JP4083447B2 - ニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケル、その製造方法、ニッケル酸リチウムおよび二次電池 - Google Patents

ニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケル、その製造方法、ニッケル酸リチウムおよび二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水酸化ニッケル、水酸化ニッケルの製造方法および水酸化ニッケルから製造されたニッケル酸リチウムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のリチウム二次電池は、その性能の向上にともなって、使用範囲が広まってきている。
【0003】
たとえば、リチウム二次電池は、家電製品や自動車などに使用されるようになってきている。すなわち、リチウム二次電池は、エネルギー密度が高い等の特性を有するようになったためである。
【0004】
リチウム二次電池を自動車用の電源に使用するためには、広い温度範囲で高い出力を発揮することが要求されている。すなわち、低温においても高い出力特性を有することが要求されている。
【0005】
リチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な活物質を有する電池であり、この正極活物質としては、たとえば、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)をあげることができる。このニッケル酸リチウムは、一般に、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硝酸ニッケル等のニッケル塩を、炭酸リチウム、水酸化リチウム等のリチウム塩と反応させることで製造されている。ほとんどの場合、製造されたニッケル酸リチウムは、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した構造を有している。
【0006】
活物質としてニッケル酸リチウムを用いたリチウム二次電池においては、ニッケル酸リチウムの一次粒子が大きいほど、低温での出力特性に優れていることが知られている。
【0007】
粒径の大きな一次粒子を有するニッケル酸リチウムとしては、たとえば、特許第3130813号に開示されたリチウムニッケル複合酸化物がある。
【0008】
特許第3130813号に開示されたリチウムニッケル複合酸化物は、一般式(I)Liy-x1Ni1-x2x2 (I)[但し、式中、MはAl、Fe、Co、Mn及びMgからなる群から選ばれた1種、x=x1+x2(ここで、(i) MがAl又はFeである場合は、0<x≦0.2を示し、x1は0、x2はxを示し、(ii) MがCo又はMnの場合は、0<x≦0.5を示し、x1は0、x2はxを示し、(iii)MがMgである場合は、0<x≦0.2を示し、x1は0<x1<0.2、x2は、0<x2<0.2を示す)、yは0.9≦y≦1.3を示す] で示され、X線回折のミラー指数hklにおける(003)面及び(104)面での回折ピーク比(003)/(104)が1.2以上、(006)面及び(101)面での回折ピーク比(006)/(101)が0.13以下、BET表面積が0.1〜2m2/g、全Niに対するNi3+の割合が99重量%以上、平均粒径Dが5〜100μm、粒度分布の10%が0.5D以上、90%が2D以下、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して表面に凸凹のある球状二次粒子であって、この球状二次粒子を構成する一次粒子径が、SEMで観察して長径の粒径が0.2〜3.0μmの範囲に分布している均一な粒子で且つその長径の平均粒径が0.3〜2.0μmである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低温出力に優れたリチウム二次電池に活物質として用いられる一次粒子の粒径の大きなニッケル酸リチウムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、ニッケル酸リチウムの一次粒子に関して検討を重ねた結果、ニッケル酸リチウムを製造するための原料に水酸化ニッケルを用いた場合、水酸化ニッケルの構造がニッケル酸リチウムの一次粒子の大きさに関係していることを見出した。
【0011】
すなわち、水酸化ニッケルの結晶の方位をそろえて大きな組織とすることで、この水酸化ニッケルから製造されるニッケル酸リチウムの一次粒子の粒径が大きくなり、このニッケル酸リチウムを活物質として用いた電池の低温特性が向上する。
【0012】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルは、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤を、全体に対して100〜400ppmで有することを特徴とする。
【0013】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルは、鉱化剤を有するため、その製造工程において、ニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの大きな組織が得られる。このため、大きな組織を有するニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルにリチウムを反応させることで、一次粒子の大きなニッケル酸リチウムを製造することができる効果を示す。
【0014】
また、本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法は、製造される水酸化ニッケルを100wt%としたときに100〜400ppmのMg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤と、硫酸ニッケル(NiSO)と、が溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)とアンモニアとを供給して水酸化ニッケル(Ni(OH))を晶析させることを特徴とする。
【0015】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法は、大きな組織を有するニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルが得られる。大きな組織を有するニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルにリチウムを反応させることで、一次粒子の大きなニッケル酸リチウムを製造することができる効果を示す。
【0016】
