JP4083450B2 - 駆動装置およびそれを用いた表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示素子を駆動するための駆動装置、およびそれを用いた表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、文字や映像の表示装置として中心的役割を果たしてきたブラウン管(CRT:cathode-ray tube)に代わり、薄型で軽量なフラットパネルディスプレイの需要の伸びが著しい。これは、インターネットを核としたサービス網に対する情報機器およびインフラの発展により、パーソナル・コンピュータならびにネットワークアクセス対応型携帯電話などの個人情報端末が加速的に普及したためである。また、従来CRTの独壇場であった家庭用テレビへ、フラットパネルディスプレイの市場が拡大してきた影響も大きい。
【0003】
既に、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)は、その薄型軽量性および低消費電力の特長により大きな市場シェアを占めているが、いくつかの表示特性、例えば、視野角、コントラスト、応答速度などに関して改善すべき点がある。このため、LCD自身の改良が進められる一方で、全く別のデバイスや原理による表示装置に関しても研究・開発が盛んに行われている。
【0004】
その中で、近年特に注目を浴びているデバイスに、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD:organic electro luminescence display)がある。OELDは、電気信号に応じて発光し、かつ、発光物質として有機化合物を用いて構成される表示装置である。上記OELDは、生来的に広視野角および高コントラストならびに高速応答などの優れた表示特性を有している。また、薄型軽量かつ高画質な小型から大型までの表示装置を実現する可能性があることから、CRTやLCDに代わる表示装置として注目されている。
【0005】
複数の画素を配したマトリクスパネルの駆動技術に関して、OELDもLCDなどの表示装置と同様に、デューティ駆動(時分割駆動)およびスタティック駆動の両方が開発されている。
【0006】
前者は、単純なパネル構造により、シンプルな低コストプロセスで済むが、走査ライン数が増えると全画面を走査する時間に対する各ラインの発光時間が減少する。結果的に要求されるパネル輝度を得るために、画素のピーク輝度は高くなる。通常これは、常時点灯の駆動条件と比較して、発光効率が悪く、大きな電圧または電流による駆動が必要となる。また、配線部においての電力損失のため、大画面になるほど消費電力の点で不利になる。
【0007】
一方、後者は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等の非線形素子と組み合わせるため、プロセスが複雑となる。しかしながら、発光期間を1ラインの走査時間以上保持する構成が可能となることから、画素ピーク輝度および電流の低下によって低消費電力化や長寿命化の利点を生むと期待されている。
【0008】
また、TFTには、高密度パターニングと高い電流駆動能力とを有する連続粒界結晶シリコン(CGS:Continuous Grain Silicon)等の多結晶シリコン(p−Si:Poly-Silicon)形TFTが好ましい。p−Si形TFTの素子としての特徴である、高い移動度および集積性により、駆動IC(Integrated Circuit :集積回路)およびコントロール回路などの構成をパネル内蔵化することも可能になる。このような理由から、OELDをアクティブ素子駆動する技術開発は、現在の主流となっている。
【0009】
具体的なTFT型アクティブ素子の構成としては、例えば、特許第2784615号公報、または特開平11−231805号公報に開示された構成が知られている。概念的には、図16に示すように、有機ELからなる発光部123を制御するTFT型アクティブ素子は、端子126から発光部123を通して端子127に達する電流供給ルート125を導通/遮断することによって発光部123の発光を制御する駆動部124と、端子128から入力される走査信号(走査パルス)と端子129から入力されるデータ信号とに基づいて駆動部124を制御する制御部122とにより、構成される。
【0010】
制御部122および駆動部124は、それぞれ最小1個のTFTで動作させることができる。図16に示す画素構成の典型例として、図17のように、制御部122を制御用のTFT141で構成し、駆動部124を駆動用のTFT142および補助容量143で構成した画素構成100が挙げられる。この画素構成100を図18に示すように、マトリクス状に並べると、走査選択信号生成回路117で生成されたオンレベルの走査信号が制御用のTFT141に入力されることにより制御用のTFT141がオンされた期間中に、駆動用のTFT142のゲートにオン信号がデータ信号変換回路118から入力される。これにより、電流供給電源119から発光部123に電流が流れ、発光部123が発光する。走査信号がオフとなった後も、駆動用のTFT142のゲート容量、または補助容量143にて蓄積されたゲートオン電荷によって、発光部123への電流供給ルート125が保持される。これを画面中の全走査ライン分、繰り返すことにより表示装置として所望の映像を作り出すことができる。
【0011】
また、図17の画素構成において、発光部123へ流れる電流の方向を反転させて、図19の画素構成にすることもできる。図19の画素構成においては、駆動用のTFT142の特性として、図2に示すようなゲート電圧に対するドレイン−ソース電流の特性が得られる。中間調表示方法を、このTFT142の特性に基づいて大別すると、2種類の方法を用いることができる。
【0012】
一方は、ゲート電圧として、TFT142のドレイン−ソース間に電流がほとんど流れない電圧V1と、TFT142のドレイン−ソース間に飽和電流が流れる飽和電流領域31の電圧V2との2種類の値のみを用いる方法(以下、デジタル階調方式と称する)である。
【0013】
他方は、上記の電圧V1および電圧V2の2種類の値に加えて、電圧V1と電圧V2との中間の電位である非飽和電流領域32における値を含めた、複数の離散した値または連続的な値を用いてTFT142のゲート電圧を制御する方法(以下、アナログ階調方式と称する)である。
【0014】
前者の方法では、輝度階調を2値しか使用しないため、そのままではフルカラー表示するための階調数が不足する。そのため、様々な手法を併用して不足する階調数を補う。例えば、複数の画素を組織的ディザ法や誤差拡散法などの画像処理により見かけの階調数を補う手法がある。
【0015】
また、例えば、特開平11−073159号公報においては、1画素内に独立に制御できる複数の副画素を形成して階調付与する手法で知られる面積分割法(面積ディザ法)が提案されている。
【0016】
さらに、例えば、特開平10−214060号公報においては、全画面を更新するための最小時間であるフレーム時間を、人の目によって表示画面が更新されていることの認識ができない程度の短時間に繰り返すことにより、視覚的な蓄光量を制御して階調を付与する手法である時間分割法(時間ディザ法)が提案されている。
【0017】
これらの中間調付与技術は、それぞれ単独で用いる必要はなく、デジタル階調方式のみで時間ディザ法と面積分割法とを組み合わせる方法が可能である。また、例えば、特開平11−2800号公報に開示されている、アナログ階調方式とデジタル階調方式とを組み合わせる方法も原理的に可能であり、システム規模および効果に応じて様々な応用が可能である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のOELDでは、デバイス形成プロセスに依存するTFTおよび有機EL(EL:electro luminescence)素子の初期特性のばらつきと、発光履歴による経時変化、および温度による特性変動などが、複数画素で1画面を形成するディスプレイ装置の制御を困難にし、表示品位を損なうという問題点があった。
【0019】
例えば、図19の画素構成において、アナログ階調方式によって、均一な中間調レベルを表示するために、同一のデータ信号を印加しても、複数の画素間において、有機EL素子およびTFTの移動度ならびに電圧閾値がばらつく。このため、ノイズ状であって、模様のような不均一な表示しか得られず、不快のない十分なフルカラー表示を制御することは非常に困難である。
【0020】
例えば、特開平11−272233号公報においては、これらのばらつきを吸収する補正回路が提案されているが、補償されるばらつきは、原理的に、駆動用TFTのゲート容量(閾値電圧)のばらつきだけである。実際には、その他のばらつき(有機EL素子の発光特性のばらつきなど)の影響により十分な階調制御ができず、表示品位を向上させることができなかった。
【0021】
また、このように複雑な制御タイミングが必要になると、p−Si形TFTの特長を生かして、表示パネル内に駆動回路を一体化するということが困難となる。例えば、通常DRAM(dynamic random access memory)、またはLSI(large scale integration )の設計においては、耐障害性を高めるための冗長回路が考慮される。しかしながら、p−Si形TFTパネル内に、同様にして、コントロール回路と駆動ICとを一体化形成する場合においては、単結晶シリコン(単結晶Si)に比べて劣っている基本素子特性、またはプロセス精度だけでなく、画素部を除く回路スペースを効率的に配置設計し、狭額縁を実現することも重要な要求点である。
【0022】
一方、図19に示す構成をデジタル階調方式により表示すると、オンオフの2値に関する閾値電圧のばらつきの間題は、大きく改善されて、均一な輝度を得ることができる。ただし、多階調表示するためには上述のような面積分割法、または時間分割法を併用する必要があり、アナログ階調方式にはない次のような問題が生じる。
【0023】
面積分割法の場合、画素内分割すると見かけの画素数より多くの副画素数を必要とし、プロセス密度の上昇およびドライバIC数の増加を招き、歩留まり低下およびコストアップの要因となる。また、開口率の低下からピーク輝度を大きくする、すなわち電流を大きくする必要があるため、消費電力は増加し、画素の寿命低下の原因にもなる。また、副画素(分解)数の限界は、基本的にプロセスに依存するが、製膜部周辺においての発光効率低下も見られるため、あまりに多数の副画素を形成することは好ましくない。
【0024】
また、画素数を増やさずに見かけの階調性を改善させる誤差拡散法などのディザ技術を用いる方法は、現在色数の制限された携帯機器などにおいて、実用化されており、期待通りの効果が得られている。しかしながら、本質的に印刷物ほどの分解能を持たない現状のディスプレイ機器においては、画像処理用の回路が必要となるだけではなく、実効画素数(解像度)を低下させる。このため、至近距離にて使用する携帯型表示機器などにおいては、実際上それほど低解像度でなくとも、画質低下の印象を与えてしまう。
【0025】
