JP4082806B2 - アンテナ取付装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば無線機器や携帯電話機等の電子機器筺体の外部より組付けられるアンテナの取付装置に関し、特にアンテナホルダーの筐体部への取付口をより細径化できるよう構成したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線機器や携帯電話機等の電子機器筺体の外部より組付けられるアンテナを筐体に取付るアンテナ取付装置は、図6ないし図10に示されるようなものであった。すなわち、図6は従来のアンテナ取付装置により取付けられたアンテナ装置の全体構成を示す図である。図7ないし図10は従来のアンテナ取付装置の構成を示した断面図である。図7においてはアンテナ11は、アンテナナット15と筐体の一部であるケース13に設けられたアンテナ通し孔およびワッシャ14を介してアンテナホルダー12とネジによって固定されるような取付構造となっており、その際、ケース13のアンテナ11を収納する側壁の底辺部の断面形状はアンテナ通し孔と略平行になされ、かつアンテナホルダー12の頭部下辺もケース13の側壁の底辺部と略平行に設定されていた。
【0003】
図8ないし図10は、図7の一部を拡大した示した断面図である。図9はアンテナ軸心とケース軸心との平均的なセンタリング誤差を示すものであり、従来例においては平均的なセンタリング誤差を無くすための工夫がなされていないこともあってセンタリング誤差が大きくA2もある。
【0004】
図10は、締付けに当りワッシャ14がはみ出したような場合であって、アンテナ11側から見るとこのはみ出しがまともに見えてしまい仕上がり観が良くない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、無線機器、特に携帯電話やPHSなどは各社とも新製品開発の中で無線機器本体の小型化、軽量化、薄型化といった軽薄短小化の動きが活発である。
【0006】
そのため、アンテナを収納するケース部分も細径化を余儀なくされており、それに対処するような課題が生まれてきた。
【0007】
しかしながら、上記した従来のアンテナ取付装置では、ケース13のアンテナ11を収納する側壁の底辺部の断面形状はアンテナ通し孔と略平行になされ、かつアンテナホルダー12の頭部下辺もケース13の側壁の底辺部と略平行に設定されていることからこれ以上の細径化は無理であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、アンテナを収納するケース部分の細径化を可能とするアンテナ取付装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
上記問題を解決するために、本発明は、アンテナ通し孔が設けられたケースと、前記アンテナ通し孔に挿通され前記ケース内に設けられたアンテナナットと係合するアンテナホルダーと前記アンテナホルダーによって保持されるアンテナとを備えるアンテナ取付装置において、前記アンテナホルダーの頭部下辺に前記アンテナ通し孔に接近する第1の傾斜部を設けると共に、前記ケースのアンテナを収納する側壁の底辺部の断面形状において前記アンテナ通し孔に接近する第2の傾斜部を設けるように構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明における請求項1記載の発明は、アンテナ通し孔が設けられたケースと、前記アンテナ通し孔に挿通され前記ケース内に設けられたアンテナナットと係合するアンテナホルダーと前記アンテナホルダーによって保持されるアンテナとを備えるアンテナ取付装置において、前記アンテナホルダーの頭部下辺に前記アンテナ通し孔に接近する第1の傾斜部を設けると共に、前記ケースのアンテナを収納する側壁の底辺部の断面形状において前記アンテナ通し孔に接近する第2の傾斜部を設けるように構成したことを特徴とするアンテナ取付装置としたものであり、第1の傾斜部と第2の傾斜部を設けることによりアンテナを収納するケースを細径化することができるという作用を有する。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、水平方向から見た前記第1の傾斜部の傾斜角は水平方向から見た前記第2の傾斜部の傾斜角より大きいことを特徴とする請求項1記載のアンテナ取付装置としたものであり、第1の傾斜部と前記第2の傾斜部の傾斜角度が異なることから締め付け時の緩みを防止することができるという作用を有する。また、水平方向から見た第1の傾斜部の傾斜角が第2の傾斜部の傾斜角より大きいことから締め付け時のアンテナホルダーのセンターリングが図られるという作用を有する。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、水平方向から見た前記第2の傾斜部の傾斜角は45度以上であることを特徴とする請求項2記載のアンテナ取付装置としたものであり、水平方向から見た第2の傾斜部の傾斜角が45度以上であって傾斜角が大きいことから締め付け時のアンテナホルダーのセンターリングが図られるという作用を有する。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、前記アンテナホルダーと前記ケースとの間に挟着されるワッシャをさらに備え、前記ワッシャは弾性を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ取付装置としたものであり、締付けがソフトで締付け部材を損傷させることがないという作用を有する。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、前記ワッシャの弾性部材の材料は、シリコンゴムであることを特徴とする請求項4記載のアンテナ取付装置としたものであり、シリコンゴムによる締付けであるので締付け部材を損傷させることがないという作用を有する。
【0015】
また、請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ取付装置を備えた携帯電話としたものであり、携帯電話機の小型化、薄型化を実現することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るアンテナ取付装置により取付けられたアンテナ装置の全体構成を示す図である。また図11は、図1のアンテナ装置を組付けるための組付け動作図である。図11においては、ケース3のアンテナ通し孔に向けてワッシャ4、アンテナホルダー2、そしてアンテナ1が組付けられるようにしている。また、ケース3(筐体)内では、アンテナカバーが接続されているアンテナナットにさらにアンテナターミナル6が組付けられ、それがケース3のアンテナ通し孔に載置される。この後、アンテナホルダー2に設けられているネジをアンテナナットに固定することによりアンテナ1をケース内に収納することができるようになる。