また、本発明のニッケル酸リチウムは、製造される水酸化ニッケルを100wt%としたときに100〜400ppmのMg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤と、硫酸ニッケル(NiSO)と、が溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)とアンモニアとを供給して晶析した水酸化ニッケル(Ni(OH))を、水の存在下で水酸化リチウム(LiOH)と焼成してなることを特徴とする。
【0017】
本発明のニッケル酸リチウムは、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなるニッケル酸リチウムである。本発明のニッケル酸リチウムは、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなるため、リチウム二次電池の正極活物質として用いたときに、低温での出力特性に優れた電池が得られる。
【0018】
本発明の二次電池は、製造される水酸化ニッケルを100wt%としたときに100〜400ppmのMg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤と、硫酸ニッケル(NiSO)と、が溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)とアンモニアとを供給して晶析した水酸化ニッケル(Ni(OH))を、水の存在下で水酸化リチウム(LiOH)と焼成してなるニッケル酸リチウムを正極活物質として有することを特徴とする。
【0019】
本発明の二次電池は、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなる活物質を用いているため、低温での出力特性に優れている。
【0020】
【発明の実施の形態】
ニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケル)
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルは、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤を有する。本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルは、鉱化剤の作用により大きな組織を有する。すなわち、本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルは、鉱化剤が隣接する水酸化ニッケルに分極を生じさせ、この分極の作用により結晶組織の方向がそろっている。水酸化ニッケルの結晶組織がそろうことは、水酸化ニッケルの製造時の結晶が成長するときに隣接した組織による結晶成長の阻害が抑えられているため、大きな組織を有することとなる。
【0021】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルを用いると、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなるニッケル酸リチウムを製造することができる。詳しくは、リチウムをドープさせたときに、水酸化ニッケルの大きな組織にそってニッケル酸リチウムが成長することで大きな一次粒子が形成される。水酸化ニッケルが大きな組織を有すると、大きな組織にリチウムがドープされてニッケル酸リチウムの大きな一次粒子を形成しながら、一次粒子が集まった二次粒子が形成される。
【0022】
鉱化剤が、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなることで、水酸化ニッケルに分極を生じさせることができる。ここで、鉱化剤を構成するMg、Si、Caは、それぞれの元素種の単体だけでなく、酸化物であってもよい。
【0023】
鉱化剤は、水酸化ニッケルに原子状態で分散していることが好ましい。鉱化剤が水酸化ニッケルに原子状態で分散していることで、より水酸化ニッケルの結晶の方位がそろうようになる。ここで、鉱化剤が水酸化ニッケルに分散したときの原子状態とは、鉱化剤が大きな粒子を形成することなく、原子レベルのオーダーで分散していることを示す。
【0024】
水酸化ニッケル中に原子状態で分散した鉱化剤の分散量は、微量であることが好ましい。ここで、鉱化剤の分散量の微量とは、ppm程度の量を示す。好ましい鉱化剤の分散量は、水酸化ニッケルに対して100〜400ppmの濃度である。より好ましくは、100〜300ppmである。
【0025】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルは、Co、Mn、Alの少なくとも一種が原子状態で分散していることが好ましい。Co、Mn、Alの少なくとも一種が含まれることで、本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルは、電池特性に優れたリチウム電池の活物質を製造することができる。詳しくは、Coを含有すると、高容量の活物質が得られる。Alを含有すると、電池のサイクル特性が向上する活物質が得られる。Mnを含有すると、低コストの活物質が得られる。
【0026】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルは、鉱化剤を有するため、その製造工程において、水酸化ニッケルの大きな組織が得られる。大きな組織を有する水酸化ニッケルにリチウムを反応させることで、一次粒子の大きなニッケル酸リチウムを製造することができる効果を示す。
【0027】
ニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法)
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法は、鉱化剤と硫酸ニッケルとが溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウムとアンモニアとを供給して水酸化ニッケルを晶析させる。
【0028】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法は、硫酸ニッケル水溶液中に鉱化剤が含まれることで、大きな組織を有する水酸化ニッケルが得られる。すなわち、鉱化剤の有する大きな表面自由エネルギーが、水酸化ニッケルの組織を大きくする。
【0029】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法は、以下の化1に示した反応により、水酸化ニッケルを生成する。
【0030】
【化1】
Figure 0004083447
【0031】
化1からも明らかなように、水酸化ニッケルを生成する反応に、鉱化剤は直接寄与をしていない。すなわち、鉱化剤は、反応により生じた水酸化ニッケルの結晶成長時に結晶の方位をそろえることで大きな組織としている。
【0032】