時間分割法の場合においては、1フレーム期間を複数回のサブフレームに分けてオンオフするため、走査選択回数が増加し駆動周波数の上昇とコントロール回路規模の増大が伴う。また、同一タイミングにて走査されないサブフレーム用のデータ信号を生成するためには、フレームメモリも必要となる。また、アモルファスシリコン(a−Si:amorphous silicon)形TFTに比べると、圧倒的に高速動作が可能であり、かつ微細加工可能なp−Si形TFTによっても、十分な動作速度にて画像信号を処理するロジック回路およびメモリ回路を構成することは、現状容易ではない。
【0026】
また、交流型プラズマディスプレイパネル(AC−PDP:alternating current-plasma display panel)などの分野でよく知られている、重要課題であった動画擬似輪郭問題は、実用上問題のないレベルに達している。しかしながら、パネル内に上記のロジック回路およびメモリ回路を一体化するには、現実的に非常に困難な規模であり、実装の問題もある。これに比べて、アナログ階調方式は、シンプルな回路構成をパネル内に一体化形成できるという点で優れている。
【0027】
なお、サブフレームを使わず複数フレームで中間調を生じさせるフレームレートコントロール(FRC:frame rate control)などの手法は、LCDで導入されている。しかしながら、プラズマディスプレイパネル(PDP:plasma display panel)およびOELDなどの光学応答性の速いデバイスにおいては、フリッカになりやすいため適していない。
【0028】
その他にも、デジタル階調方式に対する階調付与として、時間分割法の負担を減らす、すなわち駆動周波数の上昇を抑える目的から、面積分割法とアナログ階調方式とを組み合わせる複合階調駆動方法が考えられる。既に、例えば、特開平11−2800号公報などには、時間分割法のサブフレーム数増加を抑えると共に、面積分割法と数階調のアナログ階調方式との3方法を組み合わせる方法が示されている。
【0029】
上記の方法は、時間分割法単独によってフル階調表示するには十分な応答速度が得られない上に、アナログ階調方式が駆動履歴の影響により困難な、例えば、強誘電性液晶表示装置(FLCD:Ferroelectricity Liquid Crystal Display)などの装置に対して有用である。しかしながら、上記の方法を実装することは、時間分割法単独よりも複雑化し、実現することは容易ではなかった。
【0030】
素子特性のばらつきを抑制表示する点において、デジタル階調方式は、有効であると考えられているが、回路規模および駆動周波数が増大することは避け難い。このため、アナログ階調方式をうまく取り入れて、シンプルな構成とすることが、ばらつき対策に有効な技術であると考えられる。
【0031】
ところで、上述のように、OELDの表示品位の低下に関わる要因としては、有機EL素子の初期特性のばらつきが挙げられるが、この他に、有機EL素子の劣化などによる特性変動の影響も大きな要因である。また、デジタル階調方式のために、ロジック回路およびメモリ回路を構成した場合においても、表示品位に関わる一部分しか改善できない。
【0032】
この有機EL素子の劣化現象は、未だ完全には解明されてはいないが、ダークスポットや剥離などの視覚的劣化だけでなく、有機EL素子の内部電場に対する駆動印加電界の影響も大きいと考えられている。ただし、後者の有機EL素子の内部電場に対する駆動印加電界の影響による有機EL素子の劣化は、不可逆的な劣化ではない。
【0033】
例えば、特許第2663648号公報においては、有機EL素子の劣化が不可逆的ではない場合、可逆的に劣化した有機EL素子に、有機ELを発光させる場合と異なる逆極性の電圧を印加して、有機EL素子の素子性能を回復する方法が示されている。また、例えば、九州大学の筒井等の研究により駆動電圧の印加方法による、素子性能の回復特性が示されている(「有機ELデバイスの駆動特性に対する内部電場形成の影響」M&BE Vol.10, No.1(1999))。
【0034】
しかしながら、これらは有機EL素子が電界処理により耐久性を改善することは示したものの、現実的に常時発光駆動し続ける表示装置において、具体的な適用方法は示されていない。また、有機EL素子に対して、矩形波電圧などの逆極性の電圧を使用することによる効果は期待できるが、劣化を加速させる熱に対する対策については十分に考慮されてない。
【0035】
また、特許第2766063号公報においては、無発光期間を設けて温度緩和する方法が示されているが、パルス印加のような発光期間と非発光期間とを交互に繰り返す手段しか示されていない。このため、一般的なビデオのフレームレートである60Hzでは、上述矩形波電圧などの逆極性の電圧を印加する場合と同様に、現実的な熱対策にはならなかった。
【0036】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、画素が複数の副画素から構成されるアクティブ駆動型の表示素子を駆動するための駆動装置であって、素子特性のばらつきによる表示品位の低下を抑制できると共に回路規模の増大を回避できる駆動装置およびそれを用いた表示装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、有機EL素子を用いた表示素子を駆動するための駆動装置であって、連続的な表示運転による有機EL素子の劣化および変動を防ぎ、表示素子の耐久性を向上し得る表示素子の駆動装置およびそれを用いた表示装置を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明の駆動装置は、上記課題を解決するために、光変調素子からなる画素と、該画素を駆動制御するためのアクティブ素子とを備える画素部を少なくとも1つ有し、上記画素が第1の副画素および第2の副画素から構成されるアクティブ駆動型の表示素子を駆動するための駆動装置であって、第1の副画素を、中間調を含む多階調を表示するように駆動制御する第1の副画素制御手段と、第2の副画素を、第1の副画素で表示可能な階調数よりも少ない階調数を表示する(明表示または暗表示の2値表示を行なう、あるいは第1の副画素で表示可能な階調数よりも少ない階調数の多階調を表示する)ように駆動制御する第2の副画素制御手段とを備えることを特徴としている。
【0038】
上記の発明によれば、1画素分の表示が、第1の副画素の多階調表示と、それよりも階調数の少ない第2の副画素の表示との組み合わせにより行なわれる。したがって、1画素全体を多階調表示するアナログ階調方式のみを用いた場合と比較して、副画素の多階調表示の階調数を少なくすることができる。これにより、階調誤差を起こさないための素子(光変調素子およびアクティブ素子)の動作電圧の許容誤差を大きくすることができる。その結果、素子の特性のばらつきによる表示品位の低下を抑制することができる。
【0039】
また、少なくとも第1の副画素を多階調(アナログ階調方式)にて表示させて、1画素分の表示を行なうため、デジタル階調方式のみにより時間分割法や面積分割法を用いて多階調表示を行なう場合と比較して、回路規模の増大を回避できる。このため、表示素子(表示パネル)内に駆動装置(駆動回路)を一体化することも可能となる。
【0040】
したがって、上記の発明によれば素子特性のばらつきによる表示品位の低下を抑制できると共に回路規模の増大を回避できる表示素子の駆動装置を提供することができる。
【0041】
本発明の駆動装置は、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、アナログ映像信号に基づいて第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第1の副画素制御手段は、アナログ映像信号と基準信号との比較結果に基づいて第1の副画素の駆動電圧に対して付与するオフセット電圧を切り替えるオフセット電圧切り替え手段を備え、第2の副画素制御手段は、アナログ映像信号と基準信号との比較結果に基づいて明表示または暗表示の2値表示を行なうように、第2の副画素を駆動制御するものであることを特徴としている
【0042】
上記構成によれば、アナログ映像信号に基づき、第2の副画素が明表示または暗表示の2値表示を行なうように駆動制御されると共に、第1の副画素の駆動電圧がオフセット電圧によって補正されることによって、第1の副画素が適切なアナログ階調方式にて駆動制御される。その結果、素子特性のばらつきによる表示品位の低下を確実に抑制できる。
【0043】
本発明の駆動装置において、第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で最大階調の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第2の副画素制御手段は、第2の副画素を、最大階調の1/2nまたはゼロの階調となるように駆動制御するものであってもよい。
【0044】
これにより、1つの画素全体で表示可能な階調数を最大化することが可能となる。
【0045】
本発明の駆動装置において、第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で所定の階調数(表示階調)の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第2の副画素制御手段は、映像信号から平均階調を検出する平均階調検出手段を含み、第2の副画素を、検出された平均階調の1/2nまたはゼロの階調となるように駆動制御するものであってもよい。
【0046】
これにより、第1の副画素によって表示される階調値を低く抑えることができるので、素子特性のばらつきによる表示品位の低下をより一層確実に抑制できる。
【0047】
本発明の駆動装置において、第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で所定の階調数(表示階調)の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第2の副画素制御手段は、映像信号から階調の代表値(度数分布の頂点)を検出する代表値検出手段を含み、第2の副画素を、検出された代表値またはゼロの階調となるように駆動制御するものであってもよい。
【0048】
これにより、第1の副画素によって表示される階調値を低く抑えることができるので、素子特性のばらつきによる表示品位の低下をより一層確実に抑制できる。
【0049】
本発明の駆動装置は、上記各構成の駆動装置において、上記画素は、3つ以上の副画素から構成され、かつ、各画素が有機エレクトロルミネッセンス素子からなるものであり、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、少なくとも2つの副画素を同時に表示させる一方、これら副画素の表示期間中には、残りの副画素を非表示とするものであり、残りの副画素に対して表示特性の回復処理を行なう回復処理手段と、全ての副画素に対して表示特性の回復処理が行なわれるように、各副画素について表示期間と表示特性回復期間との切り替えを行なう切り替え手段とをさらに備えるものであってもよい。
【0050】
これにより、連続表示運転中においても、一部の副画素を非表示として、副画素の表示特性の回復処理を行なうことができる。また、連続表示運転中においても、回復処理ができるため、劣化を加速させる熱の影響を低減することができる。これによって、連続表示運転することによるダークスポットや剥離などの視覚的な有機EL素子の劣化を防ぐことができる。したがって、連続的な表示運転による表示素子の劣化および変動を防ぎ、耐久性を向上し得るアクティブマトリクス駆動型表示装置を提供することができる。
