JP4083422B2 - アニリン誘導体またはその塩ならびにそれらを含有するサイトカイン産生抑制剤 - Google Patents

アニリン誘導体またはその塩ならびにそれらを含有するサイトカイン産生抑制剤 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アニリン誘導体またはその塩、ならびにそれらを有効成分として含有するサイトカイン産生抑制剤に関する。本発明のサイトカイン産生抑制剤は、免疫機能の異常亢進を伴う疾患、例えば、アレルギー性疾患、全身性の自己免疫疾患、臓器特異的な自己免疫疾患の予防または治療薬、あるいは臓器移植時の拒絶反応の予防または治療薬として有用である。
【0002】
【従来の技術】
生体の免疫反応において、種々の免疫担当細胞から産生されるサイトカインは免疫応答の方向性を制御している。この免疫応答制御において中心的な役割を担っているのが、ヘルパーT細胞であり、産生するサイトカインの種類によって、Th1とTh2のサブセットに分類されている。Th1タイプ細胞は、主にインターロイキン2(IL−2)、インターフェロンγ(IFN−γ)等を産生し、ウイルス、バクテリア等に対する感染防御などの細胞性免疫に関与することが知られている。Th2タイプ細胞は、主にインターロイキン4(IL−4)、インターロイキン5(IL−5)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン10(IL−10)、インターロイキン13(IL−13)等を産生し、寄生虫に対する感染防御やB細胞からの抗体産生などの液性免疫に関与することが知られている。しかしながら、これらの生体防御機構の制御が何らかの原因で不能となったり、あるいは低下した場合、免疫機能の異常亢進やバランス異常が起こり様々な疾患を誘発、増悪することが明らかとなってきた。
【0003】
Th2タイプの免疫応答は、その異常亢進に起因して、IgE抗体や肥満細胞が主に関与する即時型アレルギー反応、好酸球が主に関与する遅延型アレルギー反応などアレルギー性炎症反応が誘導、活性化され、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎等種々のアレルギー性疾患の誘発、増悪に深く関与している。また、全身性エリテマトーデス等の抗体産生あるいは液性免疫が異常に亢進した病態にある全身性自己免疫疾患もやはりTh2タイプの免疫応答の異常亢進が深く関わっている。これらのアレルギー性疾患を治療、予防するためにはTh2タイプの免疫応答を制御することが重要であると考えられる。一方、Th1タイプの免疫応答は、その異常亢進に起因して、細胞性免疫反応を誘導、活性化し、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症等の臓器特異的自己免疫疾患の誘発、増悪に深く関与している。また、臓器移植に伴う拒絶反応は、やはりTh1タイプの細胞性免疫反応が深く関わっている。これらの自己免疫疾患や移植後の拒絶反応を予防または治療するためにはTh1タイプの免疫応答を制御することが重要であると考えられる。
【0004】
本発明のサイトカイン産生抑制剤の有効成分であるアニリン誘導体またはその塩と化学構造が類似した化合物としては、WO95/146、WO98/27081、WO98/27058、WO99/15164、WO99/51580、WO00/40235などに記載のものが挙げられる。しかしながら、これら化合物と本発明化合物とはその化学構造が異なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
現在までのところ、これら重症化した免疫・アレルギー性疾患をTh1あるいは、Th2タイプの免疫応答を特異的に制御し、治療することは困難であり、ステロイド剤の他、シクロスポリンやFK506などTh1およびTh2タイプのサイトカイン産生を両者共に強力に抑制する免疫抑制剤が、これら疾患の治療体系の主体を成しているのが現状である。しかしながらステロイド剤では、副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、緑内障など種々の副作用が、シクロスポリンやFK506では腎障害、中枢神経障害などの重篤な副作用が問題となり、これらとは異なった新しいタイプのサイトカイン産生抑制剤の開発が待望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、既存剤の有効成分とは全く化学構造が異なるアニリン誘導体がサイトカイン産生抑制作用を有することを見出し、本発明を提案するに至った。これらは、Th2タイプのサイトカイン産生を抑制することにより、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎等の種々のアレルギー性疾患;全身性エリテマトーデス等の抗体産生あるいは液性免疫が異常に亢進した全身性自己免疫疾患に対する予防または治療薬として有用である。また、Th1タイプのサイトカイン産生を抑制することにより、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症等の臓器特異的自己免疫疾患;臓器移植に伴う拒絶反応に対する予防または治療薬として有用である。
【0007】
本願発明者等は、より優れたサイトカイン産生抑制剤を見出すべく種々検討した結果、本発明を完成した。すなわち本発明は、式(I):
【化5】
Figure 0004083422
[式中、AはCOまたはSO2であり;Cyはアリール基または複素環基であり;R1およびR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいシクロアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環基、置換されてもよいアミノ基または−B−Q基(BはO、CO、COO、OCO、S、SOまたはSO2であり;Qは水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいシクロアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環基または置換されてもよいアミノ基である)であり;R3は−M1−M2−R5基{M1およびM2はそれぞれ独立に、O、S、NR6基(R6は水素原子または置換されてもよいアルキル基である)、単結合、炭素数1〜2のアルキレン鎖、CO、SOまたはSO2であるか、M1およびM2が一緒になり−N=N−を形成してもよく;R5は置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環基である}であり;R4は水素原子または置換されてもよいアルキル基であり;xは0〜5の整数であり;yは0〜4の整数であり;zは0〜1の整数である;但し、(1)Cyがフェニル基であり、そのフェニル基の4位の置換基が置換されてもよいピラゾール基または置換されてもよいトリアゾール基である場合、および(2)Cyがフェニル基であり、そのフェニル基の2位の置換基がアルキル基であり、かつ5位の置換基が−NHCO−(CH)q−R基(qは1〜4の整数であり、Rはアリール基またはシクロアルキル基である)である場合を除く]で表されるアニリン誘導体またはその塩を有効成分として含有するサイトカイン産生抑制剤に関する。
【0008】
