JP4081795B2 - MgB2超伝導薄膜の作製方法 - Google Patents

MgB2超伝導薄膜の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、化合物の薄膜を作製する新規な方法、特に、MgB超伝導薄膜の作製方法に関する。
本発明の方法は、化合物成分が混合されて成る薄膜を、化合物の成分のうち融点が高い成分の薄膜で覆った後に、熱処理過程を経て両物質を薄膜内で互いに反応させるものであり、本発明者はこの方法を以下、「キャップメルト法」と称することとする。
融点が大きく異なる複数の物質、従って同一の温度において蒸気圧が大きく異なる複数の物質の化合物からなる有用な物質がある。このような物質の例としてMgB2 超伝導体があり、MgとBの融点はそれぞれ、651℃及び2076℃であり、沸点(蒸気圧が1気圧となる温度)は、それぞれ1097℃及び2527℃である。
バルク体のMgB2 超伝導体は、化合物超伝導体の中では極めて超伝導転位温度が高く、また製造が容易であるため、従来の超伝導電線に代わる超伝導電線として実用化されつつある。また、MgB2 超伝導体はジョセフソン素子等のエレクトロニクス・デバイス材料としても期待されており、エレクトロニクス・デバイスとして使用するためのMgB2 超伝導体薄膜の製造方法が求められている。
一般に、化合物のバルク体を合成するには、化合物を構成するそれぞれの物質の粉末を混合、加圧して成型し共融点温度近傍の温度で焼成して合成するが、化合物を構成する成分の融点が大きく異なる場合であっても良好な化合物が容易に得られる。例えばMgB2 の場合にはMgの拡散距離が極めて大きいが、Mgの拡散距離に較べて成型体のサイズが大きいので、成型体の極表面を除いては良好な化合物を容易に得ることができる。
しかしながら、融点が大きく異なる成分の化合物薄膜を得ることは容易ではない。すなわち、化合物のバルク体を蒸着物質源として蒸着薄膜を作製すると、蒸気圧の高い物質が先に蒸発してしまい、化合物の化学量論比組成からずれた蒸着薄膜が得られ、期待する化合物の特性を示さなくなる。例えば、MgB2 バルク体を蒸発源とした蒸着薄膜は、MgとBの蒸気圧が大きく異なるために、Mgが先に蒸着され、Bが後から蒸着されるため、成分組成がずれてしまう。
また、各々の成分を別々の蒸発源から同時に蒸発させて各々の成分が混合した薄膜を作製し、真空中で共融点温度近傍の温度で熱処理して反応させ、化合物薄膜を合成しようとすると、膜厚が薄いために、蒸気圧の高い物質が蒸気圧の低い物質と反応する間もなく、薄膜外に拡散して散逸してしまい、熱処理後の薄膜は化合物の特性を示さない。例えば、MgとBを積層した薄膜を真空中で熱処理してもMgが薄膜外にほとんど散逸してしまい、良好な超伝導特性を示すMgB2 薄膜を作製できない。
上記の困難を解決する方法として、MgB2 超伝導薄膜の場合に以下の2つの方法が考案されている。
一つは、二段階作製法(two−step synthesis)と呼ばれる方法(非特許文献1参照)で、以下のような工程で作製する。まずプレカーサとして基板上にスパッタ、真空蒸着、CVD等の成膜方法によりアモルファスB薄膜を堆積させる。ついで、このB薄膜が堆積した基板を取り出してガラス管中に載置し、さらにMgのバルク体を入れ、高真空に引いてから封をして電気炉中で600〜900℃の高温で熱処理する。すると、蒸気圧の高いMgがガラス管内に蒸気となって満たされ、MgがアモルファスB中に拡散してBと反応し、又は溶融して、MgB2 の金属間化合物超伝導薄膜が作製される。この方法で得られる薄膜は結晶性がよく、単結晶ではないが基板に対してエピタキシャル成長し特定の配向を示す。また、超伝導転移温度は39Kを示し、MgB2 のバルク焼結体と同じ超伝導転移温度が実現できる。しかしながらこの方法は、ガラス管に封入する等の複雑な工程を必要とし、コストが高くなる。