【0051】
上記回復処理手段は、表示特性回復処理期間中の副画素に対して、表示期間中の副画素に印加される電圧とは逆極性の電圧を印加するものであることが好ましい。
【0052】
これにより、ダークスポットや剥離などの視覚的劣化だけでなく、有機EL素子の内部電場に対する駆動印加電界の影響を低減することができる。
【0053】
本発明の表示装置は、上記の課題を解決するために、表示素子と、該表示素子を駆動するための上記各構成の駆動装置とを備えることを特徴としている。
【0054】
これにより、素子特性のばらつきによる表示品位の低下を抑制できると共に回路規模の増大を回避できる表示装置、あるいは、連続的な表示運転による有機EL素子の劣化および変動を防ぎ、表示素子の耐久性を向上し得る表示装置を提供することができる。
【0055】
本発明の参考に係る駆動装置においては、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、デジタル映像信号に基づいて第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第2の副画素制御手段は、上記デジタル映像信号における上位側から第2の副画素の数に等しいビット数を、第2の副画素を駆動制御するための第2のアクティブ素子部に供給し、明表示または暗表示の2値表示を行なうように第2の副画素を駆動制御するものであり、第1の副画素制御手段は、上記デジタル映像信号の残りの下位ビットをアナログ信号に変換して、第1の副画素を駆動制御するための第1のアクティブ素子部に供給するものであってもよい。
【0056】
上記構成によれば、デジタル映像信号に基づき、第2の副画素が明表示または暗表示の2値表示を行なうように駆動制御されると共に、第1の副画素がデジタル映像信号の下位ビットをアナログ変換した信号によってアナログ階調方式にて駆動制御される。その結果、素子特性のばらつきによる表示品位の低下を確実に抑制できる。
【0057】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0058】
本実施形態では、1画素分のアナログ映像信号を複数の副画素により表示する場合について説明する。
【0059】
図1は、異なる階調数のデータ信号を生成する回路を備える本実施の形態の表示装置の等価回路図であり、2つの副画素10・11を備えた画素部13およびその信号配線を示す。
【0060】
本実施の形態の駆動装置は、アクティブマトリクス駆動型表示装置であって、図1に示すように、光変調素子としての有機EL素子からなる画素(10・11)と、該画素(10・11)を駆動制御するためのアクティブ素子としてのTFT2・3・8・9とを備える画素部13を少なくとも1つ有し、上記画素(10・11)が第1の副画素11および第2の副画素10から構成されるアクティブマトリクス駆動型の表示パネル(表示素子)を駆動するための駆動装置であって、第1の副画素11を、中間調を含む多階調を表示するように駆動制御する第1の副画素制御手段(6・7・19・20)と、第2の副画素10を、明表示または暗表示の2値表示を行なうように駆動制御する第2の副画素制御手段(6・7・19・20)とをさらに備えている。
【0061】
また、第1の副画素制御手段(6・7・19・20)および第2の副画素制御手段(6・7・19・20)は、アナログ映像信号S4に基づいて第1の副画素11および第2の副画素10を駆動制御するものであり、第1の副画素制御手段(6・7・19・20)は、アナログ映像信号S4と制御レベル信号(基準信号)S5との比較結果に基づいて第1の副画素11の駆動電圧に対して付与するオフセット電圧を切り替えるオフセット電圧制御部(オフセット電圧切り替え手段)7を備え、第2の副画素制御手段は、アナログ映像信号S4と制御レベル信号(基準信号)S5との比較結果に基づいて明表示または暗表示の2値表示を行なうように、第2の副画素10を駆動制御するものである。
【0062】
本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型の表示パネルは、図1に示す画素部13が複数個、マトリクス状に配列されたものである。TFT2・3・8・9としては、高密度パターニングと高い電流駆動能力とを有する連続粒界結晶シリコン等の多結晶シリコン形TFTが好ましい。p−Si形TFTの素子としての特徴である、高い移動度および集積性により、駆動ICおよびコントロール回路などの構成を表示パネル基板(表示パネルが形成された基板)上にモノリシックに形成(内蔵化)することも可能になる。副画素10・11の面積比は、特に限定されるものではないが、この場合、1:1に設定されている。
【0063】
厳密にはデジタル2値駆動の副画素とアナログ階調駆動の副画素の最大輝度値が一致しないため、画素面積比が1:1のとき制御レベル信号S5は、階調値のちょうど半分ではなく、輝度がやや大きいデジタル2値駆動の副画素分を考慮して、半分より大きめにすることが好ましい。
【0064】
本実施の形態の表示装置は、上記の駆動装置とアクティブマトリクス駆動型の表示パネルとからなっている。
【0065】
次に、上記アクティブマトリクス駆動型表示装置の動作について説明する。
【0066】
まず、図示しない走査選択信号生成回路にて生成された走査選択信号S10が、走査選択信号端子1を通して2つの制御用TFT2および制御用TFT3のゲート電極に入力される。走査選択信号S10は、画素部13が選択された走査選択期間のみHighレベルとなり、他の期間はLowレベルである。それゆえ、制御用TFT2および制御用TFT3のソース−ドレイン間は、画素部13が選択される選択期間のみ導通状態となり、他の期間は遮断状態となる。
【0067】
また、図示しないデータ信号生成回路にて画質調整およびデータ変換が施されたアナログ映像信号S4が、データ信号端子4に入力される。アナログ映像信号S4は、駆動用TFT9の非飽和電流領域32(図2参照)に含まれるように、電圧が調節されている。上記アナログ映像信号S4は、データ信号端子4から、そのまま制御用TFT2に入力される経路と、後述する制御レベル信号S5と共に比較演算器6に入力される経路との2つの経路に分かれる。
【0068】
アナログ階調駆動の場合、電流が飽和する飽和電流領域31を含めると白つぶれになってしまうため、ゲート電圧がアナログ映像信号の最大値になってもドレイン−ソース電流が次第に増加する非飽和電流領域32内であることが必要である(図2参照)。
【0069】
また、制御レベル信号生成器19にて制御レベル信号S5が、比較信号端子5を通して比較演算器6に入力される。上記制御レベル信号S5は、アナログ映像信号S4に対応する発光量を、ばらつきの大きいアナログ階調方式で表示が行なわれる副画素11と、ばらつきの少ないデジタル階調方式で表示が行なわれる副画素10とに振り分ける境界となる階調値を表すアナログ信号である。この境界となる階調値を境界値と称する。
【0070】
境界値は、階調反転を起こさない値としなければならない。階調反転とは、アナログ映像信号S4がある階調値、例えば150階調目であるときの副画素10・11の輝度(合計値)と、アナログ映像信号S4がそれより高い階調値、例えば151階調目であるときの副画素10・11の輝度(合計値)が、明暗順序が逆転して、前者の輝度の方が高くなることをいう。
【0071】
このようにして階調反転を起こさない値に設定された境界値(例えば、256階調表示の場合、最大階調255階調の約半分である128階調)以上の全ての階調値から境界値を差し引く。これにより、ばらつきの大きいアナログ階調方式で表示が行なわれる副画素11の階調輝度差(1階調あたりの輝度差)を最大輝度の約半分(例えば、256階調表示の場合、最大階調255階調の約半分である128階調分の輝度)に抑えることができ、表示のばらつきを抑えることができる。その結果、副画素10・11により階調反転を起こすことなく、多階調表示(例えば256階調表示)を行なうことができる。
【0072】
比較演算器6では、上記制御レベル信号S5と上記アナログ映像信号S4とが比較される。比較演算器6は、制御レベル信号S5よりもアナログ映像信号S4が大きい場合、Highレベルを出力し、制御レベル信号S5よりもアナログ映像信号S4が小さい場合、Lowレベルを出力する。HighレベルまたはLowレベルの比較演算器6の出力信号S6は、制御用TFT3へ送られる。
【0073】
上記Highレベルとは、駆動用TFT8に直結された副画素10を点灯させ、副画素10の輝度を境界値に対応する輝度にするためのゲート電圧値である。このゲート電圧値は、図2に示す飽和電流領域31に含まれるゲート電圧V2に相当する。このゲート電圧値は、飽和電流領域31に含まれるように比較演算器6によって調節される。また、上記Lowレベルとは、副画素10を非点灯にするゲート電圧値であり、図2に示すゲート電圧V1に相当する。
【0074】
画素部13の走査選択期間になると、Highレベルの走査選択信号S10が走査選択信号端子1を通して制御用TFT2および制御用TFT3のゲート電極に入力され、制御用TFT2および制御用TFT3が導通状態となる。したがって、制御用TFT3へ送られた出力信号S6がオフセット電圧制御部7および駆動用TFT8に伝えられ、制御用TFT2へ送られたアナログ映像信号S4が駆動用TFT9に伝えられる。
【0075】
ただし、Highレベルの出力信号S6が駆動用TFT8に印加されているときには、副画素10が境界値の輝度となるので、駆動用TFT9に印加する電圧は、上記アナログ映像信号S4から境界値を差し引いた輝度が画素11で得られるような電圧でなければならない。このため、上記オフセット電圧制御部7によりオフセット電圧Vofを駆動用TFT9のソースに印加することにより、上記駆動用TFT9のソース側電位を、副画素11の輝度がアナログ映像信号S4から境界値を差し引いた階調値に対応するように補正する。これによって、副画素11によるアナログ階調方式の表示が適切に行なわれ、所望の輝度を得ることができる。
【0076】
オフセット電圧制御部7は、制御用TFT3のドレイン側の電圧がゲート電圧として印加され、ゲート電圧がHighレベルであるときのみ導通状態となるTFT28と、制御用TFT3のドレイン側の電圧がゲート電圧として印加され、ゲート電圧がLowレベルであるときのみ導通状態となるTFT29とを備えている。また、TFT28が導通状態であるときには、駆動用TFT9のソースがオフセット電圧入力端子12に接続され、TFT29が導通状態であるときには、駆動用TFT9のソースが接地端子27に接続される。したがって、オフセット電圧制御部7は、制御用TFT3のドレイン側の電圧がLowレベルであるときには駆動用TFT9のソースを接地する一方、TFT28のゲート電圧がHighレベルであるときには駆動用TFT9のソースにオフセット電圧Vofを与えるようになっている。オフセット電圧制御部7には、オフセット電圧生成器20で生成されたオフセット電圧Vofがオフセット電圧入力端子12を通して印加されている。駆動用TFT9に与えられるオフセット電圧Vofの大きさは、オフセット電圧生成器20からオフセット電圧入力端子12を通してオフセット電圧制御部7に印加されるオフセット電圧Vofの信号レベルを調整することにより調整できる。
【0077】