前記式(I)で表されるアニリン誘導体の塩は、薬学的に許容される塩であればよく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩;p−トルエンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩;カリウム塩、ナトリウム塩などのようなアルカリ金属塩;カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機アミン塩などが挙げられる。また、これらの塩の中で結晶水をもつものもある。
【0009】
1、R2、R4、R6およびQで表される置換されてもよいアルキル基ならびに後記二次置換基および三次置換基中のアルキル部分としては、一般に炭素数1〜18のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ノナデシル基などが挙げられ、それらは直鎖又は枝分れ脂肪鎖の構造異性のものも含む。
【0010】
1、R2およびQで表される置換されてもよいアルケニル基ならびに後記二次置換基および三次置換基中のアルケニル部分としては、一般に炭素数2〜18のもの、例えばビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、デセニル基、ノナデセニル基などが挙げられ、またそれらは直鎖又は枝分れ脂肪鎖の構造異性のものも含む。
【0011】
1、R2およびQで表される置換されてもよいアルキニル基ならびに後記二次置換基および三次置換基中のアルキニル部分としては、一般に炭素数2〜18のもの、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、デシニル基、ノナデシニル基などが挙げられ、またそれらは直鎖又は枝分れ脂肪鎖の構造異性のものも含む。
【0012】
1、R2、R5およびQで表される置換されてもよいシクロアルキル基ならびに後記二次置換基および三次置換基中のシクロアルキル部分としては、一般に炭素数3〜10のもの、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの単環式基の他;縮合型多環式基;アダマンチル基、ノルアダマンチル基、ノルボルナニル基、ノルボルナノニル基のような架橋型多環式基などが挙げられる。
【0013】
1、R2およびQで表される置換されてもよいシクロアルケニル基ならびに後記二次置換基および三次置換基中のシクロアルケニル部分としては、一般に炭素数3〜10のもの、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの単環式基の他、縮合型多環式基、架橋型多環式基などが挙げられる。
【0014】
1、R2、R5およびQで表される置換されてもよいアリール基、Cyで表されるアリール基ならびに後記二次置換基および三次置換基中のアリール部分としては、フェニル基の他、ナフチル基のような縮合型多環式基が挙げられる。
【0015】
1、R2、R5およびQで表される置換されてもよい複素環基、Cyで表される複素環基ならびに後記二次置換基および三次置換基中の複素環部分としては、ピロリル基、ピロリニル基、ピロリジニル基、フラニル基、ジヒドロフラニル基、テトラヒドロフラニル基、チエニル基、ジヒドロジチエニル基、テトラヒドロチエニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、オキサゾリル基、オキサゾリニル基、オキサゾリジニル基、イソオキサゾリル基、イソオキサゾリニル基、イソオキサゾリジニル基、チアゾリル基、チアゾリニル基、チアゾリジニル基、イソチアゾリル基、イソチアゾリニル基、イソチアゾリジニル基、オキサジアゾリル基、オキサジアゾリニル基、オキサジアゾリジニル基、チアジアゾリル基、チアジアゾリニル基、チアジアゾリジニル基、トリアゾリル基、トリアゾリニル基、トリアゾリジニル基、テトラゾリル基、テトラゾリニル基、テトラゾリジニル基、ジオキソリル基、ジオキソラニル基、ジチオリル基、ジチオラニル基などの5員単環式複素環基;ピリジル基、ジヒドロピリジル基、テトラヒドロピリジル基、ピペリジニル基、ピリミジル基、ジヒドロピリミジル基、テトラヒドロピリミジル基、ヘキサヒドロピリミジル基、ピリダジニル基、ジヒドロピリダジニル基、テトラヒドロピリダジニル基、ヘキサヒドロピリダジニル基、ピラジニル基、ジヒドロピラジニル基、テトラヒドロピラジニル基、ピペラジニル基、トリアジニル基、ジヒドロトリアジニル基、テトラヒドロトリアジニル基、ヘキサヒドロトリアジニル基、ピラニル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキシニル基、ジオキセニル基、ジオキサニル基、ジチアニル基、モルホリニル基などの6員単環式複素環基;チエノチエニル基、ジヒドロシクロペンタチエニル基、インドリル基、テトラヒドロインドリル基、イソインドリル基、テトラヒドロイソインドリル基、ベンゾチエニル基、テトラヒドロベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、テトラヒドロベンゾフラニル基、ベンゾオキサゾリル基、テトラヒドロベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、テトラヒドロベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、テトラヒドロベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、テトラヒドロベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、テトラヒドロベンゾイミダゾリル基、ベンゾジオキソリル基、ベンゾジチオリル基、ベンゾジオキサニル基、ベンゾジチアニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、プリニル基などのような縮合型多環式複素環基;キヌクリジニル基などのような架橋型多環式複素環基などが挙げられる。
【0016】
前述の置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基および置換されてもよいアルキニル基の二次置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、置換可アルキルチオ基、置換可アルケニルオキシ基、置換可アルケニルチオ基、置換可アルキニルオキシ基、置換可アルキニルチオ基、置換可シクロアルキル基、置換可シクロアルケニル基、置換可シクロアルコキシ基、置換可シクロアルキルチオ基、置換可シクロアルケニルオキシ基、置換可シクロアルケニルチオ基、置換可アルコキシカルボニル基、置換可アルキルカルボニル基、置換可アルキルカルボニルオキシ基、置換可アルケニルオキシカルボニル基、置換可アルケニルカルボニル基、置換可アルケニルカルボニルオキシ基、置換可アルキニルオキシカルボニル基、置換可アルキニルカルボニル基、置換可アルキニルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルコキシカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルケニルオキシカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニルオキシ基、置換可アリール基、置換可アリールオキシ基、置換可アリールチオ基、置換可アリールオキシカルボニル基、置換可アリールカルボニル基、置換可アリールカルボニルオキシ基、置換可複素環基、置換可複素環オキシ基、置換可複素環チオ基、置換可複素環オキシカルボニル基、置換可複素環カルボニル基、置換可複素環カルボニルオキシ基、置換可アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換可アミノカルボニル基、置換可アルキルスルホニル基、置換可アルケニルスルホニル基、置換可アルキニルスルホニル基、置換可シクロアルキルスルホニル基、置換可シクロアルケニルスルホニル基、置換可アリールスルホニル基、置換可複素環スルホニル基、置換可アミノスルホニル基などが挙げられ、それら二次置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、それら二次置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0017】
