および下流側のセパレータ15の各整流部材32(つまり、上流側の第1のセパレータ15aの整流部材32と下流側の第2のセパレータ15bの整流部材32、および、上流側の第2のセパレータ15bの整流部材32と下流側の第3のセパレータ15cの整流部材32、および、上流側の第3のセパレータ15cの整流部材32と下流側の第4のセパレータ15dの整流部材32)は、冷却空気の流通方向の上流側に配置された電池構造体22に対する傾斜方向と、下流側に配置された電池構造体22に対する傾斜方向とが、電池構造体22の中心軸Pに沿った方向に対して互いに異なる方向に向かう異方向となるように配置されている。
さらに、冷却空気の流通方向に沿って配置された複数のセパレータ15,…,15において、任意の自然数nに対し、冷却空気の流通方向に沿ったn番目のセパレータ15の整流部材32と(n+2)番目のセパレータ15の整流部材32(つまり、第1のセパレータ15aの整流部材32と第3のセパレータ15cの整流部材32、および、第2のセパレータ15bの整流部材32と第4のセパレータ15dの整流部材32)とは、電池構造体22の中心軸Pに沿った方向に対して互いに同じ方向に向かう同方向となるように配置されている。
【0042】
この本実施形態の第2変形例に係るバッテリー式電源装置10によれば、バッテリーボックス11の上下方向に沿って複数の段状(例えば、3段状)に配列された電池構造体22,…,22に対して、各段の電池構造体22毎に冷却空気の流通方向が電池構造体22の中心軸Pに沿った反対側に向かう方向となるように交互に変更されることで、バッテリーボックス11の上下方向に沿って隣り合う電池構造体22,22間において温度分布に不均一が生じてしまうことを、より一層、抑制することができる。
【0043】
また、上述した本実施形態において、セパレータ15は、電池構造体22の中心軸に平行な方向に沿って所定間隔Lをおいて設けられた複数の流通孔31,…,31を備えるとしたが、これに限定されず、例えば図8に示す本実施形態の第3変形例に係るバッテリー式電源装置10のセパレータ15(例えば、第1〜第4のセパレータ15a,15b,15c,15d)のように、冷却空気の流通方向の下流側に配置されたセパレータ15の流通孔31の大きさが、上流側に配置されたセパレータ15の流通孔31よりも大きくなるように設定し、さらに、下流側に配置されたセパレータ15に対する所定間隔Lが、上流側に配置されたセパレータ15に対する所定間隔Lよりも大きくなるように設定してもよい。
【0044】
すなわち、図8に示す本実施形態の第3変形例に係るバッテリー式電源装置10においては、バッテリーボックス11の上下方向に沿って複数の段状(例えば、3段状)に複数の電池モジュール13,…,13が配列され、例えば上下方向の下方から上方に向かい、順次、第1のセパレータ15aと、第1段の複数の電池モジュール13,…,13と、第2のセパレータ15bと、第2段の複数の電池モジュール13,…,13と、第3のセパレータ15cと、第3段の複数の電池モジュール13,…,13と、第4のセパレータ15dとが配列されている。
【0045】
そして、冷却空気の流通方向の上流側に配置された第4のセパレータ15dにおいて、例えば中心軸Pに平行な方向において開口幅R1を有するの複数の流通孔31a,…,31aは、電池構造体22の中心軸Pに平行な方向(例えば図8のY方向)に沿って所定間隔L1をおいて設けられている。
また、冷却空気の流通方向にて第1のセパレータ15aの下流側に配置された第2のセパレータ15bにおいて、例えば中心軸Pに平行な方向において開口幅R2(R2>R1)を有する複数の流通孔31b,…,31bは、電池構造体22の中心軸Pに平行な方向に沿って所定間隔L2(L2>L1)をおいて設けられている。
さらに、冷却空気の流通方向において第2のセパレータ15bの下流側に配置された第3のセパレータ15cにおいて、例えば中心軸Pに平行な方向において開口幅R3(R3>R2)を有する複数の流通孔31c,…,31cは、電池構造体22の中心軸Pに平行な方向に沿って所定間隔L3(L3>L2)をおいて設けられている。