走査選択信号S10により、制御用TFT2・3がオン状態である画素部13において、出力信号S6は、駆動用TFT8に直結された副画素10を、2値のデジタル階調方式により表示制御するために用いられる。また、制御用TFT2・3がオン状態である画素部13において、上記制御用TFT2に入力された上記アナログ映像信号S4は、駆動用TFT9に直結された副画素11を、多値のアナログ階調駆動により表示制御するために用いられる。
【0078】
それぞれの駆動用TFT8・9のゲート電圧値に応じて、副画素10・11は表示制御される。
【0079】
上記副画素10のデジタル階調方式は、上記駆動用TFT8のゲート電圧として上記ゲート電圧V1および上記ゲート電圧V2の2値が用いられる、デジタル的な制御である。また、副画素10には、図示しない電源から電源端子25に印加された電源電圧と、接地端子27の接地電位との電位差により、図2に示すソース−ドレイン電流に相当する電流が流れ込む。これにより、駆動用TFT8のゲート電圧としてゲート電圧V1が印加されているときには、副画素10が暗状態(消灯状態)となる一方、駆動用TFT8のゲート電圧としてゲート電圧V2が印加されているときには、副画素10が明状態(階調)となる。このようにして、副画素11によって2値表示(デジタル階調方式の表示)が行なわれる。
【0080】
これに対して、副画素11のアナログ階調方式は、上記駆動用TFT9のゲート電圧として、上記ゲート電圧V1および上記ゲート電圧V2の2値に加え、図2に示す非飽和電流領域32に含まれるゲート電圧値が用いられる、多値によるアナログ的な制御である。また、駆動用TFT8のゲート電圧としてゲート電圧V1が印加されているとき、すなわち副画素10が暗状態であるときには、副画素11には、図示しない電源から電源端子25に印加された電源電圧と、接地端子27の接地電位との電位差に応じた電流が流れ込む。これにより、副画素11は、駆動用TFT9のゲート電圧に応じて輝度が上昇する。一方、駆動用TFT8のゲート電圧としてゲート電圧V2が印加されているとき、すなわち副画素10が明状態であるときには、副画素11には、図示しない電源から電源端子25に印加された電源電圧と、駆動用TFT8のソースの電位、すなわちオフセット電圧Vofとの電位差に応じた電流が流れ込む。これにより、副画素11は、副画素10が暗状態から明状態に変化した瞬間に、副画素10の輝度の上昇分に応じた分だけ輝度が低下し、その後は、駆動用TFT9のゲート電圧に応じて輝度が上昇する。このようにして、副画素11によって多階調表示(アナログ階調方式の表示)が行なわれる。
【0081】
走査選択信号S10がオフになると、それまで駆動用TFT8・9に印加されていたゲート電圧レベルは、各補助容量21・22に移され、次回の走査選択期間で画像が更新されるまで保持される。
【0082】
次に、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置の副画素10・11の構造について、以下に説明する。
【0083】
本実施の形態では、副画素10・11は、有機発光部である。有機発光部としては、例えば、図3に示すように、2つの対向する電極、陽極33と陰極34の間に、正孔輸送層35と発光層36と電子輸送層37とを陽極33側からこの順序で形成した構造を用いることができる。陽極33および陰極34のうち、光を取り出す側の電極(33または34)は透明電極材料で形成され、他方の電極は非透明電極材料または透明電極材料で形成される。
【0084】
有機発光部は、例えば、陽極33側から光を取り出す場合、陽極33の材料に酸化インジウム−スズ(ITO)、陰極34の材料にアルミニウム(Al)、正孔輸送層35にテトラフェニルジアミン誘導体(TPD)、電子輸送層37に発光層36も兼ねたアルミキノリノール錯体(Alq3)の低分子材料を用いて、真空蒸着法により製膜して作製することができる。
【0085】
ただし、本発明は上記材料や構造に限定されるものではない。また、有機発光部についても、例えば、2層構造に限らず、発光層36のみの単層構造、または電子、あるいは正孔輸送層35と発光層36の多層構造を適用することができる。
【0086】
また、有機発光部の形成方法は、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(MEH−PPV)、またはポリフルオレンなどの高分子材料を用いた場合においては、スピンコーティング法、またはインクジェット法などの方法を用いることができる。
【0087】
電極材料についても、透明電極材料としては、インジウムースズ酸化物(ITO)の他に、酸化亜鉛(ZnO)、または酸化スズ(SnO2)などを用いることができ、非透明電極材料としては、例えば、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)などの金属を用いることができる。
【0088】
また、開口率にも影響する有機発光部からの光の取り出し方向は、有機発光部からTFTに向かう方向でもよく、その反対方向でもよい。光の取り出し方向は、有機膜(正孔輸送層35、発光層36、および電子輸送層37)、陽極33、陰極34、TFT駆動回路基板の積層、および実装順序により決定すればよい。
【0089】
本実施の形態においては、例えば、順構造と称する図4に示す構造、または逆構造と称する図5に示す構造を用いることができる。図4に示す順構造では、ガラス基板39上に、TFT2・3・8・9・28・29等を含むTFT層38、金属電極(陰極34または陽極33)、有機層(正孔輸送層35、発光層36、および電子輸送層37)、および透明電極(陽極33または陰極34)がガラス基板39側からこの順で形成されている。図5に示す逆構造では、ガラス基板39上に、TFT層38、透明電極材料からなる透明電極(陽極33または陰極34)、有機層(正孔輸送層35、発光層36、および電子輸送層37)、および非透明電極材料または透明電極材料からなる金属電極(陰極34または陽極33)がガラス基板39側からこの順で形成されている。また、図5に示す逆構造では、TFT層38が光を透過しうるような構造となっている。
【0090】
本発明の効果の有無は、実際には、電力効率の絶対値などの要因が光の取り出し方向に影響するものの、順構造または逆構造などの構造に依存するものではない。
【0091】
また、画素を構成する副画素10・11は、TFT層38側の電極(陽極33または陰極34)をマスク蒸着することにより分割形成した。インクジェット法を用いた有機層の形成プロセスでは、電極表面における有機層が射出形成された部分以外で電極が剥き出しになる。そのため、対向電極の形成により電流のリークの可能性がある。このため、各有機部(有機層)よりも小さな面積にてコンタクトをとるように二酸化シリコン(SiO2)などからなる絶縁膜を形成した。
【0092】
このとき粒状の有機部(有機層)は、たくさんの副画素のように見えるが、実際にはTFT側とコンタクトをとっている電極の分割単位が1つの副画素である。一方、大画面化あるいは高精細化が進むにつれて、用途や映像のコンテンツも多様化が進み、必ずしも映像信号の帯域と画素数が常に一致することはなく、複数の画素を副画素のようにひとつの画素とすることもある。
【0093】
以上のように、本実施形態の表示装置によれば、1画素分の表示が、デジタル階調方式にて駆動表示される副画素10と、アナログ階調方式にて駆動表示される副画素11との組み合わせにより行なわれる。したがって、アナログ階調方式のみで多階調表示する場合と比較して、アナログ階調方式による多階調表示の階調数を少なくすることができる。これにより、アナログ階調方式による多階調表示において階調誤差を起こさないための素子(光変調素子およびアクティブ素子)の動作電圧の許容誤差を大きくすることができる。その結果、素子の特性のばらつきや変動による表示品位の低下を抑制することができる。
【0094】
また、デジタル階調方式にて駆動表示される副画素10とアナログ階調方式にて駆動表示される副画素11との組み合わせにより、1画素分の表示を行なうため、デジタル階調方式のみにより多階調表示を行なう場合の回路規模の増大といった問題を回避できる。
【0095】
すなわち、上記の実施の形態のように1画素をデジタル階調方式にて駆動表示される副画素と、アナログ階調方式にて駆動表示される副画素との2つの副画素から構成する場合に比べて、副画素をすべてデジタル階調方式にて駆動表示する場合、副画素が4つ必要となり、倍の数の副画素を必要とする。
【0096】
また、副画素をすべてデジタル階調方式に駆動表示する場合において、時間ディザ法を組み合わせたとしても、走査選択信号に合わせてデータを時間軸方向に2度送信する必要が出てくる。
【0097】
また、1画素を4つの副画素から構成することは、従来の外付けIC回路を使うことにより比較的容易に実現できるが、回路規模を増加させるため表示パネルに回路を内蔵することが困難となる。このため、従来の外付けIC回路を使う場合、狭額縁な表示装置の実現は困難であった。
【0098】
これに対し、上記の実施の形態のように、2つの副画素をそれぞれデジタル階調方式またはアナログ階調方式にて駆動表示する構成の場合、駆動回路を表示パネルに内蔵することが可能となり、さらに部品削減によるコスト改善、および携帯表示機器などの回路規模の縮小が望まれる機器への搭載が可能となる。
【0099】
また、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、2つの副画素群から構成され、最大階調Mの表示が可能な画素において、第2の副画素群を、最大階調Mの半分の階調またはゼロ階調を表示または非表示するように駆動制御し、前記多階調表示副画素群を、残りの階調表示により合計が最大階調Mになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0100】
すなわち、副画素群Aは、L<M/2の場合、ゼロ階調を表示し、L≧M/2の場合、M/2の階調を表示する。
【0101】
本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置において、典型的に用いられた有機EL部のTFT駆動回路部は、図6のように直結させているため、ゲート電圧を制御することによって、図2のゲート電圧に対するドレイン−ソース電流特性のように飽和電流領域31が得られる。副画素群Aおよび副画素群Bの特性が等しい場合、1画素に形成する副画素は、副画素群Aと副画素群Bとを等量とすることが好ましい。
【0102】
なお、最大階調Mとは、1画素がフレーム時間中であって、時間あたりの輝度ピーク値で積分した結果、視覚認識される輝度階調値のことである。また、表示階調Lは、表示装置全体で映像を形成するために、1画素あたりに必要な輝度階調値であり、通常L≦Mである。
【0103】
このような回路構成により、2つの副画素において最大階調表示が可能となり、かつ、2値表示化した分、アナログ階調方式による表示ばらつきを低減することができる。
【0104】
さらに、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、2つの副画素群から構成され、所定の表示階調Lの表示を行なう画素において、平均階調Kを検出する平均階調検出手段(図示せず)を含み、前記2階調表示副画素群を、検出された平均階調Kに等しい階調またはゼロ階調を表示するように駆動制御し、前記多階調表示副画素群を、残りの階調表示により合計が所定の表示階調Lになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0105】
