JP4082805B2 - レール断面測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レール上を走行する検測車等に搭載されてレール断面を測定するレール断面測定装置に関する。
すなわち、レールに対してスリット光を直交するように照射してその表面形状の映像を撮る光切断法に基づいてレール画像を得、それに対して所定の座標変換等の画像処理を施してレール断面像を求めるとともに、それまでの処理では除去しきれない変動分を除去するためにレールあご位置も求め、これを基準とした位置合わせ等を伴うような測定を行うレール断面測定装置に関する。
詳しくは、そのレールあご位置を求める技術に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
鉄道用レールは走行車両の車輪と擦れ合うことによりレールの踏面や頭部が摩耗する。その摩耗量が或るレベルを超えると脱線等を招く可能性があることから、それ以前に正常なレールと交換しなければならないので、レールの摩耗量を的確に把握するために、随時あるいは定期的にレール摩耗量を測定することが必要となる。
そして、レール摩耗量はレール断面像から求められるが、走行中にレールを切断することなく擬似的にレール断面像を求めるには、先ず、レールの表面形状を反映した生のレール画像をレールの外から撮る必要があり、それから、座標変換等の画像処理によって間接的にレール断面像を作り上げることとなる。
【0003】
特開平6−11315号公報に記載されたレール断面摩耗測定装置は、そのような要請に応えうるレール断面測定装置の典型例であり、光切断法という光学式測定方法を用いたものである。そこで、この装置は、測定対象物であるレールに対して直交するようにスリット光を照射して恰も切断したかのようにレール形状を浮き上がらせてその部分の表面映像を撮るとともに、こうして得た生のレール画像に対し座標系をカメラ基準の座標からレール基準の座標に切り換える所定の座標変換を施して正規化したレール断面像を疑似的に得、それから、このレール断面像を用いて摩耗量を算出するようになっている。
【0004】
図5にその光学系を示したが、レール画像を得るために、キセノンフラッシュランプ等を内蔵したスリット光源11と、その照射をレール1に直交したスリット光13に絞り込むスリット部材12と、スリット光13がレール1に当たってできるスリット像15を撮るCCDカメラ14とが設けられている。これらは、図示しない検測車の下面に取り付けられており、一本のレール1に対して2台のCCDカメラ14が設けられていて、そのレール1を両側の斜め上から挟み込むように撮影することで、底面を除きレールのほぼ全周についての映像が得られる。
【0005】
こうしてレール画像が得られるが、レール1との接触やスリット光13との干渉を避ける等のためにCCDカメラ14での撮像がレール1の斜め上から行われるので、生のレール画像は歪んでいる。その歪みは、CCDカメラ14の取り付け位置や向きといった幾何学的な関係に基づいて定まり、所定の変換式による座標変換を施すことで概ね除去される。すなわち、カメラ基準座標系によるレール画像の任意位置を(X,Y)と表し、レールの垂直な断面に対応したレール基準座標系によるレール断面像の該当位置を(XX,YY)と表すと、XX=(A0×X+A1×Y+A2)/(A6×X+A7×Y+1)、およびYY=(A3×X+A4×Y+A5)/(A6×X+A7×Y+1)という座標変換の式が成立する。
【0006】
そして、この変換式におけるパラメータA0〜A7は、レール画像に反映されるレール1の特徴的形状を幾つか抽出して、歪みの無い理想的なレール断面像の特徴と対比させることで、定められる。しかも、CCDカメラ14の設置後であれば、必要な幾何学的関係が確定し、それに基づいて予め決定しておくことが可能なので、演算量軽減等の観点から、固定値にして用いられる。もっとも、そのような座標変換だけでは、レールとカメラとの相対距離のように測定時に変化する動的な変動部分までは、吸収しきれない。
【0007】
そこで、経年変化し難く環境等の影響も少ない基準点として、外側のレール頭部側面1aの下端に位置するレールあご1bが選出される。そして、画像処理して得たレール断面像と摩耗の無い理想的な基準レール像とを重ね合わせたり同等の演算を行うようなときには、両者のレールあご位置が一致するような対応付けが行われ、それから、両者間の偏差を抽出する等の処理が行われて、レール摩耗量が算出される。こうして、レール断面像についてレールあご位置を基準とした測定が行われる。