さらに、冷却空気の流通方向において第3のセパレータ15cの下流側に配置された第4のセパレータ15dにおいて、例えば中心軸Pに平行な方向において開口幅R4(R4>R3)を有する複数の流通孔31d,…,31dは、電池構造体22の中心軸Pに平行な方向に沿って所定間隔L4(L4>L3)をおいて設けられている。
なお、各セパレータ15a,15b,15c,15dの整流部材32は、電池構造体22の中心軸Pが一方の端部に向かう方向、例えばバスバープレート14が配置されるバッテリーボックス11の一方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θをなす傾斜方向Q1に向かいセパレータ本体から突出している。
【0046】
この本実施形態の第3変形例に係るバッテリー式電源装置10によれば、冷却空気の流通方向に沿って上流側から下流側に向かい、セパレータ15に具備される複数の整流部材32,…,32の数が減少することで、冷却空気の流通方向に対する複数の整流部材32,…,32の整流作用が低下する。
これにより、例えば図8に示すように、冷却空気の流通方向の上流側に配置された第1のセパレータ15aの流通孔31aを通過した冷却空気の流通方向が、電池構造体22の中心軸Pに対して所定の傾斜角度θ1をなす方向に設定されるのに対して、冷却空気の流通方向にて第1のセパレータ15aの下流側に配置された第2のセパレータ15bの流通孔31bを通過した冷却空気の流通方向は、電池構造体22の中心軸Pに対して所定の傾斜角度θ2(θ2>θ1)をなす方向に設定される。さらに、冷却空気の流通方向にて第2のセパレータ15bの下流側に配置された第3のセパレータ15cの流通孔31cを通過した冷却空気の流通方向は、電池構造体22の中心軸Pに対して所定の傾斜角度θ3(θ3>θ2)をなす方向に設定される。
【0047】
ここで、電池構造体22の中心軸Pに対し、冷却空気の流通方向の傾斜角度が小さくなるほど、電池構造体22に対する冷却空気の冷却効率が低下することから、例えば冷却空気の流通方向の上流側において電池構造体22が過剰に低温になったり、例えば流通方向の下流側において冷却空気の温度が過剰に高温になって冷却能力が低下してしまうことを防止し、バッテリーボックス11の上下方向に沿って隣り合う電池構造体22,22間において温度分布に不均一が生じてしまうことを、より一層、抑制することができる。
【0048】
また、上述した本実施形態の第3変形例においては、冷却空気の流通方向の上流側に配置されたセパレータ15と、下流側に配置されたセパレータ15とに対して、流通孔31の大きさと、隣り合う流通孔31,31間の間隔を変更するとしたが、これに限定されず、例えば図9に示す本実施形態の第4変形例に係るバッテリー式電源装置10のセパレータ15(例えば、第1〜第4のセパレータ15a,15b,15c,15d)のように、電池構造体22の中心軸Pに対する整流部材32の傾斜方向を各セパレータ15a,15b,15c,15d毎に変更してもよい。
【0049】
すなわち、図9に示す本実施形態の第4変形例に係るバッテリー式電源装置10において、各セパレータ15a,15b,15c,15dには、例えば開口幅Rの複数の流通孔31,…,31が、電池構造体22の中心軸Pに平行な方向(例えば図9のY方向)に沿って所定間隔Lをおいて設けられている。
そして、冷却空気の流通方向の上流側に配置された第1のセパレータ15aにおいて、整流部材32aは、電池構造体22の中心軸Pが一方の端部に向かう方向、例えばバスバープレート14が配置されるバッテリーボックス11の一方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θ1をなす傾斜方向Qaに向かいセパレータ本体から突出している。
また、冷却空気の流通方向にて第1のセパレータ15aの下流側に配置された第2のセパレータ15bにおいて、整流部材32bは、電池構造体22の中心軸Pが一方の端部に向かう方向、例えばバスバープレート14が配置されるバッテリーボックス11の一方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θ2(θ2>θ1)をなす傾斜方向Qbに向かいセパレータ本体から突出している。
