JP4083619B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュマチック方式のストロボを有する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にディジタルカメラ等の撮像装置においては、CCD撮像素子、CDS回路、プロセス回路、γ補正回路、CPU、メモリ、タイミング発生回路等が設けられている。CCD撮像素子からの出力信号は、CDS回路でノイズの除去、波形整形、欠陥画素の補間等が行われ、プロセス回路でゲイン補正、ブラックバランス、ホワイトバランス等が施され、さらにγ補正回路ではγ補正の処理が行われる。そして、CPUは、メモリからの制御信号に応じてタイミング発生回路を動作させ、CCD撮像素子を駆動させるとともに、電子シャッタのトリガ信号に基づいてストロボを発光させる(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、デジタルカメラ等の撮像装置に使用されるストロボの方式には、大きく分けて、フラッシュマチック方式とオートストロボ方式がある。
【0004】
フラッシュマチック方式は、オートフォーカス用の外部測距素子からの出力信号等、被写体までの距離情報を入力とし、オープンループ制御で発光を行う方式である。
【0005】
オートストロボ方式は、被写体で反射したストロボ光を専用の受光センサで受光し、その受光信号が所定レベル以上になると発光を止めるクローズドループ制御の方式である。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−270951号公報(第3頁、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記2つのストロボ方式のうち、フラッシュマチック方式は、オートストロボ方式に必要な受光センサ部が不要で、その分、回路規模を小さくすることができるという利点がある。
【0008】
しかし、フラッシュマチック方式は、発光時間を制御するためにIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の高価な電子部品が必要である。このような発光時間制御はオートストロボ方式にも必要である。
【0009】
本発明の課題は、フラッシュマチック方式のストロボを搭載した安価な撮像装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の特徴部分は、ストロボ自体の発光時間制御は行わないようにして、IGBTのような高価な電子部品を使用せずに、安価な撮像装置を実現することである。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の発明は、電子シャッタ機能を有する固体撮像素子と、被写体までの距離を計測する外部測距素子と、前記外部測距素子からの計測結果に基づいて発光制御されるフラッシュマチック方式のストロボと、前記固体撮像素子およびストロボを制御する制御手段とを備えた撮像装置であって、前記制御手段は、被写体条件によらず前記ストロボから常に一定光量を発光させるとともに、露光量を電子シャッタパルス数の増減によって制御することを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、ストロボからは常に一定光量を発光させるようにして、ストロボ自体の発光時間制御は行われない。そのため、IGBTのような高価な電子部品は不要である。そして、露光量は電子シャッタパルス数の増減によって制御される。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記制御手段は、一定光量を発光させる際に、前記ストロボにフル発光させることを特徴としている。このようにすれば、充分な発光量を得ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記制御手段は、前記露光量制御を近接撮影時に行うことを特徴としている。
【0015】
ストロボの発光強度曲線は急峻に立ち上がるため、従来、近接撮影では制御が難しかったが、電子シャッタパルス数の増減によって露光量を制御するようにすれば、発光強度曲線の急峻な部分を避けて、なだらかに下がる部分を利用できるため、近接撮影が容易となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1において、前記制御手段は、撮像装置本体に内蔵された電池の残存量が少ないときは、前記露光量制御の実行を回避することを特徴としている。
【0017】
ストロボが常にフル発光を行っていると、近距離の被写体で少ない光量で十分な場合には、余分に電力を消費してしまうことになる。デジタルカメラ等では電池駆動が一般的であり、電池は少しでも長持ちさせる必要がある。そのため、撮像装置本体に内蔵された電池の残存量が少ないときは、請求項1に記載した露光量制御の実行を回避する、つまり前記露光量制御を実行しない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る撮像装置の一例としてディジタルカメラの概略構成を示している。図1に示すように、本ディジタルカメラ1は、撮像レンズ2、シャッタ機構3、固体撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Device)4、F/E(Front End)部5、DSP(Digital Signal Processor)部6、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)7、水晶発振子8Aを有するTG(Timing Generator)部8、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)9、LCD(Liquid Crystal Display)10、FM(フラッシュマチック)式ストロボ11、外部測距素子12、およびEEPROM(Electrically Erasablie and Programmable Read Only Memory)13を備えている。
【0019】
F/E部5の内部には、CDS(Corelated Double Sampling)回路14、AGC(Automatic Gain Control)回路15、ADC(Analog to Digital Coverter)16が設けられている。DSP部6はJPEG(Joint Photographic Experts Group)処理の機能を有し、内部にビデオDAC(Video Digital to Analog Coverter)17が設けられている。CPU7にはAD(Digital to Analog)ポート18が設けられている。また、ディジタルカメラ1にはメモリカード19が着脱自在に設けられている。さらにCPU7には、ディジタルカメラ1内蔵のバッテリの電圧残存量を検知する電圧センサ20が接続されている。
【0020】