詳しくは、鉱化剤が硫酸ニッケル水溶液中に含まれるため、硫酸ニッケルが水溶液中で水酸化ナトリウムとアンモニアと反応したときに生じる反応生成物(水酸化ニッケル)は、水溶液中で鉱化剤と近接している。鉱化剤は大きな表面自由エネルギーを有するため、水酸化ニッケルを引きつけるとともに、引きつけられた水酸化ニッケルの中に誘導分極を作り出す。この誘導分極を生じた水酸化ニッケルは、さらに、反応により生じた水酸化ニッケルを引きつけ、結晶成長する。結晶成長をするときにも、新たな誘導分極が生じるため、組織の方向がそろった結晶が得られる。
【0033】
結晶成長時に組織の方向が乱れていると、結晶が大きくなるときに、隣接した結晶組織にさらなる結晶の成長が阻害されるため、大きな組織の結晶が得られない。
【0034】
この結果、本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法により、大きな組織を有する水酸化ニッケルが得られる。
【0035】
鉱化剤は、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなることが好ましい。鉱化剤が、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなることで、水酸化ニッケルに分極を生じさせることができる。ここで、鉱化剤を構成するMg、Si、Caは、それぞれの元素種の単体だけでなく、酸化物であってもよい。
【0036】
硫酸ニッケル水溶液は、鉱化剤としてはたらく元素が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解してなることが好ましい。鉱化剤が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解させることで、硫酸ニッケル水溶液を容易に調製できる。すなわち、鉱化剤自身は水に溶解しにくいためである。
【0037】
ここで、鉱化剤が溶解した水溶液としては、鉱水(ミネラルウォーター)を用いることが好ましく、実用的には工業用水を用いることが好ましい。一般に工業用水は、ミネラル分として、Mg、Si、Caの少なくとも一種を含有することが多く、この成分が鉱化剤となる。
【0038】
鉱化剤は、製造される水酸化ニッケルを100wt%としたときに、100〜400ppmの濃度で含有されることが好ましい。鉱化剤が100〜400ppmの濃度で硫酸ニッケル水溶液に含まれることで、大きな組織を有する水酸化ニッケルが製造できる。また、鉱化剤が100ppm未満では、鉱化剤としての効果がみられない。鉱化剤が400ppmを超えると、鉱化剤の添加の効果が飽和する。詳しくは、製造されたニッケル水酸化物にリチウムがドープしたニッケル酸リチウムの一次粒子の大きさには熱力学的な限界があり、鉱化剤の含有量が400ppmとなると、この限界に到達することとなるためである。より好ましい鉱化剤の溶解量は、100〜300ppmである。なお、上述した工業用水は、鉱化剤の含有量がこの濃度範囲にある。
【0039】
硫酸ニッケル水溶液は、Co、Mn、Alの少なくとも一種を有することが好ましい。Co、Mn、Alの少なくとも一種を硫酸ニッケル水溶液中に有することで、本発明の製造方法により製造された水酸化ニッケルは、電池特性に優れたリチウム電池の活物質を製造することができる。詳しくは、Coを含有すると、高容量の活物質が得られる。Alを含有すると、電池のサイクル特性が向上する活物質が得られる。Mnを含有すると、低コストの活物質が得られる。
【0040】
本発明のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法は、大きな組織を有する水酸化ニッケルが得られる。大きな組織を有する水酸化ニッケルにリチウムを反応させることで、一次粒子の大きなニッケル酸リチウムを製造することができる効果を示す。
【0041】
(ニッケル酸リチウム)
本発明のニッケル酸リチウムは、鉱化剤と硫酸ニッケルとが溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウムとアンモニアとを供給して晶析した水酸化ニッケルを、水の存在下で水酸化リチウムと焼成してなる。すなわち、後述の化3式に示したように、H2Oが存在することにより、LiイオンがNi(OH)2の粒子内に拡散しやすくなる。
【0042】
本発明のニッケル酸リチウムは、大きな組織を有する水酸化ニッケルにリチウムを反応させて製造されたニッケル酸リチウムであり、粒径の大きな一次粒子が集まって二次粒子が形成されている。
【0043】
すなわち、鉱化剤と硫酸ニッケルとが溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウムとアンモニアとを供給して晶析した水酸化ニッケルは、結晶の方位がそろうことで大きな組織を形成している。
【0044】
そして、結晶の方位がそろった水酸化ニッケルに水の存在下で水酸化リチウムと焼成させることで、水酸化ニッケルにリチウムがドープされ、ニッケル酸リチウムが生成する。水酸化ニッケルにリチウムがドープされると、水酸化ニッケルの結晶の方向にそってニッケル酸リチウムが成長する。この水酸化ニッケルの結晶の方向にそって成長したニッケル酸リチウムが一次粒子となり、水酸化ニッケルのそれぞれの結晶が成長することで、一次粒子が集まった構造の二次粒子が形成される。
【0045】
また、本発明のニッケル酸リチウムにおいて、水酸化ニッケルが大きな組織を有するため、大きな組織から生成されるニッケル酸リチウムの一次粒子の大きさも、大きいものとなっている。この結果、本発明のニッケル酸リチウムは、大きな一次粒子が集まった二次粒子を形成している。
【0046】
鉱化剤は、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなることが好ましい。鉱化剤が、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなることで、水酸化ニッケルに分極を生じさせることができる。ここで、鉱化剤を構成するMg、Si、Caは、それぞれの元素種の単体だけでなく、酸化物であってもよい。
【0047】
硫酸ニッケル水溶液は、鉱化剤としてはたらく元素が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解してなることが好ましい。鉱化剤が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解させることで、硫酸ニッケル水溶液を容易に調製できる。すなわち、鉱化剤自身は水に溶解しにくいためである。
【0048】
ここで、鉱化剤が溶解した水溶液としては、鉱水(ミネラルウォーター)を用いることが好ましく、実用的には工業用水を用いることが好ましい。一般に工業用水は、ミネラル分として、Mg、Si、Caの少なくとも一種を含有することが多く、この成分が鉱化剤となる。
【0049】