前述の置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいシクロアルケニル基、置換されてもよいアリール基および置換されてもよい複素環基の二次置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、置換可アルキル基、置換可アルケニル基、置換可アルキニル基、置換可アルコキシ基、置換可アルキルチオ基、置換可アルケニルオキシ基、置換可アルケニルチオ基、置換可アルキニルオキシ基、置換可アルキニルチオ基、置換可シクロアルキル基、置換可シクロアルケニル基、置換可シクロアルコキシ基、置換可シクロアルキルチオ基、置換可シクロアルケニルオキシ基、置換可シクロアルケニルチオ基、置換可アルコキシカルボニル基、置換可アルキルカルボニル基、置換可アルキルカルボニルオキシ基、置換可アルケニルオキシカルボニル基、置換可アルケニルカルボニル基、置換可アルケニルカルボニルオキシ基、置換可アルキニルオキシカルボニル基、置換可アルキニルカルボニル基、置換可アルキニルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルコキシカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルケニルオキシカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニルオキシ基、置換可アリール基、置換可アリールオキシ基、置換可アリールチオ基、置換可アリールオキシカルボニル基、置換可アリールカルボニル基、置換可アリールカルボニルオキシ基、置換可複素環基、置換可複素環オキシ基、置換可複素環チオ基、置換可複素環オキシカルボニル基、置換可複素環カルボニル基、置換可複素環カルボニルオキシ基、置換可アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換可アミノカルボニル基、置換可アルキルスルホニル基、置換可アルケニルスルホニル基、置換可アルキニルスルホニル基、置換可シクロアルキルスルホニル基、置換可シクロアルケニルスルホニル基、置換可アリールスルホニル基、置換可複素環スルホニル基、置換可アミノスルホニル基などが挙げられ、それら二次置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、それら二次置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0018】
1、R2およびQで表される置換されてもよいアミノ基の二次置換基としては、水酸基、置換可アルキル基、置換可アルケニル基、置換可アルキニル基、置換可アルコキシ基、置換可アルケニルオキシ基、置換可アルキニルオキシ基、置換可シクロアルキル基、置換可シクロアルケニル基、置換可シクロアルコキシ基、置換可シクロアルケニルオキシ基、置換可アルコキシカルボニル基、置換可アルキルカルボニル基、置換可アルケニルオキシカルボニル基、置換可アルケニルカルボニル基、置換可アルキニルオキシカルボニル基、置換可アルキニルカルボニル基、置換可シクロアルコキシカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニル基、置換可シクロアルケニルオキシカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニル基、置換可アリール基、、置換可アリールオキシ基、置換可アリールオキシカルボニル基、置換可アリールカルボニル基、置換可複素環基、置換可複素環オキシ基、置換可複素環オキシカルボニル基、置換可複素環カルボニル基、置換可アミノカルボニル基、置換可アルキルスルホニル基、置換可アルケニルスルホニル基、置換可アルキニルスルホニル基、置換可シクロアルキルスルホニル基、置換可シクロアルケニルスルホニル基、置換可アリールスルホニル基、置換可複素環スルホニル基、置換可アミノスルホニル基などが挙げられ、それら二次置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、それら二次置換基は同一であっても異なっていてもよい。また、2個の二次置換基が一緒になってヘテロ原子を含むか含まずして環を形成してもよい。
【0019】
上記二次置換基のうち、置換可である各基の三次置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アルキニルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルキニルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、シクロアルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、複素環カルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、シクロアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルケニルアミノカルボニル基、アルキニルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、シクロアルケニルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、複素環アミノカルボニル基、アミノスルホニル基、アルキルアミノスルホニル基、ジアルキルアミノスルホニル基、アルケニルアミノスルホニル基、アルキニルアミノスルホニル基、シクロアルキルアミノスルホニル基、シクロアルケニルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基、複素環アミノスルホニル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、シクロアルケニルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルケニルカルボニルアミノ基、アルキニルカルボニルアミノ基、シクロアルキルカルボニルアミノ基、シクロアルケニルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、複素環カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アルケニルスルホニルアミノ基、アルキニルスルホニルアミノ基、シクロアルキルスルホニルアミノ基、シクロアルケニルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基などが挙げられ、それら三次置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、2個以上の場合、それら置換基は同一であっても異なっていてもよい。さらに、二次置換基が2個の三次置換基により置換されたアミノ基である場合、その三次置換基が一緒になってヘテロ原子を含むか含まずして環を形成してもよい。