もう一つは、上記に説明したように、真空中熱処理によっては作製できないことから考案された方法であり、熱処理をしない真空蒸着作製法(as−grown法)である(非特許文献2,3参照)。蒸着装置や分子線エピタキシー装置(MBE)を利用して、MgとBを異なる蒸発源から同時に供給し、MgB2 化学量論比組成の薄膜を300℃程度の基板上に作製する。このとき、Mgは蒸気圧が高く散逸しやすいので、化学量論比組成とは大きく異なるMg:B=10:1ぐらいの比率で蒸発させる。基板温度は約300℃が限度であり、これ以上高温にするとMgは基板にほとんど堆積しない。この方法で得られるMgB2 薄膜も超伝導特性を示すが、バルクMgB2 の超伝導特性に比べると超伝導特性が低い。また、この方法は真空蒸着装置をMgで汚染してしまい、MgB2 薄膜上に他の薄膜を積層した場合に良好な接合が得られないという課題がある。
Jun Nagamatu,Norimasa Nakagawa,Takahiro Muranaka,Yuji Zenitani & Jun Akimitu "Superconductivity at 39K in magnesium diboride"NATURE VOL410 1 MARCH 2001 p63−p64 X.Zeng,他 "In situ Epitaxial MgB2 thin films for superconducting electronics" Nature Materials 1(2002)35 H.M Christen,他 "Superconducting magnesium diboride films with Tc〜24K grown by pulsed laser deposition with in situ anneal" Physica C353(2001)157−161
上記説明から理解されるように従来、融点が大きく異なる成分、従って蒸気圧が大きく異なる成分の化合物薄膜を作製するには、複雑な工程を必要とするか、あるいは不十分な特性しか得られないという課題がある。
本発明は上記課題に鑑み、融点が大きく異なる成分からなる、化合物として十分な特性を有する化合物薄膜を、複雑な工程を必要としないで作製する方法、即ち、MgB超伝導薄膜の作製方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載のMgB超伝導薄膜の作製方法は真空中で、MgとBを成分とする基礎層を基板上に成膜し、この基礎層上にBからなるキャップ層を成膜し、基礎層とキャップ層を積層した基板をB薄膜の融点未満の温度で熱処理し、MgB超伝導薄膜を作製することを特徴とする。この方法によれば、Bから成るキャップ層が基礎層のMgの薄膜外への散逸を防止するので、Mgが薄膜内にとどまり、固相拡散あるいは溶融によってBと反応しMgB超伝導薄膜が作製される。
また、成膜後に真空装置から取り出して別の装置で熱処理することを必要とせずにMgB超伝導薄膜を作製することができるので、複雑な工程を必要としない。また、熱処理によって真空装置が汚染されることがないので、同一真空で、MgB超伝導薄膜以外の薄膜、例えば、酸化物高温超伝導体薄膜を化合物薄膜上に積層すれば良好な接合が作製でき、従って複合機能超伝導デバイスが作製できる。
請求項2に記載の本発明のMgB超伝導薄膜の作製方法は、MgとBを成分とする基礎層を基板上に成膜する際に、MgをBより多く含むMgとBを成分とする成分補償層を初めに成膜し、この成分補償層上に上記基礎層を成膜し、この基礎層上にBを成分とする成分補償層を成膜し、さらに、この成分補償層上にMgから成る成分補償層を成膜することを特徴とする。この方法によれば、上記熱処理において生ずるMgB2 基礎層中の各成分の抜けや、MgやBの拡散に伴う成分比の不均一を補償することができ、組成の均一性に優れたMgB2 超伝導薄膜を作製できる。さらには、融点の低いMg成分からなるMg成分補償層からMgがMgB基礎層に大量に拡散することにより、MgB基礎層中のMgの圧力が高まり、MgとBとの金属間化合物反応が促進される。