【0008】
【従来の技術】
従来、このようなレールあご位置は、スリット像15のうちレール頭部側面1a上をレールあご1bに向かう直線部分が、スリット像15のうちレール腹部側面1c上をレールあご下1dに向かう連続線部分から、レールあご下1dのところで途切れることに基づき、レール画像から求められる。具体的には、二値化さらには細線化したレール画像を対象にして、上方の連続線を辿り、縦の直線部を下りきった端点の位置がレールあご位置とされていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
また、レールあご位置の確度を高めるために、細線化及び二値化の前で多値のままのレール画像に基づいて端点を求めることも試された(図6参照)。すなわち、レール頭部側面1aにおける直線部の中心線を求め、その中心線に沿って各画素の輝度値を確認しながら下方に順次進んでいき、それから、所定の閾値よりも輝度値が小さくなった画素の座標をレールあご1bの位置とするのである。
この場合、演算量は増えるものの、それなりの効果が得られる。
【0010】
しかしながら、測定状況によっては更なる精度向上が求められる。具体的には、図7に断面形状を示した60kgレールの場合、レールあご1bの曲率半径が一般レールのR1〜R2よりも大きいR5となっているが、この曲率半径が大きいと、レール表面の乾燥湿潤状態が精度に及ぼす影響も大きい。また、レール表面の乾湿状態が異なると、スリット光13の反射率や散乱方向などもその影響を受け、スリット像15の輝度が変化するが、濡れ具合に対応して一律に輝度が増減するので無く、曲率半径が大きいと激しく変化するということが判明した。
【0011】
図8は、レール頭部側面1aの直線部中心線に沿って上から下へ進んだときの位置を横軸に採るとともに、その経路における各画素の輝度を縦軸に採って、乾燥したレールの場合(グラフD)と、湿ったレールの場合(グラフW)とを示したものであるが、所定の閾値tにより決まるレールあご位置が乾燥時の値X1と湿潤時の値X2とで1mm近く異なってしまうこともある。
そして、レールあご位置に誤差があると、その位置を基準として行われる摩耗量等の測定値にも、その誤差が及ぶので、不都合である。
【0012】
そこで、レールあごの曲率半径が小さい一般レールは元よりそれが大きいレールについても表面の乾湿状態に左右されることなく常に正確なレールあご位置が得られるようにすることが課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、レールあご位置を正確に求めるレール断面測定装置を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第4の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0014】
[第1の解決手段]
第1の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、光切断法によるレール画像からレールあご位置を求めるレール断面測定装置において、前記レール画像における不動点とレール腹部側面上の連続線の端点とに基づいてレールあご位置を選定する手段を備えたものである。
【0015】
[第2の解決手段]
第2の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、(測定対象物にスリット光を照射してその表面映像を撮る)光切断法による(加工前で生の)レール画像(に対し幾何学的関係に基づく所定の座標変換を施してカメラ基準座標系の画像)から(レール基準座標系の画像に正規化した)レール断面像を(疑似的に)得るとともに、そのレール断面像についてレールあご位置を基準とした(レール断面摩耗量の測定等の)測定を行うレール断面測定装置において、前記レール画像においてレール頭部側面上をレールあごに向かう第1直線を抽出する直線抽出手段と、前記レール画像においてレール腹部側面上をレールあご下に向かう連続線の(上側)端点を抽出する端点抽出手段と、前記レール画像における不動点と前記端点とを結ぶ第2直線に対し前記第1直線またはその延長線が達する交点について前記レール画像における位置を求める交点位置算定手段とを備え、前記交点位置を前記レールあご位置として前記測定を行うものである。
【0016】
ここで、上記の「不動点」は、座標変換式同様に光学系の幾何学的な関係に基づいて定まり、撮像装置とレールとの相対距離を変化させてもレール画像内では移動しない点を意味する。