【0020】
また、これら三次置換基のアルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、シクロアルキル部分、シクロアルケニル部分、アリール部分、複素環部分は、さらにハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキルチオ基、ハロアルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アミノスルホニル基、アルキルアミノスルホニル基、ジアルキルアミノスルホニル基、、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基などの四次置換基で置換されていてもよく、それら置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、置換基の数が2個以上の場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の望ましい実施形態のいくつかを記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
前記式(I)の化合物は、サイトカイン産生抑制剤の有効成分として有用な化合物であり、例えば以下に列記した免疫機能の異常亢進を伴う疾患の予防または治療薬として有用である。
(1)蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎およびアトピー性皮膚炎から選ばれる少なくとも一種のアレルギー性疾患。
(2)抗体産生あるいは液性免疫が異常に亢進した全身性自己免疫疾患。
(3)慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症および多発性硬化症から選ばれる少なくとも一種の臓器特異的自己免疫疾患。
(4)臓器移植に伴う拒絶反応。
【0023】
前記式(I)の化合物またはその塩のうち、Cyがフェニル基または6員単環式複素環基である化合物またはその塩がサイトカイン産生抑制剤の有効成分として望ましく、それらの中でさらに望ましい化合物を以下に列記する。
【0024】
(1)式(I’):
【化6】
Figure 0004083422
[式中、A、R1、R2、R4およびyは前述の定義通りであり;Halはハロゲン原子であり;Cy’はフェニル基または6員単環式複素環基であり;MはO、S、NR6基(R6は前述の定義通りである)、−OCH2−、−OCH2CH2−、−CH2O−、−CH2CH2O−、−SCH2−、−SCH2CH2−、−CH2S−、−CH2CH2S−または単結合であり;R5'は置換されてもよいピリジル基または置換されてもよいアダマンチル基であり;x'は0〜3の整数である;但し、AがCOであり、かつR5'が−(CRaa)d−NCRbc基で置換されたアダマンチル基(Raは水素原子またはアルキル基であり;Rbは水素原子、アルキル基またはアシル基であり、Rcは水素原子またはアルキル基であり、dは0〜3の整数である)である場合を除く]で表されるアニリン誘導体またはその塩。
【0025】
(2)AがCOである式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(3)AがCOであり、R5'が置換されてもよいピリジル基である式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(4)AがCOであり、R5'がハロアルキル基で置換されたピリジル基(そしてそのピリジル基は、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、置換可アルキル基、置換可アルケニル基、置換可アルキニル基、置換可アルコキシ基、置換可アルキルチオ基、置換可アルケニルオキシ基、置換可アルケニルチオ基、置換可アルキニルオキシ基、置換可アルキニルチオ基、置換可シクロアルキル基、置換可シクロアルケニル基、置換可シクロアルコキシ基、置換可シクロアルキルチオ基、置換可シクロアルケニルオキシ基、置換可シクロアルケニルチオ基、置換可アルコキシカルボニル基、置換可アルキルカルボニル基、置換可アルキルカルボニルオキシ基、置換可アルケニルオキシカルボニル基、置換可アルケニルカルボニル基、置換可アルケニルカルボニルオキシ基、置換可アルキニルオキシカルボニル基、置換可アルキニルカルボニル基、置換可アルキニルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルコキシカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルケニルオキシカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニルオキシ基、置換可アリール基、置換可アリールオキシ基、置換可アリールチオ基、置換可アリールオキシカルボニル基、置換可アリールカルボニル基、置換可アリールカルボニルオキシ基、置換可複素環基、置換可複素環オキシ基、置換可複素環チオ基、置換可複素環オキシカルボニル基、置換可複素環カルボニル基、置換可複素環カルボニルオキシ基、置換可アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換可アミノカルボニル基、置換可アルキルスルホニル基、置換可アルケニルスルホニル基、置換可アルキニルスルホニル基、置換可シクロアルキルスルホニル基、置換可シクロアルケニルスルホニル基、置換可アリールスルホニル基、置換可複素環スルホニル基および置換可アミノスルホニル基からなる群より選ばれた少なくとも1つの置換基によって置換されてもよい)である式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(5)AがCOであり、R5'がハロアルキル基で置換されたピリジル基であり、そのピリジル基は少なくとも1つのハロゲン原子でさらに置換されていてもよい式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(6)AがCOであり、R5'が3−クロロ−5-トリフルオロメチル−2−ピリジル基である式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(7)AがCOであり、R5'が置換されてもよいアダマンチル基である式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
【0026】
(8)AがCOであり;Halが塩素原子であり;R5'が置換されてもよいアダマンチル基である式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(9)AがCOであり;Halがフッ素原子、臭素原子または沃素原子であり;R5'が置換されてもよいアダマンチル基である式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(10)AがSO2である(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(11)Cy’で表される6員単環式複素環基が、6員ヘテロアリール基である式(I’)のアニリン誘導体またはその塩。