鉱化剤は、水酸化ニッケルを100wt%としたときに、100〜400ppmの濃度で含有されることが好ましい。鉱化剤が100〜400ppmの濃度で硫酸ニッケル水溶液に含まれることで、大きな組織を有する水酸化ニッケルが製造できる。また、鉱化剤が100ppm未満では、鉱化剤としての効果がみられない。鉱化剤が400ppmを超えると、鉱化剤の添加の効果が飽和する。詳しくは、製造されたニッケル水酸化物にリチウムがドープしたニッケル酸リチウムの一次粒子の大きさには熱力学的な限界があり、鉱化剤の含有量が400ppmとなると、この限界に到達することとなるためである。より好ましい鉱化剤の溶解量は、100〜300ppmである。なお、上述した工業用水は、鉱化剤の含有量がこの濃度範囲にある。
【0050】
本発明のニッケル酸リチウムは、ニッケルの一部がCo、Mn、Alの少なくとも一種に置換されたことが好ましい。ニッケルの一部がこれらの元素に置換されたニッケル酸リチウムは、電池特性に優れたリチウム電池を得ることができる。詳しくは、Coを含有すると、高容量の活物質が得られる。Alを含有すると、電池のサイクル特性が向上する活物質が得られる。Mnを含有すると、低コストの活物質が得られる。
【0051】
なお、ニッケルの一部をCo、Mn、Alの少なくとも一種に置換する方法については特に限定されるものではない。たとえば、硫酸ニッケル水溶液中にこれらの元素を溶解させておくことで、ニッケルの一部がCo、Mn、Alの少なくとも一種に置換されたニッケル酸リチウムを製造する方法がある。
【0052】
本発明のニッケル酸リチウムは、水酸化ニッケルを、水の存在下で水酸化リチウムと焼成するときに、仮焼成を行った後に本焼成を行うことが好ましい。仮焼成を行うことで、得られるニッケル酸リチウムの一次粒子の粒度分布の巾が狭くなるためである。すなわち、一次粒子の粒度分布の巾が狭くなることは、ニッケル酸リチウムの特性のバラツキが抑えられることを示す。
【0053】
さらに、仮焼成を行うことで、本焼成時の収縮率が小さくなる。このことは、仮焼成時に生じる原子再配列(結晶化)等により、原料(水酸化ニッケル)のエントロピーを効果的に増加させたためであると考えられる。本焼成における収縮率が低下することは、得られるニッケル酸リチウムの一次粒子の粒径が大きくなることを示す。すなわち、本焼成時に収縮が生じると一次粒子の結晶成長が阻害され、大きな一次粒子が得られなくなるためである。
【0054】
本発明のニッケル酸リチウムは、水酸化ニッケル中に鉱化剤が含まれているため、仮焼成の焼成温度を低温とすることができる効果を有する。
【0055】
本発明のニッケル酸リチウムは、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなるニッケル酸リチウムである。本発明のニッケル酸リチウムは、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなるため、リチウム二次電池の正極活物質として用いたときに、低温での出力特性に優れた電池が得られる。
【0056】
(二次電池)
本発明の二次電池は、鉱化剤と硫酸ニッケルとが溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウムとアンモニアとを供給して晶析した水酸化ニッケルを、水の存在下で水酸化リチウムと焼成してなるニッケル酸リチウムを正極活物質として有する。
【0057】
本発明の二次電池の正極活物質として用いられているニッケル酸リチウムは、大きな組織を有する水酸化ニッケルにリチウムを反応させて製造されたニッケル酸リチウムであり、粒径の大きな一次粒子が集まって二次粒子が形成されている。
【0058】
すなわち、鉱化剤と硫酸ニッケルとが溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウムとアンモニアとを供給して晶析した水酸化ニッケルは、結晶の方位がそろった大きな組織を有している。
【0059】
そして、結晶の方位がそろった水酸化ニッケルに水の存在下で水酸化リチウムと焼成させることで、水酸化ニッケルにリチウムがドープされ、ニッケル酸リチウムが得られる。リチウムがドープされると、水酸化ニッケルの結晶の方向にそってニッケル酸リチウムの結晶が成長する。この水酸化ニッケルの結晶の方向にそって成長したニッケル酸リチウムが一次粒子となる。このとき、水酸化ニッケル中で、結晶の方向の異なる組織のそれぞれにリチウムがドープされるため、複数の一次粒子の成長が生じ、一次粒子が集まった二次粒子が形成される。
【0060】
また、水酸化ニッケルが大きな組織を有するため、大きな組織から生成されるニッケル酸リチウムの一次粒子の大きさも、大きいものとなっている。この結果、本発明のニッケル酸リチウムは、大きな一次粒子が集まった二次粒子を形成している。
【0061】
本発明の二次電池は、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなる活物質を用いているため、低温での出力特性に優れている。
【0062】
以下、正極活物質のニッケル酸リチウムの一次粒子の粒径と二次電池の低温特性の関係を測定し、一次粒子の粒径が大きくなることで二次電池の低温での電池特性が向上することを説明する。
【0063】
まず、実施例に記載の手段を用いて、ニッケル酸リチウムおよびニッケル酸リチウムを用いた二次電池を製造した。なお、ニッケル酸リチウムの一次粒子の粒径の制御は、鉱化剤の添加量を制御することでなされた。
【0064】
なお、ニッケル酸リチウムの一次粒子の粒径の測定は、まず、調製されたニッケル酸リチウム粉末とα−シアノアクリレート系接着剤(東亜合成株式会社製、商品名:アロンアルファ)とを同体積で混合させた混合物を調製し、この混合物を加工軸に対して直角な方向に切りとり、板状の試験片を作製した。その後、試験片表面に収束イオンビーム(FIB:focused ion beam)を照射する表面処理を行うことで、ニッケル酸リチウムの断面を現出させ、一次粒子の粒子形状を明らかにした。ここで、FIB加工装置には、FB2000A(株式会社日立製作所製)が用いられ、照射イオン種:ガリウム、加速電圧:30KVで照射が行われた。また、FIB照射による表面処理は、表1に示されたビーム電流値で行われた。
【0065】
【表1】
Figure 0004083447
【0066】
つづいて、試験片の表面を走査イオン顕微鏡(SIM:scanning ion microscorpy)により観察した。このSIM観察は、試験片の表面が傾斜した状態で、断面を観察することで行われた。なお、SIM測定は、ビーム電流(30pA)、倍率19000倍であった。
【0067】
得られたSIM像において、1辺8.2μmの正方形(67μm2相当の面積)を観察視野とし、この観察視野中に断面が完全に入った一つの二次粒子中の一次粒子の数を測定することで、一次粒子の計数を行った。なお、所定の観察視野内に二次粒子が完全に入っていない場合には、ISO 643に規定の手法により一次粒子の計数を算出した。
【0068】