さらに、冷却空気の流通方向において第2のセパレータ15bの下流側に配置された第3のセパレータ15cにおいて、整流部材32cは、電池構造体22の中心軸Pが一方の端部に向かう方向、例えばバスバープレート14が配置されるバッテリーボックス11の一方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θ3(θ3>θ2)をなす傾斜方向Qcに向かいセパレータ本体から突出している。
さらに、冷却空気の流通方向において第3のセパレータ15cの下流側に配置された第4のセパレータ15dにおいて、整流部材32dは、電池構造体22の中心軸Pが一方の端部に向かう方向、例えばバスバープレート14が配置されるバッテリーボックス11の一方の側部に向かう方向に対して、所定の傾斜角度θ4(θ4>θ3)をなす傾斜方向Qdに向かいセパレータ本体から突出している。
【0050】
この本実施形態の第4変形例に係るバッテリー式電源装置10によれば、冷却空気の流通方向に沿って上流側から下流側に向かい、順次、電池構造体22の中心軸Pに対する整流部材32a,32b,32c,32dの傾斜角度が大きくなるように設定されることで、電池構造体22に対する冷却空気の冷却効率が増大する。
これにより、例えば冷却空気の流通方向の上流側において電池構造体22が過剰に低温になったり、例えば流通方向の下流側において冷却空気の温度が過剰に高温になって冷却能力が低下してしまうことを防止し、バッテリーボックス11の上下方向に沿って隣り合う電池構造体22,22間において温度分布に不均一が生じてしまうことを抑制することができる。
【0051】
なお、上述した本実施形態においては、最も下流側に配置された第4のセパレータ15dにおいて整流部材32を省略してもよい。
【0052】
なお、上述した本実施形態においては、各電池モジュール13を構成する2つの電池構造体22,22がバッテリーボックス11の上下方向(例えば図1のZ方向)に沿って隣り合うように配置された複数(例えば、7個)の電池モジュール13,…,13と、各電池モジュール13を構成する2つの電池構造体22,22がバッテリーボックス11の前後方向(例えば図1のX方向)に沿って隣り合うように配置された複数(例えば、3個)の電池モジュール13,13,13とを、バッテリーボックス11内の上下方向に沿って配置したが、これに限定されず、例えば各電池モジュール13を構成する2つの電池構造体22,22がバッテリーボックス11の前後方向(例えば図1のX方向)に沿って隣り合うように配置された複数の電池モジュール13,…,13のみをバッテリーボックス11内の上下方向に沿って配置してもよいし、例えば各電池モジュール13を構成する2つの電池構造体22,22がバッテリーボックス11の上下方向(例えば図1のZ方向)に沿って隣り合うように配置された複数の電池モジュール13,…,13のみをバッテリーボックス11内の上下方向に沿って配置してもよい。
【0053】
また、上述した本実施形態においては、バッテリーボックス11の横方向に対する断面(例えば図1に示すZ−X平面)において複数の電池構造体22,…,22の各中心軸Pが所定格子配列の格子点位置に配置されるように設定するとしたが、これに限定されず、適宜の位置に配置してもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明のバッテリー式電源装置によれば、例えば流通方向が電池構造体の中心軸に直交する方向に設定される場合に比べて、電池構造体の中心軸に沿った方向での冷却媒体による冷却作用を制御することができ、電池構造体の中心軸に沿った方向での温度分布の均一性を向上させることができる。しかも、整流部材を備えることによって、例えば導入口および排出口の形状や配置位置、さらには導入口および排出口に接続される流通管の形状や接続状態等に関わらず、バッテリーボックスの内部における冷却媒体の流通方向を所望の方向に設定することができる。
【0055】
さらに、請求項2または請求項3に記載の本発明のバッテリー式電源装置によれば、冷却媒体の流通方向に沿って隣り合う複数の電池構造体間において、電池構造体の中心軸に沿った方向での温度分布に過剰な差異が生じてしまうことを防止することができる。
【0056】