上記平均階調検出手段は、入力階調値を総画素数分だけ累積加算する積分回路と、総画素数にてその積分値を除算する除算回路から構成できる。
【0106】
すなわち、副画素群Cは、L<K/2の場合、階調ゼロを表示し、L≧K/2の場合、平均階調Kに等しい階調を表示する。ここで、平均階調Kとは、表示画面全体の階調平均値であり、アナログ映像信号S4をフレームメモリに記憶させて、現フレーム画像の正確な平均値を求める方法がある。しかしながら、一般に映像は、前後フレームでも相関が高いことが多いため、フレームメモリなしに逐次加算した前フレームの平均階調値を、現フレームの平均階調Kとしても影響は少ない。
【0107】
ただし、平均階調KがM/2を大きくはずれると副画素群C・Dの一方の最大輝度を大きくする必要が出てくる。そのため、K>M/2の場合、KをM/2とすることが好ましい。つまり、平均階調KがM/2より小さい場合に限り、表示装置全体の供給電圧を調整し、デジタル階調方式される副画素群Cの最大値がKとなるように調整することにより回路構成を簡易化できる。
【0108】
このような回路構成により、制御レベル信号S5に表示画面情報から取得した平均値階調に相当する信号を印加することによっても駆動制御できるようになる。
【0109】
また、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、2つの副画素群から構成され、所定の表示階調Lの表示を行なう画素において、表示映像から代表値Nを検出する代表値検出手段を含み、前記2階調表示副画素群を、検出された代表値Nに等しい階調または階調ゼロを表示するように駆動制御し、前記多階調表示副画素群を、残りの階調表示により合計が所定の表示階調Lになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0110】
上記代表値(ここでは中央値)検出手段は、以下の構成にて実現できる。上記代表値検出手段は、階調ビット数分の個数(4ビット階調なら16個)の記憶カウンタ(総画素数を表現可能なビット数)と、各画素の階調値を順に上記記憶カウンタに入力し、比較加算器により、その値と一致する記憶カウンタを1ずつインクリメントして、ヒストグラム(横軸:階調値、縦軸:個数)を求める回路とを備える。全画素に対するヒストグラム結果に対して、まず階調値0の記憶カウンタ値により積分器を初期化し、次に階調値を1つインクリメントしてその階調値の記憶カウンタ値を積分器に加算し、最大階調まで繰り返す。加算する度に積分器の出力値を総画素数の半分の値と比較し、越えた時点において、そのときの階調値を出力すると中央値が求まる。
【0111】
すなわち、副画素群Eは、L<N/2の場合、階調ゼロを表示し、L≧N/2の場合、代表値Nに等しい階調を表示する。ここで、代表値Nとは、表示画面全体の階調代表値であり、例えばメディアン値のことである。
【0112】
ただし、正確に計算したメディアン値は、階調の度数分布の頂点になる傾向がある。また、本発明のポイントは、できるだけ表示階調をばらつきに強いデジタル階調方式に分担させ、残りをアナログ多階調駆動して、画素分割数をあまり増やさずに、ばらつき低減効果を図ったものである。このため、図7の階調値度数分布の場合、正確なメディアン値であるピーク40近辺よりも、ピーク40より幾らか低い点線41で示すあたりを代表値と選んだほうがばらつき低減効果は大きい。
【0113】
この場合、度数分布の算出時に階調を量子化しておくことにより、図8に示すようにように、一定の幅をもった度数分布が得られるため、図8の場合においても代表値としてピーク40および点線41の近辺の値が得られるようになる。階調を量子化するとは、例えば、8ビット階調を4ビット化することをいう。なお、度数分布とは、表示画面内で各階調値が何度出現したかをカウントした結果である。
【0114】
このような回路構成により、制御レベル信号S5に表示画面情報から取得した代表値階調に相当する信号を印加することにより、ばらつきを低減することができる。
【0115】
また、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、n個(n>2)の副画素から構成され、最大階調Mの表示が可能な画素において、n−1個以下の副画素を、順に最大階調M/(2のm乗)、(m=1,2,・・・,n−1)に準じた値の階調または階調ゼロを表示するように駆動制御し、残りの副画素を、残りの階調表示により合計が最大階調Mになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0116】
さらに、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、n個(n>2)の副画素から構成され、所定の階調Lの表示を行なう画素において、平均階調Kを検出する平均階調検出手段を含み、n−1個以下の副画素を、順に平均階調Kに等しい値の階調または階調ゼロを表示するように駆動制御し、残りの副画素を、残りの階調表示によって合計が所定の表示階調Lになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0117】
また、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、n個(n>2)の副画素から構成され、所定の階調Lの表示を行なう画素において、表示映像から代表値N1,N2,・・・,Nm(m=1,2,・・・,n−1、N1は元画像に対する代表値、N2は元画像からN1を引いた画像情報から再検出した代表値、以下繰り返し)を検出する手段を含み、n−1個以下の副画素を、順にNmに準じた値の階調または階調ゼロを表示するように駆動制御し、残りの副画素を、残りの階調表示によって合計が所定の表示階調Lになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0118】
また、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、2つの副画素から構成され、最大階調Mの表示が可能な画素において前記2階調表示副画素を、最大階調Mの半分の階調または階調ゼロを表示するように駆動制御し、前記多階調表示副画素を、残りの階調表示により合計が最大階調Mになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0119】
さらに、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、2つの副画素から構成され、所定の階調Lの表示を行なう画素において、平均階調Kを検出する平均階調検出手段を含み、前記2階調表示副画素を、検出された平均階調Kの階調または階調ゼロを表示するように駆動制御し、前記多階調表示副画素を、残りの階調表示により合計が所定の表示階調Lになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0120】
また、本実施の形態のアクティブマトリクス駆動型表示装置は、前記副画素制御回路が、2つの副画素から構成され、所定の階調Lの表示を行なう画素にいおいて、表示映像から代表値Nを検出する代表値検出手段を含み、前記2階調表示副画素を、検出された代表値Nの階調または階調ゼロを表示するように駆動制御し、前記多階調表示副画素を、残りの階調表示により合計が所定の表示階調Lになる中間調表示を行なうように駆動制御する。
【0121】
なお、実施の形態において、制御用TFT2(または3)を、オフリーク電流を抑えるため、図9に示すようなデュアルゲートのTFT2’(または3’)とすることも可能である。これによれば、さらに良好な駆動が可能である。また、本実施の形態において、駆動用TFT8(または9)を、少なくともアナログ階調方式を行なう駆動用TFT特性のばらつきを低減するため、図10のように、並列接続された2つのTFT8a・8b(または9a・9b)からなるパラレル回路8’(または9’)とすることも可能である。これらの相乗効果によって、さらに表示ばらつきを低減することができる。
【0122】
なお、本実施の形態において、1つの画素が3つ以上の副画素から構成される場合、デジタル階調方式により駆動制御される副画素の割合を増やすことによって、さらにばらつきを低減させることもできる。ただし、そのためのデータ信号生成回路の規模が増加するため、回路のパネル内蔵化が要求される場合、1つの画素を2つの副画素から構成することが好ましい。
【0123】
本実施形態の駆動装置は、表示パネル基板内にモノリシックに形成された回路のみによって、簡単に実現できるものである。すなわち、本実施形態の駆動装置は、システムオンパネルという言葉で言い表されるように、外部回路に頼らずに、動作速度や実装面積により制限の大きな表示パネル基板内の回路のみにて搭載可能である。
【0124】
また、本実施形態では、副画素10・11が有機EL素子からなる場合について説明したが、本発明は、副画素10・11が液晶等のような、他の光変調素子である場合にも適用可能である。
【0125】
参考の形態1
次に、1画素分のデジタル映像信号を複数の副画素により表示する場合について説明する。本参考の形態では、1画素を2つの副画素10・11で構成した画素部43(表示素子)を駆動するための駆動回路において、1画素分の映像信号に4ビットのデジタル信号を用いた場合について説明する。
【0126】
図11に示すように、本参考の形態の駆動装置16は、第1の副画素11および第2の副画素10と、第1の副画素11を駆動制御するためのTFT2・9(第1のアクティブ素子)と、第2の副画素10を駆動制御するためのTFT3・8(第2のアクティブ素子)とを含む画素部43が、複数個、マトリクス状に配列されたアクティブマトリクス駆動型の表示パネル(表示素子)を駆動するための駆動装置であって、1画素分のデジタル映像信号(入力信号)S1からデジタル駆動用データ電圧及びアナログ駆動用データ電圧を生成するものである。駆動装置16は、デジタル映像信号S1に基づいて第1の副画素11および第2の副画素10を駆動制御するものであり、第1の副画素11を、中間調を含む多階調を表示するように駆動制御する第1の副画素制御手段としてのD/Aコンバータ24と、第2の副画素を、第2の副画素10で表示可能な階調数よりも少ない階調数を表示するように駆動制御する第2の副画素制御手段としてのLS(Level Shifter)23とを備えている。
【0127】
LS23は、上記デジタル映像信号における上位側から第2の副画素10の数に等しいビット数、すなわち最上位1ビットを、TFT3・8(第2のアクティブ素子)に供給し、明表示または暗表示の2値表示を行なうように第2の副画素10を駆動制御するものである。D/Aコンバータ24は、デジタル映像信号S1の残りの下位ビットをアナログ信号に変換して、第1の副画素11をTFT2・9に供給するものである。
【0128】
次に、上記駆動装置16の動作について説明する。
【0129】
駆動装置16にて、4ビットのデジタル映像信号S1は、デジタル映像信号S1の最上位のビット(MSB:most significant bit)1ビットと、最下位のビット(LSB:least significant bit)、すなわち残りの階調信号3ビットとに分けられる。