(12)6員ヘテロアリール基がピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基またはピラジニル基である(11)のアニリン誘導体またはその塩。
【0027】
(13)式(I”):
【化7】
Figure 0004083422
[式中、A、R1、R2、R4、Hal、Mおよびx'は前述の定義通りであり;Cy”は5員単環式複素環基であり;R5''は置換されてもよいフェニル基、置換されてもよいピリジル基または置換されてもよいアダマンチル基であり;y'は0〜3の整数である]で表されるアニリン誘導体またはその塩。
【0028】
(14)AがCOである式(I”)のアニリン誘導体またはその塩。
(15)AがCOであり、R5''が置換されてもよいフェニル基または置換されてもよいピリジル基である式(I”)のアニリン誘導体またはその塩。
(16)AがCOであり、R5''が置換されてもよいアダマンチル基である式(I”)のアニリン誘導体またはその塩。
(17)AがCOであり、Mが酸素原子、硫黄原子またはNR6基(R6は前記請求項1の定義通りである)であり;R5''が置換されてもよいピリジル基または置換されてもよいアダマンチル基である式(I”)のアニリン誘導体またはその塩。
(18)AがSO2である(I”)のアニリン誘導体またはその塩。
(19)Cy”で表される5員単環式複素環基が、5員ヘテロアリール基である式(I”)のアニリン誘導体またはその塩。
(20)5員ヘテロアリール基が、フラニル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ピロリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基またはチアゾリル基である(19)のアニリン誘導体またはその塩。
【0029】
前記式(I)の化合物またはその塩は、公知の類似化合物の製造方法またはそれらに準じた方法によって製造できるが、望ましい実施態様として下記〔1〕〜〔2〕の製法を例示する。
【0030】
〔1〕製法1
式(IV):
【化8】
Figure 0004083422
[式中、A、R1およびxは前述の通りであり、Lは脱離基である]で表される化合物と、
式(V):
【化9】
Figure 0004083422
[式中、Cy、R2、R3、R4、yおよびzは前述の通りである]で表される化合物とを反応させることにより、前記式(I)のアニリン誘導体またはその塩を製造する方法。なお、前記したLで表される脱離基としては、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0031】
製法1の反応は、適当な溶媒の存在下で行うことができる。具体的に使用される溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,石油エーテル,リグロイン,石油ベンジンなどの脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;スルホランなどのスルホン類;ヘキサメチルホスホルアミドなどのリン酸アミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0032】
製法1において、塩基の存在下で反応を行うのが望ましい場合もある。具体的に使用される塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミドなどを挙げることができる。
製法1の反応は、一般に−70〜150℃の反応温度で行われ、望ましくは−10〜100℃の反応温度で行われる。反応時間は、一般に0.1〜48時間である。
製法1において、前記式(II)の化合物1モルに対して式(III)の化合物は、0.8〜2当量望ましくは1〜1.5当量の割合で使用することができる。
【0033】
製法1における反応諸条件は各々適宜相互に組み合わせることができる。また、これら反応諸条件の中には、通常範囲の反応条件と望ましい範囲の反応条件を有するものがあるが、これらも適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
【0034】
〔2〕製法2
式(I−1):
【化10】
Figure 0004083422
[式中、A、Cy、R1、R2、R3、x、yおよびzは前述の通りである]で表される化合物と、
【0035】
式(VI):R4'−L[式中、R4'は置換されてもよいアルキル基であり、Lは前述の通りある]で表される化合物とを反応させることにより、
式(I−2):
【化11】
Figure 0004083422
[式中、A、Cy、R1、R2、R3、R4'、x、yおよびzは前述の通りである]で表されるアニリン誘導体を製造する方法。
【0036】
製法2の反応は、適当な溶媒の存在下で行うことができる。具体的に使用される溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,石油エーテル,リグロイン,石油ベンジンなどの脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;スルホランなどのスルホン類;ヘキサメチルホスホルアミドなどのリン酸アミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0037】
製法2において、反応を効率的に行うためには、塩基の存在下で反応を行うのが望ましい。具体的に使用される塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミドなどを挙げることができる。
【0038】
製法2の反応は、一般に−70〜150℃の反応温度で行われ、望ましくは−10〜100℃の反応温度で行われる。反応時間は、一般に0.1〜48時間である。
【0039】
製法2において、前記式(I−1)の化合物1モルに対して式(IV)の化合物は、0.8〜2当量望ましくは1〜1.5当量の割合で使用することができる。
【0040】
製法2における反応諸条件は各々適宜相互に組み合わせることができる。また、これら反応諸条件の中には、通常範囲の反応条件と望ましい範囲の反応条件を有するものがあるが、これらも適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
【0041】
上記した製法1〜2およびそれに付随した方法で得られた前記式(I)の化合物は、公知の手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、蒸留、分留、転溶、溶媒抽出、結晶化、再結晶、クロマトグラフィーなどにより単離、精製することができる。
【0042】
前記式(I)の化合物がフリー体で得られた場合、通常の方法で塩を形成させることができる。また、前記式(I)の化合物またはその塩、その立体異性体はそれぞれ単独で、あるいは混合物の状態でサイトカイン産生抑制作用を示す。
【0043】
前記式(I)の化合物またはその塩のうち、式(I’)の化合物またはその塩は、前記製法1〜2に準じ、下記[A]および[B]に記載の製法またはこれら製法の組み合わせによって製造することができる。
【0044】
[A]式(II):
【化12】
Figure 0004083422
[式中、A、R1、Halおよびx'は前述の定義通りであり、Lは脱離基である]で表される化合物と、
式(III):
【化13】
Figure 0004083422
[式中、Cy’、R2、R4、R5'、M、およびy'は前述の定義通りである]で表される化合物とを反応させることにより、前記式(I’)のアニリン誘導体またはその塩製造する方法。なお、製法[A]は、製法1に準じたものであり、製法1の反応条件が適用できる。