その後、計数された一次粒子の領域を円相当径に換算して、0.20μmの区間幅で度数頻度を計算した。さらに、異なった視野に関する度数頻度の計算を繰り返すことで、度数頻度の平均値を得た。また、この度数頻度の平均値から一次粒子の平均粒径が得られた。
【0069】
また、ニッケル酸リチウムの二次粒子の粒径の測定は、レーザー回折粒度分布測定装置マイクロトラックFRA(日機装(株)製)を用いて測定し、粒度分布のMV(体積平均)値を二次粒子の粒径として行われた。
【0070】
つづいて、それぞれのニッケル酸リチウムを正極活物質として用いて製造された二次電池の低温特性として低温出力を測定した。
【0071】
低温出力は、3.0Vから充電した後、充電状態が40%である3.62V時の出力をW数で表される電池の放電能力で示したものである。この充電は−30℃で行われた。すなわち、低温出力は、満充電状態のSOC(State OfCharge)を100%とし、40%時の電池出力をW数で表したときに得られる。この電池のSOC100%=4.1V、SOC40%=3.62V、SOC0%=3.0Vである。
【0072】
具体的には、まず、(1)3.0Vから充電をはじめ、SOCが40%になるように−30℃の条件で充電を行う。(2)SOC40%から定電流で放電を行い、10秒後の電圧を測定する。(3)(2)の方法において、電流値を変化させた放電を行い、それぞれの電圧を測定する。(4)横軸:放電電流、縦軸:放電電圧の図に、測定された電圧値をプロットする。(5)プロットを直線近似して、3.0Vをカットする電流値を算出する(I3.0Vと表記する)。(6)W=IVより、W=I3.0V×3.0Vにより出力を算出する。
【0073】
なお、(4)および(5)において、プロットした直線の傾きが電池内部抵抗Rを示し(V=IR)、Rが小さいほど直線の傾きが小さくなり、I3.0Vが大きくなる。すなわち、出力が大きくなる。(出力向上≒内部抵抗の低減)
以上の手順によりー30℃における出力Wを測定した。
【0074】
ニッケル酸リチウムの一次粒子の平均粒径と二次電池の低温特性の測定結果を表2に示した。
【0075】
【表2】
Figure 0004083447
【0076】
表2より、一次粒子の平均粒径が大きくなると、低温での特性が向上していることが明らかである。
【0077】
また、試料番号1〜4のニッケル酸リチウムおよびニッケル酸リチウムの原料である水酸化ニッケルの断面写真を図1〜8に示した。なお、試料番号1のニッケル酸リチウムが図1に、試料番号1のニッケル酸リチウムの原料である水酸化ニッケルが図2に示された。試料番号2のニッケル酸リチウムが図3に、試料番号2のニッケル酸リチウムの原料である水酸化ニッケルが図4に示された。試料番号3のニッケル酸リチウムが図5に、試料番号3のニッケル酸リチウムの原料である水酸化ニッケルが図6に示された。試料番号4のニッケル酸リチウムが図7に、試料番号4のニッケル酸リチウムの原料である水酸化ニッケルが図8に示された。なお、水酸化ニッケルの断面は、ニッケル酸リチウムのSIM像の撮影方法と同様に撮影された。
【0078】
さらに、図1〜8を用いて本発明を説明する。
【0079】
まず、図2、4、6、8に示された水酸化ニッケルの組織については、水酸化ニッケル粒子の断面において、しわ模様が観察される。このしわ模様は、結晶の方位の異なる水酸化ニッケルの組織間の界面を表している。すなわち、しわ模様の長さが長いほど水酸化ニッケルの結晶組織が大きいことを示す。また、図2、4、6、8に示されたように、水酸化ニッケルの組織は、しわ模様による異なる結晶組織の界面が存在するが、この水酸化ニッケル自体でひとつの粒子を構成している。すなわち、水酸化ニッケルは、ニッケル酸リチウムのように一次粒子が集まって二次粒子を形成しているものではない。
【0080】
図2、4、6、8に示された組織の大きな水酸化ニッケルにリチウムがドープされることで、図1、3、5、7に示されたニッケル酸リチウムとなる。大きな組織の水酸化ニッケルから得られたニッケル酸リチウムは、一次粒子の大きな二次粒子が形成されている。すなわち、水酸化ニッケルからニッケル酸リチウムが製造されるときには、水酸化ニッケルの組織の伸びる方向にニッケル酸リチウムの組織が成長する。このとき、ニッケル酸リチウムの組織の成長する方向に界面が存在すると、結晶の成長が阻害されるため、大きな一次粒子が形成されない。
【0081】
鉱化剤は、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなることが好ましい。鉱化剤が、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなることで、水酸化ニッケルに分極を生じさせることができる。ここで、鉱化剤を構成するMg、Si、Caは、それぞれの元素種の単体だけでなく、酸化物であってもよい。
【0082】
硫酸ニッケル水溶液は、鉱化剤としてはたらく元素が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解してなることが好ましい。鉱化剤が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解させることで、硫酸ニッケル水溶液を容易に調製できる。すなわち、鉱化剤自身は水に溶解しにくいためである。
【0083】
ここで、鉱化剤が溶解した水溶液としては、鉱水(ミネラルウォーター)を用いることが好ましく、実用的には工業用水を用いることが好ましい。一般に工業用水は、ミネラル分として、Mg、Si、Caの少なくとも一種を含有することが多く、この成分が鉱化剤となる。
【0084】
鉱化剤は、水酸化ニッケルを100wt%としたときに、100〜400ppmの濃度で含有されることが好ましい。鉱化剤が100〜400ppmの濃度で硫酸ニッケル水溶液に含まれることで、大きな組織を有するニッケル酸リチウムが製造できる。また、鉱化剤が100ppm未満では、鉱化剤としての効果がみられない。鉱化剤が400ppmを超えると、鉱化剤の添加の効果が飽和する。詳しくは、ニッケル酸リチウムの一次粒子の大きさには熱力学的な限界があり、鉱化剤の含有量が400ppmとなると、この限界に到達することとなるためである。より好ましい鉱化剤の溶解量は、100〜300ppmである。なお、上述した工業用水は、鉱化剤の含有量がこの濃度範囲にある。
【0085】
Mg、Si、Caの添加量と、正極活物質を用いたリチウム二次電池の低温出力の関係を図9〜11に示した。なお、図9にはSiの添加量と低温出力との関係を、図10にはMgの添加量と低温出力との関係を、図11にはCaの添加量と低温出力との関係を、示した。
【0086】
図9〜11より、鉱化剤の添加量が増加することで、低温出力が増大していることがわかる。このことは、鉱化剤の添加量の増加にともなって、正極活物質の一次粒子の粒径が増大していることを示している。また、粒径の大きな一次粒子は、ニッケル酸リチウムの原料である水酸化ニッケルが大きな組織を有することを示している。