【0130】
MSB1ビットは、駆動装置16内のLS23によって、デジタル駆動用データ電圧S14へと変換される。LSB3ビットは、駆動装置16内のD/Aコンバータ(digital to analog converter)24によって、デジタル映像信号S1からアナログ駆動用データ電圧S15へと変換される。
【0131】
参考の形態の画素部43は、オフセット電圧制御部7を備えていない点以外は、実施の形態1の画素部13と同様である。
【0132】
以上の構成により、副画素11は、デジタル駆動用データ電圧S14、すなわちデジタル映像信号S1の最上位1ビットにより、2値のデジタル階調方式で駆動表示される。一方、副画素10は、アナログ駆動用データ電圧S15、すなわちデジタル映像信号S1の最下位3ビットをアナログに変換した信号によって、アナログ階調方式で駆動表示される。
【0133】
これにより、実施の形態1と同様に、素子の特性のばらつきや変動による表示品位の低下を抑制すると共に、回路規模の縮小化を図ることができる。
【0134】
また、MSB1ビット分でもばらつきを低減することにより、視覚的に大きな改善効果が得られる。
【0135】
参考の形態の駆動装置16は、表示パネル基板(表示パネルが形成されたガラス基板)内にモノリシックに形成された回路のみによって、簡単に実現できるものである。すなわち、本参考の形態の駆動装置16は、システムオンパネルという言葉で言い表されるように、外部回路に頼らずに、動作速度や実装面積により制限の大きな表示パネル基板内の回路のみにて搭載可能である。
【0136】
参考の形態
また、実施の形態1および参考の形態では、副画素10・11が有機EL素子からなる場合について説明したが、本発明は、副画素10・11が液晶等のような、他の光変調素子である場合にも適用可能である。例えば、副画素10・11の光変調素子として液晶を用いて、1画素分のデジタル映像信号を複数の副画素により表示する場合について説明する。
【0137】
参考の形態では副画素10・11の光変調素子として液晶を用いる。液晶は電圧駆動であるため、副画素10・11が有機EL素子からなる上記参考の形態にて説明した図11の第1の副画素11を駆動制御するためのTFT9と、第2の副画素10を駆動制御するためのTFT8とを設ける必要がない。
【0138】
参考形態では、1画素を2つの副画素10・11で構成した画素部44(表示素子)を駆動するための駆動回路において、1画素分の映像信号に4ビットのデジタル信号を用いた場合について説明する。
【0139】
図12に示すように、本参考の形態の駆動装置16は、第1の副画素11および第2の副画素10と、第1の副画素11を駆動制御するためのTFT2(第1のアクティブ素子)と、第2の副画素10を駆動制御するためのTFT3(第2のアクティブ素子)とを含む画素部44が、複数個、マトリクス状に配列されたアクティブマトリクス駆動型の表示素子を駆動するための駆動装置であって、1画素分のデジタル映像信号S1からデジタル駆動用データ電圧及びアナログ駆動用データ電圧を生成するものである。駆動装置16は、デジタル映像信号S1に基づいて第1の副画素11および第2の副画素10を駆動制御するものであり、第1の副画素11を、中間調を含む多階調を表示するように駆動制御する第1の副画素制御手段としてのD/Aコンバータ24と、第2の副画素を、第2の副画素10で表示可能な階調数よりも少ない階調数を表示するように駆動制御する第2の副画素制御手段としてのLS23とを備えている。
【0140】
LS23は、上記デジタル映像信号における上位側から第2の副画素10の数に等しいビット数、すなわち最上位1ビットを、TFT3(第2のアクティブ素子)に供給し、明表示または暗表示の2値表示を行なうように第2の副画素10を駆動制御するものである。D/Aコンバータ24は、デジタル映像信号S1の残りの下位ビットをアナログ信号に変換して、第1の副画素11をTFT2に供給するものである。
【0141】
なお、上記駆動装置16の動作は、参考の形態で説明した動作と同様である。
【0142】
参考の形態の画素部44は、駆動用TFT8・9を備えていない点以外は、参考の形態の画素部43と同様である。
【0143】
以上の構成により、副画素11は、デジタル駆動用データ電圧S14、すなわちデジタル映像信号S1の最上位1ビットにより、2値のデジタル階調方式で駆動表示される。一方、副画素10は、アナログ駆動用データ電圧S15、すなわちデジタル映像信号S1の最下位3ビットをアナログに変換した信号によって、アナログ階調方式で駆動表示される。
【0144】
これにより、実施の形態1と同様に、素子の特性のばらつきや変動による表示品位の低下を抑制すると共に、回路規模の縮小化を図ることができる。
【0145】
さらに、本参考の形態の駆動装置において、ある階調値から別の階調値へと駆動する場合、実行値電圧差が大きい場合の方が応答速度が大きくなる特性がある。1画素の光透過率を0%から70%に駆動する場合、例えば、0−100%の応答速度が50msの液晶材料において、副画素なしでは0−70%の応答速度が300msになってしまう。ここで、0−100%の応答速度とは、光透過率を0%から100%に変化させるために必要な時間を指すものとする。
【0146】
しかしながら、副画素を用いて、一方の副画素にて0−100%(画素全体では50%)、他方の副画素にて0−40%(画素全体では20%)の駆動を行なうことにより、それぞれの副画素においての応答速度は50ms、400msとなり、1画素の平均応答速度としては225msとなる。1画素の光透過率を0%から70%に駆動する場合に比べて、副画素を用いて駆動する場合は、50−70%への応答速度が速くなり、応答速度を改善する効果がある。
【0147】
〔実施の形態
次に、副画素構造を導入した有機EL表示装置における表示特性の維持および回復について、以下に説明する。
【0148】
有機EL素子の劣化に対する回復については、前述のように、矩形波電圧などの逆極性の電圧によって特性回復が図れることは知られている。しかしながら、有機EL素子は、逆電圧を印加すると、自身の非線形特性による整流性から電流が流れず、発光しなくなる。
【0149】
有機EL素子の回復処理のために、一定時間毎に逆電圧を印加する場合、有機EL素子の発光時間の減少を防ぐ必要があるだけではなく、ちらつきのない短時間にて極性を切り替える必要がある。このため、有機EL素子は、熱上昇などの劣化を促進する要因を回避することができなかった。
【0150】
まず、本発明の前提となる技術について図13および図14に基づいて説明する。
【0151】
本発明の前提となる技術を用いた表示装置は、図13に示すように、駆動装置59と画素部45(表示素子)とを備える。上記駆動装置59は、副画素10または副画素11のどちらの副画素を表示用の副画素あるいは回復処理用の副画素として使用するかを切り替える信号S58を発生する切替信号発生器57と切替装置56とを備える。上記画素部45は、副画素10または副画素11に対して逆電圧52により逆電流を流すための系を構成するTFT50・51を備える点以外は、参考の形態の画素部43と同様である。図13に示す構成では電位は、逆電圧52>電位25>電位27の順に大きく設定する。
【0152】
上記切替装置56は、例えば、図14に示すような構成とすることができる。この場合、データ信号S53・S54は、切替信号発生器57からの制御信号S58に従い、一方は通常表示を行なうよう入力信号S1と等しく、他方は回復処理のための逆電圧が副画素に印加されるように回復処理信号S55が選択される。
【0153】
すなわち、制御信号58がHighレベルである場合、TFT71・72・77・78はオン状態となり、TFT73・74・75・76はオフ状態となる。したがって、回復処理信号S55はデータ信号53となり、入力信号S1はデータ信号S54となる。逆に、制御信号58がLowレベルである場合、TFT71・72・77・78はオフ状態となり、TFT73・74・75・76はオン状態となる。したがって、回復処理信号S55はデータ信号54となり、入力信号S1はデータ信号S53となる。
【0154】
図示しないが、切替信号発生器57の切り替えタイミングは、例えば、タイマーカウンタを使って一定使用時間毎に与えることができる。また、電源部から電源初期起動信号(図示せず)を使用して、表示装置を起動した直後に各副画素の表示と回復処理とを切り替えることも可能である。さらに、シーンチェンジ検出回路(図示せず)を設けて、その回路により検出された信号により表示と回復処理とを切り替えることも可能である。また、外部スイッチ(図示せず)により手動により切り替える構成としてもよい。
【0155】
上記本発明の前提となる技術を実施の形態1または参考の形態1と組み合わせることにより、本実施の形態における表示装置を実現することが可能となる。
【0156】
本実施の形態で用いる表示素子は、有機EL素子から構成された3つ以上の副画素から構成された画素を少なくとも1つ備えるものである。本実施の形態の駆動装置は、上記表示素子を駆動するための駆動装置であって、少なくとも2つの副画素を同時に表示させる一方、これら副画素の表示期間中には、残りの副画素を非表示とするものであり、図示しないが、非表示の残りの副画素に対して表示特性の回復処理を行なう回復処理手段(S55・52を供給する手段)と、全ての副画素に対して表示特性の回復処理が行なわれるように、各副画素について表示期間と表示特性回復期間との切り替えを行なう切替装置56(切り替え手段)とを備えている。本実施の形態の表示装置は、上記表示素子と駆動装置とからなっている。
【0157】
本実施形態の表示装置は、少なくとも1つの副画素が表示期間中、残りの副画素は、非表示として表示特性の回復処理を行なう表示特性回復処理期間となるように構成されている。
【0158】
このように、本実施形態では、一部の副画素の表示期間中に残りの副画素に対して表示特性の回復処理を行なうようにしたので、連続表示運転中においても、一部の副画素を非表示として、副画素の表示特性の回復処理を行なうことができる。また、連続表示運転中においても、回復処理ができるため、劣化を加速させる熱の影響を低減することができる。これによって、連続表示運転することによるダークスポットや剥離などの視覚的な有機EL素子の劣化を防ぐことができる。したがって、連続的な表示運転による表示素子の劣化および変動を防ぎ、耐久性を向上し得るアクティブマトリクス駆動型表示装置を提供することができる。
【0159】
また、上記回復処理回路による回復処理は、例えば、前記表示期間中の副画素に印加される電圧とは逆極性の電圧(逆電圧)あるいは矩形波電圧を前記表示特性回復処理期間中の副画素に印加することによって行なうことができる。これにより、ダークスポットや剥離などの視覚的劣化だけでなく、有機EL素子の内部電場に対する駆動印加電界の影響を低減することができる。
【0160】
なお、有機EL素子に矩形波電圧などの逆極性の電圧を印加することにより、有機EL素子の表示特性の回復処理を行なう回復処理回路は、将来逆電圧印加以外に有効な別の手段が見つかった場合にも、電気的に別系統にて制御できるため、適用可能になる柔軟性も備えている。
【0161】