CCD5は被写体像を受光して、その受光データをアナログ信号として出力し、F/E部5はCCD4からのアナログ信号を取り込んで信号処理を行う。CDS回路15は相関二重サンプリング回路の構成とされ、ノイズの除去、波形整形、欠陥画素の補間等を行う。また、AGC回路15はCDS回路15から信号を取り込んで増幅し、ADC16はその増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0021】
DSP部6は、AF(自動焦点)、AE(自動露出)、ホワイトバランス等の評価値を生成する。また、DSP部6はTG部18を介してCCD4にHD信号(水平同期信号)およびVD信号(垂直同期信号)を出力する。
【0022】
CPU7は、DSP部6から評価値を取り込んで、AF、AE、ホワイトバランス等の各演算を行う機能と、F/E部5、DSP部6、その他に対してパラメータを設定する機能と、撮影者からの操作を処理する機能とを有する。
【0023】
TG部8は駆動パルスを発生し、その駆動パルスをCCD4、F/E部5、およびDSP部6に出力し、カメラ全体のシステムの同期を取っている。SDRAM9には、CCD4から出力されF/E部5のADC16でアナログ−ディジタル変換されたRawデータ(生データ)や、信号処理されたデータが書き込まれる。
【0024】
LCD10にはモニタリングや再生の画像と各種情報が表示され、またEEPROM13には調整値等のデータが保存される。AF用の外部測距素子12は被写体との距離を計測し、その計測信号はADポート18でアナログ−ディジタル変換されて、CPU7に取り込まれる。
【0025】
上記構成において、CCD4から出力されたアナログ信号は、F/E部5で信号処理され、DSP部6を経由して、CCD4の配列のままSDRAM9に格納される。通常の静止画処理の場合、DSP部6はSDRAM9からCCDデータを読み出して輝度信号と色信号を生成し、さらにJPEG処理を行って、その処理データをメモリカード19に記録する。また、CCD4のRawデータから表示用RGBまたはYUVに変換されたデータの場合、DSP部6はそのデータを内部のビデオDAC17からLCD10に出力し、LCD10上に表示する。
【0026】
被写体距離等を表示させる場合は、CPU7からDSP部6経由でSDRAM9に描画しておき、DSP部6で映像信号に重畳する。
【0027】
AFは、外部測距素子12からアナログで出力される1/L(被写体までの距離の逆数)をCPU7のADポート18で受け、CPU7は被写体までの距離に応じて光学系(撮像レンズ2およびシャッタ機構3)を駆動する。
【0028】
次に、本発明の撮像装置の動作を図2および図3を用いて説明する。
図2および図3は共に外部測距素子12をフル発光させる際のタイミングチャートであり、図2は本発明の撮像装置の場合を、図3は従来の撮像装置の場合をそれぞれ示している。
【0029】
図2および図3において、VDはシステムの垂直同期信号であり、これに同期して、CPU7が、ストロボ発光期間オンになるSY信号をFM式ストロボ11に出力する。
【0030】
図3ではストロボ11の電荷に対して十分な時間、SY信号をオンしているが、発光時間を調整する場合は、SY信号の立ち下りのタイミングを変化させる。すなわち、図4(a)に示すように、SY信号の立ち下りを早くすると、ストロボ11の発光は直ちに停止し、発光時間が短くなる。また、図4(b)に示すように、SY信号の立ち下りを遅くすると、ストロボ11の発光が長く続き、発光時間が長くなる。このように、従来ではSY信号の立ち下がりのタイミングによって発光量(図の斜線部分)を制御していた。
【0031】
これに対して、本発明では、図2に示すように、電子シャッタパルスが出力されている期間はCCD4で発生した電荷は蓄積されず、電子シャッタパルスが停止した時点から蓄積が開始されるという点に着目し、被写体条件によらずストロボ11からは常に一定光量を発光(フル発光)させ、露光量を電子シャッタパルス数の増減によって制御するようにしている。ストロボ11は常に一定時間(図2ではフル発光)の発光でも電子シャッタパルス数を被写体との距離に応じて制御することにより、CCD4での露光量が制御できる。
【0032】
発光強度曲線は、図4に破線で示すように、発光ピークを過ぎるとなだらかに低下している。つまり、発光量は発光ピークを過ぎるとなだらかに変化する。本発明では、従来とは逆に、斜線部分の発光時は電子シャッタで電荷を捨てて、なだらかになった破線部分を使用して、近接撮影時の制御を行うようにしている。
【0033】
デジタルカメラでは電池駆動が一般的であるが、常にフル発光では電池の消費電力が大きく無駄が多い。そこで、本発明では、電圧センサ20からの検知信号を取り込んで、内蔵電池の残存量が少ないと判断したときは、CPU7は、図2に示した露光量制御を実行せず、従来の発光制御を行うようにする。
【0034】
本実施の形態によれば、発光時間の制御は行わないため、IGBT等の高価な電子部品は不要となる。
【0035】
また、電池の残存量が少ないときは、フル発光とはせず、従来の発光制御を行うようにしているので、電池の消費電力を抑えることができ、電池を長持ちさせることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ストロボからは常に一定光量を発光させて、ストロボ自体の発光時間制御を行わないため、IGBTのような高価な電子部品を使用しなくても、フラッシュマチック方式のストロボを搭載した撮像装置を安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置の概略構成図である。
【図2】本発明の撮像装置において外部測距素子をフル発光させる際のタイミングチャートである。
【図3】従来の撮像装置において外部測距素子をフル発光させる際のタイミングチャートである。
【図4】SY信号の立ち下がりのタイミングによって発光量を制御することを説明した図である。
【符号の説明】
1 ディジタルカメラ
2 CCD(固体撮像素子)
5 F/E部
6 DSP部
7 CPU(制御手段)
8 TG部
9 SDRAM
10 LCD
11 FM式ストロボ
12 外部測距素子
13 EEPROM
19 メモリカード
20 電圧センサ
Claims (4)
- 電子シャッタ機能を有する固体撮像素子と、被写体までの距離を計測する外部測距素子と、前記外部測距素子からの計測結果に基づいて発光制御されるフラッシュマチック方式のストロボと、前記固体撮像素子およびストロボを制御する制御手段とを備えた撮像装置であって、
前記制御手段は、被写体条件によらず前記ストロボから常に一定光量を発光させるとともに、露光量を電子シャッタパルス数の増減によって制御することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御手段は、一定光量を発光させる際に、前記ストロボにフル発光させることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御手段は、前記露光量制御を近接撮影時に行うことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御手段は、撮像装置本体に内蔵された電池の残存量が少ないときは、前記露光量制御の実行を回避することを特徴とする撮像装置。
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