また、請求項に記載のMgB超伝導薄膜の作製方法は、MgとBを成分とする基礎層を基板上に成膜する際に、MgをBより多く含むMgとBを成分とする成分補償層を初めに成膜し、この成分補償層上に上記基礎層を成膜し、この基礎層上にMgから成る成分補償層を成膜することを特徴とする。この方法によれば、上記熱処理において生ずるMgB2 基礎層中の各成分の抜けや、MgやBの拡散に伴う成分比の不均一を補償することができ、組成の均一性に優れたMgB超伝導薄膜を作製できる。さらに、融点の低いMg成分からなるMg成分補償層からMgがMgB2 基礎層に大量に拡散することにより、MgB基礎層中のMgの圧力が高まり、MgとBとの金属間化合物反応が促進される。
また、請求項に記載の本発明のMgB超伝導薄膜の作製方法は、熱処理において基板をできる限り容積が小さい容器、例えば基板の体積とほぼ同じ容積の容器に密封し、真空中、非酸化性雰囲気中又は酸化性雰囲気中で、B薄膜の融点未満の温度で熱処理することを特徴とする。この方法によれば、キャップ層で防止しきれないMgの散逸及び薄膜の側面からのMgの散逸を、密閉容器が防止するので、さらに特性の優れたMgB超伝導薄膜が作製できる。
また、好ましくは、成膜方法はレーザパルス蒸着法である。この方法によれば、蒸発流に指向性があり、真空装置を融点の低い物質で汚染することが少ないので、例えば、MgB2 超伝導薄膜の場合に、MgB超伝導薄膜以外の薄膜、例えば、酸化物高温超伝導体薄膜をMgB超伝導薄膜上に積層して、MgB超伝導薄膜と酸化物高温超伝導体薄膜との良好な接合を作製できる。
また好ましくは、真空は10−7Torr以下の真空である。この真空度におけるMgの酸化は、MgB超伝導薄膜の特性にほとんど影響を与えない。
本発明の方法によれば、融点が大きく異なる成分からなり、化合物としての十分な特性を有する化合物薄膜を、複雑な工程を必要としないで作製することができる。また、この方法を用いれば、十分な超伝導特性を有するMgB2 超伝導薄膜を、複雑な工程を必要としないで作製することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を詳細に説明する。
初めに、本発明のキャップメルト薄膜作製方法に用いる真空蒸着装置の一例であるパルスレーザー蒸着装置を説明する。なお、実質的に同一の部材には同一の符号を付して説明する。
図1は本発明のキャップメルト薄膜作製方法に用いる真空蒸着装置の一例であるパルスレーザー蒸着装置を説明する図である。パルスレーザー蒸着装置1は、パルスレーザー光2を導入する透明な窓3を有する真空チャンバー4内に、蒸着物質からなる複数のターゲット5,6と、ターゲット5,6を搭載して回転軸7の周りに回転可能なターゲット・ホルダー8と、加熱可能な基板ホルダー9を有している。
成膜するには、ターゲット・ホルダー8を回転し、所定の蒸着物質からなるターゲット5をパルスレーザー光2の照射位置にあわせ、所定のエネルギーを有するパルスレーザー光2を所定の周波数、時間で照射してターゲット5からプルーム(蒸気流)10を生成して、基板ホルダー9に固定された基板11に蒸着する。他の物質を蒸着するには、同様に、ターゲット・ホルダー8を回転し、所定の蒸着物質からなるターゲット6をパルスレーザー光2の照射位置にあわせ、所定のエネルギーを有するパルスレーザー光2を所定の周波数、時間で照射してターゲット6からプルーム10を生成し、基板ホルダー9に固定された基板11に蒸着する。真空中の熱処理は、基板ホルダー9を所定の温度に加熱して行う。
次に、本発明の第一の実施の形態をMgB2 超伝導薄膜の作製を例にして説明する。
図2は、本発明の第一の実施の形態のキャップメルト薄膜作製方法の工程を示す図である。始めに、真空装置内を10-7〜10-8Torrの高真空状態、好ましくは10-9〜10-10 Torrの超高真空状態にする。これは真空度が高いほど、MgB2 の成膜時に不純物の混入(特に酸素によるMgの酸化)を避けられるからである。