【0017】
このような第1,第2の解決手段のレール断面測定装置にあっては、光切断法および所定の座標変換に基づいて摩耗量等の測定に必要な所望のレール断面像が得られるとともに、その測定に際してレールあご位置が基準点とされるが、そのレールあご位置が、レール画像における不動点とレール腹部側面上の連続線の端点とに基づいて得られる。すなわち、先ず、レール画像においてレール頭部側面上をレールあごに向かう第1直線が直線抽出手段によって抽出され、次に、レール画像においてレール腹部側面上をレールあご下に向かう連続線の端点が端点抽出手段によって抽出され、それから、レール画像における不動点と抽出済みの端点とを結ぶ仮想の直線を第2直線として、この第2直線と抽出済みの第1直線またはその延長線との交点位置が交点位置算定手段によって求められ、レール画像におけるその交点位置が基準のレールあご位置とされる
【0018】
ここでレールあご位置の選定に用いた不動点は、光学系の幾何学的な関係で確定し、測定状態によらず移動しない点なので、レールあごの曲率やレール表面の乾湿によって影響されることが無い。また、レール腹部側面上の連続線の端点については、スリット光がレールあごで遮られてできる陰のところまで延びて来るが、その遮光位置は、レールの形状によって一意に定まり、レールあごの曲率が大きくその表面の乾湿状態でスリット光の反射状況も大きく変化するような場合でも安定しているので、そのような遮光位置に対応した陰と対をなす端点位置も、レール表面の乾湿状態に左右されることが無い。なお、レール頭部側面上をレールあごに向かう第1直線も、レールあごに至る前の平坦面における部分は、レールあごの曲率等の影響を受けない。
【0019】
そして、それらから求められる交点位置も、同じ特性を引き継ぐので、レールあごの曲率が大小いずれであっても形状が確定しさえすれば、レール表面の乾湿状態によって変動することが無い。
これにより、レールあごの曲率半径が小さい一般レールは元よりそれが大きいレールについても表面の乾湿状態に左右されることなく常に正確なレールあご位置が得られることとなる。
したがって、この発明によれば、レールあご位置を正確に求めるレール断面測定装置を実現することができる。
【0020】
[第3の解決手段]
第3の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記の第1,第2の解決手段のレール断面測定装置であって、前記不動点は、(十分遠方まで真っ直ぐに延びているとした仮想の)直線レールの像が遠方で収束する点であることを特徴とする。
【0021】
このような第3の解決手段のレール断面測定装置にあっては、直線レールの像が遠方で収束する点、言わば遠方収束点が用いられる。この遠方収束点は、カメラ座標系で見ると透視投影画法における透視中心に相当するものであり、光学系の幾何学的な関係が固定されればレール画像において一意に定まる。そして、撮像装置を搭載した検測車が走行中にレール上で上下等に揺れ動いたときでも、レール画像内のレール像は遠方収束点を中心に振れるだけで、遠方収束点から外れ去ることは無い。そこで、遠方収束点は、レール断面の測定に適した不動点に該当する。
【0022】
また、この遠方収束点は、レール画像が一つでもあればレールの外形線等のうち2本以上を延長して収束点を定めるといった作図的手法を用いて簡便に求められるうえ、複数・多数のレール画像があれば、統計処理を併用して、確度を高めることも容易である。さらに、レール画像が無くても、光学系の特質や設置状態が把握されれば数値演算等による算出だけでも選出が可能である。
これにより、レールあご位置の選出に必要な不動点が容易かつ確実に得られる。しかも、レールあご位置の選出や所望の測定を行う度に求める必要が無く、予め確定しておくことが可能である。
したがって、この発明によれば、レールあご位置を正確に求めるレール断面測定装置を確実に実現することができる。
【0023】
[第4の解決手段]
第4の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、上記の第1〜第3の解決手段のレール断面測定装置であって、前記第1直線の抽出が、(前記レール画像そのままの又はその全範囲もしくは一部の範囲に対応した画像であって二値化前で)多値のレール画像に基づいて行われることを特徴とする。
【0024】