上記切り替え回路は、前記副画素の表示期間と表示特性回復処理期間との切り替えを一定時間毎に行なうものであるとよい。これにより、例えば、内蔵カウンタ、または垂直同期期間に合わせて一定時間毎に副画素の表示期間と表示特性回復処理期間とを切り替える簡素な付与回路を導入することにより実現できる。
【0162】
また、上記切り替え回路は、視覚的に変化の大きなシーンチェンジを検出する画像検出装置を備え、上記画像検出装置により検出された信号に基づいて前記副画素の表示期間と表示特性回復処理期間との切り替えを行なうものであってもよい。
【0163】
このため、各副画素の経時劣化の進行度に違いが生じた場合において、表示期間中の副画素と特性回復処理期間中の副画素との動作切り替えを、表示映像が連続シーンでないタイミングで行なうことことができる。したがって、輝度レベルおよび階調性の差が不自然にユーザーの目に映ってしまうといった問題を回避できる。
【0164】
さらに、上記切り替え回路は、前記副画素の表示期間と表示特性回復処理期間との切り替えを、表示装置の電源オン時または電源オフ時に行なうものであってもよい。これにより、有機EL素子の特性を回復処理するための十分な時間を確保することができる。これによって、有機EL素子の特性が十分回復していないうちに、副画素が表示特性回復処理期間から表示期間に切り替わってしまい、有機EL素子の耐久性延長の効果が弱まってしまうといった問題を回避することができる。
【0165】
なお、有機EL素子を用いたTFT駆動の表示装置の場合、原理的にアナログ階調方式による表示ができないというわけではなく、素子部の形成ばらつきなどの原因により、高い精度の階調制御を行なうことが困難なだけである。
【0166】
したがって、本実施の形態の表示装置では、アナログ階調方式を排除したものではない。本実施の形態の表示装置では、実施の形態1または参考の形態あるいは参考の形態のようにアナログ階調方式とデジタル階調方式とを組み合わせてデジタル階調方式による効果的なばらつき低減を図ってもよく、アナログ階調方式にて駆動制御される副画素のみにより最大階調表示するようにしてもよい。
【0167】
参考の形態
参考の形態の表示装置は、有機EL素子からなる複数の副画素で構成された画素を備えるTFT駆動のアクティブマトリクス駆動型表示装置であって、劣化や欠陥などにより光量制御困難になった副画素が発生した場合において、該欠陥副画素の光量をオフにして、残りの副画素にて上記欠陥副画素の光量分を補うよう駆動条件を調整する駆動条件調節手段を備えている。
【0168】
参考の形態の表示装置について図15に基づいて説明する。
【0169】
副画素11は副画素10の特性劣化に対するバックアップ(輝度階調補償)の機能を有している。本参考の形態の表示装置の駆動装置60は、参考の形態において図11に基づいて説明した表示装置の駆動装置16に対応しており、これ以外の構成は参考の形態と同様である。
【0170】
通常は参考の形態と同様に(セレクタ回路63内の実線)、4ビットのデジタル映像信号S1のMSBのみ(=b3、b2=b1=0)を使う、すなわちDAC64に入力される信号b2およびb1はゼロであり、DAC64に入力される信号b3のみがDAC64によりレベルシフトされ、DAC64からデジタル駆動用データ電圧S61が出力される。このデジタル駆動用データ電圧S61が駆動用TFT8に印加されることにより、副画素10は2値駆動される。DAC65に入力される残りの3ビット、すなわちb2、b1、b0は、DAC65によりアナログ駆動用データ電圧S15に変換される。このアナログ駆動用データ電圧S15が駆動用TFT9に印加されることにより、副画素11はアナログ階調駆動される。
【0171】
実際には、DAC3ビットではなくDAC4ビットとして、参考の形態と同様にデジタル駆動用の出力レベルを4ビットに割り当てる方法がより好ましい。
【0172】
製品検査により、副画素10の有機ELの発光特性が劣化しているとわかった場合、調整者は、補償箇所記憶装置62に補償が必要な画素位置および補償量を入力し、補償信号S62を調節することによりセレクタ回路63からの出力信号の変更する。補償信号S62を調節することにより、DAC64からの出力に対する副画素10の輝度レベルが低下したとき、その補償分に近いb1またはb2を選択してDAC65から補償階調分を含めて副画素11を発光させることができる。ここでのDACは、ビット数に対してリニアなアナログ出力をするのではなく、適切な補償電圧が出力されるように補償信号S62を調節しなければならない。補償信号S62は、デジタル映像信号S1と同期して画素毎に生成することが可能なため、これらの副画素輝度補償は画素単位で調節することができる。
【0173】
不可逆な劣化による欠陥副画素が出現した場合の処置として、欠陥ラインを切り離すだけでは、所定の輝度が得られていた欠陥副画素部分の著しい輝度低下は回避できない。
【0174】
しかしながら、ライン単位にて電圧調整可能な構成を導入し、残りの副画素にて上記欠陥副画素の光量分を補うよう駆動条件を調整することによって、欠陥副画素部分の著しい輝度低下を回避することができる。また、駆動制御電圧の最大値を上昇させることにより、残りの副画素にて上記欠陥副画素の輝度不足分を補うことによって、欠陥副画素部分の著しい輝度低下を回避することができる。
【0175】
したがって、不可逆な劣化による欠陥副画素が出現した場合の処置として、欠陥副画素の光量分を残りの副画素により補うことによって、結果的に上記のばらつき低減効果は得られなくなるが、表示装置の耐久性については、大きな改善効果が得られる。
【0176】
また、p−Si形TFTにより表示パネルのシステム化を進めると、周辺回路の耐障害性を高める要求だけでなく、画素内部回路および多数の制御線ならびに電力供給線についても、同様に耐障害性を高める要求が出てくる。この要求については、副画素形成により生じる光変調素子部の複数経路を、冗長回路として機能させることによって対応することができる。
【0177】
【発明の効果】
本発明の駆動装置は、以上のように、光変調素子からなる画素と、該画素を駆動制御するためのアクティブ素子とを備える画素部を少なくとも1つ有し、上記画素が第1の副画素および第2の副画素から構成されるアクティブ駆動型の表示素子を駆動するための駆動装置であって、第1の副画素を、中間調を含む多階調を表示するように駆動制御する第1の副画素制御手段と、第2の副画素を、第1の副画素で表示可能な階調数よりも少ない階調数を表示する(明表示または暗表示の2値表示を行なう、あるいは第1の副画素で表示可能な階調数よりも少ない階調数の多階調を表示する)ように駆動制御する第2の副画素制御手段とを備えるものである。
【0178】
それゆえ、1画素分の表示が、第1の副画素の多階調表示と、それよりも階調数の少ない第2の副画素の表示との組み合わせにより行なわれる。したがって、1画素全体を多階調表示するアナログ階調方式のみを用いた場合と比較して、副画素の多階調表示の階調数を少なくすることができる。これにより、階調誤差を起こさないための素子(光変調素子およびアクティブ素子)の動作電圧の許容誤差を大きくすることができる。その結果、素子の特性のばらつきによる表示品位の低下を抑制することができる。
【0179】
また、少なくとも第1の副画素を多階調(アナログ階調方式)にて表示させて、1画素分の表示を行なうため、デジタル階調方式のみにより時間分割法や面積分割法を用いて多階調表示を行なう場合と比較して、回路規模の増大を回避できる。このため、表示素子(表示パネル)内に駆動装置(駆動回路)を一体化することも可能となる。
【0180】
したがって、上記の発明によれば素子特性のばらつきによる表示品位の低下を抑制できると共に回路規模の増大を回避できる表示素子の駆動装置を提供することができるという効果を奏する。
【0181】
また、本発明の駆動装置は、上記の駆動装置において、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、アナログ映像信号に基づいて第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第1の副画素制御手段は、アナログ映像信号と基準信号との比較結果に基づいて第1の副画素の駆動電圧に対して付与するオフセット電圧を切り替えるオフセット電圧切り替え手段を備え、第2の副画素制御手段は、アナログ映像信号と基準信号との比較結果に基づいて明表示または暗表示の2値表示を行なうように、第2の副画素を駆動制御するものである。
【0182】
それゆえ、アナログ映像信号に基づき、第2の副画素が明表示または暗表示の2値表示を行なうように駆動制御されると共に、第1の副画素の駆動電圧がオフセット電圧によって補正されることによって、第1の副画素が適切なアナログ階調方式にて駆動制御される。その結果、素子特性のばらつきによる表示品位の低下を確実に抑制できるという効果を奏する。
【0183】
また、本発明の駆動装置は、上記の駆動装置において、第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で最大階調の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第2の副画素制御手段は、第2の副画素を、最大階調の1/2nまたはゼロの階調となるように駆動制御するものであってもよい。
【0184】
それゆえ、1つの画素全体で表示可能な階調数を最大化することが可能となるという効果を奏する。
【0185】
さらに、本発明の駆動装置は、上記の駆動装置において、第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で所定の階調数(表示階調)の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第2の副画素制御手段は、映像信号から平均階調を検出する平均階調検出手段を含み、第2の副画素を、検出された平均階調の1/2nまたはゼロの階調となるように駆動制御するものであってもよい。
【0186】
それゆえ、これにより、第1の副画素によって表示される階調値を低く抑えることができるので、素子特性のばらつきによる表示品位の低下をより一層確実に抑制できるという効果を奏する。
【0187】
また、本発明の駆動装置は、上記の駆動装置において、第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で所定の階調数(表示階調)の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第2の副画素制御手段は、映像信号から階調の代表値(度数分布の頂点)を検出する代表値検出手段を含み、第2の副画素を、検出された代表値またはゼロの階調となるように駆動制御するものであってもよい。
【0188】
それゆえ、第1の副画素によって表示される階調値を低く抑えることができるので、素子特性のばらつきによる表示品位の低下をより一層確実に抑制できるという効果を奏する。
【0189】
さらに、本発明の駆動装置は、上記各構成の駆動装置において、上記画素は、3つ以上の副画素から構成され、かつ、各画素が有機エレクトロルミネッセンス素子からなるものであり、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、少なくとも2つの副画素を同時に表示させる一方、これら副画素の表示期間中には、残りの副画素を非表示とするものであり、残りの副画素に対して表示特性の回復処理を行なう回復処理手段と、全ての副画素に対して表示特性の回復処理が行なわれるように、各副画素について表示期間と表示特性回復期間との切り替えを行なう切り替え手段とをさらに備えるものであってもよい。