ターゲット・ホルダー8を回転し、MgとBから成るターゲット5をパルスレーザー光2の照射位置にあわせ、所定のエネルギーを有するパルスレーザー光2を所定の周波数、時間で照射してターゲット5からプルーム10を生成し、基板ホルダー9に固定された基板11上に、図2(a)に示すように、MgとBから成る所定の膜厚の基礎層12を蒸着する。MgとBから成る基礎層12の成分比は化学量論比であれば好ましいが、化学量論比に近ければよい。次に、ターゲット・ホルダー8を回転し、Bからなるターゲット6をパルスレーザー光2の照射位置にあわせ、所定のエネルギーを有するパルスレーザー光2を所定の周波数、時間で照射してターゲット6からプルーム10を生成し、基板ホルダー9に固定された基板11の基礎層12上に、図2(b)に示すように、Bからなるキャップ層13を所定の膜厚蒸着する。
続いて、基礎層12とキャップ層13が積層した基板11を、基板ホルダー9の加熱機構により所定の温度に上昇し、所定の時間熱処理する。所定の熱処理温度は、キャップ層13の融点未満の適宜な温度であり、化合物反応に応じて選択する。MgB2 超伝導薄膜の場合には、MgとBの金属間化合物が作製できる温度である。この温度で熱処理するとキャップ層は溶融しないが、キャップ層の下の基礎層12では溶融、あるいは固相拡散が生じる。この溶融あるいは固相拡散に伴って、融点の低い成分、すなわちMgB2 の場合はMgが極めて速い速度で拡散し、薄膜外に散逸しようとするが、キャップ層13によって基礎層12に押し戻されて基礎層12に留まり、Bと金属間化合物反応を形成する。このため、図2(c)に示すように、所望の化合物薄膜14が得られる。この工程を本発明者らはキャップメルト工程と名付けた。
次に、本発明の第二の実施形態をMgB2 超伝導薄膜の作製方法を例に説明する。
図3は、本発明の第二の実施形態のMgB2 超伝導薄膜の作製方法の工程を示す図である。真空装置内を10-7〜10-8Torrの高真空状態、好ましくは10-9〜10-10 Torrの超高真空状態にする。
以下の(1)〜(5)の順でターゲットを変え、図3(a)に示すように、室温下の基板に順に積層させて成膜する。
(1)(Mg+B)ターゲット(MgB2 の化学量論比組成よりもMgの割合が多いターゲット)を用いてMg+Bからなる(Mg+B)成分補償層15を成膜する。
(2)MgB2 の化学量論比組成のターゲットを用いて化学量論比組成のMgB2 基礎層16を積層する。尚、この状態ではMgとBは金属間化合物を形成していない。
(3)B単体ターゲットを用いてBから成るB成分補償層17を積層する。
(4)Mg単体ターゲットを用いてMgから成るMg成分補償層18を積層する。
(5)B単体ターゲットを用いてBから成るBキャップ層19を積層する。
なお、上記(3)の工程を省略しても良い。
パルスレーザ蒸着法を用いる場合について説明したが、この方法に限らず、分子線エピタキシー法又はスパッタ法を用いることができる。パルスレーザ蒸着法は蒸発流の指向性が高いので、蒸発物質が基板のほかに真空チャンバに付着するのを回避でき、汚染されないので、同一真空で他の機能性薄膜を接合することができる。また、蒸発物質が真空チャンバを汚染するのを防ぐには、成膜時に雰囲気ガスを用いないことも必要である。
(Mg+B)成分補償層15を設けるのは、キャップメルト過程のMgの拡散に伴って生じるMgB2 基礎層16中のMgの抜けを補償するためである。また、(Mg+B)成分補償層15とMgB2 基礎層16の膜厚を制御することによって、微細な組成制御もできるので、基礎層16の成分比は化学量論比組成でなくとも良い。
B成分補償層17は、キャップメルト過程でMgB2 基礎層16からB薄膜17方向に向かってMgが拡散する際に一緒に抜けるBを補償するために設ける。Mg成分補償層18は、キャップメルト過程でMgB2 基礎層16からB成分補償層17方向に向かって拡散して抜けるMgを補償するために設ける。Bキャップ層19は、Mgが薄膜から拡散して真空装置内に散逸するの防止するために設ける。