このような第4の解決手段のレール断面測定装置にあっては、多値のレール画像から第1直線が抽出されるので、二値化や細線化したレール画像を対象とする従来手法より正確な結果が得られる。それでいて、従来と異なりその端点検出は不要なので、第1直線のところを辿る処理が省けることから、回帰直線を求める演算等の比較的単純な演算で結果が得られるので、処理負担がさほど増えないで済む。
これにより、演算量の増加を抑えても、レールあご位置選出の基礎となる第1直線が正確に求まる。そこで、演算手段が簡素で安価なもので足りることとなる。
したがって、この発明によれば、レールあご位置を正確に求めるレール断面測定装置を簡素に実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明のレール断面測定装置について、これを実施するための具体的な形態を、その一実施例としてのレール断面摩耗測定装置により説明する。図1は、その構成を示すブロック図であり、図2は、それに用いる遠方収束点等を示す斜視図であり、図3は、顎点すなわちレールあご位置を交点位置により求める手順を示すための画像例であり、図4は、レール断面の画像から摩耗量を求める手順を示す図である。
【0026】
このレール断面摩耗測定装置は(図1参照)、光切断法によりレール画像を撮るための光学部10と、レール1に付着したゴミ等を吹き飛ばすためのノズルやエア供給ユニット等からなる補助機構部20と、撮ったレール画像に画像処理を施して所望の測定を行うための信号処理部30とを具えている。
光学部10及び補助機構部20は、レール1を撮影するために、図示しない検測車の下面に取り付けられるが、左右2本のレール1を同時に測定するために、一対が左右に分けて搭載される。また、光学部10は、既述したスリット光源11やCCDカメラ14(図5参照)からなるが、レール1一本当たり2台使用されるので、それぞれが4台ずつ設置されたものとなっている。
【0027】
信号処理部30は(図1参照)、レールの撮像を走行状態等に応じて適切なタイミングで行う等のために、汎用のマイクロプロセッサシステム等からなるメインコントローラ31を具備しており、これによって適宜のインターフェイス32,33,34を介してCCDカメラ14や,スリット光源11,補助機構部20を制御するようになっている。
また、信号処理部30には、それとは別個のプロセッサからなる断面信号処理装置40も設けられていて、画像処理を効率良く行うようになっている。
【0028】
断面信号処理装置40は(図1参照)、インターフェイス32を介して各CCDカメラ14から取り込んだ4枚のレール半画像41aに加えて2枚のレール全画像41bをも保持するフレームメモリ41と、レール半画像41aに施す画像処理等の処理内容を規定したプログラムを保持するプログラムメモリ42と、演算中に値の変更される方向データ43aや,陰点データ43b,顎点データ43cなどを保持するRAM43と、固定値の遠方収束点データ44aや測定基準データ44bを保持するROM44とを具えている。
【0029】
フレームメモリ41において、レール半画像41aは、何れも、各画素ごとに数ビットのメモリが割り付けられて、多値のレール画像となっている。これに対し、レール全画像41bは、何れも、各画素ごとに1ビットのメモリが割り付けられて、二値のレール断面像となっている。
また、RAM43及びROM44において、方向データ43aには、傾きと切片などの直線を規定するデータ領域が割り付けられ、陰点等の点データ43b,43c,44aには、それぞれ、カメラ座標系で点位置を規定するデータ領域が割り付けられる。さらに、測定基準データ44bには、摩耗量を計るべき箇所を示す幾本かの基準線(図4(c)の矢印線を参照)と、少なくともこれらの基準線上においては摩耗の無い状態のレール断面像(図4(c)の波線を参照)とを規定するデータ領域が、割り付けられている。
【0030】
遠方収束点データ44aは(図2参照)、光学部10を検測車に装着した後、CCDカメラ14の出力ラインにモニタ等を一時的に接続してその撮影画像を観察し、モニタ画面上でレール1の外形線1e,1fを定規等を用いて延長し、その交点位置を測ることで、求められる。あるいは、既述した座標変換の式におけるパラメータA0〜A7が光学部10の幾何学的関係だけで確定するのと同様に遠方収束点データ44aも光学部10の幾何学的関係だけで確定することから、両者には一定の関係が存在するので、パラメータA0〜A7が求まっていれば、それに基づく演算だけで遠方収束点データ44aが算出される。いずれにしても、得られた遠方収束点データ44aは、固定値となり、ROMライタ等の治具を用いてROM44に書き込まれる。