【0017】
図2ないし図5は、本発明の実施形態に係るアンテナ取付装置の構成を示した断面図である。図2においてはアンテナ1がケース3内に収納された状態を示しており、図2においてアンテナホルダー2は、ワッシャ4、アンテナ通し孔を介してアンテナナット5と結合される。そして、図3に示されるように、アンテナホルダー2の頭部下辺において、第1の傾斜部7が設けられてこれがアンテナ通し孔に接近するようにされる。また、ケース3のアンテナ1を収納する側壁の底辺部の断面形状において第2の傾斜部8が設けられてこれがアンテナ通し孔に接近するようにされる。
【0018】
この際、第1の傾斜部7と第2の傾斜部8の傾斜角度(各々θ2およびθ1とする)はそれぞれ異ならしめるようにされ、水平方向に対して第2の傾斜部8の傾斜角(θ1)が第1の傾斜部7の傾斜角(θ2)よりも小さくなる、いいかえれば第1の傾斜部7の傾斜角(θ2)が第2の傾斜部8の傾斜角(θ1)よりも大きくなるように設定され且つ第2の傾斜部8の傾斜角(θ1)は45度以上に設定されている。
【0019】
本発明に係るアンテナ取付装置の動作について、図2ないし図5を用いて説明する。図示していない治具を使ってアンテナホルダー2をアンテナナット5に締付け取付けるわけであるが、この締付けに当たってアンテナホルダー2の頭部下辺はワッシャ4(シリコンゴムなどの弾性部材で構成されている)を介してケース3のアンテナ1を収納する側壁の底辺部の第2の傾斜部8に沿ってセンターリングされる。それにつれて第1の傾斜部7も第2の傾斜部8の底辺に当接することにより、しっかりと締付けが行なわれる。
【0020】
図4は、締付け後のアンテナ軸心とケース軸心との平均的なセンタリング誤差を示すものであり、図4において本発明の平均的なセンタリング誤差は高々A1であるにしぎない。しかしながら、従来例の場合の平均的なセンタリング誤差はA2もあり、明らかに従来例よりも改善されていることが理解できる。
【0021】
さらに、図5は、締付けに当りワッシャ4がはみ出したような場合であっても、上記のように第1及び第2の傾斜部が設けられているのでアンテナ1側から見てもこれが目立たないようにすることができ、仕上がりの美観も従来より増すことができる。
【0022】
またさらに、アンテナホルダー2の頭部下辺に第1の傾斜部7が設けられているのでワッシャ4も従来の構成よりも小型化することができるし、アンテナ装置自身も細径化、小型化することができることになる。
【0023】
以上の説明から明らかなように、本発明は、アンテナ通し孔が設けられたケースと、前記アンテナ通し孔に挿通され前記ケース内に設けられたアンテナナットと係合するアンテナホルダーと前記アンテナホルダーによって保持されるアンテナとを備えるアンテナ取付装置において、前記アンテナホルダーの頭部下辺に前記アンテナ通し孔に接近する第1の傾斜部を設けると共に、前記ケースのアンテナを収納する側壁の底辺部の断面形状において前記アンテナ通し孔に接近する第2の傾斜部を設けるように構成したことを特徴とするものであり、第1の傾斜部と第2の傾斜部を設けることによりアンテナを収納するケースを細径化することができるという効果を有する。それにつれて無線機器本体の小型化、軽量化、薄型化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るアンテナ取付装置により取付けられたアンテナ装置の全体構成を示す図、
【図2】本発明の実施の形態に係るアンテナ取付装置の構成を示す断面図、
【図3】本発明の実施の形態に係るアンテナ取付装置の一部を拡大した示した断面図、
【図4】センタリング誤差を説明するための本発明の実施の形態に係るアンテナ取付装置の一部を拡大した示した断面図、
【図5】ワッシャのはみ出しを説明するための本発明の実施の形態に係るアンテナ取付装置の一部を拡大した示した断面図、
【図6】従来のアンテナ取付装置により取付けられたアンテナ装置の全体構成を示す図、
【図7】従来のアンテナ取付装置の構成を示す断面図、
【図8】従来のアンテナ取付装置の一部を拡大した示した断面図、
【図9】センタリング誤差を説明するための従来のアンテナ取付装置の一部を拡大した示した断面図、
【図10】ワッシャのはみ出しを説明するための従来のアンテナ取付装置の一部を拡大した示した断面図、
【図11】図1のアンテナ装置を組付けるための組付け動作図である。
【符号の説明】
1、11 アンテナ
2、12 アンテナホルダー本体部
3、13 ケース
4、14 ワッシャ
5、15 アンテナナット
6 アンテナターミナル
7 第1の傾斜部
8 第2の傾斜部

Claims (6)

  1. アンテナ通し孔が設けられたケースと、
    前記アンテナ通し孔に挿通され前記ケース内に設けられたアンテナナットと係合するアンテナホルダーと
    前記アンテナホルダーによって保持されるアンテナと、を備えるアンテナ取付装置において、
    前記アンテナホルダーの頭部下辺に前記アンテナ通し孔に接近する第1の傾斜部を設けると共に、前記ケースのアンテナを収納する側壁の底辺部の断面形状において前記アンテナ通し孔に接近する第2の傾斜部を設けるように構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
  2. 水平方向から見た前記第1の傾斜部の傾斜角は水平方向から見た前記第2の傾斜部の傾斜角より大きいことを特徴とする請求項1記載のアンテナ取付装置。
  3. 水平方向から見た前記第2の傾斜部の傾斜角は45度以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ取付装置。
  4. 前記アンテナホルダーと前記ケースとの間に挟着されるワッシャをさらに備え、前記ワッシャは弾性を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ取付装置。
  5. 前記ワッシャの弾性部材の材料は、シリコンゴムであることを特徴とする請求項4記載のアンテナ取付装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ取付装置を備えた携帯電話。
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