【0087】
本発明の二次電池において、ニッケル酸リチウムは、ニッケルの一部がCo、Mn、Alの少なくとも一種に置換されたことが好ましい。ニッケルの一部がこれらの元素に置換されたニッケル酸リチウムは、電池特性に優れたリチウム電池を得ることができる。詳しくは、Coを含有すると、高容量の活物質が得られる。Alを含有すると、電池のサイクル特性が向上する活物質が得られる。Mnを含有すると、低コストの活物質が得られる。
【0088】
本発明の二次電池に活物質として用いられるニッケル酸リチウムは、水酸化ニッケルを、水の存在下で水酸化リチウムと焼成するときに、仮焼成を行った後に本焼成を行うことが好ましい。仮焼成を行うことで、得られるニッケル酸リチウムの一次粒子の粒度分布の巾が狭くなるためである。すなわち、一次粒子の粒度分布の巾が狭くなることは、ニッケル酸リチウムの特性のバラツキが抑えられることを示す。
【0089】
さらに、仮焼成を行うことで、本焼成時の収縮率が小さくなる。このことは、仮焼成時の原子再配列(結晶化)等により、原料(水酸化ニッケル)のエントロピーを効果的に増加させたためであると考えられる。本焼成における収縮率が低下することは、得られるニッケル酸リチウムの一次粒子の粒径が大きくなることを示す。すなわち、本焼成時に収縮が生じると一次粒子の結晶成長が阻害され、大きな一次粒子が得られなくなるためである。
【0090】
本発明の二次電池は、ニッケル酸リチウムの原料となる水酸化ニッケル中に鉱化剤が含まれているため、仮焼成の焼成温度を低温とすることができる効果を有する。
【0091】
本発明の二次電池は、正極活物質としてニッケル酸リチウムを用いた以外は、限定されるものではなく、通常のリチウム二次電池に用いられた材料を用いることができる。
【0092】
すなわち、正極は、リチウムイオンを充電時には放出し、かつ放電時には吸蔵することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。特に、正極活物質、導電材および結着材を混合して得られた合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0093】
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
【0094】
導電剤は、正極の電気伝導性を確保する作用を有する。導電剤としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質の1種または2種以上の混合したものをあげることができる。
【0095】
また、正極の集電体としては、たとえば、アルミニウム、ステンレスなどの金属を網、パンチドメタル、フォームメタルや板状に加工した箔などを用いることができる。
【0096】
負極は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。特に、負極活物質および結着剤を混合して得られた合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0097】
負極活物質としては、特に限定されるものではなく、公知の活物質を用いることができる。たとえば、結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料、金属リチウムやリチウム合金、スズ化合物などの金属材料、導電性ポリマーなどをあげることができる。
【0098】
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
【0099】
負極の集電体としては、たとえば、銅、ニッケルなどを網、パンチドメタル、フォームメタルや板状に加工した箔などを用いることができる。
【0100】
非水電解液は、通常のリチウム二次電池に用いられる電解液であればよく、電解質塩と非水溶媒とから構成される。
【0101】
電解質塩としては、たとえば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiN(CF3 SO22、LiC(CF3SO23、LiI、LiAlCl4、NaClO4、NaBF4、Nal等をあげることができ、特に、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6などの無機リチウム塩、LiN(SO2x2x+1)(SO2y2y+1)で表される有機リチウム塩をあげることができる。ここで、xおよびyは1〜4の整数を表し、また、x+yは3〜8である。有機リチウム塩としては、具体的には、LiN(SO2 CF3)(SO225)、LiN(SO2CF3)(SO237)、LiN(SO2CF3)(SO249)、LiN(SO225)(SO225)、LiN(SO225)(SO237)、LiN(SO225)(SO249)等があげられる。なかでも、LiN(SO2CF3 )(SO249)、LiN(SO225)(SO225)などを電解質に使用すると、電気特性に優れるので好ましい。
【0102】
なお、この電解質塩は、電解液中での濃度が、0.5〜1.5mol/dm3となるように溶解していることが好ましい。電解液中の濃度が0.5mol/dm3未満となると十分な電流密度が得られないことがあり、1.5mol/dm3を超えると粘度が増加し、電解液の導電性の低下を生じるようになるためである。
【0103】
電解質塩が溶解する有機溶媒としては、通常のリチウム二次電池の非水電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されず、例えば、カーボネート化合物、ラクトン化合物、エーテル化合物、スルホラン化合物、ジオキソラン化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、ハロゲン化炭化水素化合物等をあげることができる。詳しくは、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジメチルカーボネート、プロピレングリコールジメチルカーボネート、エチレングリコールジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、スルホラン、3−メチルスルホラン等のスルホラン類、1,3−ジオキソラン等のジオキソラン類、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、アセトニトリル、ピロピオニトリル、バレロニトリル、ベンソニトリル等のニトリル類、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、その他のメチルフォルメート、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等をあげることができる。さらに、これらの混合物であってもよい。
【0104】