【0031】
断面信号処理装置40のプログラムメモリ42には(図1参照)、レール半画像41a(レール画像)における基準の顎点43c(レールあご位置)を選出するために、基準点選定ルーチン42aがインストールされ、レール半画像41a(レール画像)からレール全画像41b(レール断面像)を得るために、正規化ルーチン42bがインストールされ、レール全画像41b(レール断面像)についての顎点43c(レールあご位置)基準の測定としてレール摩耗量の測定をおこなうために、摩耗量算出ルーチン42cがインストールされている。さらに、そのうちの基準点選定ルーチン42aは、4枚のレール半画像41aが新たに入力される度に順次実行される顎方向抽出サブルーチン42aaと顎陰点抽出サブルーチン42abと顎点算出サブルーチン42acとを具えている。
【0032】
そのうち、顎方向抽出サブルーチン42aaは(図3参照)、CCDカメラ14から取り込んだままのレール半画像41aを対象として、スリット像15のうちレール頭部側面1a上をレールあご1bに向かう直線部分を含む部分画像41aaを切り出し、その直線部分の中心線に対する最適な近似直線を最小自乗法等により決定し、それを方向データ43aとする。なお、部分画像41aaの切り出しは、上方の曲部や下方の端部を含みさえしなければ、ラフで良い。
これにより、このサブルーチン42aaは、多値のままのレール画像41aにおいてレール頭部側面上をレールあごに向かう第1直線43aを抽出する直線抽出手段となっている。
【0033】
また、顎陰点抽出サブルーチン42abは(図3参照)、先ずスリット像15のうちレール腹部側面1cに当たっている部分で探しやすいところ41abを見つけ、次にその中で最も輝度値の大きな画素を選出する。そうすると、この画素はスリット像15の中心線上に位置するので、その後は、その周りの各画素の輝度値を比較しながら輝度値の大きな画素を順に辿ることで、その中心線に沿って上方に進んで行く。そして、進行方向にある画素の輝度値が総て閾値tよりも小さくなったところで、そのときの画素位置を陰点データ43bとする。
これにより、このサブルーチン42abは、レール画像41aにおいてレール腹部側面上をレールあご下に向かう連続線の端点43bを抽出する端点抽出手段となっている。
【0034】
さらに、顎点算出サブルーチン42acは(図3参照)、所定の連立方程式を解く演算を行って、遠方収束点データ44aと陰点データ43bとから両点を通る直線のパラメータ即ち直線式の係数値を算出するとともに、この直線パラメータと方向データ43aとから両直線が交わる点についてカメラ座標系での座標値を算出し、これを顎点データ43cとする。
これにより、このサブルーチン42acは、レール画像における遠方収束点44aと端点43bとを結ぶ第2直線に対し第1直線43aの延長線が達する交点位置43cを求める交点位置算定手段となっている。
【0035】
正規化ルーチン42bは(図1参照)、従来と同様に、各レール半画像41aに対し既述の座標変換式に基づく変形処理を適用するとともに、2枚ずつ繋ぎ合わせたうえで(図4(a)参照)、所定の平滑化および二値化さらに細線化の処理も行って2枚のレール全画像41bを生成する(図4(b)参照)。その際、レール半画像41aにおける顎点データ43cの位置が、レール全画像41bにおいてレールあご位置に対して予め定められた固定位置に来る。このルーチン42bは、そのようになっている。
【0036】
摩耗量算出ルーチン42cは(図1及び図4(c)参照)、レール全画像41bを対象にして、測定基準データ44bによって現される各基準線に沿って(図4(c)の矢印線を参照)、レール全画像41bのレール像(図4(c)の実線部分を参照)と、摩耗の無い状態のレール断面像(図4(c)の波線を参照)との差を算出する。そして、レールが摩耗して減る方向が正になるように符号を調整して、その差を摩耗量Mとするようになっている。
【0037】
この実施例のレール断面測定装置について、その使用態様及び動作を説明する。
【0038】
先ず、検測車の下面等に光学部10及び補助機構部20を装着させ、その状態でレール1をCCDカメラ14で撮影し、そのモニタ画像等に基づいてパラメータA0〜A7及び遠方収束点データ44aの値を確定する。そして、それらの値や、レール1の種類に基づき予め判明している測定基準データ44bの値などをROM44に書き込み、そのROM44を信号処理部30に装着する。それから、その信号処理部30を該当する検測車に搭載するとともに、光学部10等と信号処理部30とを適宜のケーブル等で信号送受可能に接続する。