【0045】
[B]式(I’−1):
【化14】
Figure 0004083422
[式中、A、Cy’、Hal、R1、R2、R5'、M、x'およびy'は前述の通りである]で表される化合物と、式(VI):R4'−L[式中、R4'は置換されてもよいアルキル基であり、Lは前述の通りある]で表される化合物とを反応させることにより、
式(I’−2):
【化15】
Figure 0004083422
[式中、A、Cy’、Hal、R1、R2、R4'、R5'、M、x'およびy'は前述の通りである]で表されるアニリン誘導体またはその塩を製造する方法。なお、製法[B]は、製法2に準じたものであり、製法2の反応条件が適用できる。
【0046】
本発明に係わる式(I)の化合物は通常、一般的な医薬製剤の形態(例えば、第12改正日本薬局方に規定する方法)で用いられる。この医薬製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、錠剤、丸剤、散剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、液剤、懸濁剤、乳剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、スプレー、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、経皮剤(パッチ剤、マトリクス剤、テープ)等が一例として挙げられる。
【0047】
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で公知のものを広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0048】
丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例示できる。
【0049】
坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
【0050】
注射剤として調製される場合には、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用でき、例えば水、乳酸水溶液、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。なお、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有せしめてもよい。
【0051】
本発明に係わる式(I)の化合物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%とするのが望ましい態様である。
【0052】
本発明に係わる式(I)の化合物の投与方法は特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じた方法で経口的または非経口的に投与される。例えば経口的に投与される場合には、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤等が望ましい態様として挙げられる。非経口的には、局所投与剤、注射剤、経皮剤、経鼻剤、経肺剤、坐剤等の形で投与することができる。注射剤の場合には単独であるいはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与されるのが望ましい態様である。また、坐剤の場合には直腸内投与されるのが望ましい態様である。
【0053】
本発明に係わる式(I)の化合物の投与量は用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分である前記式(I)の化合物の量は1日当り体重1kg当り約0.05〜50mgとするのがよく、1回または数回に分けて投与することができる。また、投与単位形態中に有効成分を1〜1000mg含有せしめるのが望ましい態様である。
【0054】
【実施例】
次に本発明に係わる実施例(合成例および試験例)を記載するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0055】
合成例1
N- 4- フェノキシフェニル) -2- クロロ -5- ニトロベンズアミド(化合物 No. 27)の合成
4-フェノキシアニリン420mgおよびトリエチルアミン250mgのテトラヒドロフラン5mL溶液中に、氷冷下、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド500mgのテトラヒドロフラン5mL溶液を滴下した。約30分攪拌後、水を加え、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶は水で洗浄した後乾燥して、融点128℃のN-(4-フェノキシフェニル)-2-クロロ-5-ニトロベンズアミド(化合物No.27)730mg を得た。
【0056】
合成例2
N- 4- 1- アダマンチル) -2- メチルフェニル) -2- ブロモ -5- ニトロベンズアミド(化合物 No. 46)の合成
4-(1-アダマンチル)-2-メチルアニリン・塩酸塩300mgおよびトリエチルアミン120mgのテトラヒドロフラン5mL溶液中に、氷冷下、2-ブロモ-5-ニトロベンゾイルクロリド290mgのテトラヒドロフラン5mL溶液を滴下した。約30分攪拌後、水を加え、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶は水で洗浄した後乾燥して、融点229℃のN-(4-(1-アダマンチル)-2-メチルフェニル)-2-ブロモ-5-ニトロベンズアミド(化合物No.46)310mg を得た。
【0057】
合成例3
N- 4- 1- アダマンチル) -2- メチルフェニル) -2- クロロ -5- ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物 No. 48)の合成
4-(1-アダマンチル)-2-メチルアニリン・塩酸塩250mgおよびトリエチルアミン200mgのテトラヒドロフラン5mL溶液中に、2-クロロ-5-ニトロベンゼンスルホニルクロリド230mgのテトラヒドロフラン5mL溶液を滴下し、約40℃で約7時間攪拌した。放冷後、水を加え、クロロホルムで抽出、芒硝で乾燥後、減圧下に濃縮して粗結晶を得た。粗結晶をエーテルで再結晶して、融点238℃のN-(4-(1-アダマンチル)-2-メチルフェニル)-2-クロロ-5-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物No.48)150mg を得た。
【0058】
合成例4
N- 4- 3- クロロ -5- トリフルオロメチル -2- ピリジルオキシ) -3- メチルフェニル) -2- クロロ -5- ニトロベンズアミド(化合物 No. 106)の合成
4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)-3-メチルアニリン670mgおよびトリエチルアミン270mgのテトラヒドロフラン5mL溶液中に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド490mgのテトラヒドロフラン5mL溶液を滴下し、約30分攪拌後、水を加え、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶は水で洗浄した後乾燥して、融点230〜232℃の N-(4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)-3-メチルフェニル)-2-クロロ-5-ニトロベンズアミド(化合物No.106)700mg を得た。