【0190】
それゆえ、連続表示運転中においても、一部の副画素を非表示として、副画素の表示特性の回復処理を行なうことができる。また、連続表示運転中においても、回復処理ができるため、劣化を加速させる熱の影響を低減することができる。これによって、連続表示運転することによるダークスポットや剥離などの視覚的な有機EL素子の劣化を防ぐことができる。
【0191】
したがって、連続的な表示運転による表示素子の劣化および変動を防ぎ、耐久性を向上し得るアクティブマトリクス駆動型表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0192】
また、本発明の駆動装置は、上記の回復処理手段において、表示特性回復処理期間中の副画素に対して、表示期間中の副画素に印加される電圧とは逆極性の電圧を印加するものであることが好ましい。
【0193】
それゆえ、ダークスポットや剥離などの視覚的劣化だけでなく、有機EL素子の内部電場に対する駆動印加電界の影響を低減することができるという効果を奏する。
【0194】
さらに、本発明の表示装置は、上記の課題を解決するために、表示素子と、該表示素子を駆動するための上記各構成の駆動装置とを備えるものである。
【0195】
それゆえ、素子特性のばらつきによる表示品位の低下を抑制できると共に回路規模の増大を回避できる表示装置、あるいは、連続的な表示運転による有機EL素子の劣化および変動を防ぎ、表示素子の耐久性を向上し得る表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0196】
さらに、本発明の参考に係る駆動装置は、上記の駆動装置において、第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、デジタル映像信号に基づいて第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、第2の副画素制御手段は、上記デジタル映像信号における上位側から第2の副画素の数に等しいビット数を、第2の副画素を駆動制御するための第2のアクティブ素子部に供給し、明表示または暗表示の2値表示を行なうように第2の副画素を駆動制御するものであり、第1の副画素制御手段は、上記デジタル映像信 号の残りの下位ビットをアナログ信号に変換して、第1の副画素を駆動制御するための第1のアクティブ素子部に供給するものであってもよい。
【0197】
それゆえ、デジタル映像信号に基づき、第2の副画素が明表示または暗表示の2値表示を行なうように駆動制御されると共に、第1の副画素がデジタル映像信号の下位ビットをアナログ変換した信号によってアナログ階調方式にて駆動制御される。その結果、素子特性のばらつきによる表示品位の低下を確実に抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置を示す回路図である。
【図2】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置が備える駆動用TFTおよび有機EL素子からなる駆動系のゲート電圧に対するドレイン−ソース電流特性を示すグラフである。
【図3】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置の有機ELの素子構造を示す断面図である。
【図4】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置の順構造の有機ELの素子構造を示す断面図である。
【図5】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置の逆構造の有機ELの素子構造を示す断面図である。
【図6】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置が備える駆動用TFTおよび有機EL素子からなる駆動系を示す回路図である。
【図7】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置の表示画面の階調値度数分布図を示すグラフである。
【図8】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置の表示画面の階調値を量子化したときの度数分布を示すグラフである。
【図9】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置が備えるデュアルゲート構造の制御用TFTを示す回路図である。
【図10】 本発明におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置が備えるパラレル接続した駆動用TFTを示す回路図である。
【図11】 本発明の参考の形態におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置を示す回路図である。
【図12】 本発明の参考の形態におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置を示す回路図である。
【図13】 本発明の他の実施の形態におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置を説明するための回路図である。
【図14】 上記図13に示すアクティブマトリクス駆動型表示装置が備える切替装置を示す回路図である。
【図15】 本発明の他の参考の形態におけるアクティブマトリクス駆動型表示装置を示す回路図である。
【図16】 従来のアクティブマトリクス駆動型表示装置が備えるTFT型アクティブ素子の構成を示す回路図である。
【図17】 従来の順構造有機EL駆動用TFT素子構成を示す回路図である。
【図18】 上記図17の素子構成をマトリクスパネルに配置した画素構成を示す回路図である。
【図19】 従来の逆構造有機EL駆動用TFT素子構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 走査選択信号端子
2 制御用TFT(アクティブ素子)
3 制御用TFT(アクティブ素子)
4 データ信号端子
5 比較信号端子
6 比較演算器(第1の副画素制御手段、第2の副画素制御手段)
7 オフセット電圧制御部(第1の副画素制御手段、第2の副画素制御手段)
8 駆動用TFT(アクティブ素子)
9 駆動用TFT(アクティブ素子)
10 副画素(画素、第2の副画素)
11 副画素(画素、第1の副画素)
12 オフセット電圧入力端子
13 画素部
16 駆動装置
19 制御レベル信号生成器(第1の副画素制御手段、第2の副画素制御手段)
20 オフセット電圧生成器(第1の副画素制御手段、第2の副画素制御手段)
23 LS(第2の副画素制御手段)
24 D/Aコンバータ(第1の副画素制御手段)
31 飽和電流領域
32 非飽和電流領域
43 画素部

Claims (7)

  1. 光変調素子からなる画素と、該画素を駆動制御するためのアクティブ素子とを備える画素部を少なくとも1つ有し、上記画素が第1の副画素および第2の副画素から構成されるアクティブ駆動型の表示素子を駆動するための駆動装置であって、
    第1の副画素を、中間調を含む多階調を表示するように駆動制御する第1の副画素制御手段と、
    第2の副画素を、第1の副画素で表示可能な階調数よりも少ない階調数を表示するように駆動制御する第2の副画素制御手段とを備え
    第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、アナログ映像信号に基づいて第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、
    第1の副画素制御手段は、アナログ映像信号と基準信号との比較結果に基づいて第1の副画素の駆動電圧に対して付与するオフセット電圧を切り替えるオフセット電圧切り替え手段を備え、
    第2の副画素制御手段は、アナログ映像信号と基準信号との比較結果に基づいて明表示または暗表示の2値表示を行なうように、第2の副画素を駆動制御するものであることを特徴とする駆動装置。
  2. 第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、
    第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で最大階調の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、
    第2の副画素制御手段は、第2の副画素を、最大階調の1/2nまたはゼロの階調となるように駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、
    第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で所定の階調数の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、
    第2の副画素制御手段は、映像信号から平均階調を検出する平均階調検出手段を含み、第2の副画素を、検出された平均階調またはゼロの階調となるように駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  4. 第2の副画素は、1つの画素にn個(nは自然数)設けられ、
    第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、1つの画素全体で所定の階調数の表示が可能となるように第1の副画素および第2の副画素を駆動制御するものであり、
    第2の副画素制御手段は、映像信号から階調の代表値を検出する代表値検出手段を含み、第2の副画素を、検出された代表値またはゼロの階調となるように駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  5. 上記画素は、3つ以上の副画素から構成され、かつ、各画素が有機エレクトロルミネッセンス素子からなるものであり、
    第1の副画素制御手段および第2の副画素制御手段は、少なくとも2つの副画素を同時に表示させる一方、これら副画素の表示期間中には、残りの副画素を非表示とするものであり、
    残りの副画素に対して表示特性の回復処理を行なう回復処理手段と、
    全ての副画素に対して表示特性の回復処理が行なわれるように、各副画素について表示期間と表示特性回復期間との切り替えを行なう切り替え手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の駆動装置。
  6. 上記回復処理手段は、表示特性回復処理期間中の副画素に対して、表示期間中の副画素に印加される電圧とは逆極性の電圧を印加するものであることを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
  7. 表示素子と、該表示素子を駆動するための請求項1ないしに記載の駆動装置とを備えることを特徴とする表示装置。
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