なお、パルスレーザ蒸着法を用いる場合は、パルスレーザの周波数は高い方がよい。これは、いくら超高真空といっても超伝導性を劣化させる酸化性のガスは存在するため、このような酸化性ガスに晒される時間を短くするためである。
次に、基板温度を上昇しキャップメルト工程を行うと、図3(b)に示すように、MgB2 基礎層16は互いに溶融、あるいは固相拡散して金属間化合物反応を生じ、MgB2 超伝導薄膜20が得られる。
次に、本発明の第三の実施の形態を説明する。
本発明の第三の実施の形態は、上記第一又は第二の実施の形態において、キャップメルト工程直前まで進めた基板を真空装置より取り出し、この基板の体積とほぼ同じ容積の容器に密封し、真空中、非酸化性雰囲気又は酸化性雰囲気でキャップメルト工程を行うものである。非酸化性雰囲気は、20Torr程度のN2 又はAr雰囲気であれば好ましい。また酸化性雰囲気は、20Torr程度のO2 雰囲気であれば好ましく、この場合には、酸化物超伝導体を酸素雰囲気中で積層すると同時にMgB2 のキャップメルト工程を行うことができる。さらに酸化性雰囲気は、空気中でも良く、通常の電気炉でキャップメルト工程を行えば、低コストで作製できる。
図4はこの方法に用いる密閉容器の一例を示す図であり、図4(a)は蒸着工程で用いた基板ホルダーの上面図及び断面図を示していおり、同図(b)は基板を密封した状態を示している。(a)に示すように、基板ホルダー40は、基台41と、基台41上にネジ42で固定される上蓋43から成り、上蓋43は基板44を固定する開口部45を有し、開口部45の形状は基板44を収容できる最小の形状を有している。
開口部45に基板44を配置して、第一又は第二の実施の形態に示した方法で基礎層とキャップ層、あるいは成分補償層を有する基礎層とキャップ層を作製する。
その後真空装置より取り出し、(b)に示すように、基板ホルダー40の表面に密閉板46をネジ42で固定して密封する。基板44の表面と密閉板46の間に作製される空間はできるだけ小さい方が良く、基板44の表面が密閉板46の面に接触しない程度に上蓋43の厚さを薄くする。この基板44を密閉した基板ホルダー47を真空中、非酸化性雰囲気又は酸化性雰囲気でキャップメルトして化合物薄膜を作製する。
なお、上記説明では基板を容器に密封するために、基板ホルダーを真空装置から取り出して密封する場合について説明したが、もちろん、真空装置内に可動機構を有する密閉板を設ければ、成膜時と同一の真空中で基板を密閉容器に密閉できることは明かである。
また、基板の体積とほぼ同じ容積の容器に密封するのは、キャップメルト時に基板から散逸されたMgを、できるだけ小さな空間に閉じこめることによって高圧力に保持するためであり、高圧力に保持することによって、基板からのMg散逸を小さくすることができる。また、密閉容器の密閉の程度は、数〜数10μmの表面粗さを有する金属面同士を接触させた際に形成される密閉度でよい。
この方法によれば、キャップ層で防止しきれない融点の低い成分の散逸、及び薄膜の側面からの融点の低い成分の散逸を、密閉容器が防止するので、さらに特性の優れた特性の化合物薄膜が作製できる。
次に、実施例1を示す。
基板としてMgO(100)面方位基板を用い、Kr;Fパルスレーザ蒸着装置を用いて成膜した。パルス周波数は10Hzであり、真空度は、10-9Torrである。また、上記(1)の工程で使用したターゲットは、中心角30°の扇形のBと中心角150°の扇形のMgをそれぞれ2片づつ交互に組み合わせて円形にしたものを用いた。また、室温の基板に上記(1)〜(5)工程を連続して行った。(1)〜(5)の成膜時間はそれぞれ10分、10分、1分、10分および10分であった。キャップメルト工程は、基板温度を50℃/minの昇温速度で550℃まで上げ、この温度で2分間保持した後、自然冷却させた。この間高真空状態を保った。
図5は、本実施例のMgB2 薄膜の超伝導特性を示す図であり、横軸は温度、縦軸は抵抗である。挿入図は、超伝導転移温度を見やすくするため、温度のスケールを拡大して示した図である。