こうして、測定の準備が調う。
【0039】
その検測車が目的地に至って測定対象のレール1上を一定速度で走行しながら測定を開始すると、メインコントローラ31の制御の下、所定の周期でスリット光源11からレール1に向けてスリット光13が照射されるとともに、それに同期してレール1上のスリット像15がCCDカメラ14によって撮影される。そして、その度に、画像データが断面信号処理装置40に取り込まれる。こうして、ほぼ一定の間隔を走行する度に新たなレール半画像41aが4枚ずつ得られる。
【0040】
そして、その度に、断面信号処理装置40では、基準点選定ルーチン42aと正規化ルーチン42bと摩耗量算出ルーチン42cとがその順に実行される。
しかも、基準点選定ルーチン42aの実行に際しては、顎方向抽出サブルーチン42aaと顎陰点抽出サブルーチン42abと顎点算出サブルーチン42acとがその順に実行される。
【0041】
そこで、レール半画像41aが得られる度に(図3参照)、順に、顎方向抽出サブルーチン42aaによってレール半画像41aから方向データ43aが求められ、顎陰点抽出サブルーチン42abによってレール半画像41aから陰点データ43bが求められ、顎点算出サブルーチン42acによって遠方収束点データ44aと陰点データ43bと方向データ43aとから顎点データ43cが求められる。こうして、遠方収束点44aをレール半画像41aの不動点としたレールあご位置(43c)の選出が行われる。
【0042】
さらに、正規化ルーチン42bによって、所定の変換式に基づく座標変換処理が行われるとともに画像の繋ぎ合わせも行われて、4枚のレール半画像41aから2枚のレール全画像41bが生成されるが、その際に、顎点データ43cに基づいて画像位置がレールあご位置基準の適正位置になるよう調整される(図4(a)参照)。レール全画像41bには、正規化ルーチン42bによって、平滑化と二値化と細線化の処理も施される(図4(b)参照)。
【0043】
それから、摩耗量算出ルーチン42cによって、測定基準データ44bに基づきレール全画像41bから摩耗量Mが算出される。
こうして、顎点データ43cの示す交点位置をレールあご位置として摩耗量Mの測定が行われ、より正確な測定値が得られる。
【0044】
このようにして、検測車の走行に伴い所定間隔ごとに、レール1の踏面や頭部側面の摩耗量Mが、次々に測定される。
そして、測定された摩耗量Mは、適宜の信号変調処理や通信電文等への変換処理も施されてから、図示しない表示装置や記録装置に送られて、目視による良否判別や機械処理による自動判別等に供される。
【0045】
【変形例】
なお、上記実施例では、正規化ルーチン42bにより座標変換処理の後に平滑化・二値化・細線化の処理を行うようにしたが、これに限らず、平滑化・二値化・細線化の処理を先に済ませた後に座標変換の処理を行うようにしても良く、その方が誤差が少ない。
また、上記実施例では、レール断面摩耗を測定する場合を説明したが、測定する物理量は、摩耗量に限らず、レール断面像から得られるものであれば、どのようなものでも良い。
さらに、摩耗量の正負も、実施例の場合に限られず、レールが摩耗して減る方向が負になるようにしても良い。
【0046】
スリット光源の種類も、キセノンフラッシュランプに限られず、水銀ランプ等でも良い。さらに、外乱光の影響を排除するために光度を適宜な周波数で変調するようにしても良い。
カメラの種類や台数も、CCDや4台に限られず、画像の枚数も4枚や2枚に限られず、コストやスループット等に応じて、適宜のものを採用することができる。
【0047】
補助機構20は、設置する方が好ましいが、必須では無いので、測定環境やコスト等を勘案して、省略しても良い。
また、ROM44に代えて、EEPROMやフラッシュメモリを用いることも可能であり、あるいはバッテリバックアップ付きのRAMを採用しても良い。
さらに、レール半画像41aはメインコントローラ31を介して入力するようにしても良く、メインコントローラ31と断面信号処理装置40とが一つのプロセッサで構成されていても良く、逆に断面信号処理装置40が協動する複数の並列プロセッサやワイヤードロジック等で構成されていても良い。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1,第2の解決手段のレール断面測定装置にあっては、レールあご位置がレール画像における不動点とレール腹部側面上の連続線の端点とに基づいて得られるようにしたことにより、レール形状が定まればレールあごの曲率や乾湿による変動は無くなるので、レールあご位置を正確に求めるレール断面測定装置を実現することができたという有利な効果が有る。