【0059】
合成例5
N- 2- 1- アダマンチルオキシ) -5- ピリジル) -2- クロロ -5- ニトロベンズアミド(化合物 No. 123)の合成
5-アミノ-2-(1-アダマンチルオキシ)ピリジン)290mgおよびトリエチルアミン150mgのテトラヒドロフラン5mL溶液中に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド260mgのテトラヒドロフラン5mL溶液を滴下し、約30分攪拌後、水を加え、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶は水で洗浄した後乾燥して、融点98〜105℃のN-(2-(1-アダマンチルオキシ)-5-ピリジル)-2-クロロ-5-ニトロベンズアミド(化合物No.123)330mg を得た。
【0060】
合成例6
N- 4- 3- クロロ -5- トリフルオロメチル -2- ピリジルオキシ) -3-(1- ピロリル ) フェニル) -2- クロロ -5- ニトロベンズアミド(化合物 No. 127)の合成
4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)-3-(1-ピロリル)アニリン320mgおよびトリエチルアミン110mgのテトラヒドロフラン5mL溶液中に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド200mgのテトラヒドロフラン5mL溶液を滴下し、約30分攪拌後、水を加え、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶は水で洗浄した後乾燥して、融点165〜167℃のN-(4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)-3-(1-ピロリル)フェニル)-2-クロロ-5-ニトロベンズアミド(化合物No.127)260mg を得た。
【0061】
合成例7
N- 4- 3- クロロ -5- トリフルオロメチル -2- ピリジルメチルオキシ)フェニル) -2- クロロ -5- ニトロベンズアミド(化合物 No. 135)の合成
4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルメチルオキシ)アニリン300mgおよびトリエチルアミン120mgのテトラヒドロフラン5mL溶液中に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド220mgのテトラヒドロフラン5mL溶液を滴下し、約30分攪拌後、水を加え、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶は水で洗浄した後乾燥して、融点193〜195℃のN-(4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルメチルオキシ)フェニル)-2-クロロ-5-ニトロベンズアミド(化合物No.135)380mg を得た。
【0062】
合成例1〜7および前記製法1〜2に準じた方法で製造した前記式(I)の化合物を以下の表1〜20に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004083422
【0064】
【表2】
Figure 0004083422
【0065】
【表3】
Figure 0004083422
【0066】
【表4】
Figure 0004083422
【0067】
【表5】
Figure 0004083422
【0068】
【表6】
Figure 0004083422
【0069】
【表7】
Figure 0004083422
【0070】
【表8】
Figure 0004083422
【0071】
【表9】
Figure 0004083422
【0072】
【表10】
Figure 0004083422
【0073】
【表11】
Figure 0004083422
【0074】
【表12】
Figure 0004083422
【0075】
【表13】
Figure 0004083422
【0076】
【表14】
Figure 0004083422
【0077】
【表15】
Figure 0004083422
【0078】
【表16】
Figure 0004083422
【0079】
【表17】
Figure 0004083422
【0080】
【表18】
Figure 0004083422
【0081】
【表19】
Figure 0004083422
【0082】
【表20】
Figure 0004083422
【0083】
試験例(サイトカイン産生抑制作用の評価試験)
マウス脾臓細胞を抗マウスCD3抗体およびIL-2を処理することによりサイトカイン産生を誘発した。このサイトカイン産生系に供試化合物を添加しその抑制作用を評価した。即ち、ホウ酸緩衝生理食塩溶液(pH8.5)にて10〜20μg/mlに調製した抗マウスCD3抗体を96穴細胞培養プレートに50μl/穴ずつ分注し、4℃で18時間放置した。未反応液を除去し、ハンクス緩衝液で1回洗浄後、10%牛胎児血清(FCS)含有RPMI液で10ng/mlに調製したIL−2を50μl/穴ずつ分注した。陰性対照群では抗CD3抗体およびIL−2を除いて溶液のみを処理した。続いて、供試化合物希釈液(特に記載のない場合は濃度100ppm)を50μl/穴ずつ分注し、これにBalb/cマウス(雌、7〜10週齢)の脾臓から調製した1×107個/mlの細胞懸濁液を100μl/穴ずつ分注した。インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて培養40〜48時間後、培養上清を回収し、ELISA法にてサイトカイン産生量を測定した。
【0084】
代表的なTh2タイプサイトカインとしてインターロイキン5(IL-5)を、代表的なTh1タイプサイトカインとしてインターフェロンγ(IFN-γ)をそれぞれ以下の方法にて測定した。即ち、IL−5の定量は、以下に示すELISA法にて行った。まず、1次抗体として、ラット抗マウスIL-5抗体(エンドジェン、CodeNo.MM−550C)を炭酸緩衝液(pH9.5)にて1μg/mlに希釈し、50μl/穴ずつ96ウェルプレート(IWAKI、CodeNo.3860−096)にまき、一晩(16〜24時間)4℃にてコートした。その後、プレートは、10%FCS含有リン酸緩衝生理食塩水pH7.2(ブロッキングバッファ)にて37℃で2時間ブロッキングした(250μl/穴)。プレートを0.05%Tween20(ナカライテスク、CodeNo.281−51)を含むPBS(洗浄用バッファ)を用いて4回洗浄し、培養上清希釈液を50μl/穴ずつまき、室温にて1時間インキュベートした。検量線作成のため、リコンビナントマウスIL−5(R&Dシステムズ、CodeNo.405−ML)を使用した。プレートを洗浄用バッファを用いて4回洗浄し、二次抗体としてビオチン標識ラット抗マウスIL−5抗体(ファーミンジェン、CodeNo.18062D)を0.05%Tween20含有ブロッキングバッファにて0.5μg/mlに希釈したものを加え(50μl/穴)、室温にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄バッファにて4回洗浄後、ストレプトアビジン標識ペルオキシダーゼ(プロザイム、CodeNo.CJ30H001)を0.05%Tween20含有ブロッキングバッファにて800倍希釈したものを加え(50μl/穴)、室温、15分間反応した。