図からわかるように、この薄膜は超伝導特性を示し、超伝導転移温度Tcは20.3Kである。なお、この例のMgB2 薄膜の超伝導転移温度は、MgB2 バルクの超伝導転移温度に比べて低いが、その原因は、(Mg+B)成分補償層15とMgB2 基礎層16の膜厚比が適切でなく、MgとBの組成比がずれているためと推定される。
次に、上記実施例1におけるキャップメルト条件について説明する。
図6は超伝導転位温度のキャップメルト条件依存性を示す図であり、横軸は熱処理温度(Annealing temperature)を示し、縦軸は超伝導転位温度(Critical temperature)を示す。図中の左側のグラフは、熱処理時間(annealing time)を120分に固定して熱処理温度を変化させたグラフであり、右側のグラフは、熱処理時間を2分に固定し、550℃近辺で熱処理温度を変化させたグラフである。なお、グラフのバー記号の上端は、電気抵抗のたち下がりにおける超伝導転位温度(Tc onset )を示し、下端は電気抵抗が完全にゼロになる超伝導転位温度(Tc 0 )を示す。
図から、キャップメルト条件には、熱処理時間に依存した熱処理温度の最適値が存在することがわかる。なお、熱処理時間120分における最適熱処理温度480℃、及び熱処理時間2分における最適熱処理温度550℃から、Mgの拡散の活性化エネルギーは3.1eVと見積もられる。
次に、実施例2を示す。
基板に、MgB2 との格子整合性が最もよいAl2 3 (0001)面方位基板を使用した。実施例1と同様のパルスレーザー真空蒸着装置及びターゲットを用い、また、成膜条件とキャップメルト条件も同一にして作製した。
図7は、本実施例の超伝導特性を示す図であり、横軸は温度、縦軸は抵抗である。挿入図は、超伝導転移温度を見やすくするため温度のスケールを拡大して示した図である。図からわかるように、この薄膜は超伝導特性を示し、超伝導転移温度Tcは16.5Kである。なお、この例のMgB2 薄膜の超伝導転移温度は、MgB2 バルクの超伝導転移温度に比べて低いが、その原因は、(Mg+B)成分補償層15とMgB2 基礎層16の膜厚比が適切でなく、MgとBの組成比がずれているためと推定される。
次に、実施例1で作製したMgB2 超伝導薄膜の電子顕微鏡写真を示す。図8は、実施例1で作製したMgB2 超伝導薄膜の表面を撮影した原子間力顕微鏡(AFM)写真である。キャップ層は窒素ガスを吹き付けて取り除いた。図において、膜の表面に部分的に存在する白い膜は残留したキャップ層である。白い膜の下に存在する灰色の板が基礎層であり、MgB2 超伝導薄膜である。
本発明のキャップメルト法では、表面に非超伝導相であるBからなるキャップ層が形成されているが、基礎層とキャップ層との結合力が極めて弱いために、窒素ガス吹き付け等の表面を傷つけない手段でキャップ層を除去できる。このためキャップ層は酸化性雰囲気から基礎層を保護すると共に、必要なときに容易に除去できる。
図から、MgB2 超伝導薄膜の表面は極めて平坦であることがわかる。平均二乗粗さ(rms)を測定したところ、1.17nmであった。この値はMgB2 単位胞(a軸長が0.3086nm、c軸長が0.3542nmの六方格子構造)の大きさの3〜4倍に相当し、これまで報告されている中で最も平坦である。このように本発明の方法によれば、表面が極めて平坦なMgB2 超伝導薄膜が得られ、MgB2 超伝導薄膜をエレクトロニクス・デバイスに使用する上で、極めて有用である。
次に、実施例3を示す。
この実施例3は、実施例1の方法でキャップメルト工程直前まで進めた基板を真空装置より取り出し、この基板の体積とほぼ同じ容積の容器に密封し、真空中でキャップメルト工程を行ったものである。
使用した基板ホルダーはインコネル材で作製した。上蓋は厚さが1.0mmであり、中央に5mm×5mmの開口部を有している。開口部に0.5mm×5mm×5mmの基板を配置し、実施例1の方法でMgB2 基礎層、Mgの成分補償層、及びBのキャップ層を成膜した。この基板を真空装置から取り出し、密閉板を取り付けて密封した。この場合、上蓋の厚さが1.0mmであるので、基板表面の前面に約0.5mm×5mm×5mmの空間が形成されるが、この空間はできるだけ小さいことが望ましい。このホルダーを真空装置に戻し、キャップメルト工程を行った。