これらの有機溶媒のうち、特に、カーボネート類からなる群より選ばれた一種以上の非水溶媒が、電解質の溶解性、誘電率および粘度において優れているので、好ましい。
【0105】
本発明の二次電池は、その形状が特に限定されるものではなく、たとえば、シート型、コイン型、円筒型、角型など、種々の形状の電池として使用できる。好ましくは、正極および負極がシート状に形成され、シート状のセパレータを介した状態で巻回された巻回型電極体であることが好ましい。さらに、体積効率に優れることから扁平形状巻回型電極体であることがより好ましい。
【0106】
本発明の二次電池は、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなる活物質を用いているため、低温での出力特性に優れている。
【0107】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0108】
本発明の実施例として、ニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルを調製し、このニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルからニッケル酸リチウムを調製し、このニッケル酸リチウムを正極活物質として用いたリチウム二次電池を製造した。
【0109】
ニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造)
まず、356.4gの硫酸ニッケル6水和物(NiSO4・6H2O)および70.0gの硫酸コバルト5水和物(CoSO4・5H2O)を秤量し、工業用水に溶解し、1リットルの含硫酸ニッケル、硫酸コバルト水溶液を調製した。この工業用水には、5.9mg/LのSiと、3.9mg/LのMgと、14.3mg/LのCaと、がイオン状態で溶解している。
【0110】
調製された硫酸ニッケル水溶液を反応槽に注入し、10.0gの水酸化ナトリウム(NaOH)とアンモニア(NH3)を、反応槽の内部に導入した。なお、硫酸ニッケル水溶液のpHが10.20〜10.30に維持されるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニアが反応槽内に導入された。このとき、硫酸ニッケル水溶液の液温が50℃に保持された。硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウムおよびアンモニアが導入されることで、水酸化ニッケルが晶析した。このときの反応は、上述した化1に示された反応であり、ニッケル錯塩を生成させ、水酸化ナトリウムで分解して水酸化ニッケルが晶析する。
【0111】
つづいて、水酸化ニッケルが晶析した硫酸ニッケル水溶液に、6.0gのアルミン酸ナトリウム(NaAlO2)を添加し、硫酸を徐々に加えてpHを調製することで、水溶液中に水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を生成した。ここで、水酸化アルミニウムを水溶液中に導入することで、正極活物質にAlが導入される。このときの反応を化2に示した。
【0112】
【化2】
Figure 0004083447
【0113】
その後、水溶液から、水酸化アルミニウムを含有した水酸化ニッケルを取り出した。なお、この水酸化ニッケルは、吸引濾過にて水溶液から回収され、100℃の大気乾燥器中で24時間加熱して乾燥させた。得られた水酸化ニッケルは、ニッケル品位が52.3重量%、コバルト品位が9.5重量%、アルミニウム品位が1.0重量%の複合水酸化物であった。
【0114】
以上の手段により、実施例のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルが製造された。
【0115】
(ニッケル酸リチウムの製造)
80.0gのLiOH・H2Oと170.0gのニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルを混合機を用いて均一に混合し、混合粉末を得た。
【0116】
その後、混合粉末を造粒機を用いて造粒し、得られた粒状物を酸素雰囲気下で焼成した。
【0117】
焼成は、まず、焼成炉内に粒状物が配された状態で、60L/minの流量で酸素ガスを炉内に導入した。
【0118】
酸素ガスが炉内に導入された状態で、炉内温度を250℃まで昇温させ、4時間保持した。この加熱により、粒状物に含まれる水分が除去された。つづいて、炉内温度を450℃まで昇温させ、9時間保持した。この加熱により、水酸化ニッケルを分解し、酸化ニッケル(NiO)とした。このときの反応を化3に示した。
【0119】
【化3】
Figure 0004083447
【0120】
その後、炉内温度を750℃まで昇温させ、22時間保持した。この加熱により、ニッケル酸リチウムが製造された。このときの反応は、化4に示した反応を生じ、さらに均質化反応が生じてニッケル酸リチウム(LiNiO2)が製造される。
【0121】
【化4】
Figure 0004083447
【0122】
その後、室温まで徐冷し、平均粒径が5〜15μmとなるように粉砕した。なお、この平均粒径は、二次粒子の粒径である。
【0123】
以上の手段により、実施例のニッケル酸リチウムが製造された。
【0124】
(二次電池の製造)
実施例のニッケル酸リチウムを正極活物質として用いて巻回型リチウム二次電池を作製した。
【0125】
まず、25℃の室温雰囲気で、ニッケル酸リチウムが85重量部、カーボンブラックよりなる導電剤が10重量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)よりなる結着剤が5重量部の割合で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に溶解させ、正極活物質ペーストを作製した。この正極活物質ペーストをコンマコータにてアルミ箔の両面に塗布し、100℃で加熱して乾燥させた。
【0126】
次に、この正極をロールプレス機に通して荷重をかけ、電極密度を向上させた正極シートを作成した。
【0127】
つづいて、グラファイトよりなる負極活物質が92.5重量部、結着剤としてPVDFが7.5重量部とをNMP溶液に溶解させ、負極活物質ペーストを作製した。この負極活物質ペーストを、正極と同様にコンマコータを用いて銅箔表面の両面に塗布し乾燥させた。その後、この負極活物質ペーストが塗布された銅箔をロールプレス機に通して荷重をかけ、電極密度を上昇させた負極シートを作製した。
【0128】
以上で得られた正極シートおよび負極シートを、厚さ25μmの微多孔性のポリエチレンシートよりなるセパレータを介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。得られた巻回型電極体を、電池ケースの内部に挿入した。このとき、正極シートおよび負極シートは、それぞれの電極シートにもうけられたリードタブが正極端子あるいは負極端子に接合された。
【0129】