さらに、請求項4または請求項5に記載の本発明のバッテリー式電源装置によれば、冷却媒体の流通方向の上流側において電池構造体が過剰に低温になったり、流通方向の下流側において冷却媒体の温度が過剰に高温になって冷却能力が低下してしまうことを抑制することができ、しかも、上流側の電池構造体との熱交換によって相対的に高温となった冷却媒体であっても、下流側の電池構造体に対して所望の冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るバッテリー式電源装置の要部分解斜視図である。
【図2】 図1に示すバッテリー式電源装置のバッテリーボックスの内部を示す斜視図である。
【図3】 図1に示すバッテリー式電源装置の電池モジュールの側面図である。
【図4】 図3に示す電池モジュールの要部斜視図である。
【図5】 図1に示すバッテリー式電源装置のバッテリーボックスの内部の前後方向に対する断面図である。
【図6】 本実施形態の第1変形例に係るバッテリー式電源装置のバッテリーボックスの内部の前後方向に対する断面図である。
【図7】 本実施形態の第2変形例に係るバッテリー保持部材を示す断面図である。
【図8】 本実施形態の第3変形例に係るバッテリー保持部材を示す断面図である。
【図9】 本実施形態の第4変形例に係るバッテリー保持部材を示す断面図である。
【符号の説明】
10 バッテリー式電源装置
11 バッテリーボックス
20a 導入口
20b 排出口
21 単電池
22 電池構造体
32 整流部材
Claims (5)
- 複数の単電池を互いの中心軸が同軸となるように直列接続してなる電池構造体と、前記電池構造体を着脱可能に収容するバッテリーボックスとを備えるバッテリー式電源装置であって、
前記バッテリーボックスは、冷却媒体を前記バッテリーボックスの内部に導入する導入口および前記冷却媒体を外部に排出する排出口を前記中心軸の直交方向に備え、
前記バッテリーボックスの内部を前記導入口から前記排出口へと向かい流通する前記冷却媒体の流通方向を、前記電池構造体の中心軸に対して所定の傾斜角度をなす傾斜方向に設定する複数の整流部材を前記中心軸と平行な方向に備えることを特徴とするバッテリー式電源装置。 - 前記バッテリーボックスは、複数の前記電池構造体を互いの中心軸が平行となるように配置しており、
前記流通方向の上流側に配置された前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜方向と、前記流通方向の下流側に配置された前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜方向とが、前記電池構造体の中心軸に沿った方向に対して互いに異なる方向に向かう異方向となるように設定されてなることを特徴とする請求項1に記載のバッテリー式電源装置。 - 前記バッテリーボックスは、少なくとも3つ以上の前記電池構造体を互いの中心軸が平行となるように配置しており、
任意の自然数nに対し、前記流通方向に沿ったn番目の前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜方向と、前記流通方向に沿った(n+2)番目の前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜方向とが、前記電池構造体の中心軸に沿った方向に対して互いに同じ方向に向かう同方向となるように設定されてなることを特徴とする請求項1に記載のバッテリー式電源装置。 - 前記バッテリーボックスは、複数の前記電池構造体を互いの中心軸が平行となるように配置しており、
前記流通方向の下流側に配置された前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜角度が、前記流通方向の上流側に配置された前記整流部材の前記電池構造体に対する前記傾斜角度よりも大きくなるように設定されてなることを特徴とする請求項1に記載のバッテリー式電源装置。 - 複数の前記整流部材が前記中心軸に平行な方向に沿って所定の間隔をおいて配置され、
前記流通方向の下流側に配置された前記整流部材に対する前記間隔が、前記流通方向の上流側に配置された前記整流部材に対する前記間隔よりも大きくなるように設定されてなることを特徴とする請求項1に記載のバッテリー式電源装置。
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