図9は作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図であり、(a)は0Kから280Kまでの抵抗を示しており、(b)は超伝導転位温度を見やすくするため温度範囲を拡大して示した図である。縦軸は比抵抗を示し、横軸は測定温度を示している。真空度は10-7Torr以下であり、キャップメルト工程は600℃、45分である。図から、超伝導転位温度が約32Kに達していることがわかる。この値は、実施例1の約20Kと較べて大幅に改善されている。
次に、実施例4を示す。
この実施例4は、実施例1の方法でキャップメルト工程直前まで進めた基板を真空装置より取り出し、この基板の体積とほぼ同じ容積の容器に密封し、20TorrのAr雰囲気中でキャップメルト工程を行ったものであり、キャップメルト工程は650℃、10分であり、使用した密閉容器は実施例3と同一である。
図10は作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図であり、(a)は0Kから280Kまでの抵抗を示しており、(b)は超伝導転位温度を見やすくするため温度範囲を拡大して示した図である。縦軸は抵抗を示し、横軸は測定温度を示している。図から、超伝導転位温度が約27Kに達していることがわかる。この値は、実施例1の約20Kと較べて大幅に改善されている。
次に、実施例5を示す。
この実施例5は、実施例1の方法でキャップメルト工程直前まで進めた基板を真空装置より取り出し、この基板の体積とほぼ同じ容積の容器に密封し、20TorrのN2 雰囲気中でキャップメルト工程を行ったものであり、キャップメルト工程は630℃、30分であり、使用した密閉容器は実施例3と同一である。
図11は作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図であり、(a)は0Kから280Kまでの抵抗を示しており、(b)は超伝導転位温度を見やすくするため温度範囲を拡大して示した図である。縦軸は抵抗を、横軸は測定温度を示している。図から、超伝導転位温度が約28Kに達していることがわかる。この値は、実施例1の約20Kと較べて大幅に改善されている。
次に、実施例6を示す。
この実施例6は、実施例1の方法でキャップメルト工程直前まで進めた基板を真空装置より取り出し、この基板の体積とほぼ同じ容積の容器に密封し、20TorrのO2 雰囲気中でキャップメルト工程を行ったものであり、キャップメルト工程は660℃、30分であり、使用した密閉容器は実施例3と同一である。
図12は作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図であり、(a)は0Kから290Kまでの抵抗を示しており、(b)は超伝導転位温度を見やすくするため温度範囲を拡大して示した図である。縦軸は抵抗を、横軸は測定温度を示している。図から、超伝導転位温度が約31Kに達していることがわかる。この値は、実施例1の約20Kと較べて大幅に改善されている。
次に、実施例7を示す。
この実施例7は、実施例1の方法でキャップメルト工程直前まで進めた基板を真空装置より取り出し、この基板の体積とほぼ同じ容積の容器に密封し、通常の電気炉を使用し、空気中でキャップメルト工程を行ったものであり、キャップメルト工程は500℃、45分であり、使用した密閉容器は実施例3と同一である。
図13は作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図であり、(a)は0Kから290Kまでの抵抗を示しており、(b)は超伝導転位温度を見やすくするため温度範囲を拡大して示した図である。縦軸は抵抗を、横軸は測定温度を示している。図から、超伝導転位温度が約30Kに達していることがわかる。この値は、実施例1の約20Kと較べて大幅に改善されている。