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とが3:7の体積比で混合した混合溶液よりなる有機溶媒に、リチウム塩としてLiPF6を電解液中での濃度が1mol/dm3となるように溶解させた電解液を調整した。
【0130】
その後、調整された電解液を巻回型電極体が挿入されたケース内に注入し、ケースの開口部を密閉し、ケースを封止した。
【0131】
以上の手段により直径が18mm、長さが65mmの円筒形のリチウム二次電池が製造された。
【0132】
実施例のリチウム二次電池は、一次粒子の粒径の大きなニッケル酸リチウムを正極活物質として用いていることから、低温特性に優れた二次電池となっている。
【0133】
【発明の効果】
本発明のニッケル酸リチウムは、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなるニッケル酸リチウムである。本発明のニッケル酸リチウムは、大きな一次粒子が集まった二次粒子よりなるため、リチウム二次電池の正極活物質として用いたときに、低温での出力特性に優れた電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試料番号1のニッケル酸リチウムの断面の顕微鏡写真である。
【図2】 試料番号1の水酸化ニッケルの断面の顕微鏡写真である。
【図3】 試料番号2のニッケル酸リチウムの断面の顕微鏡写真である。
【図4】 試料番号2の水酸化ニッケルの断面の顕微鏡写真である。
【図5】 試料番号3のニッケル酸リチウムの断面の顕微鏡写真である。
【図6】 試料番号3の水酸化ニッケルの断面の顕微鏡写真である。
【図7】 試料番号4のニッケル酸リチウムの断面の顕微鏡写真である。
【図8】 試料番号4の水酸化ニッケルの断面の顕微鏡写真である。
【図9】 ニッケル酸リチウムへのSiの添加量と低温出力との関係を示した図である。
【図10】 ニッケル酸リチウムへのMgの添加量と低温出力との関係を示した図である。
【図11】 ニッケル酸リチウムへのCaの添加量と低温出力との関係を示した図である。

Claims (17)

  1. Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤を、全体に対して100〜400ppmで有することを特徴とするニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケル。
  2. 前記鉱化剤は、前記水酸化ニッケルに原子状態で分散している請求項1記載のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケル。
  3. Co、Mn、Alの少なくとも一種が原子状態で分散している請求項1記載のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケル。
  4. 全体に対して100〜300ppmで前記鉱化剤を有する請求項1記載のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケル。
  5. 製造される水酸化ニッケルを100wt%としたときに100〜400ppmのMg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤と、硫酸ニッケル(NiSO)と、が溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、該硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)とアンモニアとを供給して水酸化ニッケル(Ni(OH))を晶析させることを特徴とするニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法。
  6. 前記硫酸ニッケル水溶液は、前記鉱化剤が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解してなる請求項5記載のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法。
  7. 前記硫酸ニッケル水溶液は、Co、Mn、Alの少なくとも一種を有する請求項5記載のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法。
  8. 前記水酸化ニッケルを100wt%としたときに、100〜300ppmで鉱化剤を有する請求項5記載のニッケル酸リチウム製造用水酸化ニッケルの製造方法。
  9. 製造される水酸化ニッケルを100wt%としたときに100〜400ppmのMg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤と、硫酸ニッケル(NiSO)と、が溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、該硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)とアンモニアとを供給して晶析した水酸化ニッケル(Ni(OH))を、水の存在下で水酸化リチウム(LiOH)と焼成してなることを特徴とするニッケル酸リチウム。
  10. 前記鉱化剤は、Mg、Si、Caの少なくとも一種よりなる請求項9記載のニッケル酸リチウム。
  11. 前記硫酸ニッケル水溶液は、前記鉱化剤が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解してなる請求項9記載のニッケル酸リチウム。
  12. ニッケルの一部がCo、Mn、Alの少なくとも一種に置換された請求項9記載のニッケル酸リチウム。
  13. 前記水酸化ニッケルを100wt%としたときに、100〜300ppmで鉱化剤を有する請求項9記載のニッケル酸リチウム。
  14. 製造される水酸化ニッケルを100wt%としたときに100〜400ppmのMg、Si、Caの少なくとも一種よりなる鉱化剤と、硫酸ニッケル(NiSO)と、が溶解した硫酸ニッケル水溶液を調製し、該硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)とアンモニアとを供給して晶析した水酸化ニッケル(Ni(OH))を、水の存在下で水酸化リチウム(LiOH)と焼成してなるニッケル酸リチウムを正極活物質として有することを特徴とする二次電池。
  15. 前記硫酸ニッケル水溶液は、前記鉱化剤が溶解した水溶液に硫酸ニッケルを溶解してなる請求項14記載の二次電池。
  16. ニッケルの一部がCo、Mn、Alの少なくとも一種に置換された請求項14記載の二次電池。
  17. 前記水酸化ニッケルを100wt%としたときに、100〜300ppmで鉱化剤を有する請求項14記載の二次電池。
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