【0049】
また、本発明の第3の解決手段のレール断面測定装置にあっては、遠方収束点を用いるようにしたことにより、容易かつ確実に不動点が定まって、レールあご位置を正確に求めるレール断面測定装置を確実に実現することができるようになったという有利な効果を奏する。
【0050】
さらに、本発明の第4の解決手段のレール断面測定装置にあっては、端点検出の不要な直線抽出の処理を多値で行うようにしたことにより、多値のままでも演算量の増加が抑制される一方で精度が向上し、その結果、レールあご位置を正確に求めるレール断面測定装置を簡素に実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレール断面測定装置の一実施例としてのレール断面摩耗測定装置について、その構造を示すブロック図である。
【図2】 それに用いる遠方収束点等を示す斜視図である。
【図3】 顎点を求める手順を示すための画像例である。
【図4】 レール断面の画像から摩耗量を求める手順を示す図である。
【図5】 レール断面摩耗測定装置の光学系である。
【図6】 顎点抽出手順の改良案を示す画像例である。
【図7】 60kgレールの断面形状である。
【図8】 そのレール表面の乾湿による輝度変化および顎点位置の変動を示すグラフである。
【符号の説明】
1 レール
1a レール頭部側面
1b レールあご(顎)
1c レール腹部側面
1d レールあご下
10 光学部(レール断面摩耗測定装置、レール断面測定装置)
11 スリット光源(光切断線の照射手段)
12 スリット部材(光切断線の照射手段)
13 スリット光(光切断線)
14 CCDカメラ(撮像手段)
15 スリット像(レール表面における光切断線の映像)
20 補助機構部
30 信号処理部(レール断面摩耗測定装置、レール断面測定装置)
31 メインコントローラ(主制御装置)
32,33,34 インターフェイス(I/F、サブコントローラ)
40 断面信号処理装置
41 フレームメモリ(画像データ記憶手段)
41a レール半画像(座標変換前の画像、レール画像)
41b レール全画像(座標変換後の画像、レール断面像)
42 プログラムメモリ
42a 基準点選定ルーチン(座標変換前処理)
42aa 顎方向抽出サブルーチン(直線抽出手段)
42ab 顎陰点抽出サブルーチン(端点抽出手段)
42ac 顎点算出サブルーチン(交点位置算定手段)
42b 正規化ルーチン(座標変換処理)
42c 摩耗量算出ルーチン(座標変換後処理)
43 RAM(書換データ保持手段)
43a 方向データ(顎方向情報、動点情報)
43b 陰点データ(顎陰点情報、動点情報)
43c 顎点データ(顎点情報、動点情報、レールあご位置)
44 ROM(固定データ保持手段)
44a 遠方収束点データ(不動点情報)
44b 測定基準データ(基準画像に基づく測定情報)

Claims (3)

  1. 光切断法によるレール画像からレールあご位置を求めるレール断面測定装置において、前記レール画像における不動点とレール腹部側面上の連続線の端点とに基づいてレールあご位置を選定する手段を備え、前記不動点は直線レールの像が遠方で収束する点であることを特徴とするレール断面測定装置。
  2. 光切断法によるレール画像からレール断面像を得るとともにそのレール断面像についてレールあご位置を基準とした測定を行うレール断面測定装置において、前記レール画像においてレール頭部側面上をレールあごに向かう第1直線を抽出する手段と、前記レール画像においてレール腹部側面上をレールあご下に向かう連続線の端点を抽出する手段と、前記レール画像における不動点と前記端点とを結ぶ第2直線に対し前記第1直線またはその延長線が達する交点位置を求める手段とを備え、前記不動点を直線レールの像が遠方で収束する点とし且つ前記交点位置を前記レールあご位置として前記測定を行うことを特徴とするレール断面測定装置。
  3. 前記第1直線の抽出が、多値のレール画像に基づいて行われることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載されたレール断面測定装置。
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