プレートを洗浄バッファにて4回洗浄し、TNB基質溶液(シグマ、CodeNo.T−8665)100μl/穴を加えて10〜20分間発色させた。1M硫酸溶液を100μl/穴を加えて反応を停止後、マイクロプレートリーダー(スペクトラマックス、和光純薬工業)を用いて(波長450nm)吸光度を測定した。IFN-γの定量には、1次抗体としてラット抗マウスIFN−γ抗体(ファーミンジェン、CodeNo.18181D)、二次抗体としてビオチン標識ラット抗マウスIFN-γ抗体(ファーミンジェン、CodeNo.18112D)を用いてIL−5測定と同様の方法で行った。検量線作成のため、リコンビナントマウスIFN−γ(ジェンザイム、CodeNo.3485)を使用した。実験は、デュプリケートで行い、サイトカイン産生量の平均値を求めた。平均値より、以下の式にて抑制率(%)を求め、結果を表21〜24に示した。なお、供試化合物濃度が100ppmでない場合の抑制率を記載したものについては、供試化合物濃度を抑制率の後に( )で示した。
抑制率(%)={1−(T−N)/(P−N)}×100
ここで、T:供試化合物処理群の平均値、N:陰性対照群の平均値、P:陽性対照群の平均値を表す。
【0085】
【表21】
Figure 0004083422
【0086】
【表22】
Figure 0004083422
【0087】
【表23】
Figure 0004083422
【0088】
【表24】
Figure 0004083422
【0089】
【発明の効果】
本発明は、免疫機能の異常亢進を伴う疾患の予防または治療薬として有用なサイトカイン産生抑制剤を提供する。

Claims (17)

  1. 式(I’):
    Figure 0004083422
    [式中、AはCOまたはSO2であり;R1およびR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ピロリル、ピロリジニルまたはピペリジニルである複素環基、炭素数1〜18のアルキルまたは炭素数1〜18のアルキルカルボニルによって置換されてもよいアミノ基または−B−Q基(BはO、COまたはCOOであり;Qは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基またはアミノ基である)であり;R4は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基であり;yは0〜4の整数であり;Halはハロゲン原子であり;Cy’はフェニル基またはピリジル基であり;MはO、S、NR6基(R6は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基である)、−OCH2−、−CH2O−、−CH2CH2O−、−CH2S−または単結合であり;R5'は炭素数1〜18のハロアルキル基で置換されたピリジル基(そしてそのピリジル基は、ハロゲン原子によって置換されてもよい)またはアダマンチル基であり;x'は0〜3の整数である]で表されるアニリン誘導体またはその塩を有効成分として含有するサイトカイン産生抑制剤。
  2. サイトカインがTh1タイプサイトカインである請求項1記載のサイトカイン産生抑制剤。
  3. サイトカインがインターフェロンγである請求項1記載のサイトカイン産生抑制剤。
  4. サイトカインがTh2タイプサイトカインである請求項1記載のサイトカイン産生抑制剤。
  5. サイトカインがインターロイキン5である請求項1記載のサイトカイン産生抑制剤。
  6. 請求項1に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する免疫機能の異常亢進を伴う疾患に対する予防または治療薬。
  7. 免疫機能の異常亢進を伴う疾患が、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎およびアトピー性皮膚炎から選ばれる少なくとも一種のアレルギー性疾患である請求項6記載の予防または治療薬。
  8. 免疫機能の異常亢進を伴う疾患が、全身性自己免疫疾患である請求項6記載の予防または治療薬。
  9. 免疫機能の異常亢進を伴う疾患が、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症および多発性硬化症から選ばれる少なくとも一種の臓器特異的自己免疫疾患である請求項8記載の予防または治療薬。
  10. 式(I’):
    Figure 0004083422
    [式中、AはCOまたはSO2であり;R1およびR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ピロリル、ピロリジニルまたはピペリジニルである複素環基、炭素数1〜18のアルキルまたは炭素数1〜18のアルキルカルボニルによって置換されてもよいアミノ基または−B−Q基(BはO、COまたはCOOであり;Qは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基またはアミノ基である)であり;R4は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基であり;yは0〜4の整数であり;Halはハロゲン原子であり;Cy’はフェニル基またはピリジル基であり;MはO、S、NR6基(R6は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基である)、−OCH2−、−CH2O−、−CH2CH2O−、−CH2S−または単結合であり;R5'は炭素数1〜18のハロアルキル基で置換されたピリジル基(そしてそのピリジル基は、ハロゲン原子によって置換されてもよい)またはアダマンチル基であり;x'は0〜3の整数である]で表されるアニリン誘導体またはその塩。
  11. AがCOである請求項10のアニリン誘導体またはその塩。
  12. AがCOであり、R5'が炭素数1〜18のハロアルキル基で置換されたピリジル基(そしてそのピリジル基は、ハロゲン原子によって置換されてもよい)である請求項10のアニリン誘導体またはその塩。
  13. AがCOであり、R5'が3−クロロ−5-トリフルオロメチル−2−ピリジル基である請求項10のアニリン誘導体またはその塩。
  14. AがCOであり、R5'がアダマンチル基である請求項10のアニリン誘導体またはその塩。
  15. AがCOであり;Halがフッ素原子、臭素原子または沃素原子であり;R5'がアダマンチル基である請求項10のアニリン誘導体またはその塩。
  16. AがSO2である請求項10のアニリン誘導体またはその塩。
  17. 請求項10に記載された式(I’)の化合物またはその塩の製造方法であって、式(II):
    Figure 0004083422
    [式中、A、R1、Halおよびx'は前記請求項10の定義通りであり、Lは脱離基である]で表される化合物と、
    式(III):
    Figure 0004083422
    [式中、Cy’、R2、R4、R5'、Mおよびyは前記請求項10の定義通りである]で表される化合物とを反応させることにより、前記式(I’)のアニリン誘導体またはその塩を製造する方法。
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