このように、本発明の第三の実施の形態の方法を用いれば、周囲のガス雰囲気によらずに超伝導特性に優れたMgB2 超伝導薄膜が得られる。
本発明のキャップメルト薄膜作製方法に用いる真空蒸着装置の一例であるパルスレーザー蒸着装置を説明する図である。 本発明の第一の実施の形態のキャップメルト薄膜作製方法の工程を示す図である。 本発明の第二の実施形態のキャップメルト薄膜作製方法の工程を示す図である。 本発明の第三の実施形態のキャップメルト薄膜作製方法に用いる密閉容器の例を示す図である。 実施例1のMgB2 薄膜の超伝導特性を示す図である。 超伝導転位温度のキャップメルト条件依存性を示す図である。 実施例2の超伝導特性を示す図である。 実施例1で作製したMgB2 超伝導薄膜の原子間力顕微鏡(SEM)写真である。 実施例3で作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図である。 実施例4で作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図である。 実施例4で作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図である。 実施例4で作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図である。 実施例4で作製したMgB2 超伝導薄膜の超伝導特性を示す図である。
符号の説明
1 パルスレーザー真空蒸着装置
2 パルスレーザー光線
3 窓
4 真空チャンバー
5 ターゲット
6 ターゲット
7 回転軸
8 ターゲット・ホルダー
9 基板ホルダー
10 プルーム
11 基板
12 基礎層
13 キャップ層
14 化合物薄膜
15 (Mg+B)成分補償層
16 MgB2 基礎層
17 B成分補償層
18 Mg成分補償層
19 Bキャップ層
20 MgB2 超伝導薄膜
40 基板ホルダー
41 基台
42 ネジ
43 上蓋
44 基板
45 開口部
46 密閉板
47 基板を密閉した基板ホルダー

Claims (6)

  1. MgB超伝導薄膜を作製する方法において、
    真空中で、
    MgとBを成分とする基礎層を基板上に成膜し、
    この基礎層上に、Bからなるキャップ層を成膜し、
    上記基礎層とキャップ層を積層した基板を、B薄膜の融点未満の温度で熱処理し、
    MgB超伝導薄膜を作製することを特徴とする、MgB超伝導薄膜の作製方法。
  2. 前記MgとBを成分とする基礎層を基板上に成膜する際に、MgをBより多く含むMgとBを成分とする成分補償層を初めに成膜し、この成分補償層上に上記基礎層を成膜し、この基礎層上にBを成分とする成分補償層を成膜し、さらに、この成分補償層上にMgから成る成分補償層を成膜することを特徴とする、請求項に記載のMgB超伝導薄膜の作製方法。
  3. 前記MgとBを成分とする基礎層を基板上に成膜する際に、MgをBより多く含むMgとBを成分とする成分補償層を初めに成膜し、この成分補償層上に上記基礎層を成膜し、この基礎層上にMgから成る成分補償層を成膜することを特徴とする、請求項に記載のMgB超伝導薄膜の作製方法。
  4. 前記熱処理において、前記基板を容積が小さい容器に密封し、真空中、非酸化性雰囲気中又は酸化性雰囲気中で、B薄膜の融点未満の温度で熱処理することを特徴とする、請求項に記載のMgB超伝導薄膜の作製方法。
  5. 前記成膜はレーザパルス蒸着法によって行うことを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のMgB超伝導薄膜の作製方法。
  6. 前記真空は、10−7Torr以下の真空であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のMgB超伝導薄膜の作製方法。
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